説明

顕微鏡システム

【課題】フレキシブルな振動通信を行うことができるようにする。
【解決手段】顕微鏡121、122は、リモートコントローラ11からの問い合わせD33に応じて、自分の識別子を含む問い合わせ応答D34,D35を、通信確立用周波数f0による振動通信にてリモートコントローラ11に送信する(S47,48)。リモートコントローラ11は、顕微鏡122からの応答D34,D35に応じて、顕微鏡122との振動通信の振動周波数として周波数f1(例えば13KHz)を設定し(S49,50)、一方、顕微鏡121からの問い合わせ応答に応じて、顕微鏡121との振動通信の振動周波数として周波数f2(例えば6.5KHz)を設定する(S51,52)。これにより、リモートコントローラ11は、顕微鏡12ごとに異なる振動周波数で振動通信を行って、フレキシブルな振動通信が可能となる。本発明は顕微鏡とリモートコントローラ等の主従関係のある装置からなるシステムに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡をリモートコントロールする手段としては、顕微鏡とリモートコントローラとを専用ケーブルで接続した有線システムが一般的である。
【0003】
また、送信側の圧電素子で発生させた圧力振動が、所定の伝送媒体を介して受信側の圧電素子に伝播されることを利用して、送信側と受信側との間で授受されるデータを送受信する、いわゆる振動通信が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−183828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1には、1つのユニットの中に入っている送信側システムと受信側システムとの間で、あらかじめ決められた通信手順に従って行う振動通信については開示されているものの、個別の装置の間で振動通信を行う場合の通信手順については開示されていない。
【0006】
しかしながら、顕微鏡などの分野においては、例えば、顕微鏡と、リモートコントローラとの間の通信のように、個別の装置の間で通信を行う必要があるが、このような装置間の通信において特許文献1に開示された振動通信を採用しようとすると、個別の装置間での独立した振動通信を行うことができないという問題がでてくる。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、振動通信を行う装置間で使用される振動周波数を適切に割り当てて、フレキシブルな振動通信を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の顕微鏡システムは、振動板上に設置された1又は複数の顕微鏡と、前記振動板上に設置された前記顕微鏡を制御するコントローラとによる振動通信が行われる顕微鏡システムにおいて、前記顕微鏡は、前記顕微鏡と前記コントローラとの間の振動通信が確立される前に用いられる第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記顕微鏡固有の識別子を少なくとも含む第1の送信データを前記コントローラに送信する第1の送信手段を備え、前記コントローラは、前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記顕微鏡から送信されてくる前記第1の送信データを受信する第1の受信手段と、受信した前記第1の送信データに含まれる前記識別子により識別される前記顕微鏡に対して、前記識別子により識別される前記顕微鏡ごとに異なる第2の振動周波数を割り当てて、振動通信が確立された後に前記第2の振動周波数を振動通信で用いられる振動周波数として設定する第1の設定手段と、前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、割り当てられた前記第2の振動周波数を含む第2の送信データを前記顕微鏡に送信する第2の送信手段とを備え、前記顕微鏡は、さらに、前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記コントローラから送信されてくる前記第2の送信データを受信する第2の受信手段と、受信した前記第2の送信データに含まれる前記第2の振動周波数を、振動通信が確立された後に前記コントローラとの間の振動通信で用いる振動周波数として設定する第2の設定手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フレキシブルな振動通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】振動通信を可能にした顕微鏡システムの構成例を示す図である。
【図2】図1のリモートコントローラと顕微鏡の内部構成の詳細を示す図である。
【図3】送信データと変調データとの対応を示す図である。
【図4】送信データと変調データとの対応について説明するためのタイミングチャートを示す図である。
【図5】復調データと受信データとの対応について説明するためのタイミングチャートを示す図である。
【図6】双方向の振動通信を可能にした顕微鏡システムの構成例を示す図である。
【図7】図6のリモートコントローラと顕微鏡の内部構成の詳細を示す図である。
【図8】複数台の顕微鏡の制御を振動通信により可能にした顕微鏡システムの構成例を示す図である。
【図9】図4のタイミングチャートの基準クロックを、13KHzから6.5KHzに代えた場合の送信データと変調データとの対応のタイミングチャートを示す図である。
【図10】図5のタイミングチャートの基準クロックを、13KHzから6.5KHzに代えた場合の復調データと受信データとの対応のタイミングチャートを示す図である。
【図11】リモートコントローラ、顕微鏡の順に起動した場合の通信確立について説明するためのシーケンス図である。
【図12】通信確立前の振動通信で用いられるデータについて説明する図である。
【図13】通信確立後の振動通信で用いられるデータについて説明する図である。
【図14】顕微鏡、リモートコントローラの順に起動した場合の通信確立について説明するシーケンス図である。
【図15】第1顕微鏡、第2顕微鏡、リモートコントローラの順に起動した場合の通信確立について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、振動通信を可能にした顕微鏡システムの構成例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、顕微鏡システム1は、リモートコントローラ11Aと顕微鏡12とから構成される。リモートコントローラ11A及び顕微鏡12は、振動を十分に伝達可能な素材で形成された硬質机面13上に設置される。なお、硬質机面13は、振動通信の際に所定の周波数の圧力振動を伝えることができるものであれば何でもよい。
【0014】
リモートコントローラ11Aは、ユーザによる操作スイッチ部21の操作に基づいて、硬質机面13を伝送媒体とする振動通信により、顕微鏡12の各部の動作を制御する。すなわち、リモートコントローラ11Aの足部分には、振動を発生させるための振動子である圧電素子22が設けられており、この圧電素子22によって、ユーザの操作に対応する指令データを、硬質机面13の振動により顕微鏡12に伝達する。
【0015】
顕微鏡12は、観察標本が載置されるステージ31を有しており、このステージ31の上方には、複数の倍率の異なる対物レンズ32を装着できる電動のレボルバ33が配置されている。また、顕微鏡12には、その背面に観察標本を照明するための照明ランプ34、ステージ31を上下方向へ駆動させ、観察標本へ焦準させるための焦準ハンドル35、対物レンズ32が結んだ中間実像を拡大し、観察するための接眼部36などが設けられている。
【0016】
また、顕微鏡12の足部分には、振動信号を受信するための振動ピックアップマイク圧電素子(以下、単に圧電素子という)37が設けられており、この圧電素子37の圧電効果を利用して、リモートコントローラ11Aの圧電素子22による硬質机面13の振動を電圧に変換し、リモートコントローラ11Aからの指令データを受信する。
【0017】
図2は、図1のリモートコントローラ11Aと顕微鏡12の内部構成の詳細を示す図である。
【0018】
送信側のリモートコントローラ11Aは、図1に示した外観に表れている操作スイッチ部21及び圧電素子22の他に、CPU(Central Processing Unit)51、データクロック生成部52、データ変調部53、及び圧電素子ドライバ54を内部に含むようにして構成される。
【0019】
ユーザにより操作スイッチ部21が押されるなどの所定の操作がされると、CPU51により検出され、CPU51は、押下された操作スイッチ部21に割り当てられた制御命令、すなわち、送信データをデータ変調部53に供給する。また、CPU51は、データクロック生成部52に対し、基準クロックの供給並びにデータクロックを生成する指示を行う。これにより、データ変調部53には、送信データとともに、データクロックが供給される。
【0020】
データ変調部53は、データクロックの立ち上がりのタイミングで、送信データを変調データに変調し、圧電素子ドライバ54に供給する。
【0021】
圧電素子ドライバ54は、データ変調部53から供給される変調データに合わせて、圧電素子22を振動させる。そして、圧電素子22の振動に応じて、圧電素子22と接触している硬質机面13も振動する。
【0022】
一方、受信側の顕微鏡12は、図1に示した外観に表れているステージ31ないし圧電素子37などの他に、CPU71、データ復調部72、サンプリング部73、タイミング生成部74、及び電動装置ドライバ75を内部に含むようにして構成される。
【0023】
圧電素子37は、硬質机面13の振動に応じて振動するので、リモートコントローラ11Aの圧電素子22が振動すると、硬質机面13を伝送媒体として、同一の周波数で振動する。圧電素子37は、検知した振動に対応するアナログ信号をデータ復調部72に供給する。
【0024】
データ復調部72は、圧電素子37から供給されるアナログ信号の波形を整形して、復調し、サンプリング部73に供給する。また、CPU71は、タイミング生成部74に対し、基準クロックの供給並びにサンプリングクロックを生成する指示を行う。これにより、サンプリング部73には、復調データとともに、サンプリングクロックが供給される。
【0025】
サンプリング部73は、サンプリングクロックの立ち上がりのタイミングで、復調データをサンプリングし、受信データとして、CPU71に供給する。
【0026】
CPU71は、サンプリング部73から供給される受信データの命令解析を行い、解析結果に対応する駆動命令を、電動装置ドライバ75に供給する。
【0027】
電動装置ドライバ75は、CPU71から供給される駆動命令に基づいて、例えば、ステージ31やレボルバ33等の顕微鏡12を構成する電動装置を動作させる。
【0028】
次に、図3ないし図5を参照して、リモートコントローラ11Aと、顕微鏡12との間で行われる振動通信の詳細について説明する。
【0029】
図3は、送信データと変調データとの対応を示す図である。
【0030】
ここでは、データを送信するためのデータクロック周波数を208KHz(13KHz×16)とし、データクロックの立ち上がりエッジにおいて、変調データを送信するものとする。図3に示すように、変調データにおいて、13KHzのパルス8発+接地電源電位8発に相当する区間を送信データ“1”とし、13KHzの16発に相当する接地電源電位の区間を送信データ“0”とする。なお、データ“1”の区間に接地電源電位8発に相当する区間を有するのは、8発のパルスにより振動している圧電素子22がパルスを止めても振動が減衰するまでに数msの時間を必要とするためである。また、搬送波周波数として13KHzを用いているのは、圧電素子22の共振周波数13KHzと一致させるためである。
【0031】
このような変調波形は、データ変調部53にて行われる。
【0032】
次に、図4のタイミングチャートを参照して、リモートコントローラ11A側において、変調処理が開始してから電圧論理レベルでの変調データが生成されるまでの動作の概念について説明する。
【0033】
ここでは、送信データ“1”,“0”,“1”の3ビットデータを変調する例について説明する。
【0034】
データクロック生成部52には、13KHzのクロックがCPU51から供給される。データクロック生成部52は、CPU51から供給される基準クロックと13KHzの基準クロックを16分周したものをデータ変調部53に供給する。そして、データ変調部53は、データクロック生成部52からのデータクロックの立ち上がりで、変調データが圧電素子ドライバ54へ圧電素子22の駆動命令を与え、データクロックの立ち下がりエッジでは次のデータクロックで変調するデータの読み出しを行う。
【0035】
まず、3ビットのうちの1ビット目の“1”の変調動作から説明する。
【0036】
なお、図4に示すように、データクロックの1パルス目の立ち上がり時には既に、データ送信信号の電圧レベルはハイレベル(以下、Hレベルという)になっているものとする。
【0037】
CPU51からデータ変調部53への送信イネーブル信号の立ち上がり後、基準クロックと、データクロックと、送信データ信号の3つの信号の電圧レベルの論理積(AND)に対応する信号が変調データとして生成される。つまり、基準クロック、データクロック、送信データ信号のすべての電圧レベルがHレベルになったときだけ、変調データの電圧レベルはHレベルとなり、それらの3つの信号の電圧レベルのうち、1つでもローレベル(以下、Lレベルという)になるときにはLレベルとなる。従って、データ変調部53は、1ビット目の“1”では、図4の変調データに示すように、8パルスのデータを、圧電素子ドライバ54に供給する。
【0038】
その後、データクロックが立ち下がりで、次のデータクロックの送信データをラッチする。図4に示すように、次のデータクロックでは、“0”が送信データとなるので、CPU51からデータ変調部53への電圧レベルであるが、送信データ信号は、Lレベルに変化する。また、上記の通り、変調データの電圧レベルは、基準クロック、データクロック、及び送信データ信号の3つの信号の電圧レベルの論理積をとっており、この場合、データクロックと送信データ信号が共にLレベルとなるため、変調データの電圧レベルは接地電源電位となる。
【0039】
次に、2ビット目の“0”の変調動作について説明する。
【0040】
データクロックの立ち上がりと同時に変調データが出力されるが、送信データ信号がLレベルであるため、変調データは接地電源電位のままとなる。
【0041】
その後、データクロックの立ち下がりで次のデータクロックの送信データをラッチする。図4に示すように、次のデータクロックでは、“1”が送信データとなるので、送信データ信号は、Hレベルに変換する。この場合も上記の通り、変調データは接地電源電位のままとなる。
【0042】
次に、3ビット目の“1”の変調動作について説明する。
【0043】
1ビット目と同様に、基準クロック、データクロック、及び送信データ信号の3つの信号の電圧レベルの論理積をとった信号が、変調データとして生成され、図4の変調データに示すように、8パルスのデータが、圧電素子ドライバ54へ出力される。
【0044】
その後、データクロックの立ち下がりで次の送信データがないため、送信データ信号は、Lレベルに変化する。変調データは、3つの信号の電圧レベルの論理積により求められるから、データクロックと送信データ信号がLレベルになると、変調信号は接地電源電位となる。そして、次のデータクロックの立ち上がり時に、CPU51からデータ変調部53への送信イネーブル信号がLレベルになり、データ送信は完了する。
【0045】
次に、図5のタイミングチャートを参照して、顕微鏡12側において、復調処理を開始してから電圧論理レベルでの受信データが生成されるまでの動作の概念について説明する。
【0046】
まず、圧電素子37に伝搬した振動がアナログレベルでの復調信号に変換され、その後、電圧論理レベルの復調データに変換されるまでの流れについて説明する。
【0047】
送信側のリモートコントローラ11Aの足部分に設けられた圧電素子22と、受信側の顕微鏡12の足部分に設けられた圧電素子37との間に発生する電位差は、振動振幅により大きく変動するが、送信側と受信側の機器が接触又は略接触状態にある場合には、おおよそ数十mVから数百mV程度であり、また、振動が伝搬する過程で他の周波数成分を持つノイズ成分も多く含まれているために、これを除去する必要がある。そこで、データ復調部72には、ノイズ成分を除去して、電圧振幅を増幅するために、フィルタと増幅回路が設けられている。
【0048】
また、データ復調部72には、両波整流回路とローパスフィルタが設けられており、13KHzの周波数成分を中心に十分に増幅された電圧波形は、その両波整流回路により検波され、ローパスフィルタによりアナログ信号として復調される。このようにして復調されたアナログ信号が、図5では、受信波形として示されている。
【0049】
データ復調部72により復調された電圧波形は、“1”に相当する区間では400Hzの周波数成分を多く含み、“0”に相当する区間では交流成分をほとんど持たない。これを波形整形手段により論理電圧レベルの信号に変換すると、400Hzの交流成分を多く持つ区間ではHレベルとなり、交流成分の少ない区間ではLレベルとなる。このようにして変換された論理電圧レベルが、図5では、復調データとして示されている。
【0050】
次に、データ復調部72により波形整形されて得られた図5の復調データから、受信データを取り出すまでの流れを説明する。
【0051】
なお、ここでは、その前提として、波形整形後の電圧論理レベルの波形において、受信データ“1”に対応した区間にのみHレベルのパルスを生じ、受信データ“0”に対応した区間ではLレベルのままであるとする。また、受信データ“1”に対応した区間におけるHレベルのパルス幅は、基準クロックの信号パルスの8パルス分よりも長いものとする。
【0052】
図5に示すように、受信波形を波形整形して得られる復調データの立ち上がりによりサンプリングが開始する。基準クロックの16分周でクロック動作を行うサンプルクロックの立ち上がりで、復調データをサンプリングし、次のサンプルクロックの立ち上がりまでデータをラッチする。同様にしてそれ以降についても、基準クロックの16分周のクロック周波数で復調データを取り込んで連続的にデータを復調する。
【0053】
これにより、図5に示した例では、受信データとして、リモートコントローラ11Aにより送信される図4の送信データと同一のデータである“1”,“0”,“1”が時系列で得られる。この受信データは、その後、CPU71に供給され、CPU71は、受信データに応じた駆動命令を、電動装置ドライバ75にして、顕微鏡12を制御する。これにより、リモートコントローラ11Aは、硬質机面13を伝送媒体とする振動通信により顕微鏡12を制御することが可能となる。
【0054】
ところで、図1及び図2の構成の場合、リモートコントローラ11Aから顕微鏡12への一方向の振動通信となるが、同様の原理により、顕微鏡12からリモートコントローラ11Aへの振動通信を可能にすることで、双方向での振動通信が可能となる。
【0055】
図6は、双方向の振動通信を可能にした顕微鏡システムの構成例を示す図である。
【0056】
図6の顕微鏡システム1においては、表示機能を有するリモートコントローラ11Bと、顕微鏡12が硬質机面13上に設置される。
【0057】
なお、図6において、図1と同様の箇所には同一の符号が付してあり、その説明は適宜省略する。
【0058】
図6に示すように、顕微鏡12には、図1の顕微鏡12と比べて、硬質机面13の振動を電圧に変換するための圧電素子37の他に、振動子である圧電素子38が設けられる。この圧電素子38は、図1のリモートコントローラ11Aの圧電素子22に相当し、硬質机面13を伝送媒体として、顕微鏡12側のデータをリモートコントローラ11B側に伝播させる。
【0059】
リモートコントローラ11Bには、図1のリモートコントローラ11Aと比べて、操作スイッチ部21に相当する操作スイッチ部23と、各種のデータを表示するための表示部24が設けられている。
【0060】
また、リモートコントローラ11Bの足部分には、振動子としての圧電素子22の他に、硬質机面13の振動を電圧に変換するための圧電素子25が設けられる。この圧電素子25は、図1の顕微鏡12の圧電素子37に相当し、圧電素子25の圧電効果を利用することにより、顕微鏡12による硬質机面13の振動を電圧に変換し、顕微鏡12からのデータを受信する。
【0061】
以上のように、図6のリモートコントローラ11Bと顕微鏡12の足部分のそれぞれには、図1の顕微鏡12とリモートコントローラ11Aの足部分にそれぞれに設けられていた圧電素子37,22に相当する圧電素子25,38が設けられている。
【0062】
図7は、図6のリモートコントローラ11Bと顕微鏡12の内部構成の詳細を示す図である。
【0063】
なお、図7において、図2と同様の箇所には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0064】
図7において、リモートコントローラ11Bは、図2でも説明した圧電素子22、操作スイッチ部23、及びCPU51ないし圧電素子ドライバ54の他に、圧電素子25、データ復調部55、サンプリング部56、及びタイミング生成部57を含むようにして構成される。
【0065】
図7の圧電素子25、データ復調部55、サンプリング部56、及びタイミング生成部57は、図2の顕微鏡12の圧電素子37、データ復調部72、サンプリング部73、及びタイミング生成部74に相当する。すなわち、図7のリモートコントローラ11Bにおいては、図2の受信側となる顕微鏡12と同様の受信機能を実現するために、圧電素子37、データ復調部72、サンプリング部73、及びタイミング生成部74が設けられている。
【0066】
一方、図7において、顕微鏡12は、図2でも説明した圧電素子37、及び、CPU71ないし電動装置ドライバ75の他に、圧電素子38、データクロック生成部76、データ変調部77、及び圧電素子ドライバ78を含むようにして構成される。
【0067】
図7の圧電素子38、データクロック生成部76、データ変調部77、及び圧電素子ドライバ78は、図2のリモートコントローラ11Aの圧電素子22、データクロック生成部52、データ変調部53、及び圧電素子ドライバ54に相当する。すなわち、図7の顕微鏡12においては、図2の送信側となるリモートコントローラ11Aと同様の送信機能を実現するために、圧電素子38、データクロック生成部76、データ変調部77、及び圧電素子ドライバ78が設けられている。
【0068】
以上の構成を有することで、図7の顕微鏡システム1においては、図2に対応するブロックにより、リモートコントローラ11Bから顕微鏡12への振動通信が行われ、図2に対して追加されたブロックにより、顕微鏡12からリモートコントローラ11Bへの振動通信が行われる。これにより、リモートコントローラ11Bと顕微鏡12との間では、双方向の振動通信が可能となる。
【0069】
例えば、顕微鏡12側で顕微鏡操作が行われた場合、すなわち、光路に入れる対物レンズ32の種類や照明ランプ34の照明光量、不図示のフィルタターレット等を手動で操作したり、顕微鏡12自体に備えられた操作スイッチにより操作がされた場合、それらの顕微鏡情報を振動通信よって、顕微鏡12からリモートコントローラ11Bに伝えることが可能となる。これにより、リモートコントローラ11B側では、顕微鏡12の状態に関する情報を表示部24に表示させることが可能となる。
【0070】
また、顕微鏡システム1において、リモートコントローラ11A,11Bにより制御される顕微鏡12の数は、1台に限らず、複数台とすることができる。
【0071】
図8は、複数台の顕微鏡の制御を振動通信により可能にした顕微鏡システムの構成例を示す図である。
【0072】
図8の顕微鏡システム1においては、1台のカメラコントロールユニット11Cと、顕微鏡121及び顕微鏡122の2台の顕微鏡とが硬質机面13上設置される。また、カメラコントロールユニット11C、顕微鏡121、及び顕微鏡122のそれぞれは、専用ケーブル15を介して切り替えスイッチ部14により接続されている。
【0073】
なお、図8において、図1又は図6と同様の箇所には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0074】
図8に示すように、顕微鏡121及び顕微鏡122のそれぞれには、図6の顕微鏡12と比べて、その鏡筒部にCCD(Charge Coupled Device)カメラ39が取り付けられており、対物レンズ32による観察標本の観察像を撮像することができる。顕微鏡121及び顕微鏡122のそれぞれにより撮像された観察画像は、専用ケーブル15と切り替えスイッチ部14を介して、カメラコントロールユニット11Cに供給される。
【0075】
切り替えスイッチ部14は、カメラコントロールユニット11Cから供給される切り替え信号に応じて、カメラコントロールユニット11Cに対して送る観察画像を、顕微鏡121又は顕微鏡122の一方に切り替える。これにより、カメラコントロールユニット11Cにおいては、顕微鏡121又は顕微鏡122の観察画像を、表示部26にライブ表示可能となる。また、表示部26には、上記の観察画像の他に、例えば、切り替えられた側の顕微鏡12の現在のレボルバアドレス、ステージ位置、照明光量等の顕微鏡観察状態を表示することができる。
【0076】
また、図8の顕微鏡121及び顕微鏡122のそれぞれの足部分には、図6の顕微鏡12と同様に、受信用の圧電素子37と、送信用の圧電素子38が設けられ、図8のカメラコントロールユニット11Cの足部分には、図6のリモートコントローラ11Bと同様に、送信用の圧電素子22と、受信用の圧電素子25が設けられる。また、図8のカメラコントロールユニット11Cは、基本的には、図7のリモートコントローラ11Bと同様の構成を有し、図8の顕微鏡121及び顕微鏡122は、図7の顕微鏡12と同様の構成を有している。すなわち、図8の顕微鏡システム1においては、図6及び図7で説明したように、各装置間での双方向の振動通信が可能となる。
【0077】
なお、以下、リモートコントローラ11A、リモートコントローラ11B、及びカメラコントロールユニット11Cを特に区別する必要がない場合、それらの装置は、顕微鏡12を振動通信により制御する機能を有している点において共通しているので、単にリモートコントローラ11と称して説明する。
【0078】
ところで、1台のリモートコントローラ11により、複数台の顕微鏡を制御する場合、リモートコントローラ11と顕微鏡121ないし顕微鏡12nとの間で同一の振動周波数を使用してしまうと、顕微鏡121ないし顕微鏡12nのうちの特定の顕微鏡12に対して、指示を送ることができない。例えば、図8に示した、カメラコントロールユニット11Cと、顕微鏡121又は顕微鏡122との振動通信において、カメラコントロールユニット11Cと顕微鏡121との振動通信と、カメラコントロールユニット11Cと顕微鏡122との振動通信とが同一の振動周波数を使用すると、カメラコントロールユニット11Cからの指示に対して、2台の顕微鏡が両方とも反応し、動作を開始してしまう。そのため、それぞれの装置間で行われる振動通信で用いられる振動周波数を変える必要がある。
【0079】
例えば、図8において、カメラコントロールユニット11Cと顕微鏡122との間の振動通信を、図4及び図5で説明した基準クロック13KHzを用いて行う場合には、カメラコントロールユニット11Cと顕微鏡121との間の振動通信では、その基準クロックの1/2の周波数である基準クロック6.5KHzを用いることとする。これにより、個別の装置間で行われる振動通信ごとに振動周波数を変えることができるので、個別の装置間での独立した振動通信を行うことが可能となる。
【0080】
図9は、図4のタイミングチャートの基準クロックを、13KHzから6.5KHzに代えた場合のタイミングチャートを示している。
【0081】
図9では、図4と同様に、送信データ“1”,“0”,“1”の3ビットデータを変調する例について示しているので、送信イネーブル、データクロック、送信データ信号の論理電圧レベルは、図4の論理電圧レベルと同一の形状となる。ただし、図4とは、基準クロックを、13KHzから6.5KHzに代えているので、変調データにおいて、6.5KHzのパルス4発+接地電源電位4発に相当する区間が送信データ“1”となり、6.5KHzの8発に相当する接地電源電位の区間が送信データ“0”となる。
【0082】
また、図10は、図5のタイミングチャートの基準クロックを、13KHzから6.5KHzに代えた場合のタイミングチャートを示している。
【0083】
図10では、図5と同様に、受信データ“1”,“0”,“1”の3ビットデータを復調する例について示しているので、受信波形、復調データ、サンプルクロック、受信データ信号の波形又は論理電圧レベルは、図5の波形又は論理電圧レベルと同一の形状となる。ただし、図5とは、基準クロックを、13KHzから6.5KHzに代えているので、基準クロックの周期が2倍となるが、図5と同様の手順により、受信データとして、図9の送信データと同一のデータである1”,“0”,“1”が時系列で得られる。
【0084】
以上のように、例えば13KHzや6.5KHz等のように、振動通信を行う顕微鏡12ごとに使用する基準クロック周波数を変更することで、リモートコントローラ11は、振動通信で用いられる振動周波数を、顕微鏡12ごとに異なった周波数とすることができる。その結果、顕微鏡121ないし顕微鏡12nのように複数台の顕微鏡12が設置された場合であっても、それぞれの顕微鏡12を独立に制御可能となる。
【0085】
なお、以下の説明では、顕微鏡12に対し3つの振動周波数、周波数f1,f2,f3を設定できる例、すなわち、リモートコントローラ11の他に、最大で3台の顕微鏡12をシステムとして構成する例について説明する。
【0086】
次に、図11ないし図15を参照して、リモートコントローラ11と、1台又は複数台の顕微鏡12からなる構成における通信確立のシーケンスを説明する。
【0087】
詳細は後述するが、本実施の形態において、顕微鏡12ごとに設定される基準クロック周波数、すなわち振動周波数は、リモートコントローラ11と顕微鏡12との通信が確立された際に設定される。
【0088】
ここで、リモートコントローラ11と顕微鏡12との間における通信確立とは、リモートコントローラ11と顕微鏡12との間の通信を行う際に使用する振動周波数を、リモートコントローラ11が、自身と顕微鏡12に対して設定することをいう。つまり、リモートコントローラ11と顕微鏡12との間の振動通信は、通信確立前においては、所定の通信確立用周波数f0を用いて行われ、その後に通信確立が完了すると、リモートコントローラ11により設定された固有の振動周波数である周波数f1,f2,f3を用いて行われることになる
【0089】
まず、図11のシーケンス図を参照して、リモートコントローラ11が1台、顕微鏡12が1台の構成において、リモートコントローラ11、顕微鏡12の順に起動した場合の通信確立について説明する。
【0090】
リモートコントローラ11は、ステップS1において、起動すると、ステップS2において、通信確立前に用いられる通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、不特定の相手に対して所定の送信データをブロードキャストで送信することにより、問い合わせD11を開始する。
【0091】
図12は、通信確立前の振動通信で用いられるデータを示す図である。
【0092】
本実施の形態の振動通信は、8ビットのデータにより行われ、図12aに示すように、8ビットのうちの先頭の2ビット(D0,D1)には送信元、次の2ビット(D2,D3)には送信先、残りの4ビット(D4,D5,D6,D7)には、各種のコマンドが指定される。
【0093】
D1,D0の2ビットで指定される送信元であるが、図12bに示すように、“00”は「リモートコントローラ11」、“01”は「顕微鏡121」、“10”は「顕微鏡122」、“11”は「顕微鏡123」をそれぞれ意味する。
【0094】
また、D3,D2の2ビットで指定される送信先であるが、図12cに示すように、“00”は「不特定」、“01”は「顕微鏡121」、“10”は「顕微鏡122」、“11”は「顕微鏡123」をそれぞれ意味する。
【0095】
ただし、送信元と送信先には、同じ装置を指定できないものとする。例えば、送信元:顕微鏡121(“01”)、送信先:顕微鏡121(“01”)のような設定はできないものとする。仮に、そのような設定がされた場合にはデータ送信を行わないものとする。
【0096】
D7ないしD4の4ビットで指定されるコマンドであるが、図12dに示すように、“0000”は「問い合わせ」、“0001”は「問い合わせ応答」を意味する。また、“0100”は「第1の周波数である周波数f1の指定」、“0101”は、「周波数f1とは異なる周波数f2の指定」、“0110”は、「周波数f1及び周波数f2とは異なる周波数f3の指定」をそれぞれ意味する。つまり、上記の通り、本実施の形態では、周波数f1,f2,f3の3つの固有な周波数が用意されている。
【0097】
なお、図12dのコマンドにおいて、“0010”,“0011”,“0111”等の上記の5つのコマンド以外は、例えば、“0111”として、「周波数f1ないし周波数f3とは異なる周波数f4の指定」など、将来の拡張のために意味が未設定とされている。
【0098】
図11に戻り、ステップS2において、リモートコントローラ11によって行われる問い合わせD11における送信データは、図12に示したように、送信元:リモートコントローラ(D1D0:“0b00”)、送信先:不特定(D3D2:“0b00”)、コマンド:問い合わせ(D7ないしD4:“0b0000”)となる。しかし、この時点では、顕微鏡121は起動していないため、この問い合わせD11に対する応答はない。
【0099】
その後、顕微鏡121は、ステップS3において起動すると、ステップS4において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、問い合わせD12を行う。この問い合わせD12は、図12に示したように、送信元:顕微鏡121(D1D0:“0b01”)、送信先:不特定(D3D2:“0b00”)、コマンド:問い合わせ(D7ないしD4:“0b0000”)となる。すなわち、顕微鏡121は、起動時にリモートコントローラ11への問い合わせD12を行い、リモートコントローラ11からの周波数設定コマンドD13を待つことになる。従って、顕微鏡121からリモートコントローラ11への問い合わせD12は、周波数設定コマンドD13の要求を意味する。
【0100】
リモートコントローラ11は既に起動しているので、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、顕微鏡121からの問い合わせD12を受信する。リモートコントローラ11は、問い合わせD12に応じて、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信で使用する振動周波数を設定する。
【0101】
例えば、リモートコントローラ11は、顕微鏡121に対し、周波数f1(例えば13KHz)を設定する場合、ステップS5において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、周波数設定コマンドD13を顕微鏡121に送信する。この周波数設定コマンドD13は、図12に示したように、送信元:リモートコントローラ(D1D0:“0b00”)、送信先:顕微鏡121(D3D2:“0b01”)、コマンド:周波数f1の設定(D7ないしD4:“0b0100”)となる。
【0102】
また、リモートコントローラ11は、顕微鏡12を識別するための識別子と、顕微鏡12に対して割り当てる振動周波数とを対応付けた所定のテーブルを保持しており、このテーブルによって、顕微鏡12に割り当てる振動周波数が管理される。
【0103】
例えば、識別子として、顕微鏡121から送信されてきた問い合わせD12に含まれる送信元情報(図12bの送信元「顕微鏡121:“0b01” 」)、振動周波数として、周波数f1(例えば13KHz)を対応付けて格納することにより、リモートコントローラ11は、周波数f1は既に顕微鏡121に割り当てられていると認識し、他の顕微鏡12に対しては周波数f1を割り当てず、さらに、顕微鏡121との振動通信を行う際には、周波数f1を用いることになる。すなわち、リモートコントローラ11側では、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信で使用される振動周波数として、周波数f1(例えば13KHz)が設定され、送信データの変調や、受信データの復調の基準クロック周波数が周波数f1となる。
【0104】
なお、このとき、周波数f2,f3は未使用であるので、顕微鏡121以外の他の顕微鏡12に対して割り当てることが可能となる。また、顕微鏡12を識別するための識別子としては、上述した送信元情報の他に、各顕微鏡12ごとに割り当てられたIDなど、顕微鏡12を識別できる固有の情報であればよい。
【0105】
ステップS6において、顕微鏡121は、リモートコントローラ11からの周波数設定コマンドD13を、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動により受信し、周波数設定コマンドD13に基づいて、振動周波数を設定する。この場合、顕微鏡121側でも、リモートコントローラ11側と同様に、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信で使用される振動周波数として、周波数f1(例えば13KHz)が設定され、送信データの変調や、受信データの復調の基準クロック周波数が周波数f1となる。
【0106】
これにより、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の通信が確立し、その後、それらの装置の間では、設定された周波数f1を用いた振動通信が行われる。
【0107】
そして、ユーザにより、リモートコントローラ11の操作スイッチ部23が操作され、例えば、レボルバ33を正転させる指示がされた場合、ステップS7において、リモートコントローラ11は、周波数f1による硬質机面13の振動によって、レボルバ正転制御C11を顕微鏡121に送信する。
【0108】
図13は、通信確立後の振動通信で用いられるデータを示す図である。
【0109】
なお、図13は、通信確立後のデータであって、図12の通信確立前のデータと比べて異なるのは、送信元と送信先の指定データが存在しない点である。すなわち、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間では、顕微鏡システム1における唯一の周波数で振動通信を行うため、送信元と送信先を指定する必要がないのである。従って、図13aに示すように、8ビットのすべてのビット(D0ないしD7)に対して、コマンドのみが割り当てられる。
【0110】
図13bに示すように、D7ないしD0の8ビットで指定されるコマンドであるが、” 0b00000001”は「レボルバ1番地へ回転制御」、” 0b00000010”は「レボルバ2番地へ回転制御」、” 0b00000011”は「レボルバ3番地へ回転制御」、” 0b00000100”は「レボルバ4番地へ回転制御」、” 0b00000101”は「レボルバ5番地へ回転制御」をそれぞれ意味する。さらに、” 0b00000110”は「レボルバ正転制御」、” 0b00000111”は「レボルバ逆転制御」、” 0b00001000”は「レボルバ回転禁止設定」をそれぞれ意味する。
【0111】
また、” 0b00001001”は「フィルタターレット1への回転制御」、” 0b00001010”は「フィルタターレット2への回転制御」、” 0b00001011”は「フィルタターレット3への回転制御」、“0b00001100”は「フィルタターレット4への回転制御」をそれぞれ意味する。
【0112】
一方、図13bに示すように、” 0b10000001”は「レボルバ1番地へ回転制御応答」、” 0b10000010”は「レボルバ2番地へ回転制御応答」、” 0b10000011”は「レボルバ3番地へ回転制御応答」、” 0b10000100”は「レボルバ4番地へ回転制御応答」、” 0b10000101”は「レボルバ5番地へ回転制御応答」をそれぞれ意味する。さらに、” 0b10000110”は「レボルバ正転制御応答」、” 0b10000111”は「レボルバ逆転制御応答」、” 0b10001000”は「レボルバ回転禁止設定応答」をそれぞれ意味する。
【0113】
また、” 0b10001001”は「フィルタターレット1への回転制御応答」、” 0b10001010”は「フィルタターレット2への回転制御応答」、” 0b10001011”は「フィルタターレット3への回転制御応答」、“0b10001100”は「フィルタターレット4への回転制御応答」をそれぞれ意味する。
【0114】
なお、図13bのコマンドは一例であって、レボルバ33や不図示のフィルタターレットの制御以外のコマンド、例えば、ステージ31のZ軸方向の移動のコマンドなどを割り当てることが可能である。
【0115】
図11に戻り、ステップS7において、リモートコントローラ11によって送信されるレボルバ正転制御C11は、図13bに示したように、コマンド(D7ないしD0:“0b00000110”)となる。
【0116】
ステップS8において、顕微鏡121は、リモートコントローラ11からのレボルバ正転制御C11を、周波数f1による硬質机面13の振動により受信し、レボルバ33を正転制御する。顕微鏡121は、レボルバ33の正転制御が完了した後、ステップS8において、周波数f1による硬質机面13の振動によって、レボルバ正転制御応答C12をリモートコントローラ11に送信する。このレボルバ正転制御応答C12は、図13bに示したように、コマンド(D7ないしD0:“0b10000110”)となる。
【0117】
以上のように、顕微鏡システム1において、各装置は、電源起動時に、他の装置に対して問い合わせを行い、問い合わせに対する応答があれば、リモートコントローラ11は応答した顕微鏡12に対して周波数f1を設定する。このとき、リモートコントローラ11と顕微鏡12は、通信周波数の設定前においては通信確立用周波数f0を用いた振動通信を行い、通信周波数の設定後においては、その設定された周波数f1を用いた振動通信を行うことになる。
【0118】
次に、図14のシーケンス図を参照して、リモートコントローラ11が1台、顕微鏡12が1台の構成において、顕微鏡12、リモートコントローラ11の順に起動した場合の通信確立について説明する。
【0119】
顕微鏡121は、ステップS21において、起動すると、ステップS2において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、不特定の相手に対して問い合わせD21をブロードキャストで送信する。この問い合わせD21は、図12に示したように、送信元:顕微鏡121(D1D0:“0b01”)、送信先:不特定(D3D2:“0b00”)、コマンド:問い合わせ(D7ないしD4:“0b0000”)となる。しかし、この時点では、リモートコントローラ11は起動していないため、この問い合わせD21に対する応答はない。
【0120】
その後、リモートコントローラ11は、ステップS23において起動すると、ステップS24において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、起動している装置に対し、問い合わせD22をブロードキャストで送信する。この問い合わせD22は、図12に示したように、送信元:リモートコントローラ(D1D0:“0b00”)、送信先:不特定(D3D2:“0b00”)、コマンド:問い合わせ(D7ないしD4:“0b0000”)となる。
【0121】
ここでは、起動している装置は顕微鏡121だけであるので、顕微鏡121は問い合わせD22を受信すると、ステップS25において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、不特定の相手に対して問い合わせ応答D23を送信する。この問い合わせ応答D23は、図12に示したように、送信元:顕微鏡121(D1D0:“0b01”)、送信先:不特定(D3D2:“0b00”)、コマンド:問い合わせ応答(D7ないしD4:“0b0001”)となる。
【0122】
そして、リモートコントローラ11は、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、顕微鏡121からの問い合わせ応答D23を受信する。ステップS26,S27において、リモートコントローラ11及び顕微鏡121は、図11のステップS5,S6と同様に、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信で使用する振動周波数を設定する。
【0123】
すなわち、リモートコントローラ11は、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、例えば、周波数設定コマンドD24(図12の“D7ないしD0”:“0b01000100”)を、顕微鏡121に送信する。これにより、顕微鏡121側では、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信で使用される振動周波数として、周波数f1(例えば13KHz)が設定され、送信データの変調や、受信データの復調の基準クロック周波数が周波数f1となる。また上記の通り、リモートコントローラ11側でも、所定のテーブルに、顕微鏡121の識別子と、顕微鏡121に割り当てた周波数f1とを対応付けて格納することにより、顕微鏡121との振動通信をする場合の基準クロック周波数として、周波数f1が設定され、顕微鏡121側と一致する。その結果、通信が確立され、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間では、設定された周波数f1を用いた振動通信が行われる。
【0124】
その後、ユーザにより、リモートコントローラ11の操作スイッチ部23が操作され、例えば、レボルバ33の逆転させる指示がされた場合、ステップS28おいて、リモートコントローラ11は、周波数f1による硬質机面13の振動によって、レボルバ逆転制御C21(図13のD7ないしD0:“0b00000111”)を顕微鏡121に送信する。
【0125】
顕微鏡121は、ステップS29において、周波数f1による硬質机面13の振動によって、リモートコントローラ11からのレボルバ逆転制御C21を受信し、レボルバ逆転制御C21に応じて、レボルバ33の逆転制御を実行させる。顕微鏡121は、レボルバ33の逆転制御が完了した後、ステップS30において、周波数f1による硬質机面13の振動によって、レボルバ逆転制御応答C22(図13のD7ないしD0:“0b10000111”)をリモートコントローラ11に送信する。
【0126】
以上のように、リモートコントローラ11が1台、顕微鏡12が1台の構成において、図11に示したように、リモートコントローラ11、顕微鏡12の順に起動するか、あるいはその逆に、図12に示したように、顕微鏡12、リモートコントローラ11の順に起動するとしても、リモートコントローラ11によって、顕微鏡12に対して通信周波数が割り当てられ、特定の周波数を使用した振動通信が行われる。
【0127】
次に、図15のシーケンス図を参照して、リモートコントローラ11が1台、顕微鏡12が2台の構成において、顕微鏡121、顕微鏡122、リモートコントローラ11の順に起動した場合の通信確立について説明する。
【0128】
なお、図15の例の構成において、顕微鏡122は、顕微鏡121よりもリモートコントローラ11に近い位置に置かれているものとする。すなわち、リモートコントローラ11と顕微鏡122との間の振動通信は、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信よりも高速に行われる。
【0129】
顕微鏡121は、ステップS41において、起動すると、ステップS42において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、不特定の相手に対して問い合わせD31(図12のD7ないしD0:“0b00000001”)をブロードキャストで送信する。しかし、この時点では、リモートコントローラ11、顕微鏡122は起動していないので、この問い合わせD31に対する応答はない。
【0130】
その後、顕微鏡122は、ステップS43において、起動すると、ステップS44において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、不特定の相手に対してブロードキャストで問い合わせD32(図12のD7ないしD0:“0b00000010”)を送信する。しかし、この時点では、顕微鏡121は起動しているものの、リモートコントローラ11は起動していないので、この問い合わせD32に対する応答はない。なお、顕微鏡121は、顕微鏡122からの問い合わせD32を受信しているが、送信元情報が顕微鏡122を示しているため、顕微鏡122には応答を行わない。
【0131】
顕微鏡121,122の起動後、ステップS45において、リモートコントローラ11が起動すると、ステップS46において、リモートコントローラ11は、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、起動している装置に対し、問い合わせD33(図12のD7ないしD0:“0b00000000”)をブロードキャストで送信する。ここでは、顕微鏡121,122の両方とも起動しているので、顕微鏡121,122のそれぞれは、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、リモートコントローラ11からの問い合わせD33を受信する。
【0132】
リモートコントローラ11のより近い位置に置かれている顕微鏡122は、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、顕微鏡121よりも先に問い合わせD33を受信し、ステップS47において、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、不特定の相手に対して、問い合わせ応答D34(図12のD7ないしD0:“0b00010010”)を送信する。なお、顕微鏡121は、顕微鏡122からの問い合わせ応答D34を受信しているが、送信元情報が顕微鏡122を示しているため、顕微鏡122には応答を行わない。
【0133】
そして、顕微鏡122においてリモートコントローラ11からの問い合わせD33が受信された後、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、顕微鏡121においても問い合わせD33が受信される。ステップS48において、顕微鏡121は、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、不特定の相手に対して、問い合わせ応答D35(図12のD7ないしD0:“0b00010001”)を送信する。なお、ここでも、顕微鏡122は、顕微鏡121からの問い合わせ応答D35を受信しているが、送信元情報が顕微鏡121を示しているため、顕微鏡121には応答を行わない。
【0134】
リモートコントローラ11は、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動によって、はじめに、顕微鏡122からの問い合わせ応答D34を受信し、その次に、顕微鏡121からの問い合わせ応答D35を受信する。ステップS49,50において、リモートコントローラ11及び顕微鏡122は、図11のステップS5,6と同様に、リモートコントローラ11と、顕微鏡122との間の振動通信で使用する振動周波数(例えば周波数f1)を設定する。
【0135】
この振動周波数を設定するための周波数設定コマンドD36は、図12に示したように、送信元:リモートコントローラ(D1D0:“0b00”)、送信先:顕微鏡122(D3D2:“0b10”)、コマンド:周波数f1の設定(D7ないしD4:“0b0100”)となる。顕微鏡122は、リモートコントローラ11からの周波数設定コマンドD36を、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動により受信し、振動周波数を設定する。この場合、リモートコントローラ11及び顕微鏡122においては、リモートコントローラ11と顕微鏡122との間の振動通信で使用される振動周波数として、周波数f1(例えば13KHz)がそれぞれ設定され、送信データの変調や、受信データの復調の基準クロック周波数が共に周波数f1となる。これにより、通信が確立され、その後、リモートコントローラ11と顕微鏡122との間では、設定された周波数f1を用いた振動通信が行われる。
【0136】
なお、このとき、顕微鏡121は、リモートコントローラ11からの周波数設定コマンドD36を受信しているが、送信先情報が顕微鏡122を示しているため、そのコマンドを無視する。
【0137】
次に、ステップS51,52において、リモートコントローラ11及び顕微鏡121は、図11のステップS5,6と同様に、リモートコントローラ11と、顕微鏡121との間で使用する振動周波数(例えば、先に顕微鏡122との間に設定された周波数f1とは異なる周波数f2)を設定する。
【0138】
この振動周波数を設定するための周波数設定コマンドD37は、図12に示したように、図12に示したように、送信元:リモートコントローラ(D1D0:“0b00”)、送信先:顕微鏡121(D3D2:“0b01”)、コマンド:周波数f2の設定(D7ないしD4:“0b0101”)となる。顕微鏡121は、リモートコントローラ11からの周波数設定コマンドD37を、通信確立用周波数f0による硬質机面13の振動により受信し、振動周波数を設定する。この場合、リモートコントローラ11及び顕微鏡121においては、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信で使用される振動周波数として、周波数f2(例えば6.5KHz)がそれぞれ設定され、送信データの変調や、受信データの復調の基準クロック周波数が共に周波数f2となる。これにより、通信が確立され、その後、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間では、設定された周波数f2を用いた振動通信が行われる。
【0139】
なお、顕微鏡122は、リモートコントローラ11からの周波数設定コマンドD37を受信しているが、送信先情報が顕微鏡121を示しているため、そのコマンドを無視する。
【0140】
これにより、リモートコントローラ11と、顕微鏡121及び顕微鏡122との間の通信がそれぞれ確立し、リモートコントローラ11と顕微鏡122との間の振動通信では周波数f1(例えば13KHz)が用いられ、リモートコントローラ11と顕微鏡121との間の振動通信では周波数f2(例えば6.5KHz)が用いられる。
【0141】
その後、ユーザにより、リモートコントローラ11の操作スイッチ部23が操作され、例えば、顕微鏡122のレボルバ33の逆転させる指示がされた場合、ステップS53おいて、リモートコントローラ11は、周波数f1による硬質机面13の振動によって、顕微鏡122のレボルバ逆転制御C31(図13のD7ないしD0:“0b00000111”)を顕微鏡122に送信する。
【0142】
顕微鏡122は、ステップS54において、周波数f1による硬質机面13の振動によって、リモートコントローラ11からの顕微鏡122のレボルバ逆転制御C31を受信し、レボルバ逆転制御C31に応じて、レボルバ33の逆転制御を実行させる。顕微鏡122は、レボルバ33の逆転制御が完了した後、ステップS55において、周波数f1による硬質机面13の振動によって、顕微鏡122のレボルバ逆転制御応答C32(図13のD7ないしD0:“0b10000111”)をリモートコントローラ11に送信する。
【0143】
なお、このとき、顕微鏡121は、リモートコントローラ11との間で、周波数f2を用いた振動通信を行う設定になっているため、周波数f1による硬質机面13の振動によって、送信された顕微鏡122のレボルバ逆転制御C31等の顕微鏡122に対する操作命令に対しては反応しない。また、当然ながら、顕微鏡122は、周波数f2による硬質机面13の振動によって、送信された顕微鏡121に対する操作命令に対しては反応しない。また、リモートコントローラ11は、送信した操作命令に対して顕微鏡12側から応答がない場合には、所定の時間を経過した後、再度、同一の顕微鏡12に対し、同一の操作命令を送信するようにしてもよい。
【0144】
以上のように、リモートコントローラ11が1台、顕微鏡12が複数台の構成において、通信が確立する前には、各装置間で共通の振動周波数である通信確立用周波数f0を用いた振動通信が行われ、リモートコントローラ11によって各顕微鏡12に対して固有の振動周波数が割り当てられて通信が確立した後には、各顕微鏡12ごとに異なる振動周波数を用いた振動通信が行われる。これにより、新たな顕微鏡12が追加されるなどして、複数台の顕微鏡12が設置された場合であっても、所望の顕微鏡12を、1台のリモートコントローラ11により選択的に制御することが可能となる。
【0145】
すなわち、本発明においては、振動通信を行う装置間で使用される振動周波数を適切に割り当てることにより、フレキシブルな振動通信を行うことが可能となる。
【0146】
なお、本実施の形態では、顕微鏡12は、正立型の顕微鏡であるとして説明したが、勿論、倒立型の顕微鏡であってもよい。
【0147】
また、顕微鏡12以外の他の振動通信を行う装置を、上述した、顕微鏡システム1に追加する場合であっても、リモートコントローラ11によって、その装置に対して固有の振動周波数を割り当てることにより、装置ごとに異なる振動周波数を用いた振動通信を行うことができる。
【0148】
さらに、送信時と受信時とで振動周波数を異ならせてもよい。例えば、リモートコントローラ11と顕微鏡121との振動通信において、リモートコントローラ11から顕微鏡121へデータを送信する場合には、周波数f1による硬質机面13の振動によってデータを送信し、逆に、顕微鏡121からリモートコントローラ11へデータを送信する場合には、周波数f1とは異なる周波数f2による硬質机面13の振動によってデータを送信するようにしてもよい。
【0149】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0150】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 顕微鏡システム, 11,11A,11B リモートコントローラ,11C カメラコントロールユニット, 12,121ないし123 顕微鏡, 13 硬質机面, 14 切り替えスイッチ部, 15 専用ケーブル, 21 操作スイッチ部, 22 圧電素子, 23 操作スイッチ, 24 表示部, 25 圧電素子, 26 表示部, 31 ステージ, 32 対物レンズ, 33 レボルバ, 34 照明ランプ, 35 焦準ハンドル, 36 接眼部, 37 圧電素子, 38 圧電素子, 39 CCDカメラ, 51 CPU, 52 データクロック生成部, 53 データ変調部, 54 圧電素子ドライバ, 55 データ復調部, 56 サンプリング部, 57 タイミング生成部, 71 CPU, 72 データ復調部, 73 サンプリング部, 74 タイミング生成部, 75 電動装置ドライバ, 76 データクロック生成部, 77 データ復調部, 78 圧電素子ドライバ, f0 通信確立用周波数, f1,f2,f3 周波数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板上に設置された1又は複数の顕微鏡と、前記振動板上に設置された前記顕微鏡を制御するコントローラとによる振動通信が行われる顕微鏡システムにおいて、
前記顕微鏡は、
前記顕微鏡と前記コントローラとの間の振動通信が確立される前に用いられる第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記顕微鏡固有の識別子を少なくとも含む第1の送信データを前記コントローラに送信する第1の送信手段を備え、
前記コントローラは、
前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記顕微鏡から送信されてくる前記第1の送信データを受信する第1の受信手段と、
受信した前記第1の送信データに含まれる前記識別子により識別される前記顕微鏡に対して、前記識別子により識別される前記顕微鏡ごとに異なる第2の振動周波数を割り当てて、振動通信が確立された後に前記第2の振動周波数を振動通信で用いられる振動周波数として設定する第1の設定手段と、
前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、割り当てられた前記第2の振動周波数を含む第2の送信データを前記顕微鏡に送信する第2の送信手段と
を備え、
前記顕微鏡は、さらに、
前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記コントローラから送信されてくる前記第2の送信データを受信する第2の受信手段と、
受信した前記第2の送信データに含まれる前記第2の振動周波数を、振動通信が確立された後に前記コントローラとの間の振動通信で用いる振動周波数として設定する第2の設定手段と
を備えることを特徴とする顕微鏡システム。
【請求項2】
前記第2の送信手段は、前記コントローラが起動したとき、前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記顕微鏡が起動しているか否かを確認するための問い合わせをブロードキャストで送信し、
前記第2の受信手段は、前記コントローラよりも先に前記顕微鏡が起動している場合、前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記コントローラから送信されてくる前記問い合わせを受信し、
前記第1の送信手段は、前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、受信した前記問い合わせに対する問い合わせ応答であって、前記識別子を少なくとも含む前記第1の送信データを前記コントローラに送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
【請求項3】
前記第1の送信手段は、前記顕微鏡が起動したとき、前記第1の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記コントローラが起動しているか否かを確認するための問い合わせであって、前記識別子を少なくとも含む前記第1の送信データをブロードキャストで送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の顕微鏡システム。
【請求項4】
前記第2の送信手段は、ユーザにより前記コントローラが所定の操作をされた場合、前記第2の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記操作に対応する所定のコマンドを送信し、
前記第2の受信手段は、前記第2の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記コントローラから送信されてくる前記コマンドを受信し、
前記顕微鏡は、さらに、
受信した前記コマンドに基づいて、前記顕微鏡の各部の動作を制御する制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
【請求項5】
前記第1の送信手段は、前記第2の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記顕微鏡に関する顕微鏡情報を前記コントローラに送信し、
前記第1の受信手段は、前記第2の振動周波数による前記振動板の振動によって、前記顕微鏡から送信されてくる前記顕微鏡情報を受信し、
前記コントローラは、さらに、
受信した前記顕微鏡情報を出力する出力手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−197819(P2010−197819A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43943(P2009−43943)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】