説明

音階、及び、コード移調早見表器具

【課題】音階を頭に浮べ、移調の度数を数えなくても、回転体であるシートを廻し、音名を合わせるだけで、原調楽器及び移調楽器の音階及びコードの移調が簡単かつ正確にできる音階・コード移調早見表器具を提供する。
【解決手段】シート1に原曲音階の音名列(列1)とし、円状に並べた桝目に12音階の音名を右周りに表記する。シート2に原音C楽器の音階音名列(列2)、原音B♭移調楽器の音階音名列(列3)、原音E♭移調楽器の音階音名列(列4)を設け、音名を表記する。シート1とシート2は、同じ回転軸11にて、接合合体され、相互回転することができ、列1に対して、列2、列3、列4の音名を照合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽、特に、洋音楽に関するものであり、本発明の器具を利用する事によって、音階、及び、コードの移調が、早く、正確に出来るようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、音階、及び、コードを移調するとき、変化する音階の度数の度合いを、頭に浮かべたり、紙に列記したりして移調していた。 この例として、非特許文献1に開示されているものがある。
【非特許文献1】吉田眞由美 著 はじめての楽譜 (株)永岡書店 2006年 7月10日 発行 P23 P92 P114
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のように、移調する都度に、音階を頭に浮べ、譜面の音階、及び、コードを変更していたのでは、時間がかかり、不正確な事が多々ある、この不都合を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための請求項1の発明はシート1に、原曲音階音名列を、列1(図1参照)とし、均等に12分割され円状に並んだ、桝目5に、12音階の音名を順次表記する。これにて1オクターブ分の音名が円状に並ぶ。
【0005】
また、請求項2の発明のシート2(図2、参照)は、原音Cの原調楽器の音階音名列2、原音B♭の移調楽器の音階音名列3、原音E♭の移調楽器の音階音名列4、を表記した回転板とする。
列2は、ピアノ、ギター、ベース等の列であり、列3は、テナーサックス、トランペット、クラリネット等の列であり、また列4は、アルトサックス、バリトンサックス等の列である。
【0006】
また、請求項3の発明は、シート1と、シート2は同じ回転軸11で接合合体されており、相互回転する事ができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、音階、及び、コードの移調の時に、従来の方法の様に、音階を頭に浮べ、移調の度数を数えなくても、回転体であるシート2(図2参照)を廻し、音名を合わせるだけで、移調するために移動した角度と移調の度数は同じであるため、原調楽器、及び、移調楽器の、音階、及び、コードの移調が簡単かつ、正確にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
シート1(図1参照)の、中心点10、より同心円である、外円3、と内円4を描き、二つの円に囲まれた部分を列1とする。列1を音階の数と同数の12の桝目に均等に分割

【0009】
回転体となる、シート2(図2参照)には、中心点10より同心円6,7,8,9、を描き、各円に囲まれた、列2,3,4の三列をつくる。各列は前項と同様12分割され、音名を各桝目5に記載する。 内円4(図1参照)と、外円6(表2参照)の直径は同じ寸法とする、それは、列1と列2の音名が重複しないように、するためである。
【0010】
各列2,3,4、の桝目5への音名の記入方法であるが、列2(図2参照)は、どの桝

と順次記入し、列4には、列3の音名Dの下段に音名AよりB♭・B・C・・・・・と順次記入する。
それは、列2は原調楽器原音Cであり、列3,4は原音の異なる、移調楽器原音B♭、移調楽器原音E♭の表であるからである。
【0011】
シート2(図2参照)は、円6で円盤状に切り抜かれた回転体であり、シート1(図1参照)に、中心点10を同じくする位置に、回転軸11で接合合体(図3、図4参照)する事により、シート1の上で回転する文字版となり、移調度に応じて回転させ、シート1の列1の原曲音名に、シート2の列2、3,4の移調したい音名を合わせ、対比、対照する事だけで、他の音階、及び、コードの移調も簡単、かつ正確に出来るものである。
【0012】
シート1、2の材質は紙でも化学合成樹脂製でもよい、また円3,4,6,7,8,9は、円でも多角形でもよい。
桝目5の分割は12分割でも24分割でもよく、12音階の倍数であればいい。
音階を表記する音名は、ドイツ音名、イタリア音名、日本音名でもよい、本発明は英・米音名で表記してある。
【実施例】
【0013】
原曲がハ長調・コードCの曲を、音階移調し、ト長調・コードGで演奏する時、原曲の音階、及び、各小節のコードを書き直さねばならない、この時に本発明の早見表を使用すれば、一目瞭然に判明することができる。
実施例、原曲がコードCであるから、シート2(図2、図3参照)の回転盤を回転させ、列2の音名Gの桝目5を、シート1の列1の音名Cの桝目5の下段に合わせればいい(実施例1参照)、いわゆる列1と列2を照合するだけで移調が出来る。
故に、原曲の音階がC(ド)であれば移調音はG(ソ)であり、E♭(ミ)であればB♭(♭シ)であり、A(ラ)であればE(ミ)である、コードも同様読み取ればいい。
移調楽器原音B♭であれば列1と列3を照合すればいい、ちなみに、原曲の音階がC(ド)であれば列3を読み取りA(ラ)となり、E♭(♭ミ)であればC(ド)となり、A(ラ)であればG♭(♭ソ)となる。
移調楽器原音E♭の場合も同様、列1と列4を照合すればいい。
いわゆる、原曲の音階、及び、コードを列1とし、演奏楽器に応じて列2、3、4いずれかを選び移調したい音階の音名を、シート1の原曲の音名に合わせ、照合すれば、一目瞭然に、簡単かつ、正確に判明することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の、シート1,2は工業的に量産でき、シート上に印刷するだけの事であるため、産業上の利用可能性を有し,音楽上に最も必要性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】シート1の表面に、列1の12音階の音名を表記した正面図である。
【図2】シート2の回転体の表面の列2、3、4に12音階の音名の配列を表記した正面図である。2本の→は左右可能な回転体であることを示している。
【図3】中心点10を同じくする回転軸11で、シート1とシート2が接合合体された正面図である。
【図4】図3をA−A‘面で切断した断面図である。
【図5】シート1の列1の音名Cの桝目に、シート2を回転させ列2の音名Gの桝目を合わせ、いわゆるハ長調の曲をト長調に移調した時の正面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 シート(本考案の本体)
2 シート(本考案の回転体)
3 シート1の外円
4 シート1の内円
5 音名を記入するための桝目
6 シート2の外円
7 シート2の内円
8 シート2の内円
9 シート2の最内円
10 円の中心点
11 回転軸
列1 シート1の原曲の音名列
列2 シート2の原調楽器原音Cの音名列
列3 シート2の移調楽器原音B♭の音名列
列4 シート2の移調楽器原音E♭の音名列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート1(図1参照)に、原曲音階の音名列(列1)とし、円状に並べた桝目5に、12音階の音名を右周りに表記する。
【請求項2】
シート2(図2参照)に、原音C楽器の音階音名列(列2)、原音B♭移調楽器の音階音名列(列3)、原音E♭移調楽器の音階音名列(列4)、を設け、図1同様音名を表記する。但、表記方法であるが、列3は、列2の音名Cの桝目の下段に、音名Dをもっていき、順次表記する。また、列4は、列3の音名Dの桝目の下段に、音名Aをもっていき、順次表記する。
【請求項3】
シート1と、シート2は、同じ、回転軸11にて、接合合体され、相互回転することが出来、列1に対して、列2、列3、列4の音名を照合することができる。
【請求項4】
上記請求項1,2,3をかねそなえることを特徴とする、音階・コード移調早見表器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−205120(P2009−205120A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84754(P2008−84754)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(305038810)有限会社 ジェイプロテック (1)