説明

頭皮ケア装置

【課題】頭皮ケア効果の向上に寄与できる頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】駆動源の駆動力に基づき回転される4つの出力軸(第1の軸31a〜31d)に対し施術突起23aを備えた施術子20a〜20dがそれぞれ連結され、出力軸の回転に伴って回転される施術子20a〜20dの施術突起23aを頭皮に接触させて刺激を与える頭皮ケア装置1であって、施術子20a〜20dのうち、施術子20a,20bはそれぞれ対応する出力軸の回転により正回転され、施術子20c,20dはそれぞれ対応する出力軸の回転により逆回転される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1の頭皮ケア装置では、施術突起を備えた施術子が、駆動源の駆動力に基づき回転される出力軸に対して連結されており、出力軸の回転に伴って回転される施術子の施術突起を頭皮に接触させて刺激を与えることで、血流促進等の頭皮のケア効果が得られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−229159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような頭皮ケア装置では、1つの施療子が単純に回転するだけであるため、頭皮に与えることができる刺激のバリエーションが少なく、頭皮ケア効果の向上の点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、頭皮ケア効果の向上に寄与できる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、駆動源の駆動力に基づき回転される出力軸に対し施術突起を備えた施術子が連結され、前記出力軸の回転に伴って回転される前記施術子の前記施術突起を頭皮に接触させて刺激を与える頭皮ケア装置であって、前記出力軸及び前記施術子は、それぞれ少なくとも3つ設けられ、前記施術子には、それぞれ対応する前記出力軸の回転により正回転されるものと逆回転されるものとがあることを特徴とする。
【0007】
この発明では、駆動源の駆動力に基づく施術突起の動作によって異なる種類の動きを頭皮に与えることが可能となるため、頭皮ケア効果の向上に寄与することができる。例えば、同方向に回転する施術子の間においては、それぞれの施術突起が施術子の回転により互いに接近してすれ違うように構成することが可能となり、そのすれ違う各施術突起によって頭皮にひねりの動きを与えることが可能となる。一方、相反する方向に回転する施術子の間においては、それぞれの施術突起が施術子の回転により接近状態で略同方向に移動するように構成することが可能となり、その略同方向に移動する各施術突起によって頭皮に前記ひねりの動きとは異なる動き(さすりの動き)を与えることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の頭皮ケア装置において、前記各施術子は、複数の前記施術突起からなる突起群を有し、該突起群の中心が対応する前記出力軸からずれた位置に設定されたことを特徴とする。
【0009】
この発明では、突起群の中心が出力軸からずれて位置されることで、突起群が出力軸の回転に基づきその出力軸の回りを周回動作するため、施術子の突起群の間で頭皮を挟み込む(頭皮に挟みの動きを与える)ことが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記施術子は、前記突起群を支持する支持部材が、前記出力軸に一体回転可能に固定された回転部材に対して、前記出力軸の中心である第1の軸からずれた第2の軸中心に回転可能に支持されたことを特徴とする。
【0011】
この発明では、出力軸の回転に基づく回転部材及び支持部材の回転により出力軸の回りを周回動作する突起群を頭皮や毛髪と接触させた時、支持部材及び突起群が負荷(突起群と頭皮や毛髪との摩擦等)により、第1の軸方向から見て第2の軸に対する施術突起の位置関係が変化しない状態を保ったまま第1の軸回りを周回動作する。これにより、突起群の各施術突起が第1の軸を中心として単純に(それぞれがそれぞれの半径で)回転するように構成した場合(例えば、回転部材に対して支持部材を回転不能に構成した場合)に比べて、施術子に毛髪が絡まってしまうといった現象を抑制することが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の頭皮ケア装置において、前記施術子のうち、互いに相反する方向に回転する一対の施術子が隣り合うように配置され、それらの前記突起群の中心が、それぞれ対応する前記出力軸を結ぶ線分の垂直二等分線に対して互いに線対称となるように前記出力軸の回りを周回動作する、又はその線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする。
【0013】
この発明では、相反する方向に回転する2つの施術子の突起群の中心が、それぞれ対応する出力軸を結ぶ線分の垂直2等分線に対して互いに線対称(又は略線対称)となるように出力軸の回りを周回動作する。このため、その2つの施術子の間で頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。また、その2つの施術子の突起群の中心が、線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように構成した場合、挟みの動きとさすりの動きを好適に付与することが可能となり、線対称に周回動作するように構成すれば、より好適に挟みの動きとさすりの動きを付与することが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の頭皮ケア装置において、前記出力軸のうちの3つは、それらを結ぶ直線が正三角形をなすように配置され、その出力軸にそれぞれ対応する3つの前記施術子は、回転周期が互いに等しく設定されるとともに正回転する2つと逆回転する1つとからなり、それらの前記突起群の中心が互いに等しいタイミングで前記正三角形の中心に最も近づくように設定されたことを特徴とする。
【0015】
この発明では、3つの施術子のうちの正回転する各施術子と逆回転する施術子との間で頭皮にさすり及び挟みの動作を与える一方で、正回転する施術子間で頭皮にひねり及び挟みの動作を与えることが可能となる。また、3つの施術子の間の中心部分においては、その3つの施術子がその中心部分に向かって頭皮を寄せるように作用するため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の頭皮ケア装置において、前記一対の施術子が前記垂直二等分線の方向に2組並設されてそれぞれ対応する前記出力軸を結ぶ直線が矩形をなし、同方向に回転する前記施術子同士が前記垂直二等分線の方向に隣り合うように構成され、同方向に回転する前記施術子同士は、その前記突起群の中心が180±10度の範囲内のずれをもって回転するように設定されたことを特徴とする。
【0017】
この発明では、相反する方向に回転する施術子間において頭皮にさすりの動きと挟みの動きを併せて与える一方で、同方向に回転する施術子間において頭皮にひねりの動きと挟みの動きを好適に与えることが可能となるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の頭皮ケア装置において、同方向に回転する前記施術子同士は、その前記突起群の中心が180度のずれをもって回転するように設定されたことを特徴とする。
【0019】
この発明では、同方向に回転する施術子間において頭皮にひねりの動きと挟みの動きをより効果的に与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記施術子の少なくとも1つの回転方向が変更可能に構成されたことを特徴とする。
【0020】
この発明では、頭皮に与える動きのバリエーションをより一層増やすことが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記施術子の少なくとも1つの回転速度が変更可能に構成されたことを特徴とする。
【0021】
この発明では、頭皮に与える刺激に緩急を付けることが可能となるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。例えば施術子間で頭皮を挟む動きをするタイミングで施術子の回転速度を上昇させることで、より効果的に頭皮に刺激を与えることが可能となる。
【0022】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記出力軸の少なくとも1つは、その軸直交方向に移動可能に構成されたことを特徴とする。
【0023】
この発明では、出力軸が軸直交方向に移動することで施術子の施術範囲を広がるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。また、例えば、施術子間での挟みの動きと出力軸の軸直交方向の移動とを組み合わせることで、より効果的に頭皮に刺激を与えることが可能となる。
【0024】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記施術子は、ハウジングから突出する前記出力軸に連結されるものであって、前記ハウジングから前記施術子の施術突起の先端までの距離が変更可能に構成されたことを特徴とする。
【0025】
この発明では、ハウジングから施術子の施術突起の先端までの距離を変更することで、施術突起が頭皮に付与する押圧力を変化させることが可能となるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。また、例えば、施術子間での挟みの動きとハウジングから施術突起の先端までの距離の変更動作とを組み合わせることで、より効果的に頭皮に刺激を与えることが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
従って、上記記載の発明によれば、頭皮ケア効果の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態の頭皮ケア装置の概略構成図。
【図2】(a)(b)第1実施形態の施術子の動作を概略的に示す模式図。
【図3】(a)(b)(c)(d)別例の施術子の動作を概略的に示す模式図。
【図4】第2実施形態の頭皮ケア装置の概略構成図。
【図5】(a)(b)第2実施形態の施術子の動作を概略的に示す模式図。
【図6】別例の施術子の動作を概略的に示す模式図。
【図7】(a)(b)別例の施術子の動作を概略的に示す模式図。
【図8】別例の頭皮ケア装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置1は、把持可能なハウジング10と、そのハウジング10の上部に構成される4つの施術子20a,20b,20c,20d(図1では手前の2つのみ図示)とからなる。ハウジング10の側面には使用者が頭皮ケア装置1のオンオフ操作を行う電源スイッチ11が設けられている。
【0029】
ハウジング10の内部には、駆動源としての4つのモータ12(図1では手前の2つのみ図示)が収容されるとともに、その各モータ12はハウジング10に収容された制御部13と電気的に接続されている。制御部13は、ハウジング10内に収容された電源14及び前記電源スイッチ11と電気的に接続されている。
【0030】
ハウジング10には、対応するモータ12の回転によりそれぞれ回転駆動される4つの出力軸15a,15b,15c,15d(図1では手前の2つのみ図示)がそれぞれ軸受16を介して回転可能に支持されている。各出力軸15a〜15dの基端部には、各モータ12のモータ軸12aの先端に固定された駆動ギヤ17と噛み合いするギヤ18が固定されるとともに、各出力軸15a〜15dの先端側はハウジング10の上部から外部に突出するように構成されている。なお、各出力軸15a〜15dは、互いに平行となるように設けられている。また、各出力軸15a〜15dは、その中心である第1の軸31a,31b,31c,31dを結ぶ直線(第1の軸31aと第1の軸31b、第1の軸31bと第1の軸31d、第1の軸31dと第1の軸31c、第1の軸31cと第1の軸31aをそれぞれ結ぶ直線)が平面視で正方形をなすように配置されている(図2(a)参照)。
【0031】
ハウジング10から突出する出力軸15a〜15dの先端部には、前記施術子20a〜20dがそれぞれ連結されている。各施術子20a〜20dは、各出力軸15a〜15dの先端部に一体回転可能に固定された円盤状の回転部材21と、回転部材21に支持された支持部材22と、支持部材22に固定された4つの施術突起23a(図2(a)参照)からなる突起群23とを備える。
【0032】
各施術子20a〜20dの回転部材21は、その中心部にそれぞれ対応する出力軸15a〜15dの先端部が固定されており、モータ12の駆動に基づいて各出力軸15a〜15dの中心である第1の軸31a〜31dを中心に回転するようになっている。回転部材21の上面(反ハウジング側の面)に固定された基部21aには、平面視(第1の軸方向視)で円形状をなす支持部材22が軸受24を介してそれぞれ第1の軸31a〜31dからずれた第2の軸32a,32b,32c,32d中心に回転可能に支持されている。なお、各基部21aの中心軸は、第2の軸32a〜32dと一致している。
【0033】
第1の軸31a〜31dと第2の軸32a〜32dとは互いに平行であり、各第2の軸32a〜32d同士も互いに平行となっている。なお、各施術子20a〜20dの支持部材22は、その中心軸が対応する第2の軸32a〜32dと一致するように構成されている。そして、各施術子20a〜20dの支持部材22の中心軸(第2の軸32a〜32d)は、回転部材21の回転に伴い、対応する第1の軸31a〜31dの回りを周回するようになっている。
【0034】
支持部材22に設けられた各施術突起23aは、エラストマ等の弾性部材よりなり、略円錐形状に形成されている。また、各施術突起23aは、第2の軸32a〜32dに沿って上方(反ハウジング側)に延出されるとともに、その高さ(支持部材22から突起先端までの距離)が互いに等しく設定されている。そして、図2(a)に示すように、支持部材22のそれぞれにおいて、各施術突起23aは第2の軸32a〜32dを中心として等角度間隔(90度間隔)で、第2の軸32a〜32dから均等な距離に配置されている。これにより、各施術子20a〜20dの突起群23の中心P1,P2,P3,P4は、それぞれ第2の軸32a〜32dと一致する。すなわち、突起群23の中心P1〜P4は、それぞれ対応する第1の軸31a〜31dからずれた位置に設定されるため、各施術子20a〜20dの突起群23は、対応する出力軸15a〜15dの回転に基づき第1の軸31a〜31dを中心として周回動作されるようになっている。
【0035】
このような頭皮ケア装置1では、電源スイッチ11が使用者によってオン操作されると、制御部13はその電源スイッチ11からのオン操作信号の入力に基づいて、電源14から駆動電力を各モータ12に供給する。そして、各モータ12が駆動されると、その駆動力がモータ軸12aから伝達されて出力軸15a〜15d及び回転部材21が第1の軸31a〜31dを中心として互いに等しい回転周期で一体回転する。これにより、各施術子20a〜20dにおいて、中心が第1の軸31a〜31dからずれた位置にある支持部材22及び突起群23が、第1の軸31a〜31dを中心として周回する。このとき、支持部材22は、回転部材21に固定された基部21aに対して回転可能に支持されているため、負荷(突起群23と接触する頭皮や毛髪との摩擦等)に応じて、例えば、平面視で第2の軸32a〜32dに対する施術突起23aの位置関係が変化しない状態を保ったまま第1の軸31a〜31d中心に周回することが可能とされている(図2(a)(b)参照)。従って、負荷(突起群23と接触する頭皮や毛髪との摩擦等)によっては、突起群23の各施術突起23aが第1の軸31a〜31dを中心として単純に(それぞれがそれぞれの半径で)回転する運動に基づいて施術子に毛髪が絡まってしまうといった現象を抑制することが可能となっている。
【0036】
次に、各施術子20a〜20dの回転動作について、図2(a)(b)に従って説明する。なお、図2(a)(b)では、図をわかりやすくするために、各施術子20a〜20dの構成を概略的に図示している。
【0037】
施術子20a〜20dは、前述したように、平面視で正方形をなすように並ぶ出力軸15a〜15d(第1の軸31a〜31d)にそれぞれ連結されている。そのうち、手前側で左右方向に隣り合う施術子20a,20bは、モータ12の駆動力に基づき回転部材21が互いに等しい回転周期で時計回り(正方向)に回転され、それにより、それらの突起群23の中心P1,P2がそれぞれ対応する第1の軸31a,31bの回りを時計回りに同期して(位相のずれが無い状態で)周回動作される。この各施術子20a,20bの突起群23の同期した周回動作により、頭皮に対して広範囲の回し揉みが可能となっている。そして、このように広範囲の回し揉みの動作を行う各施術子20a,20bの突起群23を頭皮に接触させると、その突起群23の動きに合わせて使用者の頭皮が効果的に動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。
【0038】
また、もう一組の左右方向に隣り合う施術子20c,20dは、モータ12の駆動力に基づき回転部材21が互いに等しい回転周期で反時計回り(逆方向)に回転され、それにより、それらの突起群23の中心P3,P4がそれぞれ対応する第1の軸31c,32dの回りを反時計回りに同期して回転されるようになっている。これにより、施術子20c,施術子20dにおいても、それらの突起群23により頭皮に対して広範囲の回し揉みが可能となっている。
【0039】
また一方で、前後方向に隣り合う一対の施術子20a,20cで見ると、それらの突起群23はモータ12の駆動力に基づいて相反する方向に周回動作するようになっている。そして、この前後方向に並ぶ施術子20a,20cでは、それらの突起群23の中心P1,P3が、出力軸15aと出力軸15c(第1の軸31a,31c)を結ぶ線分の垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように、それぞれ対応する出力軸15a,15cの回りを周回動作する。また、これと同様に、前後方向に隣り合うもう1組の一対の施術子20b,20dでは、それらの突起群23の中心P2,P4が、出力軸15b,15d(第1の軸31b,31d)を結ぶ線分の垂直二等分線(前記垂直二等分線Lと同一)に対して互いに線対称となるように、それぞれ対応する出力軸15b,15dの回りを周回動作する。
【0040】
これにより、前後方向に並ぶ施術子20a,20cにおいて、それらの突起群23が第1の軸31a,31c回りの周回動作によって同じタイミングで接近する。そして、施術子20a,20cの間を局所的に見ると、各施術子20a,20cの突起群23は、互いに接近した状態(第2の軸32a,32cがそれぞれ対応する第1の軸31a,31cよりも垂直二等分線L側にある状態)で略同方向(略右方向)に移動する(図2(b)参照)。これにより、同じタイミングで接近する各施術子20a,20cの突起群23で頭皮を挟むとともに、そこから一方方向(右方向)にさすり揉みするような頭皮マッサージを実現できるようになっている。そして、このように挟みの動作及びさすり揉みの動作を行う各施術子20a,20cの突起群23を頭皮に接触させると、その突起群23の動きに合わせて使用者の頭皮が効果的に動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。なお、前後方向に並ぶ施術子20a,20cにおいても、この施術子20a,20cと同様の挟みとさすりの動きがなされるようになっている。
【0041】
上記したように、本実施形態の頭皮ケア装置1では、左右方向に隣り合う施術子20a,20b(施術子20c,20d)で頭皮に対し広範囲の回し揉みが可能となっている一方で、前後方向に隣り合う施術子20a,20c(施術子20b,20d)で頭皮に対し挟みとさすりの動きを与えることが可能となっている。すなわち、本実施形態の頭皮ケア装置1では、頭皮に対して異なる種類の動きを与えることが可能であるため、頭皮ケア効果の向上に寄与できるようになっている。
【0042】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)モータ12の駆動力に基づき回転される4つの出力軸15a〜15dに対し施術突起23aを備えた施術子20a〜20dがそれぞれ連結されており、その施術子20a〜20dには、それぞれ対応する出力軸15a〜15dの回転により正回転されるものと逆回転されるものとがある。これにより、モータ12の駆動力に基づく施術突起23aの動作によって異なる種類の動きを頭皮に与えることが可能となるため、頭皮ケア効果の向上に寄与することができる。
【0043】
(2)各施術子20a〜20dは、複数の施術突起23aからなる突起群23を有し、その突起群23の中心P1〜P4が、対応する出力軸15a〜15d(第1の軸31a〜31d)からずれた位置に設定される。これにより、各施術子20a〜20dの突起群23が出力軸15a〜15dの回転に基づきその出力軸15a〜15dの回りを周回動作するため、施術子20a〜20dの突起群23の間で頭皮を挟み込むことが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0044】
(3)各施術子20a〜20dは、突起群23を支持する支持部材22が、出力軸15a〜15dに一体回転可能に固定された回転部材21に対して、出力軸15a〜15dの中心である第1の軸31a〜31dからずれた第2の軸32a〜32dを中心に回転可能に支持される。これにより、回転部材21及び支持部材22の回転により対応する出力軸15a〜15dの回りを周回動作する突起群23を頭皮や毛髪と接触させた時、支持部材22及び突起群23が負荷(突起群23と頭皮や毛髪との摩擦等)により、第1の軸方向から見て第2の軸32a〜32dに対する施術突起23aの位置関係が変化しない状態を保ったまま第1の軸31a〜31dの回りを周回動作する。従って、突起群23の各施術突起23aが第1の軸31a〜31dを中心として単純に(それぞれがそれぞれの半径で)回転するように構成した場合(例えば、回転部材21に対して支持部材22を回転不能に構成した場合)に比べて、施術子20a〜20dに毛髪が絡まってしまうといった現象を抑制することが可能となる。
【0045】
(4)施術子20a〜20dのうち、互いに相反する方向に回転する一対の施術子20a,20c(施術子20b,20d)が前後方向に隣り合うように配置される。そして、それらの突起群23の中心P1,P3(中心P2,P4)が、それぞれ対応する出力軸15a,15c(出力軸15b,15c)を結ぶ線分の垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように、出力軸15a,15c(出力軸15b,15c)の回りを周回動作するように設定される。このため、その2つの施術子20a,20c(施術子20b,20d)の間で頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0046】
なお、本発明の第1実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、同方向に回転する施術子20a,20b(施術子20c,20b)において、その突起群23の中心P1,P2(中心P3,P4)が同期して(位相のずれが無い状態で)回転されたが、これに特に限定されるものではない。例えば、図3(a)(b)(c)(d)に示す例では、時計回りに回転する施術子20a,20bは、それらの突起群23の中心P1,P2が互いに180度の位相のずれをもって回転する。また、反時計回りに回転する施術子20c,20dにおいても同様に、それらの突起群23の中心P3,P4が互いに180度の位相のずれをもって回転する。また、前後方向に隣り合う施術子20a,20c(施術子20b,20d)においては、上記第1実施形態と同様に、それらの突起群23の中心P1,P3(中心P2,P4)が垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように回転する。
【0047】
このような構成によれば、図3(a)に示すように、施術子20a,20cの突起群23の中心P1,P3と、施術子20b,20dの突起群23の中心P2,P4とが左右方向に最も離れた状態から、各施術子20a〜20dが90度回転すると、図3(b)に示すように、施術子20a,20cの突起群23は、それらの間で挟みとさすり揉みを行うように動作する。
【0048】
そこから更に、各施術子20a〜20dが90度回転すると、図3(c)に示すように、同方向に回転する施術子20a,20bにおいて、それらの突起群23の中心P1,P2は、同じタイミングで互いに最も接近する。そして、施術子20a,20bの間を局所的に見ると、各施術子20a,20bの突起群23は、互いに接近した状態で互いにすれ違うように周回動作する。これにより、同じタイミングで接近する各施術子20a,20bの突起群23で頭皮を挟むとともに、そこから互いにすれ違う突起群23の動作によって頭皮にひねりの動きを与えることが可能となっている。そして、このように挟みの動作及びひねり揉みの動作を行う各施術子20a,20bの突起群23を頭皮に接触させると、その突起群23の動きに合わせて使用者の頭皮が効果的に動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。また、施術子20c,20dにおいても、この施術子20a,20bと同様の挟みとひねりの動きがなされるようになっている。
【0049】
そこから更に、各施術子20a〜20dが90度回転すると、図3(d)に示すように、施術子20b,20dの突起群23は、それらの間で挟みとさすり揉みを行うように動作する。
【0050】
このように、図3に示すような例では、各施術子20a〜20d(突起群23の中心P1〜P4)の回転角度に応じて、頭皮に対して異なる種類の動きを与えることが可能であるため、頭皮ケア効果の向上に寄与できるようになっている。
【0051】
なお、図3に示す例では、同方向に回転する施術子20a,20b(施術子20c,20d)は、その突起群23の中心P1,P2(P3,P4)が互いに180度の位相のずれをもって回転するように設定されたが、これに特に限定されるものではなく、例えば、180±10度の範囲内の位相のずれをもって回転するように設定してもよい。これによれば、相反する方向に回転する施術子20a,20c(施術子20b,20d)間において頭皮にさすりの動きと挟みの動きを併せて与える一方で、同方向に回転する施術子20a,20b(施術子20c,20d)間において頭皮にひねりの動きと挟みの動きを好適に与えることが可能となるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。そして、その位相のずれの範囲(180±10度)内で、図3に示す例のように位相のずれを180度にすれば、同方向に回転する施術子20a,20b(施術子20c,20d)間において頭皮にひねりの動きと挟みの動きをより効果的に与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0052】
・上記第1実施形態では、前後方向に並ぶ施術子20a,20c(施術子20b,20d)では、それらの突起群23の中心P1,P3(中心P2,P4)が、垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように周回動作されたが、これに特に限定されるものではない。これ以外に例えば、その施術子20a,20c(施術子20b,20d)の突起群23の中心P1,P3(中心P2,P4)は、互いに線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように構成してもよい。この構成によっても、施術子20a,20cの間(施術子20b,20dの間)で頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。しかしながら、このような突起群23の中心P1,P3(中心P2,P4)が互いにずれをもって周回動作する構成よりも、上記第1実施形態のように線対称となるように周回動作する構成の方がより好適に頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となる。
【0053】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態は、出力軸が軸直交方向に移動可能に構成された点で上記第1実施形態とは異なる。従って、以下には、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0054】
図4及び図5(a)(b)に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置40は、反時計回りに回転される一対の第1施術子41(図1では1つのみ図示)が前後方向に隣り合うように並設され、また、時計回りに回転される一対の第2施術子42(図1では1つのみ図示)も前後方向に隣り合うように並設されている。また、相反する方向に回転する第1及び第2施術子41,42同士は、それぞれ左右方向に隣り合うように並設されている。なお、第1及び第2施術子41,42の構成は、上記第1実施形態の各施術子20a〜20dと同様である。
【0055】
第1及び第2施術子41,42をそれぞれ回転させるための駆動源としての駆動装置43,44は、それぞれハウジング10内に収容されており、その各駆動装置43,44は制御部13と電気的に接続されている。各駆動装置43,44に連結されその各駆動装置43,44の駆動力に基づき回転駆動される出力軸45,46は、ハウジング10から外部に突出され、その突出部分がそれぞれ第1及び第2施術子41,42の回転部材21と一体回転可能に固定されている。駆動装置43,44は、上記第1実施形態と同様のモータとギヤ構造(ともに図示略)を有し、それらと連結された出力軸45,46とともにそれぞれ一体に構成されている。なお、駆動装置43,44は、一対の第1施術子41及び一対の第2施術子42にそれぞれ対応して2つずつ設けられているが、図4においては手前の1つのみ図示している。また、各出力軸45,46は、上下方向に延びるとともに、互い平行をなしている。そして、第2施術子42を駆動する駆動装置44及び出力軸46は、ハウジング10に移動不能に支持される一方、第1施術子41を駆動する駆動装置43及び出力軸45は、ハウジング10に対して出力軸45の軸直交方向(図4及び図5では左右方向)に一体的に移動可能に構成されている。
【0056】
詳述すると、一対の第1施術子41は、ハウジング10に収容された軸移動手段としての一対の軸移動機構51(図1では1つのみ図示)にそれぞれ連結されている。各軸移動機構51は、ハウジング10に支持されたベース部52と、ベース部52に支持された駆動部53と、駆動部53及び駆動装置43とそれぞれ連結された送りねじ54とからなる。ベース部52は、駆動装置43を左右方向に移動可能に支持している。なお、ベース部52には、左右方向に直線状に延びる一対の長孔52aが形成されており、その各長孔52aは駆動装置43と係合されて駆動装置43を左右方向にガイドする。駆動部53は、制御部13と電気的に接続され、その制御部13の制御に基づき送りねじ54を左右方向に移動させる。すると、送りねじ54に連結された駆動装置43とその駆動装置43に連結された出力軸45が長孔52aのガイドに沿って左右方向に移動するようになっている。なお、ハウジング10の上面に形成され、出力軸45をハウジング10外部に突出させるための貫通孔55は、左右方向に直線状をなしており、その貫通孔55に挿通された出力軸45を左右方向にガイドするようになっている。
【0057】
このような頭皮ケア装置40では、電源スイッチ11が使用者によってオン操作されると、制御部13は、駆動装置43,44を駆動させて第1及び第2施術子41,42を回転駆動させる。この第1及び第2施術子41,42の回転駆動において、それらの突起群23の中心P1及びP2は、それぞれ出力軸45,46の中心である第1の軸45a,46aを中心として互いに等しい回転周期で周回動作するようになっている。また、第1及び第2施術子41,42の突起群23の中心P1,P2は、それぞれ対応する出力軸45,46(第1の軸45a,46a)を結ぶ線分の垂直二等分線に対して互いに線対称となるように、第1の軸45a,46aの回りを周回動作する。
【0058】
また、このとき、制御部13は、軸移動機構51の駆動部53を駆動させて駆動装置43及び出力軸45を左右方向に移動させる。そして、この駆動装置43及び出力軸45の左右方向の移動と第1施術子41の突起群23の周回動作とは同期するように構成されている。詳しくは、第1施術子41の突起群23が第2施術子42側に最も接近する位置(図5(b)参照)から、その突起群23が第2施術子42から最も離れる位置(図5(a)参照)までの半周を周回している時には、出力軸45(第1の軸45a)は出力軸46(第1の軸46a)から離れる方向(図中、左方向)に移動する。反対に、第1施術子41の突起群23が第2施術子42から最も離れる位置から、その突起群23が第2施術子42側に最も接近する位置までの半周を周回している時には、出力軸45(第1の軸45a)は出力軸46(第1の軸46a)に接近する方向(図中、右方向)に移動するようになっている。このとき、同じタイミングで接近する第1及び第2施術子41,42の突起群23で頭皮を挟むとともに、そこから一方方向(奥方向)にさすり揉みするような頭皮マッサージを実現できるようになっている。更に、そのマッサージと同期して第1施術子41(第1の軸45a)が第2施術子42側に移動されるため、より効果的に頭皮に刺激を与えることが可能となっている。
【0059】
本実施形態の頭皮ケア装置40は、上記第1実施形態とは若干の構成の相違はあるが、第1実施形態で記載したものと略同様の作用効果を有する。更に加えて、本実施形態では以下の特徴的な作用効果を有する。
【0060】
(5)出力軸45は、その軸直交方向に移動可能に構成され、出力軸45が軸直交方向に移動することで、その出力軸45と連結された第1施術子41の施術範囲を広がるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。また、第1及び第2施術子41,42間での挟み及びさすりの動きと、出力軸45の軸直交方向の移動とを組み合わせることで、より効果的に頭皮に刺激を与えることが可能となる。
【0061】
なお、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
上記第2実施形態では、全部で4つの出力軸45.46のうちの2つの出力軸45を軸直交方向に移動可能に構成したが、これに特に限定されるものではなく、そのうちの1つ、又は3つ以上を軸直交方向に移動可能に構成してもよい。
【0062】
・上記各実施形態では、施術子が4つ設けられたが、これに特に限定されるものではなく、図6に示すように3つとしてもよく、また、5つ以上としてもよい。
なお、図6に示すように、3つの施術子20a〜20cを設ける場合について詳述すると、施術子20a〜20cにそれぞれ対応する出力軸(第1の軸31a〜31c)は、それらを結ぶ直線が正三角形をなすように配置されている。各施術子20a〜20cは、出力軸の回転に基づき互いに等しい回転周期で回転されるとともに、図6において手前側の2つの施術子20a,20bが時計回り(正回転)で回転され、奥側の施術子20cが反時計回り(逆回転)で回転されるようになっている。そして、施術子20a〜20cは、それらの突起群23の中心P1〜P3が互いに等しいタイミングで前記正三角形(第1の軸31a〜31cを結ぶ直線からなる正三角形)の中心G(重心)に最も近づくように設定されている。
【0063】
この構成によれば、同方向に回転する施術子20a,20b間では、周回動作するそれらの突起群23によって頭皮に対して挟みとひねりの動きがなされるようになっている。また、相反する方向に回転する施術子間(施術子20cと施術子20aとの間、及び施術子20cと施術子20bとの間)では、頭皮に対して挟みとさすりの動きがなされるようになっている。このように、頭皮に対して異なる種類の動きを与えることが可能であるため、頭皮ケア効果の向上に寄与できるようになっている。また、3つの施術子20a〜20cの間の中心部分(中心G付近)においては、その施術子20a〜20cがその中心部分に向かって頭皮を寄せるように作用するため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0064】
・上記各実施形態において、施術子の少なくとも1つの回転方向を変更可能に構成してもよい。この構成を例えば第1実施形態に適用する場合を図7(a)(b)に示す。この図7に示す例では、各施術子20a〜20dは、回転方向が所定周毎に切り替わりつつ回転動作されるようになっている。このような構成によれば、例えば、頭皮の同一の部位に対して突起群23の正転動作の刺激と逆転動作の刺激を与えることが可能となる。従って、頭皮に与える動きのバリエーションをより一層増やすことが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0065】
・上記各実施形態において、施術子20a〜20d(突起群23)の回転速度(回転周期)を変更可能に構成してもよい。この構成によれば、頭皮に与える刺激に緩急を付けることが可能となるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。また、この構成を例えば第1実施形態に適用する場合、施術子20a,20c(施術子20b、20d)で挟みとさすりの動きをするタイミングでその回転速度を上昇させることで、より効果的に頭皮に刺激を与えることが可能となる。
【0066】
・上記各実施形態において、ハウジング10から施術突起23aの先端までの距離を変更可能に構成してもよい。例えば、図8に示す例では、各出力軸15a〜15d(手前の2つのみ図示)の先端部に送りねじ駆動部61が設けられており、その送りねじ駆動部61に連結された送りねじ62は、各施術子20a〜20d(手前の2つのみ図示)の回転部材21に固定されている。制御部13の制御に基づき送りねじ駆動部61が駆動されると、送りねじ62が上下方向に移動し、施術子20a〜20dの高さ位置(ハウジング10からの距離)が変更されるようになっている。これにより、ハウジング10から施術子20a〜20dの施術突起23aの先端までの距離が変更可能となっている。
【0067】
このような構成によれば、ハウジング10から施術突起23aの先端までの距離を変更することで、施術突起23aが頭皮に付与する押圧力を変化させることが可能となるため、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。なお、ハウジング10から施術突起23aの先端までの距離の可変(施術突起23aの頭皮に対する押圧力の可変)を突起群23の挟みとさすりの動きと組み合わせると、より効果的な頭皮マッサージが可能となる。また、マッサージ中の送りねじ62の上下方向移動の速度、すなわち施術子20a〜20dの上下方向移動の速度を可変することで、頭皮に対する刺激を変化させることができ、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。なお、各施術子20a〜20dの回転方向を変更するのではなく、その少なくとも1つの回転方向を変更するようにしてもよい。
【0068】
・上記各実施形態では、支持部材22は、回転部材21の基部21aに対して第2の軸32a〜32dを中心に回転可能に構成されたが、これに特に限定されるものではなく、回転部材21に対して回転不能に固定してもよい。また、支持部材22を省略して突起群23を回転部材21に直接設けた構成としてもよい。
【0069】
・上記各実施形態では、施術突起23aの材質をエラストマとしたが、特にこれに限定されるものではなく、エラストマ以外としてもよい。
・上記各実施形態では、1つの施術子に設けられる施術突起23aの数を4つとしたが、これに特に限定されるものではなく、その数は構成に応じて適宜変更してもよい。
【0070】
・上記各実施形態では、出力軸15a〜15d(出力軸45,46)の中心である第1の軸31a〜31d(第1の軸45a,46a)からずれた位置に突起群23の中心P1〜P4を設定したが、これに特に限定されるものではなく、第1の軸31a〜31d(第1の軸45a,46a)と突起群23の中心P1〜P4とが一致するように構成してもよい。これにより、出力軸15a〜15d(出力軸45,46)の回転に基づき突起群23はその中心P1〜P4を中心軸として回転する。このような構成によっても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0071】
1,40…頭皮ケア装置、10…ハウジング、12…駆動源としてのモータ、15a〜15d,45,46…出力軸、20a〜20d,41,42…施術子、21…回転部材、22…支持部材、23…突起群、23a…施術突起、31a〜31d,45a,46a…第1の軸、43,44…駆動源としての駆動装置、P1〜P4…突起群の中心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源の駆動力に基づき回転される出力軸に対し施術突起を備えた施術子が連結され、前記出力軸の回転に伴って回転される前記施術子の前記施術突起を頭皮に接触させて刺激を与える頭皮ケア装置であって、
前記出力軸及び前記施術子は、それぞれ少なくとも3つ設けられ、前記施術子には、それぞれ対応する前記出力軸の回転により正回転されるものと逆回転されるものとがあることを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記各施術子は、複数の前記施術突起からなる突起群を有し、該突起群の中心が対応する前記出力軸からずれた位置に設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子は、前記突起群を支持する支持部材が、前記出力軸に一体回転可能に固定された回転部材に対して、前記出力軸の中心である第1の軸からずれた第2の軸中心に回転可能に支持されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子のうち、互いに相反する方向に回転する一対の施術子が隣り合うように配置され、それらの前記突起群の中心が、それぞれ対応する前記出力軸を結ぶ線分の垂直二等分線に対して互いに線対称となるように前記出力軸の回りを周回動作する、又はその線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項4に記載の頭皮ケア装置において、
前記出力軸のうちの3つは、それらを結ぶ直線が正三角形をなすように配置され、その出力軸にそれぞれ対応する3つの前記施術子は、回転周期が互いに等しく設定されるとともに正回転する2つと逆回転する1つとからなり、それらの前記突起群の中心が互いに等しいタイミングで前記正三角形の中心に最も近づくように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項4に記載の頭皮ケア装置において、
前記一対の施術子が前記垂直二等分線の方向に2組並設されてそれぞれ対応する前記出力軸を結ぶ直線が矩形をなし、同方向に回転する前記施術子同士が前記垂直二等分線の方向に隣り合うように構成され、
同方向に回転する前記施術子同士は、その前記突起群の中心が180±10度の範囲内のずれをもって回転するように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項7】
請求項6に記載の頭皮ケア装置において、
同方向に回転する前記施術子同士は、その前記突起群の中心が180度のずれをもって回転するように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子の少なくとも1つの回転方向が変更可能に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子の少なくとも1つの回転速度が変更可能に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記出力軸の少なくとも1つは、その軸直交方向に移動可能に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子は、ハウジングから突出する前記出力軸に連結されるものであって、
前記ハウジングから前記施術子の施術突起の先端までの距離が変更可能に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−172628(P2011−172628A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37033(P2010−37033)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】