説明

風船構造体

【課題】
骨組みを使わず簡易に、外形を形成する各面を平面状とすることが可能な風船構造体を提供する。
【解決手段】
外形が多角柱又は多角錐で、内部に気体が充填されてなるものであって、軟質材製の外側袋体2と、軟質材製の内側袋体3と、吐出弁20と、供給弁10と、内側袋体3内に気体を供給する送風装置4と、内側袋体3を密封する台座7と、外側袋体2を密封する支持板9を備え、外部気体取入口8から取込まれた気体と、外側袋体2と内側袋体3との空間内の気体を、送風装置4を介して内側袋体3内に供給し、内側袋体3内の気体を供給弁10を介して外側袋体2と内側袋体3との空間内に供給し、その空間内の気体の一部を吐出弁20から外側袋体2の外側に吐き出すとともに残りの気体を送風装置4に導くようにして、外側袋体2を形成する各面を平面状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、住宅展示場などの各種の催し場において宣伝、広告の目的で使用される、風船構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅展示場や自動車販売場などの各種催し場において、また目印として、多種の風船構造体が宣伝や広告の目的で多く使用されている。
こうした来場者の注目を集めるための風船構造体は、より目立たせるために球状以外の形状のものも多い。例えば、多角柱や多角錐のものがある。
【0003】
しかし、このような風船構造体は軟質材で形成されているので、気体を充填させると、内圧で当該立体を構成する各面の中心部分は膨らみ、各面を平面とする理想的な立体形状とは相違したものとなる(図20参照)。
一方、各面を平面にしようとしたときには、硬質の骨組みを有する構造体となる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−190584号公報
【0005】
特許文献1に記載の発明は、方形状反射板が立方体の風船構造体内部で互いに直交しているという構成であり、これにより各面が平面となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、多角柱又は多角錐の面が膨らんでしまうと、斜めから来場者や通行人が見た場合、面に付された文字や模様のうち、面中央部の膨らみにより来場者から遠い箇所が見えにくい。
このような広告は様々な角度から見られうるものなので、面に付された文字等の見えやすい角度がより大きいほうが好ましい。
【0007】
また、このような風船構造体は、その宣伝効果が大きくなるように、大きい風船構造体を使用する場合が多い。そして、風船構造体が大きいほど内圧による面中央部の膨らみの量が大きくなってしまい、それに伴い、視認可能角度はより小さくなる。このように、文字等の視認可能角度が小さいものは、広告としての効果が低減してしまうので好ましくない。
【0008】
また、風船構造体のデザイン上、設計者が外形を平面状とした風船構造体を表現したい場合が考えられる。現状の技術では表現方法が制限されているため、風船構造体の面を平面状として作れるようになれば、現状以上の注目を集められる広告に応用できる可能性がある。
【0009】
一方、平面を作るため、硬質の骨組みがあるテントのような構造体が考えられるが、これでは骨組みが嵩張り、且つ重量が増加するので輸送に不利である。
また雨天や強風時には解体が必要となるので、解体や組み立ての手間がかかるといった問題もある。
【0010】
そこで、本発明の目的とするところは、骨組みを使わず簡易に、外形を形成する各面を平面状とすることが可能な風船構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の風船構造体(1)は、外形が多角柱又は多角錐で、内部に気体が充填されてなる風船構造体(1)であって、
前記外形を形成する、下方が開口した軟質材製の外側袋体(2)と、
前記外側袋体(2)に包含され、前記外側袋体(2)と空間を隔てて配置された、下方が開口した軟質材製の内側袋体(3)と、
前記外側袋体(2)に設けられ、前記外側袋体(2)内の気体を前記外側袋体(2)の外側に吐き出す吐出弁(20)又は吐出穴(2a)と、
前記内側袋体(3)に設けられ、前記内側袋体(3)内の気体を前記外側袋体(2)との空間に供給する供給弁(10)又は供給穴(3a)と、
前記内側袋体(3)内に気体を供給する送風装置(4)と、
前記送風装置(4)が取付けられるとともに、気体を吸い込む内部気体取入口(5)と、前記内部気体取入口(5)から吸い込まれた気体を前記送風装置(4)に導く流路(6)が形成され、前記内側袋体(3)の開口部を蓋状に覆い密封する台座(7)と、
前記台座(7)を内方位置で支持し、気体を外部から取込み前記台座(7)に形成された流路(6)に導く外部気体取入口(8)が形成され、前記外側袋体(2)の開口部を蓋状に覆い密封する支持板(9)と、を備え、
前記支持板(9)に形成された前記外部気体取入口(8)から取込まれた気体と、前記外側袋体(2)と内側袋体(3)との空間内の気体を、前記送風装置(4)を介して前記内側袋体(3)内に供給し、前記内側袋体(3)内の気体を前記供給弁(10)又は供給穴(3a)を介して前記外側袋体(2)と内側袋体(3)との空間内に供給し、その空間内の気体の一部を前記吐出弁(20)又は吐出穴(2a)から前記外側袋体(2)の外側に吐き出すとともに残りの気体を前記送風装置(4)に導くようにして、前記外側袋体(2)を形成する各面を平面状とすることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の風船構造体(1)は、前記外側袋体(2)に突出形成された軟質材製の変形部(H)と、
前記変形部(H)に設けられ、前記変形部(H)内の気体を大気中に吐き出す変形部用吐出弁(30)又は変形部用吐出穴と、をさらに備えるとともに、
前記外側袋体(2)に設けられた前記吐出弁(20)を前記変形部(H)との間に設け、前記外側袋体(2)内の気体を前記変形部(H)内に吐き出すようにし、
前記供給弁(10)及び前記吐出弁(20)のうち少なくとも一つを、弁の断続的な開放又は閉鎖動作によって気体を吐出又は遮断するようにし、前記変形部(H)を前記弁の開放にともなう気体の供給によって起立状態とし、前記弁の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって前記起立状態を前倒状態とするように断続的に変形させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の風船構造体(1)は、前記外側袋体(2)に突出形成された軟質材製の変形部(H)と、
前記変形部(H)に設けられ、前記変形部(H)内の気体を大気中に吐き出す変形部用吐出弁(30)又は変形部用吐出穴と、
前記外側袋体(2)と前記変形部(H)との間に設けられ、前記外側袋体(2)内の気体を前記変形部(H)内に吐き出す変形部用供給弁(10)と、をさらに備えるとともに、
前記変形部用供給弁(10)を、弁の断続的な開放又は閉鎖動作によって気体を吐出又は遮断するようにし、前記変形部(H)を前記弁の開放にともなう気体の供給によって起立状態とし、前記弁の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって前記起立状態を前倒状態とするように断続的に変形させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の風船構造体(1)は、前記内側袋体(3)の外形は、前記外側袋体(2)の外形と略相似形であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の風船構造体(1)は、前記外側袋体(2)の外形を立方体又は直方体としたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の風船構造体(1)は、前記内側袋体(3)の外形は、前記外側袋体(2)の外形と略相似形であるとともに、前記外側袋体(2)の外形を立方体又は直方体とし、
しかも、前記内側袋体(3)の上部頂点から相対向する前記外側袋体(2)の上部頂点に延び、前記外側袋体(2)を支持して前記六面体の形状を保持する形状保持部材(K)を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に記載の風船構造体(1)は、前記気体をヘリウムガスとして、大気中に浮遊可能にしたことを特徴とする。
【0018】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための最良の形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【0019】
なお、ここでの平面状とは、完全な平面を含むとともに、各面の内圧による膨らみが従来例に比べ小さい、略平面状であることも含むことを示す。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に記載の風船構造体によれば、軟質材製の外側袋体と、軟質材製の内側袋体と、吐出弁又は吐出穴と、供給弁又は供給穴と、内側袋体内に気体を供給する送風装置と、内側袋体を密封する台座と、外側袋体を密封する支持板を備え、外側袋体と内側袋体の二重構造を設けていることにより、外側袋体と内側袋体との空間内に気体の流れができるため、従来の一重構造に比べ外側袋体の各面中央部に内圧がかかりにくくなり、外側袋体を形成する各面を平面状とすることが可能となる。
【0021】
すなわち、この風船構造体は外形を形成する各面が平面状となるので、外形が多角柱又は多角錐であることを忠実に再現できる。
また、従来の風船構造体の、各面の膨らみ量が大きいものに比べ、風船構造体の面に付された文字や模様の見えやすい角度が大きくなり、広告としての効果が増大する。
また、平面状を有する風船構造体を作れるようになることは、現状以上の注目を集められる広告に応用できるデザインが考案される可能性につながる。
また、骨組みを使わないので輸送に有利であり、加えて解体や組み立てにおいて時間がかからない。
【0022】
本発明の請求項2に記載の風船構造体によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、外側袋体に突出形成された変形部と、変形部内の気体を大気中に吐き出す変形部用吐出弁又は変形部用吐出穴とをさらに備え、弁の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって変形部を起立状態から前倒状態,あるいはその逆に前倒状態から起立状態にするように断続的に変形させるので、広告として面白みがある。例えば、変形部をびっくり箱の蓋に見立てて、蓋が断続的に開閉するびっくり箱に応用できる。
【0023】
本発明の請求項3に記載の風船構造体によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、外側袋体に突出形成された変形部と、変形部内の気体を大気中に吐き出す変形部用吐出弁又は変形部用吐出穴と、外側袋体内の気体を変形部内に吐き出す変形部用供給弁とをさらに備え、弁の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって変形部を起立状態から前倒状態,あるいはその逆に前倒状態から起立状態にするように断続的に変形させるので、広告として面白みがある。例えば、変形部をびっくり箱の蓋に見立てて、蓋が断続的に開閉するびっくり箱に応用できる。
【0024】
本発明の請求項4に記載の風船構造体によれば、請求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加えて、内側袋体の外形は、外側袋体の外形と略相似形であることとしたので、外側袋体と内側袋体の空間をお互いが接しない程度に狭くすることができる。この空間が広いと、従来の外側袋体のみの風船構造体の構成に実質近づいてしまい、外側袋体の各面を平面状とすることが難しくなる。外側袋体と内側袋体の空間を狭くすることは外側袋体の各面を効果的に平面状とできることに繋がる。
【0025】
本発明の請求項5に記載の風船構造体によれば、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加えて、外側袋体の外形を立方体又は直方体としたので、例えば、箱を模した風船構造体を作ることができる。
【0026】
本発明の請求項6に記載の風船構造体によれば、請求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加えて、内側袋体の外形は、外側袋体の外形と略相似形であるとともに、外側袋体の外形を立方体又は直方体とし、しかも、内側袋体の上部頂点から相対向する外側袋体の上部頂点に延び、外側袋体を支持して六面体の形状を保持する形状保持部材を備えたので、内側袋体の膨らみを十分に保つとき、形状保持部材が内部から外側袋体を支えることにより、外側袋体の各面四隅は各頂点方向に引っ張られ、各面を平面状とすることができる。
【0027】
本発明の請求項7に記載の風船構造体によれば、請求項1乃至6に記載の発明の作用効果に加えて、気体をヘリウムガスとして、大気中に浮遊可能としたので、より注目を集めることができる広告となりうる。
また、大気中に浮遊するということは、必然的に下から斜めに見上げるということであるので、従来の外側袋体の各面の膨らみ量が大きいものに比べ、風船構造体の面に付された文字や模様が地上からも見えやすい。
【0028】
なお、本発明のように、骨組みを使わずに、可能な限り各面を平面に近づけるようにすることに関して、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第一実施形態)
図1乃至図12を参照して、本発明の第一実施形態に係る風船構造体1について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る風船構造体1を示す斜視図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図1に示す風船構造体1の底面図である。図4は、図1に示す風船構造体1の分解斜視図であり、外側袋体2,内側袋体3,送風装置4が取付けられた台座7,支持板9を示している。
【0030】
この風船構造体1は、住宅展示場や自動車販売場の各種催し場において宣伝の目的に使用されるもので、外側袋体2、内側袋体3、吐出弁20、供給弁10、送風装置4、台座7および支持板9を備える。なお送風装置4は、商用電源などの電源部Dに接続し、この電源部Dから供給される電力によって作動させる。
【0031】
外側袋体2は、外形の殆ど(支持板9を除く部分)を形成するもので、外形が立方体で、その下方の面が全て開口しており、開口部端面にはファスナーFが備えられている。そして、ファスナーFは、支持板9のファスナーFと共に、外側袋体2と支持板9を密封する。材質は、供給弁10によって供給される気体によって容易に膨れる布やビニールなどの軟質材であり、また、内部にある内側袋体3が透けて見えないような不透明なものである。
【0032】
内側袋体3は、外形が外側袋体2と略相似形で、その下方の面が全て開口しており、開口部端面内側には面ファスナー(例えば、マジックテープ(登録商標))Mが備えられている。この面ファスナーMは、台座7に備えられた面ファスナー(例えば、マジックテープ(登録商標))Mと密着することにより、台座7が内側袋体3の開口部を蓋状に覆う。この際、内部気体取入口5を塞がないように、内側袋体3の各側面の下端中央には、長方形の切欠部3bが設けられている。また、上部頂点から相対向する外側袋体2の上部頂点に延び、外側袋体2を内側から支持して、風船構造体1の立方体の形状を保持するように、形状保持部材Kが備えられている。形状保持部材Kは、プラスチック製で、内側袋体3に取付けられており、外側袋体2の頂点周辺部と接する部分は、頂点を中心に各面が90°となるよう構成され、外側袋体2の頂点周辺部をそれぞれ面で支持する。
また、側面に複数の小穴状の供給穴3aを備える。なお、供給穴3aはわざわざ内側袋体3に設けられたものでなくても、例えば、布で構成された内側袋体3の縫い目や、布の目等を供給穴3aと見立ててもよい。
【0033】
材質は、送風装置4によって供給される気体によって容易に膨れる布やビニールなどの軟質材である。
また、内側袋体3は、外側袋体2に包含され、内側袋体3と外側袋体2が気体で満たされ両者が所定の形状になった際、形状保持部材Kを除き、外側袋体2との間に空間を保てるような大きさと配置が選択されている。
【0034】
吐出弁20は、外側袋体2に設けられ、外側袋体2内の気体を外側袋体2の外側に吐き出すもので、図9乃至図11に示すように、円板状の固定板21と回転板22を、摘み部23を有する皿ネジ24と雌ネジ25で重ねた状態で固定して構成している。ここで、図9は、図1に示す風船構造体の吐出弁20を示す断面図、図10は、図9に示す吐出弁20の回転板22を示す平面図、図11は、図9に示す吐出弁20の固定板21を示す平面図である。この固定板21と回転板22には、その外周端部側に対向して三つの通孔21aと三つの孔部22aを形成しており、図12に示すように、この通孔21aと孔部22aの重なり具合を調整することによって、外側袋体2と内側袋体3との空間内から大気中へ吐き出す気体の流量を設定する。なお、固定板21と回転板22の中心部には、それぞれ皿ネジ24を通すための嵌合孔21bと貫通孔22bが形成されている。
【0035】
供給弁10は、内側袋体3に設けられ、弁の開口量によって内側袋体3内の気体を外側袋体2との空間に連続的に供給するものである。
この供給弁10は、図5乃至図7に示すように、固定弁部12と回転弁部13を備えている。ここで、図5は、図1に示す風船構造体1の供給弁10を示す断面図、図6は、図5に示す供給弁10の回転弁部13を示す平面図、図7は、図5に示す供給弁10の固定弁部12を示す平面図である。
固定弁部12は、円板状でその中心部に形成した挿通孔12bに、モーター11の駆動部11aから突出した回転軸11bを回転自在に挿通するとともに、下面をモーター11の駆動部11aの上部に固定している。そして、固定弁部12の中心部(挿通孔12bの位置)から外れた外周端部側の位置に、気体を通過させる円形状の孔をした固定孔12aを一つ形成している(図7参照)。ここでは、固定孔12aの大きさと挿通孔12bの大きさを同一にした。
【0036】
回転弁部13は、固定弁部12の上面に固定弁部12に摺接した状態で配置された同じく円板状で、その中心部にモーター11の回転軸11bが嵌入して回転軸11bに固定される組付孔13bを形成している。そして、回転弁部13の中心部(組付孔13bの位置)から外れた外周端部側の位置に固定孔12aからの加圧気体を断続的に通過させる略三日月状の長孔をした移動孔13aを一つ形成している(図6参照)。
【0037】
この回転弁部13は、手動により回転軸11bとともに回転しながら、供給弁10を開放する開放位置と供給弁10を閉鎖する閉鎖位置との間を移動する。つまり、図8(a)に示すように、移動孔13aが固定弁部12の固定孔12aに重なり供給弁10を開放する開放位置において気体を通す状態や、図8(b)に示すように、移動孔13aが固定弁部12の固定孔12aに一部重なり供給弁10を一部開放する開放位置において気体を通す状態を選択することができる。それにより、内側袋体3から外側袋体2へ供給する気体の量を設定する。
その選択の際、回転弁部13の下面は固定弁部12の上面に摺接した状態で回転する。
ナット14は、回転軸11bに螺合して組付き、回転弁部13が回転軸11bから抜け出すのを防止するはたらきと、移動孔13aと固定孔12aの最適な重なり位置で回転弁部13を固定するはたらきを担う。ナット14を緩めることで回転軸11bから回転弁部13を容易に取外することができ、ナット14を締めることで回転弁部13と固定弁部12の位置関係を固定できる。
なお、この第一実施形態においては供給弁のモーターを作動させる必要はない。
【0038】
送風装置4は、台座7に取付けられ、内側袋体3内に連続的に気体を供給するものであり、モーターとファンで構成している。
【0039】
台座7は、正方形状の板であり、送風装置4が取付けられるとともに、内部気体取入口5と流路6と面ファスナーMを備える。
台座7の側面中央部には4方向ともに長方形の穴が開いており、それが内部気体取入口5となる。台座7の上面に内部気体取入口5が開口しないように、内部気体取入口5の上部にはそれぞれ壁が立設されており、その壁の側面と内部気体取入口5の両側に面ファスナーMが貼付される。台座7が内側袋体3の開口部を蓋状に覆う際、内側袋体3の開口部内側の面ファスナーMと密着する。
流路6は、台座7の上面中央に気体を通過させる円形状の孔として形成されており、内部気体取入口5と通じている。
【0040】
支持板9は、正方形状の板であり、台座7を内方位置となる中央部で支持し、外部気体取入口8と気体取入調整部Sと下部角形状部材UとファスナーFと保護ネットNとキャスターCを備える。
外部気体取入口8は、支持板9の中心部に、気体を通過させる円形状の孔として形成されている。
気体取入調整部Sは、送風装置4に送る気体の量を設定するために設けられている。気体取入調整部Sには、両端に長穴Rが設けられており、長穴Rにガイドされるように貫通し気体取入調整部Sを支持板9に取付ける固定ネジQがそれぞれ取付けられている。固定ネジQを緩めた状態では、外部気体取入口8を全て塞ぐ位置から、外部気体取入口8を全て開口させる位置まで長穴Rの長さ分だけ、長穴Rの長手方向に移動することができ、気体取入調整部Sと外部気体取入口8の重なり具合を調整することによって、外部から流路6を通じて送風装置4へ送る気体の流量を設定する。設定した後、固定ネジQを締めることで気体取入調整部Sを固定することができる。
下部角形状部材Uは、硬質部材で構成されており、二等辺三角形の部材を、頂角から底辺に下ろした垂線において90°折り曲げた形状であり、支持板9の四隅にそれぞれ配置されている。支持板9が外側袋体2の開口部を蓋状に覆い密封する際、外側袋体2の開口部が下部角形状部材Uに沿うため、外側袋体2の開口部の隅部が直角になる補助となる。
ファスナーFは、支持板9の上面端部に設けられており、外側袋体2の開口部を蓋状に覆う際、外側袋体2開口部のファスナーFと共に閉じられ外側袋体2を密封する。
保護ネットNは、送風装置4に異物が入ることを防止するために、支持板9の上面に外部気体取入口8を覆うように設けられている。
キャスターCは、支持板9の底面四隅に設けられており、風船構造体1を移動自在としている。
【0041】
この風船構造体1は、次のように作動する。まず、送風装置4を作動させ、支持板9に形成された外部気体取入口8から取込まれた気体と、外側袋体2と内側袋体3との空間内の気体を、送風装置4を介して内側袋体3の内部に連続的に供給する。これによって、内側袋体3はその内部圧力が上昇して膨らみ、起立する。その起立に伴い、形状保持部材Kが相対向する外側袋体2の上部頂点を、それぞれ内側から支持する。ここで、送風装置4から連続的に気体が供給されているため、外側袋体2を支持するために十分な内側袋体3の内部圧力が保たれる。
【0042】
次に、内側袋体3内部の気体が、供給弁10と供給穴3aを介して外側袋体2と内側袋体3との空間内に供給される。
ここで、送風装置4から内側袋体3の内部に供給される単位時間あたりの気体流量は、供給弁10と供給穴3aから、外側袋体2と内側袋体3との空間内に供給される単位時間あたりの気体流量より多く設定されているので、内側袋体3は容易に膨らむ。また、内側袋体3には、送風装置4から連続的に気体が供給されているので、外側袋体2と内側袋体3との空間内には、供給弁10から十分な量の気体を供給することができる。
【0043】
次に、外側袋体2と内側袋体3との空間内の気体の一部は、吐出弁20から外側袋体2の外側に吐き出され、残りの気体は、内部気体取入口5から流路6を通じて送風装置4に導かれ、再び内側袋体3の内部へ供給される。
【0044】
以上のように、形状保持部材Kによる外側袋体2の支持と、外側袋体2と内側袋体3の二重構造を設けていることによる、外側袋体2と内側袋体3との空間内に気体の流れのため、従来の一重構造に比べ外側袋体の各面中央部に内圧がかかりにくくなり、外側袋体2を形成する各面を平面状とできる。なお、気体取入調整部S、供給弁10、吐出弁20の開度は、気体の循環が、外側袋体2の各面を平面状とすることに関して最適になるように、設定されている。
【0045】
本実施形態に係る風船構造体1は、外側袋体2、内側袋体3、吐出弁20、供給弁10と供給穴3a、送風装置4、台座7および支持板9によって、風船構造体1を膨張させるので、骨組みを使わずに、外形を形成する立方体の各面が平面状とすることが可能となる。すなわち、形状保持部材Kが内部から外側袋体2を支え、且つ吐出弁20と供給弁10を備えるため、送風装置4から供給された気体が直接外側袋体2を膨張させず、外側袋体2の各面を平面状とする。したがって、骨組みを使うことがないので輸送に有利であり、加えて解体や組み立てにおいて時間がかからない。さらに、外形が立方体であるにも関わらず、外形を形成する各面を平面状とすることが可能となる。
【0046】
また、内側袋体3の膨らみを十分に保つとき、形状保持部材Kが内部から外側袋体2を支えた状態で、風船構造体1が起立しているので、形状保持部材が内部から外側袋体を支えることにより、外側袋体の各面四隅は各頂点方向に引っ張られるため、各面を容易に平面状とすることができる。
【0047】
なお、本実施形態については、外側袋体2に吐出弁20を設けて外側袋体2内の気体を外側袋体2の外側、ここでは外気に吐き出すようにしたが、図13及び図14に示すように、吐出弁20にかえて、外側袋体2の側面に複数の小穴状の吐出穴2aを設け、これら吐出穴2aを介して外側袋体2内の気体を外気に吐き出すようにしてもよい。なお、吐出穴2aはわざわざ外側袋体2に設けられたものでなくても、例えば、布で構成された外側袋体2の縫い目や、布の目等を吐出穴2aと見立ててもよい。また、吐出弁20と吐出穴2aを併用してもよい。
【0048】
また、本実施形態では、内側袋体3に供給弁10と供給穴3aを設け、内側袋体3内の気体を外側袋体2との空間に供給するようにしたが、図13及び図14に示すように、供給弁10を取除き、供給穴3aだけを介して内側袋体3内の気体を外側袋体2との空間に供給するようにしてもよい。なお、上述したように、このとき、供給穴3aをわざわざ内側袋体3に設けるのではなく、例えば、布で構成された内側袋体3の縫い目や、布の目等を供給穴3aと見立てて使用してもよい。
【0049】
なお、本実施形態については、住宅展示場での広告に限られるものではなく、例えば、小型にして家庭用おもちゃとしても良い。
【0050】
(第二実施形態)
次に、図8、図15及び図16を参照して、本発明の第二実施形態に係る風船構造体1について説明する。本実施形態はびっくり箱を模しており、図8は、図16に示す供給弁10の固定弁部12と回転弁部13の組付き姿勢を示す平面図であり、(a)は固定孔12aと移動孔13aが重なった状態、(b)は部分的に重なった状態、(c)は完全に重なりがずれた状態を示す。図15は、本発明の第二実施形態に係る風船構造体を示す斜視図である。図16は、図15のB−B線断面図である。なお、第一実施形態で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0051】
この風船構造体1も、第一実施形態で示したものと同様に、外側袋体2、内側袋体3、吐出弁20、供給弁10、送風装置4、台座7および支持板9を備える。なお送風装置4は、商用電源などの電源部Dに接続し、この電源部Dから供給される電力によって作動させる。
第一実施形態と相違する箇所は、変形部Hと変形部用吐出弁30(なお、変形部用吐出弁30を変形部用吐出穴にかえることもできるし、両者を併用することもできる)を備えたこと、外側袋体2に設けられた吐出弁20を変形部Hとの間に設けたこと、また電源部Dには送風装置4に加え、供給弁10が接続されていることである。
【0052】
この供給弁10の回転弁部13は、本実施形態では第一実施形態とは異なり、電力が供給されているため、モーター11によって回転軸11bとともに回転しながら、供給弁10を開放する開放位置と供給弁10を閉鎖する閉鎖位置との間を移動する。すなわち、図8(a)に示すように、移動孔13aが固定弁部12の固定孔12aに重なり供給弁10を開放する開放位置において気体を通す状態と、図8(b)に示すように、移動孔13aが固定弁部12の固定孔12aに一部重なり供給弁10を一部開放する開放位置において気体を通す状態と、図8(c)に示すように、移動孔13aが固定弁部12の固定孔12aに重なることなく供給弁10を閉鎖する閉鎖位置において気体を遮断する状態とを繰り返す。
【0053】
変形部Hは、吐出弁20によって供給される気体によって容易に膨れる布やビニールなどの軟質材であり、外側袋体2から突出形成されており、板状の蓋状部Iと伸縮部Jとからなる。
蓋状部Iは、外側袋体2の底面と同じ大きさの正方形であり、一辺は外側袋体2の一辺と共有している。なお、本実施形態では、蓋状部Iはびっくり箱の蓋を模している。
伸縮部Jは、その端部が蓋状部Iと外側袋体2に隙間無く接し、伸縮部Jと蓋状部Iと外側袋体2で囲まれた空間に気体を収納することができる。この空間内に気体が入れば容易に膨れ、また空間内より気体が出れば収縮する。
変形部用吐出弁30は、設置位置の区別のため便宜上呼び方を吐出弁20と相違させているが、吐出弁20と同じ構造をしており、伸縮部Jに設けられている。吐出弁20と同様の方法で、吐き出す気体の量を設定する。
【0054】
本実施形態における風船構造体1の作動のうち、第一実施形態と相違点は、供給弁10における気体の断続供給と、外側袋体2に設けられた吐出弁20(なお吐出弁20にかえて外側袋体2と変形部Hとの間に吐出穴を設けるようにしてもよい)を変形部Hとの間に設けたことと、変形部Hに関してのみであり、残りの第一実施形態で示したものと同一部分に関しては第一実施形態と同一の作動を行う。
【0055】
内側袋体3に送風装置4から供給された気体は、供給弁10と供給穴3aを介して外側袋体2と内側袋体3との空間内に供給される。
この供給弁10は、モーター11の回転軸11bが回転することによって、回転弁部13が回転し、回転弁部13の移動孔13aが固定弁部12の固定孔12aと重なった状態で、内側袋体3の気体をこの固定孔12aと移動孔13aを通して、外側袋体2と内側袋体3との空間内に供給する。
【0056】
次に、外側袋体2と内側袋体3との空間内の気体の一部は、吐出弁20から変形部H内に吐き出され、残りの気体は、第一実施形態と同様、内部気体取入口5から流路6を通じて送風装置4に導かれ、再び内側袋体3の内部へ供給される。
この供給弁10の開放にともなう気体の供給により、吐出弁20を通じ、変形部Hの内部圧力が上昇して伸縮部Jは膨らみ起立状態を形成する。これにより、蓋状部Iは図15に示すX方向に立ち上がる。この際、吐出弁20から変形部Hに供給される短時間あたりの気体流量は、変形部用吐出弁30によって大気中に吐き出される単位時間あたりの気体流量より多く設定しているので、変形部Hは容易に膨らむ。また、内側袋体3には、送風装置4によって連続的に気体が供給されているので、変形部Hには、供給弁10から吐出弁20を通じ、充分な量の気体を供給することができる。
【0057】
この状態から、モーター11の回転軸11bおよび回転弁部13の回転によって移動孔13aが固定孔12aからずれて気体の供給が遮断されると、変形部Hの気体が変形部用吐出弁30から大気中に吐き出されて内部圧力が減少する。これによって、伸縮部Jが縮んで屈曲し、それに加えて蓋状部Iの自重によって前倒状態となる。これにより、蓋状部Iは図15に示すY方向に前倒する。なお、この際、外側袋体2と内側袋体3との空間内に気体は供給されないが、送風装置4から供給される気体で内側袋体3の内部圧力は十分に保たれ、形状保持部材Kが外側袋体2を支持しているので、外側袋体2が自重で潰れることはない。
【0058】
続いて、モーター11の回転軸11b等の回転によって、移動孔13aが固定孔12aに再び重なると、変形部Hに気体が供給されて膨らみ起立状態を形成する。こうした動作を繰り返すことによって、変形部Hを断続的に変形させる。
【0059】
このような風船構造体1によれば、外側袋体2、内側袋体3、吐出弁20、供給弁10、送風装置4、台座7、支持板9、変形部Hおよび変形部用吐出弁30によって、第一実施形態で示したものと同様に骨組みを使わずに、外形を形成する立方体の各面が平面状とすることが可能となり、且つ変形部Hを断続的に変形することができる。すなわち、供給弁10の断続的な開放又は閉鎖動作によって気体を吐出又は遮断するようにし、変形部Hを供給弁10の開放にともなう気体の供給によって起立状態とし、供給弁10の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって起立状態を前倒状態とするように断続的に変形させたので、広告として面白みがある。また、立方体の各面を平面状として表現でき、且つ断続的屈曲変形する風船構造体が実現できたので、広告のデザインの幅が広がるといった効果が得られる。
【0060】
なお、本実施形態については、内側袋体3に設けた供給弁10の弁をモーター11の回転で断続的に開放又は閉鎖させることによって変形部Hを変形させるようにしたが、供給弁10にかえて、変形部Hと外側袋体2との間に設けた吐出弁20に電源部Dを接続して吐出弁20の弁をモーターの回転で断続的に開放又は閉鎖させることによって変形部Hを変形させるようにしてもよい。また、供給弁10と吐出弁20の両方の弁を回転させることによって変形部Hを断続的に変形させることもできる。
【0061】
また、図17に示すように、変形部Hと外側袋体2との間に設けた吐出弁20を取除くとともに、変形部Hと外側袋体2との間に供給弁10を設け、外側袋体2内の気体を変形部H内に吐き出す変形部用供給弁として機能させ、その供給弁10を、弁の断続的な開放又は閉鎖動作によって気体を吐出又は遮断するようにし、変形部Hを弁の開放にともなう気体の供給によって起立状態とし、弁の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって起立状態を前倒状態とするように断続的に変形させるようにしてもよい。
【0062】
なお、本実施形態では変形部Hはびっくり箱の蓋としたが、これに限られるものではなく、この他に例えば、人の腕や動物の尻尾等を模したものでも良い。
また、住宅展示場での広告に限られるものではなく、例えば、小型にして家庭用おもちゃとしても良い。
【0063】
(第三実施形態)
次に、図18を参照して、本発明の第三実施形態に係る風船構造体1について説明する。本実施形態の構成は、第一実施形態における気体をヘリウムガスとしたこと以外、第一実施形態と同じである。
ヘリウムガスボンベGは、チューブTを介してヘリウムガスを外部気体取入口8に供給するものである。チューブTの一端は外部気体取入口8と密着されており、外部気体取入口8からはヘリウムガス以外の気体は入らない。なお、供給されたヘリウムガムは、第一実施形態に係る風船構造体1と同様に、風船構造体1内を循環して吐出弁20から外気に吐き出される。
これにより風船構造体1は大気中に浮遊可能となる。
【0064】
このような風船構造体1によれば、第一及び第二実施形態と同様に、骨組みを使わずに、外形を形成する立方体の各面が平面状とすることが可能で、且つヘリウムガスによって大気中に浮遊可能となる。したがって、より注目を集めることができるといった効果が得られる。
【0065】
なお、本発明の実施形態に係る風船構造体の外側袋体2と内側袋体3の構成は、第一乃至第三実施形態のように略相似形の立方体に限られるものではなく、2つの直方体でもよく、また図19に示すように、例えば、(a)外側袋体2が三角柱で且つ内側袋体3も三角柱のもの、(b)外側袋体2が三角柱で且つ内側袋体3が三角錐のもの、(c)外側袋体2が立方体で且つ内側袋体3が三角柱のもの、(d)外側袋体2が立方体で且つ内側袋体3が三角柱のもの、(e)外側袋体2が三角錐で且つ内側袋体3が三角錐のもの等、外側袋体2と内側袋体3により二重構造となっているものは含まれる。
ただし、外側袋体2と内側袋体3との空間が広いと、従来の外側袋体2のみの風船構造体の構成に実質近づいてしまい、外側袋体2の各面を平面状とすることが難しくなるため、この空間が狭くなるような外側袋体2と内側袋体3の組み合わせを選ぶことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第一実施形態に係る風船構造体を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1に示す風船構造体の底面図である。
【図4】図1に示す風船構造体の分解斜視図である。
【図5】図1に示す風船構造体の供給弁を示す断面図である。
【図6】図5に示す供給弁の回転弁部を示す平面図である。
【図7】図5に示す供給弁の固定弁部を示す平面図である。
【図8】図5に示す供給弁の固定弁部と回転弁部の組付き姿勢を示す平面図であり、(a)は固定孔と移動孔が重なった状態、(b)は部分的に重なった状態、(c)は完全に重なりがずれた状態を示す。
【図9】図1に示す風船構造体の吐出弁を示す断面図である。
【図10】図9に示す吐出弁の回転板を示す平面図である。
【図11】図9に示す吐出弁の固定板を示す平面図である。
【図12】図9に示す吐出弁の固定板の回転板の組付き姿勢を示すもので、(a)は通孔と孔部が重なった状態、(b)は部分的に重なった状態、(c)は完全に重なりがずれた状態を示す。
【図13】本発明の第一実施形態に係る別の風船構造体を示す分解斜視図である。
【図14】図13に示す風船構造体を示す断面図である。
【図15】本発明の第二実施形態に係る風船構造体を示す斜視図である。
【図16】図15のB−B線断面図である。
【図17】本発明の第二実施形態に係る別の風船構造体を示す断面図である。
【図18】本発明の第三実施形態に係る風船構造体が浮遊した状態を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る風船構造体の他の実施形態を示すもので、(a)は外側袋体が三角柱で且つ内側袋体も三角柱のもの、(b)は外側袋体が三角柱で且つ内側袋体が三角錐のもの、(c)は外側袋体が立方体で且つ内側袋体が三角柱のもの、(d)は外側袋体が立方体で且つ内側袋体が三角柱のもの、(e)は外側袋体が三角錐で且つ内側袋体が三角錐のものである。
【図20】従来例に係る立方体の風船構造体を示す斜視図であり、破線は理想的な立方体を示す。
【符号の説明】
【0067】
1 風船構造体
2 外側袋体
2a 吐出穴
3 内側袋体
3a 供給穴
3b 切欠部
4 送風装置
5 内部気体取入口
6 流路
7 台座
8 外部気体取入口
9 支持板
10 供給弁
11 モーター
11a 駆動部
11b 回転軸
12 固定弁部
12a 固定孔
12b 挿通孔
13 回転弁部
13a 移動孔
13b 組付孔
14 ナット
20 吐出弁
21a 通孔
21b 嵌合孔
22 回転板
22a 孔部
22b 貫通孔
23 摘み部
24 皿ネジ
25 雌ネジ
30 変形部用吐出弁
C キャスター
D 電源部
F ファスナー
G ヘリウムガスボンベ
H 変形部
I 蓋状部
J 伸縮部
K 形状保持部材
M 面ファスナー
N 保護ネット
Q 固定ネジ
R 長穴
S 気体取入調整部
T チューブ
U 下部角形状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が多角柱又は多角錐で、内部に気体が充填されてなる風船構造体であって、
前記外形を形成する、下方が開口した軟質材製の外側袋体と、
前記外側袋体に包含され、前記外側袋体と空間を隔てて配置された、下方が開口した軟質材製の内側袋体と、
前記外側袋体に設けられ、前記外側袋体内の気体を前記外側袋体の外側に吐き出す吐出弁又は吐出穴と、
前記内側袋体に設けられ、前記内側袋体内の気体を前記外側袋体との空間に供給する供給弁又は供給穴と、
前記内側袋体内に気体を供給する送風装置と、
前記送風装置が取付けられるとともに、気体を吸い込む内部気体取入口と、前記内部気体取入口から吸い込まれた気体を前記送風装置に導く流路が形成され、前記内側袋体の開口部を蓋状に覆い密封する台座と、
前記台座を内方位置で支持し、気体を外部から取込み前記台座に形成された流路に導く外部気体取入口が形成され、前記外側袋体の開口部を蓋状に覆い密封する支持板と、を備え、
前記支持板に形成された前記外部気体取入口から取込まれた気体と、前記外側袋体と内側袋体との空間内の気体を、前記送風装置を介して前記内側袋体内に供給し、前記内側袋体内の気体を前記供給弁又は供給穴を介して前記外側袋体と内側袋体との空間内に供給し、その空間内の気体の一部を前記吐出弁又は吐出穴から前記外側袋体の外側に吐き出すとともに残りの気体を前記送風装置に導くようにして、前記外側袋体を形成する各面を平面状とすることを特徴とする風船構造体。
【請求項2】
前記外側袋体に突出形成された軟質材製の変形部と、
前記変形部に設けられ、前記変形部内の気体を大気中に吐き出す変形部用吐出弁又は変形部用吐出穴と、をさらに備えるとともに、
前記外側袋体に設けられた前記吐出弁を前記変形部との間に設け、前記外側袋体内の気体を前記変形部内に吐き出すようにし、
前記供給弁及び前記吐出弁のうち少なくとも一つを、弁の断続的な開放又は閉鎖動作によって気体を吐出又は遮断するようにし、前記変形部を前記弁の開放にともなう気体の供給によって起立状態とし、前記弁の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって前記起立状態を前倒状態とするように断続的に変形させることを特徴とする請求項1に記載の風船構造体。
【請求項3】
前記外側袋体に突出形成された軟質材製の変形部と、
前記変形部に設けられ、前記変形部内の気体を大気中に吐き出す変形部用吐出弁又は変形部用吐出穴と、
前記外側袋体と前記変形部との間に設けられ、前記外側袋体内の気体を前記変形部内に吐き出す変形部用供給弁と、をさらに備えるとともに、
前記変形部用供給弁を、弁の断続的な開放又は閉鎖動作によって気体を吐出又は遮断するようにし、前記変形部を前記弁の開放にともなう気体の供給によって起立状態とし、前記弁の閉鎖にともなう気体の供給遮断によって前記起立状態を前倒状態とするように断続的に変形させることを特徴とする請求項1に記載の風船構造体。
【請求項4】
前記内側袋体の外形は、前記外側袋体の外形と略相似形であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の風船構造体。
【請求項5】
前記外側袋体の外形を立方体又は直方体としたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の風船構造体。
【請求項6】
前記内側袋体の外形は、前記外側袋体の外形と略相似形であるとともに、前記外側袋体の外形を立方体又は直方体とし、
しかも、前記内側袋体の上部頂点から相対向する前記外側袋体の上部頂点に延び、前記外側袋体を支持して前記六面体の形状を保持する形状保持部材を備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の風船構造体。
【請求項7】
前記気体をヘリウムガスとして、大気中に浮遊可能にしたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の風船構造体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2009−251259(P2009−251259A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98910(P2008−98910)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(507325781)
【出願人】(508105201)