説明

風味・呈味改善剤及びそれを含有する飲食品

【課題】
本発明は、ヨーグルト特有の旨味、コク味、ボリューム感を付与できる風味・呈味改善剤、また該風味・呈味改善剤を含有する食品を提供することを目的とする。
【解決手段】
発酵乳から親水性アルコール溶媒で抽出して得られるヨーグルトエッセンスを分画分子量が3000以下のナノろ過膜で濃縮して得られる濃縮液からなる風味・呈味改善剤。また、該該風味・呈味改善剤を含有する食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風味・呈味改善剤及び該風味・呈味改善剤を含有する飲食品に関する。特にヨーグルト様の風味・呈味改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヨーグルトエッセンスは、乳酸発酵した乳からアルコール等の親水性溶媒で抽出したもので、飲料やアイスクリーム等の風味改善剤として使用されている。しかしながら、前記方法で得られるヨーグルトエッセンスはエッセンス自体の風味が弱いので添加量を多量にする必要があったので、少量の添加で強い力価を有するエッセンスが求められていた。
【0003】
常圧あるいは減圧下でエッセンスを蒸留し濃縮する方法があるが、常圧で行った場合は、加熱による香気の飛散、味の変質がある。減圧で行った場合も、香気の飛散があるので風味が変化する。
【0004】
また、野菜汁や果汁液を逆浸透膜で濃縮する方法も知られているが(特許文献1、特許文献2)、この方法では水溶性の成分のみが濃縮されている。しかしながら、ヨーグルトエッセンスのように、乳脂などの非水溶性の成分を逆浸透膜等の膜で濃縮する方法は未だ知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開平3−195482
【特許文献2】特開2001−220594
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の様に、先行技術文献に開示された手段によりヨーグルトエッセンスの力価を高める方法は、香気の飛散、風味の変化等があったり、必要成分が濃縮されなかったりしてその改善効果は充分ではなく、旨味、コク味、ボリューム感の更なる向上が求められていた。特に、旨味、コク味、ボリューム感を保ちつつ優れた切れ味を付与できる、力価の高い風味・呈味改善剤が求められていた。
【0007】
本発明は、ヨーグルト特有の旨味、コク味、ボリューム感を付与できる風味・呈味改善剤、また該風味・呈味改善剤を含有する食品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を行った結果、ヨーグルトエッセンスをナノろ過膜で濃縮して得られる濃縮液からなる風味・呈味改善剤が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、以下の(1)ないし(3)の構成からなるものである。
(1)発酵乳から親水性アルコール溶媒で抽出して得られるヨーグルトエッセンスを分画分子量が3000以下のナノろ過膜で濃縮して得られる濃縮液からなる風味・呈味改善剤。
(2)前記発酵乳が、乳または乳と脱脂乳を乳酸菌で発酵させて得られたものである風味・呈味改善剤。
(3)前記(1)または(2)の風味・呈味改善剤を含む飲食品。
【発明の効果】
【0010】
本発明の風味・呈味改善剤は、飲食品に少量添加することで、ヨーグルト特有の旨味、コク味、ボリューム感を保ちつつ優れた切れ味を付与するものであり、風味・呈味の優れた飲食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の風味・呈味改善剤は、以下の工程により得られるものである。
工程A:乳または脱脂乳と乳を殺菌する工程、
工程B:工程Aで得られた乳または脱脂乳と乳に乳酸菌を添加して乳酸発酵する工程、
工程C:工程Bの乳酸発酵を加熱による失活で完了させる工程、
工程D:工程Cにより得られた発酵乳または市販の発酵乳を失活したものに親水性アルコール溶媒を添加し、エッセンスを抽出した抽出液を得る工程、
工程E:工程Dで得られたエッセンス抽出液をナノろ過膜、分画分子量が約3000以下のナノろ過膜で濃縮して濃縮エッセンスを得る工程
【0013】
工程Aで用いられる乳、脱脂乳は、特に限定なく、例えば次のようなものが用いられる。乳としては、牛乳のほか、山羊乳、羊乳、水牛乳、ロバ乳等が挙げられるが、特に牛乳が好ましい。また、脱脂乳としては、上記の乳を遠心分離することにより脂質を低減したもの、特に脂質を0.1〜0.5重量%(以下、%とも表記する)程度にしたものが挙げられが、特に牛乳由来の脱脂乳が好ましい。
【0014】
前記工程Aの殺菌は公知の方法で行なってよく、例えば、85℃で30分間、加熱を行なえばよい。
【0015】
工程Bの発酵に用いられる乳酸菌は、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、
ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属およびビフィズス菌(Bifidobacterium)属等、食品産業で公知に用いられる菌が挙げられる。乳酸菌は単独でも用いられるが、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0016】
これらの乳酸菌は大部分が市販されており、容易に入手が可能である。具体的には、
森永乳業;FCS−450(Streptococcus thermophilis)FCH−518
(Lactobacillus helveticus)、FC−B(Bifidobacterium longum)、LAC361(Lactobacillus acidophilus)、ビフィズス菌M−16V(Bifidobacterium Breve)、協和;EZAL MY 105(Streptococcus thermophilis, Lactobacillus delbrueckii ssp. Bulgarecus)、YO−MIX(streptococcus thermophilus Lactbacillus bulgaricus)、三共ライフテック;ラクリスS(Bacillus coagulans)などが挙げられる。
【0017】
乳酸菌の添加量は、菌の形態にもよるが、原料乳に対して0.001%から10%がよい。特に0.01〜1%が好ましい。発酵条件は、30〜50℃で1〜50時間が良い。特に、35〜45℃で5〜24時間が好ましい。
【0018】
工程Cの乳酸菌の失活は、菌の形態にもよるが、60〜130℃で10〜120分がよい。特に80〜100℃で20〜40分が好ましい。
【0019】
工程Dにおいて、工程Cで得られた発酵乳に添加する抽出溶媒は、水溶性のものが良く、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールといった低級アルコールからなる親水性アルコール溶媒が挙げられる。これらの低級アルコール類は単独または混合して用いられる。
【0020】
また、市販の発酵乳を失活したものを原料として、これに親水性アルコール溶媒を添加してエッセンスを抽出してもよい。市販の発酵乳としては、森永乳業;ビヒタスヨーグルト、明治乳業;明治ブルガリアヨーグルト等が挙げられる。
【0021】
抽出溶媒の添加量は、発酵乳に対して10〜300%程度とし、エッセンス抽出の
際の発酵乳中のアルコール濃度は10%以上が良い。特に30%から70%程度が良い。アルコール濃度が10%未満であれば、求める風味・呈味成分が抽出されない。
【0022】
工程Dのエッセンス抽出を行う温度条件は、香気・呈味成分の維持という観点からなるべく高温は避けるのが好ましく、25℃以下で行うのが好ましい。
【0023】
ヨーグルトエッセンスの抽出は、工程Cで得られた失活後の発酵乳または市販の発酵乳を失活したものに対して前述の親水性アルコール溶媒を添加し、十分攪拌して行われる。その後に濾過等の処理を行って固体を分離して、ヨーグルトエッセンスの抽出液が得られる。
【0024】
次に工程Eで用いられるナノろ過膜について説明する。ナノろ過 (NF)膜とは、分子量100程度〜5000程度を、分子の大きさで分画する膜であり、限外ろ過(UF)膜と逆浸透(RO)膜の中間の細孔径をもつものである。本発明においては分子量100〜3000程度の分子の大きさで分画する膜が使用できる。分画分子量が約3000を越えると香味に必要な成分が通過してしまい、好ましい濃縮エッセンスは得られず、本発明の目的は達成されない。分画分子量3000以下のナノ濾過膜で濃縮したヨーグルトエッセンスの詳細な成分は不明であるが、特に脱脂粉乳溶液に添加すると コク味、ボリューム感が好ましく付与される。
【0025】
ナノろ過膜は、公知のものを用いることが可能であって、いかなる材質のものでもよいが、ポリアミド、酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマー、ポリオレフィン、ポリスルフォン、再生セルロース、ポリカーボネートなどを素材とした有機膜であり、平膜、スパイラル膜、中空糸膜、板状膜、管状膜などのいずれの形状でも使用できる。また、ろ過方法としては、加圧ろ過法、減圧ろ過法のいずれでもよく、一過式もしくは循環方式のいずれの方法も利用することができる。なお、ナノろ過膜の材質としては、特に、ポリアミド、酢酸セルロース、ポリエーテルスルホンが好ましい。
【0026】
ナノろ過膜としては、市販されているアミコンYC05、同YM1、同YM3、ウルトラセルPLAC、同PLBC(いずれもミリポア社製);SU−600、SU−610、SU−620、SU−210、SU−220(いずれも東レ社製);NTR−7410、NTR−7430、NTR−7450(いずれも日東電工社製);DK4040F、DK8040F、DL4040F、DL8040F、GE、GH4026F、GH4040F、H8040F(いずれもジーウォーター社製)などを用いることができる。
【0027】
NF膜による濃縮処理温度は、目的とする香気・呈味によって異なるが、25℃以下、好ましくは10〜20℃の範囲で行なうのが望ましい。処理時間は、主に濃縮率等を基準として設定される。
【0028】
得られた本発明の風味・呈味改善剤は、通例、薄い淡茶黄色の液体であるがこれに限定されない。
【0029】
本発明の風味・呈味改善剤は、飲食品にヨーグルト特有の旨味、コク味、ボリューム感を保ちつつ、優れた切れ味を付与することができる。
【0030】
本発明の風味・呈味改善剤は、液体(溶液)として使用することも可能であるが、用途によってはスプレードライ、フリーズドライなどの公知の方法によって粉末の形態として使用することもできる。
【0031】
本発明の風味・呈味改善剤は、これを単独で使用することも可能であり、あるいはベース香料として他の香料や風味・呈味改善剤と組み合わせて飲食品に用いることができる。
【0032】
前記の他の香料や風味・呈味改善剤としては、例えば、ミルク、ヨーグルト、クリーム、バター、チーズなどの各種乳製品フレーバーエキス;ストロベリーやアップル等のフルーツ系フレーバーエキス;シトラス系フレーバーエキス;バニラ系フレーバーエキス;コーヒー系フレーバーエキスなどが挙げられる。
【0033】
本発明の飲食品としては、クリーム類(生クリーム、植物性油脂を含有するホイップクリーム、クリームソースを含む);バター類(植物性油脂を含有するデイリースプレッド等を含む);チーズ類(プロセスチーズ、チーズフード等を含む);アイスクリーム類(ラクトアイス等を含む);濃縮乳類(脱脂濃縮乳、全脂濃縮乳、加糖脱脂濃縮乳等を含む);各種乳類(全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー類、調製粉乳類、牛乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、及びこれら乳製品等)を主要原料とする飲食品や;果実飲料類、炭酸飲料類、コーヒー飲料類、ココア飲料類、機能性飲料などの飲料類;洋酒類(ワイン・ウイスキー・ブランデー・ラム、ジン、リキュールなど)、清酒類、焼酎類、発泡酒・ビール類などの酒類;キャンディー・デザート類、チューインガム類、チョコレート類、焼き菓子・ベーカリー類、冷菓類(アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類)などの菓子類;スープ類(和風スープ、洋風スープ);食肉加工品類;水産加工品類;調理食品類;冷凍食品類;調味料類;電子レンジ食品類;煙草などが挙げられる。
【0034】
前記食品に対する本発明の風味・呈味改善剤の添加量は、食品の種類や剤形によって異なるが、例えば0.001〜10%、好ましくは0.01〜1%範囲を例示することができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例によりこの発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより制限されるものではない。
実施例1
【0036】
殺菌済みの牛乳と10%脱脂粉乳溶液の1:1混合液40kgを80Lタンクに仕込み、85℃で20分間殺菌した。殺菌後、40℃まで冷却し、森永乳業製乳酸菌FCS−450(Streptococcus thermophilis)と森永乳業製ビフィズス菌FC−B(Bifidobacterium longum)各200gを加えて、45℃で4時間乳酸発酵させた。発酵後、80℃で20分間失活を行い、その後、温度を室温まで下げた。該発酵物に40kgのエタノールを添加して120rpmで30分間攪拌して抽出処理を行った後、ろ紙ろ過を行って固形分を除去し、ヨーグルトエッセンス60kgを取得した(以下、濃縮前エッセンスという)。濃縮前エッセンス300gを日東電工製NF膜NTR−7410(分画分子量1000〜2000)を用いて常温で膜濃縮処理を行い、75gの本発明の風味・呈味改善剤を得た。
実施例2
【0037】
実施例1の濃縮前エッセンス300gをGEウオーター製NF膜GH(分画分子量2500)を用いて常温で膜濃縮処理を行い、75gの本発明の風味・呈味改善剤を得た。
実施例3
【0038】
実施例1の濃縮前エッセンス300gを日東電工製NF膜NTR7430(分画分子量500〜1000)を用いて常温で膜濃縮処理を行い、75gの本発明の風味・呈味改善剤を得た。
実施例4
【0039】
実施例1の濃縮前エッセンス300gをGEウオーター製NF膜DL(分画分子量150〜300)を用いて常温で膜濃縮処理を行い、75gの本発明の風味・呈味改善剤を得た。
比較例1
【0040】
実施例1の濃縮前エッセンス300gをGEウオーター製NF膜GK(分画分子量3500)を用いて常温で膜濃縮処理を行い、75gの本発明の風味・呈味改善剤を得た。
【0041】
実施例1、2、3、4及び比較例1の風味・呈味改善剤の夫々を、7%脱脂粉乳水溶液に0.2%添加したものを調整して、熟練した4名のパネリストにて官能評価した。なお、比較例−2として、実施例1の濃縮前エッセンスを、膜濃縮することなくそのまま、上記実施例と同様に7%脱脂粉乳溶液に0.2%添加したものを調整して、同時に官能評価した。その結果、比較例1及び比較例2の脱脂粉乳水溶液は、厚みもコクもなく、粉感が強く感じられた。実施例1及び実施例4の脱脂粉乳水溶液は、厚みと底味が強く感じられ、乳脂を思わせるコク味や甘味とボリューム感が付与されキレも感じられた。実施例2及び3は、厚みやコクが実施例1や実施例4に較べると弱かったが、比較例1に比べると明らかに改善効果が認められた。
実施例5
【0042】
実施例1の風味・呈味改善剤をミルクフレーバー(塩野香料製)に50重量%添加した。これを7%脱脂粉乳水溶液に添加し賦香した。
実施例6
【0043】
実施例2の風味・呈味改善剤をミルクフレーバー(塩野香料製)に50重量%添加した。これを7%脱脂粉乳水溶液に添加し賦香した。
実施例7
【0044】
実施例3の風味・呈味改善剤をミルクフレーバー(塩野香料製)に50重量%添加した。これを7%脱脂粉乳水溶液に添加し賦香した。
実施例8
【0045】
実施例4の風味・呈味改善剤をミルクフレーバー(塩野香料製)に50重量%添加した。これを7%脱脂粉乳水溶液に添加し賦香した。
比較例3
【0046】
比較例1の風味・呈味改善剤をミルクフレーバー(塩野香料製)に50重量%添加した。これを7%脱脂粉乳水溶液に添加し賦香した。
【0047】
実施例5乃至実施例8、比較例3のミルクフレーバーの添加は、7%脱脂粉乳水溶液に最終的にミルクフレーバー濃度が各々0.1%になるように賦香した。賦香したそれぞれの脱脂粉乳水溶液を4名の熟練したパネリストにより官能評価した。その結果、実施例5及び実施例8の脱脂粉乳水溶液は、そのトップを抑えることなく、発酵感があり、厚み、コク味、ボリューム感が付与され、切れも良くなっていた。実施例6及び実施例7の脱脂粉乳水溶液は、実施例5、実施例8ほどではないが比較例3に較べれば明らかに改善効果が
認められた。一方比較例3の脱脂粉乳水溶液は、発酵感、厚みとコク味、切れ感共に改善効果は殆ど認められなかった。
実施例9
【0048】
前記実施例5で調整したミルクフレーバーをヨーグルト飲料に、最終的に0.2%になるように添加した。
実施例10
【0049】
前記実施例6で調整したミルクフレーバーをヨーグルト飲料に、最終的に0.2%になるように添加した。
実施例11
【0050】
前記実施例7で調整したミルクフレーバーをヨーグルト飲料に、最終的に0.2%になるように添加した。
実施例12
【0051】
前記実施例8で調整したミルクフレーバーをヨーグルト飲料に、最終的に0.2%になるように添加した。
比較例4
【0052】
前記比較例3で調整したミルクフレーバーをヨーグルト飲料に、最終的に0.2%になるように添加した。
【0053】
上記実施例9乃至実施例12、比較例4のミルクフレーバーを賦香したヨーグルト飲料を3名の熟練したパネリストにより官能評価した。その結果、実施例9及び実施例12のヨーグルト飲料は、実施例10、実施例11のヨーグルト飲料に比べ、発酵感があり、コク味とボリューム感が付与されていた。また、実施例10、実施例11のヨーグルト飲料は、比較例4のヨーグルト飲料に比べ、発酵感、コク味、ボリューム感共に明らかに改善効果が認められた。比較例4のヨーグルト飲料は、改善効果は全く認められなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵乳から親水性アルコール溶媒で抽出して得られるヨーグルトエッセンスを分画分子量が3000以下のナノろ過膜で濃縮した濃縮液からなることを特徴とする風味・呈味改善剤。
【請求項2】
発酵乳が、乳または乳と脱脂乳を乳酸菌で発酵させて得られたものである請求項1記載の風味・呈味改善剤。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の風味・呈味改善剤を含む飲食品。