説明

頭皮マッサージ用手袋

【課題】頭皮マッサージ用手袋の使い勝手を向上させること。
【解決手段】本発明では、頭皮のマッサージを行うために使用する頭皮マッサージ用手袋(1)において、手袋本体(2)の手の平側に薬液を貯留するための袋状の薬液貯留層(3)を形成し、薬液貯留層(3)の手の平側の表面(4)に貫通孔(7)を形成し、貫通孔(7)に毛状体(5)を植設することにした。特に、前記薬液貯留層(3)は、手の平側の表面(4a、4b、4c)に凸部(8a、8b、8c)を形成し、凸部(8a、8b、8c)に前記毛状体(5)を植設した貫通孔(7)を形成して凸部(8a、8b、8c)同士の間の表面(4a、4b、4c)を薄肉状とすることにした。また、前記薬液貯留層(3)は、前記凸部(8b、8c)の内側に貫通孔(7)へ通じる連通孔(10b、10c)を形成することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮のマッサージを行うために使用する頭皮マッサージ用手袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、頭皮のマッサージを行うための道具として頭皮マッサージ用手袋が開発されている。
【0003】
従来の頭皮マッサージ用手袋は、手を挿入するための手袋本体の手の平側の表面に複数の突起を形成した構成となっている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−168622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の頭皮マッサージ用手袋では、育毛等の効能を有する薬液を用いて頭皮をマッサージするためには、予め頭皮に薬液を塗布した後に、頭皮マッサージ用手袋で頭皮をマッサージしなければならず、使い勝手が良好なものではなかった。
【0006】
特に、上記従来の頭皮マッサージ用手袋では表面に突起を形成しているために、毛髪との摩擦によって毛髪が抜けてしまうおそれがあるとともに、薬液を頭皮全体の毛根内部にまで均等かつ円滑に浸透させることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、頭皮のマッサージを行うために使用する頭皮マッサージ用手袋において、手袋本体の手の平側に薬液を貯留するための袋状の薬液貯留層を形成し、薬液貯留層の手の平側の表面に貫通孔を形成し、貫通孔に毛状体を植設することにした。
【0008】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記薬液貯留層は、手の平側の表面に凸部を形成し、凸部に前記毛状体を植設した貫通孔を形成して凸部同士の間の表面を薄肉状とすることにした。
【0009】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記薬液貯留層は、前記凸部の内側に貫通孔へ通じる連通孔を形成することにした。
【発明の効果】
【0010】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0011】
すなわち、本発明では、頭皮のマッサージを行うために使用する頭皮マッサージ用手袋において、手袋本体の手の平側に薬液を貯留するための袋状の薬液貯留層を形成し、薬液貯留層の手の平側の表面に貫通孔を形成し、貫通孔に毛状体を植設することにしているために、頭皮の表面で指を動かすだけで頭皮に薬液を塗布しながら頭皮のマッサージを行うことができるので、頭皮マッサージ用手袋の使い勝手を向上させることができる。
【0012】
また、薬液貯留層に形成した貫通孔に毛状体を植設した構成となっているために、毛細管現象によって薬液を均等かつ円滑に頭皮全体の毛根内部にまで浸透させることができ、毛髪との摩擦が少なく脱毛のおそれもない。
【0013】
特に、薬液貯留層の手の平側の表面に凸部を形成し、凸部に前記毛状体を植設した貫通孔を形成して凸部同士の間の表面を薄肉状とした場合には、肉厚の凸部で毛状体を強固に保持することができるとともに、凸部同士の間に形成された薄肉部分が柔軟に変形することで指を良好に動かして頭皮をマッサージすることができる。
【0014】
また、薬液貯留層の凸部の内側に貫通孔へ通じる連通孔を形成した場合には、薬液を連通孔を介して貫通孔(毛状体)から排出させることができるので、凸部同士の間に薬液が残留してしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る頭皮マッサージ用手袋を示す正面図(a)、側面図(b)。
【図2】同断面拡大図。
【図3】同断面拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る頭皮マッサージ用手袋の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すように、頭皮マッサージ用手袋1は、手を挿入するための手袋本体2を袋状に形成し、手袋本体2の手の平側に育毛等の効能を有する薬液を貯留するための袋状の薬液貯留層3を形成し、薬液貯留層3の手の平側の表面4に複数本の毛を束ねた毛状体5を植設するとともに、薬液貯留層3に薬液を注入するための注入口6を形成している。
【0018】
この頭皮マッサージ用手袋1は、図2(a)に示すように、薬液貯留層3の手の平側の表面4に複数の貫通孔7を形成し、各貫通孔7に毛状体5を外側から内側へ向けて圧入することで植毛している。
【0019】
これにより、頭皮マッサージ用手袋1は、薬液を貯留させた薬液貯留層3と外部とが貫通孔7を介して連通しており、その貫通孔7に毛状体5が充填された状態となっている。
【0020】
そのため、頭皮マッサージ用手袋1は、薬液貯留層3の貯留させた薬液を貫通孔7から外部に毛状体5の毛細管現象を利用して排出させることができるとともに、手袋本体2に挿入した指を動かすことによって毛状体5で頭皮をマッサージすることができるようになっている。
【0021】
頭皮マッサージ用手袋1は、基本的には以上に説明した構成とすることができるが、上記構成に限定されるものではない。
【0022】
たとえば、図2(a)に示したように薬液貯留層3の表面4で毛状体5を強固に保持できるようにするためには表面4の肉厚が厚くなり指が動かし難くなるおそれがあるため、図2(b)に示すように、薬液貯留層3の手の平側の表面4aに外側に凸状の凸部8aを形成し、凸部8aに毛状体5を植設する貫通孔7を形成して凸部8aと凸部8aとの間の表面4aに薄肉状の凹部9aを形成して、指を動かしやすいようにしてもよい。
【0023】
また、図2(c)に示すように、薬液貯留層3の手の平側の表面4bに内側に凸状の凸部8bを形成し、凸部8bに毛状体5を植設する貫通孔7を形成して凸部8bと凸部8bとの間の表面4bに薄肉状の凹部9bを形成して、指を動かしやすいようにしてもよく、さらに、図2(d)に示すように、薬液貯留層3の手の平側の表面4cに内側及び外側に凸状の凸部8cを形成し、凸部8cに毛状体5を植設する貫通孔7を形成して凸部8cと凸部8cとの間の表面4cに薄肉状の凹部9cを形成して、指を動かしやすいようにしてもよい。この場合には、薬液貯留層3の手の平側の表面4b,4cに凹部9b,9cが形成されることになり、凹部9b,9cに薬液が残留してしまうおそれがあるため、凸部8b,8cの内側に貫通孔7(毛状体5)へと通じる連通孔10b,10cを形成するようにしてもよい。
【0024】
また、図2(a)に示したように薬液貯留層3の表面4に形成した貫通孔7に毛状体5を直接植毛することで貫通孔7に毛状体5を植設した場合に限られず、図3(a)に示すように、毛状体5を直接植毛したベースシート11を薬液貯留層3の手の平側の表面4の内側に貼着し、毛状体5を貫通孔7に内側から外側に向けて挿通させることで表面4の貫通孔7に毛状体5を植設するようにしてもよい。
【0025】
また、図2(a)に示したように薬液貯留層3に薬液を注入した場合に限られず、図3(b)に示すように、薬液を浸透させたスポンジ状の薬液貯留体12を薬液貯留層3に挿入するようにしてもよい。
【0026】
さらに、手袋本体2と薬液貯留層3との間に1層又は複数層の機能層を形成してもよく、図3(c)に示すように、手袋本体2と薬液貯留層3との間に機能層として第2の薬液貯留層13を形成し、薬液貯留層3と第2の薬液貯留層13とを毛状体5の直上方位置に形成した連通孔14で連通し、それぞれの薬液貯留層3,13に貯留した薬液を混合(反応)させながら排出するようにすることもでき、図3(d)に示すように、手袋本体2と薬液貯留層3との間に機能層として弾性体収容層15を形成し、弾性体収容層15にスプリング等の弾性体16を収容して、弾性体16の作用で指が円滑に動くようにしてもよく、この場合に、指の関節部分の表面4を薄肉状に形成して指をより一層動かしやすいようにしてもよい。
【0027】
以上に説明したように、上記頭皮マッサージ用手袋1は、手袋本体2の手の平側に薬液を貯留するための袋状の薬液貯留層3を形成し、薬液貯留層3の手の平側の表面4に貫通孔7を形成し、貫通孔7に毛状体5を植設した構成となっている。
【0028】
そのため、上記構成の頭皮マッサージ用手袋1では、頭皮の表面で指を動かすだけで頭皮に薬液を塗布しながら頭皮のマッサージを行うことができ、頭皮マッサージ用手袋1の使い勝手を向上させることができる。
【0029】
また、上記頭皮マッサージ用手袋1では、毛細管現象によって薬液を均等かつ円滑に頭皮全体の毛根内部にまで浸透させることができ、毛髪との摩擦が少なく脱毛のおそれもない。
【0030】
また、上記頭皮マッサージ用手袋1は、薬液貯留層3の手の平側の表面4a,4b,4cに凸部8a,8b,8cを形成し、凸部8a,8b,8cに毛状体5を植設した貫通孔7を形成して凸部8a,8b,8c同士の間の表面4a,4b,4cを薄肉状に形成した構成となっている。
【0031】
そのため、上記構成の頭皮マッサージ用手袋1では、肉厚の凸部8a,8b,8cで毛状体5を強固に保持することができるとともに、凸部8a,8b,8c同士の間に形成された薄肉部分が柔軟に変形することで指を良好に動かして頭皮をマッサージすることができる。
【0032】
また、上記頭皮マッサージ用手袋1は、薬液貯留層3の凸部8b,8cの内側に貫通孔7へ通じる連通孔10b,10cを形成した構成となっている。
【0033】
そのため、上記頭皮マッサージ用手袋1では、薬液を連通孔10b,10cを介して貫通孔7(毛状体5)から排出させることができるので、凸部8b,8c同士の間に薬液が残留してしまうのを防止することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 頭皮マッサージ用手袋 2 手袋本体
3 薬液貯留層 4,4a,4b,4c 表面
5 毛状体 6 注入口
7 貫通孔 8a,8b,8c 凸部
9a,9b,9c 凹部 10b,10c 連通孔
11 ベースシート 12 薬液貯留体
13 第2の薬液貯留層 14 連通孔
15 弾性体収容層 16 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭皮のマッサージを行うために使用する頭皮マッサージ用手袋において、
手袋本体の手の平側に薬液を貯留するための袋状の薬液貯留層を形成し、薬液貯留層の手の平側の表面に貫通孔を形成し、貫通孔に毛状体を植設したことを特徴とする頭皮マッサージ用手袋。
【請求項2】
前記薬液貯留層は、手の平側の表面に凸部を形成し、凸部に前記毛状体を植設した貫通孔を形成して凸部同士の間の表面を薄肉状としたことを特徴とする請求項1に記載の頭皮マッサージ用手袋。
【請求項3】
前記薬液貯留層は、前記凸部の内側に貫通孔へ通じる連通孔を形成したことを特徴とする請求項2に記載の頭皮マッサージ用手袋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−217582(P2012−217582A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85582(P2011−85582)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(500029970)エポコラム機工株式会社 (11)
【Fターム(参考)】