説明

類似画像検索装置

【課題】クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を漏れなく出力することが可能な類似画像検索装置を提供すること。
【解決手段】類似画像検索装置500は、互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類する画像分類部501と、クエリー画像を受け付けるクエリー画像受付部502と、上記複数のクラスタのうちの、上記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定するクラスタ特定部503と、上記複数の画像のうちの、上記特定されたクラスタに属する画像を出力する画像出力部504と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像の中から、クエリー画像と類似する画像を出力する類似画像検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像の中から、クエリー画像と類似する画像を出力する類似画像検索装置が知られている。この種の類似画像検索装置の一つとして、非特許文献1に記載の類似画像検索装置は、クエリー画像の特徴を表す特徴量を取得するとともに、上記複数の画像のそれぞれの特徴を表す特徴量を取得する。
【0003】
更に、類似画像検索装置は、クエリー画像に対して取得された特徴量と、上記複数の画像のそれぞれに対して取得された特徴量と、に基づいて、上記複数の画像の中から、クエリー画像に類似する画像を抽出し、抽出された画像を出力する。
【0004】
具体的には、類似画像検索装置は、画像における濃淡の分布、及び、模様の周期性等の信号特徴と、概略の形状、及び、部分の形状等の構造特徴と、を表す特徴量を取得する。そして、類似画像検索装置は、取得された特徴量に重み付けをした線形和に基づいて、画像が類似しているか否かを判定する。また、特許文献1に記載の類似画像検索装置は、画像の特性に応じて、重み付けを行うための重み値を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−268969号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】加藤 俊一、外2名、「画像対話型商標・意匠データベースTRADEMARK」、電子情報通信学会論文誌、電子情報通信学会、1989年、第J−72−D−II巻、第4号、p.535−544
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記類似画像検索装置によれば、クエリー画像に対して、人間が類似していると感じる画像を漏れなく出力できない虞があった。
【0008】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「クエリー画像に対して、人間が類似していると感じる画像を漏れなく出力できない場合が生じること」を解決することが可能な類似画像検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である類似画像検索装置は、
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類する画像分類手段と、
クエリー画像を受け付けるクエリー画像受付手段と、
上記複数のクラスタのうちの、上記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定するクラスタ特定手段と、
上記複数の画像のうちの、上記特定されたクラスタに属する画像を出力する画像出力手段と、
を備える。
【0010】
また、本発明の他の形態である類似画像検索方法は、
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類し、
クエリー画像を受け付け、
上記複数のクラスタのうちの、上記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定し、
上記複数の画像のうちの、上記特定されたクラスタに属する画像を出力する方法である。
【0011】
また、本発明の他の形態である類似画像検索プログラムは、
情報処理装置に、
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類し、
クエリー画像を受け付け、
上記複数のクラスタのうちの、上記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定し、
上記複数の画像のうちの、上記特定されたクラスタに属する画像を出力する、処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成されることにより、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を漏れなく出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置の機能を表すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置が実行するクラスタリング処理によって分類された画像を概念的に示した説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置が記憶するクラスタ対応付情報を示したテーブルである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置が、被検索画像を記憶するために実行するプログラムを示したフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置が、クラスタリング処理を実行するために実行するプログラムを示したフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置が、クラスタ対応付情報を記憶するために実行するプログラムを示したフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置が、クエリー画像と類似する画像を出力するために実行するプログラムを示したフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る類似画像検索装置の機能を表すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る類似画像検索装置が生成する部分画像を概念的に示した説明図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る類似画像検索装置の機能を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る、類似画像検索装置、類似画像検索方法、及び、類似画像検索プログラム、の各実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0015】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る類似画像検索装置1は、情報処理装置(本例では、パーソナル・コンピュータ)である。なお、類似画像検索装置1は、携帯電話端末、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、スマートフォン、カーナビゲーション端末、又は、ゲーム端末等であってもよい。
【0016】
類似画像検索装置1は、図示しない中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD;Hard Disk Drive))、入力装置(本例では、キーボード、及び、マウス)、及び、出力装置(本例では、ディスプレイ)を備える。
【0017】
出力装置は、ディスプレイを有する。出力装置は、CPUから出力された画像情報に基づいて、文字及び図形等からなる画像をディスプレイに表示させる。入力装置は、キーボード及びマウスを有する。類似画像検索装置1は、キーボード及びマウスを介して、ユーザの操作に基づく情報が入力されるように構成されている。
【0018】
類似画像検索装置1は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されている。
【0019】
(機能)
図1は、上記のように構成された類似画像検索装置1の機能を表すブロック図である。
類似画像検索装置1の機能は、画像受付部(クエリー画像受付手段)101と、正規化処理部102と、特徴量取得部103と、画像登録部(画像分類手段、クラスタ対応付情報受付手段)104と、画像記憶部105と、類似度算出部106と、類似画像抽出部(クラスタ特定手段)107と、クラスタ類似画像抽出部108と、類似画像出力部(画像出力手段)109と、を含む。
【0020】
画像受付部101は、後述するクエリー画像と類似する画像を検索する対象となる複数の画像(被検索画像)を受け付ける。本例では、画像受付部101は、紙面上に描かれた画像(を表す情報)を、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)等によって光電変換することにより受け付ける。
【0021】
なお、画像受付部101は、通信可能に接続された外部装置から画像を受信することにより、当該画像を受け付けるように構成されていてもよい。また、画像受付部101は、記憶媒体、又は、記憶装置から画像を読み出すことにより、当該画像を受け付けるように構成されていてもよい。
【0022】
同様に、画像受付部101は、ユーザにより入力され、且つ、類似する画像を検索する基礎となる画像であるクエリー画像を受け付ける。
【0023】
正規化処理部102は、画像受付部101により受け付けられた画像のそれぞれに対して、高さを予め設定された基準高さとし、且つ、幅を予め設定された基準幅とするように、当該画像を変換(幾何変形)する正規化処理を実行する。これにより、画像の大きさの違いが、後述する特徴量に及ぼす影響を低減することができる。
【0024】
特徴量取得部103は、正規化処理部102により正規化処理された画像から、当該画像の特徴を表す特徴量を取得する。例えば、特徴量は、加重方向指数ヒストグラム(例えば、特許文献2を参照)のように、ストローク方向成分の分布を表す量である。なお、特徴量は、画像の特徴を表す他の量であってもよい。
【特許文献2】特公平2−59507号公報
【0025】
画像登録部104は、画像受付部101により受け付けられた、複数の被検索画像のそれぞれに対して、当該画像と、当該画像を識別するための画像識別情報と、当該画像に対して特徴量取得部103により取得された特徴量と、を対応付けて画像記憶部105に記憶させる。
【0026】
更に、画像登録部104は、予め設定された処理周期が経過する毎に、又は、ユーザにより入力された指示に応じて、画像記憶部105に記憶されている複数の被検索画像に対するクラスタリング処理を実行する。クラスタリング処理は、互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の被検索画像を複数のクラスタに分類する処理である。
【0027】
本例では、画像登録部104は、特徴量に基づいて、K平均法(K−means)を用いることにより、クラスタリング処理を実行する。なお、画像登録部104は、K平均法(K−means)以外の方法(例えば、ウォード法(Ward’s method)等)を用いるように構成されていてもよい。
【0028】
図2は、クラスタリング処理によって分類された画像を概念的に示した説明図である。図2に示した例においては、特徴量は、第1の成分x1と、第2の成分x2と、を含む。なお、特徴量は、3つ以上の成分を含んでいてもよい。
【0029】
また、この例においては、四角形の印により示される画像は、クラスタ#1に分類され、三角形の印により示される画像は、クラスタ#2に分類され、×印により示される画像は、クラスタ#3に分類され、星形の印により示される画像は、クラスタ#4に分類され、円形の印により示される画像は、クラスタ#5に分類され、菱形の印により示される画像は、クラスタ#6に分類される。
【0030】
画像登録部104は、画像記憶部105に記憶されている画像のそれぞれに対して、当該画像と、当該画像が分類されたクラスタを識別するためのクラスタ識別情報と、を対応付けて画像記憶部105に記憶させる。
【0031】
即ち、本例では、画像記憶部105は、複数の被検索画像のそれぞれに対して、当該画像と、当該画像を識別するための画像識別情報と、当該画像に対して特徴量取得部103により取得された特徴量と、当該画像が分類されたクラスタを識別するためのクラスタ識別情報と、を対応付けて記憶する。
【0032】
更に、画像登録部104は、ユーザにより入力され、且つ、少なくとも2つのクラスタを互いに対応付けるクラスタ対応付情報を受け付ける。ユーザは、互いに類似している複数のクラスタを互いに対応付けるクラスタ対応付情報を入力する。
【0033】
画像登録部104は、受け付けられたクラスタ対応付情報を画像記憶部105に記憶させる。
画像記憶部105は、図3に示したように、あるクラスタを識別するためのクラスタ識別情報(CID#1、CID#2等)と、当該クラスタに類似するクラスタのそれぞれを識別するための類似クラスタ識別情報(CID#1、CID#2等)と、を対応付けて記憶する。
【0034】
類似度算出部106は、画像記憶部105に記憶されている複数の被検索画像のそれぞれに対して、当該被検索画像と対応付けて画像記憶部105に記憶されている特徴量と、クエリー図形に対して特徴量取得部103により取得された特徴量と、に基づいて、当該被検索画像とクエリー画像とが互いに類似している程度を表す類似度を算出する。本例では、類似度算出部106は、類似度として、特徴量を現すベクトル間の相関係数を算出する。
【0035】
類似画像抽出部107は、類似度算出部106により算出された類似度に基づいて、複数の被検索画像の中から、クエリー画像と類似する被検索画像(基本類似画像)を抽出する。本例では、類似画像抽出部107は、類似度が大きくなるほど優先して、被検索画像を抽出する。具体的には、類似画像抽出部107は、予め設定された抽出数だけ被検索画像を抽出する。
【0036】
このように、類似画像抽出部107は、クエリー画像に対して取得された特徴量と、複数の被検索画像のそれぞれに対して取得された特徴量と、に基づいて、クエリー画像と類似する被検索画像(基本類似画像)を、上記複数の被検索画像の中から抽出している。
なお、類似画像抽出部107は、予め設定された基準類似度よりも類似度が大きい被検索画像を抽出するように構成されていてもよい。
【0037】
更に、類似画像抽出部107は、抽出された基本類似画像のそれぞれが属するクラスタを、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタ(類似画像所属クラスタ)として特定する。具体的には、類似画像抽出部107は、抽出された基本類似画像と対応付けて画像記憶部105に記憶されているクラスタ識別情報により識別されるクラスタを類似画像所属クラスタとして特定する。
【0038】
加えて、類似画像抽出部107は、特定された類似画像所属クラスタに属する被検索画像のすべてを、間接類似画像として抽出する。
【0039】
クラスタ類似画像抽出部108は、類似画像抽出部107により特定された類似画像所属クラスタと、画像記憶部105に記憶されているクラスタ対応付情報により対応付けられているクラスタ(類似クラスタ)を特定する。クラスタ類似画像抽出部108は、特定された類似クラスタに属する被検索画像のすべてを、クラスタ類似画像として抽出する。
【0040】
類似画像出力部109は、類似画像抽出部107により抽出された被検索画像(基本類似画像、及び、間接類似画像)と、クラスタ類似画像抽出部108により抽出された被検索画像(クラスタ類似画像)と、のすべてを、出力装置を介して出力する(本例では、ディスプレイに表示させる)。なお、類似画像出力部109は、基本類似画像、間接類似画像、及び、クラスタ類似画像の一部のみを出力するように構成されていてもよい。
【0041】
(作動)
次に、上述した類似画像検索装置1の作動について説明する。
類似画像検索装置1は、図4にフローチャートにより示したプログラムを、類似画像検索装置1の起動時に実行するようになっている。
【0042】
具体的に述べると、類似画像検索装置1は、上記プログラムの処理を開始すると、ステップS101にて、被検索画像としての画像を受け付けるまで待機する。そして、類似画像検索装置1は、被検索画像を受け付けると、「Yes」と判定してステップS102へ進み、受け付けられた被検索画像に対して正規化処理を実行する。
【0043】
次いで、類似画像検索装置1は、正規化処理された被検索画像から、当該被検索画像の特徴を表す特徴量を取得する(ステップS103)。その後、類似画像検索装置1は、上記受け付けられた被検索画像と、当該被検索画像を識別するための画像識別情報と、当該被検索画像に対して取得された特徴量と、を対応付けて記憶装置に記憶させる(ステップS104)。
【0044】
その後、類似画像検索装置1は、ステップS101へ戻り、ステップS101〜ステップS104の処理を繰り返し実行する。
【0045】
また、類似画像検索装置1は、図5にフローチャートにより示したプログラムを、予め設定された処理周期が経過する毎に、又は、ユーザにより入力された指示に応じて、実行するようになっている。
【0046】
具体的に述べると、類似画像検索装置1は、上記プログラムの処理を開始すると、ステップS201にて、記憶装置に記憶されている複数の被検索画像に対するクラスタリング処理を実行する。
【0047】
次いで、類似画像検索装置1は、記憶装置に記憶されている、複数の被検索画像のそれぞれに対して、当該被検索画像と、当該被検索画像が、クラスタリング処理の実行によって分類されたクラスタを識別するためのクラスタ識別情報と、を対応付けて記憶装置に記憶させる(ステップS202)。
その後、類似画像検索装置1は、このプログラムの処理を終了する。
【0048】
また、類似画像検索装置1は、図6にフローチャートにより示したプログラムを、類似画像検索装置1の起動時に実行するようになっている。
【0049】
具体的に述べると、類似画像検索装置1は、上記プログラムの処理を開始すると、ステップS301にて、ユーザにより入力されたクラスタ対応付情報を受け付けるまで待機する。そして、類似画像検索装置1は、クラスタ対応付情報を受け付けると、「Yes」と判定してステップS302へ進み、受け付けられたクラスタ対応付情報を記憶装置に記憶させる。
【0050】
その後、類似画像検索装置1は、ステップS301へ戻り、ステップS301〜ステップS302の処理を繰り返し実行する。
【0051】
また、類似画像検索装置1は、図7にフローチャートにより示したプログラムを、類似画像検索装置1の起動時に実行するようになっている。
【0052】
具体的に述べると、類似画像検索装置1は、上記プログラムの処理を開始すると、ステップS401にて、クエリー画像としての画像を受け付けるまで待機する。そして、類似画像検索装置1は、クエリー画像を受け付けると、「Yes」と判定してステップS402へ進み、受け付けられたクエリー画像に対して正規化処理を実行する。
【0053】
次いで、類似画像検索装置1は、正規化処理されたクエリー画像から、当該クエリー画像の特徴を表す特徴量を取得する(ステップS403)。その後、類似画像検索装置1は、記憶装置に記憶されている複数の被検索画像のそれぞれに対して、当該被検索画像とクエリー画像とが互いに類似している程度を表す類似度を算出する(ステップS404)。
【0054】
次いで、類似画像検索装置1は、算出された類似度に基づいて、記憶装置に記憶されている複数の被検索画像の中から、クエリー画像と類似する被検索画像(基本類似画像)を抽出する(ステップS405)。
【0055】
その後、類似画像検索装置1は、抽出された基本類似画像のそれぞれが属するクラスタを、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタ(類似画像所属クラスタ)として特定する(ステップS406)。次いで、類似画像検索装置1は、特定された類似画像所属クラスタに属する被検索画像のすべてを、間接類似画像として抽出する(ステップS407)。
【0056】
そして、類似画像検索装置1は、特定された類似画像所属クラスタと、記憶装置に記憶されているクラスタ対応付情報により対応付けられているクラスタ(類似クラスタ)を特定する(ステップS408)。次いで、類似画像検索装置1は、特定された類似クラスタに属する被検索画像のすべてを、クラスタ類似画像として抽出する(ステップS409)。
【0057】
そして、類似画像検索装置1は、上記ステップS405にて抽出された被検索画像(基本類似画像)と、上記ステップS407にて抽出された被検索画像(間接類似画像)と、上記ステップS409にて抽出された被検索画像(クラスタ類似画像)と、からなるすべての画像を、出力装置を介して出力する(ステップS410)。
【0058】
その後、類似画像検索装置1は、ステップS401へ戻り、ステップS401〜ステップS410の処理を繰り返し実行する。
【0059】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置1は、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定し、複数の画像(被検索画像)のうちの、特定されたクラスタに属する画像(間接屡次画像)を出力する。
これによれば、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を漏れなく出力することができる。
【0060】
更に、本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置1は、特定されたクラスタに属する、すべての画像を出力する。
これによれば、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を、より一層確実に漏れなく出力することができる。
【0061】
加えて、本発明の第1実施形態に係る類似画像検索装置1は、複数の画像(被検索画像)のうちの、特定されたクラスタに属する画像(間接類似画像)と、ユーザにより入力されたクラスタ対応付情報により当該クラスタと対応付けられているクラスタに属する画像(クラスタ類似画像)と、を出力する。
【0062】
これによれば、特定されたクラスタに属する画像に加えて、ユーザによって入力されたクラスタ対応付情報により当該クラスタと対応付けられたクラスタに属する画像も出力される。この結果、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を、より一層確実に漏れなく出力することができる。
【0063】
なお、類似画像検索装置1の機能は、クラスタ類似画像抽出部108を含んでいなくてもよい。この場合、類似画像出力部109は、基本類似画像、及び、間接類似画像を出力するように構成される。
【0064】
また、第1実施形態の変形例に係る類似画像検索装置1において、画像登録部104は、クラスタリング処理の実行後に、複数のクラスタのそれぞれに対して、当該クラスタに属する画像の特徴を表す特徴量に基づいて、当該クラスタを代表する特徴量である代表特徴量を算出する。例えば、画像登録部104は、クラスタに属する画像に対して取得された特徴量の平均値を、当該クラスタに対する代表特徴量として算出する。即ち、この変形例において、画像登録部104は、代表特徴量算出手段を構成する。
【0065】
更に、この変形例において、類似度算出部106は、複数のクラスタのそれぞれに対して、当該クラスタに対して算出された代表特徴量と、クエリー図形に対して取得された特徴量と、に基づいて、当該クラスタとクエリー画像とが互いに類似している程度を表す類似度を算出する。
【0066】
加えて、この変形例において、類似画像抽出部107は、類似度算出部106により算出された類似度が、予め設定された閾値よりも大きいクラスタを、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタ(類似画像所属クラスタ)として特定する。即ち、類似画像抽出部107は、受け付けられたクエリー画像の特徴を表す特徴量と、算出された代表特徴量と、に基づいて、当該クエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定する。
【0067】
これによれば、クエリー画像に対して取得された特徴量と、複数の画像のそれぞれに対して取得された特徴量と、に基づいてクエリー画像と類似する画像を抽出し、抽出された画像が属するクラスタを、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタとして特定する場合と比較して、迅速に、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定することができる。
【0068】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る類似画像検索装置について説明する。第2実施形態に係る類似画像検索装置は、上記第1実施形態に係る類似画像検索装置に対して、クエリー画像と類似する画像を検索する対象として、受け付けられた被検索画像に加えて、当該被検索画像の一部を用いる点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0069】
第2実施形態に係る類似画像検索装置1の機能は、図8に示したように、第1実施形態に係る類似画像検索装置1の機能に加えて、分割画像生成部(分割画像生成手段)111を含む。
【0070】
分割画像生成部111は、画像受付部101により受け付けられた、基礎画像としての画像を、複数の部分に分割することにより、当該部分からなる部分画像を生成する。
例えば、図9の(A)に示した画像が、画像受付部101により受け付けられた場合、分割画像生成部111は、部分画像として、図9の(B)に示した画像と、図9の(C)に示した画像と、を生成する。
【0071】
このように、本例では、分割画像生成部111は、基礎画像のうちの、文字のみからなる部分と、図形のみからなる部分と、に分割することにより、各部分からなる部分画像を生成する。なお、分割画像生成部111は、ユーザにより入力された指示に基づいて、基礎画像を分割するように構成されていてもよい。
【0072】
更に、類似画像検索装置1は、画像受付部101により受け付けられた基礎画像と、分割画像生成部111により生成された部分画像と、のすべてを、クエリー画像と類似する画像を検索する対象となる複数の画像(被検索画像)として用いる。
【0073】
加えて、類似画像出力部109は、基本類似画像、間接類似画像、又は、クラスタ類似画像として、部分画像が抽出された場合、部分画像に代えて、当該部分画像が生成される基となった基礎画像を出力する。
【0074】
以上、説明したように、本発明の第2実施形態に係る類似画像検索装置1によれば、クエリー画像と、一部(部分画像)が類似する画像(基礎画像)を出力することができる。この結果、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を、より一層確実に漏れなく出力することができる。
【0075】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る類似画像検索装置について図10を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る類似画像検索装置500は、
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類する画像分類部(画像分類手段)501と、
クエリー画像を受け付けるクエリー画像受付部(クエリー画像受付手段)502と、
上記複数のクラスタのうちの、上記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定するクラスタ特定部(クラスタ特定手段)503と、
上記複数の画像のうちの、上記特定されたクラスタに属する画像を出力する画像出力部(画像出力手段)504と、
を備える。
【0076】
これによれば、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を漏れなく出力することができる。
【0077】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0078】
なお、上記各実施形態において類似画像検索装置1の各機能は、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されていたが、回路等のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0079】
また、上記各実施形態においてプログラムは、記憶装置に記憶されていたが、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0080】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0081】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0082】
(付記1)
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類する画像分類手段と、
クエリー画像を受け付けるクエリー画像受付手段と、
前記複数のクラスタのうちの、前記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定するクラスタ特定手段と、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像を出力する画像出力手段と、
を備える類似画像検索装置。
【0083】
これによれば、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を漏れなく出力することができる。
【0084】
(付記2)
付記1に記載の類似画像検索装置であって、
前記画像出力手段は、前記特定されたクラスタに属する、すべての画像を出力するように構成された類似画像検索装置。
【0085】
これによれば、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を、より一層確実に漏れなく出力することができる。
【0086】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の類似画像検索装置であって、
ユーザにより入力され、且つ、少なくとも2つのクラスタを互いに対応付けるクラスタ対応付情報を受け付けるクラスタ対応付情報受付手段を備え、
前記画像出力手段は、前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像と、前記受け付けられたクラスタ対応付情報により当該クラスタと対応付けられているクラスタに属する画像と、を出力するように構成された類似画像検索装置。
【0087】
これによれば、特定されたクラスタに属する画像に加えて、ユーザによって入力されたクラスタ対応付情報により当該クラスタと対応付けられたクラスタに属する画像も出力される。この結果、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を、より一層確実に漏れなく出力することができる。
【0088】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれかに記載の類似画像検索装置であって、
前記クラスタ特定手段は、前記受け付けられたクエリー画像の特徴を表す特徴量を取得するとともに、前記複数の画像のそれぞれの特徴を表す特徴量を取得し、且つ、当該クエリー画像に対して取得された特徴量と、当該複数の画像のそれぞれに対して取得された特徴量と、に基づいて、当該クエリー画像と類似する画像を前記複数の画像の中から抽出し、当該抽出された画像が属するクラスタを、当該クエリー画像と類似する画像が属するクラスタとして特定するように構成された類似画像検索装置。
【0089】
これによれば、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を、より一層確実に漏れなく出力することができる。
【0090】
(付記5)
付記1乃至付記3のいずれかに記載の類似画像検索装置であって、
前記複数のクラスタのそれぞれに対して、当該クラスタに属する画像の特徴を表す特徴量に基づいて、当該クラスタを代表する特徴量である代表特徴量を算出する代表特徴量算出手段を備え、
前記クラスタ特定手段は、前記受け付けられたクエリー画像の特徴を表す特徴量と、前記算出された代表特徴量と、に基づいて、当該クエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定するように構成された類似画像検索装置。
【0091】
これによれば、クエリー画像に対して取得された特徴量と、複数の画像のそれぞれに対して取得された特徴量と、に基づいてクエリー画像と類似する画像を抽出し、抽出された画像が属するクラスタを、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタとして特定する場合と比較して、迅速に、クエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定することができる。
【0092】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれかに記載の類似画像検索装置であって、
基礎画像を、複数の部分に分割することにより、当該部分からなる部分画像を生成する部分画像生成手段を備え、
前記複数の画像は、前記基礎画像と、前記生成された部分画像と、を含む類似画像検索装置。
【0093】
これによれば、クエリー画像と、一部(部分画像)が類似する画像(基礎画像)を出力することができる。この結果、クエリー画像に対して人間が類似していると感じる画像を、より一層確実に漏れなく出力することができる。
【0094】
(付記7)
付記6に記載の類似画像検索装置であって、
前記画像出力手段は、前記部分画像に代えて、当該部分画像が生成される基となった前記基礎画像を出力するように構成された類似画像検索装置。
【0095】
(付記8)
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類し、
クエリー画像を受け付け、
前記複数のクラスタのうちの、前記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定し、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像を出力する、類似画像検索方法。
【0096】
(付記9)
付記8に記載の類似画像検索方法であって、
前記特定されたクラスタに属する、すべての画像を出力するように構成された類似画像検索方法。
【0097】
(付記10)
付記8又は付記9に記載の類似画像検索方法であって、
ユーザにより入力され、且つ、少なくとも2つのクラスタを互いに対応付けるクラスタ対応付情報を受け付け、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像と、前記受け付けられたクラスタ対応付情報により当該クラスタと対応付けられているクラスタに属する画像と、を出力するように構成された類似画像検索方法。
【0098】
(付記11)
情報処理装置に、
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類し、
クエリー画像を受け付け、
前記複数のクラスタのうちの、前記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定し、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像を出力する、処理を実行させるための類似画像検索プログラム。
【0099】
(付記12)
付記11に記載の類似画像検索プログラムであって、
前記処理は、
前記特定されたクラスタに属する、すべての画像を出力するように構成された類似画像検索プログラム。
【0100】
(付記13)
付記11又は付記12に記載の類似画像検索プログラムであって、
前記処理は、
ユーザにより入力され、且つ、少なくとも2つのクラスタを互いに対応付けるクラスタ対応付情報を受け付け、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像と、前記受け付けられたクラスタ対応付情報により当該クラスタと対応付けられているクラスタに属する画像と、を出力するように構成された類似画像検索プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、複数の画像の中から、クエリー画像と類似する画像を出力する類似画像検索装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 類似画像検索装置
101 画像受付部
102 正規化処理部
103 特徴量取得部
104 画像登録部
105 画像記憶部
106 類似度算出部
107 類似画像抽出部
108 クラスタ類似画像抽出部
109 類似画像出力部
111 分割画像生成部
500 類似画像検索装置
501 画像分類部
502 クエリー画像受付部
503 クラスタ特定部
504 画像出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類する画像分類手段と、
クエリー画像を受け付けるクエリー画像受付手段と、
前記複数のクラスタのうちの、前記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定するクラスタ特定手段と、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像を出力する画像出力手段と、
を備える類似画像検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の類似画像検索装置であって、
前記画像出力手段は、前記特定されたクラスタに属する、すべての画像を出力するように構成された類似画像検索装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の類似画像検索装置であって、
ユーザにより入力され、且つ、少なくとも2つのクラスタを互いに対応付けるクラスタ対応付情報を受け付けるクラスタ対応付情報受付手段を備え、
前記画像出力手段は、前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像と、前記受け付けられたクラスタ対応付情報により当該クラスタと対応付けられているクラスタに属する画像と、を出力するように構成された類似画像検索装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の類似画像検索装置であって、
前記クラスタ特定手段は、前記受け付けられたクエリー画像の特徴を表す特徴量を取得するとともに、前記複数の画像のそれぞれの特徴を表す特徴量を取得し、且つ、当該クエリー画像に対して取得された特徴量と、当該複数の画像のそれぞれに対して取得された特徴量と、に基づいて、当該クエリー画像と類似する画像を前記複数の画像の中から抽出し、当該抽出された画像が属するクラスタを、当該クエリー画像と類似する画像が属するクラスタとして特定するように構成された類似画像検索装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の類似画像検索装置であって、
前記複数のクラスタのそれぞれに対して、当該クラスタに属する画像の特徴を表す特徴量に基づいて、当該クラスタを代表する特徴量である代表特徴量を算出する代表特徴量算出手段を備え、
前記クラスタ特定手段は、前記受け付けられたクエリー画像の特徴を表す特徴量と、前記算出された代表特徴量と、に基づいて、当該クエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定するように構成された類似画像検索装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の類似画像検索装置であって、
基礎画像を、複数の部分に分割することにより、当該部分からなる部分画像を生成する部分画像生成手段を備え、
前記複数の画像は、前記基礎画像と、前記生成された部分画像と、を含む類似画像検索装置。
【請求項7】
請求項6に記載の類似画像検索装置であって、
前記画像出力手段は、前記部分画像に代えて、当該部分画像が生成される基となった前記基礎画像を出力するように構成された類似画像検索装置。
【請求項8】
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類し、
クエリー画像を受け付け、
前記複数のクラスタのうちの、前記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定し、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像を出力する、類似画像検索方法。
【請求項9】
請求項8に記載の類似画像検索方法であって、
前記特定されたクラスタに属する、すべての画像を出力するように構成された類似画像検索方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
互いに類似する画像が同一のクラスタに属するように、複数の画像を、クラスタリング処理を行うことにより複数のクラスタに分類し、
クエリー画像を受け付け、
前記複数のクラスタのうちの、前記受け付けられたクエリー画像と類似する画像が属するクラスタを特定し、
前記複数の画像のうちの、前記特定されたクラスタに属する画像を出力する、処理を実行させるための類似画像検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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