説明

風力発電施設運転方法

【課題】本発明は、電気ネットワーク、および、特にそれに接続している利用者に電力を供給するための、ロータによって駆動する発電機を有する風力発電施設の運転方法に関する。
【解決手段】本発明の目的は、有効電力出力が変動する場合であっても、風力発電施設を有さない場合と比較して、ネットワーク内の所定の点における望まれざる電圧の変動を減少、または、著しく増大させない、風力発電施設の運転方法、および、風力発電施設もしくは風力発電地帯の提供である。本発明はさらに、ネットワーク内に定められた少なくとも1点の電圧に従って位相角φを変化させることを特徴とする、電気ネットワーク、特に、それに接続している利用者に電力を供給するための、ロータによって駆動する発電機を有する風力発電施設の運転方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータにより駆動可能であって、電気ネットワーク(ein elektrisches Netz)、特に接続されている負荷に電力を供給するための発電機を備えた風力タービンの運転方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、風力タービン、特に、前記方法を実施するための、ロータ、ならびに、電気ネットワークに電力を供給するためにロータと接続された、または、少なくとも2基の風力タービンを有するウィンドファームに接続された、発電機を有する風力タービンに関する。
【背景技術】
【0003】
周知の、風力エネルギから電気エネルギを発生させる風力タービンにおいては、電気負荷、時には電気ネットワーク、と接続された発電機は並列的回路様式で運転される。風力タービンの運転中、発電機により生成される有効電力はその時の風速に拠って変化してもよい。その結果、ネットワークの電圧もまた、例えば送込み点(Einspeisepunkt)において、その時点の風速に従って変化可能である。
【0004】
しかしながら、発電された電力が電気ネットワーク、例えば、公衆電力ネットワークに供給されるとき、結果としてネットワークの電圧に変動が生じる。だが、接続されている負荷が信頼性を損なわずに動作するためには、そのような変動は非常に狭い限度内でのみ許される。
【0005】
供給ネットワークにおける、ネットワークの電圧の参照値からのさらに大きな乖離は、特に中高電圧レベルでは、実効値が所定の閾値を超えるか、または、下回った場合に、例えばステッピング変圧器のようなスイッチング装置を作動させ、このような装置の作動によって補償してもよい。このようにして、ネットワークの電圧を、所定の許容限度内で、実質的に一定に保っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、有効電力出力が変動する場合であっても、風力タービンのない場合と比較して、ネットワークの所定点における望まざる電圧の変動を減少、または、少なくとも微増にとどめることが可能な、風力タービンの運転方法を規定すること、ならびに、風力タービン、および/もしくは、ウィンドファームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本目的は、本発明により、風力タービンにより供給される電力出力の位相角φを、ネットワークにおいて測定された少なくとも1つの電圧に従って変更させる、冒頭にて明記した類の方法で、達成される。
【0008】
冒頭にて明記した類の風力タービンにおいて、本目的は、本発明の方法を実行可能な装置によって実現される。
【0009】
冒頭にて明記した類のウィンドファームにおいて、本発明の目的は、ウィンドファームの個別に制御可能なセクションのそれぞれが、少なくとも1つの、本発明の方法を実行可能な装置、および、電圧検出装置を有するウィンドファームによって実現される。
【0010】
本発明は、負荷、または、ネットワークの電圧により供給される電力の位相角を変化させることにより、負荷に供給される電圧、特にネットワークにおける電圧の望まれざる変動を回避している。これによって、風力タービンによって供給される実効電力、および/または、負荷によってネットワークから引き出される電力の変化により生じる、電圧のあらゆる望まれざる変動を補償する。
【0011】
ネットワークにおける、所定の少なくとも1点において、電圧が実質的に一定であるように、位相角を変化させることが、特に望ましい。必要なパラメータ値を決定するため、ネットワーク内の少なくとも1点において電圧を測定しなければならない。
【0012】
特に、前記1点は、送込み点とは異なってよい。このような方法での電圧の測定、および、風力タービンによって供給される電力の位相角を適切な変更により、電力輸送における高速応答、および、効率的な調整を実現できる。
【0013】
特に好適な、ある実施形態においては、位相角φに関し、設定されるべき値は所定のパラメータ値より導出される。前記パラメータ値は、設定されるべき位相角を導出可能な、離散値形式の、所定の特性群を含んでいる表として提供されることが望ましい。
【0014】
本発明の、好適な発展において、調整システムは、電圧の変動が所定の閾値を超えた場合、ネットワークにおけるスイッチング装置、例えば、ステッピング変圧器を作動させ、直接的に、または、非直接的に、電圧を許容範囲内にまで回復させることが可能である。同時に、また、加えて、位相角は所定の期間、一定値に設定され、好ましくは、ゼロのような、平均値に設定されて、位相角を適切に調整することにより、以降に生じるあらゆる電圧の変動を補償することができる。
【0015】
本発明の特に好適な発展においては、電圧の測定、および、位相角の調整は、ネットワークにおける電気的に分離された部分で別々に実施可能であり、前記各部分における電圧が実質的に一定となるように、各部分を調整可能である。
【0016】
本発明の風力タービンは好都合にも、マイクロプロセッサを有する調整装置を備え、風力タービンのデジタル調整を可能としている。
【0017】
本明細書冒頭にて言及したウィンドファームは、ウィンドファームの個別的に制御可能なセクションのそれぞれに対し、電圧測定装置、および、本発明の方法を実施可能な装置を備えることが好ましく、そうすることにより、電力ネットワークの各部分における電圧が実質的に一定に保たれるように、ネットワーク内で電気的に分離された部分を別々に調整可能である。以下、本発明を、図面を参照し、風力タービンの運転方法に関する実施形態に基づいて、説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に概略的に示されている、ロータ4を有する風力タービン2は、電気ネットワーク6に接続されている。例えば電気ネットワーク6は、公衆ネットワークであってよい。幾つかの電気負荷8がネットワークに接続されている。図1に図示されていない、風力タービン2の発電機は、電気的制御および調整装置10に接続されており、装置10は先ず発電機で発電された交流を整流し、続いて、電流を、ネットワークの周波数に一致した周波数の交流に変換する。制御および調整装置10は、本発明による調整装置を備える。
【0019】
ネットワーク6における、任意の点22において、パラメータ値を調整装置10に戻す電圧検出装置22を配することが可能である。
【0020】
図2は本発明による調整装置を示している。略式で示されているロータ4は、風速によって変化することがある電力量を発電する発電機12に接続されている。発電機12で作られる交流電圧は、先ず整流され、続いてネットワークの周波数に一致した周波数の交流電圧に変換される。
【0021】
ネットワーク6の位置22における、ネットワークの電圧は、電圧センサ(図示せず)によって測定される。測定されたネットワークの電圧に応じ、−必要に応じて図4に示されるマイクロプロセッサを用いて−最適角φを計算する。調整装置を用い、ネットワーク電圧Uは所望の値Usollに調整される。位相角を変化させることにより、発電機12からネットワーク6に輸送される電力が調整される。
【0022】
図3は、ネットワーク電圧と位相角との関係を示す図である。電圧が、UminからUmaxの間にある参照値Usollから逸脱した場合、逸脱の極性によって、ネットワークに誘導性、または、容量性実効電力が供給されるように、図中の電力曲線に従って位相角φが変化され、電圧測定点(図1の22)における電圧を安定化する。
【0023】
図4は、図1の制御および調整装置10の主要部分を示している。制御および調整装置10は整流器16を有しており、整流器16において、発電機の発電した交流電流が整流される。整流器16に接続されている周波数変換機18は、初めに直流に整流された電流を、電力線L1、L2、および、L3により、ネットワーク6へ三相交流として供給される交流に変換する。
【0024】
周波数変換機18は、完全な調整装置の部分を構成するマイクロコントローラ20を用いて制御される。これを目的として、マイクロプロセッサ20は、周波数変換機18に接続される。マイクロプロセッサ20に対する入力パラメータは、現在のネットワーク電圧U、発電機の出力電力P、ネットワーク電圧参照値Usoll、および、電力勾配dP/dtである。本発明に従い、ネットワークに供給される電流は、マイクロプロセッサ20において変更される。
【0025】
図5において、ウィンドファームの例として、2基の風力タービン2を示している。当然のことながら、これらの風力タービンが、象徴的に複数の風力タービンを表すことも可能である。これら風力タービンのそれぞれには、調整装置10が割り当てられている。ネットワーク6、7、における、所定の点22、27、において、調整装置10は電圧を測定し、そして、この値を、ライン25、26を介して割り当てられている調整装置10へ送信している。
【0026】
ネットワークの部分6、7はスイッチング装置23によって相互に接続可能、または、互いの接続を切断可能である。前記スイッチング装置23と並列に、スイッチング装置24が配され、スイッチング装置23の状態によって、2つの調整装置10を相互に接続、または、接続の切断が可能である。
【0027】
このように、ネットワークの部分6、7が互いに接続されているならば、2つの調整装置10も相互に接続され、ネットワーク全体が単一の構成とみなされ、ウィンドファーム全体から電力が統一的に供給され、ウィンドファーム自体も測定点22、27における電圧に応じて統一的に調整される。
【0028】
ネットワークの部分6、7がスイッチング装置23によって切断されれば、調整装置10もまた、互いに切断し、ネットワークの一方のセクションはライン25を介して測定点22で、調整装置10によって監視され、割り当てられているウィンドファームのセクションが調整され、また、電力ネットワークの他方のセクション7はライン26を介して測定点27で、調整装置10によって監視され、この、ウィンドファームの他方のセクションを調整し、電力ネットワークの部分7における電圧を安定化する。
【0029】
当然のことだが、この分割を2つのネットワーク部分への分割に制限する必要はない。一のネットワーク部分に対して一の風力タービンが割り当てられるような分割を、適用可能である。
【0030】
ネットワークパラメータの測定において先述の調整システムが、ネットワークに既に存在するスイッチング装置(ステッピング変圧器)の許容範囲とは異なる許容範囲を示す場合、ある状況においては、両装置−一方における上記調整器、および、他方におけるスイッチング装置−は、例えば、ステッピング変圧器のスイッチングで「ピンポン」効果を起こすように、互いに影響を及ぼしあい、その結果、上記の本発明の調整方法の制御によりネットワーク内の電圧が変更される場合があり得る。このように調整システムが制御することで、ネットワークの電圧は、ステッピング変圧器が次々と作動させられる、等、の方法で変更される。
【0031】
この、望ましからざる「ピンポン」効果を打ち消すために、本発明の別の実施形態においては、スイッチング装置(例えば、ステッピング変圧器)からの測定結果を、本発明の調整装置の入力信号として用いることができる。この実施形態は、測定結果の正確さに劣るという不都合を有するが、構成要素が継続的に相互に影響を及ぼす危険性を排除し、本発明の目的を達成すべく、動作する。
【0032】
本出願において記述している位相角とは、風力タービンの発電機からネットワークに供給される電力における、電流と電圧との間の位相である。位相角が0度であれば、有効電力のみが供給される。位相角が0度に等しくなければ、有効電力に加えて無効電力成分も供給されるが、それによって、位相角の変化が必ずしも皮相電力の増加、または、減少を意味するものではなく、むしろ、総皮相電力は一定に保たれ、設定される位相角により、有効電力および無効電力の割合がそれぞれ変化する。
【0033】
前述のように、本発明の目的の1つは、風力タービンが稼動する際、ネットワークにおける所定点における、望まれざる電圧の変動を減少させること、または、少なくとも、電圧の変動を著しく増加させないことである。本目的のため、本発明は、風力タービン(または、ウィンドファーム)によって輸送される電力の位相角を適切に変化させて電圧の変動を補償可能とする。
【0034】
一般にネットワークに存在し、風力タービンが接続されている装置、つまりは、ステッピング変圧器(図示せず)は、本来、同一の機能を発揮する。スイッチング操作による、ステッピング変圧器の電力伝達率の変化により、ネットワークにおける電圧−または、少なくとも変圧器の第2側部での電圧−は、同様の影響をうける。しかし、これは、ステッピング変圧器のスイッチングのステップに応じたステップでのみ可能である。
【0035】
このようなステッピング変圧器は一般に、ネットワークの電圧を測定する手段を有する。この電圧が所定の閾値を超過、または、下回ることがあれば、直ちに、ステッピング変圧器によるスイッチング操作がトリガされ、所定の許される変動の範囲内まで、ネットワークの電圧が回復される。
【0036】
本発明による風力タービン実施形態、または、そのインバータは、ネットワークにおける電圧を監視し、適切な手段により、前記電圧を所定の許容範囲内に保持しようと試みる。これら許容範囲が完全に一致することがないことは確実であるため、風力タービンおよびステッピング変圧器が互いに対立的に動作するような状況を招来しうる。ステッピング変圧器は、上方、および、下方に交替的にステップし、風力タービンは、変圧器とは逆向きに、電圧を減少、および、増加させることを試みる。このことが、ネットワークの電圧の安定性において受け入れ難い劣化を招くことは、容易に理解できる。
【0037】
上記の効果を回避するため、本発明は、第1に、風力タービンへ測定された変量として伝達される電圧は、送込み点とは異なるネットワーク内の点において測定するように指導しており、かつ/または、第2に、調整システムが直接的、または、間接的に、ネットワークのスイッチング装置を作動可能であるように、指導している。前記のネットワークにおける別の点は、当然、ステッピング変圧器であってよく、当然のことながら、インバータは、ステッピング変圧器と同一の電圧値で制御される。第1には、これにより、ステッピング変圧器とインバータが、別々の許容性で、互いに反対に作用することを回避可能である。しかし、第2には、風力タービンが、ネットワークへ無効電力を適切に供給することによって、ステッピング変圧器でのスイッチング操作を明確にトリガ可能(間接的操作)、または、コントロールラインを介してこのようなスイッチング操作を(直接的に)起こすことが可能である。
【0038】
ネットワーク操作者の観点からは、風力タービンがステッピング変圧器の別の側部へ送電される無効電力を発電することも望ましい。しかし、無効電力を供給することが常にネットワーク電圧の変化をもたらし、これにより間接的にステッピング変圧器が作動されるが、これはまさに望まざるものであり、この場合、逆効果である。
【0039】
本発明による解決策は、このようなステッピング変圧器のスイッチング動作、つまり、上方、または、下方へのステッピングを精密に抑制する工程を有する。このような方法によるステッピングの抑制法は、スイッチの「無作動」による方法であって、このようにして、ステッピング変圧器の別の側部へ所望の無効電力を輸送することを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ネットワークに電力を供給する風力タービンの概略図である。
【図2】風力タービンを操作するための、本発明による制御装置である。
【図3】ネットワークの電圧と位相角との相互関係の図である。
【図4】図2に示す調整装置の本質的部分である。
【図5】複数の風力タービンのための、ネットワークの状況に応じて、共通の、または、個別的な調整システムの概略図である。
【符号の説明】
【0041】
2 ・・・ 風力タービン 4 ・・・ ロータ
6 ・・・ 電気ネットワーク 7 ・・・ 電気ネットワーク
8 ・・・ 負荷 10 ・・・ 調整装置
12 ・・・ 発電機 16 ・・・ 整流器
18 ・・・ 周波数変換機 20 ・・・ マイクロコントローラ
22 ・・・ 点 23 ・・・ スイッチング装置
24 ・・・ スイッチング装置 25 ・・・ ライン
26 ・・・ ライン 27 ・・・ 点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータにより駆動可能な発電機を備える風力タービンを運転することにより、電気ネットワークおよび前記電気ネットワークに接続される負荷へ電力を供給する方法であって、 供給される前記電力の電流と電圧との角度を表わす位相角φを、前記電気ネットワークの少なくとも一点において測定される電圧が所定の下方参照電圧Uminと所定の上方参照電圧Umaxとの間に含まれる場合には、一定に保つように、かつ、前記測定される電圧が前記上方参照電圧Umaxを上回るかもしくは前記下方参照電圧Uminを下回った場合には、前記測定される電圧のさらなる増大もしくは減少に応じて前記位相角φを増大させるように、制御する方法。
【請求項2】
前記位相角φが前記位相角φの所定の最大位相値φmaxに達するまでは、前記位相角φを前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧の前記上方参照電圧Umaxからの超過量に比例して変化させ、
前記位相角φが前記位相角φの所定の最小位相値φminに達するまでは、前記位相角φを前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧の前記下方参照電圧Uminに対して下回る量に比例して変化させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧は、ステッピング変圧器を制御するための入力信号として用いられる電圧の測定結果であり、
前記位相角φを、前記ステッピング変圧器の前記入力信号に基づいて変化させることにより、前記位相角φおよび前記ステッピング変圧器のスイッチングの変化が互いに影響を及ぼし合うことを防止する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステッピング変圧器の前記スイッチングを、前記風力タービンが前記電気ネットワークへ無効電力を供給して間接的に動作制御する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ステッピング変圧器の前記スイッチングを、前記風力タービンがコントロールラインを介して直接的に動作制御する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記風力タービンの発生する無効電力は、前記ステッピング変圧器の別の側部へ送電可能であり、前記ステッピング変圧器の前記スイッチングは、前記風力タービンによって制御され、抑制される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記位相角φの前記変化により、前記電気ネットワークの所定の少なくとも一点における電圧が、実質的に一定に保たれる、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記電圧を、前記電気ネットワークにおける所定のポイントにおいて測定する、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記電圧を、送込み点とは異なるポイントで測定する、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記位相角φとして設定すべき値を、所定のパラメータ値に基づいて決定する、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
調整システムが、直接的、または、間接的に、前記電気ネットワークに含まれるスイッチング装置を作動させる、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記電圧の測定およびそれに応じた調整を、前記位相角φに基づいて、前記電気ネットワークを構成する複数の部分に対して個別的に行い、
前記複数の部分は、スイッチング装置を介して接続もしくは切断することができ、
前記スイッチング装置の状態に基づいて、前記個別的に行われる前記調整を結合もしくは分離し、前記複数の部分が接続されることによって形成される電気ネットワークを統一的に監視し、調整する、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧に応じ、前記位相角φを容量的にもしくは誘導的に変化させ、前記測定される電圧を所定の参照値に一致させる、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
電気ネットワークおよび前記電気ネットワークに接続される負荷へ電力を供給する、ロータにより駆動可能な発電機を備える風力タービンであって、
周波数変換器を備え、前記周波数変換器を介して前記電気ネットワークへ電力を供給し、
前記周波数変換器を制御することによって、供給される前記電力の電流と電圧との角度を表わす位相角φを、前記電気ネットワークの少なくとも一点において測定される電圧が所定の下方参照電圧Uminと所定の上方参照電圧Umaxとの間に含まれる場合には、一定に保つように、かつ、前記測定される電圧が前記上方参照電圧Umaxを上回るかもしくは前記下方参照電圧Uminを下回った場合には、前記測定される電圧のさらなる増大もしくは減少に応じて前記位相角φを増大させるように、制御する風力タービン。
【請求項15】
前記位相角φが前記位相角φの所定の最大位相値φmaxに達するまでは、前記位相角φを前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧の前記上方参照電圧Umaxからの超過量に比例して変化させ、
前記位相角φが前記位相角φの所定の最小位相値φminに達するまでは、前記位相角φを前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧の前記下方参照電圧Uminに対して下回る量に比例して変化させる、請求項14に記載の風力タービン。
【請求項16】
前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧は、前記電気ネットワークに含まれる少なくとも1つのステッピング変圧器を制御するための入力信号として用いられる電圧の測定結果であり、
前記位相角φを、前記ステッピング変圧器の前記入力信号に基づいて変化させることにより、前記位相角φおよび前記ステッピング変圧器のスイッチングの変化が互いに影響を及ぼし合うことを防止する、請求項14または15に記載の風力タービン。
【請求項17】
前記ステッピング変圧器の前記スイッチングを、前記風力タービンが前記電気ネットワークへ無効電力を供給して間接的に動作制御する、請求項16に記載の風力タービン。
【請求項18】
前記ステッピング変圧器の前記スイッチングを、前記風力タービンがコントロールラインを介して直接的に動作制御する、請求項16に記載の風力タービン。
【請求項19】
前記風力タービンの発生する無効電力は、前記ステッピング変圧器の別の側部へ送電可能であり、前記ステッピング変圧器の前記スイッチングは、前記風力タービンによって制御され、抑制される、請求項18に記載の風力タービン。
【請求項20】
前記電気ネットワークにおいて前記測定される電圧に応じ、前記位相角φを容量的にもしくは誘導的に変化させ、前記測定される電圧を所定の参照値に一致させる、請求項14ないし19のいずれか1つに記載の風力タービン。
【請求項21】
ウィンドファームに含まれ個別的に制御可能なセクションそれぞれについて、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の方法を実施するための装置、および、電圧検出装置を備える、少なくとも2基の風力タービンを有するウィンドファーム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−124898(P2007−124898A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351213(P2006−351213)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【分割の表示】特願2002−583813(P2002−583813)の分割
【原出願日】平成14年4月22日(2002.4.22)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】