面光源装置及び面光源装置の組み立て方法
【課題】 光源や導光板の破損時にリワークしやすく、光源を導光板に押し当てるための特別な機構を必要としない等、ほとんどの構成と作業を現行のままで行える面光源装置を提供する。
【解決手段】 光源10〜12の出射面が平面ではなかったり、あるいは取り付けの誤差により、光源配置時に傾きや位置がばらついたりすると、光源12と導光板20との間に他よりも大きな空隙が生じる。そこで、透明な弾性部材2を光源10〜12と導光板20の入射面21との間に入れている。透明な弾性部材2は、使用環境温度下で、弾性率0.01MPa以上10MPa以下である。屈折率は1.30〜1.70である。光源10〜12と導光板20は、接着剤のように硬化して接続されることがなく、常に前記弾性率を保った上で接続される。また、弾性部材2と導光板20の屈折率は、ほぼ等しいので、光源10、11から入射する光量に比較し、光源12からの光量が少なくなることはない。
【解決手段】 光源10〜12の出射面が平面ではなかったり、あるいは取り付けの誤差により、光源配置時に傾きや位置がばらついたりすると、光源12と導光板20との間に他よりも大きな空隙が生じる。そこで、透明な弾性部材2を光源10〜12と導光板20の入射面21との間に入れている。透明な弾性部材2は、使用環境温度下で、弾性率0.01MPa以上10MPa以下である。屈折率は1.30〜1.70である。光源10〜12と導光板20は、接着剤のように硬化して接続されることがなく、常に前記弾性率を保った上で接続される。また、弾性部材2と導光板20の屈折率は、ほぼ等しいので、光源10、11から入射する光量に比較し、光源12からの光量が少なくなることはない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射された光を導光板を介して面状に出射し、液晶表示素子や液晶表示装置などを背面から照明する面光源装置及び面光源装置の組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の液晶表示装置を照明するため、光源から出射された光を液晶表示装置に導く導光板及びこの導光板を備え液晶表示装置を背面から照明する面光源装置が提供されている。
【0003】
図10は、従来の面光源装置100の外観を示す図である。面光源装置100は、複数の光源110〜112と、導光板120とからなる。光源110〜112としては、発光ダイオード(LED)などが用いられる。
【0004】
導光板120は、例えばPMMA又はポリカーボネートのような透明な材料からなり、略板状の平坦な形状を有している。前記複数の光源110〜112が近接される一つの側面を入射面121、上面及び下面をそれぞれ出射面122及び反射面123としている。反射面123には、入射面121から入射された光源110〜112からの光を出射面122に向けて反射するために複数の偏向パターン素子による偏向パターンが形成されている。このように、側面にある入射面121から入射された光を主面にある出射面122から出射する導光板120をサイドエッジ方式と称し、携帯電話機等において広く使用されている。
【0005】
図11は、従来の面光源装置100の上面図である。光源110〜112は、プリント基板130に実装された状態で導光板120の入射面121に近接されている。図11に示した状態は、光源110〜112が導光板120の入射面121に均一に配置された状態を示す。つまり、3つの光源110〜112から入射面121までの距離が等しい。よって各光源110〜112が同じ強度の光を出力しているのであれば、導光板120に入射した光の輝度は等しく、均斉度も等しい。
【0006】
しかし、図11に示した状態は、あくまでも理想的な光源の配置状態であり、実際には、光源110〜112の出射面が平面ではなかったり、あるいは取り付けの誤差により、光源配置時に傾きや位置がばらついてしまったりする。すると、図12に示すように、例えば光源112と導光板120との間に空隙140が生じてしまう。図12では光源112と導光板120との間だけに空隙140が生じているように図示したが、これは光源112の空隙140が他の空隙よりも著しく大きいことを示している。もちろん、光源配置時にあって、光源110又は111と導光板120との空隙が著しく大きくなることもある。
【0007】
また、図13は、入射面121に対する光源112の空隙を伴った配置例を示す。(a)空隙がある場合、(b)空隙が大きい場合、(c)光源が斜めに配置されてしまう場合、(d)光源の出射面側の封止剤の不均一が原因で生じる空隙がある場合を示している。いずれの場合も、光源配置時に傾きや位置がばらついてしまい、空隙が生じてしまっているのを示している。
【0008】
このため、図14に示すように、光源112から導光板120に入射する光は、光源112の出射面112a、空隙140、入射面121を介して導光板120に入射することになる。光源110〜112は、ある広がり角で光を出射しているため、光源112から出射した光のうち入射面121に達する光量は、空隙140がないまたは少ない場合に比べて少なくなってしまう。よって、光源110、111から入射する光に比較し、光源112から導光体120に入射する光の光量が少なくなる。つまり、光源112から導光板120に入射した光の輝度は、光源110又は111から入射した他の光の輝度よりも小さくなり、均斉度も低くなってしまう。
【0009】
そこで、下記特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4では、前記空隙を埋めるための技術が開示されてきた。特許文献1は、液晶表示装置のバックライト構造に関する技術であり、空隙を埋めるために、光源を導光板の入射面に接着する発明である。特許文献2もバックライト用光源に関する技術であり、特許文献1と同様に、空隙を埋めるために、光源を導光板の入射面に接着する発明である。特許文献3は、面状照明装置及びこれを備えた表示装置に関する技術であり、空隙を埋めるために、光源を導光板に押し当てる機構に関する発明である。特許文献4は、照明装置を用いた液晶表示装置に関する技術であり、空隙を埋めるため、光源装置を導光板に埋め込んで成形するという発明である。
【0010】
【特許文献1】特開2004−77561号公報
【特許文献2】特開2003−281912号公報
【特許文献3】特開2004−55454号公報
【特許文献4】特開平9−160032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前記特許文献1及び2にて開示された接着剤を用いて光源を導光板の入射面に接着する技術では、接着剤が硬化した後は、時間の経過に伴ってひび割れが生じてしまうおそれがあった。例えば、接着剤が硬化した後に、光源等に外力が加わってしまったりすると、ひび割れはもちろん破壊にまで至ってしまうおそれがあった。また、製造ラインに液状である接着剤を配置するのは製造上のデメリットである。また、光源又は導光板に一度接着剤を塗ってしまうと、やり直しが効かなくなってしまう。
【0012】
また、前記特許文献3及び4のように、光源を導光板に押し当てたり、光源を導光板に埋め込んだりしたりする技術は、製造作業工程や、ラインを複雑化してしまうおそれがある。
【0013】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、光源の配置ばらつきが生じ、光源と導光板の間に空隙が生じたり、また、光源の向きが導光板に対して斜めになっても、輝度が低下したり均斉度が低下するのを防ぐことができる面光源装置の提供を目的とする。また、本発明は、光源や導光板の破損時にリワークしやすく、光源を導光板に押し当てるための特別な機構を必要としない等、ほとんどの構成と作業を現行のままで行うことができる、面光源装置及び面光源装置の組み立て方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る面光源装置は、光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する光源と、前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置される透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなる。
【0015】
本発明に係る面光源装置は、光を入射する入射面、入射した光を出射する出射面、及び出射面と対向し、入射した光を出射面に反射するために光の進行方向を制御するためのパターンを有する反射面とを有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する一つ以上の光源と、前記導光板の反射面に対向し、前記反射面から漏れた光を反射して前記導光板に再度入射させる反射部材と、前記導光板と前記光源と前記反射部材を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記透明な弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなることが好ましい。
【0016】
前記弾性部材の弾性率が使用環境温度下で0.01MPa以上10MPa以下であることが好ましい。
【0017】
前記弾性部材の屈折率が1.3〜1.7の範囲であることが好ましい。
【0018】
前記弾性部材の屈折率は、空気の屈折率よりも高く、かつ前記範囲内にあって前記導光板の屈折率よりも小さいことが好ましい。
【0019】
前記弾性部材の厚みが10μm〜1mmの範囲であることが好ましい。
【0020】
前記導光板の前記入射面は厚み方向に伸びる凹凸パターンを有し、前記出射面は異方拡散パターンを有することが好ましい。
【0021】
本発明に係る面光源装置の組み立て方法は、光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する光源と、前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当てた面光源装置の組み立て方法であって、前記保持部材に光源を搭載する前あるいは搭載した後に、光源を搭載する側が低くなるような傾斜面を有する台座に前記保持部材を傾けて乗せる工程と、前記保持部材を傾けて台座に乗せる工程により保持部材を台座に乗せた状態で、弾性部材及び導光板を搭載する工程とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る面光源装置によれば、光源の配置ばらつきが生じ、光源と導光板の間に空隙が生じたり、また光源の向きが導光板に対して斜めになった場合にも、輝度が低下したり均斉度が低下することを抑制する効果がある。
【0023】
また、本発明は、光源や導光板の破損時にリワークしやすく、光源を導光板に押し当てるための特別な機構を必要としない等、ほとんどの構成と作業が現行のままで行うことができる。このため、産業上極めて有効な発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するためのいくつかの最良の形態を説明する。まず、第1の実施の形態は、携帯電話機等の液晶表示装置を背面から照明する面光源装置である。図1は、面光源装置1の外観を示す図である。また、図2は、面光源装置1の側面図である。
【0025】
図1及び図2にあって、面光源装置1は、光を入射する入射面21及び光を出射する出射面22、さらに光を反射する反射面23を有する導光板20と、導光板20の入射面21に光を入射する複数の光源10,11,12と、導光板20と光源10〜12、さらに後述する反射部材25の片側を覆うとともに位置決めする保持部材30と、光源10〜12と導光板20の入射面21の間に配置する透明な弾性部材2とを少なくとも有し、弾性部材2を介して光源10〜12を導光板20の入射面21に押し当てている。また、面光源装置1は、導光板20の反射面23に対向するように設けられて反射面23から漏れた光を反射して導光板20に再度入射させる反射部材25を備えている。
【0026】
光源10〜12は、出力特性が略等しい発光ダイオードである。発光ダイオードのほか、冷陰極管も利用できるが、発光面の一辺が短い発光ダイオードが望ましい。
【0027】
導光板20は、例えばPMMA、ポリオレフィン又はポリカーボネートのような一定の屈折率を有する透明な材料からなり、略板状の平坦な形状を有している。そして、前述したように、前記複数の光源10〜12が近接される一つの側面を入射面21、上面及び下面をそれぞれ出射面22及び反射面23としている。反射面23には、入射面21から入射された光源10〜12からの光を出射面22に向けて反射するために、反射溝24が形成されている。
【0028】
入射面21は、反射面23及び出射面22と略直交している。入射面21に対向して略等間隔で直線状に配置された複数の光源10〜12から出射した光は、弾性部材2を介して入射面21から導光板20に入射される。
【0029】
出射面22は、異方拡散パターンを有してもよい。異方拡散パターンを有することにより、出射面22は光を液晶表示部に拡散し、面状に出射することができる。
【0030】
透明な弾性部材2は、光源10〜12と導光板20の間に配置されるので、光源10〜12と導光板20との間に生じてしまう空隙を埋めることができる。透明な弾性部材2は、使用環境温度下、例えば室温10〜40℃で、弾性率0.01MPa以上10MPa以下であることが好ましい。0.02MPa以上1MPa以下がより好ましく、0.05MPa以上0.1MPa以下がさらに好ましい。
【0031】
また、透明な弾性部材2の屈折率は、導光板20との境界での反射を低下させるため、導光板20の屈折率と同程度であることが好ましい。導光板に使用されている材料としてはポリカーボネート、PMMAなどがあるので、透明な弾性部材の屈折率は同様の屈折率1.30〜1.70であるのが好ましい。1.40〜1.60がより好ましく、1.45〜1.55がさらにより好ましい。特に、弾性部材の屈折率は、空気の屈折率よりも高く、かつ前記範囲内にあって前記導光板20の屈折率に近いものが望ましい。また、導光板20の屈折率に近く、かつ小さいものでもよい。
【0032】
透明な弾性部材2の高さと幅は入射面21と同等かやや小さめが望ましい。弾性部材2の厚みはいくらでもよいが、面光源装置1の小型化及び光線透過による光量の減衰について考えた場合は薄いほうがよく、本発明の効果を得るためには10μm〜1mmの範囲が好ましく、200μm〜500μmの範囲がより好ましい。透明な弾性部材2としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0033】
反射部材25は、銀やアルミニウムなどの高反射材料の膜をフィルム上に蒸着やスパッタなどで形成したものが使用できる。反射部材25は平面のほか、凹凸があってもよく、光源の光出射方向を稜線とする断面略三角形あるいは台形のプリズムが複数形成されていてもよく、このような反射部材25を用いることで入射面付近の輝度明暗ムラを少なくすることに効果がある。
【0034】
図3は、面光源装置1の上面図である。図中、保持部材30は省略している。光源10〜12は、プリント基板50に実装された状態で導光板20の入射面21に近接されている。
【0035】
本実施の形態では、透明な弾性部材2を光源10〜12と導光板20の入射面21との間に入れている。この透明な弾性部材2は、前述したように、使用環境温度下、例えば室温10〜40℃で、弾性率0.01MPa以上10MPa以下である。また、屈折率は、導光板20の屈折率と同程度、すなわち、屈折率1.30〜1.70である。よって、光源10〜12と導光板20は、接着剤のように硬化して接続されることがなく、常に前記弾性率を保った上で接続される。また、透明な弾性部材2と導光板20の屈折率は、ほぼ等しいので、光源10、11から入射する光量に比較し、光源12からの光量が少なくなることはなく、等しいものとなる。
【0036】
図4は、入射面21と光源12と間の空隙に透明の弾性部材を配置した例を示す。本実施の形態の面光源装置1では、前記弾性率と前記屈折率を有する透明な弾性部材2を、光源12と入射面21との間に入れているので、光源12と導光板20の間に空隙が生じたり、また光源12の向きが導光板20に対して斜めになった場合にも、図5に示すように光は光源12,透明な弾性部材2及び導光板20へと損失なく進むことができるので、光量の低下が見られず、よって輝度が低下したり、均斉度が低下することを抑制することができる。
【0037】
なお、面光源装置1の導光板20は、前述したように反射面23に反射溝24を形成している。反射溝24は、入射した光を出射面22に反射するために光の進行方向を制御するためのパターンの具体例である。
【0038】
図6は、反射溝24を説明するための導光板20の図である。
【0039】
導光板20の反射面23に形成された反射溝24は、入射面21に略平行な方向に形成され、入射面21からこの入射面21と対向する面側26に連続して複数形成される。隣接する溝同士の間隔は一定でもよいし、変化してもよい。各々の反射溝24の入射面21からの距離は、関数で表記してもよい。隣接する溝同士の間隔を調整することによって、導光板20の反射効率などの特性を微調整することができる。
【0040】
本実施の形態のような反射溝24を形成した反射面23は、反射溝24の大部分が光の反射に使用されるため、入射された光を出射面22方向に反射する効率が高く、導光板20の光利用効率を高める。
【0041】
図7は、第2の実施の形態の外観を示す図である。この第2の実施の形態も、携帯電話機等の液晶表示装置を背面から照明する面光源装置60である。
【0042】
この面光源装置60が、前記第1の実施の形態の面光源装置1と異なるのは、導光板70の入射面71に、導光板70の厚み方向に伸びる凹凸パターンを有するプリズムが形成されている点である。出射面72、反射面73及び反射溝74、反射部材75、保持部材80については説明を省略する。
【0043】
図8は、導光板70の厚み方向に伸びるプリズムを形成した入射面71の断面図である。プリズム形状は、例えば(a)断面が略三角形、(b)略半楕円形、(c)なめらかな波型形状である。さらに、プリズムの表面に微細な凹凸形状を形成してもよい。前記形状のプリズム等の凹凸パターンにより、入射面は入射した光を導光板70内に拡散することができる。
【0044】
この第2の実施の形態の面光源装置60にあっても、前記弾性率と前記屈折率の透明な弾性部材2を、光源12と入射面71との間に入れているので、光源12と導光板20の間に空隙が生じたり、また光源12の向きが導光板20に対して斜めになった場合にも、図5に示すように光は光源12,透明な弾性部材2及び導光板70と損失なく進むことができるので、光量の低下が見られず、よって輝度が低下したり、均斉度が低下することを抑制することができる。さらに、入射面71には、プリズムを形成しているので、光を導光板70内にて拡散することができ、よって反射溝74の形成された反射面73にて出射面72方向に光を効率良く反射することができる。
【0045】
図9は、本発明の面光源装置の組み立て方法を説明するための図である。本発明の面光源装置の組み立て方法は、保持部材30に光源10〜12を搭載する前あるいは搭載した後に、光源を搭載する側が低くなるように保持部材30,80を支持する傾斜面91,92を有する台座90を用いる。すなわち、この台座90の前記傾斜面91,92上に保持部材30,80を傾けて乗せる工程と、保持部材30,80を傾けて台座90に乗せた状態で、弾性部材2及び導光板2,70を搭載する工程とを有してなる。
【0046】
以下、面光源装置の組み立て方法の詳細について説明する。光源10〜12に電力を供給するために、光源の電極はプリント基板(図3に示したプリント基板50等)にはんだ接合などしてある。そのプリント基板を保持部材30,80に搭載する際、保持部材30,80に光源10〜12を固定するために、プリント基板端部に穴をあけ、その穴に対応するように保持部材30,80に突起を形成する等の方法がある。保持部材30,80に光源10〜12及びプリント基板を搭載し、光源側12が下になるように保持部材30,80を傾け、光源12の出射面に接するように透明の弾性部材2を搭載し、その後、導光板20,70を搭載する。このような組み立て方法によって、組み立て中における弾性部材2の位置ずれを防止しつつ簡便に面光源装置10,60を組み立てることができる。このとき、導光板20,70を搭載する際は、まず導光板20,70の入射面21,71を弾性部材2に押し当て、その後導光板20,70の入射面21,71とは対向する面を保持部材30,80内にはめ込むように組み立てることで、より組みたて時の配置ばらつきが減少し、高輝度かつ高均斉度の面光源装置10,60を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る面光源装置は、携帯電話機やゲーム機器、電子手帳、小型情報端末機、パーソナルコンピュータのモニタ、カーナビゲーション装置などの液晶表示装置等を照明する面光源装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施の形態の面光源装置の外観を示す図である。
【図2】面光源装置の側面図である。
【図3】面光源装置の上面図である。
【図4】入射面と光源と間の空隙に透明の弾性部材を配置した例を示す図である。
【図5】光源からの光が,透明な弾性部材及び導光板へと損失なく進む状態を示す図である。
【図6】導光板の反射面に形成された反射溝を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の面光源装置の外観を示す図である。
【図8】導光板の厚み方向に伸びるプリズムを形成した入射面の断面図である。
【図9】本発明の面光源装置の組み立て方法を説明するための図である。
【図10】従来の面光源装置の外観を示す図である。
【図11】従来の面光源装置の上面図である。
【図12】光源と導光板との間に生じた空隙を示す図である。
【図13】入射面に対する光源の空隙を伴った配置例を示す図である。
【図14】光源から導光板に入射する光の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 面光源装置、2 透明な弾性部材、10,11,12 光源、20 導光板、21 入射面、22 出射面、23 反射面、24 反射溝、25 反射部材、30 保持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射された光を導光板を介して面状に出射し、液晶表示素子や液晶表示装置などを背面から照明する面光源装置及び面光源装置の組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の液晶表示装置を照明するため、光源から出射された光を液晶表示装置に導く導光板及びこの導光板を備え液晶表示装置を背面から照明する面光源装置が提供されている。
【0003】
図10は、従来の面光源装置100の外観を示す図である。面光源装置100は、複数の光源110〜112と、導光板120とからなる。光源110〜112としては、発光ダイオード(LED)などが用いられる。
【0004】
導光板120は、例えばPMMA又はポリカーボネートのような透明な材料からなり、略板状の平坦な形状を有している。前記複数の光源110〜112が近接される一つの側面を入射面121、上面及び下面をそれぞれ出射面122及び反射面123としている。反射面123には、入射面121から入射された光源110〜112からの光を出射面122に向けて反射するために複数の偏向パターン素子による偏向パターンが形成されている。このように、側面にある入射面121から入射された光を主面にある出射面122から出射する導光板120をサイドエッジ方式と称し、携帯電話機等において広く使用されている。
【0005】
図11は、従来の面光源装置100の上面図である。光源110〜112は、プリント基板130に実装された状態で導光板120の入射面121に近接されている。図11に示した状態は、光源110〜112が導光板120の入射面121に均一に配置された状態を示す。つまり、3つの光源110〜112から入射面121までの距離が等しい。よって各光源110〜112が同じ強度の光を出力しているのであれば、導光板120に入射した光の輝度は等しく、均斉度も等しい。
【0006】
しかし、図11に示した状態は、あくまでも理想的な光源の配置状態であり、実際には、光源110〜112の出射面が平面ではなかったり、あるいは取り付けの誤差により、光源配置時に傾きや位置がばらついてしまったりする。すると、図12に示すように、例えば光源112と導光板120との間に空隙140が生じてしまう。図12では光源112と導光板120との間だけに空隙140が生じているように図示したが、これは光源112の空隙140が他の空隙よりも著しく大きいことを示している。もちろん、光源配置時にあって、光源110又は111と導光板120との空隙が著しく大きくなることもある。
【0007】
また、図13は、入射面121に対する光源112の空隙を伴った配置例を示す。(a)空隙がある場合、(b)空隙が大きい場合、(c)光源が斜めに配置されてしまう場合、(d)光源の出射面側の封止剤の不均一が原因で生じる空隙がある場合を示している。いずれの場合も、光源配置時に傾きや位置がばらついてしまい、空隙が生じてしまっているのを示している。
【0008】
このため、図14に示すように、光源112から導光板120に入射する光は、光源112の出射面112a、空隙140、入射面121を介して導光板120に入射することになる。光源110〜112は、ある広がり角で光を出射しているため、光源112から出射した光のうち入射面121に達する光量は、空隙140がないまたは少ない場合に比べて少なくなってしまう。よって、光源110、111から入射する光に比較し、光源112から導光体120に入射する光の光量が少なくなる。つまり、光源112から導光板120に入射した光の輝度は、光源110又は111から入射した他の光の輝度よりも小さくなり、均斉度も低くなってしまう。
【0009】
そこで、下記特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4では、前記空隙を埋めるための技術が開示されてきた。特許文献1は、液晶表示装置のバックライト構造に関する技術であり、空隙を埋めるために、光源を導光板の入射面に接着する発明である。特許文献2もバックライト用光源に関する技術であり、特許文献1と同様に、空隙を埋めるために、光源を導光板の入射面に接着する発明である。特許文献3は、面状照明装置及びこれを備えた表示装置に関する技術であり、空隙を埋めるために、光源を導光板に押し当てる機構に関する発明である。特許文献4は、照明装置を用いた液晶表示装置に関する技術であり、空隙を埋めるため、光源装置を導光板に埋め込んで成形するという発明である。
【0010】
【特許文献1】特開2004−77561号公報
【特許文献2】特開2003−281912号公報
【特許文献3】特開2004−55454号公報
【特許文献4】特開平9−160032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前記特許文献1及び2にて開示された接着剤を用いて光源を導光板の入射面に接着する技術では、接着剤が硬化した後は、時間の経過に伴ってひび割れが生じてしまうおそれがあった。例えば、接着剤が硬化した後に、光源等に外力が加わってしまったりすると、ひび割れはもちろん破壊にまで至ってしまうおそれがあった。また、製造ラインに液状である接着剤を配置するのは製造上のデメリットである。また、光源又は導光板に一度接着剤を塗ってしまうと、やり直しが効かなくなってしまう。
【0012】
また、前記特許文献3及び4のように、光源を導光板に押し当てたり、光源を導光板に埋め込んだりしたりする技術は、製造作業工程や、ラインを複雑化してしまうおそれがある。
【0013】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、光源の配置ばらつきが生じ、光源と導光板の間に空隙が生じたり、また、光源の向きが導光板に対して斜めになっても、輝度が低下したり均斉度が低下するのを防ぐことができる面光源装置の提供を目的とする。また、本発明は、光源や導光板の破損時にリワークしやすく、光源を導光板に押し当てるための特別な機構を必要としない等、ほとんどの構成と作業を現行のままで行うことができる、面光源装置及び面光源装置の組み立て方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る面光源装置は、光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する光源と、前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置される透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなる。
【0015】
本発明に係る面光源装置は、光を入射する入射面、入射した光を出射する出射面、及び出射面と対向し、入射した光を出射面に反射するために光の進行方向を制御するためのパターンを有する反射面とを有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する一つ以上の光源と、前記導光板の反射面に対向し、前記反射面から漏れた光を反射して前記導光板に再度入射させる反射部材と、前記導光板と前記光源と前記反射部材を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記透明な弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなることが好ましい。
【0016】
前記弾性部材の弾性率が使用環境温度下で0.01MPa以上10MPa以下であることが好ましい。
【0017】
前記弾性部材の屈折率が1.3〜1.7の範囲であることが好ましい。
【0018】
前記弾性部材の屈折率は、空気の屈折率よりも高く、かつ前記範囲内にあって前記導光板の屈折率よりも小さいことが好ましい。
【0019】
前記弾性部材の厚みが10μm〜1mmの範囲であることが好ましい。
【0020】
前記導光板の前記入射面は厚み方向に伸びる凹凸パターンを有し、前記出射面は異方拡散パターンを有することが好ましい。
【0021】
本発明に係る面光源装置の組み立て方法は、光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する光源と、前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当てた面光源装置の組み立て方法であって、前記保持部材に光源を搭載する前あるいは搭載した後に、光源を搭載する側が低くなるような傾斜面を有する台座に前記保持部材を傾けて乗せる工程と、前記保持部材を傾けて台座に乗せる工程により保持部材を台座に乗せた状態で、弾性部材及び導光板を搭載する工程とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る面光源装置によれば、光源の配置ばらつきが生じ、光源と導光板の間に空隙が生じたり、また光源の向きが導光板に対して斜めになった場合にも、輝度が低下したり均斉度が低下することを抑制する効果がある。
【0023】
また、本発明は、光源や導光板の破損時にリワークしやすく、光源を導光板に押し当てるための特別な機構を必要としない等、ほとんどの構成と作業が現行のままで行うことができる。このため、産業上極めて有効な発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するためのいくつかの最良の形態を説明する。まず、第1の実施の形態は、携帯電話機等の液晶表示装置を背面から照明する面光源装置である。図1は、面光源装置1の外観を示す図である。また、図2は、面光源装置1の側面図である。
【0025】
図1及び図2にあって、面光源装置1は、光を入射する入射面21及び光を出射する出射面22、さらに光を反射する反射面23を有する導光板20と、導光板20の入射面21に光を入射する複数の光源10,11,12と、導光板20と光源10〜12、さらに後述する反射部材25の片側を覆うとともに位置決めする保持部材30と、光源10〜12と導光板20の入射面21の間に配置する透明な弾性部材2とを少なくとも有し、弾性部材2を介して光源10〜12を導光板20の入射面21に押し当てている。また、面光源装置1は、導光板20の反射面23に対向するように設けられて反射面23から漏れた光を反射して導光板20に再度入射させる反射部材25を備えている。
【0026】
光源10〜12は、出力特性が略等しい発光ダイオードである。発光ダイオードのほか、冷陰極管も利用できるが、発光面の一辺が短い発光ダイオードが望ましい。
【0027】
導光板20は、例えばPMMA、ポリオレフィン又はポリカーボネートのような一定の屈折率を有する透明な材料からなり、略板状の平坦な形状を有している。そして、前述したように、前記複数の光源10〜12が近接される一つの側面を入射面21、上面及び下面をそれぞれ出射面22及び反射面23としている。反射面23には、入射面21から入射された光源10〜12からの光を出射面22に向けて反射するために、反射溝24が形成されている。
【0028】
入射面21は、反射面23及び出射面22と略直交している。入射面21に対向して略等間隔で直線状に配置された複数の光源10〜12から出射した光は、弾性部材2を介して入射面21から導光板20に入射される。
【0029】
出射面22は、異方拡散パターンを有してもよい。異方拡散パターンを有することにより、出射面22は光を液晶表示部に拡散し、面状に出射することができる。
【0030】
透明な弾性部材2は、光源10〜12と導光板20の間に配置されるので、光源10〜12と導光板20との間に生じてしまう空隙を埋めることができる。透明な弾性部材2は、使用環境温度下、例えば室温10〜40℃で、弾性率0.01MPa以上10MPa以下であることが好ましい。0.02MPa以上1MPa以下がより好ましく、0.05MPa以上0.1MPa以下がさらに好ましい。
【0031】
また、透明な弾性部材2の屈折率は、導光板20との境界での反射を低下させるため、導光板20の屈折率と同程度であることが好ましい。導光板に使用されている材料としてはポリカーボネート、PMMAなどがあるので、透明な弾性部材の屈折率は同様の屈折率1.30〜1.70であるのが好ましい。1.40〜1.60がより好ましく、1.45〜1.55がさらにより好ましい。特に、弾性部材の屈折率は、空気の屈折率よりも高く、かつ前記範囲内にあって前記導光板20の屈折率に近いものが望ましい。また、導光板20の屈折率に近く、かつ小さいものでもよい。
【0032】
透明な弾性部材2の高さと幅は入射面21と同等かやや小さめが望ましい。弾性部材2の厚みはいくらでもよいが、面光源装置1の小型化及び光線透過による光量の減衰について考えた場合は薄いほうがよく、本発明の効果を得るためには10μm〜1mmの範囲が好ましく、200μm〜500μmの範囲がより好ましい。透明な弾性部材2としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0033】
反射部材25は、銀やアルミニウムなどの高反射材料の膜をフィルム上に蒸着やスパッタなどで形成したものが使用できる。反射部材25は平面のほか、凹凸があってもよく、光源の光出射方向を稜線とする断面略三角形あるいは台形のプリズムが複数形成されていてもよく、このような反射部材25を用いることで入射面付近の輝度明暗ムラを少なくすることに効果がある。
【0034】
図3は、面光源装置1の上面図である。図中、保持部材30は省略している。光源10〜12は、プリント基板50に実装された状態で導光板20の入射面21に近接されている。
【0035】
本実施の形態では、透明な弾性部材2を光源10〜12と導光板20の入射面21との間に入れている。この透明な弾性部材2は、前述したように、使用環境温度下、例えば室温10〜40℃で、弾性率0.01MPa以上10MPa以下である。また、屈折率は、導光板20の屈折率と同程度、すなわち、屈折率1.30〜1.70である。よって、光源10〜12と導光板20は、接着剤のように硬化して接続されることがなく、常に前記弾性率を保った上で接続される。また、透明な弾性部材2と導光板20の屈折率は、ほぼ等しいので、光源10、11から入射する光量に比較し、光源12からの光量が少なくなることはなく、等しいものとなる。
【0036】
図4は、入射面21と光源12と間の空隙に透明の弾性部材を配置した例を示す。本実施の形態の面光源装置1では、前記弾性率と前記屈折率を有する透明な弾性部材2を、光源12と入射面21との間に入れているので、光源12と導光板20の間に空隙が生じたり、また光源12の向きが導光板20に対して斜めになった場合にも、図5に示すように光は光源12,透明な弾性部材2及び導光板20へと損失なく進むことができるので、光量の低下が見られず、よって輝度が低下したり、均斉度が低下することを抑制することができる。
【0037】
なお、面光源装置1の導光板20は、前述したように反射面23に反射溝24を形成している。反射溝24は、入射した光を出射面22に反射するために光の進行方向を制御するためのパターンの具体例である。
【0038】
図6は、反射溝24を説明するための導光板20の図である。
【0039】
導光板20の反射面23に形成された反射溝24は、入射面21に略平行な方向に形成され、入射面21からこの入射面21と対向する面側26に連続して複数形成される。隣接する溝同士の間隔は一定でもよいし、変化してもよい。各々の反射溝24の入射面21からの距離は、関数で表記してもよい。隣接する溝同士の間隔を調整することによって、導光板20の反射効率などの特性を微調整することができる。
【0040】
本実施の形態のような反射溝24を形成した反射面23は、反射溝24の大部分が光の反射に使用されるため、入射された光を出射面22方向に反射する効率が高く、導光板20の光利用効率を高める。
【0041】
図7は、第2の実施の形態の外観を示す図である。この第2の実施の形態も、携帯電話機等の液晶表示装置を背面から照明する面光源装置60である。
【0042】
この面光源装置60が、前記第1の実施の形態の面光源装置1と異なるのは、導光板70の入射面71に、導光板70の厚み方向に伸びる凹凸パターンを有するプリズムが形成されている点である。出射面72、反射面73及び反射溝74、反射部材75、保持部材80については説明を省略する。
【0043】
図8は、導光板70の厚み方向に伸びるプリズムを形成した入射面71の断面図である。プリズム形状は、例えば(a)断面が略三角形、(b)略半楕円形、(c)なめらかな波型形状である。さらに、プリズムの表面に微細な凹凸形状を形成してもよい。前記形状のプリズム等の凹凸パターンにより、入射面は入射した光を導光板70内に拡散することができる。
【0044】
この第2の実施の形態の面光源装置60にあっても、前記弾性率と前記屈折率の透明な弾性部材2を、光源12と入射面71との間に入れているので、光源12と導光板20の間に空隙が生じたり、また光源12の向きが導光板20に対して斜めになった場合にも、図5に示すように光は光源12,透明な弾性部材2及び導光板70と損失なく進むことができるので、光量の低下が見られず、よって輝度が低下したり、均斉度が低下することを抑制することができる。さらに、入射面71には、プリズムを形成しているので、光を導光板70内にて拡散することができ、よって反射溝74の形成された反射面73にて出射面72方向に光を効率良く反射することができる。
【0045】
図9は、本発明の面光源装置の組み立て方法を説明するための図である。本発明の面光源装置の組み立て方法は、保持部材30に光源10〜12を搭載する前あるいは搭載した後に、光源を搭載する側が低くなるように保持部材30,80を支持する傾斜面91,92を有する台座90を用いる。すなわち、この台座90の前記傾斜面91,92上に保持部材30,80を傾けて乗せる工程と、保持部材30,80を傾けて台座90に乗せた状態で、弾性部材2及び導光板2,70を搭載する工程とを有してなる。
【0046】
以下、面光源装置の組み立て方法の詳細について説明する。光源10〜12に電力を供給するために、光源の電極はプリント基板(図3に示したプリント基板50等)にはんだ接合などしてある。そのプリント基板を保持部材30,80に搭載する際、保持部材30,80に光源10〜12を固定するために、プリント基板端部に穴をあけ、その穴に対応するように保持部材30,80に突起を形成する等の方法がある。保持部材30,80に光源10〜12及びプリント基板を搭載し、光源側12が下になるように保持部材30,80を傾け、光源12の出射面に接するように透明の弾性部材2を搭載し、その後、導光板20,70を搭載する。このような組み立て方法によって、組み立て中における弾性部材2の位置ずれを防止しつつ簡便に面光源装置10,60を組み立てることができる。このとき、導光板20,70を搭載する際は、まず導光板20,70の入射面21,71を弾性部材2に押し当て、その後導光板20,70の入射面21,71とは対向する面を保持部材30,80内にはめ込むように組み立てることで、より組みたて時の配置ばらつきが減少し、高輝度かつ高均斉度の面光源装置10,60を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る面光源装置は、携帯電話機やゲーム機器、電子手帳、小型情報端末機、パーソナルコンピュータのモニタ、カーナビゲーション装置などの液晶表示装置等を照明する面光源装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施の形態の面光源装置の外観を示す図である。
【図2】面光源装置の側面図である。
【図3】面光源装置の上面図である。
【図4】入射面と光源と間の空隙に透明の弾性部材を配置した例を示す図である。
【図5】光源からの光が,透明な弾性部材及び導光板へと損失なく進む状態を示す図である。
【図6】導光板の反射面に形成された反射溝を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の面光源装置の外観を示す図である。
【図8】導光板の厚み方向に伸びるプリズムを形成した入射面の断面図である。
【図9】本発明の面光源装置の組み立て方法を説明するための図である。
【図10】従来の面光源装置の外観を示す図である。
【図11】従来の面光源装置の上面図である。
【図12】光源と導光板との間に生じた空隙を示す図である。
【図13】入射面に対する光源の空隙を伴った配置例を示す図である。
【図14】光源から導光板に入射する光の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 面光源装置、2 透明な弾性部材、10,11,12 光源、20 導光板、21 入射面、22 出射面、23 反射面、24 反射溝、25 反射部材、30 保持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、
前記導光板の入射面に光を入射する光源と、
前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、
前記光源と前記導光板の入射面の間に配置される透明な弾性部材とを少なくとも有し、
前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなることを特徴とする面光源装置。
【請求項2】
光を入射する入射面、入射した光を出射する出射面、及び出射面と対向し、入射した光を出射面に反射するために光の進行方向を制御するためのパターンを有する反射面とを有する導光板と、
前記導光板の入射面に光を入射する一つ以上の光源と、
前記導光板の反射面に対向し、前記反射面から漏れた光を反射して前記導光板に再度入射させる反射部材と、
前記導光板と前記光源と前記反射部材を位置決めして保持する保持部材と、
前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、
前記透明な弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなることを特徴とする面光源装置。
【請求項3】
前記弾性部材の弾性率が使用環境温度下で0.01MPa以上10MPa以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記弾性部材の屈折率が1.3〜1.7の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項5】
前記弾性部材の屈折率は、空気の屈折率よりも高く、かつ前記範囲内にあって前記導光板の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の面光源装置。
【請求項6】
前記弾性部材の厚みが10μm〜1mmの範囲である請求項1乃至5のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項7】
前記導光板の前記入射面は厚み方向に伸びる凹凸パターンを有し、前記出射面は異方拡散パターンを有することを特徴とする請求項2記載の面光源装置。
【請求項8】
光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する光源と、前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当てた面光源装置の組み立て方法であって、
前記保持部材に光源を搭載する前あるいは搭載した後に、光源を搭載する側が低くなるような傾斜面を有する台座に前記保持部材を傾けて乗せる工程と、
前記保持部材を傾けて台座に乗せる工程により保持部材を台座に乗せた状態で、弾性部材及び導光板を搭載する工程とを有することを特徴とする面光源装置の組み立て方法。
【請求項1】
光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、
前記導光板の入射面に光を入射する光源と、
前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、
前記光源と前記導光板の入射面の間に配置される透明な弾性部材とを少なくとも有し、
前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなることを特徴とする面光源装置。
【請求項2】
光を入射する入射面、入射した光を出射する出射面、及び出射面と対向し、入射した光を出射面に反射するために光の進行方向を制御するためのパターンを有する反射面とを有する導光板と、
前記導光板の入射面に光を入射する一つ以上の光源と、
前記導光板の反射面に対向し、前記反射面から漏れた光を反射して前記導光板に再度入射させる反射部材と、
前記導光板と前記光源と前記反射部材を位置決めして保持する保持部材と、
前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、
前記透明な弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当ててなることを特徴とする面光源装置。
【請求項3】
前記弾性部材の弾性率が使用環境温度下で0.01MPa以上10MPa以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記弾性部材の屈折率が1.3〜1.7の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項5】
前記弾性部材の屈折率は、空気の屈折率よりも高く、かつ前記範囲内にあって前記導光板の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の面光源装置。
【請求項6】
前記弾性部材の厚みが10μm〜1mmの範囲である請求項1乃至5のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項7】
前記導光板の前記入射面は厚み方向に伸びる凹凸パターンを有し、前記出射面は異方拡散パターンを有することを特徴とする請求項2記載の面光源装置。
【請求項8】
光を入射する入射面及び光を出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の入射面に光を入射する光源と、前記導光板と前記光源を位置決めして保持する保持部材と、前記光源と前記導光板の入射面の間に配置する透明な弾性部材とを少なくとも有し、前記弾性部材を介して前記光源を前記導光板の入射面に押し当てた面光源装置の組み立て方法であって、
前記保持部材に光源を搭載する前あるいは搭載した後に、光源を搭載する側が低くなるような傾斜面を有する台座に前記保持部材を傾けて乗せる工程と、
前記保持部材を傾けて台座に乗せる工程により保持部材を台座に乗せた状態で、弾性部材及び導光板を搭載する工程とを有することを特徴とする面光源装置の組み立て方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−164564(P2006−164564A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349971(P2004−349971)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
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