説明

顧客管理システム

【課題】 利用者から電子メールアドレスを有効に取得するとともに、取得した電子メールアドレスをデータベース化し、マーケティングデータとして利用するシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】 複数の販売エリアをもつ企業は、それぞれのエリアに店舗を出店している。各店舗には店舗コードが付与されており、店内のポスター等においてキャンペーンサイトのURLと、店舗コードが宣伝される。利用者8は、携帯電話3を用いてキャンペーンサイト2にアクセスし、店舗コードと自己のメールアドレスを入力する。キャンペーンサイト2では、当選くじ付ゲームが実行され、当選者には、入力した電子メールアドレスに対して当選メールが送信される。キャンペーンサイト2の顧客データベースには、利用者が入力した電子メールアドレスと店舗コードとを対応付けた情報が蓄積される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顧客情報の取得、および、顧客情報の利用を有効に行うシステムに関する。
【0002】
【発明の背景】昨今のインターネットの普及により、電子メールの利用者数は増大の一途を辿っている。特に、携帯電話の急速な普及により、携帯電話用の電子メールアドレスの所有者が急増している。
【0003】この事実は、電子メールアドレスが、個人を識別する情報として利用可能となっていることを意味する。
【0004】従来、個人情報を管理するためには、住所、電話番号、氏名などの情報は、必須の情報であった。つまり、データベースに登録された個人とのアクセスをとるためには、住所、氏名をもとに郵便物を送付するか、電話番号をもとに電話をかける必要があるからである。
【0005】しかし、電子メールアドレスを個人の特定情報として利用している場合には、この電子メールアドレスに対して情報を送信することが可能であるため、その他の情報−住所、氏名、電話番号など−の取得は顧客データベースを構築するための必須の要件ではない。
【0006】そして、このように、電子メール利用者の急増により、電子メールアドレスを取得しデータベース化することに対するメリットは大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子メールアドレスをデータベース化するためには、有効な方策が必要である。電子メールアドレスも個人情報の一つである以上、利用者に対して無条件に電子メールアドレスの通知を要求することはできない。また、サービスが多様化している今日においては、利用者からの個人情報を得るためには、利用者にとってメリットとのあるサービスを提供する必要がある。
【0008】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、利用者の電子メールアドレスを有効に取得するとともに、データベース化された電子メールアドレスを有効利用するシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数のサービスエリアを有する企業が利用する顧客管理システムであって、a)ネットワークを介して利用者端末からのアクセス要求を受け付けるとともに、ネットワークを介して前記利用者端末に対して情報送信を行う手段と、b)アクセスした利用者に対して、サービスエリアごとに付与されている識別コードと、前記利用者の電子メールアドレスとの入力を要求し、入力された情報を取得する情報取得手段と、c)取得した電子メールアドレスに電子メールを送信することを前提とする所定のアプリケーションプログラムを実行する手段と、d)前記情報取得手段が取得した電子メールアドレスと取得した識別コードとを対応付けた顧客データベースを記憶する手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の顧客管理システムにおいて、前記アプリケーションプログラムは、当選メールを入力された電子メールアドレスに対して送信することを前提とした当選くじ付ゲームを実行するプログラムであり、前記利用者は、前記利用者端末を操作することにより、前記ネットワーク経由で、前記当選くじ付ゲームを実行することを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、請求項1に記載の顧客管理システムにおいて、前記アプリケーションプログラムは、プレゼントの提供に関わる電子メールを入力された電子メールアドレスに対して送信することを前提として、アクセスのあった利用者をプレゼント対象者として判定するプログラムであることを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、サービスエリアに固有の識別コードは、当該サービスエリアの地理的環境と関係のある利用者に宣伝されることを特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、請求項4に記載の顧客管理システムにおいて、前記企業は、各サービスエリアに店舗を有しており、サービスエリアに固有の識別コードは、当該サービスエリアにある店舗を訪問した利用者に宣伝されることを特徴とする。
【0014】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、前記利用者端末は携帯情報端末を含むことを特徴とする。
【0015】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、さらに、前記顧客データベースに登録された利用者のうち、1のサービスエリアの識別コードと対応付けられている利用者に対して、当該1のサービスエリアに固有のサービス情報を電子メールで送信する手段を備えることを特徴とする。
【0016】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、前記顧客管理システムは、WEBアプリケーションとして構築されており、前記手段a)ないし手段c)は、そのユーザインタフェースが前記利用者端末上で動作するWEBブラウザ上で閲覧されることを特徴とする。
【0017】請求項9の発明は、複数のサービスエリアを有する企業が利用する顧客管理システムであって、各サービスエリアに対応した固有の電子メールアドレスが付与されており、a)各サービスエリアに対応した電子メールアドレスに対する利用者からの電子メールを受信する手段と、b)受信した電子メールの宛先の電子メールアドレスと、送信元の電子メールアドレスとを取得する情報取得手段と、c)取得した前記送信元の電子メールアドレスに対してネットワーク上のアクセス情報を通知する電子メールを送信する手段と、d)前記アクセス情報を元にネットワークを介して前記利用者の端末からのアクセス要求を受け付けるとともに、ネットワークを介して前記利用者の端末に対して情報送信する手段と、e)取得した前記送信元の電子メールアドレスに電子メールを送信することを前提とする所定のアプリケーションプログラムを実行する手段と、f)前記情報取得手段が取得した前記宛先の電子メールアドレスと前記送信元の電子メールアドレスとを対応付けた顧客データベースを記憶する手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0019】{1.第1の実施の形態}
<1.顧客管理システムの運営者および対象者>まず、本実施の形態にかかる顧客管理システムの運営者について説明する。この実施の形態では、運営者はコンビニエンスストアを経営する企業6を一例として説明する。
【0020】図1に示すように、企業6は、コンビニエンスストアの経営本部である本部60と、複数の店舗61,62,63・・・等から構成される。図に示した店舗61,62,63は、各地域で商品を販売するコンビニエンスストアであり、それぞれの販売エリア71,72,73を有している。ただし、販売エリアは、定められた境界があるというものではなく、店舗周辺のおおよその地域を示すものである。
【0021】そして、顧客管理システム上の管理のため、企業6は、各店舗に対して店舗コード21,22,23を付与している。ここでは、店舗61の店舗コード21として53#001、店舗62の店舗コード22として53#002、店舗63の店舗コード23として53#003が付与されている。
【0022】また、顧客管理システムを運営する企業6は、キャンペーン期間中に、利用者にサービスを提供するためのWEBサイト(以下、キャンペーンサイト2とする)をインターネット上に公開するものであり、キャンペーンサイト2にアクセスするURL(以下、キャンペーンサイトURLとする)を取得している。このキャンペーンサイトURLは、企業6が共通で使用するURLであり、各店舗61,62,63においても共通に使用される。
【0023】本実施の形態の顧客管理システムの機能は、実質的にキャンペーンサイト2の機能に含まれているので、以下の説明において、キャンペーンサイト2を構成するシステムと顧客管理システムとを同様の意義をもつものとして説明する。
【0024】各店舗61,62,63では、キャンペーン期間中、ポスター、リーフレット等において、キャンペーンが開催される旨の宣伝、および、キャンペーンサイトURL、および、各店舗の店舗コードの宣伝を行う。買い物客に手渡すレシートにURLおよび店舗コードを表示するようにしてもよい。もしくは、レジの横に設置された液晶画面に表示させてもよい。
【0025】なお、本実施の形態においては、キャンペーン期間中に開設するサイトを一例として説明しているが、特に、この形態に限定されるものではなく、常設のサイトであっても、もちろん構わない。
【0026】一方、顧客管理システムの対象者は、コンビニエンスストアである各店舗61,62,63に訪れる客(以下、利用者8とする)である。利用者8は、各店舗において買い物をするわけであるが、このとき、前述したように、ポスター、リーフレット等からキャンペーンが開催されていることを知るとともに、キャンペーンサイトURL、および、訪れている店舗の店舗コードを知るのである。
【0027】ここで、キャンペーンの内容は、利用者8にとってメリットのあるものが好ましい。つまり、企業6は、宣伝したキャンペーンサイトURLに対して利用者8にアクセスしてもらう必要がある。後述するが、キャンペーンサイト2にアクセスしてもらうことが、顧客データベースを作成するための条件となるからである。
【0028】たとえば、キャンペーンの内容としては、新商品の発売において、キャンペーンサイト2の訪問者には、無料で商品を提供するといった内容や、各店舗61等における商品の割引きサービスを提供するといった内容が有効である。
【0029】<2.システム構成>次に、図2および図3R>3を用いて、顧客管理システムのシステム構成について説明する。顧客管理システムは、前述のごとく、キャンペーン期間中に開設されるキャンペーンサイト2を利用して構築される。図2に示すように、キャンペーンサイト2は、インターネット5aに接続されたサーバ1を有している。キャンペーンサイト2のハードウェア構成は、特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、便宜上、1台のサーバで構成されているものとする。
【0030】そして、サーバ1は、WEBサーバとしての機能を備えており、インターネット5aに接続された端末に対して情報の提供を可能としている。さらに、サーバ1は、携帯電話に搭載されたブラウザに対応したWEBサーバとしての機能を備えているので、インターネット接続機能を備えた携帯電話3は、電話回線5b、インターネット5a(以下、これらの通信回線を総称してネットワーク5とする)を経由してキャンペーンサイト2のサーバ1にアクセスし、情報の閲覧を可能としている。
【0031】図3は、サーバ1、および、利用者が使用する携帯電話3の機能ブロック構成を示す図である。
【0032】サーバ1は、前述の如く、WEBサーバとしての機能を備えている。これらの機能を実現するためのプログラム、データ等は、ハードディスク16内に記憶されている。そして、図に示す各機能ブロック、つまり、WWW11、コード取得部13、メールアドレス取得部14、ゲーム実行部15は、ハードディスク16内のプログラム、データが実行されることにより実現される機能を示している。なお、CPU、メモリなどの構成は図示を省略しているが、サーバ1は、それらコンピュータを構成する基本的な構成を全て備えているものとする。
【0033】具体的には、WWW1は、WWWサーバアプリケーションプログラムが実行することにより機能するものであり、WEBサーバとしての基本的な機能を与える。つまり、WWW1は、ネットワークを介して利用者端末からのアクセス要求を受け付けるとともに、ネットワークを介して利用者端末に対して情報送信を行う手段として機能する。また、コード取得部13、メールアドレス取得部14、ゲーム実行部15は、HTMLコンテンツ、および、HTMLコンテンツに動的な処理を施すプログラムがWWW1上で実行されることにより実現する機能部である。したがって、コード取得部13、メールアドレス取得部14、ゲーム実行部15は、それぞれユーザインタフェースを備えており、ネットワーク5を介してアクセスする端末のブラウザ上に情報を閲覧するとともに、動的な機能を実行可能としている。
【0034】また、ハードディスク17には顧客データベース18が格納されている。顧客データベース18は、キャンペーンサイト12にアクセスした利用者の電子メールアドレスと、当該利用者が、入力した店舗コードとの対応情報を蓄積するデータベースである(図6参照)。メール機能部12は、電子メールの送受信を可能としている。
【0035】一方、携帯電話3は、インターネット接続機能を備えた携帯電話であり、図に示すように、ブラウザ31を備えWEBサイトにアクセス可能とするとともに、メール機能部32を備え、電子メールの送受信を可能としている。また、操作ボタン33、LCD34は、通常の携帯電話機能を実現するために利用されるほか、インターネットの接続操作や、WEBコンテンツの表示用に用いられる。
【0036】<3.処理の流れ>次に、図4を用いて全体の処理の流れについて説明するとともに、図3等を用いてサーバ1における各機能部の処理の詳細について説明する。以下の説明におけるステップ番号は、図4中の丸付き番号に対応している。
【0037】(ステップ1)まず、利用者8が、コンビニエンスストア(店舗)に訪れる。ここでは、店舗61であるとする。
【0038】(ステップ2)店舗61において利用者8は買い物をするが、このとき、店内のポスター等から、キャンペーンサイトURLおよび店舗コード21(53#001)を知る。ポスターには、新商品の発売キャンペーンが宣伝されており、たとえば、「キャンペーンサイトでゲームをして頂き、当選されたお客様には、すてきなプレゼントを差し上げます」といったメッセージが示されている。
【0039】(ステップ3)利用者8は、店舗61で買い物をした後、好きなときに、キャンペーンサイト2にアクセスする。具体的には、利用者8は、携帯電話3を利用し、インターネットに接続する。そして、店舗61で知ったキャンペーンサイトURLを指定することにより、キャンペーンサイト2にアクセスする。このとき、携帯電話3のLCD34に表示される画面の一例を図5(a)に示す。図に示すように、オープニング画面とともに、店舗コードの入力フォーム131が表示される。なお、このオープニング画面の表示処理、および、入力フォーム131を用いた情報の取得処理は、コード取得部13(図3)により実現される処理である。
【0040】ここで、利用者8は、店内のポスター等で知った店舗61の店舗コード21を入力する。そして、確定操作を行うことにより、LCD34には図5(b)で示された画面が表示される。この画面は、利用者8の電子メールアドレスの入力を要求する画面であり、電子メールアドレスの入力フォーム141が表示される。なお、図5(b)の画面表示処理、および、入力フォーム141を用いた情報の取得処理は、メールアドレス取得部14(図3)により実現される処理である。
【0041】ここで、利用者8が携帯電話3について保有している自己の電子メールアドレスを入力し、確定操作を行うことにより、メールアドレス取得部14は、入力された電子メールアドレスを取得し、顧客データベース18への登録処理を行う。顧客データベースへの登録処理が行われると、ゲームが開始する。
【0042】顧客データベース18の内容の一例を図6に示す。顧客データベース18には、図に示すように、メールアドレス取得部14が取得した利用者8の電子メールアドレスと、コード取得部13が取得した店舗コードとの対応情報が蓄積されている。
【0043】このように、顧客データベース18に蓄積されている顧客情報は、店舗コードの情報を含んでいるので、図1に示した販売エリアごとの顧客情報を取得することが可能である。つまり、利用者8は、自身が利用したコンビニエンスストア(店舗)において、店舗コードを知るので、この店舗コードとともに電子メールアドレスを取得することにより、店舗ごとの顧客情報を容易に作成することができるのである。
【0044】(ステップ4)図5(c)は、LCD34に表示されたゲーム画面を示している。本実施の形態においては、ゲームはスクラッチゲームとしている。図に示したように、このゲームは、9つの枠の中から順に3つの枠を選択し、その中に当たりマークが2つ以上出現している場合に、当選と判定するゲームである。なお、ゲーム画面の表示処理、および、ゲームの実行処理は、ゲーム実行部15(図3)により実現される処理である。
【0045】そして、利用者8が3つの枠を選択することにより、2つ以上の当たりマークが出現したときには、図5(d)に示す画面に変化し、「おめでとうございます!後ほどプレゼントのお知らせをメールでお届けします」といったメッセージが表示される。
【0046】また、利用者8が3つの枠を選択しても、当たりマークが2つ以上の当たりマークが出現しなかったときは、図5(e)に示す画面に変化し、「残念でした。またのご利用をお待ちしております」といったメッセージが表示される。
【0047】以上のように、利用者8は、ゲームを楽しみながら、キャンペーンのプレゼントをもらうことができるのである。そして、プレゼントの応募方法にゲーム性を持たせることで、キャンペーンサイト2への利用者8のアクセスを促進することができる。
【0048】また、紙媒体を用いた通常のスクラッチカードとは異なり、枠を選択してから結果がでるまである程度の時間を必要とするので(意図的に時間がかかるようにしてもよいが、通信時間により通常は必然的にある程度の時間を要する)、利用者は、この待ち時間、わくわくすることができるといった2次的な効果も得られるのである。
【0049】なお、ゲームの内容は、スクラッチゲームに限らず、様々なゲームを利用することが可能である。簡易なくじ引きなどとしてもよいし、レースや対戦型のゲームなどでもよい。
【0050】また、ゲーム終了後、当選者には、さらに、プレゼントの抽選を行うようにしてもよい。たとえば、一等賞は海外旅行、二等賞はオリジナルプレゼント、三等賞は割引券、といった抽選を行えば、さらにゲーム性が加味され、キャンペーンサイト2に付加価値を与えることが可能である。
【0051】(ステップ5)ゲーム終了後、メール機能部12により当選者に対して当選メールが送信される。この当選メールの宛先として、図5(b)の画面で取得した電子メールアドレスが利用されるのである。なお、メール機能部12による当選メールの送信は、自動送信としてもよいし、オペレータによる手動送信としてもよい。なお、当選者には、顧客データベースにフラグをたてることにより、自動送信、手動送信の際、当選者を識別できるようにすればよい。
【0052】送信された当選メールは、携帯電話3のメール機能部32が受信する。この当選メールには、商品の受け渡し方法などが示されている。このように当選メールを送信することを前提としたキャンペーンサイト2を利用し、顧客管理システムが構築されているので、利用者8に対して電子メールアドレスの入力を無理なく要求することが可能である。
【0053】このようにコンビニエンスストアを経営する企業6は、上記のようなキャンペーンサイト2を開設することで、フランチャイズ展開している各コンビニエンスストアの個別の顧客情報を容易に収集することができる。そして、この顧客情報は電子メールアドレスによって顧客管理をするものであるから、電子メールを利用して低コストで案内情報の送信などを行うことができる。特に電子メールの即時性から、より速く情報を利用者に提供することが可能である。
【0054】たとえば、店舗61が独自のサービスを行う場合には、店舗コード53#001と対応付けられた利用者8に一斉に電子メールを送信し、サービス内容を周知することができる。このように、販売エリアごとに独自の情報を提供できるので、利用者8は、より関心の深い情報が得られるというメリットがある。
【0055】また、対象となるサービスエリアの利用者に電子メールでアンケートを行い、さらに、顧客データベースの内容を拡充するようにしてもよい。この場合にも、電子メールを実行したアンケートであるので、より早く情報を収集することが可能である。さらに、携帯電話を利用した電子メールであれば、短期間でアンケートの収集、集計が可能となる。
【0056】<4.変形例>上記実施の形態においては、各店舗61,62,63において、ポスター等により、共通のキャンペーンサイトURLを宣伝すると共に、各店舗固有の店舗コードを宣伝するようにしている。
【0057】ただし、各店舗61,62,63において、ポスター等により、各店舗に固有のキャンペーンサイトURLを宣伝するようにしてもよい。
【0058】このような方法とした場合、アクセスするURLによって、利用者8の販売エリアを特定することができるので、店舗コードの入力要求を行う必要がない。つまり、図5で示した画面遷移で説明すると、図5(b)の状態、つまり、電子メールアドレスを取得する手順から処理を開始すればよいこととなる。
【0059】この場合、各店舗ごとのキャンペーンサイトを構築してもよいが、1つのサイト内で実現するようにすればよい。つまり、各店舗に固有のキャンペーンサイトURLに対応し、オープニングページだけは店舗ごとのページとし、その後、同一のページに辿りつくようにすればよい。この構成によっても、アクセスするURLによって、利用者を識別することで、同様に、電子メールアドレスを利用した店舗ごとの顧客データベースを構築することが可能である。
【0060】{2.第2の実施の形態}次に、本発明の第2の実施の形態について図7ないし図9を参照しながら説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の番号を用いるものとし、同様の説明は省略する。
【0061】図7に示すように、第2の実施の形態においても、顧客管理システムの運営者はコンビニエンスストアを経営する企業6を例として説明する。ただし、第1の実施の形態と異なり、各店舗61,62,63には、それぞれ、独自の電子メールアドレス25,26,27(以下、キャンペーンメールアドレス25,26,27とする)が付与されている。各店舗が、キャンペーン期間中にポスター等によりキャンペーンの宣伝を行うことは同様であるが、ポスター等には、店舗コードは記されず、各店舗独自のキャンペーンメールアドレス25,26,27が記されるのである。
【0062】図8は、第2の実施の形態におけるキャンペーンサイト2のサーバ1の機能ブロック構成を示す図である。第1の実施の形態と同様、サーバ1は、WEBサーバとしての機能を備えており、ネットワーク5に接続された端末やインターネット接続可能な携帯電話に対して情報の提供を可能である。
【0063】WEBサーバとしての機能を実現するためのプログラム、データ等は、ハードディスク16内に記憶されている。そして、図に示す各機能ブロック、つまり、WWW11、メールアドレス取得部19、ゲーム実行部15は、ハードディスク16内のプログラム、データが実行されることにより実現される機能を示している。なお、第1の実施の形態と異なり、コード取得部は不要である。また、メールアドレス取得部の機能が異なる。
【0064】また、ハードディスク17には顧客データベース18が格納されている。顧客データベース18は、キャンペーンサイト2にアクセスした利用者の電子メールアドレスと、当該利用者が送信した電子メールの宛先電子メールアドレス(つまりは、キャンペーンメールアドレス)との対応情報を蓄積するデータベースである。
【0065】次に、図9を用いて全体の処理の流れについて説明するとともに、図8等を用いてサーバ1における各機能部の処理の詳細について説明する。以下の説明におけるステップ番号は、図9中の丸付き番号に対応している。
【0066】(ステップ1)まず、利用者8が、コンビニエンスストア(店舗)に訪れる。ここでは、店舗61であるとする。
【0067】(ステップ2)店舗61において利用者8は買い物をするが、このとき、店内のポスター等から、店舗61に独自のキャンペーンメールアドレス25を知る。
【0068】(ステップ3)利用者8は、店舗61で買い物をした後、好きなときに、キャンペーンメールアドレス25に対して電子メールを送信する。なお、図8中、携帯電話3のメール機能部32により、電子メールがサーバ1に対して送信される。
【0069】(ステップ4)利用者8が送信した電子メールは、サーバ1のメール機能部12により受信される。メール機能部12が電子メールを受信すると、メールアドレス取得部19が、電子メールのヘッダ情報から、送信元電子メールアドレスと宛先電子メールアドレスを抽出する。ここで、送信元電子メールアドレスは、利用者の電子メールアドレスであり、顧客リストとなる。また、宛先電子メールアドレス(この例では、キャンペーンメールアドレス25)は、顧客リストを店舗ごとに区別する識別コードとしての役割をもつ。
【0070】そして、メールアドレス取得部19は、この対応情報を顧客データベース18に蓄積するのである。ここでは、図6に示すように、宛先電子メールアドレスを店舗コードに置き換えて顧客データベース18に登録しているものとする。したがって、第1の実施の形態と同様の顧客データベース18が作成される。
【0071】次に、サーバ1のメール機能部12は、利用者8に対して返信メールを送信する。この返信メールには、キャンペーンサイトURLが記されている。なお、返信メールの送信は、メール機能部12が自動送信を行うものとするが、オペレータが手動で送信する形態でもよい。
【0072】(ステップ5)利用者8は、返信メールを受信すると、その電子メールに記されているキャンペーンサイトURLにアクセスする。具体的には、利用者8は、携帯電話3を利用し、インターネットに接続する。そして、キャンペーンサイトURLを指定することにより、キャンペーンサイト2にアクセスする。
【0073】(ステップ6)利用者8がキャンペーンサイト2にアクセスすると、携帯電話3のLCD34には、図5(c)に示すようなゲーム画面が表示される。つまり、利用者8の電子メールアドレスの取得、および、店舗ごとの識別情報は、既に取得されているので、図5(a)、(b)で示したような入力画面は表示されず、適当なオープニング画面表示後(図示せず)、直接ゲーム画面から開始するのである。なお、ゲーム画面の表示処理、および、ゲームの実行処理は、ゲーム実行部15(図8)により実現される処理である。以下、第1の実施の形態と同様、利用者8はゲームを楽しみながら、プレゼントの抽選を行う。
【0074】(ステップ7)ゲーム終了後、当選者には当選メールが送信される。この当選メールの宛先として、ステップ3で利用者8が送信した電子メールアドレスの送信元アドレスが利用されるのである。この当選メールには、商品の受け渡し方法などが示されている。
【0075】このように第2の実施の形態においても、コンビニエンスストアを経営する企業6は、上記のようなキャンペーンサイト2を開設することで、フランチャイズ展開している各コンビニエンスストアの個別の顧客情報を容易に作成することができる。そして、この顧客情報は電子メールアドレスによって顧客管理をするものであるから、電子メールを利用して低コストで案内情報の送信などを行うことができる。特に電子メールの即時性から、より速く情報を利用者に提供することが可能である。
【0076】{3.変形例}上述した実施の形態では、いずれも、アクセスのあった利用者8に対して当選くじ付のゲームを実行し、当選した利用者8に対して当選メールを送信するという方式を採用している。しかし、抽選という形態はとらなくてもよい。つまり、キャンペーンサイト2にアクセスした利用者8に対しては、もれなくプレゼントを提供するようにするのである。
【0077】この場合でも、「アクセスされたお客様には、プレゼントに関する電子メールを送信します」という宣伝をしておけば、利用者8に対して無理なく電子メールアドレスの入力を要求することができる。
【0078】また、上述した実施の形態では、顧客管理システムを運営する企業としてコンビニエンスストアを例に説明したが、他にも、チェーン展開している宅配ピザ店、レンタルCD店、居酒屋などにも適用すると効果が大きい。
【0079】また、利用者がキャンペーンサイトにアクセスする端末は、上記実施の形態では、携帯電話を例にとって説明したが、モバイル端末に限らず、通常のパソコン等からメールを送信する場合であっても、本実施の形態と同様の効果を奏するものである。
【0080】また、上述した実施の形態では、実際に店舗に訪れた利用者にキャンペーンサイトURLや店舗コード、もしくは、キャンペーンメールアドレスを宣伝するようにしている。これは、ある店舗に関する顧客情報を、当該店舗の周辺に住んでいる人や、当該店舗によく訪れる人を対象とすることによって、有効なデータベースを構築できるようにするためである。
【0081】ただし、キャンペーンサイトURLや店舗コード、もしくは、キャンペーンメールアドレスの宣伝方法はこれに限定されるものではない。たとえば、各店舗の販売エリア内の掲示板や駅などにポスターを掲示するようにしてもよい。また、新聞の折込ちらしに広告を出しているならば、URL、店舗コード等を広告において宣伝するようにしてもよい。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明では、利用者に対して電子メールアドレス、および、サービスエリアごとに付与されている識別エリアの入力を要求するとともに、電子メールを送信することを前提としたアプリケーションプログラムを実行するので、利用者に対して無理なく電子メールアドレスの入力を要求することができるとともに、電子メールアドレスと識別コードとを対応付けた顧客データベースが構築可能である。
【0083】請求項2記載の発明では、当選くじ付ゲームを実行し、当選者に電子メールを送信するので、利用者に対するアクセス促進を図ることができる。
【0084】請求項3記載の発明では、アクセス利用者にプレゼントを提供するようにすることにより、利用者に対するアクセス促進を図ることができる。
【0085】請求項4記載の発明では、識別コードは、サービスエリアの地理的環境と関係のある利用者に宣伝されるので、利用価値の高い顧客データベースを構築することができる。
【0086】請求項5記載の発明では、識別コードは、店舗を訪問した利用者に宣伝されるので、より意味のある顧客情報を収集することができる。
【0087】請求項6記載の発明では、利用者端末として携帯電話が利用可能であるので、利用者のアクセス促進を図ることができるとともに、より多くの顧客情報を収集可能となる。
【0088】請求項7記載の発明では、顧客データベースを利用してサービスエリアごとに固有の情報を電子メールで送信するので、利用者はより関心の深い情報が得られるとともに、店舗は宣伝効率を向上させることができる。
【0089】請求項8記載の発明では、顧客管理システムはWEBアプリケーションとして構築されているので、汎用性と拡張性の高いシステム構成となる。
【0090】請求項9記載の発明では、サービスエリアごとの電子メールアドレスを付与し、利用者からの電子メールをもとに顧客データベースを作成するので、電子メールアドレスの取得が容易であるとともに、サービスエリアごとの識別情報をもった顧客データベースを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンビニエンスストアを経営する企業の販売エリアと店舗を示す図である。
【図2】システムの全体概略構成を示す図である。
【図3】顧客管理システム(キャンペーンサイト)の機能ブロック構成図である。
【図4】顧客管理システム(キャンペーンサイト)の処理の流れを示す図である。
【図5】キャンペーンサイトにおけるWEBページの画面遷移図である。
【図6】顧客データベースの内容の一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態におけるコンビニエンスストアを経営する企業の販売エリアと店舗を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における顧客管理システム(キャンペーンサイト)の機能ブロック構成図である。
【図9】第2の実施の形態における顧客管理システム(キャンペーンサイト)の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 サーバ
2 キャンペーンサイト
3 携帯電話
13 コード取得部
14,19 メールアドレス取得部
15 ゲーム実行部
18 顧客データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のサービスエリアを有する企業が利用する顧客管理システムであって、a)ネットワークを介して利用者端末からのアクセス要求を受け付けるとともに、ネットワークを介して前記利用者端末に対して情報送信を行う手段と、b)アクセスした利用者に対して、サービスエリアごとに付与されている識別コードと、前記利用者の電子メールアドレスとの入力を要求し、入力された情報を取得する情報取得手段と、c)取得した電子メールアドレスに電子メールを送信することを前提とする所定のアプリケーションプログラムを実行する手段と、d)前記情報取得手段が取得した電子メールアドレスと取得した識別コードとを対応付けた顧客データベースを記憶する手段と、を備えることを特徴とする顧客管理システム。
【請求項2】 請求項1に記載の顧客管理システムにおいて、前記アプリケーションプログラムは、当選メールを入力された電子メールアドレスに対して送信することを前提とした当選くじ付ゲームを実行するプログラムであり、前記利用者は、前記利用者端末を操作することにより、前記ネットワーク経由で、前記当選くじ付ゲームを実行することを特徴とする顧客管理システム。
【請求項3】 請求項1に記載の顧客管理システムにおいて、前記アプリケーションプログラムは、プレゼントの提供に関わる電子メールを入力された電子メールアドレスに対して送信することを前提として、アクセスのあった利用者をプレゼント対象者として判定するプログラムであることを特徴とする顧客管理システム。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、サービスエリアに固有の識別コードは、当該サービスエリアの地理的環境と関係のある利用者に宣伝されることを特徴とする顧客管理システム。
【請求項5】 請求項4に記載の顧客管理システムにおいて、前記企業は、各サービスエリアに店舗を有しており、サービスエリアに固有の識別コードは、当該サービスエリアにある店舗を訪問した利用者に宣伝されることを特徴とする顧客管理システム。
【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、前記利用者端末は携帯情報端末、を含むことを特徴とする顧客管理システム。
【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、さらに、前記顧客データベースに登録された利用者のうち、1のサービスエリアの識別コードと対応付けられている利用者に対して、当該1のサービスエリアに固有のサービス情報を、電子メールで送信する手段、を備えることを特徴とする顧客管理システム。
【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の顧客管理システムにおいて、前記顧客管理システムは、WEBアプリケーションとして構築されており、前記手段a)ないし手段c)は、そのユーザインタフェースが前記利用者端末上で動作するWEBブラウザ上で閲覧されることを特徴とする顧客管理システム。
【請求項9】 複数のサービスエリアを有する企業が利用する顧客管理システムであって、各サービスエリアに対応した固有の電子メールアドレスが付与されており、a)各サービスエリアに対応した電子メールアドレスに対する利用者からの電子メールを受信する手段と、b)受信した電子メールの宛先の電子メールアドレスと、送信元の電子メールアドレスとを取得する情報取得手段と、c)取得した前記送信元の電子メールアドレスに対してネットワーク上のアクセス情報を通知する電子メールを送信する手段と、d)前記アクセス情報を元にネットワークを介して前記利用者の端末からのアクセス要求を受け付けるとともに、ネットワークを介して前記利用者の端末に対して情報送信する手段と、e)取得した前記送信元の電子メールアドレスに電子メールを送信することを前提とする所定のアプリケーションプログラムを実行する手段と、f)前記情報取得手段が取得した前記宛先の電子メールアドレスと前記送信元の電子メールアドレスとを対応付けた顧客データベースを記憶する手段と、を備えることを特徴とする顧客管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2003−6420(P2003−6420A)
【公開日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−189483(P2001−189483)
【出願日】平成13年6月22日(2001.6.22)
【出願人】(399022984)株式会社ジェイデータ (6)
【Fターム(参考)】