頭皮ケア装置
【課題】頭皮の洗浄効果や頭皮の剤浸透効果を高めることができる頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】頭皮ケア装置1は、突起14をモータ13の駆動力にて駆動させ、突起14を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置1であって、突起14から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段16を備える。この頭皮ケア装置1においては、突起14が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、本体ハウジング11の把持部11aに正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされた把持電極部33を設ける。
【解決手段】頭皮ケア装置1は、突起14をモータ13の駆動力にて駆動させ、突起14を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置1であって、突起14から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段16を備える。この頭皮ケア装置1においては、突起14が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、本体ハウジング11の把持部11aに正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされた把持電極部33を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭皮ケア装置としては、突起を駆動源の駆動力にて回転駆動させ、その突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものがある(例えば、特許文献1参照)。この頭皮ケア装置は、突起を頭皮に押し付けて該突起を回転駆動させることで、頭皮の洗浄効果や頭皮に剤(例えば育毛剤)を浸透させる効果(以下、剤浸透効果という)等を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような頭皮ケア装置では、単に物理的な刺激を頭皮に与えるだけであるため、洗浄効果や剤浸透効果の更なる向上が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、洗浄効果や剤浸透効果を高めることができる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の頭皮ケア装置は、突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、前記突起から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
この頭皮ケア装置においては、前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、本体ハウジングの把持部に正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされた把持電極部が設けられることが好ましい。
【0007】
この頭皮ケア装置においては、前記突起は、複数設けられるものであって、少なくとも1つの前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記突起が負の電極とされることが好ましい。
【0008】
この頭皮ケア装置においては、前記突起を複数有する施術子が、異なる動作をするように2つ以上設けられ、少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が負の電極とされることが好ましい。
【0009】
この頭皮ケア装置においては、前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、前記突起が頭皮に接触された状態で前記突起の周囲において頭皮に接触されるように伸縮可能な筒状ガイド部が設けられ、該筒状ガイド部が正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされることが好ましい。
【0010】
この頭皮ケア装置においては、前記突起を有する施術子が、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返すように2つ以上設けられ、前記施術子同士の距離が最も狭くなったタイミングから最も広くなるタイミングまでの間で電気刺激を付与するように前記電気刺激発生手段を制御する制御部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗浄効果や剤浸透効果を高めることができる頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における頭皮ケア装置の断面図。
【図2】本実施の形態における頭皮ケア装置の平面図。
【図3】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図4】別例における施術子の模式平面図。
【図5】別例における施術子の模式平面図。
【図6】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図7】別例における頭皮ケア装置の模式平面図。
【図8】別例における頭皮ケア装置の模式平面図。
【図9】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図10】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図11】別例における頭皮ケア装置の模式平面図。
【図12】別例における頭皮ケア装置の動作を説明するためのタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態の頭皮ケア装置1は、外観が略直方体状の本体ハウジング11と、該本体ハウジング11内に収容保持され、出力軸12を回転駆動するための駆動源としてのモータ13とを備える。又、頭皮ケア装置1は、本体ハウジング11から突出した出力軸12の先端に連結され、出力軸12の回転に基づいて駆動される突起14を有した施術子15を備える。又、本実施の形態の頭皮ケア装置1は、突起14から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段(回路)16を備える。
【0014】
本体ハウジング11の側部には、使用者が頭皮ケア装置1をオンオフ操作するためのスイッチ17が設けられている。
出力軸12は、本体ハウジング11の上部から先端側が外部に突出するように同本体ハウジング11に軸受18を介して回転可能に支持されている。又、出力軸12において本体ハウジング11内の基端側には、出力軸ギヤ12aが設けられている。
【0015】
モータ13は、回転軸13aを回転駆動可能なものであって、該回転軸13aの先端部には回転軸ギヤ13bが設けられている。そして、モータ13は、回転軸ギヤ13bが前記出力軸ギヤ12aに噛合されるように本体ハウジング11内に収容保持されることで、出力軸12を回転駆動可能とされている。このモータ13は本体ハウジング11内に収容保持された制御部19と電気的に接続され、該制御部19は本体ハウジング11内に収容保持された電源部(バッテリー)20に電気的に接続され、該電源部20は前記スイッチ17に電気的に接続されている。
【0016】
施術子15は、出力軸12の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心で出力軸12に対して回転可能に設けられる回転部材21と、前記第2の軸X2の周囲に配置されるように回転部材21に設けられた複数の突起14とを有する。尚、本実施の形態では、突起14は、前記施術子15に4つ(図1では、2つのみ図示する)設けられている。
【0017】
詳しくは、出力軸12の先端と施術子15とは、回転板22、回転支持部材23及び軸受24を介して連結されている。回転板22は、円盤状に形成され、その中心孔22aに出力軸12の先端が嵌入されて固定されている。回転支持部材23は、略円柱状に形成されるとともに下端にフランジ部23aが形成され、その軸中心が出力軸12の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心となるように前記回転板22上に固定されている。この回転支持部材23には、下面における前記出力軸12と対応した位置である前記第1の軸X1の位置から自身(回転支持部材23)の軸中心である前記第2の軸X2の位置の上面に抜ける連通孔23bが形成されている。一方、施術子15の回転部材21は、略円盤状の円盤部21aと、円盤部21aの下面から筒状に延びる筒部21bとを有する。そして、施術子15は、その回転部材21における筒部21bの内周面が軸受24を介して前記回転支持部材23の外周面に回転可能に支持されている。又、前記回転部材21には、自身(回転部材21)の軸中心であって前記第2の軸X2の位置で上下に貫通する連通孔21cが形成されている。又、突起14は、導電性ゴム(例えば、NBR(ニトリルゴム)やブタジエンとアクリロニトリルの共重合体)よりなり、4つの突起14が1つの基部14a上に立設されて一体成形されている。又、前記基部14a内には、導電性金属板である基底板14bが埋設されている。尚、本実施の形態の突起14は、略円錐形状に形成され、それぞれ前記第2の軸X2を中心として均等な距離に等角度(90°)間隔に配置されている。
【0018】
そして、本体ハウジング11内に収容保持される電気刺激発生手段16には導線31の基端部が繋げられ、その導線31は出力軸12内(その軸中心の孔)、及び連通孔23b,21cを介してその先端部が基底板14bに繋げられて電気的に接続されている。又、電気刺激発生手段16には、導線32の基端部が繋げられ、導線32の先端部が本体ハウジング11の把持部11aに設けられた把持電極部33に繋げられて電気的に接続されている。これにより、本実施の形態では、突起14が正の電極とされ、把持電極部33が負の電極とされている。
【0019】
又、本体ハウジング11には、該本体ハウジング11から突出した出力軸12の周囲を覆うカバー41が設けられている。詳しくは、カバー41は、樹脂材よりなり、本体ハウジング11(詳しくはその外側面全体)に固定される固定部41aと、固定部41aから前記出力軸12の露出した周囲(径方向外側)を覆うように略筒状に延びるカバー本体部41bとを有する。このカバー本体部41bの上端には、回転部材21の移動軌跡範囲より僅かに大きな開口41cを有するように、言い換えると第1の軸X1を中心とした円形の開口41cを有するように、第1の軸X1の直交方向に延びる蓋部41dが形成されている。又、本実施の形態のカバー41は、施術子15の前記第1の軸X1中心の回転(周回)を許容し、且つ前記施術子15の前記第1の軸X1中心の回転に追従しながら外部と出力軸12側とを区画する変形可能な蛇腹部材42を有する。この蛇腹部材42は、弾性体(絶縁性ゴム等)よりなるとともに蛇腹形状に形成され、その一端開口部(外縁)が前記開口41cに固定されている。又、蛇腹部材42は、各突起14が蛇腹部材42に形成された孔42a(図2参照)を貫通してそれぞれが該蛇腹部材42と係合することで、第1の軸X1方向から見て第2の軸X2に対する突起14の位置関係が変化しない状態を保つようにしている。即ち、この例では、弾性体よりなる蛇腹部材42が、施術子15の第1の軸X1中心の移動(回転)を許容するものの、自身を捩れさせるような施術子15の回転に対して抵抗となることで、第2の軸X2に対する突起14の位置関係が変化しないようにしている。これにより、前記基底板14bに繋げられた導線31が捩れて断線してしまうことが防止されている。
【0020】
このように構成された頭皮ケア装置1では、スイッチ17が使用者によってオン操作されると、電源部20から制御部19に電源が供給されるとともに制御部19によってモータ13に回転軸13aを回転駆動させるための駆動電流が供給される。
【0021】
そして、モータ13の回転軸13aが回転駆動されると、出力軸12及び回転板22が前記第1の軸X1を中心として一体回転する。又、このとき、回転支持部材23及び施術子15(その軸中心)が前記第1の軸X1を周回するように前記第1の軸X1を中心として回転する。このとき、各突起14は蛇腹部材42に形成された孔42aを貫通してそれぞれが蛇腹部材42と係合することで、第1の軸X1方向から見て第2の軸X2に対する突起14の位置関係が保たれたまま施術子15が第1の軸X1中心に回転(周回)することになる。そして、施術子15の先端(突起14)を頭皮に接触させると、突起14の先端の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア(洗浄やマッサージ)されることになる。
【0022】
又、このとき、制御部19によって、電気刺激発生手段16に電源が供給され、前記突起14(正の電極)から電気刺激が頭皮に付与される。
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
【0023】
(1)突起14から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段16を備えるため、例えば、本実施の形態のように突起14を正の電極とした場合では、毛穴に詰まった汚れ(皮脂や老廃物)を吸着することができ、洗浄効果を高めることができる。
【0024】
(2)突起14が正の電極とされ、本体ハウジング11の把持部11aに負の電極とされた把持電極部33が設けられるため、洗浄効果を高くすることができる。即ち、正の電極(突起14)しか人体に接触されないものでは、人体が正のみに帯電して電流が流れ難くなるが、これを回避して、前記洗浄効果を高くすることができる。又、把持部11aを把持した自然な使用方法で、頭皮と手を通じて人体中を電流が流れ易くなり、前記洗浄効果を高くすることができる。
【0025】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、突起14を正の電極とし、把持電極部33を負の電極としたが、これに限定されず、突起14を負の電極とし、把持電極部33を正の電極としてもよい。このように、突起14を負の電極とした場合には、剤(例えば育毛剤)を浸透させる効果(剤浸透効果)を高めることができる。又、把持電極部33を有さずに、正の電極と負の電極の内のどちらか(突起14)しか人体に接触されないものに変更してもよい。
【0026】
・上記実施の形態では、突起14を正の電極とし、把持電極部33を負の電極としたが、これに限定されず、複数設けられる突起の内の少なくとも1つの突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの突起が負の電極とされたものに変更してもよい。
【0027】
例えば、図3及び図4に示すように変更してもよい。この例における突起51a,51bは、図3に示すように、それぞれが導電性ゴムよりなり、その基端部が絶縁性の基部51cにて連結されている。そして、各突起51a,51bの基端部内には、導電性金属板である基底板51dがそれぞれ埋設されている。
【0028】
又、回転部材21は、上記実施の形態の連通孔21cが、分岐連通孔21dに変更されている。分岐連通孔21dは、下面における自身(回転部材21)の軸中心であって前記第2の軸X2の位置から各突起51a,51bが固定される位置の上面に分岐しながら抜けるように形成されている。そして、電気刺激発生手段16には導線31,32の基端部が繋げられ、その導線31,32は出力軸12内(その軸中心の孔)、連通孔23b及び分岐連通孔21dを介してその先端部が各基底板51dにそれぞれ繋げられて電気的に接続されている。これにより導線31に接続された突起51aが正の電極とされ、導線32に接続された突起51bが負の電極とされている。尚、本実施の形態では、突起51a,51bが、図4に示すように、4つ設けられ、2つの突起51aが正の電極とされ、他の2つの突起51bが負の電極とされている。又、この例(図3及び図4参照)では、上記実施の形態の把持電極部33が削除されている。
【0029】
このようにすると、少なくとも1つの突起(51a)が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの突起(51b)が負の電極とされるため、前記洗浄効果及び前記剤浸透効果を高くすることができる。即ち、正の電極と負の電極の内のどちらかしか人体に接触されないものでは、人体が正か負のどちらかのみに帯電して電流が流れ難くなるが、これを回避して、前記洗浄効果及び前記剤浸透効果を高くすることができる。又、把持部11aの持ち方に関わらず、複数の突起51a,51bを頭皮に接触させるだけで、人体中を電流が流れ易くなり、前記洗浄効果及び前記剤浸透効果を高くすることができる。
【0030】
又、例えば、図5に示すように、3つの突起51a,51bとされたものでは、2つの突起51aを正の電極とし、他の1つの突起51bを負の電極としてもよい。このように、正の電極とされた突起51aを負の電極とされた突起51bより多くすると、逆の場合(負の電極とされた突起51bを多くした場合)に比べて、前記洗浄効果をより高くすることができる。
【0031】
又、例えば、図6及び図7に示すように変更してもよい。この例では、突起14,61を複数(この例では4つ)有する施術子15,62が、異なる動作をするように2つ以上(この例では2つ)設けられている。そして、少なくとも1つ(この例では1つ)の施術子15における複数の突起14が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つ(この例では1つ)の施術子62における複数の突起61が負の電極とされている。
【0032】
詳しくは、この例の頭皮ケア装置1には、前記出力軸12やモータ13や施術子15,62等からなる組が一対並設されている。そして、一方の施術子15における前記基底板14bには前記導線31が繋げられて4つの突起14が全て正の電極とされるとともに、他方の施術子62における前記基底板61aには前記導線32が繋げられて複数の突起61が全て負の電極とされている。
【0033】
このようにすると、突起14,61を複数有する施術子15,62が、異なる動作をするように2つ以上設けられるため、物理的な刺激を、異なる動作によって(例えば頭皮の広範囲に渡って)付与することができる。又、施術子15,62毎に正の電極か負の電極かが別れるため、1つの施術子に正の電極と負の電極を設ける場合(図3参照)に比べて、施術子15,62自体の構造が単純となる。
【0034】
又、例えば、図8に示すように、突起14,61を複数有する施術子15,62が、異なる動作をするように3つ設けられたものでは、2つの施術子15における複数の突起14を正の電極とし、1つの施術子62における複数の突起61を負の電極としてもよい。このように、正の電極とされた突起14を負の電極とされた突起61より多くすると、逆の場合(負の電極とされた突起61を多くした場合)に比べて、前記洗浄効果をより高くすることができる。
【0035】
・上記実施の形態の把持電極部33を廃止して、図9に示すように、変更してもよい。即ち、この例(図9参照)の頭皮ケア装置1には、前記突起14が頭皮に接触された状態で突起14の周囲において頭皮に接触されるように伸縮可能な筒状ガイド部71が設けられ、この筒状ガイド部71が負の電極とされている。詳しくは、この例(図9参照)のカバー41には、前記突起14を囲うように突起14の突出方向に沿って延びる筒状ガイド部71が設けられている。この筒状ガイド部71は、導電性ゴムよりなり、突起14の突出方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状に形成されている。そして、この筒状ガイド部71には、前記導線32が電気的に接続されている。
【0036】
このようにしても、洗浄効果や剤浸透効果を高くすることができる。即ち、正の電極と負の電極の内のどちらかしか人体に接触されないものでは、人体が正か負のどちらかのみに帯電して電流が流れ難くなるが、これを回避して、洗浄効果や剤浸透効果を高くすることができる。又、把持部11aの持ち方に関わらず、正の電極とされた突起14を頭皮に接触させるだけで、負の電極とされた筒状ガイド部71も頭皮に接触するため、人体中を電流が流れ易くなり、洗浄効果や剤浸透効果を高くすることができる。
【0037】
・上記実施の形態を、図10及び図11に示すように変更してもよい。この例では、突起14を(この例では4つ)有する施術子15が、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返すように2つ以上(この例では2つ)設けられている。そして、制御部19は、施術子15同士の距離が最も狭くなったタイミングから最も広くなるタイミングまでの間で電気刺激を付与するように前記電気刺激発生手段16を制御する。
【0038】
詳しくは、この例の頭皮ケア装置1には、前記出力軸12や施術子15等からなる組が一対並設され、上記実施の形態に追加された出力軸12(図10中、右側の出力軸12)が、反転ギヤ81を介して前記回転軸ギヤ13bに駆動連結されている。これら2つの施術子15は、図11に示すように、第1の軸X1方向から見て、それらの間を通る直線L1を中心として線対称の動作をするように設定されている。これにより、2つの施術子15(突起14)は、スイッチ17がオン操作されると(図12中、タイミングT1)、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返し(図12の「施術子間距離」参照)、頭皮を挟み揉みするように動作することになる。そして、制御部19は、図12に示すように、施術子15同士の距離が最も狭くなったタイミングT2から最も広くなるタイミングT3までの間で電気刺激を付与するように電気刺激発生手段16を(オン・オフ)制御する。尚、制御部19は、図示しないセンサ(例えば、回転軸13aの回転角度を検出可能なロータリーエンコーダ)によって検出される情報(ひいては、図12に示す施術子間距離)に基づいて、電気刺激発生手段16を制御する。
【0039】
このようにすると、無駄な電力を抑えて効果的に毛穴に詰まった汚れ(皮脂や老廃物)を取ることができる。即ち、施術子15同士の距離が狭くなっていく際に、電気刺激を付与しても毛穴が縮められる方向の力を受けているため効率が悪いが、施術子15同士の距離が広がっていく際に電気刺激を付与するため、効率良く毛穴に詰まった汚れを取ることができる。
【0040】
・上記実施の形態では、突起14(施術子15)が回転駆動される頭皮ケア装置1としたが、突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、その突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものであれば、他の頭皮ケア装置に電気刺激発生手段16を設けて実施してもよい。例えば、単に突起を振動させるだけの構成の頭皮ケア装置に突起から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段16を設けて実施してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11…本体ハウジング、11a…把持部、13…モータ(駆動源)、14,51a,51b,61…突起、15,62…施術子、16…電気刺激発生手段、19…制御部、33…把持電極部、71…筒状ガイド部、T2…施術子同士の距離が最も狭くなったタイミング、T3…施術子同士の距離が最も広くなったタイミング。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭皮ケア装置としては、突起を駆動源の駆動力にて回転駆動させ、その突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものがある(例えば、特許文献1参照)。この頭皮ケア装置は、突起を頭皮に押し付けて該突起を回転駆動させることで、頭皮の洗浄効果や頭皮に剤(例えば育毛剤)を浸透させる効果(以下、剤浸透効果という)等を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような頭皮ケア装置では、単に物理的な刺激を頭皮に与えるだけであるため、洗浄効果や剤浸透効果の更なる向上が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、洗浄効果や剤浸透効果を高めることができる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の頭皮ケア装置は、突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、前記突起から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
この頭皮ケア装置においては、前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、本体ハウジングの把持部に正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされた把持電極部が設けられることが好ましい。
【0007】
この頭皮ケア装置においては、前記突起は、複数設けられるものであって、少なくとも1つの前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記突起が負の電極とされることが好ましい。
【0008】
この頭皮ケア装置においては、前記突起を複数有する施術子が、異なる動作をするように2つ以上設けられ、少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が負の電極とされることが好ましい。
【0009】
この頭皮ケア装置においては、前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、前記突起が頭皮に接触された状態で前記突起の周囲において頭皮に接触されるように伸縮可能な筒状ガイド部が設けられ、該筒状ガイド部が正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされることが好ましい。
【0010】
この頭皮ケア装置においては、前記突起を有する施術子が、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返すように2つ以上設けられ、前記施術子同士の距離が最も狭くなったタイミングから最も広くなるタイミングまでの間で電気刺激を付与するように前記電気刺激発生手段を制御する制御部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗浄効果や剤浸透効果を高めることができる頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における頭皮ケア装置の断面図。
【図2】本実施の形態における頭皮ケア装置の平面図。
【図3】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図4】別例における施術子の模式平面図。
【図5】別例における施術子の模式平面図。
【図6】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図7】別例における頭皮ケア装置の模式平面図。
【図8】別例における頭皮ケア装置の模式平面図。
【図9】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図10】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図11】別例における頭皮ケア装置の模式平面図。
【図12】別例における頭皮ケア装置の動作を説明するためのタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態の頭皮ケア装置1は、外観が略直方体状の本体ハウジング11と、該本体ハウジング11内に収容保持され、出力軸12を回転駆動するための駆動源としてのモータ13とを備える。又、頭皮ケア装置1は、本体ハウジング11から突出した出力軸12の先端に連結され、出力軸12の回転に基づいて駆動される突起14を有した施術子15を備える。又、本実施の形態の頭皮ケア装置1は、突起14から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段(回路)16を備える。
【0014】
本体ハウジング11の側部には、使用者が頭皮ケア装置1をオンオフ操作するためのスイッチ17が設けられている。
出力軸12は、本体ハウジング11の上部から先端側が外部に突出するように同本体ハウジング11に軸受18を介して回転可能に支持されている。又、出力軸12において本体ハウジング11内の基端側には、出力軸ギヤ12aが設けられている。
【0015】
モータ13は、回転軸13aを回転駆動可能なものであって、該回転軸13aの先端部には回転軸ギヤ13bが設けられている。そして、モータ13は、回転軸ギヤ13bが前記出力軸ギヤ12aに噛合されるように本体ハウジング11内に収容保持されることで、出力軸12を回転駆動可能とされている。このモータ13は本体ハウジング11内に収容保持された制御部19と電気的に接続され、該制御部19は本体ハウジング11内に収容保持された電源部(バッテリー)20に電気的に接続され、該電源部20は前記スイッチ17に電気的に接続されている。
【0016】
施術子15は、出力軸12の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心で出力軸12に対して回転可能に設けられる回転部材21と、前記第2の軸X2の周囲に配置されるように回転部材21に設けられた複数の突起14とを有する。尚、本実施の形態では、突起14は、前記施術子15に4つ(図1では、2つのみ図示する)設けられている。
【0017】
詳しくは、出力軸12の先端と施術子15とは、回転板22、回転支持部材23及び軸受24を介して連結されている。回転板22は、円盤状に形成され、その中心孔22aに出力軸12の先端が嵌入されて固定されている。回転支持部材23は、略円柱状に形成されるとともに下端にフランジ部23aが形成され、その軸中心が出力軸12の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心となるように前記回転板22上に固定されている。この回転支持部材23には、下面における前記出力軸12と対応した位置である前記第1の軸X1の位置から自身(回転支持部材23)の軸中心である前記第2の軸X2の位置の上面に抜ける連通孔23bが形成されている。一方、施術子15の回転部材21は、略円盤状の円盤部21aと、円盤部21aの下面から筒状に延びる筒部21bとを有する。そして、施術子15は、その回転部材21における筒部21bの内周面が軸受24を介して前記回転支持部材23の外周面に回転可能に支持されている。又、前記回転部材21には、自身(回転部材21)の軸中心であって前記第2の軸X2の位置で上下に貫通する連通孔21cが形成されている。又、突起14は、導電性ゴム(例えば、NBR(ニトリルゴム)やブタジエンとアクリロニトリルの共重合体)よりなり、4つの突起14が1つの基部14a上に立設されて一体成形されている。又、前記基部14a内には、導電性金属板である基底板14bが埋設されている。尚、本実施の形態の突起14は、略円錐形状に形成され、それぞれ前記第2の軸X2を中心として均等な距離に等角度(90°)間隔に配置されている。
【0018】
そして、本体ハウジング11内に収容保持される電気刺激発生手段16には導線31の基端部が繋げられ、その導線31は出力軸12内(その軸中心の孔)、及び連通孔23b,21cを介してその先端部が基底板14bに繋げられて電気的に接続されている。又、電気刺激発生手段16には、導線32の基端部が繋げられ、導線32の先端部が本体ハウジング11の把持部11aに設けられた把持電極部33に繋げられて電気的に接続されている。これにより、本実施の形態では、突起14が正の電極とされ、把持電極部33が負の電極とされている。
【0019】
又、本体ハウジング11には、該本体ハウジング11から突出した出力軸12の周囲を覆うカバー41が設けられている。詳しくは、カバー41は、樹脂材よりなり、本体ハウジング11(詳しくはその外側面全体)に固定される固定部41aと、固定部41aから前記出力軸12の露出した周囲(径方向外側)を覆うように略筒状に延びるカバー本体部41bとを有する。このカバー本体部41bの上端には、回転部材21の移動軌跡範囲より僅かに大きな開口41cを有するように、言い換えると第1の軸X1を中心とした円形の開口41cを有するように、第1の軸X1の直交方向に延びる蓋部41dが形成されている。又、本実施の形態のカバー41は、施術子15の前記第1の軸X1中心の回転(周回)を許容し、且つ前記施術子15の前記第1の軸X1中心の回転に追従しながら外部と出力軸12側とを区画する変形可能な蛇腹部材42を有する。この蛇腹部材42は、弾性体(絶縁性ゴム等)よりなるとともに蛇腹形状に形成され、その一端開口部(外縁)が前記開口41cに固定されている。又、蛇腹部材42は、各突起14が蛇腹部材42に形成された孔42a(図2参照)を貫通してそれぞれが該蛇腹部材42と係合することで、第1の軸X1方向から見て第2の軸X2に対する突起14の位置関係が変化しない状態を保つようにしている。即ち、この例では、弾性体よりなる蛇腹部材42が、施術子15の第1の軸X1中心の移動(回転)を許容するものの、自身を捩れさせるような施術子15の回転に対して抵抗となることで、第2の軸X2に対する突起14の位置関係が変化しないようにしている。これにより、前記基底板14bに繋げられた導線31が捩れて断線してしまうことが防止されている。
【0020】
このように構成された頭皮ケア装置1では、スイッチ17が使用者によってオン操作されると、電源部20から制御部19に電源が供給されるとともに制御部19によってモータ13に回転軸13aを回転駆動させるための駆動電流が供給される。
【0021】
そして、モータ13の回転軸13aが回転駆動されると、出力軸12及び回転板22が前記第1の軸X1を中心として一体回転する。又、このとき、回転支持部材23及び施術子15(その軸中心)が前記第1の軸X1を周回するように前記第1の軸X1を中心として回転する。このとき、各突起14は蛇腹部材42に形成された孔42aを貫通してそれぞれが蛇腹部材42と係合することで、第1の軸X1方向から見て第2の軸X2に対する突起14の位置関係が保たれたまま施術子15が第1の軸X1中心に回転(周回)することになる。そして、施術子15の先端(突起14)を頭皮に接触させると、突起14の先端の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア(洗浄やマッサージ)されることになる。
【0022】
又、このとき、制御部19によって、電気刺激発生手段16に電源が供給され、前記突起14(正の電極)から電気刺激が頭皮に付与される。
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
【0023】
(1)突起14から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段16を備えるため、例えば、本実施の形態のように突起14を正の電極とした場合では、毛穴に詰まった汚れ(皮脂や老廃物)を吸着することができ、洗浄効果を高めることができる。
【0024】
(2)突起14が正の電極とされ、本体ハウジング11の把持部11aに負の電極とされた把持電極部33が設けられるため、洗浄効果を高くすることができる。即ち、正の電極(突起14)しか人体に接触されないものでは、人体が正のみに帯電して電流が流れ難くなるが、これを回避して、前記洗浄効果を高くすることができる。又、把持部11aを把持した自然な使用方法で、頭皮と手を通じて人体中を電流が流れ易くなり、前記洗浄効果を高くすることができる。
【0025】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、突起14を正の電極とし、把持電極部33を負の電極としたが、これに限定されず、突起14を負の電極とし、把持電極部33を正の電極としてもよい。このように、突起14を負の電極とした場合には、剤(例えば育毛剤)を浸透させる効果(剤浸透効果)を高めることができる。又、把持電極部33を有さずに、正の電極と負の電極の内のどちらか(突起14)しか人体に接触されないものに変更してもよい。
【0026】
・上記実施の形態では、突起14を正の電極とし、把持電極部33を負の電極としたが、これに限定されず、複数設けられる突起の内の少なくとも1つの突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの突起が負の電極とされたものに変更してもよい。
【0027】
例えば、図3及び図4に示すように変更してもよい。この例における突起51a,51bは、図3に示すように、それぞれが導電性ゴムよりなり、その基端部が絶縁性の基部51cにて連結されている。そして、各突起51a,51bの基端部内には、導電性金属板である基底板51dがそれぞれ埋設されている。
【0028】
又、回転部材21は、上記実施の形態の連通孔21cが、分岐連通孔21dに変更されている。分岐連通孔21dは、下面における自身(回転部材21)の軸中心であって前記第2の軸X2の位置から各突起51a,51bが固定される位置の上面に分岐しながら抜けるように形成されている。そして、電気刺激発生手段16には導線31,32の基端部が繋げられ、その導線31,32は出力軸12内(その軸中心の孔)、連通孔23b及び分岐連通孔21dを介してその先端部が各基底板51dにそれぞれ繋げられて電気的に接続されている。これにより導線31に接続された突起51aが正の電極とされ、導線32に接続された突起51bが負の電極とされている。尚、本実施の形態では、突起51a,51bが、図4に示すように、4つ設けられ、2つの突起51aが正の電極とされ、他の2つの突起51bが負の電極とされている。又、この例(図3及び図4参照)では、上記実施の形態の把持電極部33が削除されている。
【0029】
このようにすると、少なくとも1つの突起(51a)が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの突起(51b)が負の電極とされるため、前記洗浄効果及び前記剤浸透効果を高くすることができる。即ち、正の電極と負の電極の内のどちらかしか人体に接触されないものでは、人体が正か負のどちらかのみに帯電して電流が流れ難くなるが、これを回避して、前記洗浄効果及び前記剤浸透効果を高くすることができる。又、把持部11aの持ち方に関わらず、複数の突起51a,51bを頭皮に接触させるだけで、人体中を電流が流れ易くなり、前記洗浄効果及び前記剤浸透効果を高くすることができる。
【0030】
又、例えば、図5に示すように、3つの突起51a,51bとされたものでは、2つの突起51aを正の電極とし、他の1つの突起51bを負の電極としてもよい。このように、正の電極とされた突起51aを負の電極とされた突起51bより多くすると、逆の場合(負の電極とされた突起51bを多くした場合)に比べて、前記洗浄効果をより高くすることができる。
【0031】
又、例えば、図6及び図7に示すように変更してもよい。この例では、突起14,61を複数(この例では4つ)有する施術子15,62が、異なる動作をするように2つ以上(この例では2つ)設けられている。そして、少なくとも1つ(この例では1つ)の施術子15における複数の突起14が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つ(この例では1つ)の施術子62における複数の突起61が負の電極とされている。
【0032】
詳しくは、この例の頭皮ケア装置1には、前記出力軸12やモータ13や施術子15,62等からなる組が一対並設されている。そして、一方の施術子15における前記基底板14bには前記導線31が繋げられて4つの突起14が全て正の電極とされるとともに、他方の施術子62における前記基底板61aには前記導線32が繋げられて複数の突起61が全て負の電極とされている。
【0033】
このようにすると、突起14,61を複数有する施術子15,62が、異なる動作をするように2つ以上設けられるため、物理的な刺激を、異なる動作によって(例えば頭皮の広範囲に渡って)付与することができる。又、施術子15,62毎に正の電極か負の電極かが別れるため、1つの施術子に正の電極と負の電極を設ける場合(図3参照)に比べて、施術子15,62自体の構造が単純となる。
【0034】
又、例えば、図8に示すように、突起14,61を複数有する施術子15,62が、異なる動作をするように3つ設けられたものでは、2つの施術子15における複数の突起14を正の電極とし、1つの施術子62における複数の突起61を負の電極としてもよい。このように、正の電極とされた突起14を負の電極とされた突起61より多くすると、逆の場合(負の電極とされた突起61を多くした場合)に比べて、前記洗浄効果をより高くすることができる。
【0035】
・上記実施の形態の把持電極部33を廃止して、図9に示すように、変更してもよい。即ち、この例(図9参照)の頭皮ケア装置1には、前記突起14が頭皮に接触された状態で突起14の周囲において頭皮に接触されるように伸縮可能な筒状ガイド部71が設けられ、この筒状ガイド部71が負の電極とされている。詳しくは、この例(図9参照)のカバー41には、前記突起14を囲うように突起14の突出方向に沿って延びる筒状ガイド部71が設けられている。この筒状ガイド部71は、導電性ゴムよりなり、突起14の突出方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状に形成されている。そして、この筒状ガイド部71には、前記導線32が電気的に接続されている。
【0036】
このようにしても、洗浄効果や剤浸透効果を高くすることができる。即ち、正の電極と負の電極の内のどちらかしか人体に接触されないものでは、人体が正か負のどちらかのみに帯電して電流が流れ難くなるが、これを回避して、洗浄効果や剤浸透効果を高くすることができる。又、把持部11aの持ち方に関わらず、正の電極とされた突起14を頭皮に接触させるだけで、負の電極とされた筒状ガイド部71も頭皮に接触するため、人体中を電流が流れ易くなり、洗浄効果や剤浸透効果を高くすることができる。
【0037】
・上記実施の形態を、図10及び図11に示すように変更してもよい。この例では、突起14を(この例では4つ)有する施術子15が、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返すように2つ以上(この例では2つ)設けられている。そして、制御部19は、施術子15同士の距離が最も狭くなったタイミングから最も広くなるタイミングまでの間で電気刺激を付与するように前記電気刺激発生手段16を制御する。
【0038】
詳しくは、この例の頭皮ケア装置1には、前記出力軸12や施術子15等からなる組が一対並設され、上記実施の形態に追加された出力軸12(図10中、右側の出力軸12)が、反転ギヤ81を介して前記回転軸ギヤ13bに駆動連結されている。これら2つの施術子15は、図11に示すように、第1の軸X1方向から見て、それらの間を通る直線L1を中心として線対称の動作をするように設定されている。これにより、2つの施術子15(突起14)は、スイッチ17がオン操作されると(図12中、タイミングT1)、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返し(図12の「施術子間距離」参照)、頭皮を挟み揉みするように動作することになる。そして、制御部19は、図12に示すように、施術子15同士の距離が最も狭くなったタイミングT2から最も広くなるタイミングT3までの間で電気刺激を付与するように電気刺激発生手段16を(オン・オフ)制御する。尚、制御部19は、図示しないセンサ(例えば、回転軸13aの回転角度を検出可能なロータリーエンコーダ)によって検出される情報(ひいては、図12に示す施術子間距離)に基づいて、電気刺激発生手段16を制御する。
【0039】
このようにすると、無駄な電力を抑えて効果的に毛穴に詰まった汚れ(皮脂や老廃物)を取ることができる。即ち、施術子15同士の距離が狭くなっていく際に、電気刺激を付与しても毛穴が縮められる方向の力を受けているため効率が悪いが、施術子15同士の距離が広がっていく際に電気刺激を付与するため、効率良く毛穴に詰まった汚れを取ることができる。
【0040】
・上記実施の形態では、突起14(施術子15)が回転駆動される頭皮ケア装置1としたが、突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、その突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものであれば、他の頭皮ケア装置に電気刺激発生手段16を設けて実施してもよい。例えば、単に突起を振動させるだけの構成の頭皮ケア装置に突起から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段16を設けて実施してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11…本体ハウジング、11a…把持部、13…モータ(駆動源)、14,51a,51b,61…突起、15,62…施術子、16…電気刺激発生手段、19…制御部、33…把持電極部、71…筒状ガイド部、T2…施術子同士の距離が最も狭くなったタイミング、T3…施術子同士の距離が最も広くなったタイミング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、
前記突起から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、
本体ハウジングの把持部に正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされた把持電極部が設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起は、複数設けられるものであって、
少なくとも1つの前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記突起が負の電極とされたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項3に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起を複数有する施術子が、異なる動作をするように2つ以上設けられ、
少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が負の電極とされたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、
前記突起が頭皮に接触された状態で前記突起の周囲において頭皮に接触されるように伸縮可能な筒状ガイド部が設けられ、該筒状ガイド部が正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起を有する施術子が、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返すように2つ以上設けられ、
前記施術子同士の距離が最も狭くなったタイミングから最も広くなるタイミングまでの間で電気刺激を付与するように前記電気刺激発生手段を制御する制御部を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項1】
突起を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、
前記突起から電気刺激を頭皮に付与するための電気刺激発生手段を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、
本体ハウジングの把持部に正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされた把持電極部が設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起は、複数設けられるものであって、
少なくとも1つの前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記突起が負の電極とされたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項3に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起を複数有する施術子が、異なる動作をするように2つ以上設けられ、
少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が正の電極とされるとともに、他の少なくとも1つの前記施術子における複数の前記突起が負の電極とされたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起が正の電極及び負の電極の内のいずれか一方とされ、
前記突起が頭皮に接触された状態で前記突起の周囲において頭皮に接触されるように伸縮可能な筒状ガイド部が設けられ、該筒状ガイド部が正の電極及び負の電極の内のいずれか他方とされたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起を有する施術子が、定期的に近づく動作と離れる動作を繰り返すように2つ以上設けられ、
前記施術子同士の距離が最も狭くなったタイミングから最も広くなるタイミングまでの間で電気刺激を付与するように前記電気刺激発生手段を制御する制御部を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−45089(P2012−45089A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188276(P2010−188276)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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