説明

音叉型治療器

【課題】 安価で使い易く、体の表面はもとより奥深く骨の芯にまで広範囲に症状の顕著な治療効果を発揮することができる音叉型治療器を提供する。
【解決手段】 U字状の振動子1は2本の棒状振動部1aとこれらの基部と一体構成されるU字基部1bから成り、該U字基部1bには、伝動杆2が一体的に取り付けられている。該伝動杆2には、握り部3が取り付けられ、また、その先端部には、体の患部に押し当てるための押当部材4が一体的に取り付けられている。棒状振動部1aの断面形状は円形或いは六角形以上の多角形に形成される。握り部3は磁力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、リンパ腺の腫れや肩こりなどの症状を改善する音叉型治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リンパ腺の腫れや肩こりなどの症状を改善するのに、手揉みや指圧等の療法を人力や器具により行っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の療法は、手揉みや指圧する人の負担が大きく、多くの患者に長時間に亘ってしかも繰り返して行うことは、到底耐え得るものではなく、また、従来の器具を使用するにしても、効果が弱かったり、器具が高額である等の問題点があった。特に、従来の電気治療器では、体の表面に近い部分にしか効き目がなかった。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、安価で使い易く、体の表面はもとより奥深く骨の芯にまで広範囲に症状の顕著な治療効果を発揮することができる音叉型治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る本発明の音叉型治療器は、ほぼ並行に配向された2本の棒状振動部と、これらの棒状振動部の基部と一体に構成されるU字基部から成るU字状の振動子と、前記棒状振動部と同じ方向に上記U字基部から延設される伝動杆と、該伝動杆の先端部に取り付けられた押当部材とから構成され、上記棒状振動部の横断面形状が、円形あるいは六角形以上の多角形に形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る本発明の音叉型治療器は、ほぼ並行に配向された2本の棒状振動部と、これらの棒状振動部の基部と一体に構成されるU字基部から成るU字状の振動子と、前記棒状振動部と同じ方向に上記U字基部から延設される伝動杆と、該伝動杆の先端部に取り付けられた押当部材とから構成され、該押当部材が磁力を有することを特徴とする。
請求項3に係る本発明の音叉型治療器は、上記伝動杆に握り部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ほぼ並行に配向された2本の棒状振動部と、これらの棒状振動部の基部と一体に構成されるU字基部から成るU字状の振動子と、前記棒状振動部と同じ方向に上記U字基部から延設される伝動杆と、該伝動杆の先端部に取り付けられた押当部材とから構成することにより、振動子で発生した振動を利用して、安価で使い易く、体の表面はもとより奥深く骨の芯にまで広範囲に症状に顕著な治療効果を発揮することができる音叉型治療器を得ることができる。
また、上記棒状振動部の横断面形状を、円形あるいは六角形以上の多角形に形成することにより、棒状振動部から振動音は殆ど発生しない。従って、静かな治療を受けられるだけでなく、振動エネルギーの一部が音エネルギーに無駄に消費されることなく、棒状振動部の振動エネルギーは、ほぼ100%の伝達効率で押当部材に伝えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の音叉型治療器の第1の実施の形態を示す説明図、図2は図1のイ−イ線による拡大断面図、図3は図1に示す音叉型治療器の使用説明図である。
図1において、符号1はU字状の振動子であって、ほぼ並行に配向された2本の棒状振動部と、これらの棒状振動部の基部と一体に構成されている。これら2本の棒状振動部1aとU字基部1bは、一本の棒材を曲げてU字状に形成してもよく、或いは、溶接や接合または機械的な組み付け等により一体に構成してもよい。上記振動子1は、例えば、鋼鉄、ステンレスなどの鉄又はその合金、アルミニウム、シンチュウ、青銅などの非鉄金属又はそれらの合金から成り、棒状振動部1aの側部を槌打すると一定の周波数で破線のように振動する。
【0008】
上記棒状振動部1aの横断面は、図2に示すように、円形(a)、六角形(b)、或いは八角形(c)、さらには多角形(図示せず)に形成されている。このように棒状振動部1aの横断面を、円形あるいは六角形以上の多角形に形成することにより、棒状振動部1aが破線のように振動したとき、音が殆ど発生することが無い。従って、棒状振動部1aの振動エネルギーの一部が音エネルギーに殆ど変換することはなく、ほぼ100%の伝動効率でU字基部1bの振動エネルギーに変換される。
【0009】
上記振動子1のU字基部1bには、伝動杆2が一体的に取り付け又は形成されている。該伝動杆2は、上記棒状振動部1aの長手軸線方向と同じ方向に配向するのが、振動の伝達効率の観点から好ましい。
【0010】
上記伝動杆2には、その周囲に、握り部3が取り付けられる。該握り部3は、片手で握り易く、しかも、上記伝動杆2の振動をできるだけ減衰させない形状および材質・材料であれば、いずれでも良いが、例えば、ゴムや木質系のものを使用する。
【0011】
上記伝動杆2の先端部には、押当部材4が一体的に取り付けられ又は形成されている。該押当部材4は、被検体の患部に直接または布等を介して間接的に押し当てて、患部に振動を伝える機能を有するもので、その材料や材質は、金属、プラスチック、ゴム材、木質系などいずれでもよい。
【0012】
また、上記押当部材4は磁力を有する。磁力を発生させる手段としては、例えば、押当部材4の材料を鉄等の磁性材料により構成する場合には、これを永久磁石とするか、或いは、押当部材4の材料を、非磁性金属材料とする場合には、該押当部材4の内部あるいは外部表面の適当な位置に永久磁石を取付ける。
【0013】
本実施形態の音叉型治療器は、以上のように構成されているので、上記U字状の棒状振動部1aを槌打すると、図1に破線で示すように、所定の周波数(50〜200Hzが好ましい)で横振動する。棒状振動部1aが横振動すると、U字基部1bは、図1に破線で示すように、これに直交する方向に縦振動(上記横振動に対して直交する方向への振動)として振動する。このU字基部1bの縦振動の振幅は、上記棒状振動部1aの横振動の振幅に比べて小さいが、振動エネルギーが殆ど減衰しないため、その振動衝撃力は力強く、上記伝動杆2を介して、上記押当部材4を矢印方向に強力かつ確実に振動せしめる。
【0014】
従って、図3に示すように、上記押当部材4を患部に押し当てると、その振動が患部に作用して、うっ滞やうっ血を解消したり、筋肉を解して、改善効果を発揮することができる。特に、上記棒状振動部1aの断面形状が円形或いは六角形、若しくは八角形などに形成されていると、該棒状振動部1aの振動による音の発生がほとんどなく、静かに治療を行うことができるだけでなく、棒状振動部1aの振動エネルギーがほぼ100%の伝動効率で押当部材4に的確に伝達される。
【0015】
このように、本発明の音叉型治療器から発生する振動を利用した結果、その音叉型治療器による臨床効果例を列挙すると、以下のようになる。
1)リンパ液の詰まりが「音叉の放つ強い波動」により解消され、むくみが無くなってスッキリとした体形になった。また、リンパ液の正常化により、本来、その人の個人が持っているウイルスや病原菌に対する「免疫力」を回復することができた。
2)筋肉痛の箇所に音叉を当てたら、痛みが無くなった。
3)腰の痛い箇所に音叉を数回当てたら、痛みが取れて姿勢良く歩けるようになった。
4)右耳が重度の難聴の患者に音叉を10分ほど当てたら、他人の言葉に右耳を向けるようになった。
5)頭部と耳の後に音叉を当てたら、頭痛が取れた。
6)頭部の痛い箇所に音叉を10分ほど当てたら、頭痛が取れた。
7)親指の付け根の激痛箇所に音叉を10分ほど当てたら、痛みが取れた。
8)尾骨に音叉を2回当てたら、翌日、便通がよくなった。
9)コンピュータプログラマーが長時間モニターを見ているので視力の低下を訴えたので、目の周りに音叉を数回当てたら、視力が回復した。
10)白内障・緑内障の人に音叉を10分ほど当てたら、改善された。
11)顔の歪み部分に音叉を数回当てたら、歪みが矯正された。
【0016】
さらに、本発明においては、上記押当部材4が磁力を有していることから、血液中に含まれる鉄分の流れを促進させて血行を改善することができ、またその血行の改善に伴って上記効果との相乗効果が期待できる。
【0017】
次に、上記第1の実施の形態と異なる実施の形態を、図4〜図8を用いて以下にそれぞれ説明する。図4は、本発明の音叉型治療器の第2の実施形態を示す説明図である。図5は、本発明の音叉型治療器の第3の実施形態を示す説明図である。図6は、本発明の音叉型治療器の第4の実施形態を示す説明図である。図7は押当部材の別の実施形態を示す説明図である。図8は振動子と押当部材を伝動杆により接続する構成の説明図である。
図4は、上記棒状振動部1aの別の実施形態を示すもので、(A)のように先端部付近の外側に錘材1cを付設したり、(B)のように棒状振動部1aを全体的に外側に膨らませて、長時間強力な振動が得られるように工夫したものである。この実施形態の音叉型治療器によれば、基本的には前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】
図5は、上記U字基部1bの別の実施形態を示すもので、(A)に示すように、U字基部1b′を直角状に形成したり、(B)に示すように、棒状振動部1aとU字基部1bの間の静止(無振動)部を太径部1dとしたり、或いは(C)に示すように、U字基部1b″を全体的に肉厚にして、棒状振動部1aの振動が効果的にU字基部1bに移行するように工夫したものである。
【0019】
図6は、上記押当部材4の別の実施形態を示すもので、(A)に示すように、多少尖った丸みの先端部を有する押当部材4−1として、局部的に集中して治療したり、(B)に示すように、扁平状の押当部材4−2に形成して、その扁平面積に応じて、例えば、小さいもの(直径10mm程度)は顔面用に、また、中位の(直径25mm程度)は頭部用に、さらに、大きいもの(直径30mm程度)は背中や腰や脚(足)などに使い分けるようにすると、より効果的である。
図5に示す音叉型治療器および図6に示す音叉型治療器においても、基本的には第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
なお、上記握り部3を省略して、上記伝動杆2を直接握るように構成したり、図7に示すように、上記押当部材4の中間に環状凹部4aを形成して、この環状凹部4aを指先で掴みながら、押当部材4を患部に押し当てるようにしてもよい。図7(A)は先端の押当て部分が尖った押当部材4−3を示し、(B)は先端の押当て部分が扁平な丸みを持った押当部材4−4を示し、(C)は先端の押当て部分が凹んだ押当部材4−5を示し、患部の症状に応じて使い分ける。
【0021】
図8は、振動子1と伝動杆2′と押当部材4を、それぞれ別の部材として形成し、上記伝動杆2′の両端部に形成したネジ2a、2bを、それぞれ振動子1の基部に形成したネジ1eや押当部材4に形成したネジ4′に、着脱自在に螺着せしめてもよい。このように音叉型治療器をパーツ毎に分解組立可能に構成しても、基本的には図1〜図7に示すそれぞれの実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
以上のように、本発明により、簡単な構成であるので安価で使い易く、体の表面はもとより奥深く骨の芯にまで広範囲に症状に顕著な治療効果を発揮することができる音叉型治療器を得ることができる。
また、特に棒状振動部の振動による音の発生が殆どないので、振動の伝達効率に優れ、しかも、静かな治療を受けることができる。
さらに、押当部材に磁力を持たせることにより、振動による治療効果に加えて、磁力による相乗的な治療効果も期待できる。
なお、図示実施形態においては、治療に際しての時間及び日数等は説明していないが、それらは被検体の症状や患部等により適宜決定されるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の音叉型治療器の第1の実施の形態を示す説明図である。
【図2】図1のイ−イ線の拡大断面図であって、断面形状が円形の図(A)、断面形状が六角形の図(B)、断面形状が八角形の図(C)である。
【図3】図1に示す音叉型治療器の使用説明図である。
【図4】本発明の音叉型治療器の第2の実施形態を示す説明図である。
【図5】本発明の音叉型治療器の第3の実施形態を示す説明図である。
【図6】本発明の音叉型治療器の第4の実施形態を示す説明図である。
【図7】押当部材の別の実施形態を示す説明図である。
【図8】振動子と押当部材を伝動杆により接続する構成の説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 振動子
1a 棒状振動部
1b U字基部
2 伝動杆
3 握り部
4 押当部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ並行に配向された2本の棒状振動部と、これらの棒状振動部の基部と一体に構成されるU字基部から成るU字状の振動子と、前記棒状振動部と同じ方向に上記U字基部から延設される伝動杆と、該伝動杆の先端部に取り付けられた押当部材とから構成され、上記棒状振動部の横断面形状が、円形あるいは六角形以上の多角形に形成されていることを特徴とする音叉型治療器。
【請求項2】
ほぼ並行に配向された2本の棒状振動部と、これらの棒状振動部の基部と一体に構成されるU字基部から成るU字状の振動子と、前記棒状振動部と同じ方向に上記U字基部から延設される伝動杆と、該伝動杆の先端部に取り付けられた押当部材とから構成され、該押当部材が磁力を有することを特徴とする音叉型治療器。
【請求項3】
上記伝動杆に握り部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の音叉型治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−11966(P2008−11966A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184279(P2006−184279)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(506229877)
【Fターム(参考)】