説明

頭部振動計測装置

【課題】 頭蓋骨にほぼ直接的に結合されている歯で噛むことで、頭部の振動を正確に計測できる頭部振動計測装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明にかかる頭部振動計測装置110の代表的な構成は、被験者H1が歯で噛む棒状のバイトバー120と、バイトバー120と交差(略直交)するようにバイトバー120のそれぞれの端部に連結されて全体で略H字形状をなす一対の棒状の補助バー122、124と、補助バー122、124の端部近傍に1つずつ備えられた少なくとも3つの3軸加速度センサ112、114、116と、3軸加速度センサ112、114、116が備えられない補助バー122、124の端部近傍に備えられた3軸加速度センサ112、114、116と同等の重量を有するバランスウェイト118と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体頭部への振動を計測する頭部振動計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体において、頭部には三半規管を始め重要な器官が備わっている。頭部への振動は、人体に物理的、生理的、および心理的に影響する。例えば、乗物搭乗時や工業機械操作時の頭部への振動は、乗物の乗り心地や機械の使い心地、動揺病等の健康面に影響する。
【0003】
昨今、人体頭部への振動の解明(解析)が進められていて、車両などの製品開発に役立てられている。非特許文献1の「2.多軸加振による並進三方向の動特性の把握」に記載されているように、かかる解明には、被験者が歯で噛んで頭部の振動を計測する頭部振動計測装置が用いられている。
【0004】
非特許文献1のfig.3に図示される頭部振動計測装置は、超塑性合金製のバイトバーをマウスピースに埋め込み、そのバイトバーの露出部に、圧電型加速度センサ(3軸加速度センサ)を直交三方向に取り付けた真鍮の立方体を締結したものである。人体の表面には柔軟な筋肉や脂肪組織、皮膚組織が存在し、これらを介して3軸加速度センサを取り付けた場合正確な計測が困難になることから、頭蓋骨にほぼ直接的に結合されている歯で噛む方式を採用している。
【0005】
非特許文献1のfig.3に図示される頭部振動計測装置では、3つの3軸加速度センサ同士が極めて近接している。すなわち、x軸、y軸、z軸方向への加速度を取得する3箇所の座標が極めて近接している。頭部の並進運動は各軸の同相成分に基づき算定されるが、頭部の回転運動(ローリング、ピッチング、ヨーイング)はその差分に基づき算定される。上記のように互いの座標が近接してしまうと、その差分値が小さくなるため、頭部の回転運動を正確に把握できないおそれがある。
【0006】
図8は、従来の頭部振動計測装置10の一例を示す斜視図である。この装置10では3つの3軸加速度センサ12、14、16が離れていて、上記のおそれが解消されている。すなわち、図8に示すように、被験者H1が歯で噛む金属性のバイトバー20の一方の端部に、これと交差(略直交)するように棒状の補助バー22を連結した略T字形状の頭部振動計測装置10が提案されている。頭部振動計測装置10では、補助バー22の一方の端部近傍に第1の3軸加速度センサ12が取り付けられ、他方の端部近傍にバランスウェイト18が取り付けられる。バイトバー20と補助バー22の連結部分に第2の3軸加速度センサ14が取り付けられ、バイトバー20の反対側に第3の3軸加速度センサ16が取り付けられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】玉置元、外2名、“多方向振動入力を受ける人体のダイナミクスとモデルリング”、[online]、[平成22年10月19日検索]、インターネット<URL:http://ci.nii.ac.jp/els/110002383534.pdf?id=ART0002655468&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1287478378&cp=>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
正確に頭部への振動を計測するためには、被験者がバイトバーを安定的に歯で噛んでいることが必須となる。頭部への振動を計測するためにこれに直接的に結合されている歯で噛む方式を採用しているが、被験者が歯で噛む力が変動すると(安定しないと)各加速度センサがぐらつき、頭部の振動には直接関係しないぐらつきまでもが頭部振動計測装置に伝達され、計測精度に影響をおよぼすおそれがある。
【0009】
しかしながら、図8に示す頭部振動計測装置10では、3軸加速度センサ12、14、16の3箇所の座標を分散させるためにバイトバー20の一方の端部に補助バー22を連結したので、重量バランスを取ることが困難である。よって、頭部の振動の計測に際して、バイトバー20を被験者H1が安定した力で噛むことが困難となる。特に、加振状態を長時間継続して頭部の振動を計測するような場合、顎の筋肉が疲労して、余分な力がさらに加わる可能性が高い。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、安定的に歯で噛んでいられ、頭部の振動を正確に計測できる頭部振動計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、人体頭部への振動を計測する頭部振動計測装置において、被験者が歯で噛む棒状のバイトバーと、バイトバーと交差するようにバイトバーのそれぞれの端部に連結されて全体でH字形状をなす一対の棒状の補助バーと、補助バーの端部近傍に1つずつ備えられた少なくとも3つの3軸加速度センサと、3軸加速度センサが備えられない補助バーの端部近傍に備えられた3軸加速度センサと同等の重量を有するバランスウェイトと、を有することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、頭部振動計測装置が、x軸、y軸、z軸すなわちすべての座標軸についてほぼ対称な形状となる。よって、被験者が安定的に歯で噛んでいられる。また、3つの3軸加速度センサが、頭部の重心の前後に分散して配置される。従来よりもx軸、y軸、z軸方向への加速度を取得する3箇所の座標が頭部の重心に対して均等になり、より好適な加速度データが得られるため、計測の精度を向上させることができる。
【0013】
当該頭部振動計測装置は、バイトバーに対し、補助バーを回転させ補助バーの姿勢を調整する第1の調整機構をさらに有すると好ましい。被験者には個人差があるため、バイトバーを歯で噛んだ初期状態において、補助バー端部近傍の3軸加速度センサが略水平な状態にあるとは限らない。しかし、上記調整機構を設けることで、バイトバーを歯で噛んだ初期状態において3軸加速度センサを略水平な状態に調整することができ、好適に計測を実施することができる。
【0014】
当該頭部振動計測装置は、バイトバーに対し、補助バーをその延伸方向に移動させ、人体頭部に対する3軸加速度センサの位置を調整する第2の調整機構を有するとよい。これにより、バイトバーを歯で噛んだ初期状態において、x軸、y軸、z軸方向への加速度を取得する3箇所の座標(3つの3軸加速度センサの位置)を頭部の重心に対して均等な距離だけ離れた位置に配置することができ、計測の精度をさらに向上させることができる。
【0015】
当該頭部振動計測装置は、バイトバーの被験者が歯で噛む部分が平らであって、扁平な断面形状を有すると好ましい。これにより、被験者がバイトバーを噛みやすくなる。よって、計測時にバイトバーをより安定した状態で噛んでいられ、計測の精度をさらに向上させることができる。
【0016】
当該頭部振動計測装置は、バイトバーおよび補助バーの内部が中空であって、3軸加速度センサの配線(信号線)の少なくとも一部がこの内部に通されているとよい。これにより、被験者にかかる負担(疲労)を低減するとともに、配線が邪魔になることもなくなるため、好適に計測を実施することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、安定的に歯で噛んでいられ、頭部の振動を正確に計測できる頭部振動計測装置を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態にかかる頭部振動計測装置の外観図である。
【図2】図1に示す頭部振動計測装置の使用態様を説明する三面図である。
【図3】図1に示す3軸加速度センサの配線を説明する図である。
【図4】図1に示す第1の調整機構について説明する図である。
【図5】図1に示す第2の調整機構について説明する図である。
【図6】図4、図5に示す第1の調整機構、第2の調整機構の効果を説明する図である。
【図7】図1に示す頭部振動計測装置の応用例を示す図である。
【図8】従来の頭部振動計測装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
図1は、本実施形態にかかる頭部振動計測装置110の外観図である。図1(a)がその平面図であり、図1(b)がその斜視図である。図2は、頭部振動計測装置110の使用態様を説明する三面図である。図2(a)が平面図(上面図)であり、図2(b)が正面図であり、図2(c)が側面図である。なお、理解を容易にするために、図中には計測系のx軸、y軸、z軸を記載している。
【0021】
図1(a)、(b)および図2(a)〜(c)に示すように、頭部振動計測装置110では、被験者H1が歯で噛む棒状のバイトバー120のそれぞれの端部に、バイトバー120と交差(略直交)するように一対の棒状の補助バー122、124が連結される。補助バー122の一方の端部近傍に第1の3軸加速度センサ112が取り付けられ、他方の端部近傍に第2の加速度センサ114が取り付けられる。補助バー124の一方の端部近傍にバランスウェイト118が取り付けられ、他方の端部近傍に第3の3軸加速度センサ116が取り付けられる。
【0022】
すなわち、3つの3軸加速度センサ112、114、116は、補助バー122、124の端部近傍に1つずつ備えられる。詳細には、3軸加速度センサ112、114、116のそれぞれの軸が、計測系のx軸(横軸)、y軸(縦軸)、z軸(高さ軸)と平行になるように備えられる。3軸加速度センサ112、114、116が備えられない端部近傍には、重量バランスを調整するために同等の重量を有するバランスウェイト118が設置される。
【0023】
本実施形態の頭部振動計測装置110は、全体で略H字形状をなし、x軸、y軸、z軸すなわちすべての軸方向にほぼ対称な形状となる。これより、バイトバー120の中心付近にその重心M1が位置し、被験者H1が歯で噛む部分がその重心M1にあたることとなる。そのため、被験者H1が、バイトバー120を安定的に歯で噛んでいられ、正確な頭部の振動の計測が可能となる。
【0024】
図3は、3軸加速度センサ112、114、116の配線126を説明する図である。図3(a)では第1の例を図示していて、図3(b)では第2の例を図示している。本実施形態のバイトバー120および補助バー122、124は、内部が中空に形成される。これにより、全体の重量を抑えることができ、被験者H1にかかる負担(疲労)を低減することができる。
【0025】
また、バイトバー120および補助バー122、124の内部を中空にすることで、この内部に3軸加速度センサ112、114、116の配線126(信号線)を通すことが可能となる。図3(a)に示すように、補助バー122、124からバイトバー120にかけて、3軸加速度センサ112、114、116の配線126すべてを通してもよい。図3(b)に示すように、3軸加速度センサ112、114、116の配線126の一部をバイトバー120に通してもよい。不図示ながら3軸加速度センサ112、114、116の配線126の一部を補助バー122、124に通してもよい。
【0026】
これにより、配線126が他のものに引っかかって破損するおそれがなくなる。また、配線126の揺れや引っ掛かりによって生じる計測の精度の低下(計測誤差)を回避することができ、好適に計測を実施することができる。
【0027】
図4は、第1の調整機構128について説明する図である。図4(a)では第1の調整機構128の構成を例示していて、図4(b)では図4(a)のA−A断面を図示している。第1の調整機構128は、補助バー122、124を回転させこの補助バー122、124の姿勢を調整する機構である。
【0028】
図4(a)に示すように、第1の調整機構128は、例えば、バイトバー120を外筒120aと内筒120bの2重筒構造とし、外筒120aを片側から切り開いた切開部130と、この切開部130を閉じるように締付固定するネジ132a、132bとを設定することで実現できる。ネジ132a、132bを緩めれば内筒120bの回転が許容され、ネジ132a、132bを閉めれば内筒120bの回転が規制されるためである。
【0029】
上記構成では、ネジ132a、132bを緩めることで、1対の補助バー122、124と内筒120bとが回転可能となる。一対の補助バー122、124が連動して回転するため、比較的簡単に姿勢を調整することが可能である。しかし、一対の補助バー122、124が別々に回転するようにしてもよい。
【0030】
すなわち、図1(a)、(b)に示すように、第1の調整機構128は、補助バー122、124を外筒122a、124aと内筒122b、124bの2重筒構造とし、補助バー122、124の外筒122a、124aとバイトバーの内筒120bとの連結部分に、上記と同様の切開部134a、134bとネジ136a、136bとを設定することでも実現できる(頭部振動計測装置110には、第1の調整機構128として機能する部位が複数ある)。なお、ここでは、バイトバー120の内筒120bと、補助バー122、124の内筒122b、124bとは接続されていない。
【0031】
図4(b)に示すように、バイトバー120の外筒120aは、被験者H1が歯で噛む部分すなわち上下面が平らであって、略長円の断面形状を有する。上下面を平らにすることで、歯で噛んだ際に滑ることなく、好適に把持することが可能となる。また、略長円の断面形状とすることで、口の奥行きにより合致するため、確実に把持することが可能となる。よって、計測時にバイトバー120をより安定した状態で噛んでいられ、計測の精度向上に寄与する。なお、略長円の断面形状に限定されるわけではなく、扁平な断面形状であればよい。
【0032】
図5は、第2の調整機構138について説明する図である。図5(a)では第2の調整機構138の構成を例示していて、図5(b)では追加ウェイト144を追加した状態を図示している。第2の調整機構138は、バイトバー120に対し、補助バー122、124をその延伸方向(x軸方向)に移動させ、被験者H1の頭部に対して3軸加速度センサ112、114、116の位置を調整する機構である。
【0033】
図5(a)に示すように、第2の調整機構138は、例えば、補助バー122、124を外筒122a、124aと内筒122b、124bの2重筒構造とし、外筒122a、124aを片側から切り開いた切開部140a、140b(図1(b)参照)と、この切開部140a、140bを閉じるように締付固定するネジ142a〜142dとを設定することで実現できる。ネジ142a〜142dを緩めれば内筒122b、124bの移動が許容され、ネジ142a〜142dを閉めれば内筒122b、124bの移動が規制されるためである。
【0034】
図5(b)に示すように、第2の調整機構138により、バイトバー120に対し、補助バー122、124をその延伸方向に移動させると、x軸方向の対称形状が崩れる。そこで、本実施形態では、補助バー122、124の両側の端部のモーメントを等しくするように、着脱可能な重りとしての追加ウェイト144を追加する。
【0035】
追加ウェイト144は、バイトバー120と補助バー122、124の連結部分を原点、原点から補助バー122、124の一方の端部までの長さをL1、他方の端部までの長さをL2、一方の端部にかかる重力をZ1、他方の端部にかかる重力をZ2とした場合に、次式Z1:L1=Z2:L2を満たすように追加される。これにより、x軸方向の対称形状の崩れを是正できる。
【0036】
図6は、第1の調整機構128、第2の調整機構138の効果を説明する図である。図6(a)が第1の調整機構128の効果を説明する図であり、図6(b)が第2の調整機構138の効果を説明する図である。図6(a)に示すように、被験者H1には個人差があるため、バイトバー120を歯で噛んだ初期状態において、補助バー122、124端部近傍の3軸加速度センサ112、114、116が略水平な状態からずれる場合がある。
【0037】
しかし、上述した第1の調整機構128によれば、補助バー122、124を周方向R1に回転させることで、補助バー122、124の姿勢が略水平になるように調整することができる。これにより、バイトバー120を歯で噛んだ初期状態において、3軸加速度センサ112、114、116の軸(x軸、z軸)を、計測系の軸(x軸、z軸)に合わせることができる。
【0038】
図6(b)に示すように、第2の調整機構138によれば、バイトバー120を歯で噛んだ初期状態において、x軸、y軸、z軸方向への加速度を取得する3箇所の座標(3つの3軸加速度センサの位置)を頭部の重心M2に対して均等にすることができる。これにより、より好適な加速度データが得られるため、計測の精度を向上させることができる。
【0039】
図7は、頭部振動計測装置110の応用例(頭部振動計測装置210)を示す図である。図7(a)では応用例としての頭部振動計測装置210を図示していて、図7(b)では図7(a)のB−B断面を図示している。
【0040】
図7(a)、(b)に示すように、応用例としての頭部振動計測装置210では、バイトバー220を、上下面が平らであって略長円の断面形状を有する単筒構造としている。これにより、上述した2重構造よりも、被験者H1が歯で噛む部分の厚みを細くすることができ、より噛み易い構成にすることができる。
【0041】
以上、上記実施形態では、3つの3軸加速度センサ112、114、116および1つのバランスウェイト118を備える場合について説明した。しかし、バランスウェイト118を用いず、4つの3軸加速度センサを補助バー122、124の端部近傍に1つずつ設置してもよい。この場合には、x軸、y軸、z軸方向への加速度を取得する4箇所の座標が設定されることから、最小二乗法のような形で、より高精度に頭部の回転運動(ローリング、ピッチング、ヨーイング)を算定することができる。
【0042】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、人体頭部への振動を計測する頭部振動計測装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
H1…被験者、M1…頭部振動計測装置の重心、M2…頭部の重心、110、210…頭部振動計測装置、112、114、116…3軸加速度センサ、118…バランスウェイト、120、220…バイトバー、120a…外筒、120b…内筒、122、124…補助バー、122a、124a…外筒、122b、124b…内筒、126…配線、128…第1の調整機構、130…切開部、132a、132b…ネジ、134a、134b…切開部、136a、136b…ネジ、138…第2の調整機構、140a、140b…切開部、142a〜142d…ネジ、144…追加ウェイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体頭部への振動を計測する頭部振動計測装置において、
被験者が歯で噛む棒状のバイトバーと、
前記バイトバーと交差するように該バイトバーのそれぞれの端部に連結されて全体でH字形状をなす一対の棒状の補助バーと、
前記補助バーの端部近傍に1つずつ備えられた少なくとも3つの3軸加速度センサと、
前記3軸加速度センサが備えられない前記補助バーの端部近傍に備えられた該3軸加速度センサと同等の重量を有するバランスウェイトと、
を有することを特徴とする頭部振動計測装置。
【請求項2】
前記バイトバーに対し、前記補助バーを回転させ該補助バーの姿勢を調整する第1の調整機構をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の頭部振動計測装置。
【請求項3】
前記バイトバーに対し、前記補助バーをその延伸方向に移動させ、人体頭部に対する前記3軸加速度センサの位置を調整する第2の調整機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の頭部振動計測装置。
【請求項4】
前記バイトバーの被験者が歯で噛む部分が平らであって、扁平な断面形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の頭部振動計測装置。
【請求項5】
前記バイトバーおよび補助バーの内部が中空であって、前記3軸加速度センサの配線の少なくとも一部が該内部に通されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の頭部振動計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−100889(P2012−100889A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252319(P2010−252319)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】