説明

音響機器の接続装置

【課題】簡素な構成で、一つのスピーカに対して複数の音響機器を容易に接続することができるようにした、音響機器の接続装置を提供する。
【解決手段】第1音響機器6aに接続されてスピーカ7aの駆動信号を伝達する第1巻線1と、第1巻線1が接続された第1音響機器6aとは別の第2音響機器6bに接続されてスピーカ7aの駆動信号を伝達する第2巻線2と、スピーカ7aに接続される第3巻線3と、第1巻線1,第2巻線2及び第3巻線3を電気的に絶縁するとともに、第1巻線1,第2巻線2及び第3巻線3の各々に対して磁気的に結合され、電磁誘導により第1巻線1及び第2巻線2の該駆動信号を第3巻線3へ伝達する磁気回路4とを備え、第1巻線1及び第3巻線3の巻数比、並びに、第2巻線2及び第3巻線3の巻数比をともに1に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカと複数の音響機器とを接続する音響機器の接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧ショベルに代表される作業機械のキャブ内には、操作レバーや操作スイッチ,モニタ,空調装置の他、ラジオ,無線機等の音響機器や、それらの音響機器用のスピーカが設けられている。スピーカは通常、各々の音響機器に対応した専用品が用いられる。作業機械の進歩とともにキャブ内に配置される機器類の数や種類が増加し、レイアウトが複雑化するとともに室内空間が狭くなりつつある。
【0003】
近年、音響機器のオプションとして、CD,MDプレイヤーやDVDドライブ等の装備追加が要望されている。しかし、これらの各音響機器専用のスピーカを取り付けるスペースをキャブ内に確保すれば、さらに室内空間が狭くなるだけでなく、スピーカへの配線が複雑となりコストが上昇してしまう。
このような課題に対し、一つのスピーカに複数の音響機器を接続する手法を用いることが考えられる。例えば、特許文献1に記載されたように、複数のスピーカ入力回線のうちの1回線を選択するスイッチを設け、スイッチ操作によりスピーカ装置に接続されるスピーカ入力回線を切り換えるものである。これにより、任意のスピーカ入力回線からの電気信号を一つのスピーカ装置から出力させることができる。
【特許文献1】特開2003−111184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数のスピーカ入力回線のうち、2回線以上の入力回線を同時に接続することができない。つまり、一般的な音響機器においては、低周波出力回路同士を直接接続すると、一方の回路の出力信号によって他方の回路が不具合を生じることがあるため、各々の回路を独立させる必要がある。そのため、2回線以上の入力回線からの電気信号をスピーカ装置から同時に出力させることが難しい。
【0005】
また、近年の音響機器の出力系統は2系統(左チャンネル及び右チャンネルのステレオ出力)となっているため、上述の特許文献1に記載されたように、スイッチやリレーを用いて入力信号を切り換えるには、左右それぞれのスピーカに対応したスイッチ,リレーが必要となり、回路構成が複雑となってしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で、一つのスピーカに対して複数の音響機器を容易に接続することができるようにした、音響機器の接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明の音響機器の接続装置は、スピーカと該スピーカの駆動信号を出力する複数の音響機器との間に介装されて該駆動信号を伝達する音響機器の接続装置において、該複数の音響機器のうちの第1音響機器に接続されて該スピーカの駆動信号を伝達する第1巻線と、該複数の音響機器のうち、該第1巻線が接続された該第1音響機器とは別の第2音響機器に接続されて該スピーカの駆動信号を伝達する第2巻線と、該スピーカに接続された第3巻線と、該第1巻線,該第2巻線及び該第3巻線を電気的に絶縁するとともに、該第1巻線,該第2巻線及び該第3巻線の各々に対して磁気的に結合され、電磁誘導により該第1巻線及び該第2巻線の該駆動信号を該第3巻線へ伝達する磁気回路とを備え、該第1巻線及び該第3巻線の巻数比、並びに、該第2巻線及び該第3巻線の巻数比がともに1に設定されていることを特徴としている。
【0007】
つまり、該第1巻線及び該第2巻線の駆動信号によって、該磁気回路に磁場変動が生じ、第3巻線に誘導起電力が発生する。なお、該スピーカの駆動信号は、交流の電気信号である。また、該磁気回路が、該第1巻線,該第2巻線及び該第3巻線のコイル内に挿通された鉄心であることが好ましい。あるいは、該磁気回路が、該第1巻線,該第2巻線及び該第3巻線のコイルの外側に配置されてもよい。
【0008】
また、請求項2記載の本発明の音響機器の接続装置は、請求項1記載の構成において、該第3巻線が接続される該スピーカとは別の第2スピーカに接続されるとともに、該第1巻線及び該第2巻線の各々に対して磁気的に結合され、電磁誘導により該第1巻線及び該第2巻線の該駆動信号を伝達される第4巻線とを備え、該第1巻線及び該第4巻線の巻数比、並びに、該第2巻線及び該第4巻線の巻数比がともに1に設定されていることを特徴としている。
【0009】
つまり、該第2スピーカには該スピーカと同一の駆動信号が、誘導起電力によって供給される。
また、請求項3記載の本発明の音響機器の接続装置は、請求項1又は2記載の構成において、該スピーカが、左チャンネル用スピーカ及び右チャンネル用スピーカからなるステレオスピーカであって、該第1音響機器及び該第2音響機器の各々が、左チャンネル用駆動信号及び右チャンネル用駆動信号を出力し、該第1巻線,該第2巻線,該第3巻線及び該磁気回路が、左チャンネル用駆動信号及び右チャンネル用駆動信号に対応して一対設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の本発明の音響機器の接続装置は、請求項3記載の構成において、一対の巻線を有し、一方の巻線を左チャンネル用の磁気回路に対して磁気的に結合されて左チャンネル用駆動信号を生成する第1閉回路と、一対の巻線を有し、一方の巻線を右チャンネル用の磁気回路に対して磁気的に結合されて右チャンネル用駆動信号を生成する第2閉回路と、該スピーカ及び該第2スピーカとは別の第3スピーカに接続される第5巻線と、該第1閉回路における他方の巻線,該第2閉回路における他方の巻線及び該第5巻線を電気的に絶縁するとともに、該第1閉回路における他方の巻線,該第2閉回路における他方の巻線及び該第5巻線の各々に対して磁気的に結合され、電磁誘導により該左チャンネル用駆動信号及び該右チャンネル用駆動信号の差分信号を該第3巻線へ伝達する第2磁気回路とをさらに備えたことを特徴としている。
【0011】
つまり、第2磁気回路により、SQ(スピーカマトリクス)方式の駆動信号が第5巻線へ伝達される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の音響機器の接続装置(請求項1)によれば、第1音響機器及び第2音響機器の出力を同時に一つのスピーカへ伝達することができる。例えば、ラジオやCDで音楽を聴きながら、同じスピーカを用いて無線機で受信した音声を聴くことができる。また、入力側と出力側と巻数比が1に設定されているため、電流,電圧が変換されることがなく、従来の音響機器への適用性が高い。また、構成が簡素かつ安価であるとともに構造的な信頼性が高く、故障しにくい。
【0013】
さらに、本接続装置によって接続されるスピーカ及び各音響機器は電気的に絶縁されて、電気信号の信号成分のみが伝達されるため、各々の音響機器の出力回路方式やグランド方式に依存しない。
また、本発明の音響機器の接続装置(請求項2)によれば、第2スピーカをスピーカのサブスピーカとして機能させることができる。これにより、スピーカの音響効果を高めることができる。
【0014】
また、本発明の音響機器の接続装置(請求項3)によれば、第1音響機器及び第2音響機器のステレオ出力を同時に一対のステレオスピーカへ伝達することができる。
また、本発明の音響機器の接続装置(請求項4)によれば、簡素な構成で、第3スピーカから疑似残響効果音を出力することができる。すなわち、複雑なデジタル技術を駆使したDSPを使用しなくとも、簡単に5.1chサラウンドシステムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る音響機器の接続装置の全体構成を示す模式図である。
[構成]
ここでは、音響機器の接続装置10を、作業機械としての油圧ショベルのキャブ内に適用したものを例示する。本接続装置10は、図1に示すように、右スピーカ7a及び左スピーカ7bと2種類のオーディオ(第1音響機器,第2音響機器)6a,6bとの間に介装されており、各オーディオ6a,6bから出力される駆動信号を各スピーカ7a,7bへ伝達するように機能する。
【0016】
各右スピーカ7a及び左スピーカ7b,オーディオ6a,6bは、本接続装置10と同様に、油圧ショベルのキャブ内に設けられている。なお、各オーディオ6a,6bには、スピーカを利用して音(音楽,音声等)を発生させる音響機器全般が含まれ、具体的には、ラジオやCDプレイヤー,MDプレイヤー,DVDプレイヤー,無線機(トランシーバ送受信機)等が含まれる。また、操作モードを音声で報知する機能を備えた作業機械の場合には、その音声を出力させる制御装置もこれに含まれるものとする。なお、ここでは各オーディオ6a,6bがステレオ出力を備えており、右チャンネル用の出力回路と左チャンネル用の出力回路とを有している。右チャンネル用の出力回路は右スピーカ7aの駆動信号を出力し、左チャンネル用の出力回路は左スピーカ7bの駆動信号を出力する。
【0017】
本接続装置10は、図1に示すように、2組の合成変成機器5a,5bを備えて構成される。各合成変成機器5a,5bは、略同一の構成を備えているため、一方の合成変成機器5aについて以下に詳述する。
合成変成機器5aは、第1巻線1,第2巻線2,第3巻線3及び鉄心(磁気回路)4を備えて構成される。第1巻線1は、オーディオ6aの右チャンネル用の出力回路に接続されて、右スピーカ7aの駆動信号を伝達するコイルである。一方、第2巻線2は、オーディオ6bの右チャンネル用の出力回路に接続されて、右スピーカ7aの駆動信号を伝達するコイルである。また、第3巻線3は、右スピーカ7aに接続されるコイルである。
【0018】
鉄心4は、第1巻線1,第2巻線2及び第3巻線3の各コイル内に挿通された磁性体であり、第1巻線1及び第2巻線2の各コイルにおける磁場変動を第3巻線3のコイルへ伝達して、第3巻線3に誘導起電力を生じさせる機能を有する。つまり、鉄心4は、第1巻線1,第2巻線2及び第3巻線3の各コイルを磁気的に結合し、電磁誘導によって一次側から二次側へと駆動信号を伝達する。第1巻線1,第2巻線2及び第3巻線3の各コイルは、互いに電気的に絶縁された状態で鉄心4に対して巻き付けられている。
なお、鉄心4は、第3巻線3に第1巻線1及び第2巻線2の励磁電流を生じさせるものであればその材質,形状等は任意であり、例えば鉄心4を第1巻線1,第2巻線2及び第3巻線3のコイルの外側に配置してもよい。
【0019】
また、第1巻線1の巻数と第3巻線3の巻数とが同一巻数に設定されている。同様に、第2巻線2の巻数と第3巻線3の巻数も同一となっている。すなわち、第1巻線1及び第3巻線3の巻数比、並びに、第2巻線2及び第3巻線3の巻数比がともに1に設定されている。合成変成機器5aは、各オーディオ6a,6bから右スピーカ7aへ伝達される電圧を変化させずに信号成分のみを伝達するトランスとして機能するものであり、例えば右スピーカ7aのインピーダンスに合わせて信号出力を変換する機能を持たない。なお、他方の合成変成機器5bは、各オーディオ6a,6bから左スピーカ7bへと駆動信号の信号成分のみを伝達するトランスとして機能するものである。
図1中において、各巻線1〜3のコイルの極性を黒丸で示す。ここでは、第1巻線1及び第2巻線2の極性が互いに揃う(同一方向となる)ように配置されている。
【0020】
[作用・効果]
このような構成により、一方の合成変成機器5aにおいては、2種類のオーディオ6a,6bから出力される右スピーカ7aの駆動信号が合成され、右スピーカ7aへ伝達される。また、他方の合成変成機器5bでは、左スピーカ7bの駆動信号が合成され、左スピーカ7bへ伝達される。したがって、本音響機器の接続装置10によれば、2種類のオーディオ6a,6bからのステレオ出力を同時に一対のスピーカ7a,7bへ伝達することができる。例えば、一方のオーディオ6aがラジオで他方のオーディオ7bが無線機である場合、従来の手法ではラジオ又は無線機の何れか一方を選択することしかできなかったが、本接続装置10を用いることによって、ラジオの音声と無線機の音声とを重ね合わせて同時に聴くことができる。
【0021】
また、本接続装置10では、第1巻線1,第2巻線2及び第3巻線3が互いに電気的に絶縁されているため、各々の音響機器の出力回路方式やグランド方式に依存せず、あらゆる音響機器とスピーカとの接続に用いることができる。例えば、マイナスアースの機器とプラスアースの機器とを接続することが可能であり、出力回路はトランス付きでもコンデンサカップリングでもコンプリメンタリ(1電源、あるいは2電源)でも適用可能である。
【0022】
また、入力側と出力側と巻数比が1に設定されているため、電流,電圧が変換されることがなく、従来の音響機器への適用性が高い。例えば、各スピーカ7a,7bのインピーダンスに合わせて信号出力を変換したい場合には、本接続装置10と各オーディオ6a,6bとの間に、公知のトランスを介装してやればよい。
さらに、本接続装置10は、3つの巻線1〜3及び鉄心4から成る極めて簡素な構成であるため、安価に製造することができる。また、構造的な信頼性が高く、故障しにくいというメリットもある。
【0023】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態は、油圧ショベルのキャブ内に本発明に係る音響機器の接続装置10が適用されたものを例示したが、本接続装置10の適用対象はこれに限定されない。複数の音響機器とスピーカとを備えられていれば、どのような対象であっても本接続装置10を用いることができる。
【0024】
また、上述の実施形態では、一つの接続装置10の中に2個の合成変成機器5a,5bを備えた構成となっているが、合成変成機器の数が一つでもよいし三つ以上であってもよい。
【0025】
[変形例1]
また、上述の実施形態では、各合成変成機器5a,5bにおいて、一次側に第1巻線1及び第2巻線2が配置され、二次側に第3巻線3が配置されているが、二次側に巻線を増設することも考えられる。
【0026】
例えば、図2に示すように、右スピーカ7a及び左スピーカ7bの各々に対応する増設スピーカ(第2スピーカ)7a′,7b′を設け、合成変成機器5a,5bの二次側に第4巻線8を追加する。第4巻線8の巻数は、第1巻線1及び第2巻線2の巻数と同一に設定する。第4巻線8を増設スピーカ7a′,7b′へ接続することにより、増設右スピーカ7a′には右スピーカ7aと同一の駆動信号が入力され、増設左スピーカ7b′には左スピーカ7bと同一の駆動信号が入力されて、サブスピーカとして機能する。したがって、接続可能なスピーカの数を増やすことができ、音響効果を高めることができる。
【0027】
[変形例2]
また、回路構成を工夫することによって、上述の実施形態におけるオーディオ6a,6bのような通常のステレオ出力の音響装置でも、サラウンドシステムを構築することが可能である。
例えば、図3に示すように、右スピーカ7a,左スピーカ7bの他に、サブ右スピーカ7c,サブ左スピーカ7d及びウーハー(第3スピーカ)7eの合計5種類のスピーカを設け、接続装置20には、3組の合成変成機器5a〜5cを設ける。合成変成機器5aの鉄心4が、左チャンネル用の磁気回路であり、合成変成機器5bの鉄心4が、右チャンネル用の磁気回路である。
【0028】
まず、各合成変成機器5a,5bにおいて、第1巻線1を一方のオーディオ6aへ接続し、第2巻線2を他方のオーディオ6bへ接続する。また、第3巻線3はそれぞれ、右スピーカ7a又は左スピーカ7bへと接続する。各合成変成機器5a,5bの二次側にはそれぞれ、サブ右スピーカ7c又はサブ左スピーカ7dへ接続される第4巻線を設ける。
これらの第4巻線は、図3に示すように、互いに配線が接続される。つまり、サブ右スピーカ7c及びサブ左スピーカ7dには、右スピーカ7a及び左スピーカ7bへ伝達される駆動信号の差分の信号が伝達される。これにより、サブ右スピーカ7c及びサブ左スピーカ7dでは、右スピーカ7a及び左スピーカ7bから出力される音の残響音成分(疑似残響効果音)が出力される。
【0029】
一方、合成変成機器5bにおける一次側に一方の巻線11aを配し、他方の巻線11bを合成変成機器5cにおける一次側に配する閉回路(第1閉回路)11を設ける。同様に、合成変成機器5aにおける一次側に一方の巻線12aを配し、他方の巻線12bを合成変成機器5cにおける一次側に配する閉回路(第2閉回路)12を設ける。合成変成機器5cにおける二次側には、ウーハー7eへ接続された第5巻線9を配する。また、第5巻線9とウーハー7eとの間には、ローパスフィルタ回路13を介装させる。
【0030】
つまり、ウーハー7eには、右スピーカ7a及び左スピーカ7bへ伝達される駆動信号の差分の信号のうち、低周波数の信号成分が伝達される。これにより、ウーハー7eでは、右スピーカ7a及び左スピーカ7bから出力される音のうち、低域の残響音成分(疑似残響効果音)が出力される。
なお、閉回路11における他方の巻線11bの巻数と、閉回路12における他方の巻線12bの巻数とを同一に設定し、また、閉回路11における他方の巻線11bの巻数と、第5巻線9の巻数とを同一に設定する。
【0031】
このような構成により、サブ右スピーカ7c,サブ左スピーカ7d及びウーハー7eから疑似残響効果音を出力することができる。すなわち、複雑なデジタル技術を駆使したDSPを使用しなくとも、簡単にサラウンドシステムを構築することができる。なお、図3に示された構成に、フロントスピーカをさらに増設することで、5.1chサラウンドシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る音響機器の接続装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の変形例に係る音響機器の接続装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の変形例に係る音響機器の接続装置の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0033】
1 第1巻線
2 第2巻線
3 第3巻線
4 鉄心(磁気回路)
5a,5b,5c 合成変成機器
6a オーディオ(第1音響機器)
6b オーディオ(第2音響機器)
7a,7b スピーカ
7a′,7b′ 増設スピーカ(第2スピーカ)
7e ウーハー(第3スピーカ)
8 第4巻線
9 第5巻線
10 接続装置
11 閉回路(第1閉回路)
12 閉回路(第2閉回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカと該スピーカの駆動信号を出力する複数の音響機器との間に介装されて該駆動信号を伝達する音響機器の接続装置において、
該複数の音響機器のうちの第1音響機器に接続されて該スピーカの駆動信号を伝達する第1巻線と、
該複数の音響機器のうち、該第1巻線が接続された該第1音響機器とは別の第2音響機器に接続されて該スピーカの駆動信号を伝達する第2巻線と、
該スピーカに接続された第3巻線と、
該第1巻線,該第2巻線及び該第3巻線を電気的に絶縁するとともに、該第1巻線,該第2巻線及び該第3巻線の各々に対して磁気的に結合され、電磁誘導により該第1巻線及び該第2巻線の該駆動信号を該第3巻線へ伝達する磁気回路とを備え、
該第1巻線及び該第3巻線の巻数比、並びに、該第2巻線及び該第3巻線の巻数比がともに1に設定されている
ことを特徴とする、音響機器の接続装置。
【請求項2】
該第3巻線が接続される該スピーカとは別の第2スピーカに接続されるとともに、該第1巻線及び該第2巻線の各々に対して磁気的に結合され、電磁誘導により該第1巻線及び該第2巻線の該駆動信号を伝達される第4巻線とを備え、
該第1巻線及び該第4巻線の巻数比、並びに、該第2巻線及び該第4巻線の巻数比がともに1に設定されている
ことを特徴とする、請求項1記載の音響機器の接続装置。
【請求項3】
該スピーカが、左チャンネル用スピーカ及び右チャンネル用スピーカからなるステレオスピーカであって、
該第1音響機器及び該第2音響機器の各々が、左チャンネル用駆動信号及び右チャンネル用駆動信号を出力し、
該第1巻線,該第2巻線,該第3巻線及び該磁気回路が、左チャンネル用駆動信号及び右チャンネル用駆動信号に対応して一対設けられている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の音響機器の接続装置。
【請求項4】
一対の巻線を有し、一方の巻線を左チャンネル用の磁気回路に対して磁気的に結合されて左チャンネル用駆動信号を生成する第1閉回路と、
一対の巻線を有し、一方の巻線を右チャンネル用の磁気回路に対して磁気的に結合されて右チャンネル用駆動信号を生成する第2閉回路と、
該スピーカ及び該第2スピーカとは別の第3スピーカに接続される第5巻線と、
該第1閉回路における他方の巻線,該第2閉回路における他方の巻線及び該第5巻線を電気的に絶縁するとともに、該第1閉回路における他方の巻線,該第2閉回路における他方の巻線及び該第5巻線の各々に対して磁気的に結合され、電磁誘導により該左チャンネル用駆動信号及び該右チャンネル用駆動信号の差分信号を該第3巻線へ伝達する第2磁気回路と
をさらに備えたことを特徴とする、請求項3記載の音響機器の接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−118430(P2008−118430A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300212(P2006−300212)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000190297)新キャタピラー三菱株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】