説明

顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム

【課題】インセンティブを適用して需要者の効率的なエネルギー消費管理を誘導し、負荷の低減及び分散を実現する。
【解決手段】顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システムは、供給者端末機および需要者端末機と相互連動して需要者の負荷低減を誘導し、リアルタイムで需要者の負荷プロファイルデータを収集し変換しメタデータウェアハウスに保存するAMI/AMRトランスレータと、メタデータウェアハウスの負荷プロファイルデータをリアルタイムでモニタリングし分析するメタデータ管理システムと、負荷プロファイルデータを用い需要者の需要管理を遂行し常時負荷節減イベントの総合管理、分析及び検証を遂行する需要応答運用システムと、需要者にリアルタイムで負荷情報を提供し需要者が負荷を調節できるようにする顧客エネルギー管理システムと、常時負荷節減イベントに対するインセンティブを算出し供給者と需要者に通知するアカウントシステムとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インセンティブ(負荷の低減による需要者の補償金)を適用して需要者の効率的なエネルギー消費管理を誘導することによって、負荷の低減および負荷の分散を実現できる顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力事業者(供給者)は、需用家(需要者または顧客)に電気を供給するだけでなく、電力事業者と需用家との間に形成されたネットワークに連結した電力付加情報システムによって遠隔検針、需要管理、料金体系などの様々な電力付加情報サービスを提供している。
【0003】
従来の電力付加情報システムは、電力事業者が発電および送配電計画によって、あるいは任意に夏期の最大負荷(peak load)(電力使用量)を移動または減少させるために直接負荷を制御するか、もしくは市場価格の変化による年中負荷低減技法を適用せず、時間帯別固定料金制による負荷の分散効果を図る供給重視型の需要管理形態(すなわち、Supply−Oriented Demand Side Management政策)で施行されている。
【0004】
このように、従来の電力付加情報システムは、供給重視型の需要管理形態で施行されているため、需用家の効率的なエネルギー消費管理を誘導できないという問題点がある。
【0005】
これにより、需用家の効率的なエネルギー消費管理のために、需用家が能動的にエネルギーを消費できるようにサービスを提供するシステムが要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、インセンティブ(負荷の低減による需要者の補償金)を適用して需要者の効率的なエネルギー消費管理を誘導することによって、負荷の低減および負荷の分散を実現できる顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明に係る顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システムは、ネットワークを通じて供給者端末機および需要者端末機と相互連動して需要者の負荷低減を誘導し、リアルタイムで前記需要者の負荷プロファイルデータを収集し変換して、メタデータウェアハウスに保存するAMI/AMRトランスレータ(Translator)と、前記メタデータウェアハウスの負荷プロファイルデータをリアルタイムでモニタリングし分析するメタデータ管理システムと、前記負荷プロファイルデータを用いて前記需要者の需要管理を遂行し常時負荷節減イベントの総合管理、分析および検証を遂行する需要応答運用システムと、前記需要応答運用システムと連動し前記需要者端末機によって前記需要者にリアルタイムで負荷に対する情報を提供して前記需要者が前記負荷を調節できるようにする顧客エネルギー管理システムと、前記需要応答運用システムおよび前記顧客エネルギー管理システムと相互連動し前記常時負荷節減イベントに対するインセンティブを算出して前記供給者端末機と前記需要者端末機によって供給者と前記需要者に通知するアカウントシステムとを含むことを特徴とする。
【0008】
前記負荷は電力使用量であり、前記常時負荷節減イベントは前記供給者が提供する前記負荷の低減に対するイベントであり、前記インセンティブは前記負荷の低減によって発生する負荷節減分のkW当たりの前記需要者の補償金である。
【0009】
前記需要応答応用システムは、前記常時負荷節減イベントに参加する需要者の契約および手続きの運営を管理するDR顧客管理部と、前記常時負荷節減イベントを登録し前記需要者端末機を用いて前記需要者に予告するDRイベント管理部と、前記常時負荷節減イベントを施行し前記常時負荷節減イベントの施行に対して管理するDRイベント施行管理部と、前記常時負荷節減イベントに対する効果の分析と検証を遂行するDRイベント分析および確認部とを含むこととしてもよい。
【0010】
前記DR顧客管理部は、前記常時負荷節減イベントに参加する需要者の加入現況に対して、行政区域別に全体電力資源と常時負荷節減資源を比較および分析することを含むこととしてもよい。
【0011】
前記DRイベント管理部は、新規常時負荷節減イベントを登録し、登録された前記新規常時負荷節減イベントの需要者参加現況を照会し、進行中の常時負荷節減イベントに対する需要者の参加現況の分析、および完了した常時負荷節減イベントに対する需要者の参加効果の分析を遂行することを含むこととしてもよい。
【0012】
前記DRイベント施行管理部は、前記需要者の常時負荷節減イベントの施行に対してリアルタイムでモニタリングして分析し、前記需要者に対する行政区域別、契約電力別、契約種類別に前記需要者の参加現況を分析することを含むこととしてもよい。
【0013】
前記DRイベント分析および確認部は、終結した前記常時負荷節減イベントに対する効果の分析と検証を遂行し、参加需要者に対する行政区域別、契約電力別、契約種類別に顧客基準負荷と実電力使用量との比較分析、電力使用に対するCO換算排出量および節減量を総合的に管理することを含むこととしてもよい。
【0014】
前記顧客エネルギー管理システムは、前記常時負荷節減イベントの契約、約款への同意、設備情報管理、施行するか否かの判断、および履歴照会を遂行するイベント管理部と、公告された前記常時負荷節減イベントの施行に対する参加承認とリアルタイムモニタリングを遂行するイベントプロセッサと、施行された前記常時負荷節減イベントに対する参加効果の分析を遂行するDRイベント施行管理部と、負荷設備の管理、負荷運営シナリオの管理、一日負荷運営計画の樹立、週間/月間負荷運営計画の管理、負荷運営計画のシミュレーションを遂行する負荷運用シミュレーション部とを含むこととしてもよい。
【0015】
前記イベントプロセッサは、電力使用に対するCO換算排出量と節減量、最大収容の推移、負荷別使用量の推移をモニタリングし、前記需要者端末機による前記需要者の負荷運営計画により選択された負荷設備を制御し、前記負荷設備の電圧、電流、周波数、総合高調波歪み(THD)をリアルタイムでモニタリングすることを含むこととしてもよい。
【0016】
前記イベント分析部は、前記常時負荷節減イベント中の顧客基準負荷と電力節減量、前記インセンティブ、電力使用に対するCO換算排出量および天気を前記需要者端末機によって前記需要者に提供し、任意時間単位で顧客基準負荷と実電力使用量を比較分析することを含むこととしてもよい。
【0017】
前記負荷運用シミュレーション部は、登録された前記負荷設備に対して前記需要者の電力設備運用状況により任意時間単位の設備運営計画を樹立し管理することを含むこととしてもよい。
【0018】
また、本発明の実施例に係る顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システムは、前記常時負荷節減イベントの施行および効果の分析、精算時に適用される顧客基準負荷を算出する常時負荷予測分析システムと連動して、前記顧客基準負荷を前記需要応答運営システムに提供する負荷予測分析システムインターフェースをさらに含むこととしてもよい。
【0019】
また、本発明の実施例に係る顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システムは、異機種ネットワークとシステムからエネルギーデータを収集するためのスケジューリング、ETL(Extract Transform Load)の抽出、変化および積載を遂行するEI(Enegy Information)エージェントシステムから前記エネルギーデータをリアルタイムで前記需要応答運営システムに提供するEI(Enegy Information)エージェント インターフェースをさらに含むこととしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例に係る顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システムは、インセンティブ(負荷の低減による需要者の補償金)を適用して需要者の負荷を常に調節することによって、需要者にとって効率的なエネルギー消費管理を誘導することができる。
【0021】
したがって、本発明の実施例に係る顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システムは、供給者(電力事業者)の場合は負荷節減による電力卸売り価格の下落により電力購入費を低くできるようにし、需要者(顧客)の場合はインセンティブによって費用の面において弾力的な電力消費行動をするようにし、且つ電力ピーク時の使用に対する習慣を変化させて電力使用の節減を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら実施例によって本発明をより詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
図1は本発明の一実施例に係る顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システムのブロック図であり、図2〜図8は図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図であり、図9〜図15は図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の一実施例に係る顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システム(Day−Ahead Load Reduction System)100は、AMI/AMRトランスレータ(Translator)110と、メタデータ管理システム(Meter Data Management System)120と、需要応答運営システム(Demand Response Operation System)130と、負荷予測分析システムインターフェース(Load Forecasting Analysis System Interface)140と、EIエージェントインターフェース(Energy Information Agent Interface)150と、顧客エネルギー管理システム(Customer Energy Management System)160と、DRイベントアカウントシステム(Demand Response Event Account System)170とを含む。このような顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システム100は、ネットワークを通じて供給者端末機(図示せず)および需要者端末機(図示せず)と相互連動して需要者(顧客)の負荷節減を誘導することができる。ここで、供給者端末機は電力を供給する供給者(電力事業者)の端末機であり、需要者端末機は電力が供給される需要者(顧客)の端末機で、負荷は一定時間の電力使用量、例えば15分間の電力使用量である。
【0025】
具体的に、前記AMI/AMRトランスレータ110は、AMI(Advanced Metering Infrastructure)/AMR(Auto Metering Reading)システム(図示せず)からリアルタイム、例えば15分単位で需要者(顧客)の負荷プロファイル(Load Profile)データを収集し、その収集された負荷プロファイルデータを変換して大容量DBのメタデータウェアハウス115に保存する。前記メタデータウェアハウス115に保存された負荷プロファイルデータは、顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システム100の負荷の分析および常時負荷節減イベントのリアルタイムのモニタリング、結果、精算に活用される。ここで、AMI(Advanced Metering Infrastructure)/AMR(Auto Metering Reading)システムは、供給者(電力事業者)が需要者(顧客)の電力使用を遠隔で自動で検針し、正確な電力供給と課金、報告などのサービスを提供するために備えられたシステムである。そして、本発明の実施例において、常時負荷節減イベントは電力を供給する供給者が提供する負荷の低減に対するイベントであって、この常時負荷節減イベントによって需要者(顧客)はインセンティブ(負荷の低減によって発生する負荷節減分のkW当たりの需要者の補償金)を獲得することができる。
【0026】
前記メタデータ管理システム120は、前記メタデータウェアハウス115の負荷プロファイルデータをリアルタイムで統合管理する。すなわち、メタデータ管理システム120は、前記メタデータウェアハウス115の負荷プロファイルデータをモニタリングし、負荷プロファイルデータから需要者(顧客)の電力使用量に対する傾向の分析を遂行し、グループ別の需要特性を把握および分析し、今後の市場向けの需要管理の標準方法および顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム100に適用するためにCIM(Common Information Model)を適用した共通データレファレンスモデルを構築し、電力関連の上・下位システムと共通使用のための共通交換データバス(Common Exchange Data Bus)を構築して共同活用基盤を提供する。
【0027】
前記需要応答運営システム130は、顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システム100を効果的に運営するために総合的な管理を遂行するシステムであって、図2に示すように、前記負荷プロファイルデータを用いて需要者(顧客)の需要管理を遂行し、常時負荷節減イベントの総合管理、分析および検証を遂行する。すなわち、需要応答運営システム130は常時負荷節減イベントに参加する需要者(顧客)との契約による加入処理および管理、常時負荷節減イベントを登録し予告するイベントの管理、予告された常時負荷節減イベントを施行し、施行中の常時負荷節減イベントに対する需要者(顧客)参加現況をリアルタイムでモニタリングし分析する常時負荷節減イベントの施行管理、終結した常時負荷節減イベントに対する総合的な効果の分析および検証などを遂行する機能を提供する。
【0028】
前記需要応答運営システム130は、具体的にDR顧客管理部(Demand Response Customer Management)131、DRイベント管理部(Demand Response Event Management)132、DRイベント施行管理部(Demand Response Event Execution Management)133、DRイベント分析および確認管理部(Demand Response Event Analysis and Validation Management)134を含むことができる。
【0029】
前記DR顧客管理部131は、図3および図4に示すように、常時負荷節減イベントに参加する需要者(顧客)の契約および手続きの運営を管理する。前記DR顧客管理部131は、具体的に常時負荷節減イベントの加入者登録および管理、加入現況照会および分析機能をする。ここで、加入者登録および管理機能は、需要者端末機(図示せず)を用いて顧客エネルギー管理システム160によって加入した需要者(顧客)の加入情報を確認し承認する加入手続きを含む。また、前記DR顧客管理部131は常時負荷節減イベントに参加する需要者(顧客)の加入現況に対して行政区域別に全体電力資源と常時負荷節減資源を比較および分析する機能を果たす。
【0030】
前記DRイベント管理部132は、図5に示すように、施行する常時負荷節減イベントを登録し、常時負荷節減イベントを顧客エネルギー管理システム160によって需要者端末機(図示せず)を用いて需要者(顧客)に予告する。また、DRイベント管理部132は、新規常時負荷節減イベントを登録し、登録された新規常時負荷節減イベントの需要者(顧客)の参加現況を照会し、進行中の常時負荷節減イベントに対する需要者(顧客)の参加現況の分析、完了した常時負荷節減イベントに対する需要者(顧客)の参加効果の分析を遂行する。ここで、登録された新規常時負荷節減イベントは、登録と同時にメール、メッセージ機能によって需要者端末機および供給者端末機の常時負荷節減イベント画面に表示できる。
【0031】
前記DRイベント施行管理部133は、登録された常時負荷節減イベントを施行し、前記常時負荷節減イベントの施行を管理する。また、前記DRイベント施行管理部133は、図6および図7に示すように、参加需要者(顧客)の常時負荷節減イベント施行に対してリアルタイムでモニタリングして分析し、参加需要者(顧客)に対する行政区域別、契約電力別、契約種類別に需要者(顧客)の参加現況を分析する。
【0032】
前記DRイベント分析および確認部134は、図8に示すように、常時負荷節減イベントに対する効果の分析と検証を遂行する。すなわち、前記DRイベント分析および確認部134は、終結した常時負荷節減イベントに対する効果の分析と検証を遂行し、参加需要者(顧客)に対する行政区域別、契約電力別、契約種類別に顧客基準負荷と実電力使用量との比較分析、電力使用に対するCO換算排出量および節減量などを総合的に管理する。
【0033】
前記負荷予測分析システムインターフェース140は、需要応答運用システム130で常時負荷節減イベントの施行および効果の分析、精算時に適用される顧客基準負荷(CBL)を算出する常時負荷予測分析システム(図示せず)と連動して、顧客基準負荷(CBL)を需要応答運営システム130に提供する。
【0034】
前記EIエージェントインターフェース150は、様々な異機種ネットワークとシステムからエネルギーデータを収集するためのスケジューリング、ETL(Extract Transform Load)の抽出、変換、積載および管理を遂行するEIエージェントシステム(図示せず)からエネルギーデータをリアルタイムで需要応答運営システム130に提供する。
【0035】
前記顧客エネルギー管理システム160は、図9に示すように、前記需要応答運用システム130と連動し、常時負荷節減イベントの契約者の需要者(顧客)が自ら電力使用を自律的に調節して電力使用量を節減するようにする機能を遂行する。すなわち、前記顧客エネルギー管理システム160は、需要者(顧客)にリアルタイムで電力使用情報とインセンティブ情報を提供することによって効率的な電力消費を誘導する機能を遂行する。また、前記顧客エネルギー管理システム160は、常時負荷節減イベントの加入、参加、参加常時負荷節減イベントのリアルタイムモニタリング、参加後終了した常時負荷節減イベントに対する参加効果の分析および需要者負荷の効率的な運用のための負荷運営計画のシミュレーションを遂行する機能を提供する。
【0036】
具体的には、前記顧客エネルギー管理システム160は、イベント管理部(Event Management)161、イベントプロセッサ(Event Processor)162、イベント分析部(Event Analysis)163および負荷運営シミュレーション部(Load Facility Simulation)164を含んで構成することができる。
【0037】
前記イベント管理部161は、図10に示すように、常時負荷節減イベントの契約、約款への同意、設備情報管理、施行するか否かの判断、履歴照会などを遂行する。
【0038】
前記イベントプロセッサ162は、図11に示すように、前記顧客エネルギー管理システム160で公告された常時負荷節減イベントの施行に対する参加承認とリアルタイムモニタリングなどの機能を遂行する。これにより、需要者(顧客)は、需要者端末機によって負荷の節減量と支給されるインセンティブが見られ、電力使用に対するCO換算排出量と節減量、最大収容の推移、負荷別使用量推移のモニタリングが可能であり、需要者(顧客)の負荷運営計画により選択された負荷設備を直接制御することができる。また、前記イベントプロセッサ162は、需要者(顧客)が需要者端末機によって負荷設備の電圧、電流、周波数、総合高調波歪み(THD)をリアルタイムでモニタリングできるようにするよう機能する。
【0039】
前記イベント分析部163は、図12に示すように、前記顧客エネルギー管理システム160で施行された常時負荷節減イベントに対する参加効果を分析する機能を遂行する。また、前記イベント分析部163は、常時負荷節減イベント中の顧客基準負荷(CBL)と節減量、インセンティブ、電力使用に対するCO換算排出量、天気などを需要者端末機によって需要者(顧客)に提供し、任意時間単位で顧客基準負荷(CBL)と実電力使用量を比較分析する機能を提供する。
【0040】
前記負荷運用シミュレーション部164は、図13〜図15に示すように、負荷設備の管理、負荷運営シナリオの管理、一日負荷運営計画の樹立、週間/月間負荷運営計画の管理、負荷運営計画のシミュレーション機能を有し、登録された負荷設備に対して需要者(顧客)の電力設備運用状況により任意時間単位の設備運営計画を樹立し管理できる機能を提供する。
【0041】
前記DRイベントアカウントシステム170は、前記需要応答運用システム130および前記顧客エネルギー管理システム160と相互連動して、常時負荷節減イベントの結果、電力使用節減に対して電力市場価格およびインセンティブなどを反映した精算を行う機能を遂行し、常時負荷節減イベントの施行結果に対するインセンティブ金額を算出して、供給者端末機と需要者端末機によって供給者(電力事業者)と需要者(顧客)に通知し、イベント別、行政区域別、契約電力別、契約種類別に需要を管理できる機能を提供する。
【0042】
上述のように、本発明の実施例に係る顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システム100は、インセンティブ(負荷の低減による需要者の補償金)を適用して需要者の負荷を常に調節することによって、需要者の効率的なエネルギー消費管理を誘導することができる。
【0043】
したがって、本発明の実施例に係る顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システム100は、供給者(電力事業者)の場合は、負荷節減による電力卸売り価格の下落により電力購入費を低くできるようにし、需要者(顧客)の場合は、インセンティブによって費用の面において弾力的な電力消費行動をするようにし、且つ電力ピーク時の使用に対する習慣を変化させて電力使用の節減を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例に係る顧客基準負荷(CBL)基盤の常時負荷低減システムのブロック図である。
【図2】図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図である。
【図3】図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図である。
【図4】図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図である。
【図5】図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図である。
【図6】図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図である。
【図7】図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図である。
【図8】図1における需要応答運用システムの機能を示すための例示図である。
【図9】図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【図10】図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【図11】図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【図12】図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【図13】図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【図14】図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【図15】図1における顧客エネルギー管理システムの機能を示すための例示図である。
【符号の説明】
【0045】
100 顧客基準負荷基盤の負荷低減システム
110 AMI/AMRトランスレータ(Translator)
120 メタデータ管理システム
130 需要応答運営システム
140 負荷予測分析システムインターフェース
150 EI(Enegy Information)エージェントインターフェース
160 顧客エネルギー管理システム
170 DRイベントアカウントシステム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じて供給者端末機および需要者端末機と相互連動して需要者の負荷節減を誘導する顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システムにおいて、
リアルタイムで前記需要者の負荷プロファイルデータを収集し変換して、メタデータウェアハウスに保存するAMI/AMRトランスレータ(Translator)と、
前記メタデータウェアハウスの負荷プロファイルデータをリアルタイムでモニタリングし分析するメタデータ管理システムと、
前記負荷プロファイルデータを用いて前記需要者の需要管理を遂行し、常時負荷節減イベントの総合管理、分析および検証を遂行する需要応答運用システムと、
前記需要応答運用システムと連動し、前記需要者端末機によって前記需要者にリアルタイムで負荷に対する情報を提供し、前記需要者が前記負荷を調節できるようにする顧客エネルギー管理システムと、
前記需要応答運用システムおよび前記顧客エネルギー管理システムと相互連動し、前記常時負荷節減イベントに対するインセンティブを算出して、前記供給者端末機と前記需要者端末機によって供給者と前記需要者に通知するアカウントシステムとを含むことを特徴とする顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項2】
前記負荷は電力使用量であり、前記常時負荷節減イベントは前記供給者が提供する前記負荷の節減に対するイベントであり、前記インセンティブは前記負荷の節減によって発生する負荷節減分のkW当たりの前記需要者の補償金であることを特徴とする請求項1に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項3】
前記需要応答応用システムは、
前記常時負荷節減イベントに参加する需要者の契約および手続きの運営を管理するDR顧客管理部と、
前記常時負荷節減イベントを登録し、前記需要者端末機を用いて前記需要者に予告するDRイベント管理部と、
前記常時負荷節減イベントを施行し、前記常時負荷節減イベントの施行に対して管理するDRイベント施行管理部と、
前記常時負荷節減イベントに対する効果の分析と検証を遂行するDRイベント分析および確認部とを含むことを特徴とする請求項2に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項4】
前記DR顧客管理部は、
前記常時負荷節減イベントに参加する需要者の加入現況に対して行政区域別に全体電力資源と常時負荷節減資源を比較および分析することを含むことを特徴とする請求項3に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項5】
前記DRイベント管理部は、
新規常時負荷節減イベントを登録し、登録された前記新規常時負荷節減イベントの需要者参加現況を照会し、進行中の常時負荷節減イベントに対する需要者の参加現況分析、および完了した常時負荷節減イベントに対する需要者参加効果の分析を遂行することを含むことを特徴とする請求項3に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項6】
前記DRイベント施行管理部は、
前記需要者の常時負荷節減イベントの施行に対してリアルタイムでモニタリングして分析し、前記需要者に対する行政区域別、契約電力別、契約種類別に前記需要者の参加現況を分析することを含むことを特徴とする請求項3に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項7】
前記DRイベント分析および確認部は、
終結した前記常時負荷節減イベントに対する効果の分析と検証を遂行し、参加需要者に対する行政区域別、契約電力別、契約種類別に顧客基準負荷と実電力使用量との比較分析、電力使用に対するCO換算排出量および節減量を総合的に管理することを含むことを特徴とする請求項3に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項8】
前記顧客エネルギー管理システムは、
前記常時負荷節減イベントの契約、約款への同意、設備情報の管理、施行するか否かの判断、および履歴照会を遂行するイベント管理部と、
公告された前記常時負荷節減イベントの施行に対する参加承認とリアルタイムモニタリングを遂行するイベントプロセッサと、
施行された前記常時負荷節減イベントに対する参加効果の分析を遂行するDRイベント施行管理部と、
負荷設備の管理、負荷運営シナリオの管理、一日負荷運営計画の樹立、週間/月間負荷運営計画の管理、負荷運営計画のシミュレーションを遂行する負荷運用シミュレーション部とを含むことを特徴とする請求項2に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項9】
前記イベントプロセッサは、
電力使用に対するCO換算排出量と節減量、最大収容の推移、負荷別使用量の推移をモニタリングし、前記需要者端末機による前記需要者の負荷運営計画により選択された負荷設備を制御し、前記負荷設備の電圧、電流、周波数、総合高調波歪み(THD)をリアルタイムでモニタリングすることを含むことを特徴とする請求項8に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項10】
前記イベント分析部は、
前記常時負荷節減イベント中の顧客基準負荷と電力節減量、前記インセンティブ、電力使用に対するCO換算排出量および天気を前記需要者端末機によって前記需要者に提供し、任意時間単位で顧客基準負荷と実電力使用量を比較分析することを含むことを特徴とする請求項8に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項11】
前記負荷運用シミュレーション部は、
登録された前記負荷設備に対して前記需要者の電力設備運用状況により任意時間単位の設備運営計画を樹立し管理することを含むことを特徴とする請求項8に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項12】
前記常時負荷節減イベントの施行および効果の分析、精算時に適用される顧客基準負荷を算出する常時負荷予測分析システムと連動して、前記顧客基準負荷を前記需要応答運営システムに提供する負荷予測分析システムインターフェースをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。
【請求項13】
異機種ネットワークとシステムからエネルギーデータを収集するためのスケジューリング、ETL(Extract Transform Load)の抽出、変化および積載を遂行するEI(Enegy Information)エージェントシステムから前記エネルギーデータをリアルタイムで前記需要応答運営システムに提供するEI(Enegy Information)エージェント インターフェースをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の顧客基準負荷基盤の常時負荷低減システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−108471(P2010−108471A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328720(P2008−328720)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(595069594)韓国電力公社 (10)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ELECTRIC POWER CORPORATION
【Fターム(参考)】