説明

音声出力装置

【課題】ウーハ用の音声信号を生成するのにパッシブ型のLPFを不要とすることによって製造コストを低減できるようにしたBTL接続の「音声出力装置」を提供する。
【解決手段】L(左)チャンネルの音声信号とR(右)チャンネルの音声信号とをミキシングすることによって、WF(ウーハ)チャンネルの音声信号が混合されたL+WF信号およびR−WF信号を生成するミキシング部10と、L+WF信号およびR−WF信号を増幅するパワーアンプ4,5とを備え、パワーアンプ4,5の出力をWFチャンネル用スピーカ8に対してBTL接続することにより、パワーアンプ4,5よりも前段に設けられたミキシング部10によってWFチャンネルの音声信号が生成されるようにして、パワーアンプ4,5の後段に必要であったパッシブ型のローパスフィルタをなくすことができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音声出力装置に関し、特に、ステレオアンプの2つの出力をブリッジ接続してモノラル出力を得る機能を備えた音声出力装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、BTL(Bridged Transless)接続を用いた音声出力装置が提供されている(例えば、特許文献1〜3参照)。BTL接続とは、ステレオアンプの2つの出力(LチャンネルおよびRチャンネルの出力)をブリッジ接続してモノラル出力(L+Rチャンネルの出力)を得るようにした方式である。
【0003】
BTL接続を用いると、BTL接続を用いない場合の2つのステレオ出力に比べて、モノラル出力の電圧を2倍に高めることができる。また、2チャンネルのステレオアンプのみで、Lチャンネル、Rチャンネル、L+Rチャンネルの3チャンネルの出力を得ることもできる。
【0004】
図7は、BTL接続を用いた従来の音声出力装置の構成例を示す図である。図7に示すように、BTL接続の音声出力装置は、Lチャンネル用のパワーアンプ101、反転バッファ102、Rチャンネル用のパワーアンプ103、Lチャンネル用のスピーカ104、Rチャンネル用のスピーカ105に加えて、ローパスフィルタ(LPF)106およびL+Rチャンネル用のスピーカ(低音専用のウーハスピーカ)107を備えて構成されている。
【0005】
Lチャンネル用のパワーアンプ101は、Lチャンネルの音声信号(L信号と記す)を入力して増幅し、正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから、増幅された音声信号(L信号、−L信号)を出力する。なお、“−”の記号は位相が反転していることを示す。Lチャンネル用のパワーアンプ101から出力されたL信号は、Lチャンネル用のスピーカ104の+端子に入力されるとともにLPF106に入力される。また、Lチャンネル用のパワーアンプ101から出力された−L信号は、Lチャンネル用のスピーカ104の−端子に入力される。これにより、Lチャンネル用のスピーカ104から2倍の電圧のL信号(2L信号)が出力される。
【0006】
反転バッファ102は、Rチャンネルの音声信号(以下、R信号と記す)の位相を反転してRチャンネル用のパワーアンプ103に出力する。Rチャンネル用のパワーアンプ103は、反転バッファ102から出力された−R信号を増幅し、正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから、増幅された音声信号(−R信号、R信号)を出力する。−R信号は、Rチャンネル用のスピーカ105の−端子に入力されるとともにLPF106に入力される。また、R信号は、Rチャンネル用のスピーカ104の+端子に入力される。これにより、Rチャンネル用のスピーカ105から2倍の電圧のR信号(2R信号)が出力される。
【0007】
LPF106は、Lチャンネル用のパワーアンプ101から出力されたL信号およびRチャンネル用のパワーアンプ103から出力された−R信号の低周波成分のみを通過させる。LPF106を通過した低周波成分のL信号は、ウーハスピーカ107の+端子に入力される。また、LPF106を通過した低周波成分の−R信号は、ウーハスピーカ107の−端子に入力される。これにより、ウーハスピーカ107からL+R信号が出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭59−195897号公報
【特許文献2】特開平5−199594号公報
【特許文献3】特開2000−345099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の音声出力装置は、センター位置に定位するL+R成分の音声信号(つまり、ボーカル音やベース音など、低周波領域のL成分と低周波領域のR成分とが略同じ強度とされた同相の音声信号)を生成するために、パッシブ型のLPF106を設けなければならなかった。このLPF106は、2つのパワーアンプ101,103によって増幅された後の音声信号を処理する必要があるため、受動素子を用いたアナログ回路としての回路面積が大きくなる。そのため、音声出力装置の製造コストが増加してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、BTL接続の音声出力装置において、ウーハ用の音声信号を生成するのにパッシブ型のLPFを不要とすることによって製造コストを低減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明の音声出力装置では、L(左)チャンネルの音声信号とR(右)チャンネルの音声信号とをミキシングすることによって、LチャンネルとWF(ウーハ)チャンネルとの混合信号およびRチャンネルとWFチャンネルとの混合信号を生成するミキシング部と、LチャンネルとWFチャンネルとの混合信号を増幅するLチャンネル用パワーアンプと、RチャンネルとWFチャンネルとの混合信号を増幅するRチャンネル用パワーアンプとを備える。そして、Lチャンネル用パワーアンプの出力およびRチャンネル用パワーアンプの出力をWFチャンネル用スピーカに対してブリッジ接続するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、パワーアンプよりも前段に設けられたミキシング部によってWFチャンネルの音声信号が生成されるので、パワーアンプの後段(WFチャンネル用スピーカの前段)に必要であったパッシブ型のローパスフィルタをなくすことができる。パッシブ型のローパスフィルタの代わりにミキシング部が設けられる形となるが、パワーアンプによって増幅された後のアナログ音声信号を処理するために受動素子により構成した従来のパッシブ型のローパスフィルタに比べて、ミキシング部は低コストで構成することができる。これにより、本発明によれば、ブリッジ接続を用いた音声出力装置において、ウーハ用の音声信号を生成するのにパッシブ型のローパスフィルタを不要とすることによって製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態による音声出力装置の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態による音声出力装置の他の構成例を示す図である。
【図3】本実施形態による音声出力装置の更に別の構成例を示す図である。
【図4】図1の変形例に係る音声出力装置の構成例を示す図である。
【図5】図2の変形例に係る音声出力装置の構成例を示す図である。
【図6】図3の変形例に係る音声出力装置の構成例を示す図である。
【図7】従来の音声出力装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による音声出力装置の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の音声出力装置は、ミキシング部10、Lチャンネル用D/A変換部2、Rチャンネル用D/A変換部3、Lチャンネル用パワーアンプ4、Rチャンネル用パワーアンプ5、Lチャンネル用スピーカ6、Rチャンネル用スピーカ7およびWFチャンネル用スピーカ8を備えて構成されている。
【0015】
ミキシング部10は、例えばDSP(Digital Signal Processor)により構成され、その機能構成として、第1の加算部11、WFチャンネル用LPF12、位相反転部13、第2の加算部14および第3の加算部15を備えている。このミキシング部10は、L(左)チャンネルの音声信号(以下、L信号と記す)およびR(右)チャンネルの音声信号(以下、R信号と記す)を入力してミキシングし、LチャンネルとWF(ウーハ)チャンネルとの混合信号およびRチャンネルとWFチャンネルとの混合信号を生成して出力する。
【0016】
具体的には、ミキシング部10が備える第1の加算部11は、ミキシング部10に入力されるL信号とR信号とを加算してWFチャンネル(L+Rチャンネル)の音声信号(以下、WF信号と記す)を生成する。WFチャンネル用LPF12は、第1の加算部11により生成されたWF信号の低周波成分のみを通過させる。位相反転部13は、WFチャンネル用LPF12を通過したWF信号の位相を反転する。
【0017】
第2の加算部14は、ミキシング部10に入力されるL信号とWFチャンネル用LPF12を通過したWF信号とを加算することにより、LチャンネルとWFチャンネルとの混合信号であるL+WF信号を生成する。第3の加算部15は、ミキシング部10に入力されるR信号と位相反転部13により位相が反転されたWF信号とを加算することにより、RチャンネルとWFチャンネルとの混合信号であるR−WF信号を生成する(“−”の記号は位相が反転されていることを示す)。
【0018】
Lチャンネル用D/A変換部2は、ミキシング部10により生成されたLチャンネルとWFチャンネルとの混合信号(第2の加算部14により生成されたL+WF信号)をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。Rチャンネル用D/A変換部3は、ミキシング部10により生成されたRチャンネルとWFチャンネルとの混合信号(第3の加算部15により生成されたR−WF信号)をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。
【0019】
Lチャンネル用パワーアンプ4は、Lチャンネル用D/A変換部2によりD/A変換されたL+WF信号を増幅する。具体的には、Lチャンネル用パワーアンプ4は、ミキシング部10の第2の加算部14により生成されLチャンネル用D/A変換部2によりD/A変換されたL+WF信号を増幅し、正相出力端子からL+WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(L+WF)信号を出力する。
【0020】
Rチャンネル用パワーアンプ5は、Rチャンネル用D/A変換部3によりD/A変換されたR−WF信号を増幅する。具体的には、Rチャンネル用パワーアンプ5は、ミキシング部10の第3の加算部15により生成されRチャンネル用D/A変換部3によりD/A変換されたR−WF信号を増幅し、正相出力端子からR−WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(R−WF)信号を出力する。
【0021】
Lチャンネル用スピーカ6は、Lチャンネル用パワーアンプ4の出力に接続されている。具体的には、Lチャンネル用パワーアンプ4の正相出力端子から出力されるL+WF信号がLチャンネル用スピーカ6の+端子に入力され、Lチャンネル用パワーアンプ4の逆相出力端子から出力される−(L+WF)信号がLチャンネル用スピーカ6の−端子に入力されるように接続されている。これにより、Lチャンネル用スピーカ6から2L+2WFの成分を持った音声信号(2L+2WF信号)が出力される。ここで、数字の“2”は電圧が2倍であることを示している。
【0022】
Rチャンネル用スピーカ7は、Rチャンネル用パワーアンプ5の出力に接続されている。具体的には、Rチャンネル用パワーアンプ5の正相出力端子から出力されるR−WF信号がRチャンネル用スピーカ7の+端子に入力され、Rチャンネル用パワーアンプ5の逆相出力端子から出力される−(R−WF)信号がRチャンネル用スピーカ7の−端子に入力されるように接続されている。これにより、Rチャンネル用スピーカ7から2R−2WFの成分を持った音声信号(2R−2WF信号)が出力される。
【0023】
WFチャンネル用スピーカ8は、Lチャンネル用パワーアンプ4の出力およびRチャンネル用パワーアンプ5の出力にBTL接続されている。具体的には、Lチャンネル用パワーアンプ4の正相出力端子から出力されるL+WF信号がWFチャンネル用スピーカ8の+端子に入力され、Rチャンネル用パワーアンプ5の正相出力端子から出力されるR−WF信号がWFチャンネル用スピーカ8の−端子に入力されるように接続されている。これにより、WFチャンネル用スピーカ8からL−R+2WFの成分を持った音声信号(L−R+2WF信号)が出力される。
【0024】
ここで、Lチャンネル用スピーカ6からは2L成分以外に2WF成分の音声信号が出力され、Rチャンネル用スピーカ7からは2R成分以外に−2WF成分の音声信号が出力されている。しかし、Lチャンネル用スピーカ6とRチャンネル用スピーカ7との間のセンター付近のリスニング位置において、2WF成分の音声信号と−2WF成分の音声信号は逆位相で打ち消される。よって、リスニング位置においてユーザは、あたかもLチャンネル用スピーカ6から2L成分の音声信号のみが出力され、Rチャンネル用スピーカ7から2R成分の音声信号のみが出力されているような感覚で音声信号を聴取することができる。
【0025】
また、WFチャンネル用スピーカ8からは2WF成分以外にL成分の音声信号と−R成分の音声信号とが出力されている。しかし、WFチャンネル用スピーカ8に出力する低周波領域の音声信号(ボーカル音やベース音など)は通常、L成分とR成分とが略同じ強度とされた同相の音声信号となっている。そのため、L成分の音声信号と−R成分の音声信号は、低周波領域についてはWFチャンネル用スピーカ8において逆位相で打ち消される。
【0026】
図2は、本実施形態による音声出力装置の他の構成例を示す図である。なお、この図2において、図1に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。
【0027】
図2に示す音声出力装置は、ミキシング部20、Lチャンネル用D/A変換部2、Rチャンネル用D/A変換部3、Lチャンネル用パワーアンプ4、Rチャンネル用パワーアンプ5、Lチャンネル用スピーカ6、Rチャンネル用スピーカ7およびWFチャンネル用スピーカ8を備えて構成されている。
【0028】
ミキシング部20は、例えばDSPにより構成され、その機能構成として、第1の加算部11、WFチャンネル用LPF12’、位相反転部13,23,24、第2の加算部14、第3の加算部15、Lチャンネル用HPF21、Rチャンネル用HPF22およびアンプ25,26を備えている。
【0029】
WFチャンネル用LPF12’は、第1の加算部11により生成されたWF信号の低周波成分のみを通過させる。WFチャンネル用LPF12’は減衰機能を有しており、低周波成分のみとしたWF信号を、電圧を半減して出力する(数字の“0.5”は電圧が0.5倍であることを示す)。
【0030】
Lチャンネル用HPF21は、第2の加算部14に入力されるL信号の高周波成分のみを通過させる。Lチャンネル用HPF21は減衰機能を有しており、高周波成分のみとしたL信号を、電圧を1/4に低減して出力する(数字の“0.25”は電圧が0.25倍であることを示す)。位相反転部23は、Lチャンネル用HPF21を通過した0.25L信号の位相を反転する。
【0031】
Rチャンネル用HPF22は、第3の加算部15に入力されるR信号の高周波成分のみを通過させる。Rチャンネル用HPF22は減衰機能を有しており、高周波成分のみとしたR信号を、電圧を1/4に低減して出力する(数字の“0.25”は電圧が0.25倍であることを示す)。位相反転部24は、Rチャンネル用HPF22を通過した0.25R信号の位相を反転する。
【0032】
第2の加算部14は、Lチャンネル用HPF21を通過した0.25L信号とWFチャンネル用LPF12’を通過した0.5WF信号とを加算することにより、0.25L+0.5WF信号を生成する。第3の加算部15は、Rチャンネル用HPF22を通過した0.25R信号と位相反転部13を通過した−0.5WF信号とを加算することにより、0.25R−0.5WF信号を生成する。
【0033】
第2の加算部14より出力された0.25L+0.5WF信号は、アンプ25の+端子に入力される。また、位相反転部23より出力された−0.25L信号は、アンプ25の−端子に入力される。アンプ25の増幅率は、例えば“1”に設定されている。これにより、アンプ25からは0.5L+0.5WF信号が出力される。
【0034】
第3の加算部15より出力された0.25R−0.5WF信号は、アンプ26の+端子に入力される。また、位相反転部24より出力された−0.25R信号は、アンプ26の−端子に入力される。アンプ26の増幅率は、例えば“1”に設定されている。これにより、アンプ26からは0.5R−0.5WF信号が出力される。
【0035】
Lチャンネル用D/A変換部2は、アンプ25より出力された0.5L+0.5WF信号をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。Rチャンネル用D/A変換部3は、アンプ26より出力された0.5R−0.5WF信号をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。
【0036】
Lチャンネル用パワーアンプ4は、Lチャンネル用D/A変換部2によりD/A変換された0.5L+0.5WF信号を増幅し、正相出力端子から0.5L+0.5WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(0.5L+0.5WF)信号を出力する。
【0037】
Rチャンネル用パワーアンプ5は、Rチャンネル用D/A変換部3によりD/A変換された0.5R−0.5WF信号を増幅し、正相出力端子から0.5R−0.5WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(0.5R−0.5WF)信号を出力する。
【0038】
Lチャンネル用パワーアンプ4の正相出力端子から出力される0.5L+0.5WF信号はLチャンネル用スピーカ6の+端子に入力され、Lチャンネル用パワーアンプ4の逆相出力端子から出力される−(0.5L+0.5WF)信号はLチャンネル用スピーカ6の−端子に入力される。これにより、Lチャンネル用スピーカ6からL+WF信号が出力される。
【0039】
Rチャンネル用パワーアンプ5の正相出力端子から出力される0.5R−0.5WF信号はRチャンネル用スピーカ7の+端子に入力され、Rチャンネル用パワーアンプ5の逆相出力端子から出力される−(0.5R−0.5WF)信号はRチャンネル用スピーカ7の−端子に入力される。これにより、Rチャンネル用スピーカ7からR−WF信号が出力される。
【0040】
Lチャンネル用パワーアンプ4の正相出力端子から出力される0.5L+0.5WF信号はWFチャンネル用スピーカ8の+端子に入力され、Rチャンネル用パワーアンプ5の正相出力端子から出力される0.5R−0.5WF信号はWFチャンネル用スピーカ8の−端子に入力されるようにBTL接続されている。これにより、WFチャンネル用スピーカ8からは0.5L−0.5R+WF信号が出力される。
【0041】
ここで、Lチャンネル用スピーカ6から出力されるWF成分の音声信号と、Rチャンネル用スピーカ7から出力される−WF成分の音声信号は、Lチャンネル用スピーカ6とRチャンネル用スピーカ7との間のセンター付近のリスニング位置において逆位相で打ち消される。また、WFチャンネル用スピーカ8から出力される0.5L成分の音声信号と−0.5R成分の音声信号は、低周波領域についてはWFチャンネル用スピーカ8において逆位相で打ち消される。
【0042】
図3は、本実施形態による音声出力装置の更に別の構成例を示す図である。図3に示す例は、車両の前座席と後座席とにそれぞれスピーカが設置される場合の構成例を示すものである。なお、この図3において、図2に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。また、“F”の符号は前座席用であることを示し、“R”の符号は後座席用であることを示している。
【0043】
図3に示す音声出力装置は、ミキシング部30、Lチャンネル用D/A変換部2F,2R、Rチャンネル用D/A変換部3F,3R、Lチャンネル用パワーアンプ4F,4R、Rチャンネル用パワーアンプ5F,5R、Lチャンネル用スピーカ6F,6R、Rチャンネル用スピーカ7F,7RおよびWFチャンネル用スピーカ8F,8Rを備えて構成されている。
【0044】
ミキシング部30は、例えばDSPにより構成され、その機能構成として、第1の加算部11、WFチャンネル用LPF12’、位相反転部13,23F,23R,24F,24R、第2の加算部14F、第3の加算部15F、第4の加算部14R、第5の加算部15R、前座席用のLチャンネル用HPF21F、前座席用のRチャンネル用HPF22F、後座席用のLチャンネル用HPF21R、後座席用のRチャンネル用HPF22Rおよびアンプ25F,25R,26F,26Rを備えている。
【0045】
ミキシング部30は、入力されるLチャンネルの音声信号(L信号)から前座席用の音声信号(以下、FL信号と記す)および後座席用の音声信号(以下、FR信号と記す)を生成する(分配する)。また、ミキシング部20は、入力されるRチャンネルの音声信号(R信号)から前座席用の音声信号(以下、RL信号と記す)および後座席用の音声信号(以下、RR信号と記す)を生成する(分配する)。
【0046】
前座席用のLチャンネル用HPF21Fは、第2の加算部14Fに入力されるFL信号の高周波成分のみを通過させる。前座席用のLチャンネル用HPF21Fは減衰機能を有しており、高周波成分のみとしたFL信号を、電圧を1/4に低減して出力する。
【0047】
前座席用のRチャンネル用HPF22Fは、第3の加算部15Fに入力されるFR信号の高周波成分のみを通過させる。前座席用のRチャンネル用HPF22Fは減衰機能を有しており、高周波成分のみとしたFR信号を、電圧を1/4に低減して出力する。
【0048】
後座席用のLチャンネル用HPF21Rは、第4の加算部14Rに入力されるRL信号の高周波成分のみを通過させる。後座席用のLチャンネル用HPF21Rは減衰機能を有しており、高周波成分のみとしたRL信号を、電圧を1/4に低減して出力する。
【0049】
後座席用のRチャンネル用HPF22Rは、第5の加算部15Rに入力されるRR信号の高周波成分のみを通過させる。後座席用のRチャンネル用HPF22Rは減衰機能を有しており、高周波成分のみとしたRR信号を、電圧を1/4に低減して出力する。
【0050】
位相反転部23Fは、前座席用のLチャンネル用HPF21Fを通過した0.25FL信号の位相を反転する。位相反転部24Fは、前座席用のRチャンネル用HPF22Fを通過した0.25FR信号の位相を反転する。位相反転部23Rは、後座席用のLチャンネル用HPF21Rを通過した0.25RL信号の位相を反転する。位相反転部24Rは、後座席用のRチャンネル用HPF22Rを通過した0.25RR信号の位相を反転する。
【0051】
第2の加算部14Fは、前座席用のLチャンネル用HPF21Fを通過した0.25FL信号とWFチャンネル用LPF12’を通過した0.5WF信号とを加算することにより、0.25FL+0.5WF信号を生成する。第3の加算部15Fは、前座席用のRチャンネル用HPF22Fを通過した0.25FR信号と位相反転部13を通過した−0.5WF信号とを加算することにより、0.25FR−0.5WF信号を生成する。
【0052】
第4の加算部14Rは、後座席用のLチャンネル用HPF21Rを通過した0.25RL信号とWFチャンネル用LPF12’を通過した0.5WF信号とを加算することにより、0.25RL+0.5WF信号を生成する。第5の加算部15Rは、後座席用のRチャンネル用HPF22Rを通過した0.25RR信号と位相反転部13を通過した−0.5WF信号とを加算することにより、0.25RR−0.5WF信号を生成する。
【0053】
第2の加算部14Fより出力された0.25FL+0.5WF信号は、アンプ25Fの+端子に入力される。また、位相反転部23Fより出力された−0.25FL信号は、アンプ25Fの−端子に入力される。アンプ25Fの増幅率は、例えば“1”に設定されている。これにより、アンプ25Fからは0.5FL+0.5WF信号が出力される。
【0054】
第3の加算部15Fより出力された0.25FR−0.5WF信号は、アンプ26Fの+端子に入力される。また、位相反転部24Fより出力された−0.25FR信号は、アンプ26Fの−端子に入力される。アンプ26Fの増幅率は、例えば“1”に設定されている。これにより、アンプ26Fからは0.5FR−0.5WF信号が出力される。
【0055】
第4の加算部14Rより出力された0.25RL+0.5WF信号は、アンプ25Rの+端子に入力される。また、位相反転部23Rより出力された−0.25RL信号は、アンプ25Rの−端子に入力される。アンプ25Rの増幅率は、例えば“1”に設定されている。これにより、アンプ25Rからは0.5RL+0.5WF信号が出力される。
【0056】
第5の加算部15Rより出力された0.25RR−0.5WF信号は、アンプ26Rの+端子に入力される。また、位相反転部24Rより出力された−0.25RR信号は、アンプ26Rの−端子に入力される。アンプ26Rの増幅率は、例えば“1”に設定されている。これにより、アンプ26Rからは0.5RR−0.5WF信号が出力される。
【0057】
前座席用のLチャンネル用D/A変換部2Fは、アンプ25Fより出力された0.5FL+0.5WF信号をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。前座席用のRチャンネル用D/A変換部3Fは、アンプ26Fより出力された0.5FR−0.5WF信号をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。
【0058】
後座席用のLチャンネル用D/A変換部2Rは、アンプ25Rより出力された0.5RL+0.5WF信号をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。後座席用のRチャンネル用D/A変換部3Rは、アンプ26Rより出力された0.5RR−0.5WF信号をデジタル形式からアナログ形式の信号にD/A変換する。
【0059】
前座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Fは、前座席用のLチャンネル用D/A変換部2FによりD/A変換された0.5FL+0.5WF信号を増幅し、正相出力端子から0.5FL+0.5WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(0.5FL+0.5WF)信号を出力する。
【0060】
前座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Fは、前座席用のRチャンネル用D/A変換部3FによりD/A変換された0.5FR−0.5WF信号を増幅し、正相出力端子から0.5FR−0.5WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(0.5FR−0.5WF)信号を出力する。
【0061】
後座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Rは、後座席用のLチャンネル用D/A変換部2RによりD/A変換された0.5RL+0.5WF信号を増幅し、正相出力端子から0.5RL+0.5WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(0.5RL+0.5WF)信号を出力する。
【0062】
後座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Rは、後座席用のRチャンネル用D/A変換部3RによりD/A変換された0.5RR−0.5WF信号を増幅し、正相出力端子から0.5RR−0.5WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(0.5RR−0.5WF)信号を出力する。
【0063】
前座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Fの正相出力端子から出力される0.5FL+0.5WF信号は前座席用のLチャンネル用スピーカ6Fの+端子に入力され、前座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Fの逆相出力端子から出力される−(0.5FL+0.5WF)信号は前座席用のLチャンネル用スピーカ6Fの−端子に入力される。これにより、前座席用のLチャンネル用スピーカ6FからFL+WF信号が出力される。
【0064】
前座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Fの正相出力端子から出力される0.5FR−0.5WF信号は前座席用のRチャンネル用スピーカ7Fの+端子に入力され、前座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Fの逆相出力端子から出力される−(0.5FR−0.5WF)信号は前座席用のRチャンネル用スピーカ7Fの−端子に入力される。これにより、前座席用のRチャンネル用スピーカ7FからFR−WF信号が出力される。
【0065】
前座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Fの正相出力端子から出力される0.5FL+0.5WF信号は前座席用のWFチャンネル用スピーカ8Fの+端子に入力され、前座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Fの正相出力端子から出力される0.5FR−0.5WF信号は前座席用のWFチャンネル用スピーカ8Fの−端子に入力される。これにより、前座席用のWFチャンネル用スピーカ8Fからは0.5FL−0.5FR+WF信号が出力される。
【0066】
ここで、前座席用のLチャンネル用スピーカ6Fから出力されるWF成分の音声信号と、前座席用のRチャンネル用スピーカ7Fから出力される−WF成分の音声信号は、前座席用のLチャンネル用スピーカ6Fと前座席用のRチャンネル用スピーカ7Fとの間のセンター付近のリスニング位置において逆位相で打ち消される。また、前座席用のWFチャンネル用スピーカ8Fから出力される0.5FL成分の音声信号と−0.5FR成分の音声信号は、低周波領域については前座席用のWFチャンネル用スピーカ8Fにおいて逆位相で打ち消される。
【0067】
後座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Rの正相出力端子から出力される0.5RL+0.5WF信号は後座席用のLチャンネル用スピーカ6Rの+端子に入力され、後座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Rの逆相出力端子から出力される−(0.5RL+0.5WF)信号は後座席用のLチャンネル用スピーカ6Rの−端子に入力される。これにより、後座席用のLチャンネル用スピーカ6RからRL+WF信号が出力される。
【0068】
後座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Rの正相出力端子から出力される0.5RR−0.5WF信号は後座席用のRチャンネル用スピーカ7Rの+端子に入力され、後座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Rの逆相出力端子から出力される−(0.5RR−0.5WF)信号は後座席用のRチャンネル用スピーカ7Rの−端子に入力される。これにより、後座席用のRチャンネル用スピーカ7RからRR−WF信号が出力される。
【0069】
後座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Rの正相出力端子から出力される0.5RL+0.5WF信号は後座席用のWFチャンネル用スピーカ8Rの+端子に入力され、後座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Rの正相出力端子から出力される0.5RR−0.5WF信号は後座席用のWFチャンネル用スピーカ8Rの−端子に入力される。これにより、後座席用のWFチャンネル用スピーカ8Rからは0.5RL−0.5RR+WF信号が出力される。
【0070】
ここで、後座席用のLチャンネル用スピーカ6Rから出力されるWF成分の音声信号と、後座席用のRチャンネル用スピーカ7Rから出力される−WF成分の音声信号は、後座席用のLチャンネル用スピーカ6Rと後座席用のRチャンネル用スピーカ7Rとの間のセンター付近のリスニング位置において逆位相で打ち消される。また、後座席用のWFチャンネル用スピーカ8Rから出力される0.5RL成分の音声信号と−0.5RR成分の音声信号は、低周波領域については後座席用のWFチャンネル用スピーカ8Rにおいて逆位相で打ち消される。
【0071】
以上のように構成した本実施形態の音声出力装置によれば、パワーアンプ2,3(2F,3F,2R,3R)よりも前段に設けられたミキシング部10,20,30によってWFチャンネルの音声信号が生成される。そのため、パワーアンプ2,3(2F,3F,2R,3R)の後段に必要であったパッシブ型のローパスフィルタをなくすことができる。
【0072】
パッシブ型のローパスフィルタの代わりにミキシング部10,20,30が設けられる形となるが、パワーアンプ2,3(2F,3F,2R,3R)によって増幅された後のアナログ音声信号を処理するために受動素子により構成した従来のパッシブ型のローパスフィルタに比べて、ミキシング部10,20,30はDSPにより低コストで構成することができる。
【0073】
また、本実施形態の音声出力装置によれば、ミキシング部10,20,30の第1の加算部11で生成されたWFチャンネルの音声信号がLチャンネルの音声信号およびRチャンネルの音声信号とそれぞれ混合される。そして、それらの混合信号がパワーアンプ2,3(2F,3F,2R,3R)で増幅された後、パワーアンプ2,3(2F,3F,2R,3R)の出力とWFチャンネル用スピーカ8(8F,8R)とのBTL接続によってウーハ用の音声信号が生成される。
【0074】
そのため、パワーアンプ2,3(2F,3F,2R,3R)よりも前段側におけるミキシング部10,20,30でWFチャンネルの音声信号が生成されていても、WFチャンネル専用のパワーアンプを設ける必要がない。つまり、図1および図2の例では、2つのパワーアンプ2,3のみで、LチャンネルおよびRチャンネルの音声信号に加えてWFチャンネルの音声信号もドライブすることができる。
【0075】
また、図3の例では、4つのパワーアンプ2F,3F,2R,3Rのみで、前座席用、後座席用のLチャンネルおよびRチャンネルの音声信号に加えて、前座席用、後座席用のWFチャンネルの音声信号もドライブすることができる。しかも、図3の例の場合は、いわゆるFADER機能(HPF21F,22F,1R,22Rの前段にアンプを設けて増幅率を調整する機能)によって前座席用または後座席用の何れかの音声信号のみを出力するケースにおいても、WFチャンネル用スピーカ8Fまたは8Rから安定してWFチャンネルの音声信号を出力することができる。
【0076】
以上により、本実施形態の音声出力装置によれば、BTL接続を用いた音声出力装置において、ウーハ用の音声信号を生成するのにパッシブ型のLPFを不要とすることによって製造コストを低減することができる。
【0077】
なお、上記実施形態では、音声信号の電圧(振幅)を調整するために、図2の例ではアンプ25,26および位相反転部23,24を設けたが、振幅の調整は本発明の要旨ではなく、必ずしも必須の構成ではない。すなわち、図1のようにアンプ25,26および位相反転部23,24を省略して音声出力装置を構成してもよい。同様に、前座席用および後座席用にスピーカを備えた図3の例においても、アンプ25F,25R,26F,26Rおよび位相反転部23F,23R,24F,24Rを省略して音声出力装置を構成してもよい。つまり、特許請求の範囲では振幅を表す係数を示していないが、これは振幅が1倍の場合に限定する趣旨ではなく、振幅は特に限定しないという趣旨である。
【0078】
また、上記実施形態では、Lチャンネルの音声信号とRチャンネルの音声信号について高周波成分のみを通過させるために、図2の例ではHPF21,22を設けている。しかし、これらも必須の構成ではない。すなわち、図1のようにHPF21,22を省略して音声出力装置を構成してもよい。ただし、HPF21,22を設けると、Lチャンネル用スピーカ6およびRチャンネル用スピーカ7から低周波成分が出力されなくなり、WFチャンネル用スピーカ8から出力される低周波成分と重複がなくなるという点で好ましい。図3の例においても同様に、HPF21F,21R,22F,22Rを省略してもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、ミキシング部10,20,30をDSPにより構成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、オペアンプなどを用いたアナログ回路によりミキシング部10,20,30を構成してもよい。ただし、ミキシング部10,20,30をDSPにより構成した方が、製造コストをより安くできるという点で好ましい。
【0080】
また、上記実施形態では、Lチャンネルの音声信号とWFチャンネルの音声信号とを加算することによりL+WF信号を生成する一方、Rチャンネルの音声信号と位相が反転されたWFチャンネルの音声信号とを加算することによりR−WF信号を生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0081】
例えば、図1の構成を変形させた図4のように、第2の加算部14においてLチャンネルの音声信号と位相が反転されたWFチャンネルの音声信号とを加算することによりL−WF信号を生成する一方、第3の加算部15においてRチャンネルの音声信号とWFチャンネルの音声信号とを加算することによりR+WF信号を生成するようにしてもよい。
【0082】
この場合、Lチャンネル用パワーアンプ4は、第2の加算部14により生成されたL−WF信号を増幅し、正相出力端子からL−WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(L−WF)信号を出力する。また、Rチャンネル用パワーアンプ5は、第3の加算部15により生成されたR+WF信号を増幅し、正相出力端子からR+WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(R+WF)信号を出力する。
【0083】
そして、Lチャンネル用パワーアンプ4の正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから出力されるL−WF信号および−(L−WF)信号をそれぞれLチャンネル用スピーカ6の+端子および−端子に入力する。また、Rチャンネル用パワーアンプ5の正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから出力されるR+WF信号および−(R+WF)信号をそれぞれRチャンネル用スピーカ7の+端子および−端子に入力する。
【0084】
さらに、Lチャンネル用パワーアンプ4の正相出力端子から出力されるL−WF信号をWFチャンネル用スピーカ8の−端子に入力し、Rチャンネル用パワーアンプ5の正相出力端子から出力されるR+WF信号をWFチャンネル用スピーカ8の+端子に入力するように構成する。
【0085】
また、図2の構成を変形させた図5のように、第2の加算部14においてLチャンネルの音声信号と位相が反転されたWFチャンネルの音声信号とを加算することにより0.25L−0.5WF信号を生成する一方、第3の加算部15においてRチャンネルの音声信号とWFチャンネルの音声信号とを加算することにより0.25R+0.5WF信号を生成するようにしてもよい。
【0086】
さらに、図3の構成を変形させた図6のように、第2の加算部14Fにおいて前座席用のLチャンネルの音声信号と位相が反転されたWFチャンネルの音声信号とを加算することにより0.25FL−0.5WF信号を生成する一方、第3の加算部15Fにおいて前座席用のRチャンネルの音声信号とWFチャンネルの音声信号とを加算することにより0.25FR+0.5WF信号を生成するようにしてもよい。
【0087】
同様に、第4の加算部14Rにおいて後座席用のLチャンネルの音声信号と位相が反転されたWFチャンネルの音声信号とを加算することにより0.25RL−0.5WF信号を生成する一方、第5の加算部15Rにおいて後座席用のRチャンネルの音声信号とWFチャンネルの音声信号とを加算することにより0.25RR+0.5WF信号を生成するようにしてもよい。
【0088】
この場合、前座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Fは、アンプ25Fにより生成された0.5FL−0.5WF信号を増幅し、前座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Fは、アンプ26Fにより生成された0.5FR+0.5WF信号を増幅する。また、後座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Rは、アンプ25Rにより生成された0.5RL−0.5WF信号を増幅し、後座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Rは、アンプ26Rにより生成された0.5RR+0.5WF信号を増幅する。
【0089】
そして、前座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Fの正相出力端子から出力される0.5FL−0.5WF信号を前座席用のWFチャンネル用スピーカ8Fの−端子に入力し、前座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Fの正相出力端子から出力される0.5FR+0.5WF信号を前座席用のWFチャンネル用スピーカ8Fの+端子に入力するように構成する。
【0090】
また、後座席用のLチャンネル用パワーアンプ4Rの正相出力端子から出力される0.5RL−0.5WF信号を後座席用のWFチャンネル用スピーカ8Rの−端子に入力し、後座席用のRチャンネル用パワーアンプ5Rンプの正相出力端子から出力される0.5RR+0.5WF信号を後座席用のWFチャンネル用スピーカ8Rの+端子に入力するように構成する。
【0091】
また、上記実施形態では、2つのパワーアンプの正相出力端子どうしをWFチャンネル用スピーカにBTL接続する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つのパワーアンプの逆相出力端子どうしをWFチャンネル用スピーカにBTL接続するようにしてもよい。この場合、上記実施形態においてWFチャンネル用スピーカの+端子に接続していた部分は−端子への接続に変更し、−端子に接続していた部分は+端子への接続に変更する。
【0092】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0093】
4,4F,4R Lチャンネル用パワーアンプ
5,5F,5R Rチャンネル用パワーアンプ
6,6F,6R Lチャンネル用スピーカ
7,7F,7R Rチャンネル用スピーカ
8,8F,8R WFチャンネル用スピーカ
10,20,30 ミキシング部
11 第1の加算部
12,12’ WFチャンネル用LPF
13 位相反転部
14,14F 第2の加算部
15,15F 第3の加算部
14R 第4の加算部
15R 第5の加算部
21,21F,21R Lチャンネル用HPF
22,22F,22R Rチャンネル用HPF

【特許請求の範囲】
【請求項1】
L(左)チャンネルの音声信号およびR(右)チャンネルの音声信号を入力してミキシングし、上記LチャンネルとWF(ウーハ)チャンネルとの混合信号および上記Rチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号を生成するミキシング部と、
上記ミキシング部により生成された上記Lチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号を増幅するLチャンネル用パワーアンプと、
上記ミキシング部により生成された上記Rチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号を増幅するRチャンネル用パワーアンプと、
上記Lチャンネル用パワーアンプの出力に接続されたLチャンネル用スピーカと、
上記Rチャンネル用パワーアンプの出力に接続されたRチャンネル用スピーカと、
上記Lチャンネル用パワーアンプの出力および上記Rチャンネル用パワーアンプの出力にブリッジ接続されたWFチャンネル用スピーカとを備えたことを特徴とする音声出力装置。
【請求項2】
上記ミキシング部は、上記Lチャンネルの音声信号と上記Rチャンネルの音声信号とを加算して上記WFチャンネルの音声信号を生成する第1の加算部と、
上記第1の加算部により生成されたWFチャンネルの音声信号の低周波成分のみを通過させるWFチャンネル用ローパスフィルタと、
上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号の位相を反転する位相反転部と、
上記Lチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記Lチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるL+WF信号を生成する第2の加算部と、
上記Rチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記Rチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるR−WF信号を生成する第3の加算部とを備え、
上記Lチャンネル用パワーアンプは、上記第2の加算部により生成された上記L+WF信号を増幅し、
上記Rチャンネル用パワーアンプは、上記第3の加算部により生成された上記R−WF信号を増幅し、
上記Lチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記L+WF信号が上記WFチャンネル用スピーカの+端子に入力され、上記Rチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記R−WF信号が上記WFチャンネル用スピーカの−端子に入力されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項3】
上記Lチャンネル用パワーアンプは、上記第2の加算部により生成された上記L+WF信号を増幅し、正相出力端子からL+WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(L+WF)信号を出力するようになされ、
上記Rチャンネル用パワーアンプは、上記第3の加算部により生成された上記R−WF信号を増幅し、正相出力端子からR−WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(R−WF)信号を出力するようになされ、
上記Lチャンネル用パワーアンプの正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから出力される上記L+WF信号および上記−(L+WF)信号がそれぞれ上記Lチャンネル用スピーカの+端子および−端子に入力され、
上記Rチャンネル用パワーアンプの正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから出力される上記R−WF信号および上記−(R−WF)信号がそれぞれ上記Rチャンネル用スピーカの+端子および−端子に入力されるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の音声出力装置。
【請求項4】
上記第2の加算部に入力される上記Lチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させるLチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第3の加算部に入力される上記Rチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させるRチャンネル用ハイパスフィルタとを更に備え、
上記第2の加算部は、上記Lチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記Lチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記L+WF信号を生成し、
上記第3の加算部は、上記Rチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記Rチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記R−WF信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の音声出力装置。
【請求項5】
上記ミキシング部は、上記Lチャンネルの音声信号と上記Rチャンネルの音声信号とを加算して上記WFチャンネルの音声信号を生成する第1の加算部と、
上記第1の加算部により生成されたWFチャンネルの音声信号の低周波成分のみを通過させるWFチャンネル用ローパスフィルタと、
上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号の位相を反転する位相反転部と、
上記Lチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記Lチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるL−WF信号を生成する第2の加算部と、
上記Rチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記Rチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるR+WF信号を生成する第3の加算部とを備え、
上記Lチャンネル用パワーアンプは、上記第2の加算部により生成された上記L−WF信号を増幅し、
上記Rチャンネル用パワーアンプは、上記第3の加算部により生成された上記R+WF信号を増幅し、
上記Lチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記L−WF信号が上記WFチャンネル用スピーカの−端子に入力され、上記Rチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記R+WF信号が上記WFチャンネル用スピーカの+端子に入力されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項6】
上記Lチャンネル用パワーアンプは、上記第2の加算部により生成された上記L−WF信号を増幅し、正相出力端子からL−WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(L−WF)信号を出力するようになされ、
上記Rチャンネル用パワーアンプは、上記第3の加算部により生成された上記R+WF信号を増幅し、正相出力端子からR+WF信号を出力するとともに、逆相出力端子から−(R+WF)信号を出力するようになされ、
上記Lチャンネル用パワーアンプの正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから出力される上記L−WF信号および上記−(L−WF)信号がそれぞれ上記Lチャンネル用スピーカの+端子および−端子に入力され、
上記Rチャンネル用パワーアンプの正相出力端子および逆相出力端子のそれぞれから出力される上記R+WF信号および上記−(R+WF)信号がそれぞれ上記Rチャンネル用スピーカの+端子および−端子に入力されるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の音声出力装置。
【請求項7】
上記第2の加算部に入力される上記Lチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させるLチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第3の加算部に入力される上記Rチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させるRチャンネル用ハイパスフィルタとを更に備え、
上記第2の加算部は、上記Lチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記Lチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記L−WF信号を生成し、
上記第3の加算部は、上記Rチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記Rチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記R+WF信号を生成することを特徴とする請求項5に記載の音声出力装置。
【請求項8】
上記Lチャンネルの音声信号には車両の前座席用および後座席用の2つの音声信号が含まれ、上記Rチャンネルの音声信号には上記前座席用および上記後座席用の2つの音声信号が含まれ、
上記Lチャンネル用パワーアンプは、上記前座席用のLチャンネル用パワーアンプと上記後座席用のLチャンネル用パワーアンプとを含み、
上記Rチャンネル用パワーアンプは、上記前座席用のRチャンネル用パワーアンプと上記後座席用のRチャンネル用パワーアンプとを含み、
上記Lチャンネル用スピーカは、上記前座席用のLチャンネル用スピーカと上記後座席用のLチャンネル用スピーカとを含み、
上記Rチャンネル用スピーカは、上記前座席用のRチャンネル用スピーカと上記後座席用のRチャンネル用スピーカとを含み、
上記WFチャンネル用スピーカは、上記前座席用のWFチャンネル用スピーカと上記後座席用のWFチャンネル用スピーカとを含み、
上記ミキシング部は、入力される上記Lチャンネルの音声信号から上記前座席用および上記後座席用の2つの音声信号を生成するとともに、入力される上記Rチャンネルの音声信号から上記前座席用および上記後座席用の2つの音声信号を生成するように成され、
上記ミキシング部はさらに、入力される上記Lチャンネルの音声信号と上記Rチャンネルの音声信号とを加算して上記WFチャンネルの音声信号を生成する第1の加算部と、
上記第1の加算部により生成されたWFチャンネルの音声信号の低周波成分のみを通過させるWFチャンネル用ローパスフィルタと、
上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号の位相を反転する位相反転部と、
上記前座席用のLチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記前座席用のLチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるFL+WF信号を生成する第2の加算部と、
上記前座席用のRチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記前座席用のRチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるFR−WF信号を生成する第3の加算部と、
上記後座席用のLチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記後座席用のLチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるRL+WF信号を生成する第4の加算部と、
上記後座席用のRチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記後座席用のRチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるRR−WF信号を生成する第5の加算部とを備え、
上記前座席用のLチャンネル用パワーアンプは、上記第2の加算部により生成された上記FL+WF信号を増幅し、
上記前座席用のRチャンネル用パワーアンプは、上記第3の加算部により生成された上記FR−WF信号を増幅し、
上記後座席用のLチャンネル用パワーアンプは、上記第4の加算部により生成された上記RL+WF信号を増幅し、
上記後座席用のRチャンネル用パワーアンプは、上記第5の加算部により生成された上記RR−WF信号を増幅し、
上記前座席用のLチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記FL+WF信号が上記前座席用のWFチャンネル用スピーカの+端子に入力され、上記前座席用のRチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記FR−WF信号が上記前座席用のWFチャンネル用スピーカの−端子に入力され、
上記後座席用のLチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記RL+WF信号が上記後座席用のWFチャンネル用スピーカの+端子に入力され、上記後座席用のRチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記RR−WF信号が上記後座席用のWFチャンネル用スピーカの−端子に入力されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項9】
上記第2の加算部に入力される上記前座席用のLチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる前座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第3の加算部に入力される上記前座席用のRチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる前座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第4の加算部に入力される上記後後席用のLチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる後座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第5の加算部に入力される上記後座席用のRチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる後座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタとを更に備え、
上記第2の加算部は、上記前座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記前座席用のLチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記FL+WF信号を生成し、
上記第3の加算部は、上記前座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記前座席用のRチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記FR−WF信号を生成し、
上記第4の加算部は、上記後座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記後座席用のLチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記RL+WF信号を生成し、
上記第5の加算部は、上記後座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記後座席用のRチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記RR−WF信号を生成することを特徴とする請求項8に記載の音声出力装置。
【請求項10】
上記Lチャンネルの音声信号には車両の前座席用および後座席用の2つの音声信号が含まれ、上記Rチャンネルの音声信号には上記前座席用および上記後座席用の2つの音声信号が含まれ、
上記Lチャンネル用パワーアンプは、上記前座席用のLチャンネル用パワーアンプと上記後座席用のLチャンネル用パワーアンプとを含み、
上記Rチャンネル用パワーアンプは、上記前座席用のRチャンネル用パワーアンプと上記後座席用のRチャンネル用パワーアンプとを含み、
上記Lチャンネル用スピーカは、上記前座席用のLチャンネル用スピーカと上記後座席用のLチャンネル用スピーカとを含み、
上記Rチャンネル用スピーカは、上記前座席用のRチャンネル用スピーカと上記後座席用のRチャンネル用スピーカとを含み、
上記WFチャンネル用スピーカは、上記前座席用のWFチャンネル用スピーカと上記後座席用のWFチャンネル用スピーカとを含み、
上記ミキシング部は、入力される上記Lチャンネルの音声信号から上記前座席用および上記後座席用の2つの音声信号を生成するとともに、入力される上記Rチャンネルの音声信号から上記前座席用および上記後座席用の2つの音声信号を生成するように成され、
上記ミキシング部はさらに、入力される上記Lチャンネルの音声信号と上記Rチャンネルの音声信号とを加算して上記WFチャンネルの音声信号を生成する第1の加算部と、
上記第1の加算部により生成されたWFチャンネルの音声信号の低周波成分のみを通過させるWFチャンネル用ローパスフィルタと、
上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号の位相を反転する位相反転部と、
上記前座席用のLチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記前座席用のLチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるFL−WF信号を生成する第2の加算部と、
上記前座席用のRチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記前座席用のRチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるFR+WF信号を生成する第3の加算部と、
上記後座席用のLチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記後座席用のLチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるRL−WF信号を生成する第4の加算部と、
上記後座席用のRチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより、上記後座席用のRチャンネルと上記WFチャンネルとの混合信号であるRR+WF信号を生成する第5の加算部とを備え、
上記前座席用のLチャンネル用パワーアンプは、上記第2の加算部により生成された上記FL−WF信号を増幅し、
上記前座席用のRチャンネル用パワーアンプは、上記第3の加算部により生成された上記FR+WF信号を増幅し、
上記後座席用のLチャンネル用パワーアンプは、上記第4の加算部により生成された上記RL−WF信号を増幅し、
上記後座席用のRチャンネル用パワーアンプは、上記第5の加算部により生成された上記RR+WF信号を増幅し、
上記前座席用のLチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記FL−WF信号が上記前座席用のWFチャンネル用スピーカの−端子に入力され、上記前座席用のRチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記FR+WF信号が上記前座席用のWFチャンネル用スピーカの+端子に入力され、
上記後座席用のLチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記RL−WF信号が上記後座席用のWFチャンネル用スピーカの−端子に入力され、上記後座席用のRチャンネル用パワーアンプにより増幅された上記RR+WF信号が上記後座席用のWFチャンネル用スピーカの+端子に入力されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項11】
上記第2の加算部に入力される上記前座席用のLチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる前座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第3の加算部に入力される上記前座席用のRチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる前座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第4の加算部に入力される上記後座席用のLチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる後座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタと、
上記第5の加算部に入力される上記後座席用のRチャンネルの音声信号の高周波成分のみを通過させる後座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタとを更に備え、
上記第2の加算部は、上記前座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記前座席用のLチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記FL−WF信号を生成し、
上記第3の加算部は、上記前座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記前座席用のRチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記FR+WF信号を生成し、
上記第4の加算部は、上記後座席用のLチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記後座席用のLチャンネルの音声信号と上記位相反転部により位相が反転された上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記RL−WF信号を生成し、
上記第5の加算部は、上記後座席用のRチャンネル用ハイパスフィルタを通過した上記後座席用のRチャンネルの音声信号と上記WFチャンネル用ローパスフィルタを通過した上記WFチャンネルの音声信号とを加算することにより上記RR+WF信号を生成することを特徴とする請求項10に記載の音声出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−100158(P2012−100158A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247645(P2010−247645)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】