説明

面発光装置及びその装置を用いた球技用遊戯装置

【課題】所定の面状のエリアを分割した分割エリア内の如何なる場所にボールが放たれても、その分割エリアを確実に検出できると共に、検出した時点で当該分割エリアの表面全域から色むらが無く鮮明な光を発光可能な球技用遊戯装置を提供する。
【解決手段】所定のエリアを分割した分割エリア毎に設けられ、分割エリアの表面を形成すると共に振動センサ12cが設けられた外面板12aと、外面板を振動可能に支持する支持体と、外面板を構成する第1拡散板12a2に対して間隔を空けて対向配置された第2拡散板から成る内面板12dと、第2及び第1拡散板を通して分割エリアの表面から光を出射させる面状発光源12eとを備えた面発光手段12と、振動センサからの検出情報に基づいて当該分割エリアに放たれたボールを検出して得点を付与すると共に当該分割エリアの表面からの発光動作を制御する制御手段とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光のちらつきの発生を抑止し且つ省エネ効果を発揮すると共に、発光面からの均一光の発光によって視覚的な演出効果を奏することが可能な面発光装置、及びその面発光装置を用いた遊戯装置に関し、遊戯装置に関しては、特に、ピンポン球や野球のボール,サッカーボール,フリスビー(登録商標)等のボール状の飛翔体(以下、「ボール」と呼ぶ)をプレイヤが放って特定のエリア内に入れることで得点が付与されるスポーツゲーム用の装置として好適な球技用遊戯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボール状の飛翔体(以下、「ボール」と呼ぶ)をプレイヤが放って特定のエリア内に入れることで得点が付与されるゲーム装置としては、卓球遊戯装置やいわゆるストライクアウト(野球やサッカーを模した遊戯装置)などがある。
【0003】
卓球台の後方に配置されたボール発射部からプレイヤ側のコートに向けてボールを発射するタイプの卓球装置としては、例えば、プレイヤ側から見て相手のコートを複数の領域に区画しておき、冷陰極管を光源とした面光源を用いて各領域を互いに異なる発光色で発光可能に構成したものがある。このような卓球装置においては、例えば、各領域の中から1つの領域を選択的に発光させると共にボール発射部からボールを発射させ、プレイヤがその領域を狙ってボールを打ち返すことでプレイする形態としている(例えば特許文献1を参照)。また、卓球装置の情報処理手段として、ボールの落下位置を検出する検出手段と、発光させた領域とボールの落下位置とが一致したときに得点を加算する得点加算手段とを備え、卓球の練習成果が客観的に評価できるようにしたものも提案されている(同特許文献1を参照)。
【0004】
面状発光体としては、特許文献1のように冷陰極管を用いた発光体の他に、LEDを用いたものが公知である。LEDを用いた面状発光体の構成としては、例えば、透明の樹脂板内に気泡を含有する光拡散層と反射層とを形成してそれらの層の間を導光層とし、LEDの発光部を導光層内に挿入する構成としたものがある(例えば特許文献2を参照)。
【0005】
【特許文献1】特許第3015849号公報
【特許文献2】特開2006−310049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような卓球装置においては、一人でも卓球の練習を行うことができるので便利である。また、特許文献1に記載の卓球装置においては、ボールの発射に合わせて当該領域を選択的に発光させ、その領域をプレイヤが狙ってボールを打ち返すプレイ形態としているため、プレイヤは、あたかも対戦相手の動きに合わせてボールを打ち返しているような気分が得られるなどの効果がある。
【0007】
しかしながら、プレイヤが自由に打ち返すことができないため、例えば機械に操作されている感覚になり、卓球をしている現実感が薄れてしまうことが考えられる。また、特許文献1に記載の卓球装置においては、面光源を用いて当該領域を発光させるようにしているが、冷陰極管を光源としたものでは、領域全体に均一な光を発光させるのが困難である。そのため、発光された領域に濃淡が生じ、例えば領域の端部の光度が低下して、プレイヤが狙う領域(例えば得点が得られる領域)をプレイヤが明確に認識できない可能性がある。一方、LEDを用いた面状発光体は周知であるが、特許文献2に記載の面状発光体のように、液晶ディスプレイ装置や自動車用補助ランプ等に用いるのには好適である。しかし、LEDを用いた面状発光体においては、例えば、発光面に外力を受けてその場所を発光させる構造とするという着想はなく、特許文献2においてもそのような構造体について示唆する記載がない。
【0008】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の主要な目的は、卓球台のコート面やストライクアウトの標的面など、所定の面状のエリアを分割した分割エリア内の如何なる場所にボールが放たれても、その分割エリアを確実に検出することができると共に、ボールを検出した時点で当該分割エリアの表面全域から色むらが無く且つ鮮明なカラー色の光を発光させることが可能な球技用遊戯装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更なる目的は、球技用遊戯装置の面発光手段(演出効果用照明手段等)として簡便に適用可能で、また、光のちらつきや色むらが無く鮮明なカラー色の光を発光させることが可能な面発光装置、及びその装置を用いた球技用遊戯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、面発光装置及びその装置を用いた球技用遊戯装置に関するものであり、球技用遊戯装置に関しては、本発明の上記目的は、プレイヤがボールを放って特定のエリア内に入れることで得点が付与される球技ゲームを実行可能な球技用遊戯装置であって、前記エリアの分割エリア毎に設けられ、前記分割エリアの表面を形成すると共に振動センサが設けられた外面板と、前記外面板を振動可能に支持する支持体と、前記外面板を構成する第1拡散板に対して間隔を空けて対向配置された第2拡散板から成る内面板と、前記第2及び第1拡散板を通して前記分割エリアの表面から光を出射させる面状発光源とを備えた面発光手段と、前記振動センサからの検出情報に基づいて当該分割エリアに放たれたボールを検出して前記得点を付与すると共に当該分割エリアの表面からの発光動作を制御する制御手段と、を備えることによって達成される。
【0011】
あるいは、本発明の上記目的は、卓球台の自分のコートに向けて発射されたボールをプレイヤが相手のコートに打返すことで得点が付与される卓球ゲームを実行可能な球技用遊戯装置であって、ボールの打込み場所を可変しながら発射可能な発射手段と、相手のコートを得点別に分割した得点領域毎に設けられ、当該得点領域に打返されたボールを検出する検出手段と、各検出手段からの検出情報に基づいて得点を付与する制御手段とを備え、更に、前記検出手段は、前記分割された分割エリアの表面を形成するパネルの裏面に第1拡散板が層設された外面板と、前記外面板がボールの落下で振動可能に前記外面板を立設状態で支持する複数の支持体と、前記外面板の裏面に固着された振動センサと、前記外面板に対して間隔を空けて対向配置された第2拡散板から成る内面板と、その内面板の下方に小光源が配置され前記第2拡散板及び前記第1拡散板を通して前記分割エリアの表面から光を出射させる面状発光源とを備えて構成されていることによって達成される。
【0012】
さらに、球技用遊戯装置に関して、本発明の上記目的は、前記制御手段は、前記振動センサからの検出情報に基づいて前記分割された各分割エリアの中のどの分割エリアにボールが放たれたかを検出すると共に、検出した時点で当該分割エリアに対応する前記面状発光源を作動し、前記ボールが放たれた分割エリアの表面を発光させること、前記分割エリアは、前記ボールが放たれる場所の難易度に応じて分割されていること、前記分割エリアの表面から前記難易度に応じて前記面状発光源からのカラー色の光が発光されるように構成されていること、前記制御手段は、前記得点を付与する際に前記難易度に応じた得点を付与すること、前記発射手段は、前記ボールの発射間隔を前記制御手段からの指令で制御可能な発射機構を有し、前記制御手段は、前記発射機構に指令して前記ボールの発射間隔を可変することによって前記卓球ゲームの難易度を変化させること、前記制御手段は、前記卓球ゲーム中の得点状況を監視すると共に、前記得点状況に応じて前記発射間隔を可変すること、前記制御手段は、前記卓球ゲームの前半戦と比較して後半戦での前記発射間隔が短くなるように制御すること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0013】
さらに、球技用遊戯装置に関して、本発明の上記目的は、前記制御手段は、前記卓球ゲームの前半戦の合計得点が基準値より低い場合は、後半戦での前記発射間隔が長くなるように制御すること、前記制御手段は、プレイヤの得点記録を表示部に表示すると共に、表示されている得点表示を前記ゲームの終了間際に一時的に消失させ、前記ゲームの終了時にその終了時点の得点表示を前記表示部に出現させること、前記制御手段は、前記ゲームの終了間際から終了時点まで秒数をカウントダウン表示し、前記秒数が0となった時点で結果発表の音楽を音響出力部から流すと共に前記終了時点の得点表示を出現させること、前記制御手段は、前記振動センサからの検出情報に基づきボールが前記分割エリアの境界線上に落下したと判定した場合は、前記境界線上の両側の分割エリアにおける得点の合算値を付与すること、前記制御手段は、前記振動センサからの検出情報に基づいて前記ボールが放たれた分割エリアを判定し、該分割エリアに対応する得点を付与すると共に、付与した得点に対応した音色の効果音を音響出力部から流すこと、前記制御手段は、前記分割エリアに放たれた順番を前記分割エリアの識別子に対応させて記録すると共に、前記分割エリアに対して所定の順番で打返されたと判定した場合は、前記プレイヤに対して付与する得点を通常の得点よりも高い得点を付与すること、前記面状発光源が、LEDアレイで構成されること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0014】
また、面発光装置に関しては、本発明の上記目的は、光拡散性及び透光性を有する外面板と、前記外面板を支持する支持体と、前記外面板に対して間隔を空けて対向配置された光拡散性及び透光性を有する内面板と、各LEDからの光線が平行な光を前記内面板の面に対して垂直に入射させて前記外面板の表面全域から均一なカラー色の光を発光させる面状発光源とを備えることによって達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の球技用遊戯装置によれば、所定のエリアを分割した分割エリア内の如何なる場所にボールが放たれても、その分割エリアを確実に検出することができると共に、ボールを検出した時点で当該分割エリアの表面全域から色むらが無く且つ鮮明なカラー色の光を発光させることが可能な卓球遊戯装置を提供することが可能となる。また、ボールを検出した時点で分割エリアの表面を発光させる形態とすることによって、分割エリアの表面の発光色を見るだけで、どの分割エリアにボールが放たれたかを瞬時に認識するができると共に、獲得した得点の高低や得点自体を瞬時に認識することが可能となる。
【0016】
また、本発明の面発光装置によれば、光のちらつき色むらが無く且つ鮮明なカラー色の光を発光させることが可能な面発光装置を提供することが可能となる。例えば、本発明の面発光装置によれば、商品を所定方向(例えば商品の載置面)からライトアップして演出する商品ディスプレイ装置や、車の展示場や舞台など使用される照明装置、更に、家庭等で普及している蛍光灯照明装置の代わりの照明装置として好適に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1から図3は、本発明に係る球技用遊戯装置の一例である卓球遊戯装置の全体構成を概略的に示す模式図であり、図1は外観斜視図、図2は遊戯室内部を示す斜視図、図3は遊戯室を上方から見た斜視図である。
【0019】
先ず、これらの図面を参照して本発明に係る卓球遊戯装置の概要を説明する。
【0020】
図1において、卓球遊戯装置10は、自分のコート10aに向けて発射されたボール1をプレイヤP1が相手のコート10bに打返すことで得点が付与される卓球ゲームを実行する形態の卓球遊戯装置である。本実施の形態では、卓球台10Aは、卓球遊戯室14の室内に設けられており、プレイヤP1は、公式のピンポン球を用いて卓球ゲームを行う態様としている。本実施の形態において、卓球遊戯室14の筐体サイズは、幅3m×奥行き6m×高さ3mであり、卓球台10Aのサイズは、公式の卓球台と同じサイズ(寸法=2m74cm、高さ=76cm、幅=1m52.5cm、ネットの高さ=15.25cm)としている。
【0021】
卓球台10Aの相手コート10bの後方には、ボールの発射口11aが設けられている。プレイヤ側のコート10aにボールを打込む発射装置としては、図1中のボール1の軌跡C1,C2、及びボール1の落下場所に示するように、ボールの打込み場所を可変しながら発射する装置を備えている。
【0022】
ボールの発射口11aの上部壁面には、図2に示すように、卓球ゲームの経過時間やプレイヤの得点などが表示される表示部14Aと、効果音や音楽などが出力される音響出力部14Bが配置されている。また、図2において、卓球遊戯室14の入出口近傍の所定位置には、ゲームの開始を指示する「スタートボタン」等を備えた操作部14Cが設けられている。そして、卓球遊戯室14の壁面には、ボールの跳ね返りを防止する部材(本例では網状のネット)が敷設されている。
【0023】
本実施の形態では、図3に示すように、卓球台の相手のコート10bは、予め複数の領域に分割されている。図3の例では、相手のコート10bを、ネット側の領域A1と、その領域A1より奥側の中央部の領域A2と、及びその領域A2の左右の領域A3,A4とに、4分割した形態としている。また、図3において、ボールの発射口11aが設けられている壁面の後方の機械室14Dには、ゲーム制御手段としてのCPU等から成る制御基板など卓球遊戯装置の制御系の各機器が設置されている。
【0024】
本実施の形態では、卓球遊戯装置10は、分割された各領域A1−A4の中のどの領域にボールが打込まれたかを振動センサの検出情報に基づいて検出し、ボールが落ちた分割エリア(以下「分割コート」と呼ぶ)のコート面を瞬間的に発光させるようにしている。また、各分割コートは、打返す場所の難易度に応じた得点が設定されており、その得点毎に異なる色で分割コート面を発光させる形態としている。このような形態とすることによって、プレイヤは、その発光色を見るだけでコート上のどの領域に打込んだかを瞬時に認識することが可能となり、更に、打込みによって獲得した得点の高低や得点自体を瞬時に認識することが可能となる。
【0025】
卓球遊戯装置10は、ボールが落ちたコート面を得点に応じたカラーの色で発光させると同時に、ボールが落ちたコート面に対応して設定されている得点を付与し、プレイヤの得点記録(例えば合計点)を図2中の表示部14Aの「SCORE」の表示領域に表示するようにしている。また、図2中の表示部14Aの「TIME」の表示領域には、卓球ゲームの残り時間若しくは経過時間を表示するようにしている。
【0026】
なお、ボールを打込んでいない状態(当該領域が発光されていない状態)では、相手のコート10bの面は全域が同一色であり、各分割コートの境界線はプレイヤが認識できないようにしている。そして、分割コートの境界線上にボールが落ちた場合は、プレイヤの得点としては、境界線上の両側の得点領域(分割コート)における得点が加算され、合算値が付与される形態としている。これは、偶然性を得点の要素としたもので、ラッキーな得点を得られるようにしたものである。
【0027】
ここで、分割コートと得点との関係について説明する。
【0028】
図4は、得点別に分割した相手のコート10bの一例を示している。分割形態については、図3中に例示したものと同様である。図4に示すように、卓球台10Aの相手のコート10bにおいて、打返すのが容易と想定される領域A1(一番手前で広い部分)を「1点」の得点領域、打込み易さが比較的普通の領域A2(一番奥の中央の部分)を「2点」の得点領域、打返すのが難しい領域A3,A4(コート左右の角の部分)を「3点」の得点領域というように、打返す場所の難易度に応じた得点領域で相手のコート10bを分割する形態としている。本実施の形態では、分割されたコート部を形成する構造体は枠状の構造体であり、後述する「分割エリア面発光/ボール検出モジュール」として、分割コート部毎にユニット化されている。なお、相手のコート10bの分割数や分割エリアの大きさと形状、得点領域毎の得点は、図4の例に限るものでない。
【0029】
プレイヤは、上述のような得点領域が設けられた相手のコート10bに対して、仮想の相手からのボールを打ち返すことで、卓球の試合を体感することができる。また、打返す場所の難易度に応じた得点が得られるので、ゲーム性を有する卓球を楽しむことができる。なお、卓球ゲームの1試合の時間は、本実施の形態では前半が1分、後半が1分の計2分程度としている。
【0030】
このような卓球ゲームに係る処理の詳細については後述するものとし、以下に、本発明に係る卓球遊戯装置の主要な構成について説明する。
【0031】
図5は、本発明に係る卓球遊戯装置の構成を概略的に示すブロック図であり、同図を参照して、卓球遊戯装置10の制御系の構成について説明する。図5において、卓球遊戯装置10は、制御系の主要な手段として、ボールの打込み場所を可変しながら発射可能な発射手段11と、相手のコートを得点別に分割した得点領域毎に設けられ、当該得点領域に打返されたボールを検出する検出手段12と、各検出手段からの検出情報に基づいて得点を付与するゲーム制御手段13とを備えている。
【0032】
始めに、これらの手段11〜13の構成について順次説明し、その他の構成、すなわち、遊戯室14に設けられている表示部14A,音響出力部14B,及び操作部14Cの構成と、球回収手段15及び映像表示手段16の構成については後述するものとする。
【0033】
先ず、発射手段11の構成について説明する。
【0034】
発射手段11は、ボールの発射口11a、ボールの発射間隔を外部からの指令で制御可能な発射機構11b等から構成される。発射機構11bは、ボール貯留部に貯留されているボールを繰出して発射部へと搬送するボール搬送機構、筒状の発射部を回動させて同一の発射口11aからボールの発射方向を前方の左右に打ち分けることによって、プレイヤ側のコートの打込み場所を可変する発射方向変動機構、及び外部からの指令で発射間隔を可変可能な発射間隔変動機構等から構成される。
【0035】
なお、発射手段11に関して、外部からの指令で制御可能な機構は、本例では発射間隔変動機構のみとしているが、発射方向を任意方向に可変可能な方向変動機構や、付勢力の変動等によって発射速度を可変可能な速度変動機構などを備え、ゲーム制御手段13において、予め設定されたシナリオに応じて、あるいは卓球ゲーム中の合計点やリターン率等に応じて、各機構の動作を制御する形態としても良い。また、ボールの発射口11aを固定せずに、発射機構11bを左右(及び上下)に移動制御可能な構成とし、ゲーム制御手段13において発射機構11bを移動制御して、後述する映像表示手段16により表示する相手選手の動画像に合わせてボールを打出させるように制御する形態、あるいは、左右に移動制御してプレイヤの返球の検出位置からボールを返球させるように制御する形態としても良い。
【0036】
次に、面発光手段としての機能を有する検出手段12の構成について説明する。検出手段12は、前述の分割コート毎にユニット化されたモジュールで構成される。
【0037】
図6(A)〜(C)は、検出手段12としての分割エリア面発光/ボール検出モジュール12Aの構成を示す模式図である。図6(A)は、分割コート面発光/ボール検出モジュール12Aの主要部の構成例を示す斜視図、同図(B)は、分割コート面発光/ボール検出モジュール12Aの側面パネル及び基台を示す一部断面構造図、同図(C)は、面状発光源を構成する各小光源(以下「LED(発光ダイオード)」とする)の配置構成の一例を示す模式図である。
【0038】
なお、この分割エリア面発光/ボール検出モジュール12Aは、面発光装置として単独で利用することも可能である。また、図6(A)中の振動センサ12cを設けない構成の面発光装置とした実施形態では、商品を所定方向からライトアップして演出する商品ディスプレイ装置や、車の展示場や舞台など使用される照明装置としても適用することができる。例えば、自動車等の展示場においては、展示コーナの床を発光面とするように面発光装置を設け、床面を発光させて自動車等の展示物を下方からライトアップする形態とすることで、見る人に感動を与えることができる。さらに、家庭等で広く普及している蛍光灯照明装置と比較して、光のちらつきの発生がなく、高寿命で消費電力も少なくいので、天井等に設けられる蛍光灯照明装置の代わりの照明装置として好適に適用することができる。その際の照明光は単一色で良いが、リモコン装置の操作で発光色を可変できる構成としても良い。
【0039】
本実施形態における検出手段12は、図6(A)に示すように、分割コート面を形成する外面板12aと、その外面板を立設状態で支持する複数の棒状支持体12bと、外面板の裏面に固着された振動センサ12cと、外面板に対して間隔を空けて対向配置された内面板12dと、その内面板の下方にLEDが配置され、上記内面板12dと外面板12aを透過して分割コート面全域から光を出射させる面状発光源12e(以下「LEDアレイ」とする)とを備えた構成としている。
【0040】
本実施の形態では、外面板12aと内面板12dは、光拡散性及び透光性を有する拡散板であり、所定の間隔(本例では20cm程度)を空けて水平姿勢で対向配置されている。そして、分割コート面となる外面板12aから面状の光を発光させる際には、LEDアレイ12eの各LEDからの光を2つの拡散板12d、12a2を通して、分割コート面の表面から均一な光(分割コート面全域において色むらが無く且つ鮮明な色の光)を発光させるようにしている。本実施の形態では、外面板12aと内面板12dを構成する拡散板は、乳白色の拡散板(乳白色の顔料が錬り込まれたアクリル樹脂板等)を用いている。図6に例示される外面板12aは、拡散板12a2の上面に透光性パネル12a1を層設して構成されている。その透光性パネル12a1は、例えば透明な樹脂等から形成された透明板であり、本実施の形態では、透光性パネル12a1としてカラーの部材を用いるのではなく、LEDアレイの発光色(赤色、青色、緑色などのカラー色)によって、透光性パネル12a1の表面から該当の色を発光させる形態としている。なお、各LEDは、例えば、発光源から出射される光を所定方向に導光する筒状の導光部材と、円錐状に光束を拡大させるレンズ部材などを設けた構成としても良い。
【0041】
図6(A)及び(B)中の棒状支持体12bは、ボール(ピンポン球)の落下で振動可能に外面板12aを支持する支持体である。本例では、棒状支持体12bは、分割コート面となる外面板12aの表面上のどの位置にボールが落下しても外面板12aの位置が変位するように、棒状の弾性部材を用いている。なお、棒状支持体12bの位置や数は、図6(A)の例に限るものでない。
【0042】
検出手段12におけるボールの検出精度に関しては、例えば、卓球台のネットの高さ未満から、公式のピンポン球を任意の位置に自然落下させた際に、その落下を振動センサ12cが必ず検知し得る精度とするのが望ましいが、例えば、プレイヤ側のコートから打込まれる際に想定される最大限の緩やかなボールを検知し得る程度の精度でも良い。その場合でも、ネットインのケースを除外して確実に検知し得る精度となるように構成するのが好ましい。精度の調整は、例えば、棒状支持体12bの数を変えたり、高精度の振動センサ12cを用いたり、検知信号の増幅過程等で調整したりすることによって調整する。
【0043】
ボールの検出に用いる振動センサ12cは、その筐体の影が外面板12aに投影されないように、また、筐体が乳白色の外面板12aから見えないように、図6(A)中に示すように、外面板12aの裏面の端部(本例では両端部)に設けられている。なお、振動センサ12cは、外面板12aの機械的な振動を検知するセンサに限るものでく、振動の一種である音波を検知するセンサ、あるいは、空気の振動(空気圧の変化)を検知するセンサを用いても良い。
【0044】
内面板12dは、本例では、前述のように乳白色の拡散板で構成される。図6(B)中に示される側板12fは、外面板12aと内面板12dとの間の直方体状の空間部を覆う非透光性部材から成る側板であり、面状発光源12eのユニットが設置される基台12g上に固設されている。各側板12f、すなわち内面板12dの前後左右に位置するそれぞれの側板12fは、図6(B)中に示すように、外面板12a側の端部が内側にL字状に屈曲されて形成されている。そして、各側板12fは、外面板12aが上下方向に振動で変位しても、側板12fのL字状端部が、外面板12aと接触しないように、外面板12aの裏面に対して隙間を開けて配置され、且つ側板12fの側面と外面板12aの側面とが平面を成すように、基台12g上に配置されている。
【0045】
LEDアレイ12eは、図6(C)に示すように、i×j個のLED素子の各発光面が略等間隔に位置するように、各LED素子が列状に配置されている。本例では、同一の得点領域においては、同一の発光色のLED群を用いた構成とし、図4に示した分割コートの例では、図4中の領域A1(得点が低い得点領域)に対応するLEDアレイは、緑色のLED群を用い、領域A2(基準の得点領域)に対応するLEDアレイは、青色のLED群を用いている。そして、得点が高い得点領域となる領域A3及びA4に対応するLEDアレイは、赤色のLED群を用いている。なお、LEDアレイ12eを構成するLEDの数、配置構成は、図6(C)の例に限りものではなく、また、発光色も上記例に限るものでない。
【0046】
得点別の分割コートの構造体として、上記のようなモジュール構成の構造体を用いることによって、卓球台のコート面を分割した領域内の如何なる場所にボールが落下しても、その領域を確実に検出することが可能になると共に、当該領域のコート面全域から色むらが無く鮮明なカラー色の光を発光させることが可能となる。また、ボールの落下を検出した時点で、当該領域のコート面を得点に応じたカラー色の光で発光させる形態とすることによって、プレイヤは、相手のコート上のどの領域に打込んだかを瞬時に認識するができると共に、獲得した得点の高低や得点自体を瞬時に認識することができるようになる。
【0047】
次に、ゲーム制御手段13の構成について説明する。
【0048】
図5において、ゲーム制御手段13は、コンピュータ13a及びプログラム13b等から構成される。詳しくは、ゲーム制御手段13は、CPUや情報記憶媒体,基本ソフトウェア等から成るコンピュータ、卓球ゲームに係る情報処理をコンピュータに実行させるためのゲーム処理プログラム、ゲームの実行に係る各種のデータ、及び画像処理プロセッサ等から構成される。
【0049】
ゲーム制御手段13は、各検出手段12からの検出情報に基づいて、各分割コート(例えば図3中の得点領域A1〜A4)の中のどの分割コートにボールが落ちたかを検出すると共に、検出した時点で当該分割コートに対応するLEDアレイ12eを作動し、ボールが落ちた分割コートの表面全域を発光させる制御を行う。
【0050】
また、ゲーム制御手段13は、その他に次のような機能(手段)を備えている。
【0051】
(1)発射手段11の発射機構11bに指令して、ボールの発射間隔を可変することによって卓球ゲームの難易度を変化させる機能。
【0052】
(2)各検出手段12の振動センサ12cからの検出情報に基づいて、ボールが落ちた得点領域を判定し、その得点領域に対応する得点を付与すると共に、付与した得点に対応した音色の効果音を音響出力部14Bから流す(出力する)機能。
【0053】
(3)発射手段11の発射機構11bに指令して、ボールの発射間隔を可変することによって卓球ゲームの難易度を変化させる機能。
【0054】
ボールの発射間隔に関しては、例えば、(a)卓球ゲーム中の得点状況を監視すると共に、得点状況に応じて発射間隔を可変する処理を実行する。(b)卓球ゲームの前半戦と比較して、後半戦での発射間隔が短くなるように制御する処理を実行する。例えば前半戦では2秒に1球、後半戦では1秒に2球で打出すように制御する。(c)卓球ゲームの前半戦の合計得点が基準値より低い場合は、後半戦での前記発射間隔が長くなるように制御する。
【0055】
(4)プレイヤの得点記録を表示部14Aに表示すると共に、表示されている得点表示を卓球ゲームの終了間際に一時的に消失させ、卓球ゲームの終了時にその終了時点の得点表示を表示部14Aに出現させる機能。
【0056】
(5)卓球ゲームの終了間際から終了時点まで秒数をカウントダウン表示し、秒数が「0」となった時点で、結果発表の音楽を音響出力部14Bから流すと共に、終了時点の得点表示を出現させる機能。
【0057】
(6)各検出手段12の振動センサ12cからの検出情報に基づいて、ボールが得点領域の境界線上に落下したと判定した場合は、境界線上の両側の得点領域における得点の合算値を付与する機能。例えば、図4中の得点1の領域と得点2の領域を区切る境界線上に落下したと判定した場合は、3点を付与する。また、得点1、得点2、得点3の境界が重なる位置に落下したと判定した場合は、6点を付与する形態とする。その際の音色は、例えば合算値に応じた効果音を出力する。
【0058】
なお、境界線上の落下の判定は、隣り合う分割コート面における振動センサ12cが、略同一タイミングで検知したか否かにより判定する。また、同一の分割コート面に設けられている複数(本例では2つ)の振動センサ12cからの出力は、いずれか1つの振動センサの出力値が閾値を超えていれば、その分割コート面にボールが打込まれたものと判定する。また、ボールがバウンドしたか否かは、発射間隔と検知時間の情報に基づいて判定し、バウンドしたと判定した場合には、最初に検出したボールに対してのみ得点を付与する。
【0059】
(7)相手のコートに打返された順番を分割コートの識別子に対応させて記録すると共に、各分割コートに対して所定の順番で打返されたと判定した場合は、プレイヤに対して付与する得点を通常の得点よりも高い得点を付与する機能。
【0060】
(8)一定時間内(所定の時間範囲内)に得点が入らないと、プレイヤを応援する音声(応援ボイス)を音響出力部14Bから出力する機能。
【0061】
(9)応援ボタン等を設けた操作部を卓球遊戯室の外部に備えた構成とし、外部で友達等が応援ボタンを押すと、応援ボイスを音響出力部14Bから出力する機能。
【0062】
(10)映像表示手段16として、スクリーン16aとフロント投影型又はリア投影型のプロジェクタ16bとを備えた実施形態では、例えば卓球台の後方にスクリーン16aを設け、各検出手段12の振動センサ12cからの検出情報に基づいて、プレイヤが返球した分割コートの場所を検出し、その場所に応じた相手選手が返球する様子を表わす映像を表示する機能。あるいは、振動センサ12cを格子状に配設した構成として、各振動センサの検出情報に基づいて、プレイヤが返球したボールの位置を求め、その返球位置に応じた相手選手が返球する様子を表わす映像を表示する機能。
【0063】
なお、スクリーン面に映し出す映像は、例えば3次元ポリゴンモデルで表現した相手選手の画像を処理し、3次元の座標系から2次元の座標系へ変換してスクリーン面に投影表示する。
【0064】
(11)上記(10)の処理に加えて、前述のように、ボールの発射口11aを固定せずに、発射機構11bを左右(及び上下)に移動制御可能な構成とし、発射機構11bを移動制御して、映像表示手段16により表示する相手選手の動画像に合わせてボールを打出させる機能、あるいは、左右に移動制御してプレイヤの返球の検出位置からボールを返球(発射)させる機能。
【0065】
(12)卓球台の奥側に、ランダムで立ち上がる複数枚(例えば6枚)のターゲットプレートを設け、例えばプレート裏面に設けた振動センサの検出情報に基づいてターゲットプレートへの打球を検出した場合は、所定の得点(例えば5点)を付与する機能。
【0066】
なお、上述した各機能を用いた処理は、組合せが可能な範囲で適宜選択して実行される。
【0067】
次に、その他の構成(表示部14A,音響出力部14B,及び操作部14C,球回収手段15及び映像表示手段16の構成)について説明する。
【0068】
表示部14Aは、7セグメント表示器等から構成され、音響出力部14Bは、スピーカやサウンドプロセッサ等から構成される。また、操作部14Cは、ゲームの開始を指示する「スタートボタン」等から構成される。映像表示手段16は、前述のように、スクリーン16a、及びフロント投影型又はリア投影型のプロジェクタ16b等から構成される。
【0069】
次に、球回収手段15の構成について説明する。
【0070】
図7は、本発明に係る卓球遊戯装置の球回収手段の構成例を示す模式図である。
【0071】
球回収手段15は、卓球台の手前の床端部に設置された送風機15aと、卓球台の下部中央に溝を有し且つその溝の両側に傾斜面が形成されているガイド部材15bとから構成される。図7の模式図において、卓球台の手前床面は、略水平なフローリング床としており、本例では、卓球遊戯室出入口の両脇の床端部に配置した2台の送風機15aを動作させて、卓球台の奥側に向けて送風し、その風力によって、床面上のボール1をガイド部材15b側に転動させる。ガイド部材15bまで移動したボール1は、ガイド部材15bの傾斜面から転がって溝15b1に落ちる。溝15b1に落ちたボール1は、送風機15aの送風による風力によって溝15b1に沿って転がる。そして、そのボール1が、溝15b1の奥側端部に設けられている発射機構のボール貯留部に落下することによって回収される形態としている。この球回収手段15によってボール貯留部に回収されたボールは、発射機構11bによって再使用される。なお、本例では、溝15b1は奥側に傾斜して形成されており、送風機15aの送風を受けなくても、溝15b1に沿って自然に転がるように構成されている。
【0072】
上述のような構成において、卓球遊戯装置10の動作例(ゲーム全体の処理の流れ)を、図8のフローチャートの流れに沿って説明する。なお、卓球遊戯装置10が有する各手段における具体的な処理の説明は簡略化若しくは省略し、ここでは、ゲーム制御手段13における全体のゲームの進行処理について説明する。また、ゲーム制御手段13が有する前述の各機能(1)〜(11)による処理は、説明が重複するので省略し、ここでは、代表的な動作を例として説明する。
【0073】
ゲーム制御手段13は、プレイヤによって操作部14Cの「スタートボタン」が押下されたのを検出すると、制御モードを前半戦のモードとし、球回収手段15を作動して送風を開始させると共に、発射手段11に対して前半戦用の発射間隔(例えば「2秒に1球」の間隔)を設定して発射開始を指令し、卓球ゲームの前半戦を開始する(ステップS1)。指令を受けた発射手段11は、当該発射間隔でボールの発射を開始する(ステップS2)。
【0074】
各検出手段12(分割コート毎のモジュール12A)は、分割コート面の振動を検知すると、その検知信号をゲーム制御手段13に送出する。ゲーム制御手段13は、検出手段12(分割コート毎のモジュール12A)からの振動検知情報に基づいて、返球されたか否か(プレイヤによってコート内へボールが打込まれたか否か)を判定し(ステップS3)、返球されたボールの検知ではないと判定した場合は、検出手段12からの振動検知情報を待つ。その際、ゲーム制御手段13は、所定時間(発射間隔に対応した時間)経過しても返球がされないと判定した場合は、リターン率の情報を更新して次のボールの返球待ちとする。
【0075】
一方、ステップS3において、ボールがコート内に返球がされたと判定した場合は、ゲーム制御手段13は、振動検知情報に含まれるコート面の識別情報(例えば検出モジュールの識別子)を基に、ボールの落下場所(分割コート)を検出し(ステップS4)、その分割コートに対応して設定されている得点を付与すると共に、振動検知情報の受信元の検出手段12(LEDアレイ)に対して発光指令を送出し、落下場所の分割コートを発光させる。その際、点灯させた後に即時に消灯させる。なお、分割コートの境界線上にボールが落下したと判定した場合は、該当の分割コートを同時に発光させる(ステップS5)。
【0076】
それと同時に、ボールが落ちた分割コートに対応して設定されている得点を付与して、得点とリターン率の記録情報を更新すると共に、付与した得点に対応した音色の効果音を音響出力部から出力する。その際、境界線上にボールが落下している場合は、通常と異なる効果音を出力すると共に、該当の各分割コートに対応する得点を合算する(ステップS6)。
【0077】
続いて、ゲーム制御手段13は、ゲーム開始後の経過時間と前半戦の遊戯時間(例えば1分)とを比較し、前半戦が終了したか否かを判定する(ステップS7)。前半戦が終了していないと判定した場合は、ステップS3に戻り、次のボールの返球待ちとする。
【0078】
一方、ステップS7において前半戦が終了したと判定した場合は、発射手段11に対して発射の停止を指令すると共に、後半戦が終了間際か否かを判定し(ステップS8)、そうでない場合は、制御モードを後半戦のモードとする(ステップS9)。続いて、ゲーム制御手段13は、発射手段11に対して後戦用の発射間隔(難易度を高くする場合は例えば「1秒に2球」の間隔)を設定して発射開始を指令し、当該発射間隔で卓球ゲームの後半戦を開始する(ステップS10)。その際、前半戦のリターン率が低ければ、難易度を低くするため、前半戦と比較して長い発射間隔を設定して発射開始を指令する(ステップS10)。発射開始を指令後、ステップS3へ移行して前半戦と同様の処理を繰り返す。
【0079】
他方、ステップS8において、後半戦が終了間際と判定した場合は、ゲーム制御手段13は、表示部に表示中の得点表示を一時的に消失させる。その際、カウントダウン表示を行ない(あるいはゲーム中にカウントダウン表示を継続し)、秒数が0となった時点で、得点表示を表示部に出現させると共に(ステップS11)、結果発表の音楽を音響出力部から流し(ステップS12)、卓球ゲームを終了する。なお、ゲーム終了後、一定時間後あるいは、球回収手段15のカウンタ情報を基に全ての球回収と判定した時点で、球回収手段15に指令して送風動作を停止させる。
【0080】
なお、上述した実施の形態では、卓球台のコートを矩形状に分割した場合を例として説明したが、得点別の領域の形状は、矩形状に限るものではない。例えば、ジグソーパズルの如く、曲線や直線を組み合わせた所定形状の構造体を複数組み合わせて、相手のコートを形成する形態としても良い。その場合でも、図6(A)〜(C)に示した分割エリア面発光/ボール検出モジュールの構造は同様であり、形状に合わせたユニット構成とすれば良い。また、上述した実施の形態では、分割されたコートを構成する1つのモジュールは、常に同一のカラー色の光を発光させる場合を例として説明したが、例えば、異なる色のLEDを均等に配置した構成のLEDアレイを備え、ゲーム制御手段からの指令で発光色を異なる色に切替えられるようにしても良い。また、LEDアレイをバックライトとして、液晶ディスプレイのように液晶の層を設け、ゲーム制御手段からの制御で多様なカラーの色を発光できる構成としても良い。
【0081】
また、上述した実施の形態では、球技用遊技装置として卓球遊技装置を例として説明したが、本発明に係る球技用遊技装置は卓球遊技装置に限るものではなく、野球のボール,サッカーボール,フリスビー(登録商標)等のボール状の飛翔体をプレイヤが放って特定のエリア内に入れることで得点が付与されるスポーツゲーム用の装置に好適に適用することができる。
【0082】
図9は、本発明に係る球技用遊戯装置の第2の例である投球遊戯装置の構成例を概略的に示す外観斜視図である。
【0083】
図9に示される球技用遊戯装置20は、前述の分割エリア面発光/ボール検出モジュール12Aとゲーム制御手段13とを備えた投球遊戯装置である。本例では、正方形状の面を有する同一構成のモジュール12Aを複数並設して、複数の分割エリア(本例では3×3の分割エリア)を有する標的を形成している。ゲーム制御手段13では、例えば、プレイヤが投げた球技用のボール(柔らかいゴム状のボール)が、どの分割エリアに当たったかを振動センサからの検出情報に基づいて検出し、検出した分割エリアに対応して設定されている得点を付与すると共に、ボールを検出した時点で、当該分割エリアの表面を得点に応じた特定のカラー色で発光させるようにしている。本例では、一般的なストライクアウトの装置と比較して、ボールの衝突エネルギーで板を反転させる等のメカ機構などを必要とせず、どの分割エリアにボールが当たったかをカラー色で瞬時に認識できると共に、獲得した得点の高低や得点自体を瞬時に認識することが可能で且つ安価な球技用遊戯装置を提供することができる。また、当該分割エリアの表面全域から色むらが無く且つ鮮明なカラー色の光を発光させることができるので、視覚的な演出効果をもたらすことができる。
【0084】
なお、図9の実施形態では、投球遊戯装置を例としているが、所定形状の発光面を有するモジュール12Aを組み合わせることで、サッカーのゴールやフリスビー(登録商標)の標的を構成し、その標的の所定エリアを狙って遊戯する形態の様々な球技用遊戯装置を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る球技用遊戯装置の一例である卓球遊戯装置の全体構成を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】図1の卓球遊戯装置の遊戯室内部を示す斜視図である。
【図3】図1の卓球遊戯装置の遊戯室を上方から見た斜視図である。
【図4】本発明に係る卓球台の分割コートと得点との関係を示す模式図である。
【図5】本発明に係る卓球遊戯装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図6】本発明に係る分割エリア面発光/ボール検出モジュールの構成及びそのLEDアレイ部の例を示す模式図である。
【図7】本発明に係る卓球遊戯装置の球回収手段の構成例を示す模式図である。
【図8】本発明に係る卓球遊戯装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明に係る球技用遊戯装置の第2の例である投球遊戯装置の構成例を概略的に示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
P1 プレイヤ
1 ボール
10 球技用遊戯装置(卓球遊戯装置)
10A 卓球台
10a 自分のコート
10b 相手のコート
11 発射手段
11a 発射口
11b 発射機構
12 検出手段(面発光手段)
12A 分割エリア面発光/ボール検出モジュール
12a 外面板(分割エリア部)
12a1 透明パネル
12a2 第1拡散板
12b 棒状支持体
12c 振動センサ
12d 内面板(第2拡散板)
12e 面状発光源(LEDアレイ)
12f 側板
12g 基台
13 ゲーム制御手段
13a コンピュータ
13b プログラム
14 遊戯室
14A 表示部
14B 音響出力部
14C 操作部
14D 機械室
15 球回収手段
15a 送風機
15b ガイド部材
15c 球搬送機構
16 映像表示手段
16a スクリーン
16b プロジェクタ
20 球技用遊戯装置(投球遊戯装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤがボールを放って特定のエリア内に入れることで得点が付与される球技ゲームを実行可能な球技用遊戯装置であって、
前記エリアの分割エリア毎に設けられ、前記分割エリアの表面を形成すると共に振動センサが設けられた外面板と、前記外面板を振動可能に支持する支持体と、前記外面板を構成する第1拡散板に対して間隔を空けて対向配置された第2拡散板から成る内面板と、前記第2及び第1拡散板を通して前記分割エリアの表面から光を出射させる面状発光源とを備えた面発光手段と、前記振動センサからの検出情報に基づいて当該分割エリアに放たれたボールを検出して前記得点を付与すると共に当該分割エリアの表面からの発光動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする球技用遊戯装置。
【請求項2】
卓球台の自分のコートに向けて発射されたボールをプレイヤが相手のコートに打返すことで得点が付与される卓球ゲームを実行可能な球技用遊戯装置であって、
ボールの打込み場所を可変しながら発射可能な発射手段と、相手のコートを得点別に分割した得点領域毎に設けられ、当該得点領域に打返されたボールを検出する検出手段と、各検出手段からの検出情報に基づいて得点を付与する制御手段とを備え、更に、前記検出手段は、前記分割された分割エリアの表面を形成するパネルの裏面に第1拡散板が層設された外面板と、前記外面板がボールの落下で振動可能に前記外面板を立設状態で支持する複数の支持体と、前記外面板の裏面に固着された振動センサと、前記外面板に対して間隔を空けて対向配置された第2拡散板から成る内面板と、その内面板の下方に小光源が配置され前記第2拡散板及び前記第1拡散板を通して前記分割エリアの表面から光を出射させる面状発光源とを備えて構成されていることを特徴とする球技用遊戯装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記振動センサからの検出情報に基づいて前記分割された各分割エリアの中のどの分割エリアにボールが放たれたかを検出すると共に、検出した時点で当該分割エリアに対応する前記面状発光源を作動し、前記ボールが放たれた分割エリアの表面を発光させることを特徴とする請求項1又は2に記載の球技用遊戯装置。
【請求項4】
前記分割エリアは、前記ボールが放たれる場所の難易度に応じて分割されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の球技用遊戯装置。
【請求項5】
前記分割エリアの表面から前記難易度に応じて前記面状発光源からのカラー色の光が発光されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の球技用遊戯装置。
【請求項6】
前記発射手段は、前記ボールの発射間隔を前記制御手段からの指令で制御可能な発射機構を有し、前記制御手段は、前記発射機構に指令して前記ボールの発射間隔を可変することによって前記卓球ゲームの難易度を変化させることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の球技用遊戯装置。
【請求項7】
前記制御手段は、プレイヤの得点記録を表示部に表示すると共に、表示されている得点表示を前記ゲームの終了間際に一時的に消失させ、前記ゲームの終了時にその終了時点の得点表示を前記表示部に出現させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の球技用遊戯装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記ゲームの終了間際から終了時点まで秒数をカウントダウン表示し、前記秒数が0となった時点で結果発表の音楽を音響出力部から流すと共に前記終了時点の得点表示を出現させることを特徴とする請求項7に記載の球技用遊戯装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記振動センサからの検出情報に基づきボールが前記分割エリアの境界線上に落下したと判定した場合は、前記境界線上の両側の分割エリアにおける得点の合算値を付与することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の球技用遊戯装置。
【請求項10】
光拡散性及び透光性を有する外面板と、前記外面板を支持する支持体と、前記外面板に対して間隔を空けて対向配置された光拡散性及び透光性を有する内面板と、各LEDからの光線が平行な光を前記内面板の面に対して垂直に入射させて前記外面板の表面全域から均一なカラー色の光を発光させる面状発光源とを備えたことを特徴とする面発光装置。

【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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