説明

靴カバー

【課題】靴を履いた状態で靴及び靴の着用者の下腿部を容易に覆って絶縁性を確保することができる靴カバーを提供すること。
【解決手段】靴としての安全靴1を履いた状態で安全靴1及び安全靴1の着用者の下腿部5を覆う靴カバー10であって、安全靴1を挿抜可能な第1開口部22を有し安全靴1を覆う第1カバー部20と、第1開口部22の周縁部から上方に向けて筒状に延び、安全靴1及び下腿部5を挿抜可能な第2開口部31を上端部に有し下腿部5を覆う第2カバー部30と、第2カバー部30の側部に設けられると共に第2開口部31から下方に延び、第2カバー部30の側部を開閉する開閉部材としての線ファスナー40と、を備え、第1カバー部20及び第2カバー部30は、電気絶縁性を有し、線ファスナー40は、電気絶縁性を確保可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴を履いた状態で靴及び靴の着用者の下腿部を覆うことができる靴カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、作業員は、外力による足へのダメージを防止するために、作業中に安全靴を着用することが多い。また、作業員は、例えば、電柱上で高圧活線作業等を行う場合には、感電防止のために、絶縁手袋、活線着、ゴム長靴等の高圧絶縁用の装備を着用している。
【0003】
従って、作業員が、感電の虞のない作業から、感電の虞のある高圧活線作業等を行う場合には、履いていた安全靴を脱ぎ、ゴム長靴に履き替える必要があった。そのため、履き替えに時間や労力を要し、作業能率が低下するという問題があった。
【0004】
ところで、安全靴の機能を有するゴム長靴が提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のゴム長靴は、鋼製の先芯が入ったゴム長靴の甲部に、甲プロテクターを取り付けたものである。このゴム長靴に、高圧活線作業等に対応可能な絶縁性を備えさせることにより、前記のような靴の履き替えを不要にすることも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−38610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に、ゴム長靴は通気性が悪く、ゴム長靴を長時間履いていると、足や下腿部が蒸れるため、作業員は、不快感を感じ、作業能率が低下し易い。そのため、ゴム長靴を履いて感電の虞のない作業をすることは、却って作業能率を低下させることになる。結局、必要に応じてその都度、安全靴からゴム長靴に履き替える方が、作業全体として作業能率の低下が少ないと考えられる。
従って、安全靴等の靴を履いた状態で、この安全靴等の靴及び作業員の下腿部の絶縁性を確保できる手段が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、靴を履いた状態で靴及び靴の着用者の下腿部を容易に覆って絶縁性を確保することができる靴カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、靴を履いた状態で該靴及び該靴の着用者の下腿部を覆う靴カバーであって、前記靴を挿抜可能な第1開口部を有し該靴を覆う第1カバー部と、前記第1開口部の周縁部から上方に向けて筒状に延び、前記靴及び前記下腿部を挿抜可能な第2開口部を上端部に有し該下腿部を覆う第2カバー部と、前記第2カバー部の側部に設けられると共に前記第2開口部から下方に延び、該第2カバー部の側部を開閉する開閉部材と、を備え、前記第1カバー部及び前記第2カバー部は、電気絶縁性を有し、前記開閉部材は、電気絶縁性を確保可能に構成される。
【0009】
また、本発明は、前記第1カバー部の側面部であり、かつ、前記下腿部の内踝側に位置する第1内側面部は、該第1カバー部における該第1内側面部以外の部分よりも硬く形成され、前記第2カバー部の側面部であり、かつ、前記下腿部の内踝側に位置する第2内側面部は、該第2カバー部における該第2内側面部以外の部分よりも硬く形成されることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記第2カバー部は、絶縁性を有し前記開閉部材を覆う開閉部材カバー部を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記第1カバー部は、前記靴の踵部が係合可能な凹部を有することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記第2カバー部は、前記着用者の前記下腿部と共に大腿部を覆うように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、靴を履いた状態で靴及び靴の着用者の下腿部を容易に覆って絶縁性を確保することができる靴カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の靴カバー10を示す側面図である。
【図2】線ファスナーカバー部42が閉じている状態の靴カバー10を示す側面図である。
【図3】靴カバー10を示す平面図である。
【図4】(a)から(d)は、靴カバー10を着用する過程を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態の靴カバー50を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の靴カバー10を示す側面図であり、線ファスナーカバー部42が開いている状態を示している。図2は、線ファスナーカバー部42が閉じている状態の靴カバー10を示す側面図である。図3は、靴カバー10を示す平面図である。図4(a)から(d)は、靴カバー10を着用する過程を示す説明図である。
【0016】
先ず、本発明の第1実施形態の靴カバー10と組み合わせて使用される靴としての安全靴1について、図1を参照しながら説明する。図1に示すように、安全靴1は、長靴状に構成されている。つまり、安全靴1は、足覆部2と筒状部3とを主体として構成されている。
【0017】
足覆部2は、安全靴1の着用者(以下、単に「着用者」と称する)の足部(図示せず)を覆うように袋状に構成されている。「足部」とは、着用者の踝(図示せず)から爪先(図示せず)までの部分をいう。足覆部2は、先芯部2aと表底部2bとを前記袋の一部分として有する。先芯部2aは、安全靴1の爪先部分を構成し、着用者の爪先を防護する部分である。先芯部2aは、例えば、皮革、合成樹脂、鉄等で構成されている。表底部2bは、安全靴1の底部の外表面を構成し、地面等に対して滑り止め機能を有する。表底部2bの後部(図1における右側)には、踵部4が下方に突出して設けられている。
【0018】
筒状部3は、足覆部2から上方に筒状に延び、着用者の下腿部5の下方部分(足首の近傍部分)を覆うように構成されている。「下腿部」とは、着用者の膝から踝までの部分をいう。なお、安全靴1は、着用者の踝(図示せず)よりも下方までを覆う短靴として構成されていてもよい。
【0019】
次に、本発明の第1実施形態の靴カバー10について図1から図3を参照しながら説明する。
図1から図3に示すように、靴カバー10は、安全靴1を履いた状態で安全靴1及び着用者の下腿部5を覆うものである。靴カバー10は、安全靴1を覆う第1カバー部20と、着用者の下腿部5を覆う第2カバー部30と、開閉部材としての線ファスナー40と、線ファスナー40を覆う開閉部材カバー部としての線ファスナーカバー部42と、1対の面ファスナー45a,45bと、を備える。
【0020】
図1から図3に示すように、第1カバー部20は、安全靴1の足覆部2を覆うことができる構成となっている。つまり、第1カバー部20は、図1に示すように、袋状に構成されている。第1カバー部20は、その内部に、安全靴1の足覆部2を挿入し配置することができる空間21を有する。第1カバー部20は、この空間21の上部に連通し足覆部2を空間21に対して挿抜可能な第1開口部22を有する。第1開口部22は、図3に示すように、平面視において略楕円状の開口となっている。
【0021】
また、第1カバー部20は、安全靴1の足覆部2と略同様の外形形状を有する。第1カバー部20は、電気絶縁性を有する。第1カバー部20は、例えば、電気絶縁性を有するゴムや樹脂等により構成されている。
【0022】
第1カバー部20は、その内部の底部に、安全靴1の踵部4が係合可能な凹部24を有する。凹部24は、図3に示すように、平面視において例えば、安全靴1の踵部4の底面形状に略合致する半楕円形状となっている。
【0023】
図3に示すように、第1カバー部20は、第1内側面部20aを有する。第1内側面部20aは、第1カバー部20の側面部であり、かつ、着用者の下腿部5の内踝(図示せず)側の部分である。第1内側面部20aは、第1カバー部20における第1内側面部20a以外の部分よりも硬く形成されている。例えば、第1内側面部20aは、電気絶縁性を有する硬質のゴムや樹脂等によって形成される。
【0024】
また、第1カバー部20の底部も電気絶縁性を有する硬質のゴムや樹脂等によって形成される。第1カバー部20の底部の外表面は、地面等に対して滑り止め機能を有する。
【0025】
図1から図3に示すように、第2カバー部30は、安全靴1の筒状部3及び着用者の下腿部5を覆うことができる構成となっている。第2カバー部30は、第1カバー部20と一体となっており、第1開口部22の周縁部から上方に向けて筒状に延びている。
【0026】
第2カバー部30は、上端部に、安全靴1及び着用者の下腿部5を挿抜可能な第2開口部31を有する。つまり、第2開口部31は、着用者が安全靴1を履いた状態で、安全靴1及び下腿部5を挿抜可能に構成されている。第2開口部31は、図3に示すように、平面視において例えば、略楕円状の開口となっている。
【0027】
第2カバー部30は、電気絶縁性を有する。第2カバー部30は、例えば、電気絶縁性を有するゴムや樹脂等により構成されている。
【0028】
第2カバー部30は、第2開口部31から第1開口部22に亘って延びる切り込み部41を有する。切り込み部41は、第2カバー部30の外側部(着用者の外踝側に位置する側部)に形成されている。切り込み部41は、線ファスナー40を有し、この線ファスナー40によって開閉される。
【0029】
図3に示すように、第2カバー部30は、第2内側面部30aを有する。第2内側面部30aは、第2カバー部30の側面部であり、かつ、着用者の下腿部5の内踝(図示せず)側の部分である。第2内側面部30aは、第2カバー部30における第2内側面部30a以外の部分よりも硬く形成されている。例えば、第2内側面部30aは、電気絶縁性を有する硬質のゴムや樹脂等によって形成される。
【0030】
図1から図3に示すように、線ファスナー40は、第2カバー部30の外側部(切り込み部41)に設けられると共に、第2開口部31から下方に延びている。線ファスナー40は、第2カバー部30の切り込み部41を開閉する。線ファスナー40は、左右一対の務歯40a,40aと、務歯40aに沿ってスライドすることにより、務歯40a,40a同士を係合し又はその係合を解除するスライダー40bと、を有する。
線ファスナー40は、電気絶縁性を有する合成樹脂(例えば、ポリエステル)等により構成されている。
【0031】
線ファスナー40は、スライダー40bを下方から上方(第2開口部31側)にスライドすることにより務歯40a,40a同士を係合し、第2カバー部30の切り込み部41を閉じる。また、線ファスナー40は、スライダー40bを上方(第2開口部31側)から下方にスライドすることにより務歯40a,40a同士の係合を解除し、第2カバー部30の切り込み部41を開ける。
【0032】
図1から図3に示すように、線ファスナーカバー部42は、線ファスナー40を被覆可能な矩形片状に構成されている。線ファスナーカバー部42は、第2カバー部30の外側部に第2カバー部30と一体に設けられている。線ファスナーカバー部42は、電気絶縁性を有する。線ファスナーカバー部42は、例えば、電気絶縁性を有するゴムや樹脂等により構成されている。
【0033】
図1から図3に示すように、1対の面ファスナー45a,45bは、線ファスナーカバー部42を第2カバー部30の外側部に着脱自在に固定する。1対の面ファスナー45a,45bは、フック部(図示せず)とループ部(図示せず)とが対をなして構成されている。1対の面ファスナー45a,45bは、両者を強く圧迫すると、フック部とループ部とが相互に外れにくいように係合する。また、1対の面ファスナー45a,45bは、フック部とループ部とを手で引き剥がすと、フック部とループ部との係合が外れるようになっている。
【0034】
1対の面ファスナー45a,45bは、線ファスナーカバー部42で線ファスナー40を被覆したときに、互いに対向する位置に設けられている。つまり、面ファスナー45aは、第2カバー部30の外面における線ファスナー40の近傍に、線ファスナー40と略平行となるように設けられている。また、面ファスナー45bは、線ファスナーカバー部42の内面(裏面)の後端縁部に設けられている。
【0035】
次に、靴カバー10の着用方法及び靴カバー10の作用について図4を参照しながら説明する。図4(a)から(d)は、靴カバー10の着用方法を示す図である。図4(a)は、線ファスナー40を開いて靴カバー10を着用する前の状態を示す図である。図4(b)は、靴カバー10を着用して線ファスナー40を閉じる前の状態を示す図である。図4(c)は、靴カバー10を着用して線ファスナー40を閉じた後の状態を示す図である。図4(d)は、線ファスナーカバー部42で、閉じた後の線ファスナー40を被覆した状態を示す図である。
【0036】
図4(a)及び図4(b)に示すように、着用者は、靴カバー10の線ファスナー40を開き、第2開口部31を広げることができる。これにより、靴カバー10の内部を容易に確認することができ、異物や傷等の有無を容易に確認することができる。
また、着用者が安全靴1を履いた状態で、安全靴1を第2開口部31から靴カバー10の内部に容易に挿入し、配置することができる。
【0037】
また、図1及び図2に示すように、安全靴1を靴カバー10の内部に挿入し、配置したときに、安全靴1の踵部4が靴カバー10の凹部24に係合する。これにより、踵部4が靴カバー10の内部でずれにくくなり、安全靴1と靴カバー10との一体性が確保される。
【0038】
次に、図4(c)に示すように、靴カバー10の線ファスナー40を閉じる。これにより、安全靴1及び下腿部5が靴カバー10によって覆われるので、外部に露出しなくなり、絶縁性が確保される。
【0039】
続いて、図4(d)に示すように、線ファスナーカバー部42の面ファスナー45bと、第2カバー部30の面ファスナー45aとを係合することにより、線ファスナーカバー部42を第2カバー部30の外側部に固定する。
【0040】
これにより、線ファスナー40は、線ファスナーカバー部42によって覆われ、外部に露出しなくなる。そのため、線ファスナー40が、破損等により開いたとしても、下腿部5は、線ファスナーカバー部42によって覆われている。従って、下腿部5は、外部に露出しないので、絶縁性が確保される。
【0041】
以上のように、第1実施形態の靴カバー10によれば、以下に示す各効果が奏される。
第1実施形態に係る靴カバー10は、安全靴1を挿抜可能な第1開口部22を有し安全靴1を覆う第1カバー部20と、安全靴1及び下腿部5を挿抜可能な第2開口部31を上端部に有し下腿部5を覆う第2カバー部30と、第2カバー部20の外側部を開閉する線ファスナー40とを備え、第1カバー部20、第2カバー部及び線ファスナー40は、電気絶縁性を有する。そのため、安全靴1を履いた状態で、第1カバー部20及び第2カバー部30により、安全靴1及び着用者の下腿部5を容易に覆って絶縁性を確保することができる。
【0042】
また、靴カバー10の線ファスナー40を開いて、第2開口部31を広げることができる。そのため、着用者が安全靴1を履いた状態で、安全靴1を、第2開口部31から靴カバー10の内部に容易に挿入し、配置することができる。従って、電柱上であっても、安全靴1を履いた状態で靴カバー10を容易に着脱することができる。
また、広がった第2開口部31から、靴カバー10の内部を容易に確認することができ、異物や傷等の有無を容易に確認することができる。
【0043】
靴カバー10の第1内側面部20aは、第1カバー部20における第1内側面部20a以外の部分よりも硬く形成されている。また、靴カバー10の第2内側面部30aは、第2カバー部30における第2内側面部30a以外の部分よりも硬く形成されている。そのため、例えば、着用者が電柱上で作業する場合において、靴カバー10の第1内側面部20a及び第2内側面部30aが電柱に接触しても、この接触による衝撃や摩擦等が着用者に及ぶことを抑制することができる。
【0044】
靴カバー10の第2カバー部30は、線ファスナーカバー部42を備える。そのため、閉じられた線ファスナー40が、破損等により線ファスナーカバー部42の内側で開いたとしても、下腿部5は、線ファスナーカバー部42によって覆われている。従って、下腿部5は、外部に露出しないので、絶縁性を確保することができる。
【0045】
靴カバー10の第1カバー部20は、安全靴1の踵部4が係合可能な凹部24を有する。そのため、安全靴1に靴カバー10を着用したときに、踵部4が凹部24に係合するので、踵部4が靴カバー10の内部でずれにくくなり、安全靴1と靴カバー10との一体性を確保することができる。
【0046】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の第2実施形態の靴カバー50を示す側面図である。図5に示すように、第2カバー部30は、着用者の下腿部5と共に膝部7から膝部7の上部近傍までの大腿部6(大腿部6の一部)を覆うことができる構成となっている。「膝部」とは、着用者の膝部分をいう。「大腿部」とは、着用者の脚の付け根から膝部までの部分をいう。
靴カバー50のその他の構成及び靴カバー50の着用方法は、前記第1実施形態の場合と略同様であるので、説明を省略する。
【0047】
以上のように、第2実施形態の靴カバー50によれば、絶縁性を有する第2カバー部30が、着用者の下腿部5と共に膝部7から膝部7の上部近傍までの大腿部6を覆うように構成されている。そのため、靴カバー50の着用者の膝部7は、第2カバー部30によって覆われる。従って、第2実施形態の靴カバー50は、前記第1実施形態の場合と同様の効果を奏するほか、例えば、着用者が電柱上で作業する場合において、膝部7の屈伸時等に第2カバー部30が電柱の導電部材に接触しても、着用者が膝部7から感電することを防止することができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、開閉部材として線ファスナー40を用いているが、これに限定されない。例えば、開閉部材として、面ファスナー、ホック、ボタン等を用いてもよい。
【0049】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、線ファスナー40は、絶縁性を有しているが、これに限定されない。つまり、線ファスナー40は、電気絶縁性を確保可能に構成されていればよい。例えば、線ファスナーカバー部42等によって線ファスナー40を覆うことにより、線ファスナー40を外部に露出させないようにすることができれば、線ファスナー40は、絶縁性を有していなくてもよい。
【0050】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、第2カバー部30は、線ファスナーカバー部42を備えているが、これに限定されない。例えば、線ファスナー40が絶縁性を有していれば、第2カバー部30全体の絶縁性は確保されるので、第2カバー部30は、線ファスナーカバー部42を備えなくてもよい。
【0051】
また、前記第2実施形態においては、第2カバー部30が、着用者の下腿部5と共に膝部7から膝部7の上部近傍までの大腿部6を覆うように構成されているが、これに限定されない。例えば、第2カバー部30が、着用者の下腿部5と共に大腿部6の略全部を覆うように構成されていてもよい。
【0052】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、靴カバー10,50を着用する靴として、安全靴1を用いているが、安全靴1に限定されない。
【符号の説明】
【0053】
1 安全靴(靴)
4 踵部
5 下腿部
6 大腿部
10 靴カバー
20 第1カバー部
22 第1開口部
24 凹部
30 第2カバー部
31 第2開口部
40 線ファスナー(開閉部材)
42 線ファスナーカバー部(開閉部材カバー部)
50 靴カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴を履いた状態で該靴及び該靴の着用者の下腿部を覆う靴カバーであって、
前記靴を挿抜可能な第1開口部を有し該靴を覆う第1カバー部と、
前記第1開口部の周縁部から上方に向けて筒状に延び、前記靴及び前記下腿部を挿抜可能な第2開口部を上端部に有し該下腿部を覆う第2カバー部と、
前記第2カバー部の側部に設けられると共に前記第2開口部から下方に延び、該第2カバー部の側部を開閉する開閉部材と、
を備え、
前記第1カバー部及び前記第2カバー部は、電気絶縁性を有し、
前記開閉部材は、電気絶縁性を確保可能に構成されることを特徴とする靴カバー。
【請求項2】
前記第1カバー部の側面部であり、かつ、前記下腿部の内踝側に位置する第1内側面部は、該第1カバー部における該第1内側面部以外の部分よりも硬く形成され、
前記第2カバー部の側面部であり、かつ、前記下腿部の内踝側に位置する第2内側面部は、該第2カバー部における該第2内側面部以外の部分よりも硬く形成されることを特徴とする請求項1に記載の靴カバー。
【請求項3】
前記第2カバー部は、絶縁性を有し前記開閉部材を覆う開閉部材カバー部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴カバー。
【請求項4】
前記第1カバー部は、前記靴の踵部が係合可能な凹部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の靴カバー。
【請求項5】
前記第2カバー部は、前記着用者の前記下腿部と共に大腿部を覆うように構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の靴カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−67490(P2011−67490A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222072(P2009−222072)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】