説明

頭皮ケア装置

【課題】より好適に使用者の頭皮に対して刺激を付与することができる頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】使用者の頭皮と接触し、頭皮に刺激を付与する施術突起24を振動させる振動モータ30と、施術突起24を有する施術子21を回転駆動させる回転駆動源としての回転モータ14とが備えられる。振動モータ30は回転軸31に対して偏心する偏心錘32を有するモータで構成されるとともに、施術子21は使用者が把持可能な本体ハウジング11に対して1つ設けられる。この施術子21には施術突起24が複数備えられるとともに、各施術突起24の配置中心と振動モータ30のモータの回転中心とが中心線L2で一致するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1の頭皮ケア装置では、振動源としての偏心モータを備え、そのモータにより使用者の頭皮と当接する施術突起に対して振動を付与することで使用者の頭皮のマッサージを施す(刺激を付与する)ようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−119016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような頭皮ケア装置では、偏心モータにて使用者の頭皮にマッサージを施すことができるようになっているが、より好適に使用者の頭皮に刺激を付与できる頭皮ケア装置の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より好適に使用者の頭皮に対して刺激を付与することができる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の頭皮ケア装置は、使用者の頭皮と接触し、頭皮に刺激を付与する施術突起を振動させる振動源と、その施術突起を有する施術子を回転駆動させる駆動源とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また上記構成において、振動源は、施術突起の突出方向と同方向若しくはその直交方向に振動を付与するよう構成されることが好ましい。
また上記構成において、振動源は、その回転軸に対して偏心する偏心錘を有する振動モータで構成され、施術子は、使用者が把持可能な把持部に対して1つ設けられるとともに、施術突起を複数備え、施術突起の配置中心線と前記振動モータの回転軸の軸線とが一致するよう構成されることが好ましい。
【0008】
また上記構成において、施術子は、使用者が把持可能な把持部に対して複数設けられ、振動源は、収容ケース内部に収容されることが好ましい。
また上記構成において、振動源は、その回転軸に対して偏心する偏心錘を有する振動モータで構成され、施術子の配置中心線と前記振動モータの回転軸の軸線とが一致するよう構成されることが好ましい。
【0009】
また上記構成において、振動源は、その回転軸に対して偏心する偏心錘を有するモータで構成され、施術子の配置中心線とモータの回転軸の軸線とが一致するよう構成されることが好ましい。
【0010】
また上記構成において、振動源を2つのケース部材にて挟持して収容する収容ケースを備え、前記2つのケース部材は同一の材質で前記振動源を挟持する挟持部位が同形状に構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より好適に使用者の頭皮に対して刺激を付与することができる頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は本実施形態における頭皮ケア装置の概略構成図であり、(b)は施術子の上面図である。
【図2】(a)は別例における頭皮ケア装置の概略構成図であり、(b)は頭皮ケア装置の上面図である。
【図3】別例におけるモータの取り付け構造について説明するための断面図である。
【図4】別例における頭皮ケア装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)に示すように、本実施の形態の頭皮ケア装置10は、把持可能な把持部としての本体ハウジング11と、この本体ハウジング11の上部に構成される略円柱状の1つの施術子21とを備えている。本体ハウジング11の側面には使用者が頭皮ケア装置10のオンオフ操作を行う電源スイッチ12と後述する振動モータ30を駆動させるための振動部駆動スイッチ13が設けられている。
【0014】
本体ハウジング11の内部には回転モータ14が収容されるとともに、この回転モータ14は本体ハウジング11に収容された制御部15と電気的に接続されている。制御部15は、本体ハウジング11内に収容された電源部16、前記電源スイッチ12及び振動部駆動スイッチ13と電気的に接続されている。
【0015】
回転モータ14のモータ軸14a先端には駆動ギヤ14bが取り付けられている。一方、本体ハウジング11に設けられたベアリング17により回転可能に支持された回転軸18aには、その基端部にギヤ18bがそれぞれ取り付けられている。このギヤ18bは回転モータ14の駆動ギヤ14bと噛合されている。これにより、モータ軸14aの回転がギヤ18bに伝達されるようになっている。
【0016】
ギヤ18bと一体回転する回転軸18aの先端部は、本体ハウジング11から外部に突出するとともに、その突出部分には円盤状の回転体19が固定されている。回転体19は、その中心部に前記回転軸18aが一体回転可能に固定されるとともに、回転体19の上面に固定された支持部20にはそれぞれ施術子21が回転可能に支持されている。
【0017】
施術子21は、支持部20に対してベアリング22にて回転可能に支持された施術子側ハウジング23と、このハウジング23に取り付けられる複数(本実施形態では4つ)の施術突起24と、前記ハウジング23内に収容される振動モータ30とを有している。また、施術子21の回転中心(施術突起24の配置中心)である中心線L2は、回転軸18aの回転中心である軸線L1からずれた位置に設定されている。
【0018】
施術突起24は、例えば可撓性を有するエラストマで構成されるとともに、先細形状とされてその先端部は突出方向と反対側に凹状をなす球面上の凹部が形成されている。このため、この施術突起24の先端は使用者の頭部(頭皮)の形状に倣った形状とされている。
【0019】
振動モータ30は、前記ハウジング23内に収容されており、そのモータ30の回転軸31に偏心錘32が取り付けられている。なお、回転軸31の軸中心は施術子21の回転中心(施術突起24の配置中心)である中心線L2と一致するように設定されている。このため、回転軸31が回転駆動されると振動が発生することで、施術子21が前記施術突起24の突出方向と直交する方向に振動が付与されるようになっている。
【0020】
上記のように構成された頭皮ケア装置10では、電源スイッチ12が使用者によってオン操作されると、制御部15はその電源スイッチ12からのオン操作信号の入力に基づいて、回転モータ14(そのモータ軸14a)を回転駆動させるための電力を電源部16から回転モータ14に供給する。そして、回転モータ14のモータ軸14aが回転駆動されると、2つの回転軸18a及び回転体19が前記軸線L1を中心として一体回転する。また、このとき、施術突起24が軸線L1からずれた中心線L2を中心として回転する。そして、施術突起24の先端を頭皮に接触させると、施術突起24の先端が球面状の凹部とされていること等から頭皮に密着して、施術突起24の先端の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。
【0021】
また、電源スイッチ12がオン状態において振動部駆動スイッチ13がオン操作されると、制御部15はそのスイッチ13からのオン操作信号の入力に基づいて、施術子21(施術突起24)を振動させるための電力を電源部16から振動モータ30に供給する。これによって、施術突起24が振動されて好適な刺激が頭皮に付与されることになる。
【0022】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)使用者の頭皮と接触し、頭皮に刺激を付与する施術突起24を振動させる振動モータ30と、施術突起24を有する施術子21を回転駆動させる回転駆動源としての回転モータ14とが備えられる。このような構成とすることで、施術突起24の振動による刺激に加えて、施術突起24の回転による刺激を使用者の頭皮に付与することができるため、使用者に対してより強い好適な刺激を付与することができる。
【0023】
(2)振動モータ30は、施術突起24の突出方向と直交する方向(水平方向)に振動を付与するよう構成される。このような構成とすることで、施術突起24の回転方向の刺激に加えて、その回転の円周上から径方向にずれた前記直交方向の刺激を付与することができるため、より好適な刺激を付与することができる。これによって、より好適に頭皮を柔軟にすることができる。
【0024】
(3)振動モータ30は回転軸31に対して偏心する偏心錘32を有するモータで構成されるとともに、施術子21は使用者が把持可能な本体ハウジング11に対して1つ設けられる。この施術子21には施術突起24が複数備えられるとともに、各施術突起24の配置中心と振動モータ30のモータの回転中心とが中心線L2で一致するよう構成される。このように、振動モータ30の回転中心と施術突起24の配置中心とが一致するよう構成されることで、各施術突起24を均等に振動させることができる。
【0025】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、複数の施術突起24を有する施術子21を1つ設ける構成としたが、これに限らず、図2(a)(b)に示すように複数の施術突起24を有する施術子21を複数(2つ以上)設ける構成を採用してもよい。この場合、施術子21(施術突起24)に対して振動を付与する振動源である振動モータ30は例えば本体ハウジング11の内部に設ける構成が好ましい。これにより、各施術子21内部に振動モータ30を設ける場合と比較して部品点数の増加を抑えつつ、各施術子21(施術突起24)に振動を付与することができる。
【0026】
なお、上記構成において、振動モータ30の回転軸31が前記施術突起24の延出方向に沿って配置される場合、複数の施術子21の配置中心と回転軸31の軸中心とが中心線L3で一致することが望ましい。このような構成を採用することで、各施術突起24を略均等に振動させることができる。
【0027】
また、本体ハウジング11に振動モータ30を収容する構成では、本体ハウジング11に収容する際の取り付け構造は、図3に示すように本体ハウジング11を構成する2つのハウジング部材40,41にて挟持する構成が好ましい。ここで本体ハウジング11を構成する各ハウジング部材40,41は、同材質の有底筒状を成して各ハウジング部材40,41の開口部側を互いに重ね合わせることで前記本体ハウジング11を構成している。各ハウジング部材40,41には、各底部40a,41aに開口部側に延出する同形状の延出部40b、41bが形成されている。各延出部40b、41bの先端である各保持部40c、41cは、振動モータ30を構成するモータの円筒状のハウジングに倣った凹状をなしている。上述したように、各ハウジング部材40,41には同材質で同形状の延出部40b、41bが形成されることで、振動モータ30からの振動を各ハウジング部材40、41に均等に伝達させることができる。なお、各延出部40b、41bの保持部40c、41cと振動モータ30を構成するモータのハウジングとの間に弾性部材42を設けることが望ましい。このような構成とすることで振動モータ30を各弾性部42及び各保持部40c,41cにて安定して保持することが可能となる。このため、本体ハウジング11(ハウジング部材40,41)と振動モータ30とを直接当接させた際に発生しうるびびり音の発生を軽減させることができる。
【0028】
また、上記構成において、1つの回転モータ14にて各施術子21が回転駆動されることが好ましい。このような構成とすることで回転モータ14を各施術子21の個数と同数設ける場合と比較して、部品点数の増加を抑えることができる。なお、1つの回転モータ14にて各施術子21を回転駆動させる構成としては、本体ハウジング11に設けられる2つのベアリング17にて回転可能に支持される回転軸18aの基端側の各ギヤ18bを回転させればよい。具体的には、各ギヤ18bのうちの一方(図1において右側のギヤ)は回転モータ14の駆動ギヤ14bと噛合されるとともに、もう一方(図1において左側のギヤ)は前記駆動ギヤ14bと噛合する中間ギヤ35aと噛合されている。これにより、モータ軸14aの回転が各ギヤ18bに伝達されるようになっている。なお、中間ギヤ35aは、一体回転可能に固定された支軸35bが本体ハウジング11に設けられたベアリング35cに回転可能に支持されている。
【0029】
・上記実施形態では、回転軸31先端に偏心錘32を設けた振動モータ30にて振動源を構成したが、これに限らない。
・上記実施形態では、振動モータ30を駆動させるための振動部駆動スイッチ13を本体ハウジング11の側面に設ける構成を採用したが、これに限らない。例えば図2(a)(b)に示すように、振動部駆動スイッチ13を省略して、前記電源スイッチ12をオン操作させることで振動モータ30の駆動も開始されるような構成を採用してもよい。このような構成とすることで、別途スイッチ部材を設ける必要がないため、部品点数の増加を抑えることができる。
【0030】
・上記実施形態では、振動モータ30にて施術突起24の突出方向と直交する方向(水平方向)に振動するよう構成したが、これに限らず、例えば図4に示すように施術突起24の突出方向と同方向に振動を付与する構成を採用してもよい。このような構成とすることで施術突起24にて頭皮を叩くような振動を付与することができ、頭皮下の血管や筋肉を刺激して血行促進効果を付与することが可能となる。また上記実施形態並びに上記構成以外の方向に振動を付与する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0031】
10…頭皮ケア装置、11…本体ハウジング(把持部及び収容ケース)、14…回転モータ(駆動源)、18a,31…回転軸、21…施術子、24…施術突起、30…振動モータ(振動源)、32…偏心錘、40,41…ハウジング部材(ケース部材)、L2…中心線(配置中心線及び軸線)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭皮と接触される施術突起にて前記頭皮に刺激を付与する頭皮ケア装置であって、
前記施術突起を振動させる振動源と、
前記施術突起を有する施術子を回転駆動させる駆動源と
を備えたことを備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記振動源は、前記施術突起の突出方向と同方向若しくはその直交方向に振動を付与するよう構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の頭皮ケア装置において、
前記振動源は、その回転軸に対して偏心する偏心錘を有する振動モータで構成され、
前記施術子は、前記使用者が把持可能な把持部に対して1つ設けられるとともに、前記施術突起を複数備え、
前記施術突起の配置中心線と前記振動モータの回転軸の軸線とが一致するよう構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子は、前記使用者が把持可能な把持部に対して複数設けられ、
前記振動源は、前記把持部内部に収容されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項4に記載の頭皮ケア装置において、
前記振動源は、その回転軸に対して偏心する偏心錘を有する振動モータで構成され、
前記施術子の配置中心線と前記振動モータの回転軸の軸線とが一致するよう構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記振動源を2つのケース部材にて挟持して収容する収容ケースを備え、
前記2つのケース部材は同一の材質で前記振動源を挟持する挟持部位が同形状に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−251086(P2011−251086A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128861(P2010−128861)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】