説明

頭皮ケア装置

【課題】駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することが可能となる頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】頭皮ケア装置1は、突起15をモータ14の駆動力にて回転駆動させ、突起15を頭皮に接触させて頭皮をケアするものである。そして、頭皮ケア装置1は、突起15に加わる力を検出するための圧力センサS1と、圧力センサS1にて検出された値に基づく情報を使用者に伝達するためのブザー23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭皮ケア装置としては、突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、その突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものがある(例えば、特許文献1参照)。この頭皮ケア装置は、使用者が本体ハウジングを把持しつつ突起を頭皮に押し付けることで、突起に接触する頭皮に刺激を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−229159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような頭皮ケア装置では、突起を頭皮に押し付ける力が強過ぎると、駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎたり、自身(頭皮ケア装置)にかかる負荷が大きくなりすぎるといった虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することが可能となる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、前記突起に加わる力を検出するための検出手段を備えたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、検出手段にて突起に加わる力を検出することができる。よって、例えば、検出手段にて検出された値に基づく情報を、何らか(例えば、ブザー等)の伝達手段によって使用者に伝達すれば、突起を頭皮に押し付ける力が強過ぎる場合等、その場合に応じた情報を使用者が得ることができる。その結果、例えば、使用者は、突起を頭皮に押し付ける力を弱めることで、駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の頭皮ケア装置において、前記検出手段にて検出された値に基づく情報を使用者に伝達するための伝達手段を備えたことを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、伝達手段によって、検出手段にて検出された値に基づく情報が使用者に伝達される。よって、例えば、突起を頭皮に押し付ける力が強過ぎる場合等、その場合に応じた情報を使用者は得ることができる。よって、具体的に請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記伝達手段は、前記検出手段にて検出された値に基づく情報を音により使用者に伝達するための音伝達手段を含むことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、音伝達手段によって、検出手段にて検出された値に基づく情報が音により使用者に伝達される。よって、前記情報を使用者に分かり易く伝達することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記検出手段は、前記突起の突出方向の軸に沿った方向の圧力を検出可能な圧力センサであることを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、検出手段は、突起の突出方向の軸に沿った方向の圧力を検出可能な圧力センサであるため、簡単な構成で突起を頭皮に押し付ける力(その反力)を検出することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記検出手段は、前記突起の突出方向の軸を含むそれぞれ直交する3つの軸に沿った方向の圧力を検出可能な3軸圧力センサであることを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、検出手段は、突起の突出方向の軸を含むそれぞれ直交する3つの軸に沿った方向の圧力を検出可能な3軸圧力センサであるため、突起を頭皮に押し付ける力(その反力)を含む各方向の力を検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することが可能となる頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態における頭皮ケア装置の断面図。
【図2】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態の頭皮ケア装置1は、外観が略直方体状の本体ハウジング11と、該本体ハウジング11内に収容保持され、2つの出力軸12,13を回転駆動するための駆動源としてのモータ14とを備える。又、頭皮ケア装置1は、本体ハウジング11から突出した出力軸12,13の先端に連結され、出力軸12,13の回転に基づいて駆動される突起15を有した施術子16,17を備える。
【0019】
本体ハウジング11の側部には、使用者が頭皮ケア装置1をオンオフ操作するためのスイッチ18が設けられている。
出力軸12,13は、本体ハウジング11の上部から先端側が外部に突出するように同本体ハウジング11に軸受19a,19bを介して回転可能に支持されている。又、出力軸12,13において本体ハウジング11内の基端側には、出力軸ギヤ12a,13aが設けられている。
【0020】
モータ14は、回転軸14aを回転駆動可能なものであって、該回転軸14aの先端部には回転軸ギヤ14bが設けられている。そして、モータ14は、回転軸ギヤ14bが前記出力軸ギヤ12aに噛合されるように本体ハウジング11内に収容保持されることで、出力軸12を回転駆動可能とされている。又、モータ14は、回転軸ギヤ14bが、本体ハウジング11内で回転可能に支持されるとともに前記出力軸ギヤ13aと噛合した反転ギヤ20に噛合されるように保持されることで、出力軸13を前記出力軸12とは逆方向に回転駆動可能とされている。このモータ14は本体ハウジング11内に収容保持された制御部21と電気的に接続され、該制御部21は本体ハウジング11内に収容保持された電源(バッテリー)22と、伝達手段及び音伝達手段としてのブザー23と、前記スイッチ18とに電気的に接続されている。
【0021】
施術子16,17は、出力軸12,13の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心で出力軸12,13に対して回転可能に設けられる回転部材31と、前記第1の軸X1に対して偏った位置に配置(第2の軸X2の周囲に配置)されるように回転部材31に設けられた複数の突起15とを有する。尚、本実施の形態では、突起15は、施術子16,17毎に4つずつ(図1中、2つずつのみ図示)設けられている。
【0022】
詳しくは、出力軸12,13の先端と施術子16,17とは、回転板32、突起15に加わる力を検出するための検出手段としての圧力センサS1、回転支持部材33及び軸受34を介して連結されている。回転板32は、円盤状に形成され、その中心孔32aに出力軸12,13の先端が嵌入されて固定されている。回転支持部材33は、略円柱状に形成されるとともに下端にフランジ部が形成され、その軸中心が出力軸12,13の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心となるように前記回転板32上に圧力センサS1を介して固定されている。この圧力センサS1は、前記回転板32と前記回転支持部材33との間において、前記第2の軸X2に沿った方向の圧力を検出可能なものであって、出力軸12,13の内部を通る配線Hを介して前記制御部21と電気的に接続されている。一方、施術子16,17の回転部材31は、略円盤状の円盤部31aと、円盤部31aの下面から筒状に延びる筒部31bとを有する。そして、施術子16,17は、その回転部材31における筒部31bの内周面が軸受34を介して前記回転支持部材33の外周面に回転可能に支持されている。又、突起15は、エラストマー等の弾性部材よりなり、略円錐形状に形成され、本実施の形態では円盤部31aの上部に(第2の軸X2と平行に)上方に突出するように4つ固定されている。これら各施術子16,17における4つの突起15は、それぞれ前記第2の軸X2を中心として均等な距離に等角度(90°)間隔に配置されている。又、施術子16,17は、それぞれ連結される出力軸12,13によって、互いに逆方向に回転駆動される。そして、本実施の形態における施術子16,17は、それぞれ連結される出力軸12,13の軸方向から見て同出力軸12,13同士を結ぶ線分の垂直二等分線に対して線対称に動作するように(即ち位相差が180°となるように)設定されている。
【0023】
そして、前記制御部21は、圧力センサS1にて検出された値(圧力)に基づく情報であって、例えば検出された値(圧力)が予め設定した値を超えた場合に、その旨を使用者に伝達させるべく音(警告音)を鳴らすようにブザー23を制御する。尚、前記予め設定した値は、駆動される突起15による頭皮への刺激が強くなりすぎる状態や、頭皮ケア装置(特にモータ14)にかかる負荷が大きくなりすぎる状態に対応して設定されている。
【0024】
このように構成された頭皮ケア装置1では、スイッチ18が使用者によってオン操作されると、制御部21はスイッチ18からのオン操作信号の入力に基づいて、モータ14(その回転軸14a)を回転駆動させるための電力を電源22からモータ14に供給する。そして、モータ14の回転軸14aが回転駆動されると、出力軸12,13及び回転板32が前記第1の軸X1を中心として一体回転する。又、このとき、回転支持部材33及び施術子16,17(その軸中心)が前記第1の軸X1を周回するように前記第1の軸X1を中心として回転する。そして、施術子16,17の先端(突起15)を頭皮に接触させると、突起15の先端が球面状の凹部とされていること等から頭皮に密着して、施術子16,17の先端(突起15)の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。尚、施術子16,17は、回転支持部材33に対して(第2の軸X2中心で)回転可能に支持されているため、負荷(突起15に接触される頭皮や毛髪との摩擦等)に応じて、例えば、第1の軸X1方向から見て第2の軸X2に対する突起15の位置関係が変化しない状態を保ったまま第1の軸X1中心に回転することが可能とされている。よって、負荷(頭皮や毛髪との摩擦等)によっては、各突起15が第1の軸X1を中心として(それぞれがそれぞれの半径で)単純に回転する運動に基づいて施術子に毛髪が絡まってしまうといった現象を回避することができる。又、本実施の形態の2つの施術子16,17は、それぞれ第1の軸X1を中心として回転する際であって、互いに近づき合うように動作する際に、それぞれの突起15(の群)の間に頭皮を挟み込むようにして刺激を与えることが可能とされている。
【0025】
そして、例えば、駆動時に突起15に加わる力が大きくなり、圧力センサS1にて検出された値(圧力)が予め設定した値を超えると、ブザー23から音(警告音)が発生されることになる。
【0026】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)圧力センサS1にて突起15に加わる力を検出することができる。そして、圧力センサS1にて検出された値(圧力)が予め設定した値を超えると、その情報が、ブザー23が発生する音(警告音)によって使用者に伝達される。よって、例えば、突起15を頭皮に押し付ける力が強過ぎる場合等、その場合に応じた情報を使用者が得ることができる。その結果、例えば、使用者は、突起15を頭皮に押し付ける力を弱めることで、駆動される突起15による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置1(特にモータ14)にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することができる。
【0027】
(2)圧力センサS1にて検出された値に基づく情報を使用者に伝達するための伝達手段を、音により使用者に伝達するためのブザー23(音伝達手段)としたため、前記情報を使用者に分かり易く伝達することができる。
【0028】
(3)突起に加わる力を検出するための検出手段を、突起15の突出方向の軸(第2の軸X2と平行な軸)に沿った方向の圧力を検出可能な圧力センサS1としたため、簡単な構成で突起15を頭皮に押し付ける力(その反力)を検出することができる。
【0029】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、検出手段を、突起15の突出方向の軸(第2の軸X2と平行な軸)に沿った方向の圧力を検出可能な圧力センサS1としたが、これに限定されず、例えば、図2に示すように、突起15の突出方向の軸を含むそれぞれ直交する3つの軸に沿った方向の圧力を検出可能な3軸圧力センサS2に変更してもよい。詳しくは、この例(図2参照)では、上記実施の形態の圧力センサS1に換えて、突起15の突出方向の軸を含むそれぞれ直交する3つの軸に沿った方向の圧力を検出可能な3軸圧力センサS2を、各突起15と回転部材31との間に介在させて設けている。このようにすると、突起15を頭皮に押し付ける力(その反力)を含む各方向の力を検出することができる。
【0030】
・上記実施の形態では、圧力センサS1にて検出された値に基づく情報を使用者に伝達するための伝達手段を、音により使用者に伝達するためのブザー23(音伝達手段)としたが、これに限定されず、他の伝達手段に変更してもよい。例えば、伝達手段を光により使用者に伝達するための光伝達手段(ランプ等)に変更してもよい。又、例えば、伝達手段を(通常駆動時の振動と区別可能な)振動により使用者に伝達するための振動達手段(振動モータ等)に変更してもよい。又、ブザー23は、音声アナウンスにより使用者に伝達する他の音伝達手段に変更してもよい。
【0031】
・上記実施の形態では、圧力センサS1を、回転板32と回転支持部材33との間に介在させたが、これに限定されず、突起15に加わる力を検出できれば、他の位置に設けてもよい。
【0032】
・上記実施の形態では、2つの施術子16,17を備えた頭皮ケア装置1に具体化したが、施術子16,17の数を、例えば、1つや4つ等、他の数に変更して具体化してもよい。
【0033】
・上記実施の形態では、モータ14の駆動力にて突起15を回転駆動させる頭皮ケア装置1に具体化したが、これに限定されず、例えば、駆動源の駆動力にて突起を振動(往復運動)させる頭皮ケア装置1に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0034】
14…モータ(駆動源)、15…突起、23…ブザー(伝達手段及び音伝達手段)、S1…圧力センサ(検出手段)、S2…3軸圧力センサ(検出手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、
前記突起に加わる力を検出するための検出手段を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記検出手段にて検出された値に基づく情報を使用者に伝達するための伝達手段を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記伝達手段は、前記検出手段にて検出された値に基づく情報を音により使用者に伝達するための音伝達手段を含むことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記検出手段は、前記突起の突出方向の軸に沿った方向の圧力を検出可能な圧力センサであることを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記検出手段は、前記突起の突出方向の軸を含むそれぞれ直交する3つの軸に沿った方向の圧力を検出可能な3軸圧力センサであることを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−172629(P2011−172629A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37034(P2010−37034)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】