音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラム
【課題】本発明は、音場空間毎の設定操作を簡易に実行させ得るようにする。
【解決手段】本発明は、マルチチャンネルに対応した複数のスピーカ4を接続対象としたホームサーバ2であって、複数のスピーカ4を幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成されたメインゾーン、ゾーン2及びゾーン3を認識し、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3に対する各種設定をそれぞれ個別に行い、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3に対する設定内容をゾーン毎に一覧表示することにより、ユーザに対してメインゾーン、ゾーン2及びゾーン3毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3毎の各種設定を容易に実行させることができる。
【解決手段】本発明は、マルチチャンネルに対応した複数のスピーカ4を接続対象としたホームサーバ2であって、複数のスピーカ4を幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成されたメインゾーン、ゾーン2及びゾーン3を認識し、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3に対する各種設定をそれぞれ個別に行い、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3に対する設定内容をゾーン毎に一覧表示することにより、ユーザに対してメインゾーン、ゾーン2及びゾーン3毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3毎の各種設定を容易に実行させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムに関し、例えばマルチチャンネルスピーカシステムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチチャンネル再生機能を有するオーディオビジュアルアンプや、当該オーディオビジュアルアンプにチューナ機能を持たせたオーディオビジュアルレシーバ等のオーディオビジュアル音響機器(以下、これをAV音響機器と呼ぶ)においては、初期設定として必ず必要なものにスピーカ設定がある。
【0003】
一般的なマルチチャンネル再生機能を有するAV音響機器としては、例えばDVDビデオの音声フォーマットが5.1chであることに対応した左フロントスピーカFL、右フロントスピーカFR、センタスピーカC、左サラウンドスピーカSL、右サラウンドスピーカSR及びサブウーファSWからなる5.1chスピーカシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
近年では、DOLBY DIGITAL EX(商標)や、dts-ES(商標)等の6.1chの再生出力に対応したサラウンドバックスピーカを標準で装備しているAV音響機器もあり、さらにはサラウンドバックスピーカを2つにした7.1chや、サラウンドスピーカを4つにした9.1chのスピーカシステムが増えている。
【0005】
この種のマルチチャンネルスピーカシステムにおいては、実際に接続された複数のスピーカに対して、スピーカの有/無、大きい(全帯域再生用スピーカ)/小さい(中高帯域再生用スピーカ)等の項目について設定しなければ、最適なマルチチャンネル再生環境を構築することができないため、スピーカ設定機能が必須で搭載されているものが多い。
【0006】
またマルチチャンネルスピーカシステムにおいては、AV機器を部屋毎に分けて設置し、ユーザの部屋間の移動に伴い、移動前の部屋で聴取していた音楽を、移動後の部屋で引き続き聴取させるようにAV機器管理マネージャによりAV機器を制御するものがある(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開2005-12534公報
【特許文献2】特開2005-175660公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでかかる構成のマルチチャンネルスピーカシステムにおいては、スピーカ設定を行うに当たって、配置されているスピーカ毎に状態を決定していくため、多数の項目を一々設定しなければならず、ユーザにとっては非常に煩雑な操作を強いるという問題があった。
【0008】
またマルチチャンネルスピーカシステムでは、ユーザインタフェースとして表示能力の乏しいFL(Fluorescent Lamp)管等が音響機器に使用されていることが多く、個々の音場空間である部屋毎にスピーカ設定、ソースの選択、各種パラメータの設定をユーザに行わせるには、操作が複雑になり、誰でもが簡単に操作し得ないという問題があった。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、音場空間毎の設定操作を簡易に実行させ得る音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置であって、複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識手段と、複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定手段と、当該設定手段によって行われた複数のゾーンに対する設定内容を複数のゾーン毎に一覧表示するグラフィカルユーザインタフェース手段とを設けることにより、ユーザに対してゾーン毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、ゾーン毎の各種設定を容易に実行させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザに対してゾーン毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、ゾーン毎の各種設定を容易に実行させることができ、かくしてゾーンとして認識した音場空間毎の設定操作を簡易に実行させ得る音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)本実施の形態におけるAVシステムの全体構成
図1に示すように、本実施の形態におけるAV(Audio Visual)システム1は、ホームサーバ2に対して、複数の再生装置3、複数のスピーカ4及び表示部として、例えばLCD(Liquid Crystal Display)5をそれぞれ接続することにより構成される。
【0014】
この実施の形態では、再生装置3として、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ3A、CD(Compact Disk)プレーヤ3B及び携帯型音楽プレーヤ3Cがホームサーバ2にそれぞれ接続される。
【0015】
またこの実施の形態では、スピーカ4として、例えば、7.1chサラウンドシステムに対応する左フロントスピーカ4FL、右フロントスピーカ4FR、センタスピーカ4CT、左サラウンドスピーカ4SL、右サラウンドスピーカ4SR、左サラウンドバックスピーカ4SBL、右サラウンドバックスピーカ4SBR及びサブウーファ4SWがそれぞれホームサーバ2に対して接続される。
【0016】
これら各スピーカ4(4FL、4FR、4CT、4SL、4SR、4SBL、4SBR及び4SW)は、リスニングルームの状態や、実現したい音場空間等に応じて適宜配置されるようになされている。
【0017】
また、このAVシステム1では、音場空間に関する各種設定画面をLCD5に表示し、リモートコントローラRCLなどの操作に応じて設定された設定内容を保存すると共に、その設定内容に応じた音響環境を構築し、ユーザに聴取させ得るようになされている。
【0018】
(2)ホームサーバの構成
次に、このホームサーバ2の回路構成を説明する。図2に示すようにホームサーバ2は、制御部10に対して、操作入力部11、インターフェース12、データ記憶媒体13、FL管(蛍光表示管)14、グラフィック処理部15、ディジタル信号処理部16、配信処理部17及びアナログ信号処理部18がそれぞれ接続された構成を有する。
【0019】
制御部10は、このAVシステム1全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)と、基本プログラム及び各種アプリケーションプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)とを含むマイクロコンピュータで構成されている。
【0020】
操作入力部11は、このホームサーバ2の筺体表面及びリモートコントローラRCL(図1)に設けられた各種操作子(操作ボタンやロータリエンコーダ(回転自在のノブ)等)の操作に対応する制御データを生成し、これを制御部10へ送出する。
【0021】
インターフェース12は、例えばUSB(Universal Serial Bus)でなり、制御部10から供給される制御データを、このインターフェース12に接続された例えばDVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B及び携帯型音楽プレーヤ3Cへ送出する一方、当該DVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B及び携帯型音楽プレーヤ3Cにより生成された制御データを受け取って制御部10へ送出する。
【0022】
データ記憶媒体13は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)でなり、当該データ記憶媒体13には、音場空間に関する複数のスピーカ4に対する各種設定内容を表すデータ(以下、これを設定データと呼ぶ)D1と、GUI(Graphical User Interface)画面のテンプレートとなる各種画面データ(以下、これを設定画面データと呼ぶ)D2が記憶される。
【0023】
FL管14は、ホームサーバ2の筐体表面に設けられており、制御部10により生成されたコンテンツの内容を表す文字や、音場空間に関する設定項目の詳細を表す文字等を表示するようになされている。
【0024】
グラフィック処理部15には、DVDプレーヤ3Aによって再生されたビデオ信号が、図示しないディジタルビデオ入力端子、アナログビデオ入力端子又はコンポーネントビデオ入出力端子を介して入力される。またグラフィック処理部15には、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1及び設定画面データD2が入力される。
【0025】
グラフィック処理部15は、ビデオ信号が入力された場合、そのビデオ信号に対して所定の信号処理を施し、その結果として得られるビデオ信号をLCD5(図1)に出力することによって当該ビデオ信号に応じたビデオ映像を表示する。
【0026】
一方、グラフィック処理部15は、設定データD1及び設定画面データD2が入力された場合、これら設定データD1及び設定画面データD2に基づいてGUI画面データD3を生成し、これをLCD5(図1)に出力することによって当該GUI画面データD3に応じたGUI画面を表示するようになされている。
【0027】
ディジタル信号処理部16には、DVDプレーヤ3A又は携帯型音楽プレーヤ3Cによって再生される光ディジタルオーディオ信号が、ディジタル入出力端子を介してDIR(Digital Interface Receiver)31に入力される。またディジタル信号処理部16には、CDプレーヤ3Bによって再生されるアナログオーディオ信号が、アナログ入出力端子を介してディジタル信号処理部16のADC (Analog Digital Converter)32に入力される。
【0028】
DIR31は、光ディジタルオーディオ信号を電気信号によるディジタルオーディオ信号に変換し、これをデコーダ/DSP(Digital Signal Processor)33へ送出する。ADC32は、アナログオーディオ信号をディジタルオーディオ信号に変換し、これをデコーダ/DSP33へ送出する。
【0029】
デコーダ/DSP33は、DIR31又はADC32から供給されるディジタルオーディオ信号に対して各種処理を必要に応じて施すようになされている。具体的にはディジタルオーディオ信号が圧縮されている場合、デコーダ/DSP33は、当該圧縮方式に応じた伸長処理を施す。また、ディジタルオーディオ信号が7.1ch等の多重化信号である場合、デコーダ/DSP33は、チャンネル毎のディジタルオーディオ信号に分離する。
【0030】
さらにデコーダ/DSP33は、複数のスピーカ4によって形成される音像に関する設定データD1が制御部10から与えられている場合、その設定データD1に基づいて、例えばある周波数帯の信号に対する振幅や位相を調整したり、チャンネル数を擬似的に増減する等の処理を実行する。
【0031】
デコーダ/DSP33は、このような各種信号処理を適宜施し、その信号処理後に得られるディジタルオーディオ信号をDAC(Digital Analog Converter)34へ送出する。このディジタルオーディオ信号は、DAC34によりアナログオーディオ信号に変換され、配信処理部17へ出力される。
【0032】
配信処理部17は、DAC34から入力されるアナログオーディオ信号を、後段のアナログ信号処理部18のうち、当該アナログオーディオ信号のチャンネルに対応するボリューム調整部411〜418へ送出する。
【0033】
ボリューム調整部411〜418は、配信処理部17から入力されるアナログオーディオ信号のレベルを、操作入力部11から与えられるボリューム変更命令にしたがってチャンネル毎に調整し、当該調整後のアナログオーディオ信号をアンプ421〜428へ送出する。
【0034】
このチャンネル毎のアナログオーディオ信号は、アンプ421〜428により、各スピーカ4(4FL、4FR、4CT、4SL、4SR、4SBL、4SBR及び4SW)を駆動できるように増幅され、リレー431〜438を介して出力される。
【0035】
因みに、リレー431〜438は、例えば、操作入力部11から与えられる命令により、使用しないスピーカ4への出力を遮断することもでき、これにより使用するスピーカ4と、使用しないスピーカ4とを使い分けることができるようになされている。
【0036】
(3)制御部の具体的な処理内容
次に、このホームサーバ2における制御部10の具体的な処理内容を説明する。制御部10は、ROMに記憶された基本プログラム及び各種アプリケーションプログラムに従い、操作入力部11又はインターフェース12から与えられる制御データと、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1等に基づいて、表示部14、グラフィック処理部15、ディジタル信号処理部16、配信処理部17及びアナログ信号処理部18を適宜制御することによって各種処理を実行する。
【0037】
(3−1)再生処理
制御部10は、例えば再生命令を表す制御データが操作入力部11から与えられた場合、この再生命令の対象とされるDVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B又は携帯型音楽プレーヤ3Cを駆動して再生制御し、DVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B又は携帯型音楽プレーヤ3Cから供給されるコンテンツ情報に基づいて当該コンテンツの内容を表す文字データを生成し、当該文字データに応じた文字をFL管14及びLCD5に表示する。
【0038】
また制御部10は、DVDプレーヤ3Aを再生中、当該DVDプレーヤ3Aから供給されるビデオ信号に基づくビデオ映像を、グラフィック処理部15を介してLCD5(図1)に表示する。因みに、制御部10は、CDプレーヤ3B又は携帯型音楽プレーヤ3Cの再生中にあっては、各ソースに合わせた映像をグラフィック処理部15により生成し、これをLCD5に表示する。
【0039】
実際上、ホームサーバ2の制御部10は、電源の投入に伴い、グラフィック処理部15により、図3に示すようなホーム画面HMを生成し、これをLCD5に表示する。このホーム画面HMでは、「ビデオ」アイコンAC1、「ミュージック」アイコンAC2、「セッティング」アイコンAC3が最上位の階層に配置されている。
【0040】
制御部10は、ホーム画面HMの「ビデオ」アイコンAC1が選択決定された場合、図4に示すように、DVDプレーヤ3Aから供給されるビデオ信号に応じたビデオ映像VSをLCD5に表示する。
【0041】
また制御部10は、ホーム画面HMの「ミュージック」アイコンAC2が選択決定された場合、図5に示すように、例えばCDプレーヤ3Bの再生音声とは無関係の「NOW PLAYING」の文字からなる通知画面N1をグラフィック処理部15により生成し、これをLCD5に表示したり、或いは図6に示すように携帯型音楽プレーヤ3Cの再生トラック番号、再生経過時間、アーティスト名及びアルバム名等からなる通知画面N2をグラフィック処理部15により生成し、これをLCD5に表示するようになされている。
【0042】
これにより制御部10は、通知画面N1(図5)や通知画面N2(図6)により、CD再生中であることや、携帯型音楽プレーヤ3Cによる再生内容をユーザに対して視覚的に通知し得るようになされている。
【0043】
(3−2)音場設定処理
また制御部10は、例えば音場設定命令を表す制御データが操作入力部11から与えられた場合、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1及び設定画面データD2に基づくGUI画面データD3を、グラフィック処理部15を介して生成させ、当該GUI画面データD3に応じたGUI画面をLCD5(図1)に表示する。
【0044】
そして制御部10は、リモートコントローラRCLなどの操作に応じて操作入力部11から音場空間に配置された各スピーカ4に対する設定変更命令が与えられたとき、その設定変更命令の内容に応じて、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1の内容を書き換える。
【0045】
なお制御部10は、設定変更命令の内容が音像に関する内容であった場合、設定変更命令が与えられたとき、その設定変更命令に応じた音像となるように、所定のテスト音をスピーカ4から出力すると共に、当該音像をイメージとしてLCD5(図1)に表示することによって、聴覚及び視覚的に音像を表現し得るようになされている。
【0046】
(3−3)ゾーン設定処理
この実施の形態の場合、ホームサーバ2では、各スピーカ4(4FL、4FR、4CT、4SL、4SR、4SBL、4SBR及び4SW)を、例えばリスニングルーム、キッチン、子供部屋等のそれぞれの音場空間毎に複数のグループとして割り当て、当該グループに属するスピーカ4から互いに異なる再生音又は同じ再生音を出力するように設定し得るようになされている。
【0047】
従ってホームサーバ2では、各グループに属するスピーカ4をそれぞれ異なる音場空間に配置し、個々の音場空間をゾーンとして認識することにより、ゾーン単位での音場補正を一括して集中管理し得るようになされている。
【0048】
(4)GUIを用いたゾーン設定方法
このAVシステム1では、上述のようにリスニングルーム、キッチン、子供部屋をそれぞれ一つの音場空間すなわちゾーンとして考え、リスニングルームには左フロントスピーカ4FL、右フロントスピーカ4FR、センタスピーカ4CT及びサブウーファ4SWを配置し、キッチンには左サラウンドスピーカ4SL及び右サラウンドスピーカ4SRを配置すると共に、子供部屋には左サラウンドバックスピーカ4SBL及び右サラウンドバックスピーカ4SBRを配置するようになされている。
【0049】
因みに、スピーカ4の配置パターンとしては、これに限るものではなく、その他の種々の組み合わせによるものであっても良い。
【0050】
そしてAVシステム1のホームサーバ2は、リスニングルームをメインゾーンとして捉えると共に、キッチンをゾーン2、子供部屋をゾーン3として捉え、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3に対するスピーカ設定、配信するコンテンツの種類、所定の機能に関するオンオフ設定等の各種設定をLCD5のGUI画面上でそれぞれ個別に行うと共に、これらのマルチゾーンセッティング処理の設定内容を当該GUI画面上で一覧表示するようになされている。
【0051】
実際上、ホームサーバ2の制御部10は、LCD5に表示するGUI画面上でマルチゾーンセッティング処理を容易に実行させ得るようになされており、その場合、ユーザに対して「セッティング」アイコンAC3(図3)を選択させたうえで、その下位階層にある「マルチゾーンセッティング」アイコンAC4を選択決定させるようになされている。
【0052】
この場合、制御部10は、図7に示すように、グラフィック処理部15により生成したマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1をLCD5に表示する。このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)では、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対して、入力ソース項目(「Input」)、音量レベル項目(「Volume」)、ホームサーバ2に接続された各種機器に対して動作命令を自動的に供給する機器制御項目(「12V Trigger」)がそれぞれ一覧表示される。
【0053】
このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)では、メインゾーン(「Main」)に対してフォーカスが当てられている状態(網掛け処理されている)を示しており、すなわちメインゾーン(「Main」)がセッティング処理の設定対象であることをユーザに対して視覚的に認識させ得るようになされている。
【0054】
入力ソース項目(「Input」)は、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対してそれぞれ配信される入力ソースの種類を一覧として示しており、この場合メインゾーン(「Main」)にはDVDプレーヤ3Aのことを示す「DVD」が表示され、ゾーン2(「Zone2」)には携帯型音楽プレーヤ3Cのことを示す「Music Player」が表示され、ゾーン3(「Zone3」)にはCDプレーヤ3Bのことを示す「CD」が表示されている。
【0055】
従ってホームサーバ2を管理するユーザは、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)を介して、メインゾーン(リビングルーム)にはDVDプレーヤ3Aによって再生されるDVDの音声が出力され、ゾーン2(キッチン)には携帯型音楽プレーヤによって再生される音楽の音声が出力され、ゾーン3(子供部屋)にはCDプレーヤ3Bによって再生されるCDの音声が出力されることを一目で認識し得るようになされている。
【0056】
音量レベル項目(「Volume」)は、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対してそれぞれ出力される音量レベルの絶対値を示しており、この場合メインゾーン(「Main」)には「−20.0dB」が表示され、ゾーン2(「Zone2」)には「−30.5dB」が表示され、ゾーン3(「Zone3」)にはCDプレーヤ3Bの電源がOFFであるので何も表示されることがない。
【0057】
機器制御項目(「12V Trigger」)は、メインゾーンに対してのみ割り当てられる機能であって、「INPUT」又は「OFF」が表示される。この機器制御項目(「12V Trigger」)が「INPUT」に設定された場合にのみ、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)の画面右側にインプットトリガセッティング表示欄AR1が表示され、「OFF」に設定された場合、インプットトリガセッティング表示欄AR1が表示されることはない。
【0058】
ここで、機器制御項目(「12V Trigger」)の機能とは、ホームサーバ2に入力ソース項目(「Input」)として接続された「DVD」で示されるDVDプレーヤ3Aに関連した他の機器を、ホームサーバ2経由で自動的に起動させるための命令信号(12V)を出力することである。
【0059】
すなわち機器制御項目(「12V Trigger」)が「INPUT」に設定された場合、インプットトリガセッティング表示欄AR1の入力ソース(「VIDEO1」〜「VIDEO3」、「DVD」、「Music Player」、「CD」、「MD」)に対して「ON」が設定されれば、その入力ソースがホームサーバ2に接続された場合、その入力ソースに関連した他の機器に対して命令信号(12V)を出力するが、「OFF」が設定されれば命令信号(12V)を出力することはないようになされている。
【0060】
具体的には、例えばDVDプレーヤ3Aに関する他の機器として、プロジェクター及びスクリーンがホームサーバ2に接続されていた場合、メインゾーンのDVDプレーヤ3Aの電源が投入された時点で、ホームサーバ2から自動的に命令信号(12V)をプロジェクター及びスクリーンへ供給することになるため、ユーザの手を煩わせることなく、DVDプレーヤ3Aに関連したプロジェクター及びスクリーンが自動的にセットアップされることになる。
【0061】
またホームサーバ2の制御部10は、メインゾーン(「Main」)のDVDプレーヤ3Aから再生映像データを受け取り、ゾーン2(「Zone2」)の携帯型音楽プレーヤ3Cから再生対象のトラック番号、タイトル、アーティスト名等の属性情報を受け取り、ゾーン3(「Zone3」)のCDプレーヤ3BからCDのタイトル及びアーティスト名等の属性情報を受け取るようになされており、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)において、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)で出力対象のコンテンツに関する映像をそれぞれ生成し、これらを小ウィンドウ画面WS1、WS2及びWS3に表示するようになされている。
【0062】
この結果、メインゾーン(「Main」)に対応した小ウィンドウ画面WS1では、入力ソース項目(「Input」)として接続された「DVD」に対応するDVDプレーヤ3Aの再生映像が表示され、ゾーン2(「Zone2」)に対応した小ウィンドウ画面WS2では、入力ソース項目(「Input」)として接続された「Music Player」に対応する携帯型音楽プレーヤ3Cの再生対象であるトラック番号の映像が表示され、ゾーン3(「Zone3」)に対応した小ウィンドウ画面WS3では、入力ソース項目(「Input」)として接続された「CD」に対応するCDプレーヤ3BのCD映像が表示される。
【0063】
これによりホームサーバ2を管理しているユーザは、メインゾーン(「Main」)のユーザがどのような内容の再生映像を目視しているか、ゾーン2(「Zone2」)のユーザがどのようなタイトルの楽曲を聴取しているか、ゾーン3(「Zone3」)のユーザが実際には聴取していないまでも、どのようなタイトルのCDを聴取する予定なのか、或いは既に聴取したのかを一括してチェックすることができる。
【0064】
制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)を表示中、リモートコントローラRCLの「エンター」キー、及び2回の「→」キーに対するユーザの押下操作に応じて、図8に示すような、機器制御項目(「12V Trigger」)にのみフォーカスが当てられたマルチゾーン配信状態一覧画面MZD2にLCD5の表示を切り換えるようになされている。
【0065】
この場合、制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)における機器制御項目(「12V Trigger」)のダウンキーDWKに合わせてリモートコントローラRCLの「↓」キーが押下操作されたことを認識した場合、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)における機器制御項目(「12V Trigger」)の「INPUT」を、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)における機器制御項目(「12V Trigger」)の「OFF」へと切り換える。
【0066】
制御部10は、機器制御項目(「12V Trigger」)を「OFF」へ切り換えたことに伴って、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)のインプットトリガセッティング表示欄AR1を、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)から除去し、かつコメント欄CM1に対して「12Vトリガを常時OFFにします。」の文字を、パラメータ変更中の説明文として、当該マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)に表示するようになされている。
【0067】
なお、制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)に対しても、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)と同様に、小ウィンドウ画面WS1、WS2及びWS3を介して各ゾーンに配信中のコンテンツに関する映像を表示し得るようになされている。
【0068】
ところで制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)の表示中、リモートコントローラRCLの「→」キーに対するユーザの押下操作に応じて、図9に示すような、インプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目(この場合、「VIDEO1 ON」)についてのみフォーカスが当てられたマルチゾーン配信状態一覧画面MZD3にLCD5の表示を切り換えるようになされている。
【0069】
このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD3(図9)では、インプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目(「VIDEO1 ON」)に対してフォーカスが当てられた状態であり、コメント欄CM2に対して「Inputの切り替えに連動して、12VトリガをON/OFFします。各Inputに対してON/OFFを設定できます。」の文字が、ソース項目(「VIDEO1 ON」)のパラメータ(ON/OFF)変更により効果を発揮するか否かを示す説明文として表示される。
【0070】
制御部10は、リモートコントローラRCLの「↑」キー又は「↓」キーに対するユーザの押下操作に応じて、インプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目を上下方向へ順次切り換え得るようになされている。
【0071】
そして制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD3(図9)の表示中、リモートコントローラRCLの「←」キーに対するユーザの押下操作に応じて、メインゾーン(「Main」)に対してフォーカスが当てられているマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)にLCD5の表示を戻す。
【0072】
続いて制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)を表示中、リモートコントローラRCLの「↓」キーに対する2回の押下操作に応じて、図10に示すような、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD4にLCD5の表示を切り換えるようになされている。
【0073】
このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD4(図10)では、ゾーン3(「Zone3」)に対してフォーカスが当てられている状態(網掛け処理されている)を示しており、すなわちゾーン3(「Zone3」)がセッティング処理の設定対象であることをユーザに対して視覚的に認識させ得るようになされている。
【0074】
ここで制御部10は、ゾーン3(「Zone3」)の電源がオフ状態であって、セッティング処理の設定対象としてパラメータを変更しても効果がないため、入力ソース項目(「Input」)及び音量レベル項目(「Volume」)に対して何ら表示することがないので、ユーザの誤操作による設定ミスを未然に防止し得るようになされている。
【0075】
因みに、制御部10は、パラメータ自体の変更がそもそも禁止されている場合も、そのような項目については最初から表示しないようになされており、ユーザに対して、そのような項目を操作させないようになされている。
【0076】
(5)動作及び効果
以上の構成において、AVシステム1のホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)〜マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図10)により、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)を含む全てのゾーンに対する各種設定内容を、ユーザに対して一度に目視確認させることができるので、従来のように、これまで表示能力に乏しいFL管14だけでゾーン毎に各種設定を行う場合に比べて、設定内容を同時に目視させ、かつ理解させながら、操作性を一段と向上させている。
【0077】
またホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)におけるメインゾーン(「Main」)の機器制御項目(「12V Trigger」)に対するパラメータを「OFF」へ切り換えた場合、コメント欄CM1を介して、そのパラメータ変更の意味を説明文として表示することにより、その説明文を読んだユーザに対してはパラメータ変更の効果を瞬時に理解させ、かつ取扱説明書等をユーザに読ませることなく、その場で直ちに次の直感的な操作を実行させることができる。
【0078】
さらにホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD3(図9)におけるインプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目に対するパラメータ(ON/OFF)変更により効果を発揮する場合、そのことを示す説明文をコメント欄CM2に表示する。
【0079】
一方、ホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD4(図10)におけるゾーン3(「Zone3」)の電源がオフ状態であって、セッティング処理の設定対象としてパラメータを変更しても効果がない場合、入力ソース項目(「Input」)及び音量レベル項目(「Volume」)に対して何ら表示せずに、ユーザの誤操作による設定ミスを未然に防止する。
【0080】
なおホームサーバ2では、ゾーン2(「Zone2」)のユーザにより携帯型音楽プレーヤ3Cの音量レベル項目(「Volume」)が変更されたり、ゾーン3(「Zone3」)のユーザによってCDプレーヤ3Bの音量レベル項目(「Volume」)が変更された場合であっても、携帯型音楽プレーヤ3CやCDプレーヤ3Bから変更結果を受け取っているので、その変更結果をマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1〜MZD4に反映することができ、かくして全てのゾーンにおける各種設定内容を容易に管理させることができる。
【0081】
以上の構成によれば、AVシステム1では、ユーザに対してゾーン毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、ゾーン毎の各種設定を容易に実行させることができ、かくしてゾーンとして認識したリスニング空間毎の設定操作を簡易に実行させることができる。
【0082】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、メインゾーン(「Main」)をリビングルーム、ゾーン2(「Zone2」)をキッチン、ゾーン3(「Zone3」)を子供部屋に設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一つの大きな音場空間を複数のエリアに区切って、それぞれのエリア毎にゾーンを設定するようにしても良い。
【0083】
また上述の実施の形態においては、ホームサーバ2の制御部10がメインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対する出力対象のコンテンツに関する映像を小ウィンドウ画面WS1、WS2及びWS3に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、DVDプレーヤ3Aが再生する再生映像のコンテンツ名、携帯型音楽プレーヤ3Cが再生中のトラック番号、タイトル、アーティスト名、CDプレーヤ3Bが再生中のCDのタイトル及びアーティスト名等を小ウィンドウ画面WS1、WS2、WS3を用いることなく、文字表示するようにしても良い。
【0084】
さらに上述の実施の形態においては、マルチチャンネルに対応した複数のスピーカ4を接続対象とした音響装置としてのホームサーバ2を、複数のスピーカ4を幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識手段としての制御部10、複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定手段としての制御部10、複数のゾーンに対する設定内容を複数のゾーン毎に一覧表示するグラフィカルユーザインタフェース手段としてのグラフィック処理部15によってハードウェア的に構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、制御部10及びグラフィック処理部15をソフトウェア的に構成したり、制御部10及びグラフィック処理部15を一体的に構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムは、リスニングルーム、キッチン、子供部屋等を具えた家屋ではなく、複数の個室を具えたカラオケボックス等で個室毎に各種設定を行う用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】AVシステムの全体構成を示す略線図である。
【図2】ホームサーバの構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】ホーム画面を示す略線図である。
【図4】ビデオ映像を示す略線図である。
【図5】CD再生中の通知画面を示す略線図である。
【図6】携帯型音楽プレーヤ再生中の通知画面を示す略線図である。
【図7】マルチゾーン配信状態一覧画面(1)を示す略線図である。
【図8】マルチゾーン配信状態一覧画面(2)を示す略線図である。
【図9】マルチゾーン配信状態一覧画面(3)を示す略線図である。
【図10】マルチゾーン配信状態一覧画面(4)を示す略線図である。
【符号の説明】
【0087】
1……AVシステム、2……ホームサーバ、3A……DVDプレーヤ、3B……CDプレーヤ、3C……携帯型音楽プレーヤ、4FR……右フロントスピーカ、4FL……左フロントスピーカ、4SR……右サラウンドスピーカ、4SL……左サラウンドスピーカ、4CT……センタスピーカ、4SBR……右サラウンドバックスピーカ、4SBL……左サラウンドバックスピーカ、4SW……サブウーファ、RCL……リモートコントローラ、10……制御部、11……操作入力部、12……インタフェース、13……データ記憶媒体、14……FL管、15……グラフィック処理部、16……ディジタル信号処理部、17……配信処理部、18……アナログ信号処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムに関し、例えばマルチチャンネルスピーカシステムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチチャンネル再生機能を有するオーディオビジュアルアンプや、当該オーディオビジュアルアンプにチューナ機能を持たせたオーディオビジュアルレシーバ等のオーディオビジュアル音響機器(以下、これをAV音響機器と呼ぶ)においては、初期設定として必ず必要なものにスピーカ設定がある。
【0003】
一般的なマルチチャンネル再生機能を有するAV音響機器としては、例えばDVDビデオの音声フォーマットが5.1chであることに対応した左フロントスピーカFL、右フロントスピーカFR、センタスピーカC、左サラウンドスピーカSL、右サラウンドスピーカSR及びサブウーファSWからなる5.1chスピーカシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
近年では、DOLBY DIGITAL EX(商標)や、dts-ES(商標)等の6.1chの再生出力に対応したサラウンドバックスピーカを標準で装備しているAV音響機器もあり、さらにはサラウンドバックスピーカを2つにした7.1chや、サラウンドスピーカを4つにした9.1chのスピーカシステムが増えている。
【0005】
この種のマルチチャンネルスピーカシステムにおいては、実際に接続された複数のスピーカに対して、スピーカの有/無、大きい(全帯域再生用スピーカ)/小さい(中高帯域再生用スピーカ)等の項目について設定しなければ、最適なマルチチャンネル再生環境を構築することができないため、スピーカ設定機能が必須で搭載されているものが多い。
【0006】
またマルチチャンネルスピーカシステムにおいては、AV機器を部屋毎に分けて設置し、ユーザの部屋間の移動に伴い、移動前の部屋で聴取していた音楽を、移動後の部屋で引き続き聴取させるようにAV機器管理マネージャによりAV機器を制御するものがある(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開2005-12534公報
【特許文献2】特開2005-175660公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでかかる構成のマルチチャンネルスピーカシステムにおいては、スピーカ設定を行うに当たって、配置されているスピーカ毎に状態を決定していくため、多数の項目を一々設定しなければならず、ユーザにとっては非常に煩雑な操作を強いるという問題があった。
【0008】
またマルチチャンネルスピーカシステムでは、ユーザインタフェースとして表示能力の乏しいFL(Fluorescent Lamp)管等が音響機器に使用されていることが多く、個々の音場空間である部屋毎にスピーカ設定、ソースの選択、各種パラメータの設定をユーザに行わせるには、操作が複雑になり、誰でもが簡単に操作し得ないという問題があった。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、音場空間毎の設定操作を簡易に実行させ得る音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置であって、複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識手段と、複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定手段と、当該設定手段によって行われた複数のゾーンに対する設定内容を複数のゾーン毎に一覧表示するグラフィカルユーザインタフェース手段とを設けることにより、ユーザに対してゾーン毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、ゾーン毎の各種設定を容易に実行させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザに対してゾーン毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、ゾーン毎の各種設定を容易に実行させることができ、かくしてゾーンとして認識した音場空間毎の設定操作を簡易に実行させ得る音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)本実施の形態におけるAVシステムの全体構成
図1に示すように、本実施の形態におけるAV(Audio Visual)システム1は、ホームサーバ2に対して、複数の再生装置3、複数のスピーカ4及び表示部として、例えばLCD(Liquid Crystal Display)5をそれぞれ接続することにより構成される。
【0014】
この実施の形態では、再生装置3として、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ3A、CD(Compact Disk)プレーヤ3B及び携帯型音楽プレーヤ3Cがホームサーバ2にそれぞれ接続される。
【0015】
またこの実施の形態では、スピーカ4として、例えば、7.1chサラウンドシステムに対応する左フロントスピーカ4FL、右フロントスピーカ4FR、センタスピーカ4CT、左サラウンドスピーカ4SL、右サラウンドスピーカ4SR、左サラウンドバックスピーカ4SBL、右サラウンドバックスピーカ4SBR及びサブウーファ4SWがそれぞれホームサーバ2に対して接続される。
【0016】
これら各スピーカ4(4FL、4FR、4CT、4SL、4SR、4SBL、4SBR及び4SW)は、リスニングルームの状態や、実現したい音場空間等に応じて適宜配置されるようになされている。
【0017】
また、このAVシステム1では、音場空間に関する各種設定画面をLCD5に表示し、リモートコントローラRCLなどの操作に応じて設定された設定内容を保存すると共に、その設定内容に応じた音響環境を構築し、ユーザに聴取させ得るようになされている。
【0018】
(2)ホームサーバの構成
次に、このホームサーバ2の回路構成を説明する。図2に示すようにホームサーバ2は、制御部10に対して、操作入力部11、インターフェース12、データ記憶媒体13、FL管(蛍光表示管)14、グラフィック処理部15、ディジタル信号処理部16、配信処理部17及びアナログ信号処理部18がそれぞれ接続された構成を有する。
【0019】
制御部10は、このAVシステム1全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)と、基本プログラム及び各種アプリケーションプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)とを含むマイクロコンピュータで構成されている。
【0020】
操作入力部11は、このホームサーバ2の筺体表面及びリモートコントローラRCL(図1)に設けられた各種操作子(操作ボタンやロータリエンコーダ(回転自在のノブ)等)の操作に対応する制御データを生成し、これを制御部10へ送出する。
【0021】
インターフェース12は、例えばUSB(Universal Serial Bus)でなり、制御部10から供給される制御データを、このインターフェース12に接続された例えばDVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B及び携帯型音楽プレーヤ3Cへ送出する一方、当該DVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B及び携帯型音楽プレーヤ3Cにより生成された制御データを受け取って制御部10へ送出する。
【0022】
データ記憶媒体13は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)でなり、当該データ記憶媒体13には、音場空間に関する複数のスピーカ4に対する各種設定内容を表すデータ(以下、これを設定データと呼ぶ)D1と、GUI(Graphical User Interface)画面のテンプレートとなる各種画面データ(以下、これを設定画面データと呼ぶ)D2が記憶される。
【0023】
FL管14は、ホームサーバ2の筐体表面に設けられており、制御部10により生成されたコンテンツの内容を表す文字や、音場空間に関する設定項目の詳細を表す文字等を表示するようになされている。
【0024】
グラフィック処理部15には、DVDプレーヤ3Aによって再生されたビデオ信号が、図示しないディジタルビデオ入力端子、アナログビデオ入力端子又はコンポーネントビデオ入出力端子を介して入力される。またグラフィック処理部15には、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1及び設定画面データD2が入力される。
【0025】
グラフィック処理部15は、ビデオ信号が入力された場合、そのビデオ信号に対して所定の信号処理を施し、その結果として得られるビデオ信号をLCD5(図1)に出力することによって当該ビデオ信号に応じたビデオ映像を表示する。
【0026】
一方、グラフィック処理部15は、設定データD1及び設定画面データD2が入力された場合、これら設定データD1及び設定画面データD2に基づいてGUI画面データD3を生成し、これをLCD5(図1)に出力することによって当該GUI画面データD3に応じたGUI画面を表示するようになされている。
【0027】
ディジタル信号処理部16には、DVDプレーヤ3A又は携帯型音楽プレーヤ3Cによって再生される光ディジタルオーディオ信号が、ディジタル入出力端子を介してDIR(Digital Interface Receiver)31に入力される。またディジタル信号処理部16には、CDプレーヤ3Bによって再生されるアナログオーディオ信号が、アナログ入出力端子を介してディジタル信号処理部16のADC (Analog Digital Converter)32に入力される。
【0028】
DIR31は、光ディジタルオーディオ信号を電気信号によるディジタルオーディオ信号に変換し、これをデコーダ/DSP(Digital Signal Processor)33へ送出する。ADC32は、アナログオーディオ信号をディジタルオーディオ信号に変換し、これをデコーダ/DSP33へ送出する。
【0029】
デコーダ/DSP33は、DIR31又はADC32から供給されるディジタルオーディオ信号に対して各種処理を必要に応じて施すようになされている。具体的にはディジタルオーディオ信号が圧縮されている場合、デコーダ/DSP33は、当該圧縮方式に応じた伸長処理を施す。また、ディジタルオーディオ信号が7.1ch等の多重化信号である場合、デコーダ/DSP33は、チャンネル毎のディジタルオーディオ信号に分離する。
【0030】
さらにデコーダ/DSP33は、複数のスピーカ4によって形成される音像に関する設定データD1が制御部10から与えられている場合、その設定データD1に基づいて、例えばある周波数帯の信号に対する振幅や位相を調整したり、チャンネル数を擬似的に増減する等の処理を実行する。
【0031】
デコーダ/DSP33は、このような各種信号処理を適宜施し、その信号処理後に得られるディジタルオーディオ信号をDAC(Digital Analog Converter)34へ送出する。このディジタルオーディオ信号は、DAC34によりアナログオーディオ信号に変換され、配信処理部17へ出力される。
【0032】
配信処理部17は、DAC34から入力されるアナログオーディオ信号を、後段のアナログ信号処理部18のうち、当該アナログオーディオ信号のチャンネルに対応するボリューム調整部411〜418へ送出する。
【0033】
ボリューム調整部411〜418は、配信処理部17から入力されるアナログオーディオ信号のレベルを、操作入力部11から与えられるボリューム変更命令にしたがってチャンネル毎に調整し、当該調整後のアナログオーディオ信号をアンプ421〜428へ送出する。
【0034】
このチャンネル毎のアナログオーディオ信号は、アンプ421〜428により、各スピーカ4(4FL、4FR、4CT、4SL、4SR、4SBL、4SBR及び4SW)を駆動できるように増幅され、リレー431〜438を介して出力される。
【0035】
因みに、リレー431〜438は、例えば、操作入力部11から与えられる命令により、使用しないスピーカ4への出力を遮断することもでき、これにより使用するスピーカ4と、使用しないスピーカ4とを使い分けることができるようになされている。
【0036】
(3)制御部の具体的な処理内容
次に、このホームサーバ2における制御部10の具体的な処理内容を説明する。制御部10は、ROMに記憶された基本プログラム及び各種アプリケーションプログラムに従い、操作入力部11又はインターフェース12から与えられる制御データと、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1等に基づいて、表示部14、グラフィック処理部15、ディジタル信号処理部16、配信処理部17及びアナログ信号処理部18を適宜制御することによって各種処理を実行する。
【0037】
(3−1)再生処理
制御部10は、例えば再生命令を表す制御データが操作入力部11から与えられた場合、この再生命令の対象とされるDVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B又は携帯型音楽プレーヤ3Cを駆動して再生制御し、DVDプレーヤ3A、CDプレーヤ3B又は携帯型音楽プレーヤ3Cから供給されるコンテンツ情報に基づいて当該コンテンツの内容を表す文字データを生成し、当該文字データに応じた文字をFL管14及びLCD5に表示する。
【0038】
また制御部10は、DVDプレーヤ3Aを再生中、当該DVDプレーヤ3Aから供給されるビデオ信号に基づくビデオ映像を、グラフィック処理部15を介してLCD5(図1)に表示する。因みに、制御部10は、CDプレーヤ3B又は携帯型音楽プレーヤ3Cの再生中にあっては、各ソースに合わせた映像をグラフィック処理部15により生成し、これをLCD5に表示する。
【0039】
実際上、ホームサーバ2の制御部10は、電源の投入に伴い、グラフィック処理部15により、図3に示すようなホーム画面HMを生成し、これをLCD5に表示する。このホーム画面HMでは、「ビデオ」アイコンAC1、「ミュージック」アイコンAC2、「セッティング」アイコンAC3が最上位の階層に配置されている。
【0040】
制御部10は、ホーム画面HMの「ビデオ」アイコンAC1が選択決定された場合、図4に示すように、DVDプレーヤ3Aから供給されるビデオ信号に応じたビデオ映像VSをLCD5に表示する。
【0041】
また制御部10は、ホーム画面HMの「ミュージック」アイコンAC2が選択決定された場合、図5に示すように、例えばCDプレーヤ3Bの再生音声とは無関係の「NOW PLAYING」の文字からなる通知画面N1をグラフィック処理部15により生成し、これをLCD5に表示したり、或いは図6に示すように携帯型音楽プレーヤ3Cの再生トラック番号、再生経過時間、アーティスト名及びアルバム名等からなる通知画面N2をグラフィック処理部15により生成し、これをLCD5に表示するようになされている。
【0042】
これにより制御部10は、通知画面N1(図5)や通知画面N2(図6)により、CD再生中であることや、携帯型音楽プレーヤ3Cによる再生内容をユーザに対して視覚的に通知し得るようになされている。
【0043】
(3−2)音場設定処理
また制御部10は、例えば音場設定命令を表す制御データが操作入力部11から与えられた場合、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1及び設定画面データD2に基づくGUI画面データD3を、グラフィック処理部15を介して生成させ、当該GUI画面データD3に応じたGUI画面をLCD5(図1)に表示する。
【0044】
そして制御部10は、リモートコントローラRCLなどの操作に応じて操作入力部11から音場空間に配置された各スピーカ4に対する設定変更命令が与えられたとき、その設定変更命令の内容に応じて、データ記憶媒体13に記憶された設定データD1の内容を書き換える。
【0045】
なお制御部10は、設定変更命令の内容が音像に関する内容であった場合、設定変更命令が与えられたとき、その設定変更命令に応じた音像となるように、所定のテスト音をスピーカ4から出力すると共に、当該音像をイメージとしてLCD5(図1)に表示することによって、聴覚及び視覚的に音像を表現し得るようになされている。
【0046】
(3−3)ゾーン設定処理
この実施の形態の場合、ホームサーバ2では、各スピーカ4(4FL、4FR、4CT、4SL、4SR、4SBL、4SBR及び4SW)を、例えばリスニングルーム、キッチン、子供部屋等のそれぞれの音場空間毎に複数のグループとして割り当て、当該グループに属するスピーカ4から互いに異なる再生音又は同じ再生音を出力するように設定し得るようになされている。
【0047】
従ってホームサーバ2では、各グループに属するスピーカ4をそれぞれ異なる音場空間に配置し、個々の音場空間をゾーンとして認識することにより、ゾーン単位での音場補正を一括して集中管理し得るようになされている。
【0048】
(4)GUIを用いたゾーン設定方法
このAVシステム1では、上述のようにリスニングルーム、キッチン、子供部屋をそれぞれ一つの音場空間すなわちゾーンとして考え、リスニングルームには左フロントスピーカ4FL、右フロントスピーカ4FR、センタスピーカ4CT及びサブウーファ4SWを配置し、キッチンには左サラウンドスピーカ4SL及び右サラウンドスピーカ4SRを配置すると共に、子供部屋には左サラウンドバックスピーカ4SBL及び右サラウンドバックスピーカ4SBRを配置するようになされている。
【0049】
因みに、スピーカ4の配置パターンとしては、これに限るものではなく、その他の種々の組み合わせによるものであっても良い。
【0050】
そしてAVシステム1のホームサーバ2は、リスニングルームをメインゾーンとして捉えると共に、キッチンをゾーン2、子供部屋をゾーン3として捉え、メインゾーン、ゾーン2及びゾーン3に対するスピーカ設定、配信するコンテンツの種類、所定の機能に関するオンオフ設定等の各種設定をLCD5のGUI画面上でそれぞれ個別に行うと共に、これらのマルチゾーンセッティング処理の設定内容を当該GUI画面上で一覧表示するようになされている。
【0051】
実際上、ホームサーバ2の制御部10は、LCD5に表示するGUI画面上でマルチゾーンセッティング処理を容易に実行させ得るようになされており、その場合、ユーザに対して「セッティング」アイコンAC3(図3)を選択させたうえで、その下位階層にある「マルチゾーンセッティング」アイコンAC4を選択決定させるようになされている。
【0052】
この場合、制御部10は、図7に示すように、グラフィック処理部15により生成したマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1をLCD5に表示する。このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)では、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対して、入力ソース項目(「Input」)、音量レベル項目(「Volume」)、ホームサーバ2に接続された各種機器に対して動作命令を自動的に供給する機器制御項目(「12V Trigger」)がそれぞれ一覧表示される。
【0053】
このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)では、メインゾーン(「Main」)に対してフォーカスが当てられている状態(網掛け処理されている)を示しており、すなわちメインゾーン(「Main」)がセッティング処理の設定対象であることをユーザに対して視覚的に認識させ得るようになされている。
【0054】
入力ソース項目(「Input」)は、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対してそれぞれ配信される入力ソースの種類を一覧として示しており、この場合メインゾーン(「Main」)にはDVDプレーヤ3Aのことを示す「DVD」が表示され、ゾーン2(「Zone2」)には携帯型音楽プレーヤ3Cのことを示す「Music Player」が表示され、ゾーン3(「Zone3」)にはCDプレーヤ3Bのことを示す「CD」が表示されている。
【0055】
従ってホームサーバ2を管理するユーザは、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)を介して、メインゾーン(リビングルーム)にはDVDプレーヤ3Aによって再生されるDVDの音声が出力され、ゾーン2(キッチン)には携帯型音楽プレーヤによって再生される音楽の音声が出力され、ゾーン3(子供部屋)にはCDプレーヤ3Bによって再生されるCDの音声が出力されることを一目で認識し得るようになされている。
【0056】
音量レベル項目(「Volume」)は、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対してそれぞれ出力される音量レベルの絶対値を示しており、この場合メインゾーン(「Main」)には「−20.0dB」が表示され、ゾーン2(「Zone2」)には「−30.5dB」が表示され、ゾーン3(「Zone3」)にはCDプレーヤ3Bの電源がOFFであるので何も表示されることがない。
【0057】
機器制御項目(「12V Trigger」)は、メインゾーンに対してのみ割り当てられる機能であって、「INPUT」又は「OFF」が表示される。この機器制御項目(「12V Trigger」)が「INPUT」に設定された場合にのみ、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)の画面右側にインプットトリガセッティング表示欄AR1が表示され、「OFF」に設定された場合、インプットトリガセッティング表示欄AR1が表示されることはない。
【0058】
ここで、機器制御項目(「12V Trigger」)の機能とは、ホームサーバ2に入力ソース項目(「Input」)として接続された「DVD」で示されるDVDプレーヤ3Aに関連した他の機器を、ホームサーバ2経由で自動的に起動させるための命令信号(12V)を出力することである。
【0059】
すなわち機器制御項目(「12V Trigger」)が「INPUT」に設定された場合、インプットトリガセッティング表示欄AR1の入力ソース(「VIDEO1」〜「VIDEO3」、「DVD」、「Music Player」、「CD」、「MD」)に対して「ON」が設定されれば、その入力ソースがホームサーバ2に接続された場合、その入力ソースに関連した他の機器に対して命令信号(12V)を出力するが、「OFF」が設定されれば命令信号(12V)を出力することはないようになされている。
【0060】
具体的には、例えばDVDプレーヤ3Aに関する他の機器として、プロジェクター及びスクリーンがホームサーバ2に接続されていた場合、メインゾーンのDVDプレーヤ3Aの電源が投入された時点で、ホームサーバ2から自動的に命令信号(12V)をプロジェクター及びスクリーンへ供給することになるため、ユーザの手を煩わせることなく、DVDプレーヤ3Aに関連したプロジェクター及びスクリーンが自動的にセットアップされることになる。
【0061】
またホームサーバ2の制御部10は、メインゾーン(「Main」)のDVDプレーヤ3Aから再生映像データを受け取り、ゾーン2(「Zone2」)の携帯型音楽プレーヤ3Cから再生対象のトラック番号、タイトル、アーティスト名等の属性情報を受け取り、ゾーン3(「Zone3」)のCDプレーヤ3BからCDのタイトル及びアーティスト名等の属性情報を受け取るようになされており、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)において、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)で出力対象のコンテンツに関する映像をそれぞれ生成し、これらを小ウィンドウ画面WS1、WS2及びWS3に表示するようになされている。
【0062】
この結果、メインゾーン(「Main」)に対応した小ウィンドウ画面WS1では、入力ソース項目(「Input」)として接続された「DVD」に対応するDVDプレーヤ3Aの再生映像が表示され、ゾーン2(「Zone2」)に対応した小ウィンドウ画面WS2では、入力ソース項目(「Input」)として接続された「Music Player」に対応する携帯型音楽プレーヤ3Cの再生対象であるトラック番号の映像が表示され、ゾーン3(「Zone3」)に対応した小ウィンドウ画面WS3では、入力ソース項目(「Input」)として接続された「CD」に対応するCDプレーヤ3BのCD映像が表示される。
【0063】
これによりホームサーバ2を管理しているユーザは、メインゾーン(「Main」)のユーザがどのような内容の再生映像を目視しているか、ゾーン2(「Zone2」)のユーザがどのようなタイトルの楽曲を聴取しているか、ゾーン3(「Zone3」)のユーザが実際には聴取していないまでも、どのようなタイトルのCDを聴取する予定なのか、或いは既に聴取したのかを一括してチェックすることができる。
【0064】
制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)を表示中、リモートコントローラRCLの「エンター」キー、及び2回の「→」キーに対するユーザの押下操作に応じて、図8に示すような、機器制御項目(「12V Trigger」)にのみフォーカスが当てられたマルチゾーン配信状態一覧画面MZD2にLCD5の表示を切り換えるようになされている。
【0065】
この場合、制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)における機器制御項目(「12V Trigger」)のダウンキーDWKに合わせてリモートコントローラRCLの「↓」キーが押下操作されたことを認識した場合、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)における機器制御項目(「12V Trigger」)の「INPUT」を、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)における機器制御項目(「12V Trigger」)の「OFF」へと切り換える。
【0066】
制御部10は、機器制御項目(「12V Trigger」)を「OFF」へ切り換えたことに伴って、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)のインプットトリガセッティング表示欄AR1を、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)から除去し、かつコメント欄CM1に対して「12Vトリガを常時OFFにします。」の文字を、パラメータ変更中の説明文として、当該マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)に表示するようになされている。
【0067】
なお、制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)に対しても、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)と同様に、小ウィンドウ画面WS1、WS2及びWS3を介して各ゾーンに配信中のコンテンツに関する映像を表示し得るようになされている。
【0068】
ところで制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)の表示中、リモートコントローラRCLの「→」キーに対するユーザの押下操作に応じて、図9に示すような、インプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目(この場合、「VIDEO1 ON」)についてのみフォーカスが当てられたマルチゾーン配信状態一覧画面MZD3にLCD5の表示を切り換えるようになされている。
【0069】
このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD3(図9)では、インプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目(「VIDEO1 ON」)に対してフォーカスが当てられた状態であり、コメント欄CM2に対して「Inputの切り替えに連動して、12VトリガをON/OFFします。各Inputに対してON/OFFを設定できます。」の文字が、ソース項目(「VIDEO1 ON」)のパラメータ(ON/OFF)変更により効果を発揮するか否かを示す説明文として表示される。
【0070】
制御部10は、リモートコントローラRCLの「↑」キー又は「↓」キーに対するユーザの押下操作に応じて、インプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目を上下方向へ順次切り換え得るようになされている。
【0071】
そして制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD3(図9)の表示中、リモートコントローラRCLの「←」キーに対するユーザの押下操作に応じて、メインゾーン(「Main」)に対してフォーカスが当てられているマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)にLCD5の表示を戻す。
【0072】
続いて制御部10は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)を表示中、リモートコントローラRCLの「↓」キーに対する2回の押下操作に応じて、図10に示すような、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD4にLCD5の表示を切り換えるようになされている。
【0073】
このマルチゾーン配信状態一覧画面MZD4(図10)では、ゾーン3(「Zone3」)に対してフォーカスが当てられている状態(網掛け処理されている)を示しており、すなわちゾーン3(「Zone3」)がセッティング処理の設定対象であることをユーザに対して視覚的に認識させ得るようになされている。
【0074】
ここで制御部10は、ゾーン3(「Zone3」)の電源がオフ状態であって、セッティング処理の設定対象としてパラメータを変更しても効果がないため、入力ソース項目(「Input」)及び音量レベル項目(「Volume」)に対して何ら表示することがないので、ユーザの誤操作による設定ミスを未然に防止し得るようになされている。
【0075】
因みに、制御部10は、パラメータ自体の変更がそもそも禁止されている場合も、そのような項目については最初から表示しないようになされており、ユーザに対して、そのような項目を操作させないようになされている。
【0076】
(5)動作及び効果
以上の構成において、AVシステム1のホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図7)〜マルチゾーン配信状態一覧画面MZD1(図10)により、メインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)を含む全てのゾーンに対する各種設定内容を、ユーザに対して一度に目視確認させることができるので、従来のように、これまで表示能力に乏しいFL管14だけでゾーン毎に各種設定を行う場合に比べて、設定内容を同時に目視させ、かつ理解させながら、操作性を一段と向上させている。
【0077】
またホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD2(図8)におけるメインゾーン(「Main」)の機器制御項目(「12V Trigger」)に対するパラメータを「OFF」へ切り換えた場合、コメント欄CM1を介して、そのパラメータ変更の意味を説明文として表示することにより、その説明文を読んだユーザに対してはパラメータ変更の効果を瞬時に理解させ、かつ取扱説明書等をユーザに読ませることなく、その場で直ちに次の直感的な操作を実行させることができる。
【0078】
さらにホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD3(図9)におけるインプットトリガセッティング表示欄AR1のソース項目に対するパラメータ(ON/OFF)変更により効果を発揮する場合、そのことを示す説明文をコメント欄CM2に表示する。
【0079】
一方、ホームサーバ2は、マルチゾーン配信状態一覧画面MZD4(図10)におけるゾーン3(「Zone3」)の電源がオフ状態であって、セッティング処理の設定対象としてパラメータを変更しても効果がない場合、入力ソース項目(「Input」)及び音量レベル項目(「Volume」)に対して何ら表示せずに、ユーザの誤操作による設定ミスを未然に防止する。
【0080】
なおホームサーバ2では、ゾーン2(「Zone2」)のユーザにより携帯型音楽プレーヤ3Cの音量レベル項目(「Volume」)が変更されたり、ゾーン3(「Zone3」)のユーザによってCDプレーヤ3Bの音量レベル項目(「Volume」)が変更された場合であっても、携帯型音楽プレーヤ3CやCDプレーヤ3Bから変更結果を受け取っているので、その変更結果をマルチゾーン配信状態一覧画面MZD1〜MZD4に反映することができ、かくして全てのゾーンにおける各種設定内容を容易に管理させることができる。
【0081】
以上の構成によれば、AVシステム1では、ユーザに対してゾーン毎の設定内容を一度に視覚を通じて認識させることができるので、ゾーン毎の各種設定を容易に実行させることができ、かくしてゾーンとして認識したリスニング空間毎の設定操作を簡易に実行させることができる。
【0082】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、メインゾーン(「Main」)をリビングルーム、ゾーン2(「Zone2」)をキッチン、ゾーン3(「Zone3」)を子供部屋に設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一つの大きな音場空間を複数のエリアに区切って、それぞれのエリア毎にゾーンを設定するようにしても良い。
【0083】
また上述の実施の形態においては、ホームサーバ2の制御部10がメインゾーン(「Main」)、ゾーン2(「Zone2」)及びゾーン3(「Zone3」)に対する出力対象のコンテンツに関する映像を小ウィンドウ画面WS1、WS2及びWS3に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、DVDプレーヤ3Aが再生する再生映像のコンテンツ名、携帯型音楽プレーヤ3Cが再生中のトラック番号、タイトル、アーティスト名、CDプレーヤ3Bが再生中のCDのタイトル及びアーティスト名等を小ウィンドウ画面WS1、WS2、WS3を用いることなく、文字表示するようにしても良い。
【0084】
さらに上述の実施の形態においては、マルチチャンネルに対応した複数のスピーカ4を接続対象とした音響装置としてのホームサーバ2を、複数のスピーカ4を幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識手段としての制御部10、複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定手段としての制御部10、複数のゾーンに対する設定内容を複数のゾーン毎に一覧表示するグラフィカルユーザインタフェース手段としてのグラフィック処理部15によってハードウェア的に構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、制御部10及びグラフィック処理部15をソフトウェア的に構成したり、制御部10及びグラフィック処理部15を一体的に構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の音響装置、音響設定方法及び音響設定プログラムは、リスニングルーム、キッチン、子供部屋等を具えた家屋ではなく、複数の個室を具えたカラオケボックス等で個室毎に各種設定を行う用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】AVシステムの全体構成を示す略線図である。
【図2】ホームサーバの構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】ホーム画面を示す略線図である。
【図4】ビデオ映像を示す略線図である。
【図5】CD再生中の通知画面を示す略線図である。
【図6】携帯型音楽プレーヤ再生中の通知画面を示す略線図である。
【図7】マルチゾーン配信状態一覧画面(1)を示す略線図である。
【図8】マルチゾーン配信状態一覧画面(2)を示す略線図である。
【図9】マルチゾーン配信状態一覧画面(3)を示す略線図である。
【図10】マルチゾーン配信状態一覧画面(4)を示す略線図である。
【符号の説明】
【0087】
1……AVシステム、2……ホームサーバ、3A……DVDプレーヤ、3B……CDプレーヤ、3C……携帯型音楽プレーヤ、4FR……右フロントスピーカ、4FL……左フロントスピーカ、4SR……右サラウンドスピーカ、4SL……左サラウンドスピーカ、4CT……センタスピーカ、4SBR……右サラウンドバックスピーカ、4SBL……左サラウンドバックスピーカ、4SW……サブウーファ、RCL……リモートコントローラ、10……制御部、11……操作入力部、12……インタフェース、13……データ記憶媒体、14……FL管、15……グラフィック処理部、16……ディジタル信号処理部、17……配信処理部、18……アナログ信号処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置であって、
上記複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識手段と、
上記複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定手段と、
上記設定手段によって行われた上記複数のゾーンに対する設定内容を上記複数のゾーン毎に一覧表示するグラフィカルユーザインタフェース手段と
を具えることを特徴とする音響装置。
【請求項2】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容として、スピーカ設定状態を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容として、上記スピーカ設定状態と共に、音源のソースを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項4】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容を表すパラメータの意味及び効果を説明文として表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項5】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容を表すパラメータの変更に伴って有効又は無効になる場合、当該有効になる設定内容のみを操作可能に表示し、当該無効になる設定内容については表示しない
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項6】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容の一つとして、音源のソースに関する映像を小画面により表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項7】
マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置の音響設定方法であって、
上記複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識ステップと、
上記複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定ステップと、
上記設定ステップで行われた上記複数のゾーンに対する設定内容を上記複数のゾーン毎に一覧表示する表示ステップと
を具えることを特徴とする音響設定方法。
【請求項8】
マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置に対して、
上記複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識ステップと、
上記複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定ステップと、
上記設定ステップで行われた上記複数のゾーンに対する設定内容を上記複数のゾーン毎に一覧表示する表示ステップと
を実行させることを特徴とする音響設定プログラム。
【請求項1】
マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置であって、
上記複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識手段と、
上記複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定手段と、
上記設定手段によって行われた上記複数のゾーンに対する設定内容を上記複数のゾーン毎に一覧表示するグラフィカルユーザインタフェース手段と
を具えることを特徴とする音響装置。
【請求項2】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容として、スピーカ設定状態を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容として、上記スピーカ設定状態と共に、音源のソースを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項4】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容を表すパラメータの意味及び効果を説明文として表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項5】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容を表すパラメータの変更に伴って有効又は無効になる場合、当該有効になる設定内容のみを操作可能に表示し、当該無効になる設定内容については表示しない
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項6】
上記グラフィカルユーザインタフェース手段は、上記設定内容の一つとして、音源のソースに関する映像を小画面により表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項7】
マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置の音響設定方法であって、
上記複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識ステップと、
上記複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定ステップと、
上記設定ステップで行われた上記複数のゾーンに対する設定内容を上記複数のゾーン毎に一覧表示する表示ステップと
を具えることを特徴とする音響設定方法。
【請求項8】
マルチチャンネルに対応した複数のスピーカを接続対象とした音響装置に対して、
上記複数のスピーカを幾つかの音場空間に分けて配置することにより形成された複数のゾーンを認識するゾーン認識ステップと、
上記複数のゾーンに対する各種設定をそれぞれ個別に行う設定ステップと、
上記設定ステップで行われた上記複数のゾーンに対する設定内容を上記複数のゾーン毎に一覧表示する表示ステップと
を実行させることを特徴とする音響設定プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−72401(P2008−72401A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248690(P2006−248690)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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