説明

靴内を換気するポンプ

【課題】気密性の高い素材の靴内は、空気が滞留し蒸れ、夏場は直射日光を受け熱く不快であり、冬場には防寒靴の保温材の保温力が低下し、足が冷たく一度足が冷たくなるとなかなか回復せず、ますます冷たくなる事が多かった。これらの問題を解決する。
【解決手段】このポンプ3により靴内の空気を換気し、夏場は外気をポンプ3内に吸入し靴内に放出させ、蒸れと熱を靴外に排出する。冬場には体温で暖められた空気をポンプ3内に吸入し靴内に放出させ、蒸れを靴外に排出し足を保温する。靴内から排出された湿度の高い空気は、現在普及している透湿性があり気密性の高い素材でできた防寒衣にいより、余分な湿度のみ透湿され外気に放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
この発明は靴内の空気を換気する事により、温暖な所では外気を靴内に換気し靴内の温度・湿度を低下させる。寒冷な所では、吸気ホースを接続することにより体温で温められた空気を靴内に換気し、蒸れ・足の冷え・凍傷等のリスクを減少させる。
【背景技術】
【002】
このポンプは体重が加わるとポンプ本体が圧縮され、ポンプ内の空気は爪先部分の排気用逆止弁より靴内部に放出される。体重から解放されたポンプはポンプ本体に内蔵された、通気性と復元力のあるスポンジ状の内蔵物又は、弾力性のあるやや粗い繊維を複雑に絡め合わせた通気性と復元力のある素材又は、波形に湾曲させた板バネの復元力によりポンプは負圧になり、土踏まず付近の吸気用逆止弁よりポンプ内に空気を吸入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【003】
酷寒地での足の冷えは血管の縮小により血流量が減少し更にこの状態が続くと、凍傷等により重大な事故になる可能性がある。
寒冷地では屋外での作業は防寒靴を使用するが防寒靴は外部は気密性が高く、内部は保温性の高い素材でできていてくるぶしよりも長いタイプが多い。この保温材は空気の層を作り、この空気層により断熱保温をしているが長時間使用していると、この空気層の湿度の上昇に伴い断熱保温効果が低下し、結果足の冷えが進む。糖尿病患者は更に深刻でこの状態で凍傷になる可能性がある。
温暖な地域では革製の通勤靴・作業用革製安全靴など通気性の低い素材の靴は、夏場の屋外では靴の甲の部分に直射日光を受け熱く・蒸れ・不快である。
【発明を解決させるための手段】
【004】
短靴の場合はこのポンプを靴中敷として装着する事で外気を靴内に換気することができる。
【005】
くるぶしをおおうタイプの靴又は、それより長い靴は吸気用ホースとポンプ本体にある吸気用逆止弁の吸気口を接続し、吸気用ホースが外気を吸入できる位置に設置する。
【006】
防寒靴には一体構造のものと、二重構造のものがあり、一体構造のものは[005]と同じ。二重構造のものはインナーブーツとポンプ、吸気用ホースを一体化する事ができる。
防寒用ズボンは靴の中に雪や外気が入らないように裾の部分に工夫がされているので、外気を吸入する事なく、ズボン内の体温で暖められた空気で靴内を換気する。靴内から排出された湿度の高い空気は現在普及している透湿性が有り気密性の高い素材の防寒衣により余分な湿度のみ透湿され外気に放出する。
【007】
酷寒地では、ポンプ、吸気用ホース、インナーブーツ、インナースーツを一体化し、体温の発散の高い部位から吸気する。
状況により靴下の交換が必要な場合テント内で靴のシェルを外しインナーを脱がずに靴下の交換ができるようファスナーを付けるなど工夫が必要でテント内ではテントシューズでインナーを保護する、又はインナーブーツとインナースーツを分離する場合は吸気用ホースを接続分離する工夫が必要である。
【008】
吸気用ホースは、弾力のあるやや粗い繊維を複雑に絡め合わせた物を型状をととのえ、薄く軟らかく気密性の高い素材でつつみこむようホース状に加工し歩行時に違和感がなく膝関節、股関節の動きによる変形時にも最低限の空気抵抗で吸気できるよう工夫する。
【発明の効果】
【009】
気温の高い所では外気による換気で、靴の蒸れや日光による熱を靴外へ放出する事により不快感を軽減できる。又蒸れや熱による雑菌の繁殖を減少させ、水虫や異臭のリスクを減少させる。気温の低い所では足の冷えを防ぐために、保温性と気密性の高い素材の靴を使いますが、気密性が高いために長時間使用していると蒸れてきます。蒸れる事で保温材の保温力が低下し、結果足は冷えてきます。一度冷えた足は血管が縮小し、血流量が減少するためさらに足の冷えは進みます。
糖尿病患者は更に深刻で、凍傷になる可能性があります。酷寒地では相応する装備を装着するが予想外の事態が発生した場合靴内の湿度が低く、温度が高い状態が保てれば事故を回避する可能性が高まる。
【発明を実施するための形態】
【010】
以下、本発明の断面図について図面を参照して説明する。
【011】
このエアーポンプ本体3は、柔軟で気密性の高い生地でできている。上下2枚の靴中敷形の生地を4の部分で接着し、内部には5のスポンジ状のもの、又は、6の復元力のあるやや粗い繊維を複雑に絡め合わせた物、又は、7の波形に湾曲させた板バネを内蔵させる。このエアーポンプが体重を受けるとポンプ内の気圧が上がり、2の吸気用逆止弁の11の弁が密閉し、1の排気用逆止弁より靴内にポンプ内の空気を放出する。体重から解放されたポンプは5、6、7、の復元力によりポンプ内は負圧になり1は密閉し2の11は外気に押され10の通気口より外気を吸入する。1は排気用逆止弁の機能しかなく逆止弁の方向を変える事で吸排気両方の機能をもたせるには12の吸気口と1を組合せた型にしなくてはならない。吸気ホースは9を8でつつみこむよう加工する。吸気ホースはポンプ本体2に接続する事により適切な部位から吸気できる。
【図面の簡単な説明】
【012】
【図1】本発明の構造の断面図。
【符号の説明】
1・・・排気用逆止弁
2・・・吸気用逆止弁
3・・・ポンプ本体
4・・・接着部分
5・・・スポンジ状の物
6・・・復元力がありやや粗い繊維を複雑に絡め合わせた物
7・・・板バネ
8・・・吸気ホース
9・・・弾力性があり、やや粗い繊維を複雑に絡め合わせた物
10・・・通気口
11・・・弁
12・・・吸気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴内に滞留している空気を換気するためのエアーポンプで、体重を受けたときにポンプの体積が減少し、その分の空気が爪先部分の排気用逆止弁より靴内に放出し、体重から解放されたポンプは内蔵されたスポンジ状素材又は、弾力性のあるやや粗い繊維を複雑に絡め合わせた通気性と復元力のある素材又は、波型に湾曲させた板バネの復元力によりポンプ内に吸気用逆止弁より空気を吸入する。ポンプ内の負圧の強弱によりポンプの効率が変化する。スポンジ状素材、又は復元力のあるやや粗い繊維を複雑に絡め合わせた素材、又は波型に湾曲させた板バネ等は靴の使用目的により単品又は、3種類を組合せ使い分ける。
【請求項2】
逆止弁は、外気圧とポンプ内気圧が平衡している時は閉じている。ポンプ内気圧が上がると開く、又は密閉する。ポンプ内気圧が負圧になると逆になる。この3つのタイプの逆止弁の吸気、排気孔の数、大きさ、又は弁のタイプは靴の使用目的により使い分ける。
【請求項3】
吸気用ホースはポンプの吸引による負圧時、又は膝関節・股関節の動きによる変形時にも最低限の空気抵抗で吸気できるよう弾力性のあるやや粗い繊維を複雑に絡め合わせた物を、薄く軟らかく気密性の高い素材でつつみこむようホース状に加工し、靴の使用目的にあった所から吸気できるよう設置しポンプ吸気口に接続する。
【請求項4】
靴の使用目的によりポンプ単体、又は吸気ホースを接続した場合、又はインナーブーツ、インナースーツとポンプ、吸気ホースを一体化する事もでき、又はインナーブーツとインナースーツを分離する場合は吸気ホースをインナーブーツ側とインナースーツ側を接続分離できるようにもできる。

【図1】
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【公開番号】特開2012−5797(P2012−5797A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156224(P2010−156224)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(504077168)
【Fターム(参考)】