説明

鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造

【課題】鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造において、ステアリングステムの加工個所を低減し、加工を容易にする。
【解決手段】鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造において、ロックナットに締結されるねじ部33Bより上方のハンドルポスト連結部34の径Iは、ねじ部33Bの径Jよりも小さく設けられるとともに、ステムワッシャ50の係止突部56の中央部先端56Aから、ステムワッシャ50の中心Oを通ってステムワッシャ50の内縁に達する線分L1を直径とする円の当該径が、ハンドルポスト連結部34の径Iよりも大きくなるように設けられ、ステムワッシャ50の内径がステアリングステム30のねじ部33Bの径Jと同じになるように設けられるとともに、ステアリングステム30の溝部35が、ステアリングステム30の上部ナット45の上方近傍のみに設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造として、ヘッドパイプの上下にベアリングを設け、このベアリングでステアリングステムを軸支するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1と類似のステアリングステムの締結構造として、図10(a)に示すようなものが知られている。この締結構造では、ステアリングステム100の下部がヘッドパイプ101の下部ベアリング102のインナーレース102Aに軸支され、ステアリングステム100の上部がヘッドパイプ101の上部ベアリング103のインナーレース103Aに軸支され、このインナーレース103Aの上方からトップスレッド104がインナーレース103Aに予圧をかけるように締め付けられ、トップスレッド104の上方にステムワッシャ105が配置され、このステムワッシャ105の上方からロックナット106がステアリングステム100に締結されることで、ステアリングステム100がヘッドパイプ101に設けられている。
ここで、ステムワッシャ105は、ロックナット106を締め込んでいく際に、トップスレッド104がロックナット106との摩擦によって共回りすることを防ぐ部品であり、図10(b)に示すように、その内周部から径方向内側に延びる係止突部105Aを有している。具体的には、ステアリングステム100には上下方向に延びるキー溝100Aが機械加工により設けられており、このキー溝100Aに、ステムワッシャ105の係止突部105Aが係合されることで、ステムワッシャ105はステアリングステム100に対して回り止めされる。これにより、ロックナット106を締め込んでいく際にステムワッシャ105は回転されず、その下方にあるトップスレッド104も回転されることがないため、トップスレッド104の共回りが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−170163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の構造では、ステアリングステム100のキー溝100Aは、ステアリングステム100の上端からトップスレッド104の近傍まで形成されており、ステムワッシャ105の回り止めに必要な長さに対してキー溝100Aの長さが大きくなっている。このため、ステアリングステム100の加工個所が長くなり、加工に手間がかかるという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造において、ステアリングステムの加工個所を低減し、加工を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、車体フレーム(10)の前部に設けられるヘッドパイプ(11)と、下部に前輪を軸支する左右のフォークパイプ(16)、該左右のフォークパイプ(16)を連結するブリッジ部(15)、及び、該ブリッジ部(15)の中間に設けられるとともに、上方に延びて前記ヘッドパイプ(11)に軸支されるステアリングステム(30)を有するフォーク部材(26)とを備え、前記ステアリングステム(30)にはステム軸線に沿う溝部(35)または面取り部(235)が設けられ、前記ステアリングステム(30)の下部は、前記ヘッドパイプ(11)の下部に設けられるベアリング(42)のインナーレース(42B)に軸支され、前記ステアリングステム(30)の上部には、前記ヘッドパイプ(11)の上部に設けられるベアリング(41)のインナーレース(41B)が嵌められ、前記ステアリングステム(30)には、前記ヘッドパイプ(11)の上部に設けられる前記ベアリング(41)の前記インナーレース(41B)に予圧をかけるトップスレッド(45)が締結され、該トップスレッド(45)の上方に、前記ステアリングステム(30)の前記溝部(35)または前記面取り部(235)に係止される係止突部(56)または係止面部(256)を有するステムワッシャ(50,250)が配され、前記ステアリングステム(30)には、該ステムワッシャ(50,250)の上方からロックナット(51)が締結される鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造において、前記ロックナット(51)に締結されるねじ部(33B)より上方のステアリングステム上部(34)の外径(I)は、該ねじ部(33B)の外径(J)よりも小さく設けられるとともに、前記ステムワッシャ(50,250)の前記係止突部(56)または前記係止面部(256)の中央部先端(56A,256A)から、前記ステムワッシャ(50,250)の中心(O)を通って該ステムワッシャ(50,250)の内縁に達する線分(L1,L3)を直径とする円(Q)の当該径(K)が、前記ステアリングステム上部(34)の外径(I)よりも大きくなるように設けられ、前記ステムワッシャ(50,250)の内径(M)が前記ステアリングステム(30)のねじ部(33B)の外径(J)と同じになるように設けられるとともに、前記ステアリングステム(30)の前記溝部(35)または前記面取り部(235)が、前記ステアリングステム(30)の前記トップスレッド(45)の上方近傍のみに設けられることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、ステアリングステム上部の外径は、ロックナットに締結されるねじ部の外径よりも小さく設けられ、ステムワッシャの係止突部または係止面部の中央部先端から、ステムワッシャの中心を通ってステムワッシャの内縁に達する線分を直径とする円の当該径が、ステアリングステム上部の外径よりも大きくなるように設けられ、ステムワッシャの内径がステアリングステムのねじ部の外径と同じになるように設けられるため、ステムワッシャをステアリングステムに嵌める際に、ステムワッシャの係止突部または係止面部の中央部先端からステムワッシャの中心を通ってステムワッシャの内縁に達する線分を直径とする円の径に沿わせてステムワッシャをステアリングステム上部に通すことができる。このため、ステアリングステム上部に溝部または面取り部を設けなくともステムワッシャをステアリングステムに通すことができ、溝部または面取り部をステアリングステムのトップスレッドの上方近傍のみに設ければ良いため、溝部または面取り部を短くでき、加工個所を少なくできる。これにより、加工が容易になり、加工コストも低減される。
【0007】
また、上記構成において、前記係止突部(56)または前記係止面部(256)の突出量(H)は、前記ステアリングステム上部(34)の外径(I)と前記ねじ部(33B)の外径(J)との間の段差(G)よりも大きく形成され、前記溝部(35)または前記面取り部(235)の深さ(D,D2)は、前記段差(G)の大きさよりも深く形成されても良い。
この場合、係止突部または係止面部の突出量は、ステアリングステム上部の外径とねじ部の外径との間の段差よりも大きく形成され、溝部または面取り部の深さは、段差の大きさよりも深く形成されるため、係止突部または係止面部を、溝部または面取り部に深く係合させて確実に係止できるとともに、上記段差よりも長い係止突部または係止面部を有するステムワッシャであっても、ステムワッシャの係止突部または係止面部の中央部先端からステムワッシャの中心を通ってステムワッシャの内縁に達する線分を直径とする円の径に沿わせることで、係止突部または係止面部がステアリングステム上部に接触することを避けることができる。これにより、ステアリングステム上部に溝部または面取り部を設ける必要がなくなるため、加工個所を少なくできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造では、ステムワッシャをステアリングステムに嵌める際に、ステムワッシャの係止突部または係止面部の中央部先端からステムワッシャの中心を通ってステムワッシャの内縁に達する線分を直径とする円の径に沿わせてステムワッシャをステアリングステム上部に通すことができる。このため、ステアリングステム上部に溝部または面取り部を設けなくともステムワッシャをステアリングステムに通すことができ、溝部または面取り部をステアリングステムのトップスレッドの上方近傍のみに設ければ良いため、溝部または面取り部を短くでき、加工個所を少なくできる。これにより、加工が容易になり、加工コストも低減される。
【0009】
また、係止突部または係止面部を、溝部または面取り部に深く係合させて確実に係止できるとともに、ステアリングステム上部の外径とねじ部の外径との間の段差よりも長い係止突部または係止面部を有するステムワッシャであっても、ステムワッシャをステアリングステムに嵌める際に、ステムワッシャの係止突部または係止面部の中央部先端からステムワッシャの中心を通ってステムワッシャの内縁に達する線分を直径とする円の径に沿わせてステムワッシャをステアリングステム上部に通すことができるため、ステアリングステム上部に溝部または面取り部を設けなくともステムワッシャをステアリングステムに通すことができる。このため、溝部または面取り部をステアリングステムのトップスレッドの上方近傍のみに設ければ良く、溝部または面取り部を短くできるため、加工個所を少なくできる。その結果、加工が容易になり、加工コストも低減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造が適用された自動二輪車の車体フレームを示す左側面図である。
【図2】ヘッドパイプの近傍を車両前側から見た図である。
【図3】ステアリングステムの締結構造を示す拡大断面図である。
【図4】ステムワッシャの平面図である。
【図5】ステムワッシャがハンドルポスト連結部に挿通されている状態の断面図である。
【図6】ステムワッシャがねじ部に挿通されている状態の断面図である。
【図7】第2の実施の形態のステムワッシャの平面図である。
【図8】ステムワッシャがハンドルポスト連結部に挿通されている状態の断面図である。
【図9】ステムワッシャがねじ部に挿通されている状態の断面図である。
【図10】従来のステアリングステムの締結構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る自動二輪車について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で、上下、前後、左右の方向は、車両の運転者から見た方向をいう。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造が適用された自動二輪車の車体フレームを示す左側面図である。
自動二輪車1は、前輪(不図示)と後輪(不図示)との間に車体を備える鞍乗型の自動二輪車であり、上記車体は、車体フレーム10を備えている。車体フレーム10は、前部に設けられるヘッドパイプ11、ヘッドパイプ11から後下がりに後方へ延びるメインフレーム12、メインフレーム12の後部から下方に延びるセンターフレーム13、及び、メインフレーム12の後部から後上がりに後方へ延びるリアフレーム14を有している。
【0013】
ヘッドパイプ11には、ステアリングステム30が軸支され、ステアリングステム30の下端には、車幅方向に延びるブリッジ部15を介して左右一対のフォークパイプ16が支持される。上記前輪は、フォークパイプ16の下端に軸支される。ステアリングステム30の上部にはハンドルポスト17が連結され、運転者が操作するハンドルバー18はハンドルポスト17に連結され、ハンドルバー18の操作により、ステアリングステム30が回動し、前輪が操向される。
センターフレーム13には、上下に揺動可能なスイングアーム(不図示)が連結され、上記後輪はこのスイングアームの後端に軸支される。
【0014】
図2は、ヘッドパイプ11の近傍を車両前側から見た図である。
ブリッジ部15は、ステアリングステム30の下端に結合されるステム連結部21と、ステム連結部21から左右に分岐して車幅方向に延びるフォーク連結部22,22とを有している。ステアリングステム30は下端がステム連結部21に嵌合されて溶接されることで、ブリッジ部15と一体化されている。各フォークパイプ16,16(図1)は、フォーク連結部22に挿通されて割り締めにより固定される。ステアリングステム30、ブリッジ部15及びフォークパイプ16,16は、上記前輪を支持するフォーク部材26を構成している。
【0015】
図3は、ステアリングステム30の締結構造を示す拡大断面図である。
図2及び図3に示すように、ステアリングステム30の締結構造は、ステアリングステム30、ヘッドパイプ11、ブリッジ部15、ステアリングステム30を上下で軸支する上側ベアリング41及び下側ベアリング42、上側ベアリング41の上方でステアリングステム30に締結される上部ナット45(トップスレッド)、ステアリングステム30に回転不能に嵌合されるステムワッシャ50、及び、ステムワッシャ50の上方でステアリングステム30に締結されるロックナット51を備えて構成される。
【0016】
ステアリングステム30は、下端から上端にかけて細くなるように構成された中空の軸であり、ステム連結部21に挿通される下端連結部31、下端連結部31より小径でヘッドパイプ11内に収容される延在部32、延在部32より小径で上側ベアリング41と連結されるベアリング連結部33、及び、ベアリング連結部33よりも小径でステアリングステム30の上端まで延びるハンドルポスト連結部34(ステアリングステムの上部)を有している。ハンドルポスト連結部34の上部には、ハンドルポスト17(図1)が連結される。
【0017】
ベアリング連結部33は、上側ベアリング41が嵌合する嵌合部33Aと、嵌合部33Aに連続して上方に形成されるねじ部33Bとを有している。ねじ部33Bは、嵌合部33Aと同一径の外周面にねじ加工して形成されており、ねじ部33Bには、上部ナット45及びロックナット51が締結される。
ねじ部33B及びハンドルポスト連結部34の下部の外周面には、ステアリングステム30のステム軸線に沿って延びる溝部35が形成されている。溝部35は機械加工によって切削されることで形成される。
【0018】
ステムワッシャ50はリング状に形成され、上部ナット45とロックナット51との間に介装される。ステムワッシャ50は、その内周部から径方向内側に突出する係止突部56(図3及び図4参照)を有し、係止突部56がステアリングステム30の溝部35に係合することで、ステムワッシャ50はステアリングステム30に係止され、回転不能になる。すなわち、ステムワッシャ50がステアリングステム30に対して回転不能であり、ロックナット51を締め込んでもステムワッシャ50が回転しないため、ステムワッシャ50の下面に当接する上部ナット45がロックナット51と共回りすることが防止される。また、上部ナット45の下面には、ベアリング収容部24の上方を覆うリング状のダストカバー47が設けられている。
【0019】
上側ベアリング41及び下側ベアリング42は、ボールベアリングであり、ヘッドパイプ11に圧入されるアウターレース41A,42Aと、ステアリングステム30が嵌合するインナーレース41B,42Bと、アウターレース41A,42Aとインナーレース41B,42Bとの間に設けられるボール41C,42Cとを備えている。
【0020】
ヘッドパイプ11は、上下に延びる円管状に形成され、上端及び下端には、ヘッドパイプ11の外径及び内径を拡径して形成されたベアリング収容部24,25が設けられている。上側のベアリング収容部24は、上側ベアリング41のアウターレース41Aが圧入される内面部24A、及び、アウターレース41Aを軸方向に受ける底部24Bを有している。下側のベアリング収容部25は、下側ベアリング42のアウターレース42Aが圧入される内面部25A、及び、アウターレース42Aを軸方向に受ける底部25Bを有している。
【0021】
ブリッジ部15のステム連結部21は、ベアリング収容部25の内面部25Aよりも径方向内側に平面部21Aを有し、平面部21Aはインナーレース42Bの下面に当接する。
上側ベアリング41は、インナーレース41Bの上部がヘッドパイプ11の上端から突出した状態でベアリング収容部24に収容され、この状態で、上部ナット45は、ステアリングステム30のねじ部33Bに締結されて、インナーレース41Bの上面を押圧している。さらに、上部ナット45の上方にはロックナット51が締結され、上部ナット45とロックナット51との間にはステムワッシャ50が介装されている。
詳細には、上部ナット45の締結力によって、ヘッドパイプ11の上側ではインナーレース41Bがアウターレース41A側に押圧されるとともに、下側ではステム連結部21が上方に引っ張られ、ブリッジ部15の平面部21Aによってインナーレース42Bがアウターレース42A側に押圧される。すなわち、ステアリングステム30は、上部ナット45とブリッジ部15とによって、上下から上側ベアリング41及び下側ベアリング42を挟み込むことでヘッドパイプ11に回動自在に軸支されている。
【0022】
また、上部ナット45が締め込まれることで、上側ベアリング41及び下側ベアリング42では、インナーレース41B,42Bがボール41C,42Cをアウターレース41A,42A側に押圧する圧力が発生しており、ここでは、この圧力を予圧と呼ぶ。この予圧は、上部ナット45の締め付けトルクによって変化し、上側ベアリング41及び下側ベアリング42の作動性に影響するため、上部ナット45は、適正な締め付けトルクで締結される必要がある。
本第1の実施の形態では、ステムワッシャ50が設けられることで、ロックナット51の締結による上部ナット45の共回りが防止され、一度適正に締め込まれた上部ナット45の締め付けトルクがロックナット51の締結に影響されて変化することがないため、上側ベアリング41及び下側ベアリング42の作動性を良好にできる。
【0023】
図4は、ステムワッシャ50の平面図である。
ステムワッシャ50は、円形のリング状に形成された板材であり、リング状のワッシャ本体52を有し、ワッシャ本体52は、略真円の外径部52Aと、内径部52Bと、係止突部56とを有している。内径部52Bは、内径部52Bの大部分を占める真円部62と、真円部62と異なる曲率半径の曲面部63とを有している。
係止突部56は平面視で略矩形の突部であり、内径部52Bの真円部62から外径部52Aの中心Oに向かって突出している。係止突部56の幅方向の中心線を延長した延長線Lは中心Oを通る。また、係止突部56の基端部の側部には、外径部52A側に窪んだ曲面状の隅部57が形成されている。
図4では、内径部52Bの真円部62の基準円Pを一点鎖線で示し、曲面部63の基準円Qを二点鎖線で示している。基準円P及び基準円Qは真円である。
【0024】
外径部52Aと真円部62の基準円Pとは、同軸の位置関係にあり、外径部52A及び基準円Pの中心Oは一致している。内径部52Bは、ステアリングステム30のねじ部33Bが挿通される部分であり、ねじ部33Bの挿通が可能なように、基準円P(真円部62)の径M(図4)は、ねじ部33Bの外径部36の径J(図5)と略同一に形成されている。
【0025】
曲面部63の基準円Qの径K(図4)は、ハンドルポスト連結部34が基準円Q内を通過可能なように、ハンドルポスト連結部34の外径部37の径I(図5)よりもわずかに大きく形成されている。また、基準円Qの径Kは基準円Pの径Mよりも小さい。
基準円Qは、基準円Qの中心O1が延長線L上に位置するとともに、係止突部56の中央部先端56Aが基準円Qに外接する位置に配置されている。このように基準円Qを配置すると、内径部52Bにおいて係止突部56と対向する部分では、基準円Qの一部が基準円Pよりも外径部52A側に位置するとともに、2つの交点X,Xで交わることになる。本第1の実施の形態では、交点X,Xよりも外側に位置する基準円Qの部分が曲面部63となっている。すなわち、内径部52Bは、交点X,Xよりも係止突部56側の部分がねじ部33Bの径Jに対応した基準円Pで構成され、残りの部分は、ハンドルポスト連結部34の径Iに対応した基準円Qで構成されている。
【0026】
また、換言すると、ステムワッシャ50の係止突部56の中央部先端56Aからステムワッシャ50の中心Oを通ってステムワッシャ50の内縁に達する線分L1の大きさを直径とする基準円Qの径Kは、ステアリングステム30のハンドルポスト連結部34の径Iよりも大きくなるように設けられている。基準円Qの中心O1は、外径部52Aの中心Oに対して係止突部56とは反対側にオフセットして配置されている。
【0027】
図5は、ステムワッシャ50がハンドルポスト連結部34に挿通されている状態の断面図である。
ステムワッシャ50は、ステアリングステム30に取り付けられる際に、ハンドルポスト連結部34側から挿通されて下方に移動し、取付けの途中段階では、図5に示すように内径部52Bの曲面部63がハンドルポスト連結部34に沿うようにして移動する。
図5に示すように、ねじ部33Bを含むベアリング連結部33の外径部36とハンドルポスト連結部34の外径部37とは同軸の位置関係で設けられており、外径部36と外径部37との間には全周に亘って段差Gが形成される。また、ベアリング連結部33の外径部36を基準とした溝部35の深さDは、段差Gの大きさよりも大きく形成されている。すなわち、溝部35はハンドルポスト連結部34の外径部37にも形成され、溝部35の底部は、外径部37よりも径方向の内側に位置している。
【0028】
基準円Pを基準とした場合における係止突部56の径方向の突出量Hは、ステアリングステム30の段差Gよりも大きく形成されており、係止突部56は、ハンドルポスト連結部34の外径部37よりも径方向の内側まで溝部35に入り込むことが可能である。
【0029】
図6は、ステムワッシャ50がねじ部33Bに挿通されている状態の断面図である。
図6に示すように、ステムワッシャ50が上部ナット45(図3)の上面にセットされた状態では、内径部52Bの真円部62がステアリングステム30のねじ部33Bに嵌まり、ステムワッシャ50の中心Oとねじ部33Bの中心は略一致する。この状態では、曲面部63とねじ部33Bの外径部36との間には隙間が空くが、ねじ部33Bは、中心Oよりも交点X,X側の真円部62に当接してガイドされ、適正な位置に位置決めされる。このため、溝部35に係合された係止突部56が溝部35から外れることがなく、確実に回り止めできる。また、係止突部56は、ステアリングステム30の段差Gよりも深く溝部35内に係合するため、ステムワッシャ50を強固にステアリングステム30に係止でき、確実に回り止めできる。
【0030】
次に、ステアリングステム30のヘッドパイプ11への組み付け手順を説明する。
まず、図2に示すように、ヘッドパイプ11に下側ベアリング42を設けるとともに、ブリッジ部15と一体に設けられたステアリングステム30をヘッドパイプ11の下方からヘッドパイプ11内に挿通し、上側ベアリング41をヘッドパイプ11に設け、ステアリングステム30のねじ部33Bに上部ナット45を仮締めする。上側ベアリング41及び下側ベアリング42には、グリスが塗布されている。
【0031】
次いで、ブリッジ部15を支えつつ、上部ナット45を所定のトルクで締め付け、その後、ステアリングステム30を数回回動させ、上側ベアリング41及び下側ベアリング42をなじませる。次に、上部ナット45を締め付けトルクが0となるまで一度緩め、その後、上部ナット45を所定のトルクで締結する。
そして、ステムワッシャ50を、係止突部56が溝部35に嵌るようにセットして上部ナット45上に載置し、その後、ロックナット51をねじ部33Bに締結することで、ステアリングステム30の組み付けが完了する。
【0032】
ここで、ステムワッシャ50のステアリングステム30への組み付けについて詳細に説明する。
ステムワッシャ50は、ステアリングステム30の上端からハンドルポスト連結部34に通され、上部ナット45側に下方に挿通される。図5に示すように、ステムワッシャ50は、係止突部56がステアリングステム30の溝部35の上方に位置する向きで、かつ、内径部52Bの曲面部63がハンドルポスト連結部34の外径部37に当接した状態で上部ナット45側に移動される。この状態では、曲面部63が外径部37に当接することで、ステムワッシャ50は、中心Oがハンドルポスト連結部34の中心からずれて全体的にオフセットされ、曲面部63の反対側では係止突部56が外径部37から離れることになる。
【0033】
これにより、係止突部56の突出量Hがステアリングステム30の段差Gよりも大きい場合でも、ステムワッシャ50を挿通する際に係止突部56がハンドルポスト連結部34の外径部37に接触することを避けることができるため、ハンドルポスト連結部34に溝部35を形成する必要がなく、溝部35の加工長を短くできる。本第1の実施の形態では、図3に示すように、溝部35は、上側ベアリング41の上面近傍からロックナット51の上方までの区間に形成されており、上部ナット45の上方近傍のみに形成されているため、図10に示すようなステアリングステム100の上端までキー溝100Aを形成する場合に比して、加工個所を大きく低減できる。
また、ステムワッシャ50がねじ部33Bに挿通された状態では、ステムワッシャ50は、中心Oよりも交点X,X側の真円部62に当接してガイドされ、適正な位置に位置決めされるため、曲面部63を設けた構成としてもステムワッシャ50を適正な位置に位置決めできる。
【0034】
また、溝部35を上部ナット45の上方近傍のみに設ければ良いため、溝部35を配置する位置の自由度が向上する。
さらに、溝部35がステアリングステム30の上端に形成されないため、ステアリングステム30の上端から溝部35を伝って水等が上部ナット45側へ侵入し難くできる。
【0035】
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、ステアリングステム30の上部のハンドルポスト連結部34の外径部37の径Iは、ロックナット51に締結されるねじ部33Bの外径部36の径Jよりも小さく設けられ、ステムワッシャ50の係止突部56の中央部先端56Aから、ステムワッシャ50の中心Oを通ってステムワッシャ50の内径部52Bに達する線分L1を直径とする基準円Qの径Kが、ハンドルポスト連結部34の外径部37の径Iよりも大きくなるように設けられ、ステムワッシャ50の内径部52Bの真円部62の径Mがステアリングステム30のねじ部33Bの径Jと同じになるように設けられるため、ステムワッシャ50をステアリングステム30に嵌める際に、係止突部56の中央部先端56Aからステムワッシャ50の中心Oを通ってステムワッシャ50の内径部52Bに達する線分L1を直径とする基準円Qの曲面部63に沿わせてステムワッシャ50をハンドルポスト連結部34に通すことができる。このため、ハンドルポスト連結部34に溝部35を設けなくともステムワッシャ50をハンドルポスト連結部34に通すことができ、ステアリングステム30の溝部35を、上部ナット45の上方近傍のみに設ければ良いため、溝部35を短くでき、加工個所を少なくできる。このため、加工が容易になり、加工コストも低減できる。
【0036】
また、係止突部56の突出量Hは、ハンドルポスト連結部34の外径部37とねじ部33Bの外径部36との間の段差Gよりも大きく形成され、溝部35の深さDは、段差Gの大きさよりも深く形成されるため、係止突部56を溝部35に深く係合させて確実に係止できるとともに、段差Gよりも長い係止突部56を有するステムワッシャ50であっても、係止突部56の中央部先端56Aからステムワッシャ50の中心Oを通ってステムワッシャ50の内径部52Bに達する線分L1を直径とする基準円Qの曲面部63に沿わせることで、係止突部56がハンドルポスト連結部34の外径部37に接触することを避けることができる。これにより、ハンドルポスト連結部34の軸方向の全体に溝部35を形成する必要がなくなるため、溝部35の加工個所を短くできる。
【0037】
[第2の実施の形態]
以下、図7〜図9を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、ステムワッシャ50の係止突部56が溝部35に係合するものとして説明したが、第2の実施の形態では、ステムワッシャ250の係止面部256がステアリングステム30の面取り部235に係合される点が上記第1の実施の形態と異なっている。
【0038】
図7は、第2の実施の形態のステムワッシャ250の平面図である。
ステムワッシャ250は、円形のリング状に形成された板材であり、ワッシャ本体52を有している。ワッシャ本体52は、外径部52A及び内径部252Bを有し、内径部252Bは、真円部62と、曲面部63と、平面視で直線上に形成された係止面部256とを有している。
【0039】
図7では、内径部252Bの真円部62の基準円Pを一点鎖線で示し、曲面部63の基準円Qを二点鎖線で示している。基準円P及び基準円Qは真円である。
係止面部256は平面視において基準円Pの外周の一部を直線的に面取りするようにして形成された平面部である。係止面部256の長手方向の中央部に直交する直線を延長した延長線L2は外径部52Aの中心Oを通る。
【0040】
基準円Qは、基準円Qの中心O1が延長線L2上に位置するとともに、係止面部256の中央部先端256Aが基準円Qに外接する位置に配置されている。このように基準円Qを配置すると、内径部252Bにおいて係止面部256と対向する部分では、基準円Qの一部が基準円Pよりも外径部52A側に位置するとともに、2つの交点X,Xで交わることになる。本第2の実施の形態では、交点X,Xよりも外側に位置する基準円Qの部分が曲面部63となっている。すなわち、内径部252Bは、交点X,Xよりも係止面部256側の部分がねじ部33Bの径Jに対応した基準円Pで構成され、残りの部分は、ハンドルポスト連結部34の径Iに対応した基準円Q、及び、係止面部256で構成されている。
【0041】
また、換言すると、ステムワッシャ250の係止面部256の中央部先端256Aからステムワッシャ250の中心Oを通ってステムワッシャ250の内縁に達する線分L3の大きさを直径とする基準円Qの径Kは、ステアリングステム30のハンドルポスト連結部34の径Iよりも大きくなるように設けられている。
【0042】
図8は、ステムワッシャ250がハンドルポスト連結部34に挿通されている状態の断面図である。
図8に示すように、ねじ部33B及びハンドルポスト連結部34の下部には、外径部36及び外径部37の下部を機械加工で面取りして形成した平面状の面取り部235が設けられている。面取り部235は、ステムワッシャ250の係止面部256に対応した形状に形成され、係止面部256が面取り部235に係止されることで、ステムワッシャ250は回り止めされる。
ベアリング連結部33の外径部36を基準とした面取り部235の径方向の深さD2は、段差Gの大きさよりも大きく形成されている。すなわち、面取り部235はハンドルポスト連結部34の外径部37にも形成され、面取り部235の底部は、外径部37よりも径方向の内側に位置している。
【0043】
基準円Pを基準とした場合における係止面部256の径方向の突出量H2は、段差Gよりも大きく形成されており、係止面部256は、ハンドルポスト連結部34の外径部37よりも径方向の内側まで面取り部235に入り込むことが可能である。
【0044】
図9は、ステムワッシャ250がねじ部33Bに挿通されている状態の断面図である。
図9に示すように、ステムワッシャ250が上部ナット45(図3)の上面にセットされた状態では、曲面部63とねじ部33Bの外径部36との間には隙間が空くが、ねじ部33Bは、中心Oよりも交点X,X側の真円部62に当接してガイドされ、適正な位置に位置決めされる。このため、面取り部235に係合された係止面部256が面取り部235から外れることがなく、確実に回り止めできる。また、係止面部256は、ステアリングステム30の段差Gよりも深く面取り部235内に係合するため、ステムワッシャ250を強固にステアリングステム30に係止でき、確実に回り止めできる。
【0045】
本発明を適用した第2の実施の形態によれば、ステアリングステム30の上部のハンドルポスト連結部34の外径部37の径Iは、ロックナット51に締結されるねじ部33Bの外径部36の径Jよりも小さく設けられ、ステムワッシャ250の係止面部256の中央部先端256Aから、ステムワッシャ250の中心Oを通ってステムワッシャ250の内径部252Bに達する線分L3を直径とする基準円Qの径Kが、ハンドルポスト連結部34の外径部37の径Iよりも大きくなるように設けられ、ステムワッシャ250の内径部252Bの真円部62の径Mがステアリングステム30のねじ部33Bの径Jと同じになるように設けられるため、ステムワッシャ250をステアリングステム30に嵌める際に、線分L3を直径とする基準円Qの曲面部63に沿わせてステムワッシャ250をハンドルポスト連結部34に通すことができる。このため、ハンドルポスト連結部34に面取り部235を設けなくともステムワッシャ250をハンドルポスト連結部34に通すことができ、ステアリングステム30の面取り部235を、上部ナット45の上方近傍のみに設ければ良いため、面取り部235を短くでき、加工個所を少なくできる。このため、加工が容易になり、加工コストも低減できる。
【0046】
また、係止面部256の突出量H2は、ハンドルポスト連結部34の外径部37とねじ部33Bの外径部36との間の段差Gよりも大きく形成され、面取り部235の深さD2は、段差Gの大きさよりも深く形成されるため、係止面部256を面取り部235に深く係合させて確実に係止できるとともに、段差Gよりも長い係止面部256を有するステムワッシャ250であっても、係止面部256の中央部先端256Aからステムワッシャ250の中心Oを通ってステムワッシャ250の内径部252Bに達する線分L3を直径とする基準円Qの曲面部63に沿わせることで、係止面部256がハンドルポスト連結部34の外径部37に接触することを避けることができる。これにより、ハンドルポスト連結部34の軸方向の全体に面取り部235を形成する必要がなくなるため、面取り部235の加工個所を短くできる。
【符号の説明】
【0047】
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
10 車体フレーム
11 ヘッドパイプ
15 ブリッジ部
16 フォークパイプ
26 フォーク部材
30 ステアリングステム
33A 嵌合部
33B ねじ部
34 ハンドルポスト連結部(ステアリングステム上部)
35 溝部
41 上側ベアリング(上部に設けられるベアリング)
41B インナーレース(上部に設けられるベアリングのインナーレース)
42 下側ベアリング(下部に設けられるベアリング)
42B インナーレース(下部に設けられるベアリングのインナーレース)
45 上部ナット(トップスレッド)
50,250 ステムワッシャ
51 ロックナット
56 係止突部
56A,256A 中央部先端
235 面取り部
256 係止面部
D,D2 深さ
G 段差
H 突出量
I 径(ステアリングステム上部の外径)
J 径(ねじ部の外径)
K 径(ステムワッシャの内縁に達する線分を直径とする円の径)
L1,L3 線分(ステムワッシャの内縁に達する線分)
M 径(ステムワッシャの内径)
O 中心(ステムワッシャの中心)
Q 基準円(ステムワッシャの内縁に達する線分を直径とする円)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(10)の前部に設けられるヘッドパイプ(11)と、下部に前輪を軸支する左右のフォークパイプ(16)、該左右のフォークパイプ(16)を連結するブリッジ部(15)、及び、該ブリッジ部(15)の中間に設けられるとともに、上方に延びて前記ヘッドパイプ(11)に軸支されるステアリングステム(30)を有するフォーク部材(26)とを備え、前記ステアリングステム(30)にはステム軸線に沿う溝部(35)または面取り部(235)が設けられ、前記ステアリングステム(30)の下部は、前記ヘッドパイプ(11)の下部に設けられるベアリング(42)のインナーレース(42B)に軸支され、前記ステアリングステム(30)の上部には、前記ヘッドパイプ(11)の上部に設けられるベアリング(41)のインナーレース(41B)が嵌められ、前記ステアリングステム(30)には、前記ヘッドパイプ(11)の上部に設けられる前記ベアリング(41)の前記インナーレース(41B)に予圧をかけるトップスレッド(45)が締結され、該トップスレッド(45)の上方に、前記ステアリングステム(30)の前記溝部(35)または前記面取り部(235)に係止される係止突部(56)または係止面部(256)を有するステムワッシャ(50,250)が配され、前記ステアリングステム(30)には、該ステムワッシャ(50,250)の上方からロックナット(51)が締結される鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造において、
前記ロックナット(51)に締結されるねじ部(33B)より上方のステアリングステム上部(34)の外径(I)は、該ねじ部(33B)の外径(J)よりも小さく設けられるとともに、
前記ステムワッシャ(50,250)の前記係止突部(56)または前記係止面部(256)の中央部先端(56A,256A)から、前記ステムワッシャ(50,250)の中心(O)を通って該ステムワッシャ(50,250)の内縁に達する線分(L1,L3)を直径とする円(Q)の当該径(K)が、前記ステアリングステム上部(34)の外径(I)よりも大きくなるように設けられ、
前記ステムワッシャ(50,250)の内径(M)が前記ステアリングステム(30)のねじ部(33B)の外径(J)と同じになるように設けられるとともに、前記ステアリングステム(30)の前記溝部(35)または前記面取り部(235)が、前記ステアリングステム(30)の前記トップスレッド(45)の上方近傍のみに設けられることを特徴とする鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造。
【請求項2】
前記係止突部(56)または前記係止面部(256)の突出量(H)は、前記ステアリングステム上部(34)の外径(I)と前記ねじ部(33B)の外径(J)との間の段差(G)よりも大きく形成され、前記溝部(35)または前記面取り部(235)の深さ(D,D2)は、前記段差(G)の大きさよりも深く形成されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両のステアリングステムの締結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−166677(P2012−166677A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28850(P2011−28850)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】