説明

顔面雨よけ透明カバー

【課題】頭巾付き雨衣や、防水帽と頭巾のない雨衣を着用して、降雨中に自転車走行や各種作業を行う場合などに、頭巾や防水帽の内側の頭部に密着させて、顔面の雨よけ等が迅速簡単容易にできる顔面雨よけ透明カバーを提供する。
【解決手段】少なくとも顔前面及び側面を覆うことができ、上端101を頭部に密着できるように、両側端103に、調節バンド11を取りつけた透明合成樹脂製薄フィルム100であって、表面を降雨などが当接しても視界が維持でき、裏面を曇り止めができるようにした顔面雨よけ透明カバー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の雨中走行時や雨中の作業時等に、乗者又は作業者が、頭巾付きの雨衣、又は、防水帽子と頭巾のない雨衣の着用と共に、顔面頭部に装着して、顔面に当たる降雨、風雪、風塵、寒風等を回避できるようにした顔面雨よけ透明カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一例を挙げると、最近、交通安全のため、自転車に乗車して雨降り時に走行するときは、雨衣の着用がすすめられている。しかしながら、雨降り時に、雨衣を着用して自転車で走行するとき、雨衣のうち、頭巾部分は、着用しても顔面や目に降雨が浸入して、前方の見通しが悪くなる、顔面から雨水が体内に浸入するなどの欠点があり、また、雨中の各種作業時などの場合も上述同様の欠点があった。
そこで、本発明者は、激しい降雨時等でも、頭巾付きの雨衣を着用しても、視界がよく、顔面から完全に降雨等を回避することができるほか、頭巾のない雨衣を着用して防水帽子を着用した場合も、顔面の降雨等の回避など容易にできる顔面雨よけ透明カバーの開発に成功した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−341003号
【特許文献2】特開平10−204716号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、頭巾付き雨衣を着用して降雨中自転車を走行させるとき、もしくは、雨中に各種作業を行うとき、又は、頭巾のない雨衣と防水帽子とを着用して降雨中自転車を走行させるとき、もしくは、雨中に各種作業を行うとき、顔面や目、鼻等に対する降雨よけができ、視界よく走行又は作業の安全をはかることができる顔面雨よけ透明カバーを提供するものである。
また、本発明は、雨よけ以外に雪よけ、風塵よけ、寒風よけなどにも広く利用できる顔面雨よけ透明カバーを提供するものである。
さらに、本発明は、製作容易で安価に供給できる顔面雨よけ透明カバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明顔面雨よけ透明カバーは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項1の発明は、顔の前面及び両側面を覆うことができるようにすると共に、表面を降雨が当接しても視界が維持でき、裏面を曇り止めができるようにした透明合成樹脂フィルム100であって、上端部101周縁部を頭部に密着できるように、両側端部103及び103に、ゴムバンド又はかみ合いバンド等で伸縮又は長さ調節できるようにした調節バンド11を取りつけている顔面雨よけ透明カバー10である。
また、本発明顔面雨よけ透明カバーは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項2の発明は、前記透明合成樹脂フィルム100であって、上端部101B周縁部を頭部に密着できるように、両側端部103B及び103Bをテーパー状筒になるように結合している顔面雨よけ透明カバー10Bである。
また、本発明顔面雨よけ透明カバーは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項3の発明は、前記透明合成樹脂フィルム100であって、上端部101C周縁部を頭部に密着できるようにしたものと、前記透明合成樹脂フィルム100の上端部101C周縁部に、下端部402周縁部を結合した椀状の帽体40とからなる顔面雨よけ透明カバー10Cである。
さらに、本発明顔面雨よけ透明カバーは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項4の発明は、前記合成樹脂フィルム100であって、両側端部103D及び103Dを筒状に結合したものと、対向する前記透明合成樹脂フィルム100の上端部101D及び103Dに橋渡しされて両端72及び72を固着した1本又は複数本のヘッドバンド70とからなり、頭に被って頭上を前記ヘッドバンド70で支持できるようにした顔面雨よけ透明カバー10Dである。
本発明において、透明合成樹脂フィルム100は、表面を降雨が当接しても視界が維持できるようにした撥水性乃至非粘着性透明フィルム、撥水処理透明フィルム、親水性透明フィルム、親水処理透明フィルム、裏面を曇り止めができるようにした曇り止め透明フィルム、曇り止め処理透明フィルムなど公知の透明フィルムの利用はすべて含まれる。本発明における調節バンドのうちかみ合いバンドには、いわゆるマジックテープを使用したバンド、いわゆるスナップホックを使用したバンドによるもの、複数の凸バンドと複数の穴あきバンドの組み合わせによるものなど、頭まわりに合わせて長さを加減できるバンドはすべて含まれる。椀状の帽体には、頭部に被ったのち、その上に雨衣の頭巾又は防水帽子が被れるようにした通気布製、網製等の椀状の丸帽状のものが望ましい。
ヘッドバンドは、合成樹脂テープ製、布はくテープ製、網製等が使用される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、表面(外面)を降雨が当接しても視界を確保でき、また、裏面(内面)を人体の排気や温熱等による曇り止めができる合成樹脂透明フィルムを、少なくとも顔の前面及び両側面に使用しているので、降雨時などには、前記透明フィルムに当たった降雨などにより視界が妨げられることなく、また、顔面、目、鼻等が完全に雨等を回避して雨水等が体内に流下浸入することなく、安全に走行又は作業ができる。また、その際、前記透明フィルムの顔面に対する角度が頭部まわりに自由に変えられるので、降雨等の流下又は浸入、息抜き空間の確保、カバー内面のくもり防止、顔面化粧くずれ防止等が容易にできる。
さらに、頭巾付き雨衣着用の場合や防水帽子と頭巾のない雨衣着用の場合は、本発明品はいずれも極めて薄い合成樹脂フィルムで成形できるので、頭部や顔面まわりのサイズに合わせて簡単迅速容易に着用できると共に、小さく折り畳むことができ、また、軽量に収納できる。
また、合成樹脂透明フィルムを約100ミクロン以下の薄厚にした場合は、顔面に眼鏡を装着してもフィルムは皮膚面へ接触障害を及ぼさない特有の効果がある。
さらに、本発明品は、安価に製作できるので、交通安全用として、特に、通勤、通学用の自転車走行に大いに役立つ必需品として実用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1−1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図1−2】図1−1の別の実施例を示す斜視図である。
【図1−3】図1−2の一部拡大説明図である。
【図1−4】図1−1の使用状態説明図である。
【図1−5】図1−1の別の使用状態説明図である。
【図2−1】本発明の別の実施例を示す斜視図である。
【図2−2】図2−1の一部拡大説明図である。
【図3】本発明の別の実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明顔面雨よけ透明カバーの最良の形態が、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4に記載される。
【実施例1】
【0009】
本発明の実施例1が、図1−1、図1−2、図1−3、図1−4及び図1−5に示されている。
本発明実施例1の顔面雨よけ透明カバー10は、約300ミクロン以下の透明合成樹脂製薄フィルム100とゴムバンド11とスエットバンド12とからなっている。
ETFE等の透明合成樹脂製薄フィルム100は、撥水性フィルムのため表面(外面)が降雨が当接しても視界が維持でき、また、裏面(内面)は、人体の排気や温熱等による曇り止めができるものである。
前記透明薄フィルム100の各側端部103及び103の各外面には、ゴムバンド製の調節バンド11の両端がそれぞれ結合している。
また、前記透明薄フィルム100の上端部101周縁内面には、汗とりと頭まわりに密着できるようにした布製のスエットバンド12が固着している。
前記透明合成樹脂薄製フィルム100の下端部102及び両側端部103及び103の全部又は一部に、図1−2及び図1−3に示すように、柔軟な合成樹脂製の断面コ字状の縁材60を挿入して糸51で前記透明薄フィルム100に縁材60が脱落しないように巻き縫いによる縁縫50により、合成樹脂フィルムの種類により、薄フィルム100に対し、皮膚面の保護をすると共に商品の美感と使用者に対する安心感の賦与及び重量の賦与を行う場合もある。
従って、降雨時に、図1−4及び図1−5に示すように、頭巾21付きの雨衣20、又は、防水帽30と頭巾21を除いた又は頭巾のない雨衣20Bを着用して自転車に乗車し走行する場合などには、前記透明合成樹脂製薄フィルム100の上部を頭部に密着させると共に、透明合成樹脂製薄フィルム100と顔面との間の角度を調節したのち、頭巾20又は帽子30を被れば、降雨などは顔面に浸入せず雨衣20の上衣部分22に流れ、視界は極めてよく、交通や作業の安全に役立つ。
【実施例2】
【0010】
本発明の実施例2が、図2−1及び図2−2に示されている。
本発明実施例2の顔面雨よけ透明カバー10Bは、透明合成樹脂製薄フィルム100であって、上端101B周縁部を頭部に密着できるように、両側端部103B及び103Bをテーパー筒状に結合させている。
また、透明合成樹脂薄製フィルム100の下端部102B及び両側端部103B及び103Bは、図2−1及び図2−2に示すように、縫糸51Bによる縁縫50Bが形成されて皮膚面の接触保護とカバーの美感と使用者に対する安心感の賦与をはかる場合がある。
【実施例3】
【0011】
本発明の実施例3が、図3に示されている。
本発明実施例3の顔面雨よけ透明カバー10Cは、椀状の帽体40とこれに結合した透明合成樹脂製薄フィルム100とからなっている。
透明薄フィルム100は、実施例1の場合とほぼ同じもので(調節バンド11は必ずしも必要でない)、上端部101C内面は、帽体40内面の汗とり兼頭当てバンド42に相当する帽体40の外面位置に縫着することが好ましい。
従って、例えば、降雨時に、自転車に乗車して走行する際には、帽体40を頭部に被り、薄フィルム100と顔面との角度を調節して、その上に頭巾又は防水帽子を被れば、降雨は顔面に浸入せず、薄フィルム100を流下して雨衣の上衣部分に流れ、視界は極めてよく、交通安全に役立つ。作業時その他の場合も同様である。
【実施例4】
【0012】
本発明の実施例4が、図4に示されている。
本発明実施例4の顔面雨よけ透明カバー10Dは、透明合成樹脂フィルム100であって、両側端103D及び103Dを結合して筒状に形成したものと、対向する上縁部101D及び101Dに、両端71及び71を橋渡しし固定して形成したヘッドバンド70とからなっているので、これを頭に被ったとき、ヘッドバンド70により頭上を支持できるので、小児や毛髪の多い女性や老齢者でも容易に頭に装着して、頭巾や防水帽を被れることになる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明顔面雨よけ透明カバーは、構造簡単、安価に量産でき、実用価値が大きい。
【符号の説明】
【0014】
100 透明合成樹脂製薄フィルム
101、101B、101C、101D 透明合成樹脂製薄フィルムの上端部
103、103B、103C、103D 透明合成樹脂製薄フィルムの側端部
11、11B、11C 調節バンド
40 帽体
401 帽体の上端
402 帽体の下端
70 ヘッドバンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔の前面及び両側面を覆うことができるようにすると共に、表面を降雨が当接しても視界が維持でき、裏面を曇り止めができるようにした透明合成樹脂フィルム100であって、上端部101周縁部を頭部に密着できるように、両側端部103及び103に、ゴムバンド又はかみ合いバンド等で伸縮又は長さ調節できるようにした調節バンド11を取りつけていることを特徴とした顔面雨よけ透明カバー。
【請求項2】
前記透明合成樹脂フィルム100であって、上端部101B周縁部を頭部に密着できるように、両側端部103B及び103Bをテーパー状筒になるように結合していることを特徴とした顔面雨よけ透明カバー。
【請求項3】
前記透明合成樹脂フィルム100であって、上端部101C周縁部を頭部に密着できるようにしたものと、前記透明合成樹脂フィルム100の上端部101C周縁部に、下端部402周縁部を結合した椀状の帽体40とからなることを特徴とした顔面雨よけ透明カバー。
【請求項4】
前記透明合成樹脂フィルム100であって、両側端部103D及び103Dを筒状に結合したものと、対向する前記透明合成樹脂フィルム100の上端部101D及び103Dに橋渡しされて両端72及び72を固着した1本又は複数本のヘッドバンド70とからなり、頭に被って頭上を前記ヘッドバンド70で支持できるようにしたことを特徴とした顔面雨よけ透明カバー。

【図1−1】
image rotate

【図1−2】
image rotate

【図1−3】
image rotate

【図1−4】
image rotate

【図1−5】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図2−2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−65367(P2010−65367A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186717(P2009−186717)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(391042232)ワタナベ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】