説明

頭皮用ブラシ

【課題】頭皮のマッサージ効果と毛穴内部の洗浄効果の両方を同時に満足することが可能な頭皮用ブラシを提供する。
【解決手段】少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛31が複数束ねられてなる毛束3と、弾性材料からなり先端部5aが面取りされてなる錐体状突起5と、毛束3が植毛される植毛穴22が複数設けられるとともに、錐体状突起5が取付けられる突起取付穴23が複数設けられたブラシ面21を有する基台2とを具備し、植毛穴22の各々に、該植毛穴22内部が外部から観察されない状態の密度で毛束3が植毛され、且つ、突起取付穴23の各々に錐体状突起5が取付けられてなり、ブラシ面21上において、毛束3がブラシ面21の周縁21aに沿った外周部21bに配されるとともに、錐体状突起5が毛束3の植設された外周部21bよりも内側の内周部21cに配されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛を用いて頭皮表面のみならず毛穴内部の汚れも効果的に除去することができるとともに、優れたマッサージ効果が得られる頭皮用ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、頭皮や頭髪を洗浄するためのブラシとして種々のものが知られており、例えば、ブリッスル(用毛)先端に球状体を有するブラシ(特許文献1を参照)や、球状体を有する用毛と球状体を有しない用毛を組合せたもの(特許文献2を参照)、長さ方向の外周面が凹曲面である略円錐形の用毛を有するもの(特許文献3を参照)、用毛先端が頭皮に触れて柔軟に屈曲する小突起のあるもの(特許文献4を参照)、用毛先端が開口しているもの(特許文献5を参照)等が提案されている。
【0003】
また、従来、頭皮に対して洗浄効果とともにマッサージ効果を与えるためのブラシとして、エラストマー樹脂からなる複数の突起がブラシ面に植設されてなる頭皮マッサージ用ブラシが提案されている(例えば、特許文献6を参照)。しかしながら、特許文献6に記載のブラシでは、毛穴の大きさに対して突起のスケールが大きいため、毛穴内部の汚れの除去が不充分となるという問題がある。
【0004】
上述のような、毛穴内部の洗浄力の問題を解決するため、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされたテーパ状の用毛を用いることにより、毛穴内部の汚れを効果的に除去可能な頭皮用ブラシが提案されている(例えば、特許文献7を参照)。しかしながら、特許文献7に記載の頭皮用ブラシでは、細径用毛が用いられることにより、毛穴内部の洗浄効果に優れるものの、頭皮に対するマッサージ効果が低いという問題があった。
【0005】
また、頭皮の毛穴を洗浄するとともに、頭皮に対してマッサージ効果を付与するため、細径のブリッスルの束と太径のブリッスルとが、所定の配列で適宜等間隔に配列されてなるブラシが提案されている(例えば、特許文献8、9を参照)。特許文献8、9に記載のブラシによれば、細径ブリッスルによって毛穴を洗浄できるとともに、太径のブリッスルによって頭皮にマッサージ効果を付与できるものとされている。
しかしながら、特許文献8、9に記載の構成では、細径のブリッスルの束と太径のブリッスルとが各々隣接して配列されているので、洗浄効果とマッサージ効果の両方を同時に得るのが困難であるという問題があった。
【特許文献1】実開昭54−87272号公報
【特許文献2】実開昭54−16673号公報
【特許文献3】実開平3−102928号公報
【特許文献4】特開2005−160684号公報
【特許文献5】実用新案登録第3113002号公報
【特許文献6】特開2006−136360号公報
【特許文献7】特開2007−282681号公報
【特許文献8】特開平11−70019号公報
【特許文献9】特許第3076313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、頭皮に対してマッサージ効果を付与できるブラシを実現するため、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされたテーパ状の用毛からなる毛束を用いるとともに、ブラシ面上において、毛束の配置を所定の配列でパターン化すること等も提案されている。
しかしながら、このような毛束の配置が所定の配列とされたブラシを、例えば、毛髪の長い使用者が洗髪に使用した場合、毛束を構成する用毛に毛髪が絡みつきやすいため、用毛の先端が頭皮に確実に到達するのが困難になる虞がある。このような場合には、頭皮における高いマッサージ効果が得られ難くなるとともに、使用者が頭皮への用毛の到達を実感し難いために、ブラシ使用によるマッサージ効果感がさらに低いものとなってしまう問題があった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、頭皮のマッサージ効果と毛穴内部の洗浄効果の両方を同時に満足することが可能な頭皮用ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、本発明者等が鋭意検討した結果、頭皮用ブラシのブラシ面において、用毛が複数束ねられてなる毛束と、弾性材料からなる錐体状突起との配置を適正化することにより、頭皮のマッサージ効果と毛穴内部の洗浄効果の両方を同時に満足することができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明は、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛が複数束ねられてなる毛束と、弾性材料からなり先端部が面取りされてなる錐体状突起と、前記毛束が植毛される植毛穴が複数設けられるとともに、前記錐体状突起が取付けられる突起取付穴が複数設けられたブラシ面を有する基台とを具備し、前記植毛穴の各々に、該植毛穴内部が外部から観察されない状態の密度で前記毛束が植毛され、且つ、前記突起取付穴の各々に前記錐体状突起が取付けられてなる頭皮用ブラシであって、前記ブラシ面上において、前記毛束が前記ブラシ面の周縁に沿った外周部に配されるとともに、前記錐体状突起が前記毛束の植設された外周部よりも内側に配されてなることを特徴とする頭皮用ブラシを提供する。
【0010】
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記毛束が、前記ブラシ面上において、該毛束が植毛される前記植毛穴を3〜9個で1ユニットとした際、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴の中心間距離が2mm以上15mm未満の範囲であり、且つ、任意の1ユニットの中心点から最も近い1ユニットの中心点までの距離が10mm以上25mm未満の範囲として配された各々の植毛穴に植毛されてなる構成とすることができる。
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記ブラシ面上において、前記毛束をなす用毛の前記ブラシ面からの長さ寸法が、前記錐体状突起の前記ブラシ面からの長さ寸法よりも1mm以上5mm以下の範囲で長い寸法とされた構成とすることができる。
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記錐体状突起の各々が、前記ブラシ面上において、隣接する錐体状突起の根元の間に5mm以上30mm以下の範囲の間隔を設けて前記突起取付穴に取付けられる構成とすることができる。
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記錐体状突起の各々が、前記ブラシ面上において、円状、横縞状、市松状、十字状又は放射状の何れかの配列とされ、前記突起取付穴に取付けられる構成とすることができる。
【0011】
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記植毛穴が設けられる外周部の面積が、前記ブラシ面に対する面積比で40%以上60%以下の範囲とされた構成とすることができる。
また、本発明の頭皮用ブラシは、さらに、開口部を有して中空状に形成された筐体が備えられるとともに、該筐体の前記開口部に前記基台が一体に取り付けられており、前記基台のブラシ面の略中央部及び/又は周縁部に、前記基台を貫通するように、少なくとも一以上の貫通孔が設けられた構成とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の頭皮用ブラシによれば、基台に備えられるブラシ面上において、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛が複数束ねられてなる毛束が前記ブラシ面の周縁に沿った外周部に配されるとともに、弾性材料からなり先端部が面取りされてなる錐体状突起が前記毛束の植設された外周部よりも内側に配されてなる構成により、高い毛穴洗浄効果が得られるとともに、頭皮に適度な刺激感が与えられるので高いマッサージ効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る頭皮用ブラシの一実施形態について、図1〜8を適宜参照しながら説明する。
図1(a)、(b)は本発明に係る頭皮用ブラシの一例を示す模式図であり、図2は図1(b)の主要部を拡大して詳細に示した図である。また、図3は頭皮用ブラシの用毛に用いられる細径ブリッスルの一例を示す概略図であり、図4は基台上に植毛された状態の用毛(毛束)を示す概略図である。また、図5は頭皮用ブラシの錐体状突起の一例を示す概略図であり、図6は基台上に取付けられた状態の錐体状突起を示す概略図である。また、図7(a)〜(i)は頭皮用ブラシのブラシ面における用毛の配列パターンの他の例を示す概略図であり、図8はブラシ面に略中央部に基台を貫通するように貫通孔が設けられた他の例を示す概略図である。
【0014】
本実施形態の頭皮用ブラシ1は、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部31aが頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛31が複数束ねられてなる毛束3と、弾性材料からなり先端部5aが面取りされてなる錐体状突起5と、毛束3が植毛される植毛穴22が複数設けられるとともに、錐体状突起が取付けられる突起取付穴23が複数設けられたブラシ面21を有する基台2とを具備し、植毛穴22の各々に、該植毛穴22内部が外部から観察されない状態の密度で毛束3が植毛され、且つ、突起取付穴23の各々に錐体状突起5が取付けられてなり、ブラシ面21上において、毛束3がブラシ面21の周縁21aに沿った外周部21bに配されるとともに、錐体状突起5が毛束3の植設された外周部21bよりも内側に配され(図2における符号21cの内周部を参照)、概略構成されている。
また、本実施形態の頭皮用ブラシ1は、図1に示す例では、さらに、開口部41を有する中空状(図1(a)の中空部4a参照)に形成された筐体4が備えられるとともに、該筐体4の開口部41に、基台2が一体に取り付けられてなる。
【0015】
基台2は、用毛31からなる複数の毛束3及び錐体状突起5が取付けられるものであり、ブラシ面21に、毛束3を植毛するための植毛穴22が複数形成されるとともに、錐体状突起5が取付けられる突起取付穴23が複数形成されている。また、図示例の基台2は、平面視略楕円形の平板状に形成されている。
基台2の材質としては、ポリプロピレン等、一般的な硬質樹脂材料を何ら制限無く用いることができる。
【0016】
植毛穴22の大きさや形状は特に制限されず、例えば、一穴あたり10〜30本程度の用毛を植毛するのに必要な大きさであれば良い。また、植毛穴22の形状としては、一般的に円形とすることができるが、例えば、特開2000−50955号公報等に示されているように、ブラシの品質向上や製造効率の向上を目的として、真円形状の他、非円形状に形成しても良い。
また、植毛穴22は、ブラシ面21上における配列パターンを毛束3の植毛パターンに応じて形成する必要があり、図2に示す例では、所定間隔で組み合わされた植毛穴22が三穴ずつ並行で計6穴配されて1ユニットとされており、これら各ユニットが、詳細を後述する配置パターンにより、ブラシ面21上における外周部21bの領域に適宜配列される。
【0017】
突起取付穴23の大きさや形状は、特に制限されず、取付けられる錐体状突起の大きさや形状に合わせて適宜決定すれば良く、上述した植毛穴22と同様、円形の他、非円形状等に形成しても良い。
また、突起取付穴23は、ブラシ面21上における配列パターンを、詳細を後述する錐体状突起5の取付パターンに応じて形成する必要があり、図2に示す例では、突起取付穴23が計10個、ブラシ面21上における外周部21bよりも内側の内周部21cに配されている。また、図示例では、ブラシ面21の内周部21cにおいて、8個の突起取付穴23が楕円形状に配され、この楕円形状の内側に2個の突起取付穴23が配されている。
【0018】
なお、図示例の基台2には、後述の筐体4に取り付けるための嵌合爪24が、楕円形状とされた基台2の短寸側の経線上で向かい合うように配置されているが、基台2を筐体4に取り付けるための手段はこれには限定されない。例えば、嵌合爪が、基台上において図示例とは異なる位置に配置されていても良いし、基台をねじ止め等によって筐体に取り付ける構成としても良い。
【0019】
毛束3は、用毛31が複数束ねられてなる。
用毛31は、図3に示すように、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、図示例では、両端の先端部31aがテーパ状に形成されている。また、先端部31aは、少なくともその端面31b付近における直径dが、頭皮の毛穴よりも細い径とされている。
【0020】
図示例のように、用毛31をなす細径ブリッスルについて、各々の先端部31aをテーパ形状に構成することにより、頭皮上の毛髪に先端部31aの毛先(端面31b参照)が当たった際に生じる微弱な力であっても先端部31aが容易に曲がるので、毛先が毛髪間をすり抜けるように頭皮の毛穴に到達することが可能となる。また、このようなテーパ状の用毛31を用いて毛束3を構成することにより、用毛先端が頭皮の毛穴内部に確実に入り込み、毛穴内部の汚れを効果的に除去することができる。また、この際、複数の毛束3(用毛31)の先端が略一つの平面を構成することにより、特定の用毛のみが頭皮に強く当たることで頭皮を傷めるのを防止することができる。
なお、テーパ形状とされた用毛は先端部の強度が弱いため、極度に強い力を加えて頭皮の洗浄やマッサージを行った際に毛先が曲がってしまい、毛穴の洗浄を行うことが困難となることがある。このため、頭皮洗浄時に使用者がブラシに加える荷重としては、概ね300〜1000g程度とすることが好ましい。
【0021】
用毛31は、上記した先端部31aの端面31bから0.1mmの位置における直径dが、5μm〜50μmの範囲であることが好ましい。先端部31aの端面31b付近における直径dをこの範囲とすることにより、用毛31が効率良く毛髪の毛穴内部に入り込み、効果的に洗浄することが可能となる。
【0022】
ここで、頭皮用ブラシにおいて、太径の用毛を使用せずに細径の用毛のみが密に植毛された構成とすれば、頭皮毛穴を洗浄することは可能と考えられる。しかしながら、人間の毛髪の直径は、人種、性別、年齢、くせ毛の有無などによって異なるものの、一般的な日本人では40〜100μm程度であり、平均70μm程度であるので、数本の毛髪が生える1つの毛穴の大きさは、毛髪の直径と同等かそれ以上の大きさと考えられ、平均70μm以上であると考えられる。しかしながら、上述のような、毛穴のサイズよりも細い直径とされ、毛穴に挿入可能な径とされた細径用毛をブラシ面に対して密に植毛してブラシを構成した場合、毛束の先端が面のような状態となり、洗髪時等に頭皮の毛根に毛束を押しつけようとしても、通常のサイズの毛髪を有する人にあっては、多数の毛髪が細径用毛の進行の阻害となり易い。このため、細径用毛が容易に撓んでしまい、細径用毛が毛穴に到達できる本数が少なくなるので、目的の毛穴洗浄効果が得られにくい。一方、用毛をブラシ面に対して粗な状態で植毛した場合には、用毛の先端の頭皮への到達感は得られるものの、頭皮に対する刺激が過剰となり、良好な使用感が得られないという問題がある。
【0023】
本実施形態の頭皮用ブラシ1では、毛穴内部の脂質等の汚れを除去するため、先端部31aが毛穴の直径より細いブラシ用毛を使用し、且つ、用毛31が束ねられてなる毛束3を、ブラシ面21上の外周部21bに配置することにより、用毛31(毛束3)が毛髪に動きを阻害されることなく頭皮の毛穴に行き届き易くなり、優れた洗浄効果が得られる。また、頭皮から抜けた毛髪が用毛31に絡み難く、仮に絡んだ場合であっても容易に解除することができるので、優れたメンテナンス性が得られる。
またさらに、本実施形態の頭皮用ブラシ1では、詳細を後述する錐体状突起5を、ブラシ面21上における外周部21bの内側、つまり、図2に示す内周部21cに、適宜間隔を設けて配置することにより、毛髪が錐体状突起5に絡まることなく、使用者が適度なマッサージ感を得ることが可能となる。
【0024】
毛束3をなす用毛31の毛丈は、5〜30mmの範囲とすることが好ましい。
用毛の毛丈が5mmよりも短いと、毛髪が障害となって用毛(毛束)が頭皮毛穴に届かない虞がある。また、用毛31の毛丈が30mmよりも長いと、用毛が曲がりやすくなり、先端部が頭皮の地肌や毛穴に届き難くなる。
なお、植毛された用毛31(毛束3)の毛丈に多少のばらつきが生じる場合もあるが、植毛された全用毛31の内の概ね9割以上が、上記5〜30mmの毛丈の範囲に入っていることが品質上好ましく、10〜20mmの範囲に入っていることがより好ましい。
また、詳細を後述するが、毛束3をなす用毛31の毛丈は、図4に示すブラシ面21からの長さH1が、後述の錐体状突起5のブラシ面21からの長さH2(図6を参照)よりも、1mm以上5mm以下の範囲で長い寸法となるように構成することが、頭皮用ブラシによる洗浄効果及びマッサージ効果の両方がより高められる点から好ましい。
【0025】
植毛穴22の一穴あたりにおける用毛の植毛数は、植毛穴22内部が外部から観察できない状態の密度とすることが好ましく、具体的には、一穴あたりの用毛31の植毛数が10〜30本であることが好ましい。用毛31の植毛数が、植毛穴32内部を外部から観察できる程度の少ない状態になると、毛束3に抜けた毛髪が絡みやすくなり、また、毛髪を除去し難くなるので好ましくない。また、植毛穴22内に、洗髪時に使用する洗浄剤やリンス剤等が浸入して詰まり易くなるので、頭皮用ブラシの衛生上好ましくない。
これに対し、植毛穴22内部が外部から観察できない状態の密度となる本数の用毛が植毛されてなる本発明に係る頭皮用ブラシでは、毛束3内に抜けた毛髪が絡みつくことがなく、また、植毛穴22内部に観察可能な隙間がないので、洗浄剤等が浸入して詰まるのが抑制される。
【0026】
なお、植毛穴22の断面積に対して用毛31(毛束3)の植毛数が少ないと、用毛31間に僅かな隙間が生じ、頭皮用ブラシの使用者によって個人差があるものの概ね70μmの太さである毛髪が用毛31間の僅かな隙間に挟まれてしまい、極めて除去し難い状態となる虞がある。
【0027】
以下に、植毛穴22に対する用毛31の植毛密度の参考例を説明する。
例えば、直径が1.5mmとされた植毛穴22に、細径ブリッスル中央部の直径が190μmの用毛31を植毛する場合、21本の用毛31を、厚さ0.25mmの平線で用毛31の中央部で固定して植毛すると、植毛穴22内部が外部から観察できない状態の密度とすることができる。このような植毛穴22内の状態について、断面積で検討すると、植毛穴22の断面積=0.75×0.75×3.14=1.77mmに対し、用毛31が占める断面積は、0.095×0.095×3.14×21×2=1.19mmとなり、植毛穴22の断面積の内の67%が用毛31で占められている状態となる。
また、本発明者等が鋭意実験した結果、用毛31の植毛数を13本とした場合は、植毛穴22の断面積に対して用毛31の断面積が占める割合が42%となり、この42%という割合が、植毛穴22内部が外部から観察されない状態と観察可能な状態との境界となることが見出された。植毛穴22の断面積に対する用毛31の断面積の占める割合が、境界である42%未満になると、植毛穴22内部が外部から観察可能な状態となり、このような状態においては、直径が概ね70μm程度である毛髪が、用毛31に絡みつきやすくなる。
【0028】
毛髪の絡み易さの点から考慮した場合、植毛穴22の断面積に対する用毛31の断面積の割合が、上記境界である42%を下回ると毛髪が用毛31に絡みつきやすくなることから、上記割合を42%以上85%以下とすることが好ましい。用毛21が植毛穴22内において占める割合が85%を超えると、植毛穴22を起点として基台2が割れやすくなるうえ、植毛された用毛31が開く虞があり好ましくない。
また、植毛穴22に対する植毛数が10本よりも少ないと頭皮毛穴の洗浄効果が低下し、植毛数が50本よりも多いと、径の大きな植毛穴を基台2に形成する必要があるため、植毛穴22内に、洗髪時に使用する洗浄剤やリンス剤等が浸入して詰まり易くなり、頭皮用ブラシの衛生上好ましくない。
また、上記植毛数にばらつきが生じる場合もあるが、用毛31(毛束3)が植毛された植毛穴22内の概ね9割以上において、用毛31の植毛数が10〜30本の範囲内とされていることが品質上好ましく、10〜25本の範囲であることがより好ましい。
い。
【0029】
本実施形態で用いられる用毛31を構成する細径ブリッスルの材料については、特に制限されないが、一般的な樹脂材質であるポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ナイロン、ポリエステル等を用いることが好適である。また、例えば、特開平11−253236に記載されているような、美観向上等を目的として、合成樹脂主体の素材に他成分を混合したものや、耐久性の向上を目的として抗菌剤等を添加したものを使用することも可能である。
なお、用毛31の材質として金属等の硬い素材を用いる場合、ブリッスル径が細いものでも強度を確保することができるため、図3又は図4に示すようなテーパ形状の細径ブリッスルのみならず直毛状のものを用いることも可能である。しかしながら、このような直毛状の金属製ブリッスルを用いた場合、ブラシ使用時に用毛が折れた際に欠損切断面が鋭利な形状となり、マッサージ時に頭皮の地肌を傷つけるため、安全性上好ましくない。
【0030】
なお、用毛31に用いる細径ブリッスルを図3に示すようなテーパ形状に加工する方法としては、特に制限されない。例えば、直毛形状のブリッスルを用い、薬品等を用いる従来公知の化学的方法で樹脂を溶解して先端をテーパ状に加工しても良いし、また、直毛形状の用毛の先端部周囲を機械加工によって研削することでテーパ状に加工することも可能である。
【0031】
また、上記用毛31が複数束ねられてなる毛束3を、基台2の植毛穴22に植毛する方法としては、例えば、一般的に歯刷子製造等に用いられる植毛装置を転用し、何ら制限なく用いることが可能であり、このような植毛装置の形態についても何ら制限されない。このような植毛装置としては、例えば、特開2000−93233号公報等に記載の製造装置を使用することが可能である。
【0032】
そして、毛束3(用毛31)並びに後述の錐体状突起5が取付けられた基台2は、通常、取っ手等の把持部材が取り付けられ、包装されてブラシ製品とされるが、本実施形態では、基台2を後述の筐体4に取り付けることにより、頭皮用ブラシ1とする。
なお、例えば、特開2001−46149号公報等に示されるように、植毛後のブラシ(毛束3)の品質を向上させる等の目的で、中間品である毛束3植毛後の基台2に対して、冷却或いは加熱による熱処理を施す等、何らかの処理を施す方法についても、本発明の効果を損なわない範囲で適用することが可能である。
【0033】
錐体状突起5は、上記毛束3(毛束31)とともに基台2のブラシ面21に取付けられる突起部材であり、上述したブラシ面21の内周部21cに形成される突起取付穴23に嵌合等の手段によって取付けることができる。また、錐体状突起5は、例えば、基台の裏側にさらに基板を設け、この基板に錐体状突起5を取付けて基台に設けられる貫通孔に挿通する構成とすることも可能である。
錐体状突起5は、図5、6に示す例では、基部5bから先端部5aに向かうに従って縮径する略円錐状に形成されるともに、先端部5aが曲面状に面取りされた形状とされているが、これには限定されず、例えば、錐体状突起の先端に、さらに単数あるいは複数の真円状突起が設けられた構成とすることも可能である。
【0034】
また、錐体状突起5は、上述した突起取付穴23に複数取付けられることにより、ブラシ面21上の内周部21cにおいて突起取付穴23と同様の配列パターンで配され、図2に示す例では、錐体状突起5が計10個設けられている。また、図示例においては、ブラシ面21の内周部21cにおいて、8個の錐体状突起5が楕円形状に配され、この楕円形状の内側に2個の錐体状突起5が配されている。
【0035】
円錐状突起5が基台2に取付けられる基部5bの部分の直径は、強度確保等の観点から、例えば、5〜9mmの範囲であることが好ましい。
また、先端から0.1mmの部分における直径は0.4〜1mmの範囲であることが好ましい。直径が0.4mmだと、目的とするマッサージ効果が充分に得られず、また、1mmよりも大きいと、頭皮の洗浄実感が低下するため好ましくない。
【0036】
また、錐体状突起5の長さ、つまり、基台2のブラシ面21からの長さH2は、5〜30mmの範囲とすることが好ましい。錐体状突起の長さH2が5mmよりも短いと、毛髪が障害となって突起先端部が頭皮毛穴に届かない虞がある。また、錐体状突起の長さH2が30mmよりも長いと、錐体状突起が曲がりやすくなり、突起先端部が頭皮の地肌や毛穴に届き難くなる。また、用毛31(毛束3)と同様、錐体状突起5の長さに多少のばらつきが生じる場合もあるが、基台2のブラシ面21に取付けられた全ての錐体状突起5の内の概ね9割以上が、上記5〜30mmの長さの範囲に入っていることが品質上好ましく、10〜20mmの範囲に入っていることがより好ましい。
【0037】
また、錐体状突起5の長さは、図6に示すブラシ面21からの長さH2が、毛束3をなす用毛31のブラシ面21からの長さH1(図4を参照)に比べて1mm以上5mm以下の範囲で短い寸法、つまり、用毛31の毛丈(長さ)が錐体状突起5の長さよりも上記範囲で長くなるように構成することが好ましい。
このように、ブラシ面21上における毛束3をなす用毛31の長さを、錐体状突起5の長さよりも上記範囲で短く構成することにより、細径ブリッスルからなる用毛31が効率よく確実に頭皮に到達するとともに、弾性材料からなる錐体状突起5に確実に頭皮に到達してマッサージ効果を付与できる。これにより、用毛31による頭皮毛穴の洗浄効果と、錐体状突起5による頭皮のマッサージ効果の両方を高めることが可能となる。
基台2のブラシ面21からの、用毛31の長さH1と錐体状突起5の長さH2との差が1mm未満だと、用毛31(毛束3)の先端と錐体状突起5の先端とが略面状となりやすいため、用毛先端が頭皮に接する力が弱まり、毛穴内部の洗浄効果が充分に得られなくなる虞がある。また、用毛31の長さH1と錐体状突起5の長さH2との差が5mmを超えると、錐体状突起の先端が頭皮に到達せず、充分なマッサージ効果が得られなくなる虞がある。
【0038】
錐体状突起5を構成する材料としては、デュロメータ・タイプAによりJISK6251に準拠して測定された数値(ショアA硬度)が40度以上90度以下(より好ましくは40度以上80度以下)の材料を用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン、ポリアセタール等の合成樹脂や、ウレタンゴム、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エラストマー等の弾性材料が挙げられる。これらの中でも、エラストマー樹脂を用いることが、頭皮に対して効率良くマッサージ効果を付与できる点でより好ましい。
【0039】
筐体4は、開口部41を有するとともに、内部が中空部4aとされた中空状に形成され、図示例では、開口部41と反対側に把持部42が形成されてなる。また、開口部41には、上述した基台2に備えられる嵌合爪24が嵌め込まれる嵌合部41aが、基台2組み付け時の嵌合爪24の位置に合わせるように配されている。
筐体4は、上述したように、開口部41に基台2が一体に取り付けられることにより、頭皮用ブラシ1の本体或いは把持部材として機能するものであり、ポリスチレン系樹脂等、従来公知の材料を何ら制限無く用いて構成することができる。
また、図示例の把持部42は、使用者が片手で掴んで操作することができるように、先端部に膨らみが持たされた形状とされているが、これには限定されず、把持部の形状や大きさについては、適宜決定することができる。
【0040】
「毛束と錐体状突起の配列パターン:植毛穴と突起取付穴の配列パターン」
本実施形態の頭皮用ブラシ1は、上述したように、ブラシ面21上において、毛束3がブラシ面21の周縁21aに沿った外周部21bに配されるとともに、錐体状突起5が毛束3の植設された外周部21bよりも内側の内周部21cに配された構成とされている。このような構成により、頭皮用ブラシ1は、用毛31による頭皮の毛穴内部の洗浄効果と、錐体状突起5による頭皮のマッサージ効果の両方を得ることが可能となる。
【0041】
図2に示すように、本実施形態の頭皮用ブラシ1は、基台2のブラシ面21上において、外周部21bの領域に、植毛穴22が6個で1ユニットとされ、計10ユニットが、周縁21aに沿って略等間隔で配置されており、これら植毛穴22の各々に毛束3が植毛される。
また、本実施形態の頭皮用ブラシ1は、錐体状突起5が、基台2のブラシ面21上において、内周部21cの領域に錐体状突起5が計10個設けられ、図示例では、8個の錐体状突起5が楕円形状に配され、この楕円形状の内側に2個の錐体状突起5が配されている。
【0042】
(錐体状突起:突起取付穴の配列パターン)
錐体状突起5は、図2に示す例のようなブラシ面21上の内周部21cにおいて、隣接する錐体状突起5の各々の根元の間に5mm以上30mm以下の範囲の間隔C1を設けて配置されていることが好ましく、7mm以上22mm以下の範囲で間隔が設けられていることがより好ましい。複数の錐体状突起5の各々の間隔C1を上記範囲とすることにより、毛髪をかき分ける効果に優れるとともに、外周部21bに植毛される毛束3(用毛31)の先端を頭皮に到達させることができ、また、錐体状突起5の先端部5aによる優れたマッサージ効果が得られる。隣接する錐体状突起の各々の根元の間の間隔C1が5mm未満だと、毛髪が錐体状突起に絡まり易くなり、洗髪時の頭皮用ブラシの櫛通りが低下する。また、隣接する錐体状突起の各々の根元の間の間隔C1が30mmを超えると、頭皮に付与される所望のマッサージ効果が得られなくなる虞がある。
【0043】
また、各々の錐体状突起5の配列パターンは、図2に示す例のような、楕円形状を基本としたものには限定されず、例えば、図7(a)〜(i)に示すような各種配置パターンとすることができ、円状、横縞状、市松状、十字状又は放射状等、配列パターンは適宜採用することが可能である。また、これらの中でも、円形状(真円形状、楕円形状を含む)、横縞状に配置されることがより好ましい。
【0044】
また、ブラシ面21上の内周部21cに取付けられる錐体状突起5の数は、3〜25本の範囲が好ましく、5〜20本の範囲がより好ましい。錐体状突起5の数が上記範囲であれば、頭皮に対して効率良くマッサージ効果を付与することができ、また、使用者が良好なマッサージ感を得ることができる。
【0045】
(毛束:植毛穴の配列パターン)
本実施形態では、ブラシ面21上において外周部21bに配置された植毛穴22を2〜6個で1ユニットとし、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離が、最短部距離L1で2mm以上、最長部距離L2で15mm未満とされ、且つ、任意のユニットの中心点から、最も近いユニットの中心点までの最短中心点距離が10mm以上25mm未満の範囲として構成されることが好ましい。図2に示す例では、植毛穴22が長方形状に6穴配置されることで1ユニットとされ、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離が、最短部距離L1で3.3mm、最長部距離L2で約8.5mmとされ、最も近いユニット中心点間の最短中心点距離L3が、最短部で16mmとされている。
【0046】
本実施形態では、上述のような植毛穴22の配列形態とすることにより、詳細な図示を省略するが、ブラシ面21上の外周部21bにおいて、植毛領域と無植毛領域とが配される構成とすることが好ましい。
ここで、本発明で説明する植毛領域とは、植毛穴22が密集する領域、つまり、植毛穴22に毛束3(用毛31)が植毛されることによって該毛束3が密集する領域であり、上述のように、植毛穴22が比較的近距離のユニット単位で配されることで構成される。一方、無植毛領域とは、ブラシ面21上において、植毛穴22が設けられていない領域あるいは植毛穴22が疎な状態で配されている領域であり、毛束3(用毛31)が植毛されていないか、あるいは、疎な状態で植毛された領域である。つまり、図2に示す例では、6穴の植毛穴22からなる各ユニットが植毛領域であり、各ユニットからなる植毛領域間の隙間領域が無植毛領域である。
本発明では、上述のように、ブラシ面21上の外周部21bにおいて植毛領域と無植毛領域とが配される構成により、植毛穴22、つまり複数の毛束3が均等に分布された場合に比べ、高いマッサージ効果が得られるとともに、高い頭皮毛穴洗浄効果が得られる。
【0047】
ここで、従来の構成の頭皮用ブラシにおいては、植毛穴を密集させ過ぎた状態で均等配置した場合には、毛束の頭皮への当たり心地が弱すぎて洗浄感が得られ難いという問題がある。一方、無植毛領域が多過ぎると、頭皮への当たりが強すぎて使用者が痛みを感じ、使い心地が良くないうえに洗浄効果も低下し、また、洗浄剤等を用毛の先端部に保持させることが困難となり、用毛の先端部が頭皮毛穴に入り込む際に洗浄剤を伴わないため、汚れの洗浄実感が得られないという問題があった。
本発明者等が鋭意研究したところ、充分な汚れの洗浄実感とマッサージ効果を同時に得られる条件として、3〜9穴の植毛穴22、より好ましくは4〜6穴の植毛穴22を1ユニットとし、この場合の1ユニット内における任意の2つの植毛穴22の中心間距離の最短部距離L1を2mm以上、最長部距離L2を15mm未満、より好ましくは最短部距離L1を2.5mm以上、最長部距離L2を10mm未満に構成するとともに、任意のユニットの中心点から最も近いユニットの中心点までの距離L3を10mm以上25mm未満、より好ましくは12mm以上20mm未満で構成することが重要であることが明らかとなった。
【0048】
1ユニットあたりの植毛穴22の穴数が3未満の場合、頭皮への当たり心地が悪く充分なマッサージ効果が得られない。逆に、1ユニットあたりの植毛穴22の穴数を10以上にすると、ブラシ面21上に配される各ユニット内の毛束3が略面接触状態で頭皮に接するためにマッサージ効果が得られず、また、用毛が効率的に頭皮毛穴に進入できないため、毛穴汚れの除去、洗浄効果が充分に得られない。
【0049】
1ユニット内における任意の2つの植毛穴22の中心間の距離L1の最短部が2mm未満だと、各ユニット内の毛束3が面接触状態で頭皮に接するためにマッサージ効果が得られず、また、用毛が効率的に頭皮毛穴に進入できないため、毛穴汚れの除去、洗浄効果が充分に得られない。1ユニット内の任意の2つの植毛穴22の中心間の距離L1の最長部が7mm以上だと、頭皮への当たり心地が低下する。
【0050】
任意のユニットの中心点から最も近いユニットの中心点までの距離L3が10mm未満の場合、また、任意のユニットの中心点から最も近いユニットの中心点までの距離が25mm以上の場合には、無植毛領域Bが広くなりすぎ、洗浄効果が低下するとともに、外観から得られる洗浄効果感も低下する。
【0051】
また、最も近いユニット中心点間の最短中心点距離L3は、特に限定されないが、10mm以上25mm以下の範囲とすることが好ましく、12mm以上20mm以下の範囲とすることがより好ましい。最も近いユニット中心点間の最短中心点距離L3が10mm未満だと、1ユニット内が密になり過ぎ、毛束(用毛)の先端が頭皮に到達した実感が低くなり、使用感が低下する。また、上記L3が25mmを超えると、1ユニット内が疎になり過ぎ、用毛の先端が頭皮に強く当接するので使用者が刺激感を感じ、使用感が低下するため好ましくない。
【0052】
なお、図2に示す例では、植毛穴22が長方形状に6穴配置されることで1ユニットに構成されているが、これには限定されない。例えば、図7(a)に示すように、植毛穴22が正三角形状に三穴配置されたユニットとしても良いし、図7(c)に示すように、植毛穴22が並行に4穴と5穴で計9個配されたユニットとすることもでき、その他の形状も含め、適宜決定することが可能である。
【0053】
(ブラシ面における外周部と内周部との比)
本実施形態の頭皮用ブラシ1では、上述したように、基台2のブラシ面21上において、周縁21aに沿った外周部21bに毛束3(用毛31)が植毛され、外周部21bよりも内側の内周部21cに錐体状突起5が取付けられる。本実施形態では、ブラシ面21上において植毛穴22が設けられる外周部21bが、ブラシ面21全体に対する面積比で、40%以上60%の範囲とされていることが好ましい。
【0054】
基台2のブラシ面21全体の面積に対する外周部の面積の比が40%未満だと、この外周部に植毛される毛束(用毛)の本数が少なくなりすぎるため、用毛先端が頭皮に到達する実感を使用者が得られない虞がある。また、基台2のブラシ面21全体の面積に対する外周部の面積の比が60%を超えると、内周部に取付けられる錐体状突起5の本数が少なくなるため、高いマッサージ効果並びに良好なマッサージ感、及び毛髪をかき分ける効果が充分に得られなくなる。また、細径ブリッスルからなる毛束(用毛)を、ブラシ面上において内周部に植毛した場合、この用毛よりも外周に取付けられた錐体状突起が、使用者の頭皮に当る実感が強くなり過ぎる虞があるため、好ましくない。
【0055】
本実施形態の頭皮用ブラシ1によれば、基台2のブラシ面21上において、毛束3(用毛31)及び弾性材料からなる錐体状突起5が、上述のような寸法及び配列パターンで取付けられてなる構成により、例えば、頭髪の長い人が使用した場合でも、錐体状突起5によって頭髪をかき分けることができるとともに適度なマッサージ効果を頭皮に付与することができる。また、用毛31の先端を頭皮に到達させて毛穴内部を効果的に洗浄できるとともに使用者が優れた洗浄実感を得ることが可能となる。
【0056】
このような頭皮用ブラシ1は、主として洗髪時において、シャンプー剤を頭皮上及び頭髪に泡立てた状態で用いることにより、頭皮及び頭皮の毛穴、毛髪等の汚れに対して優れた洗浄効果が得られる。また、例えば、マッサージ剤を頭皮及び頭髪に塗布した後、頭皮用ブラシ1によって刷掃することにより、速やかにマッサージ剤が頭皮及び頭髪の全体に行き渡り、効率良くマッサージすることができるとともに、頭皮や毛穴内部の汚れを浮き上がらせ、洗浄効果をより向上させることが可能となる。またさらに、リンス剤やコンディショナー剤と併せて使用した場合、これらの液剤を速やかに頭皮に到達させるとともに、目的とする成分を頭皮に効率的に浸透させることができるため、非常に好適であるが、本発明に係る頭皮用ブラシの使用形態としては、これらに限定されるものではなく、頭皮や頭皮の毛穴の手入れ作業において、様々な用途に用いることが可能である。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の頭皮用ブラシ1によれば、基台2に備えられるブラシ面21上において、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部31aが頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛31が複数束ねられてなる毛束3がブラシ面21の周縁21aに沿った外周部21bに配されるとともに、弾性材料からなり先端部5aが面取りされてなる錐体状突起5が毛束3の植設された外周部21bよりも内側の内周部21cに配されてなる構成なので、高い毛穴洗浄効果が得られるとともに、頭皮に適度な刺激感が与えられるので高いマッサージ効果が得られる。
【0058】
また、基台2に備えられるブラシ面21上の外周部21bに植毛される毛束3(用毛31)が、該毛束3が植毛される植毛穴22を3〜9個で1ユニットとした際、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離が2mm以上15mm未満の範囲であり、且つ、任意の1ユニットの中心点から最も近い1ユニットの中心点までの距離が10mm以上25mm未満の範囲として配された各々の植毛穴22に植毛された構成とすることにより、錐体状突起5のみならず、用毛31によっても頭皮に適度な刺激感が与えられるので、より優れたマッサージ効果及び頭皮毛穴内部の洗浄効果が得られる。
【0059】
また、本実施形態の頭皮用ブラシ1は、上記構成により、錐体状突起5及び毛束3(用毛31)が、それぞれブラシ面21上の外周部21b及び内周部21cにおいて、密集した領域と疎な領域とを併せ持つので、頭皮に適度な刺激感を与え、ブラシ面上において均等に分布させる構成とされた従来の頭皮用ブラシに比べ、高いマッサージ効果が得られる。
【0060】
なお、本発明に係る頭皮用ブラシにおいては、図8に示す例のように、ブラシ面13の略中央部及び/又は周縁部に、基台12を貫通するように、少なくとも一以上の貫通孔が設けられた構成とすることができ、図示例では、楕円形状の貫通孔14が、基台12に備えられるブラシ面13の略中央付近に形成されている。このような、貫通孔14が設けられることにより、基台12を筐体(図1等の筐体4参照)に取付けた際、頭皮用ブラシの内部が外部に開放されるように構成される。このような構成とすることにより、頭皮用ブラシの使用時に、水あるいは洗浄剤等が中空状とされた頭皮用ブラシ内部に浸入した際、貫通孔14からの水抜き処理を行なうことができ、頭皮用ブラシを、例えば6ヶ月程度の長い期間に亘って繰り返し使用する場合でも、清潔に使用及び保管することが可能となる。
貫通孔を設ける箇所としては、ブラシ面13の略中央部及び/又は周縁部の他、筐体の把持部等に設けた構成としても良く、貫通孔の形状や位置、大きさ等は適宜決定することが可能である。
【実施例】
【0061】
以下に、本発明の頭皮用ブラシ及び頭皮毛穴洗浄用具を実証するための実施例について説明するが、本発明は本実施例によって限定されるものではない。
【0062】
[頭皮用ブラシの作製]
以下の手順で、図3に示すような用毛を用いて毛束を作製するとともに、図5に示すような錐体状突起を作成し、これら毛束及び錐体状突起が取付けられた基台を筐体に取り付けることにより、図1に示すような頭皮用ブラシのサンプルを作製した。
【0063】
(基台の作製)
まず、図1及び図2中に示すような、79.3×64.3mmの平面視略楕円形状とされ、厚さが4.5mmの基台2において、ブラシ面21の外周部21bに、直径が1.5mmの植毛穴22を長方形状に6穴配置して1ユニットとし、計10ユニット(植毛穴の合計数:60穴)を配置した。この際、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離は、最短部距離L1で3.3mm、最長部距離L2で約8.5mmとし、また、最も近いユニット中心点間の最短中心点距離L3を16mmとした。また、この際、ブラシ面上における外周部の領域としては、ブラシ面の周縁に沿った外側の約55%の領域とした。
また、ブラシ面21の内周部21cの領域には、錐体状突起5を挿通して取付けるための突起取付孔(突起取付穴23)を、8個の突起取付孔を楕円形状に配し、この楕円形状の内側に2個の突起取付孔を配した形態の配列で、計10個形成した。
【0064】
(用毛の作製)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂材料が用いられてなる、直径190μmの用毛の原糸を等寸法にカットし、規定温度に加温した高濃度NaCl溶液中に浸漬して薬品加工を施す従来公知の方法を用い、両端部をテーパ状に加工することにより、図3に示すような頭皮用ブラシ用の用毛31を得た。この手順で得られた用毛(細径ブリッスル)31の先端から0.1mmの部位における直径は約20μm、最も太い部分の直径は約0.19mmであった。
【0065】
(用毛の植毛)
両端部がテーパ状に加工された用毛31を約15本で一束として、基台2の各植毛穴22に中央部から折り返すようにして用毛31を植毛することにより、各植毛穴22に毛束3が取り付けられた状態とした。この際、用毛(毛束)31の毛丈は、基台2のブラシ面21から端面31bまでの寸法の平均で、約14mm(±0.5mm)とした。
【0066】
(錐体状突起の作製)
錐体状突起5としては、スチレン系エラストマー樹脂(硬度:60A)を用い、錐体状突起5及び該錐体状突起5が表面に形成されてなる図示略の突起基板を一体成形で作製した。この際、錐体状突起5は、先端から0.1mmの部位における直径を約0.6mm、突起の付け根部分の直径を7mmとして形成した。また、錐体状突起5の先端部5aには、曲面状に面取り処理を施した。
【0067】
(頭皮用ブラシの作製)
上記手順で得られた、ブラシ面21上の外周部21bに複数の毛束3が植毛されるとともに、内周部21cに突起取付孔(突起取付穴23)が形成された基台2、並びに、表面に錐体状突起5が形成された基板を、図1に示すような筐体4の開口部41に嵌め込んで一体に取付け、実施例1の頭皮用ブラシ1を得た。この際、錐体状突起5が形成されてなる図示略の基板上に基台2を重ね合わせ、基台2に形成された突起取付孔に錐体状突起5が挿通され、ブラシ面21から突出するように組み付けた。
上述のように組み付けられてなる頭皮ブラシ1のブラシ面21上において、該ブラシ面21からの毛束3(用毛31)の長さH1から錐体状突起5の長さH2を引いた寸法は、2.5mmであった。また、ブラシ面21上において、各々の錐体状突起5の根元の間に設けられる間隔C1は、最長部分で15mm、最短部分で10mmとした。
【0068】
また、1ユニット当たりの植毛穴の穴数や各寸法及び配置、並びに錐体状突起の数や各寸法及び配置を、下記表1及び表2、並びに、図7(a)〜(i)及び図9(a)〜(f)に示すような仕様とした点を除き、上記同様の手順によって実施例2〜15、及び比較例1〜6の頭皮用ブラシを得た。
なお、実施例13、14の頭皮用ブラシは、ブラシ面上において毛束が植設される外周部を、それぞれブラシ面の周縁に沿った外側の約35%、約65%の領域とした例である。実施例13、14の頭皮用ブラシは、何れも1ユニット内の穴数及び上記L1、L2の寸法は同じであるが、外周部の周縁からの領域がそれぞれ約35%、約65%であることから、上記L3の寸法を、実施例13では20mm、実施例14では10mmとしている。これは、各毛束で構成されるユニットの各々を、実施例13においては周縁に沿って1列のみ配置しているが(図7(i)参照)、実施例14においては、詳細な図示を省略するが、ユニットの各々を周縁に沿って2列配置していることによる。
【0069】
[評価方法]
上述のようにして得られた各実施例及び比較例の頭皮用ブラシを用い、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」について、以下の方法で評価した。
頭皮用ブラシの使用方法としては、市販のシャンプー(商品名:植物物語;登録商標、ライオン株式会社製)を用い、まず、各パネル(被験者)がシャンプーを頭皮及び頭髪に対して適量で付与し、泡が頭皮地肌全体に行き渡るようにして泡立てた後、頭皮用ブラシの各サンプルを用いて洗髪を行なった。この際、頭皮用ブラシの各サンプルを用いた洗髪時間は約3分間とし、均一に頭皮用ブラシを動かして泡立てながら洗浄する方法とした。そして、お湯で頭髪及び頭皮全体をすすいだ後、頭髪を乾燥させ、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」について、各パネルが以下に説明する評価基準で官能評価を行なった。
なお、各官能評価試験におけるパネル(被験者)としては、女性パネル(n=30名)を用い、各パネルの頭髪の長さとして、「耳〜肩に付くまでの長さ:計5名」、「肩から下方へ10cm以内の長さ:計15名」、「肩から10cm超20cm以下の長さ:計10名」としてパネルの選定を行い、各々同条件で評価を行なった。
【0070】
(毛穴内部洗浄感)
上記頭皮用ブラシの各サンプル(実施例1〜15、比較例1〜6)について、各パネラー(n=30名)がシャンプーを用いて頭皮洗浄操作を行い、毛穴内部の洗浄感を5段階(良好、やや良好、どちらとも言えない、やや良くない、良くない)で官能評価し、良好又はやや良好と感じたパネラーの人数に応じて、以下に示すような4段階の基準で評価した。
これらの評価結果を、下記表1及び表2にそれぞれ示した。
(1)◎:良好と答えたパネラーが80%以上(大きな効果あり)
(2)○:良好と答えたパネラーが60%以上80%未満(効果あり)
(3)△:良好と答えたパネラーが40%以上60%未満(あまり効果なし)
(4)×:良好と答えたパネラーが40%未満(効果なし)
【0071】
(頭皮マッサージ感)
上記頭皮用ブラシの各サンプル(実施例1〜15、比較例1〜6)について、各パネラーがシャンプーを用いて頭皮洗浄操作を行い、頭皮マッサージ感について、上記「毛穴内部洗浄感」と同様の基準で官能評価した。そして、上記同様の基準で4段階評価し、評価結果を、下記表1及び表2にそれぞれ示した。
【0072】
(洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ)
上記頭皮用ブラシの各サンプル(実施例1〜15、比較例1〜6)について、各パネラーがシャンプーを用いて頭皮洗浄操作を行い、洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さについて、上記「毛穴内部洗浄感」及び「頭皮マッサージ感」と同様の基準で官能評価した。そして、上記同様の基準で4段階評価し、評価結果を、下記表1及び表2にそれぞれ示した。
【0073】
頭皮用ブラシの各サンプルにおける植毛穴仕様及び錐体状突起仕様、並びに評価結果を表1及び表2に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
[評価結果]
上記表1及び表2に記載の結果に示すように、ブラシ面21上において、毛束3(用毛31)が外周部21bに適正な寸法及び配列で配置され、また、錐体状突起5が外周部21bよりも内側の内周部21cに適正な寸法及び配列で配置されてなる実施例1〜15の頭皮用ブラシは、上記「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の各官能試験における評価が、何れも「◎」又は「○」の評価結果となり、優れた洗浄感とマッサージ感が得られるとともに、洗髪時の使用性に優れることが明らかとなった。また、これら各実施例のサンプルの内、ブラシ面上において毛束が植設される外周部を約35%の領域とした実施例13の頭皮用ブラシは、頭皮マッサージ感が「◎」の評価結果となり、外周部を約65%の領域とした実施例14の頭皮用ブラシは、毛穴内部洗浄感が「◎」の評価結果となった。
【0077】
これに対し、ブラシ面上の外周部に毛束(用毛)を植設しなかった比較例1の頭皮用ブラシは、洗浄作用が劣るため、「毛穴内部洗浄感」の評価が「×」の結果となり、また、「頭皮マッサージ感」の評価も「△」と、やや劣る結果となった。
また、ブラシ面上の内周部に錐体状突起を取付けなかった比較例2の頭皮用ブラシは、頭皮へのマッサージ効果が劣るため、「頭皮マッサージ感」の評価が「×」の結果となり、また、「毛穴内部洗浄感」の評価も「△」と、やや劣る結果となった。
また、ブラシ面上において、外周部に錐体状突起が取付けられ、また、内周部に毛束が植設され、本発明の規定と逆の配列とされた比較例3の頭皮用ブラシは、「毛穴内部洗浄感」の評価が「×」の結果となり、また、「頭皮マッサージ感」の評価も「△」と、やや劣る結果となった。
【0078】
また、ブラシ面上において、錐体状突起が取付けられず、ブラシ面の全体に毛束が植設された比較例4の頭皮用ブラシは、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の各官能試験における評価が何れも「×」の結果となった。
また、ブラシ面上において、毛束が植設されず、錐体状突起がブラシ面の全体に取り付けられた比較例5の頭皮用ブラシは、「毛穴内部洗浄感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の各官能試験における評価が何れも「×」の結果となり、また、「頭皮マッサージ感」の評価も「△」と、やや劣る結果となった。
また、ブラシ面上の全体にわたって錐体状突起及び毛束の両方を取り付けた比較例6の頭皮用ブラシは、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の各官能試験における評価が何れも「×」の結果となった。
【0079】
上記各評価結果より、頭皮用ブラシのブラシ面において、錐体状突起あるいは毛束(用毛)の何れか一方のみを全面に取付けた場合には、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の何れもが劣り、また、錐体状突起あるいは毛束の何れか一方のみをブラシ面上における規定の領域に配列した場合でも、「毛穴内部洗浄感」又は「頭皮マッサージ感」の何れかが大きく劣ることがわかる。また、ブラシ面上において、錐体状突起を外周部に配するとともに毛束を内周部に配し、本発明で規定する配列とは逆の構成とした場合にも、「毛穴内部洗浄感」又は「頭皮マッサージ感」の何れかが大きく劣ることがわかる。
【0080】
これに対し、本発明で規定するように、ブラシ面上において、毛束(用毛)が外周部に適正な寸法及び配列で配置され、また、錐体状突起が外周部よりも内側の内周部に適正な寸法及び配列で配置されてなる実施例1〜15の頭皮用ブラシは、頭皮のマッサージ効果と毛穴内部の洗浄効果の両方を同時に満足することができるとともに、特に女性等の頭髪が長めの使用者が用いた場合において、頭髪が錐体状突起や毛束に絡みついたりすることが無く、非常に高い使用性を有していることがわかる。
【0081】
以上説明したような実施例の結果より、本発明の頭皮用ブラシが、頭皮のマッサージ効果と毛穴内部の洗浄効果の両方を同時に満足することができ、またさらに、使用性に優れていることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る頭皮用ブラシの一例を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)はブラシ面を示す平面図である。
【図2】本発明に係る頭皮用ブラシの一例を説明するための模式図であり、図1(b)におけるブラシ面をさら詳細に示す拡大図である。
【図3】本発明に係る頭皮用ブラシの一例を説明するための模式図であり、用毛の先端部を示す部分拡大図である。
【図4】本発明に係る頭皮用ブラシの一例を説明するための模式図であり、用毛が基台に植毛され、毛束とされた状態を示す概略図である。
【図5】本発明に係る頭皮用ブラシの一例を説明するための模式図であり、錐体状突起の形状を示す部分拡大図である。
【図6】本発明に係る頭皮用ブラシの一例を説明するための模式図であり、錐体状突起が基台に取付けられた状態を示す部分拡大図である。
【図7】本発明に係る頭皮用ブラシの一例を説明するための模式図であり、植毛穴並びに突起取付穴(毛束並びに錐体状突起)の各種配列パターンを示す概略図である。
【図8】本発明に係る頭皮用ブラシの他の例を説明するための模式図であり、基台のブラシ面に形成された貫通穴を示す概略図である。
【図9】従来の頭皮用ブラシを説明する模式図である。
【符号の説明】
【0083】
1…頭皮用ブラシ、2、12…基台、21、13…ブラシ面、14…貫通穴、21a…周縁、21b…外周部、21c…内周部、22…植毛穴、23…突起取付穴、3…毛束、31…用毛、31a…先端部(用毛)、31b…端面、4…筐体、4a…中空部、41…開口部、42…把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛が複数束ねられてなる毛束と、弾性材料からなり先端部が面取りされてなる錐体状突起と、前記毛束が植毛される植毛穴が複数設けられるとともに、前記錐体状突起が取付けられる突起取付穴が複数設けられたブラシ面を有する基台とを具備し、前記植毛穴の各々に、該植毛穴内部が外部から観察されない状態の密度で前記毛束が植毛され、且つ、前記突起取付穴の各々に前記錐体状突起が取付けられてなる頭皮用ブラシであって、
前記ブラシ面上において、前記毛束が前記ブラシ面の周縁に沿った外周部に配されるとともに、前記錐体状突起が前記毛束の植設された外周部よりも内側に配されてなることを特徴とする頭皮用ブラシ。
【請求項2】
前記毛束は、前記ブラシ面上において、該毛束が植毛される前記植毛穴を3〜9個で1ユニットとした際、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴の中心間距離が2mm以上15mm未満の範囲であり、且つ、任意の1ユニットの中心点から最も近い1ユニットの中心点までの距離が10mm以上25mm未満の範囲として配された各々の植毛穴に植毛されていることを特徴とする請求項1に記載の頭皮用ブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ面上において、前記毛束をなす用毛の前記ブラシ面からの長さ寸法が、前記錐体状突起の前記ブラシ面からの長さ寸法よりも1mm以上5mm以下の範囲で長い寸法とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭皮用ブラシ。
【請求項4】
前記錐体状突起の各々は、前記ブラシ面上において、隣接する錐体状突起の根元の間に5mm以上30mm以下の範囲の間隔を設けて前記突起取付穴に取付けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
【請求項5】
前記錐体状突起の各々は、前記ブラシ面上において、円状、横縞状、市松状、十字状又は放射状の何れかの配列とされ、前記突起取付穴に取付けられることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
【請求項6】
前記植毛穴が設けられる外周部の面積が、前記ブラシ面に対する面積比で40%以上60%以下の範囲とされていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
【請求項7】
さらに、開口部を有して中空状に形成された筐体が備えられるとともに、該筐体の前記開口部に前記基台が一体に取り付けられており、前記基台のブラシ面の略中央部及び/又は周縁部に、前記基台を貫通するように、少なくとも一以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−201570(P2009−201570A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44595(P2008−44595)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】