説明

音声応答装置、携帯電話及び写真サービスシステム

【課題】音声ガイダンスに従って容易な操作で、ネットワークを介した写真データの印刷等のサービスを受けることのできる技術を提供すること。
【解決手段】PSTN網180及びIP網181に接続された携帯電話160及び音声応答装置110を備える写真サービスシステム100であって、音声応答装置110から、PSTN網180を介して、音声ガイダンスを携帯電話160に送信し、携帯電話160において、受信した音声ガイダンスを聞きながら、特定の操作をすることで、携帯電話160から、IP網181を介して、写真データを音声応答装置110に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に記憶されている写真データをネットワークを介して処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ付きの携帯電話で撮像された画像データを、当該携帯電話からネットワークを介してサーバに送信して、印刷等のサービスを受けることのできる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術では、サーバから受信したメニュー画面を、カメラ機能付きの携帯電話に表示させ、表示された当該メニュー画面に従って操作を行うことで、印刷等のサービスを受けることができるようにされている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−108753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、メニュー画面に従った入力を携帯電話で行わなければならず、携帯電話の扱いになれていない者にとっては、入力が困難な場合がある。特に、携帯電話では、機種毎に操作方法が異なり、例えば、画面に表示されたカーソルを移動させる操作も機種毎に異なっているため、メニュー画面に従っても入力が困難な場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、音声ガイダンスに従って容易な操作で、ネットワークを介した写真データの印刷等のサービスを受けることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明は、携帯電話との音声通信中に、当該携帯電話からデータ通信を介して写真データを取得する。
【0008】
例えば、本発明は、携帯電話との間で音声通信及びデータ通信を行うことのできる音声応答装置であって、前記携帯電話から、音声通信において写真データを送信することを特定する送信情報を取得する処理と、前記送信情報を取得することにより、前記音声通信中に、前記携帯電話からデータ通信において写真データを受信する処理と、を行う制御部を備えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、音声ガイダンスに従って容易な操作で、ネットワークを介した写真データの印刷等のサービスを受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態である写真サービスシステム100の概略図である。
【0011】
図示するように写真サービスシステム100は、音声応答装置110と、携帯電話160と、を備え、音声応答装置110は、PSTN(Public Switched Telephone Networks)網180及びIP(Internet Protocol)網181に接続されており、携帯電話160は、基地局182を介してPSTN網180及びIP網181に接続することができるようにされている。
【0012】
図2は、音声応答装置110の概略図である。
【0013】
図示するように、音声応答装置110は、記憶部120と、制御部130と、音声回線IF(InterFace)部140と、データ回線IF部150と、を備える。
【0014】
記憶部120は、ガイダンス音声情報記憶領域121と、会員管理情報記憶領域122と、写真管理情報記憶領域123と、予約管理情報記憶領域124と、写真情報記憶領域125と、を備える。
【0015】
ガイダンス音声情報記憶領域121は、後述する制御部130のガイダンス再生部136で再生するガイダンス音声が記憶される。
【0016】
会員管理情報記憶領域122は、写真サービスシステム100において写真データの登録、印刷等のサービスを受けるユーザに関する情報が記憶される。
【0017】
例えば、本実施形態においては、図3(会員管理テーブル122aの概略図)に示すような会員管理テーブル122aが会員管理情報記憶領域122に記憶される。
【0018】
図示するように、会員管理テーブル122aは、顧客名欄122bと、住所欄122cと、会員番号欄122dと、パスワード欄122eと、電話番号欄122fと、アドレス欄122gと、を備える。
【0019】
顧客名欄122bには、写真サービスシステム100において写真データの登録、印刷等のサービスを受けるユーザの名前を特定する情報が格納される。
【0020】
住所欄122cには、写真サービスシステム100において写真データの登録、印刷等のサービスを受けるユーザの住所を特定する情報が格納される。
【0021】
会員番号欄122dには、写真サービスシステム100において写真データの登録、印刷等のサービスを受けるユーザを一意に識別するための識別情報である会員番号を特定する情報が格納される。
【0022】
パスワード欄122eには、会員番号欄122dで特定されるユーザの認証を行うためのパスワードを特定する情報が格納される。
【0023】
電話番号欄122fには、会員番号欄122dで特定されるユーザが有する携帯電話の電話番号を特定する情報が格納される。
【0024】
アドレス欄122gには、会員番号欄122dで特定されるユーザが有する携帯電話のメールアドレスを特定する情報が格納される。
【0025】
図2に戻り、写真管理情報記憶領域123には、写真サービスシステム100のユーザから登録された写真データを管理するための情報が記憶される。
【0026】
例えば、本実施形態においては、図4(写真管理テーブル123aの概略図)に示すような写真管理テーブル123aが記憶される。
【0027】
図示するように、写真管理テーブル123aは、会員番号欄123bと、格納位置欄123cと、サイズ情報欄123dと、を備える。
【0028】
会員番号欄123bには、写真サービスシステム100において写真データの登録、印刷等のサービスを受けるユーザを一意に識別するための識別情報である会員番号を特定する情報が格納される。
【0029】
格納位置欄123cには、会員番号欄123cで特定されるユーザから登録された写真データの格納位置及びファイル名を特定する情報が格納される。ここで、本実施形態においては、写真データの格納位置を特定する情報として、ユーザ毎に形成されているフォルダからの階層構造を特定する情報が格納される。
【0030】
サイズ情報123dには、格納位置欄123cで特定される位置に格納されている写真データのサイズを特定する情報が格納される。
【0031】
予約管理情報記憶領域124には、写真サービスシステム100のユーザからの写真データの印刷注文を管理する情報が格納される。
【0032】
例えば、本実施形態においては、図5(予約管理テーブル124aの概略図)に示すような予約管理テーブル124aが記憶される。
【0033】
図示するように、予約管理テーブル124aは、注文日欄124bと、会員番号欄124cと、格納位置欄124dと、枚数欄124eと、住所欄124fと、を備える。
【0034】
注文日欄124bには、写真サービスシステム100のユーザから写真データの印刷注文を受け付けた年月日を特定する情報が格納される。
【0035】
会員番号欄124cには、写真データの印刷注文を行ったユーザを識別するための識別情報である会員番号が格納される。
【0036】
格納位置欄124dには、会員番号欄124cで特定されるユーザが印刷を注文した写真データの格納位置及びファイル名を特定する情報が格納される。
【0037】
枚数欄124eには、会員番号欄124cで特定されるユーザが、格納位置欄124dで特定される写真データを印刷することを注文した枚数を特定する情報が格納される。
【0038】
住所欄124fには、格納位置欄124dで特定される写真データを印刷した写真を送付する送付先を特定する情報が格納される。
【0039】
図2に戻り、写真情報記憶領域125には、写真サービスシステム100のユーザから受信した写真データが記憶される。
【0040】
ここで本実施形態においては、ユーザから受信した写真データを、図6(写真データを記憶するフォルダ構成を示す概略図)に示すようなフォルダ構成で管理する。
【0041】
具体的には、ユーザ毎のフォルダにおいて、年をフォルダ名とするフォルダを設け、その下位に月をフォルダ名とするフォルダを設け、その下位に日をフォルダ名とするフォルダを設け、その下位に時間をフォルダ名とするフォルダを設け、当該時間をフォルダ名とするフォルダに、写真データであるファイルを格納するようにしている。
【0042】
なお、ここでフォルダ名とする年、月、日、時間については、携帯電話160から受信した写真データに添付されている撮影時の年、月、日、時間を用いる。
【0043】
制御部130は、主制御部131と、音声回線制御部132と、PB信号解析部134と、データ回線制御部134と、シナリオ制御部135と、ガイダンス再生部136と、写真データ登録部137と、受渡予約登録部138と、を備える。
【0044】
主制御部131は、音声応答装置110の全体の処理を制御する。
【0045】
音声回線制御部132は、後述する音声回線IF部140を介した情報の送受信を制御する。
【0046】
PB信号解析部133は、音声回線制御部132が音声回線IF部140を介して受信したPB信号を解析する処理を行う。
【0047】
データ回線制御部134は、後述するデータ回線IF部150を介した情報の送受信を制御する。
【0048】
シナリオ制御部135は、携帯電話160から受信するPB信号に応じて、携帯電話160に送信する音声ガイダンスを、記憶部120に記憶されているガイダンス音声情報記憶領域121より特定することで、当該携帯電話160に流す音声ガイダンスのシナリオを特定する。
【0049】
ガイダンス再生部136は、シナリオ制御部135で特定された音声ガイダンスを組み合わせて、特定のタイミングで音声回線制御部132に出力することで、音声回線IF部140から携帯電話160に音声ガイダンスを出力する。
【0050】
写真データ登録部137は、写真サービスシステム100のユーザが有する携帯電話160から写真データを取得して、写真管理情報記憶領域123に記憶されている写真管理テーブル123aに必要な情報を記憶するとともに、写真情報記憶領域125に取得した写真データを記憶する処理を行う。
【0051】
具体的に、本実施形態においては、写真データ登録部137は、写真サービスシステム100のユーザが有する携帯電話160から写真データの登録をすることを示すPB(Push Button)信号をPB信号解析部133にて検知すると、当該携帯電話160のメールアドレスを会員管理テーブル122aより取得して、当該メールアドレスに特定の識別情報を有するメールをデータ回線制御部134及びデータ回線IF部150を介して送信する処理を行う。
【0052】
そして、写真データ登録部137は、携帯電話160から写真データが添付された返信メールを受信すると、メールアドレスに対応する会員番号を会員管理テーブル122aより特定し、当該会員番号により特定されるユーザのフォルダ(写真情報記憶領域125内に形成されている)に、写真データに付加されている年月日時間情報に対応するフォルダをそれぞれの階層において生成し、添付されてきた写真データを時間をフォルダ名としたフォルダに格納するとともに、写真管理テーブル123aに新たなレコードを生成して、当該会員番号、写真データの格納位置及び写真のサイズ情報を対応する欄に格納する。
【0053】
受渡予約登録部138は、写真サービスシステム100のユーザから写真を印刷する注文を受注する処理を行う。
【0054】
音声回線IF部140は、PSTN網180を介した情報の送受信を行うインターフェースである。
【0055】
データ回線IF部150は、IP網181を介した情報の送受信を行うインターフェースである。
【0056】
以上に記載した音声応答装置110については、例えば、図7(コンピュータ190の概略図)に示すような、CPU(Central Processing Unit)191と、メモリ192と、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置193と、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等の可搬性を有する記憶媒体194から情報を読み出す読取装置195と、キーボードやマウスなどの入力装置196と、ディスプレイなどの出力装置197と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置198と、を備えた一般的なコンピュータ190で実現できる。
【0057】
例えば、記憶部120は、CPU191がメモリ192又は外部記憶装置193を利用することにより実現可能であり、制御部130は、外部記憶装置193に記憶されている所定のプログラムをメモリ192にロードしてCPU191で実行することで実現可能であり、音声回線IF部140及びデータ回線IF部150は、CPU191が通信装置198を利用することで実現可能である。
【0058】
この所定のプログラムは、読取装置195を介して記憶媒体194から、あるいは、通信装置198を介してネットワークから、外部記憶装置193にダウンロードされ、それから、メモリ192上にロードされてCPU191により実行されるようにしてもよい。また、読取装置195を介して記憶媒体194から、あるいは、通信装置198を介してネットワークから、メモリ192上に直接ロードされ、CPU191により実行されるようにしてもよい。
【0059】
図8は、携帯電話160の概略図である。
【0060】
図示するように、携帯電話160は、アンテナ161と、無線部162と、制御部163と、記憶部166と、表示部167と、入力部168と、マイク169と、スピーカ170と、撮像部171と、を備える。
【0061】
無線部162は、アンテナ161を介して無線による通信を行う。なお、無線部162では、送受信するデータの変復調や、周波数変換といった処理も行う。
【0062】
また、本実施形態においては、無線部162は、時分割や符号分割等の多重化技術を用いることにより、音声通話とデータ通信とを同時に行うことができるようにされている。
【0063】
制御部163は、通信制御部164と、写真データ処理部165と、を備える。
【0064】
通信制御部164は、携帯電話160における通信処理全体を制御する。
【0065】
写真データ処理部165は、通信制御部164において音声応答装置110より受信したメールに特定の識別情報があると判断された場合には、記憶部166に記憶された写真データを添付した返信メールを生成するとともに、当該返信メールを送信する指示の入力を受け付けるための画面を表示部167に出力する。
【0066】
そして、写真データ処理部165は、入力部168を介して、携帯電話160のユーザより返信メールを送信する指示の入力を受け付けると、通信制御部164を介して、音声応答装置110に写真データを添付した返信メールを送信する処理を行う。
【0067】
記憶部166は、携帯電話160においてデータを保持する。ここで、本実施形態においては、予め定められた領域に写真データを記憶する。
【0068】
表示部167は、データを表示する。
【0069】
入力部168は、データの入力を受け付ける。
【0070】
マイク169は、音声の入力を受け付ける。
【0071】
スピーカ170は、音声データを出力する。
【0072】
撮像部171は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を介して写真データを生成する。
【0073】
なお、撮像部171で撮像された写真データは、携帯電話160のユーザの指示により記憶部166の予め定められた領域に記憶される。
【0074】
図9は、本発明において、携帯電話160からの電話を受けた音声応答装置110における処理を示すフローチャートである。
【0075】
まず、携帯電話160からの電話を、音声回線IF部140を介して受信した音声応答装置110は、シナリオ制御部135が電話の受信時のシナリオに対応するガイダンス音声をガイダンス音声情報記憶領域121から取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が音声回線制御部132を介して音声回線IF部140から携帯電話160に対して、例えば、「はい、こちらは写真プリントサービスです。」といったガイダンス音声を出力する(S10)。
【0076】
次に、音声応答装置110のシナリオ制御部135は、携帯電話160からの発信者番号が会員管理テーブル122aの電話番号欄122fに格納されているか否かを確認し(S11)、格納されていない場合(発信者番号が通知されない場合も含めて)には(ステップS11でNo)、ステップS12に進み、格納されている場合には(ステップS11でYes)、ステップS14に進む。
【0077】
ステップS12では、シナリオ制御部135は、ガイダンス音声情報記憶領域121からユーザの認証を行うシナリオに対応するガイダンス音声を取得して、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が音声回線制御部132を介して音声回線IF部140から携帯電話160に対して、例えば、「会員番号とパスワードを入力してください。」といったガイダンス音声を出力する。
【0078】
そして、音声応答装置110では、携帯電話160から会員番号とパスワードとを特定するPB信号を受信し、受信したPB信号をPB信号解析部133で解析し、シナリオ制御部135は、解析した会員番号とパスワードが会員管理テーブル122aの会員番号欄122d及びパスワード欄122eに同じレコードとして格納されているか否かを確認し(S13)、格納されていない場合には(ステップS13でNo)、ステップS12に戻り処理を繰り返し、格納されている場合には(ステップS13でYes)、ステップS14に進む。
【0079】
ステップS14では、シナリオ制御部135は、ユーザからメニュー選択を受け付けるためのガイダンス音声をガイダンス音声情報記憶領域121から取得してガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、例えば、「写真データの送信は1、写真情報確認は2、印刷注文は3、終了は♯を押してください。」といったガイダンス音声を出力する。
【0080】
そして、音声応答装置110では、携帯電話160からのPB信号を受信し、受信したPB信号をPB信号解析部133で解析し、解析したPB信号が、「♯」を特定するものである場合には(ステップS15でYes)、シナリオ制御部135は、処理を終了するためのガイダンス音声をガイダンス音声情報記憶領域121から取得してガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、例えば、「ありがとうございました。」といったガイダンス音声を出力して(S16)、音声回線制御部132が音声回線を切断し(S17)、処理を終了する。
【0081】
また、解析したPB信号が、「1」を特定するものである場合には(ステップS18でYes)、音声応答装置110は、写真データ受信処理を行う(S19)。なお、写真データ受信処理については、図10を用いて説明する。
【0082】
また、解析したPB信号が、「2」を特定するものである場合には(ステップS20でYes)、音声応答装置110は、写真データ確認処理を行う(S21)。なお、写真データ確認処理については、図11を用いて説明する。
【0083】
また、解析したPB信号が、「3」を特定するものである場合には(ステップS22でYes)、音声応答装置110は、印刷注文受信処理を行う(S23)。なお、印刷注文受信処理については、図12及び図13を用いて説明する。
【0084】
なお、ステップS19、ステップS21又はステップS23を経た後は、シナリオ制御部135は、ステップS14に戻り処理を繰り返す。
【0085】
図10は、写真データ受信処理を示すシーケンス図である。
【0086】
写真データ受信処理は、音声応答装置110が、メニュー選択シナリオにおいて、音声回線IF部140を介して、携帯電話160より「1」を特定するPB信号を受信することにより開始される(S30)。
【0087】
携帯電話160より「1」を特定するPB信号を受信した音声応答装置110では、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より写真データを受信するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「写真データを受信します。少々お待ちください。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S31)。
【0088】
そして、音声応答装置110の写真データ登録部137が、「1」を特定するPB信号を送信した携帯電話160のメールアドレスを会員管理テーブル122aより取得して、当該メールアドレスに特定の識別情報を有するメールをデータ回線制御部134及びデータ回線IF部150を介して送信する(S32)。
【0089】
このようなメールを受信した携帯電話160では、写真データ処理部165が、受信したメールに特定の識別情報があると判断された場合には、記憶部166に記憶された写真データを添付した返信メールを生成する(S33)。ここで、本実施形態においては、写真データ処理部165は、記憶部166の予め定められた領域に記憶されている全ての写真データを返信メールに添付するものとする。また、各々の写真データには、当該写真データが撮像された際の年、月、日及び時間を特定する情報が付加されているものとする。
【0090】
そして、写真データ処理部165は、表示部167に返信メールを送信する指示を入力するための画面を表示し、入力部168を介して、携帯電話160のユーザより返信メールを送信する指示の入力を受け付けると(S34)、通信制御部164を介して、音声応答装置110に写真データを添付した返信メールを送信する(S35)。
【0091】
このような返信メールを、データ回線IF部150を介して受信した音声応答装置110では、写真データ登録部137が、メールアドレスに対応する会員番号を会員管理テーブル122aより特定し、写真情報記憶領域125に形成されている当該会員番号により特定されるユーザのフォルダに、写真データに付加されている年月日時間情報に対応するフォルダをそれぞれの階層において生成し、添付されてきた写真データを、時間をフォルダ名としたフォルダに格納するとともに、写真管理テーブル123aに新たなレコードを生成して、当該会員番号、写真データの格納位置及び写真のサイズ情報を対応する欄に格納する(S36)。
【0092】
そして、音声応答装置110のシナリオ制御部135は、写真データの受信を終了するためのガイダンス音声をガイダンス音声情報記憶領域121から取得してガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、例えば、「写真データを受け取りました。」といったガイダンス音声を、音声回線制御部132及び音声回線IF部140を介して携帯電話160に出力して(S37)、写真データ受信処理を終了する。
【0093】
図11は、写真データ確認処理を示すシーケンス図である。
【0094】
写真データ確認処理は、音声応答装置110が、メニュー選択シナリオにおいて、音声回線IF部140を介して、携帯電話160より「2」を特定するPB信号を受信することにより開始される(S40)。
【0095】
携帯電話160より「2」を特定するPB信号を受信した音声応答装置110では、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より写真データを確認するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「写真データ情報を案内いたします。少々お待ちください。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S41)。
【0096】
そして、音声応答装置110の写真データ登録部137が、「2」を特定するPB信号を送信した携帯電話160の電話番号から会員管理テーブル122aを検索して会員番号を特定し、または、図9のステップS12で受信したPB信号から会員番号を特定し、当該会員番号に対応する写真管理テーブル123aの格納位置欄123cに格納されている情報から月単位で写真の枚数を集計する(S42)。
【0097】
そして、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より写真データの枚数を報告するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「2007年1月の写真は××枚、2007年2月の写真は××枚、・・・。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S43)。ここで、「××」の部分については、ステップS42において月単位で集計された写真の枚数に対応する音声データを、シナリオ制御部135がガイダンス音声情報記憶領域121から抽出して、写真データの枚数を報告するためのシナリオに対応するガイダンス音声に合成することにより生成される。
【0098】
次に、シナリオ制御部135は、ガイダンス音声情報記憶領域121より各時間における写真データの枚数を確認するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「どのデータを確認しますか。年と月を入力してください。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S44)。
【0099】
そして、携帯電話160から、年と月とを特定するPB信号が送信されてくると(S45)、音声応答装置110のPB信号解析部133が、受信したPB信号を解析し、当該PB信号により特定される年月における写真データの枚数を、写真管理テーブル123aの格納位置欄123cに格納されている情報から集計する(S46)。
【0100】
そして、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より時間単位の写真データの枚数を報告するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「1日9時の写真は××枚、1日10時の写真は××枚、・・・。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力して(S47)、写真データの確認処理を終了する。ここで、「××」の部分については、ステップS46において日、時間単位で集計された写真の枚数に対応する音声データを、シナリオ制御部135がガイダンス音声情報記憶領域121から抽出して、日、時間単位の写真データの枚数を報告するためのシナリオに対応するガイダンス音声に合成することにより生成される。
【0101】
図12は、印刷注文受信処理を示すシーケンス図である。
【0102】
印刷注文受信処理は、音声応答装置110が、メニュー選択シナリオにおいて、音声回線IF部140を介して、携帯電話160より「3」を特定するPB信号を受信することにより開始される(S50)。
【0103】
携帯電話160より「3」を特定するPB信号を受信した音声応答装置110では、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より印刷する写真データを特定するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「印刷する写真データの年月日時間及び枚数を入力してください。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S51)。
【0104】
そして、携帯電話160から、印刷する写真データの年月日時間及び枚数を特定するPB信号が送信されてくると(S52)、音声応答装置110のPB信号解析部133が受信したPB信号を解析し、受渡予約登録部138が、PB信号を送信した携帯電話160の電話番号から会員管理テーブル122aを検索して会員番号を特定し、または、図9のステップS12で受信したPB信号から会員番号を特定し、当該会員番号に対応する写真管理テーブル123aの格納位置欄123cに格納されている情報を確認することで、印刷する写真データを特定する(S53)。
【0105】
そして、音声応答装置110の受渡予約登録部138は、携帯電話160からPB信号を受信した時刻と、特定した会員番号と、写真管理テーブル123aの格納位置欄123cで確認された格納位置を特定する情報と、PB信号で特定された枚数情報と、を予約管理テーブル124の新たに生成されたレコードにおける注文日欄124b、会員番号欄124c、格納位置欄124d、および、枚数欄124e、にそれぞれ格納する(S54)。
【0106】
そして、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より写真データの印刷を受注した旨を報告するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「2007年1月1日9時の写真の印刷○○枚を受け付けました。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S55)。
【0107】
次に、シナリオ制御部135は、ガイダンス音声情報記憶領域121より送付先の住所を特定するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「登録された住所に送付する場合は1、別の住所に送付する場合には2、を押してください。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S56)。
【0108】
そして、携帯電話160から、例えば、1を特定するPB信号が送信されてくると(S57)、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より送付先の住所を知らせるためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「登録されている住所へ送信いたします。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S58)。
【0109】
そして、受渡予約登録部138は、ステップS53で特定した会員番号に対応する住所を、会員管理テーブル122aの住所欄122cから特定し、特定した住所を当該会員番号に対応する予約管理テーブル124aの住所欄124fに格納する(S59)。
【0110】
さらに、シナリオ制御部135は、ガイダンス音声情報記憶領域121より受注を完了した旨のシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「写真を送付します。ありがとうございました。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力して(S60)、印刷注文受信処理を終了する。
【0111】
図13は、図12のステップS56への対応として、別の住所に送付することが選択された際の処理を示すシーケンス図である。
【0112】
まず、図12のステップS56への対応として、携帯電話160から、2を特定するPB信号が送信されてくると(S70)、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より送付先の住所を取得するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「新規住所へ送付します。住所を述べてください。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S71)。
【0113】
そして、携帯電話160のユーザが口述した住所を、音声回線IF部140を介して受信した音声応答装置110は(S72)、受渡予約登録部138が、受信した音声データを音声認識して住所を特定する(S73)。
【0114】
そして、シナリオ制御部135が、ガイダンス音声情報記憶領域121より住所を確認するためのシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「○○○○ですね。よろしければ1、やり直す場合には2、を押してください。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力する(S74)。ここで、「○○○○」の部分については、ステップS73で認識した住所に対応する音声データを、シナリオ制御部135がガイダンス音声情報記憶領域121から抽出して、住所を確認するためのシナリオに対応するガイダンス音声に合成することにより生成される。
【0115】
そして、携帯電話160から、例えば、1を特定するPB信号が送信されてくると(S75)、ステップS73で認識した住所を、図12のステップS53で特定した会員番号に対応する予約管理テーブル124aの住所欄124fに格納する(S76)。
【0116】
さらに、シナリオ制御部135は、ガイダンス音声情報記憶領域121より受注を完了した旨のシナリオに対応するガイダンス音声を取得し、ガイダンス再生部136に渡し、ガイダンス再生部136が、音声回線IF部140を介して、例えば、「写真を送付します。ありがとうございました。」という音声ガイダンスを携帯電話160に出力して(S77)、印刷注文受信処理を終了する。
【0117】
なお、ステップS75において、2を特定するPB信号が携帯電話160から送られてきた場合には、ステップS71に戻り、処理を繰り返す。
【0118】
以上のように、本発明においては、音声ガイダンスを用いて、写真データ受信処理、写真データ確認処理、印刷注文受信処理、を行うことができるため、携帯電話160の操作になれていない者であっても、容易にこれらの処理を行うことができるようになる。
【0119】
以上に記載した実施形態においては、音声応答装置110からメールを受信した携帯電話160において記憶部166の特定の領域に記憶されている写真データを全て返信メールに添付するようにしているが、このような態様に限定されず、例えば、音声応答装置110の写真データ登録部137がメールを送るユーザより既に受信している写真データの内で、最も後の年月日時間のものを特定して、送信するメールに格納することで、携帯電話160の写真データ処理部165が、メールで特定される年月日時間以降の写真データを返信メールに添付するようにすることも可能である。
【0120】
また、携帯電話160の写真データ処理部165において、既に送信した写真データを管理しておき、未だ送信していない写真データのみを返信メールに添付するようにしてもよい。
【0121】
また、以上に記載した実施形態においては、音声応答装置110は、PSTN網150と、IP網と、に接続されているが、このような態様に限定されず、音声通信とデータ通信とを同時に行うことができる通信網であればどのような通信網に接続されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】写真サービスシステムの概略図。
【図2】音声応答装置の概略図。
【図3】会員管理テーブルの概略図。
【図4】写真管理テーブルの概略図。
【図5】予約管理テーブルの概略図。
【図6】写真データを記憶するフォルダ構成を示す概略図。
【図7】コンピュータの概略図。
【図8】携帯電話の概略図。
【図9】携帯電話からの電話を受けた音声応答装置における処理を示すフローチャート。
【図10】写真データ受信処理を示すシーケンス図。
【図11】写真データ確認処理を示すシーケンス図。
【図12】印刷注文受信処理を示すシーケンス図。
【図13】図12のステップS56への対応として、別の住所に送付することが選択された際の処理を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0123】
100 写真サービスシステム
110 音声応答装置
120 記憶部
121 ガイダンス音声情報記憶領域
121 会員管理情報記憶領域
123 写真管理情報記憶領域
124 予約管理情報記憶領域
125 写真情報記憶領域
130 制御部
131 主制御部
132 音声回線制御部
133 PB信号解析部
134 データ回線制御部
135 シナリオ制御部
136 ガイダンス再生部
137 写真データ登録部
138 受渡予約登録部
140 音声回線IF部
150 データ回線IF部
160 携帯電話
161 アンテナ
162 無線部
163 制御部
164 通信制御部
165 写真データ処理部
166 記憶部
167 表示部
168 入力部
169 マイク
170 スピーカ
171 撮像部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話との間で音声通信及びデータ通信を行うことのできる音声応答装置であって、
前記携帯電話から、音声通信において写真データを送信することを特定する送信情報を取得する処理と、
前記送信情報を取得することにより、前記音声通信中に、前記携帯電話からデータ通信において写真データを受信する処理と、を行う制御部を備えること、
を特徴とする音声応答装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音声応答装置であって、
前記制御部は、
音声ガイダンスを前記携帯電話に送信する処理と、
前記音声ガイダンスの応答として、特定のPB信号を取得する処理と、
を行うことで、前記送信情報を取得する処理とすること、
を特徴とする音声応答装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の音声応答装置であって、
前記携帯電話の電話番号と、メールアドレスと、を特定する情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記携帯電話より前記送信情報を取得した際に、前記携帯電話の電話番号に対応するメールアドレスを前記記憶部から取得して、特定の識別情報を含むメールを当該メールアドレスに送信する処理と、
前記携帯電話より、前記メールの返信メールに添付された写真データを取得する処理と、
を行うこと、
を特徴とする音声応答装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の音声応答装置であって、
前記制御部は、
前記携帯電話との間でPB信号により、写真データの確認及び写真データの印刷の少なくとも何れか一方の処理を行う指示を受信するための音声ガイダンスを前記携帯電話に送信する処理を行うこと、
を特徴とする音声応答装置。
【請求項5】
音声応答装置との間で音声通信及びデータ通信を行うことのできる携帯電話であって、
前記音声応答装置との間の音声通信中に、前記音声応答装置から前記携帯電話へのデータ通信に対する応答として、写真データを前記音声応答装置に送信すること、
を特徴とする携帯電話。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯電話であって、
前記音声応答装置からの音声ガイダンスに対して特定のPB信号を前記音声応答装置に送信することで、前記音声応答装置からのデータ通信を受信すること、
を特徴とする携帯電話。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の携帯電話であって、
前記音声応答装置からのメールを受信し、
受信したメールの返信メールに前記写真データを添付して前記音声応答装置に送信すること、
を特徴とする携帯電話。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯電話であって、
前記音声応答装置からのメールには、年月日時間を特定する情報が格納されており、
受信したメールの返信メールに前記年月日時間以降に撮像された写真データを添付すること、
を特徴とする携帯電話。
【請求項9】
携帯電話と、当該携帯電話との間で音声通信及びデータ通信を行うことのできる音声応答装置と、を備える写真サービスシステムであって、
前記音声応答装置は、
前記携帯電話から、音声通信において写真データを送信することを特定する送信情報を取得する処理と、
前記送信情報を取得することにより、前記音声通信中に、前記携帯電話からデータ通信において写真データを受信する処理と、を行う制御部を備えること、
を特徴とする写真サービスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−152954(P2009−152954A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329876(P2007−329876)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】