説明

面状型照明器具

【課題】故障や寿命で発光しなくなった場合に光源を交換する期間を長くし、高所での作業を低減させる、安全で、取替え及びメンテナンスが容易な面状型照明装置を得る。
【解決手段】天井から吊持され間隔を置いて配置された一対のローラー3,4と、ローラー3,4に設けられローラー3,4を回転させるモーター5と、ローラー3,4に巻架され面状型光源9を複数有するスクリーン2と、面状型光源9の照射およびモーター3,4の駆動を制御する制御部8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取替え及びメンテナンスが容易な、面状型光源の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、有機EL素子などの可とう性を有する面状型光源を用いた照明器具において、その可とう性を活かして、未使用時は面状型光源を巻き取って収納できる照明器具が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−100661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、今まで天井へ設置し室内全体を明るく照らす設置型面状型照明装置は考案されておらず、面状型光源が故障や寿命で照射されなくなった際の面状型光源の容易な交換方法についても考案されていなかった。面状型照明装置は、従来の電球照明で電球や蛍光灯を交換していたように光源だけを交換することはできず、故障や寿命で光源が発光しなくなった場合は、EL素子などの光源を備えた基板ごと、丸ごと交換しなければならない。そのため、両手を使って交換することが多く、さらに高所で交換作業を行なうため、面状型照明装置の面状型光源の交換は作業者の転倒や怪我が発生するおそれがあるといった問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、故障や寿命で発光しなくなった場合に光源を交換する期間を長くし、高所での作業を低減させる、安全で、取替え及びメンテナンスが容易な面状型照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の面状型照明装置は、天井から吊持され間隔を置いて配置された一対のローラーと、前記ローラーに設けられ前記ローラーを回転させるモーターと、前記ローラーに巻架され面状型光源を複数有するスクリーンと、前記面状型光源の照射および前記モーターの駆動を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の面状型照明装置は、複数の面状型光源をローラーに巻回させて収容できるので、ひとつの面状型光源が発光しなくなった場合に、ローラーを回転させ、今まで収容されていた新たな面状型光源を引き出すことで室内を照射させることができ、発光しなくなった面状型光源を交換するまでの期間を長くし、高所での作業を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る面状型照明装置の構成図である。
【図2】実施の形態1に係る面状型照明装置のブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る面状型照明装置の張架面変更動作(ロール3側1枚目)を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る面状型照明装置の張架面変更動作(ロール4側2枚目)を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る面状型照明装置のスクリーン交換動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る面状型照明装置の構成図である。
【図7】実施の形態2に係る面状型照明装置の張架面変更動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2に係る面状型照明装置の面状型光源の交換作業動作(スクリーン懸架)を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2に係る面状型照明装置の面状型光源の交換作業動作(懸架時)を示す図である。
【図10】実施の形態2に係る面状型照明装置の面状型光源の交換作業動作(片側交換時)を示す図である。
【図11】実施の形態2に係る面状型照明装置の面状型光源の交換作業動作(交換完了時)を示す図である。
【図12】実施の形態2に係る面状型照明装置の面状型光源の交換作業動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態3に係る面状型照明装置の構成図である。
【図14】実施の形態3に係る面状型照明装置の集塵部を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る面状型照明装置の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する、なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されることはない。
【0010】
実施の形態1.
以下、本実施の形態1について図1〜4を用いて説明する。図1は本実施の形態1に係る面状型照明装置の構成図、図2は面状型照明装置のブロック図、図3は面状型照明装置の張架面変更動作を示すフローチャート、図4は面状型照明装置のスクリーン交換作業動作を示すフローチャートである。
【0011】
図1に示すように、面状型照明装置1は、面状型光源を複数有するスクリーン2と、天井から吊持され間隔を置いて配置され、スクリーン2を巻回する一対のローラー3,4と、ローラー3,4を回転させるモーター5a,5bと、ローラー3,4の外側に天井から吊持されスクリーン2をロール3,4の外周に導くガイド6,7と、面状型光源の照射およびモーター5a,5bの駆動を制御する制御部8とを備えている。
【0012】
スクリーン2は、面状型光源9a,9b,9cを有し、一端をローラー3に巻回されるとともに、他端をローラー4に巻回されており、両端部にはそれぞれ、内部もしくは外側に磁石を有する連結部10,11が設けられている。また、スクリーン2には、面状型光源9a〜9cが一列に並べられており、ローラー3,4を回転させることで、ローラー3,4の間に張架する面状型光源を変更させることができる。また、スクリーン2に設けられた面状型光源9の境目および、連結部10,11には、個々の面状型光源の境目を識別するためのマーク12が設けられている。
【0013】
図2に示すように、ローラー3は、自身を回転させるモーター5aおよび電磁石13aを備え、ローラー4は自身を回転させるモーター5bおよび電磁石13bをそれぞれ備えている。また、ローラー3,4の中央部の径は、両端部の径よりも小さくなるよう形成され、ローラーがスクリーン2を巻き取る際の摩擦を低減させる構造になっている。
【0014】
また、面状型照明装置1は、ローラー3,4の回転方向を検知する回転検知部15、モーター5にかかる負荷が一定値を超えたことを検知する負荷検知部16を備え、それらからの検知信号により、モーター5の駆動が制御されている。
【0015】
さらに、面状型照明装置1は、スクリーン2上に設けられたマーク12を検知するマーク検知部17、スクリーン2を構成している面状型光源9の個数をあらかじめ入力し記憶させる記憶部18を備えている。なお、マーク検知部17は、スクリーン2がガイド6,7に巻き取られる直前もしくはガイド6,7に巻き解かれた直後のマーク12を検知できる位置に配置されていることが望ましい。
【0016】
また、制御部8には、マーク検知部17でマーク12が検知された回数をカウントするマークカウント部19が設けられている。マークカウント部19は、回転検知部15の検知結果に基づき、ローラー4がスクリーン2を巻き取る方向(巻回方向)へ回転している場合は正の値をカウントし、ローラー4がスクリーン2を巻き解く方向(巻解方向)へ回転している場合は負の値をカウントする。
【0017】
次に、張架面変更動作について図3を用いて説明する。
使用者がリモコンなどの操作部により、張架されている面状型光源9bをローラー3側に隣接している(ロール3側1枚目の)面状型光源9aへ変更する指示を入力すると、制御部8はこの入力を受け付け(S101)、記憶部18に「+1」が記憶されるとともに(S102)、操作信号に基づいて、ローラー4がスクリーン2を巻回する方向へ回転するようモーター5bを駆動させると(S103)、スクリーン2がローラー4側へ送られていく。
【0018】
ローラー3,4の間に張架されていた面状型光源9bはローラー4に巻き取られ、ローラー3,4の間に、ローラー3側に隣接している面状型光源9aが張架されていく。このとき、回転検知部15はローラー4の回転方向を検知し(S104)、その後、マーク検知部17により面状型光源9bと面状型光源9aの間に設けられたマーク12が検知されると(S105)、マークカウント部19には「+1」がカウントされる(S106)。
【0019】
その後、制御部8は、操作部からの入力により記憶部18に記憶された数「+1」とマークカウント部19にカウントされた数の合計数「+1」とを比較し(S107)、それらが同数である場合、モーター5bの駆動を停止させる(S108)。そして、はじめに張架されていた面状型光源9bのローラー3側に隣接している面状型光源9aが張架される。
【0020】
次に、張架されている面状型光源9aを、現在張架されている面状型光源9aより2つ先(ロール4側2枚目)の面状型光源9cに変更する動作について図4を用いて説明する。
まず、使用者がリモコンなどの操作部により、張架されている面状型光源9aをローラー4側の2枚目に配置されている面状型光源9cへ変更する指示を入力すると、制御部8はこの入力を受け付け(S201)、記憶部18に「−2」が記憶されるとともに(S202)、操作信号に基づいて、ローラー3がスクリーン2を巻回する方向へ回転するようモーター5aを駆動させ(S203)、スクリーン2がローラー3側へ送られていく。
【0021】
ローラー3,4の間に張架されていた面状型光源9aはローラー3に巻き取られ、ローラー3,4の間に、ローラー4側に隣接している面状型光源9bが張架されていく。このとき、回転検知部15はローラー3の回転方向を検知し(S204)、その後、マーク検知部17により面状型光源9bと面状型光源9aの間に設けられたマーク12が検知されると(S205)、マークカウント部19には「−1」がカウントされる(S206)。
【0022】
その後、制御部8は、操作部からの入力により記憶部18に記憶された数「−1」とマークカウント部19にカウントされた数の合計数「−2」とを比較し(S207)、それらが同数でない場合、モーター5aの駆動を停止させることなく、マーク12を再び検知するまでモーター5aを駆動させ続ける。
【0023】
再び、マーク検知部17により面状型光源9bと面状型光源9aの間に設けられたマーク12が検知されると(S205)、マークカウント部19には「−1」がカウントされ(S206)、マークカウント部19のカウント合計数は「−2」となる。
【0024】
その後、制御部8は、操作部からの入力により記憶部18に記憶された数「−2」とマークカウント部19にカウントされた数の合計数「−2」とを比較し(S207)、それらが同数である場合、モーター5aの駆動を停止させる(S208)。そして、はじめに張架されていた面状型光源9aより2つ先の面状型光源9cが張架される。
【0025】
これにより、はじめに張架されていた面状型光源9bのローラー3側に隣接している面状型光源9aが最適な位置でローラー3,4の間に張架されるので、使用者は、張架されていく面状型光源9aを注視し続ける必要がなくなり、面状型光源9aが最適な位置に張架されるようローラー3,4を回転させて微調整するといった細かい操作が不要になる。
【0026】
次に、スクリーン交換作業動作について図5を用いて説明する。
まず、記憶部18には、あらかじめスクリーン2に設けられているマークの個数を記憶させておく(S300)。そして、使用者が操作部を操作し、スクリーン交換の指示を入力すると、制御部8はこの入力を受け付け(S301)、操作信号に基づいて、ローラー3の電磁石13aの磁力をOFFさせ(S302)、スクリーン2の連結部10をローラー3から離外させると同時に、モーター5bを駆動させ(S303)、スクリーン2がローラー4側へ送られていく。
【0027】
このとき、回転検知部15はローラー4巻回方向の回転を検知し(S304)、その後、マーク検知部17により面状型光源9bと面状型光源9aの間に設けられたマーク12が検知されると(S305)、マークカウント部19には「+1」がカウントされる(S306)。
【0028】
そして、制御部8は、マークカウント部19のカウント数が、記憶部18にあらかじめ記憶させていた、スクリーン2に設けられているマークの個数と同数カウントされるまでモーター5bを駆動させ続け、スクリーン2に設けられているマークの個数と同数がカウントされると(S307)、ローラー4のモーター5bの駆動を停止させ(S308)、スクリーン2がすべてローラー4に巻回された時点でローラー4の回転が停止する。
【0029】
このとき、マーク検知部17がマークを検知しても、マークカウント部19のカウント数が、記憶部18にあらかじめ記憶させていた数と同数に達するまでは、ローラー4のモーター5bの回転を停止させないよう制御させることで、リモコンで連続操作する手間もかからず、スムーズにスクリーン2すべてを巻回させることできる。そして、ローラー4にスクリーン2が全て巻回された状態になるので、使用者はまとめられたスクリーン2ごと、もしくはローラー4ごと新たなスクリーンに交換することができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、張架されている面状型光源に備えられた面状型光源が故障や寿命で照射しなくなった場合も、ローラーを回転させることにより簡単に新たな面状型光源を張架させることが可能なので、頻繁に高所で面状型光源の交換作業することなく、交換作業の頻度を減少させることができる。
【0031】
実施の形態2
実施の形態1では、一枚のスクリーンに面状型光源を複数備えている例を挙げたが、本実施の形態2では、面状型光源同士を脱着させることが可能な連結部で連結させることにより、面状型光源のメンテナンスを、より容易で安全に行なうことができる。
【0032】
以下、本実施の形態2に係る面状型照明装置について図6〜12を用いて説明する。
図6は本実施の形態2に係る面状型照明装置の構成図、図7は張架面変更動作を示すフローチャート、図8,12は面状型光源の交換作業動作を示すフローチャート、図9〜11は面状型光源の交換作業動作を示す図である。
【0033】
この実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、面状型光源が連結部により連結されている点および、マーク部が連結部に設けられている点である。その他の構成については実施の形態1と同一又は同等である。なお、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
スクリーン2は、両端に配置されたシート20a,20bと、シート20a,20bの間に設けられた面状型光源9a,9b,9cとが連結され構成されている。シート20a,20bはそれぞれ片方の端部に連結部21a,21bを、面状型光源9a,9b,9cは、それぞれ両端部に連結部21c,21d、21e、21f、21g、21hを備え、連結部21によって連結されている。
【0035】
シート20a,20bには光源が設けられておらず、シート20aはローラー3に連結され、シート20bはローラー4に連結されている。そのため、シート20a,20bは全面をローラー3,4の間に張架させることはない。また、シート20aのローラー3に連結されていない側の端部には連結部21aを備え、シート20bのローラー4に連結されていない側の端部には連結部21bを備えている。
【0036】
連結部21は半円柱形状であり、連結部の平面部同士を合わせることで棒状に形成される。また、連結部21の平面部には、磁力が発生するよう、内部もしくは外側に磁石を有しており、面状型光源同士の連結を磁力によって容易に着脱することができる。また、連結部21には、マーク検知部17で検知可能なマーク12が記され、これによって送られる面状型光源の枚数を確認することができる。
【0037】
次に、張架面変更動作について図7を用いて説明する。
使用者がリモコンなどの操作部により、張架されている面状型光源9bをローラー3側に隣接している(ロール3側1枚目の)面状型光源9aへ変更する指示を入力すると、制御部8はこの入力を受け付け(S401)、記憶部18に「+1」が記憶されるとともに(S402)、操作信号に基づいて、ローラー4がスクリーン2を巻回する方向へ回転するようモーター5bを駆動させると(S403)、スクリーン2がローラー4側へ送られていく。
【0038】
ローラー3,4の間に張架されていた面状型光源9bはローラー4に巻き取られ、ローラー3,4の間に、ローラー3側に隣接している面状型光源9aが張架されていく。このとき、回転検知部15はローラー4の回転方向を検知し(S404)、その後、マーク検知部17により連結部21に設けられたマーク12が検知されると(S405)、マークカウント部19には「+1」がカウントされる(S406)。
【0039】
その後、制御部8は、操作部からの入力により記憶部18に記憶された数「+1」とマークカウント部19にカウントされた数の合計数「+1」とを比較し(S407)、それらが同数である場合、モーター5bの駆動を停止させる(S408)。そして、はじめに張架されていた面状型光源9bのローラー3側に隣接している面状型光源9aが張架される。
【0040】
次に、面状型光源交換作業動作について図8〜図12を用いて説明する。
まず、図8のフローチャートに示すように、使用者が操作部を操作し、スクリーン交換の指示を入力すると、制御部8はこの入力を受け付け(S501)、操作信号に基づいて、モーター5aが駆動し、スクリーン2を巻き解く方向(巻解方向)へローラー3を回転させていく(S502)。このとき、ローラー4のモーター5bは動作させていない。すると、ローラー3によって送られていった面状型光源9aは、ローラー4に巻回されずにローラー4の下側の面をたるませながら床面に向かって懸吊させていく。(図9)
【0041】
このとき、回転検知部15はローラー3の巻解方向への回転を検知し(S503)、その後、マーク検知部17により連結部21に設けられたマーク12が検知されると(S504)、マークカウント部19には「−1」がカウントされる(S505)。
【0042】
そして、面状型光源9bと面状型光源9cを連結させている連結部21f、21gが所望の高さ(例えば、床に立っている作業者の手元)まで降りてきたときに、操作部を操作し、ローラー3のモーター5aの駆動を停止させる指示を入力する。
【0043】
制御部8はこの入力を受け付け(S506)、モーター5aの駆動を停止させる(S507)。その後、面状型光源9cの連結部21gと面状型光源9bの連結部21fの連結を外し、面状型光源9cの連結部21gに、新たな面状型光源9dの一方の連結部21kを連結させる。(図10)
【0044】
その後、再び操作部を操作し、ローラー3のモーター5aを駆動させる指示を入力すると、制御部8はこの入力を受け付け(S501)、ローラー3が巻解方向へ回転するようモーター5aをさらに駆動させる(S502)。このとき、回転検知部15はローラー3の巻解方向への回転を検知し(S503)、その後、マーク検知部17により連結部21に設けられたマーク12が検知されると(S504)、マークカウント部19には再び「−1」がカウントされる(S505)。
【0045】
そして、面状型光源9aとシート20aを連結させている連結部21a、21cが所望の高さまで降りてきたときに、操作部を操作しローラー3のモーター5aを停止させる指示を入力し制御部8はこの入力を受け付け(S506)、モーター5aの駆動を停止させる(S507)。
【0046】
モーター5a駆動停止後、シート20aの連結部21aと、面状型光源9aの連結部21cの連結を外し、シート20aの連結部21aに、新たな状型光源9dの連結部21kを連結させる。(図11)
【0047】
交換作業終了後、使用者が操作部を操作して、スクリーン2の交換終了の指示を入力する。すると、制御部8はこの入力を受け付け(S508)、図12のフローチャートに示すように、操作信号に基づいて、モーター5aが駆動しローラー3をスクリーン巻回方向へ回転させる(S509)。
【0048】
このとき、回転検知部15はローラー3の巻回方向への回転を検知し(S510)、その後、マーク検知部17により連結部21に設けられたマーク12が検知されると(S511)、マークカウント部19には「−1」がカウントされる(S512)。
【0049】
その後、制御部8は、マークカウント部19にカウントされた数の合計数が「0」をカウントするまで、ローラー3がスクリーン2を巻き取り続け、マークカウント部19が、0をカウントした場合に(S513)、モーター5aの駆動が停止される(S514)。
【0050】
以上のように、本実施の形態によれば、通常高所で行う、天井に配置させた面状型照明の交換を、床面から届く範囲で行うことができるため、高所で交換作業を行うことによる作業者の転倒や怪我のおそれを防ぐことができ、安全にスクリーン交換を行うことができる。
【0051】
また、複数の面状型光源は、全て同じ照射パターンのものを複数配置させることも可能だが、色の違いや配列の違いなど様々な照射パターンの面状型光源をスクリーン2に一列に並べることで、使用者が気分や目的に合わせて容易に照明装置の照射パターンを変更することができる。
【0052】
また、実施の形態1、2では、負荷検知部16により、モーター5aに一定以上の負荷がかかったことを検知した場合にモーター5aの駆動を停止させるよう、制御部8で制御される。そして、交換作業終了後、マークカウント部19もしくは記憶部18に不具合が生じ、モーター5aの駆動を停止させられない場合でも、スクリーン2を巻き取った際にモーター5aの駆動を停止させることができ、スクリーン2の破損やモーター5の故障を防止することができる。
【0053】
実施の形態3
以上、実施の形態1,2で、張架面変更動作などを行なわずにしばらく放置させておくと、ローラー3,4の間に張架させたスクリーンの上面に塵埃が溜まる。その後、張架面変更動作を実施すると、スクリーン上面に溜まった塵埃ごとスクリーンがローラーに巻き込まれ、面状型光源故障の原因になるおそれや、スクリーン上面に溜まった塵埃が面状型照明装置の下へ落ち、面状型照明装置の下に置かれた食卓や床などを汚すおそれが生じる。また以上の問題を解決するため、塵埃掃除専用の機構を設けると、消費電力が増加し、電気代が高くなるおそれが生じる。
【0054】
以上のような問題を解決するため、余分な機構を設けず、張架面を変更させる動きとともに、スクリーン上の塵埃を回収することができる装置を実施の形態3に示す。
【0055】
本実施の形態3について図13,14を用いて説明する。
図13は本実施の形態3に係る面状型照明装置の構成図、図14は面状型照明装置の集塵部を示す図である。
この実施の形態3が実施の形態1と異なるのは、ローラーの側面に、集塵部を設けている点である。その他の構成については実施の形態1と同一又は同等である。なお、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0056】
図13に示すように、集塵部22は、ローラー4の側面に天井から吊持され、スクリーン2と接するよう設けられたブラシ23と、ブラシの後面(根元側)に設けられ、ブラシ23の基端上部に開口部を有する回収容器24とを設ける。回収容器24は、ブラシ23によって回収された塵埃を貯留し、天井から吊持されている部分と分離させ、取り外すことが可能であり、そのため、回収した塵埃を捨てること、および回収容器を洗浄することが可能である。
【0057】
次に、集塵動作について図14を用いて説明する。
ローラー4がモーター5bの駆動によって巻回方向へ回転するたび、ローラー4に巻回されていくスクリーン2の側面にブラシが接触し、スクリーン2の表面に溜まった塵埃を除去していく。ブラシ23上に溜まった塵埃は、ブラシ23の基端上部の開口部から回収容器24へと回収される。
【0058】
以上のように、本実施の形態によれば、スクリーン2を動作させるたびにスクリーン2上の塵埃を除去回収することができるので、塵埃掃除専用の機構を別途設ける必要がなく、また、消費電力が増加し電気代が高くなるおそれもない。さらに、除去した塵埃を貯留させる回収容器24を設けたので、頻繁に回収された塵埃を捨てる必要がなく、清掃する回数を減少させることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 面状型照明装置、2 スクリーン、3 ローラー、4 ローラー、5a〜5b モーター、6 ガイド、7 ガイド、8 制御部、9a〜9d 面状型照明、10 連結部、11 連結部、12 マーク、13a〜13b 電磁石、14 駆動検知部、15 回転検知部、16 負荷検知部、17 マーク検知部、18 記憶部、19 マークカウント部、20a〜20b シート、21a〜20k連結部、22 集塵部、23 ブラシ、24 回収容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井から吊持され間隔を置いて配置された一対のローラーと、
前記ローラーに設けられ前記ローラーを回転させるモーターと、
前記ローラーに巻架され面状型光源を複数有するスクリーンと、
前記面状型光源の照射および前記モーターの駆動を制御する制御部とを備えたことを特徴とする面状型照明装置。
【請求項2】
前記ローラーのうちの一方を、前記スクリーンを巻き解く方向へ回転させることで、前記スクリーンを懸吊させることを特徴とする請求項1に記載の面状型照明装置。
【請求項3】
前記面状型光源は、両端に設けられた連結部により着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の面状型照明装置。
【請求項4】
隣接する前記面状型光源の境目に設けられたマークと、
前記マークを検知するマーク検知部とを備え、
前記マーク検知部が前記マークを検知した場合に、前記制御部は、前記モーターの駆動を停止させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の面状型照明装置。
【請求項5】
前記スクリーンに設けられた前記マークの個数を記憶させる記憶部を備え、
前記制御部は、前記マーク検知部が前記マークを検知した回数が前記記憶部に記憶された数に達するまで、前記モーターを駆動させ続けることを特徴とする請求項4に記載の面状型照明装置。
【請求項6】
前記ローラーの回転方向を検知する回転検知部を備え、
前記制御部は、
前記回転検知部が前記モーターの前記スクリーンを巻き取る方向への回転を検知すると共に、前記マーク検知部が前記マークを検知した場合に、正の値をカウントし、
前記回転検知部が前記モーターの前記スクリーンを巻き解く方向への回転を検知すると共に、前記マーク検知部が前記マークを検知した場合に、負の値をカウントすることを特徴とする請求項5に記載の面状型照明装置。
【請求項7】
前記ローラーに巻回されている前記スクリーンと接するよう設けられ、前記ローラーの回転により前記スクリーン上の塵埃を掻き落すブラシと、
前記ブラシの近傍に設けられ、前記ブラシで掻き落とされた塵埃を回収する回収容器とを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の面状型照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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