説明

風船人形

【課題】粘土細工と同じ感触で、自由に変形させて、その形状を維持できるようにした風船人形を提供する。
【解決手段】風船ゴム2の袋内に、風船ゴム2の原形よりも大きくなるように小麦粉を充填し、風船ゴム2の内部を脱気した後、口元4を結束して封止する。風船ゴム2の表面に、プラスチックで構成された一対の目5を接着し、髪を模した毛糸の束8を、口元4を覆い隠すように接着する。該風船人形1全体を、思いのままにその形状を変化させることができるので、癒し効果のある人形として適している。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風船ゴムの袋内に穀物粉末を充填し、人形の形等をかたどった風船人形に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴム風船に液体、又は粘度のある流体を入れた袋状玩具、或は実公平5−88599号のように砂等を入れ、形状の変化を楽しむ風船玩具が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記袋状玩具は、いずれも風船ゴムの中に液体、又は粘度のある流体を充填したものであり、その形状を変化させることはできるが、ゴムの弾性で元の形状に戻ってしまうため、変化させた形状を長時間保つことはできなかった。また、砂を入れた風船玩具は変化させた形状を長時間保つことはできるが、手触りの感触が硬く、重量が重く、またゴム膜が破袋した場合、子供の玩具としては安全性に限度があった。前記風船玩具はいずれも、袋状物表面に印刷されたキャラクターが描かれているが、袋状物素材が風船ゴムであることが外観から容易に分かってしまい、形状の変化がある程度予測できてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、風船ゴムの袋内に穀物粉末を袋の原形より大きくなるように充填し、脱気して、口元を封止することにより、任意に変化させた袋状物の形状を長時間保つことができる。
【0005】
本発明は、前記袋状物表面に、プラスチックで構成された円筒状の一対の目を接着し、結束して封止した袋状物の口元を覆い隠すように、髪を模した毛糸の束を接着することで、袋状物素材が風船ゴムであることを容易に分からないようにすることができ、該キャラクターに触れてみようとする興味をわかせることが期待できる。
【0006】
本発明は、前記穀物粉末として小麦粉等の粒度の細かい粉末を用いることにより、良好な感触、適度な重量感と破袋時の安全性の問題を解決している。
【0007】
【発明の実施の形態】
風船ゴムの素材の厚さは、通常0.3〜1mm程度のものである。該袋状物に小麦粉を充填し、内部を脱気した後、口元を結束して封止する。小麦粉の充填量は、ゴム膜の弾性力が常時作用するように、袋状物の原形よりも大きくなるような量とすることが必要である。袋状物の変化させた形状を維持させるため、袋状物内部の脱気は十分に行うことが必要である。また、風船ゴムの表面にプラスチックから構成された一対の目を接着する。該プラスチック製の目は、直径10mm、厚さ3mm程の透明な皿状の円柱筒内に、直径6mm、厚さ0.5mm程のプラスチック製の有色円盤を入れ、円柱筒は封止する。さらに結束して封止した袋状物の口元を覆い隠すように、髪を模した毛糸の束を接着することにより、人形としての立体感と親近感が生み出される。
【0008】
【実施例】
以下、本発明に係わる風船人形について図面に従って説明する。図1は、本発明の実施形態に係わる風船人形1の正面図である。
【0009】
図2は、該風船人形の原形の実施例を示す一部切欠斜視図である。同風船人形1は、風船ゴム2内に小麦粉3を充填し、内部を脱気した後、口元4を結束してできている。小麦粉3の充填量は、風船ゴム2の内容積よりも約50%以上多くなる量とすることが必要である。その結果、風船ゴム2を自由に伸ばしたり、縮めたり、指で押したりして、任意の形状に変化させ、その形状を長時間維持させることができる。
【0010】
図3に示すように、風船ゴム2の表面に、プラスチックで構成された一対の目5を接着する。このプラスチック製の目5は、直径10mm、深さ3mm程の皿状の透明な円柱筒6内に、直径6mm、厚さ0.5mm程のプラスチック製の有色円盤7を入れ、円柱筒6は封止する。その結果、円柱筒6内に封入された有色円盤7が、風船人形1の角度の変化に伴い、円柱筒6内を黒目のように動くことにより該風船人形にユーモラスな表情を与えることができる。有色円盤7の色は黒色が一般的であるが、特に限定するものではなく、また蛍光色にすることで光に反応し、より一層面白みが増すことになる。
【0011】
さらに、結束して封止した風船ゴム2の口元4に、髪を模した毛糸の束8を、その中心で結束した部分で、口元4を覆い隠すように接着することにより、袋状物素材が風船ゴムであることを容易に分からなくすることができ、素材感に興味を抱かせ、また髪型を自由に変化させることもできることからキャラクターとして親近感を持たせるものになる。
【0012】
図4は、風船人形1を真上から手のひらで押して、その形状を変化させた状態である。このように、風船人形1を任意の形状に変化させることができると同時に、目5と髪を模した毛糸の束8の表情の変化も楽しむことができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明の風船人形によれば、限り無く粘土細工に近い軟らかな感触を持ち、該風船人形を自由に任意の形状を作って楽しむことができ、安全な幼児の創作玩具としてばかりでなく、さらに大人も個人的な癒しと、ストレス解消に利用することができる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による風船人形の実施例を示す正面図である。
【図2】本発明による風船人形の原形の実施例を示す一部切欠斜視図である。
【図3】本発明による風船人形を変形させた状態を示す側面図である。
【図4】同風船人形をさらに他の形状に変化させた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 風船人形
2 風船ゴムの袋状物
3 小麦粉
4 風船ゴムの口元
5 プラスチック製の目
6 プラスチック製の円柱筒
7 プラスチック製の有色円盤
8 毛糸の束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風船ゴムの袋内に、袋の原形よりも大きくなるように、穀物粉末を充填し、脱気して、口元を封止したことを特徴とする風船人形。
【請求項2】
前記風船ゴム袋状物の表面に、プラスチックで構成された円筒状の一対の目が接着されており、該プラスチック製の目は、透明な皿状の円柱筒内に、円柱筒の直径よりも小さく薄いプラスチック製の有色円盤を封入せしめた構造をして、さらに、封止した袋状物の口元に、髪を模した毛糸の束が接着されている請求項1記載の風船人形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2004−222981(P2004−222981A)
【公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−14649(P2003−14649)
【出願日】平成15年1月23日(2003.1.23)
【出願人】(302071597)
【Fターム(参考)】