説明

飛翔体用空気圧縮型エンジン

本発明は、飛翔体用の空気圧縮型のエンジンに関する。従来の航空機用のエンジンは、構造が複雑であり、高価な航空機用の燃料を消費し、操作中において極めて大きな雑音を生み出す。従って、本発明は、圧力室内の高温及び高圧のガスを発生するためのターボ過給機を備えた空気圧縮機を使用し、航空機を垂直方向に離陸/着陸、又は空気中に浮遊、前方に飛行させるためにノズルを通じて圧縮空気を排出することによって発生する反力である推進力を使用する。単純な構造から恩恵によって、航空機のエンジンの製造コストは、著しく低減することができる。航空機の垂直方向の上昇及び着陸は、圧力室内の圧縮空気の方向付けられた排出を変化させることによって、達成させることができる。コストを抑制し、且つ高い燃焼値と共に燃焼できる一般的に使用させるガソリン又はディーゼルは、高価な航空燃料の代わりに使用されることができる。さらに、発生される雑音は、かなり小さい。上記の構成によって、例えば車のようにジェット型の有人の航空機を製造することが可能であり、航空機を垂直方向に離陸/着陸するために一般人によって操作されることができ、単純な操作手順を介して市街地領域に便利に輸送することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンジェットエンジンタービンジェットエンジンに関し、特に飛翔体用の空気圧縮型エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
現在における既知のタービンジェットエンジンは、吸気タービン(intake turbo)によって吸気し、燃焼室内での航空燃料(aviation kerosene)の燃焼によって発生した熱によって、吸気された空気を暖め、暖められて膨脹した後に吸気された空気を後方に急速に排出し、その後反力を利用することにより、飛翔体を前方に飛行させることができる。そのようなエンジンにおいて、以下のような幾つかの不利点が存在する。
【0003】
(1).エンジンの構成は非常に複雑であり、その製造コストは極めて高い。その構造が非常に単純で製造コストが低く、一般的な車両で使用される内燃エンジンとは異なり、飛翔体用ジェットエンジンは一般に最大数百万ドルのコストを要し、飛翔体の製造及び利用を否定的に制限する。
【0004】
(2).燃焼室内で暖められた直後に空気された空気を後方に向かって急速に排出するためには、燃料が急速に燃焼され、良好な効率を有していることが必要とされる。その結果として、コストを抑え、且つ高い燃焼値で燃焼可能である一般に使用されるガソリン又はディーゼルではなく、低い燃焼値で燃焼可能な高価な航空燃料のみが利用可能である。
【0005】
(3).燃焼室内で暖められた直後に吸気された空気を後方に向かって急速に排出することによって、高いエネルギーを有した状態で排出された空気流は安定せず、その排出方向に関する前記空気流の制御は困難を伴うものとなる。この問題を克服するために、過度に複雑な空気流の排出方向を変化させることによって飛翔体を垂直方向に上昇/下降させる技術が開発された。上記の問題は大規模な人的資源及び物的資源によって解決されたが、飛翔体の操作がさらに困難になったので、その適用性及び受容性は悪化した。1つの明白な例として、高コストの垂直離着陸戦闘機である英国の“ハリアー(HARRIER)”が挙げられる。英国のエンジニアが、莫大なコストを利用し空気流の方向を変化させることによって、飛翔体を垂直方向に上昇/下降させるための困難な問題を解決し、さらには適格なパイロットが厳選に厳選を重ねて選ばれ、“ハリアー”を操作するための訓練を施されたが、“ハリアー”の事故率は他の種類の戦闘機よりも著しく高く、失われた“ハリアー”の大部分は、“ハリアー”の複雑な操縦手順に起因して偶発的に墜落したものである。
【0006】
(4).従来の飛翔体用のジェットエンジンでは、燃焼室を隔離することができない。このために、燃焼室内で燃料を急激に燃焼させることによって生じる大きな騒音は排出される空気流と共に外界(outside)に直接伝播されるので、市街地から数マイル離れた場所に空港を建設せざるを得ない。例えは、アメリカのトマホーク巡航ミサイル(TOMAHAWK Cruise Missile)に採用された小型飛翔体用のエンジンのような、小型の飛翔体用のエンジンでさえ、その動作中に人々の神経に障るような大騒音を発生させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[本発明の内容]
本発明の目的は、従来の航空機用ジェットエンジンの上記問題を解決し、航空機用の空気圧縮型エンジンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決するために、吸気ポート、ターボ過給機を備えた空気圧縮機、燃焼室、及び後部ノズルを備えている航空機用の空気圧縮型エンジンであって:圧力室が、前方に飛行するための推進力を与えるための前記後部ノズルと前記燃焼室との間に配置され;前記ターボ過給機を備えた空気圧縮機が、前方伝達軸に結合されている吸気タービン、大型過給タービン、及び小型過給タービンを含み、後方伝達軸に結合されている前方駆動タービン及び後方駆動タービンをさらに含み;変速ギアボックスが前記前方伝達軸と前記後方伝達軸との間に配置され、前記燃焼室が前記変速ギアボックスの後方に配置され、ノズル部材が前記燃焼室の前端部に配置され;前記吸気タービン及び前記大型過給タービンによって数段階に亘って加圧された後に、空気の大部分は主吸気路に流入する一方、空気の残りは小型過給タービンによってさらに加圧された後副吸気路に流入し;前記副吸気路に流入した空気は、強力な爆発燃焼を生じさせるために前記燃焼室の前方部で燃料ノズルによって噴射された燃料と混合され、前記主吸気路に流入した空気は、前記燃焼室の後部で爆発燃焼している状態でガスに混合され、空気中の酸素は、残留した未燃焼燃料を容易に燃焼し;爆発燃焼によって発生する高温且つ高圧のガスは、前記前方駆動タービンを駆動し回転させるために排出フェンスの排気ポートを介して排出され、その後に前記後方駆動タービンを駆動し回転させるための前記後方駆動タービンのカバーの吸気ポートを通過し、最後に圧力室に流入し、前記前方駆動タービン及び前記後方駆動タービンの回転によって発生する大きなトルクは、前記後方伝達軸を介して前記変速ギアボックスに作用し、前記前方伝達軸の回転速度を高めることによって、前記前方伝達軸に結合された前記吸気タービン、前記大型過給タービン、及び前記小型過給タービンを高速で回転させ、より多くの空気を吸気して、これにより高い圧力を発生し、吸気された空気は強制的に前記主吸気路及び前記副吸気路を通過され、且つ前記燃焼室に流入され;前記圧力室内に流入した高温且つ高圧のガスは、航空機を前方に飛行させるために前記後部ノズル部材を介して排出可能とされることを特徴とする航空機用の空気圧縮型のエンジンである。
【0009】
上記の構成によって、本発明は、圧力室における高温及び高圧のガスを発生するためにターボ過給機を備えた空気圧縮機を使用し、航空機を垂直方向に離陸/着陸、空気中に浮遊、及び前方に飛行させるためにノズルを介して圧縮空気を排出することによって発生される反推進力(reaction thrust force)を使用する。単純な構造からの利益を享受されることによって、航空機のエンジンの製造コストが劇的に減少されることができる。航空機の垂直方向への上昇及び着陸は、圧力室内の圧縮空気の排出方向及び流速を変化することによって達成させることができる。コストを抑制し、且つ高い燃焼値の状態で燃焼が可能である一般的に使用されるガソリン又はディーゼルは、高価な航空燃料を使用する代わりに使用されることができる。さらに、発生される雑音はかなり小さい。上記の構成によって、車のようなジェットタイプの有人の小型航空機を製造することが可能になり、垂直方向に離陸/着陸するために一般人によって操作され、且つ単純な操作手順を介して市街地領域内に便利に輸送することができる。
【0010】
前記排出フェンスが前記燃焼室の底部に配置され、前記排出フェンスの前記排気ポートは、前記排出フェンスの平面に対して60°の角度を成し、前記排出フェンスの前記排気ポートの全面積は、前記排出フェンスの面積の3分の1であり、それにより燃焼室内に発生する高温且つ高圧の空気流は、所定の角度で排出され、より大きい推進力を発生させるためにより効果的により大きい圧力で前記前方駆動タービン上に作用され;高温に対する耐性を有する断熱材のカバーが前記後方伝達軸上に配置され、前記後方伝達軸が燃焼することを防止し、それにより前記後方伝達軸の動作寿命を延ばし;後方駆動タービンカバーが前記後方駆動タービン上に配置され、前記後方駆動タービンには6つの吸気ポートが開口され、6つの前記吸気ポートの全面積が前記排出フェンス上の前記排気ポートの全面積と等しく、前記後方駆動タービンの吸気ポートを介して排出される前記空気流は、前記後方駆動タービンをさらに回転駆動させ、且つ前記後方駆動タービンの排気ポートを介して前記圧力室内に流入し;この構成によって、前記燃焼室内の温度及び且つ圧力が著しく大きくなり、燃料の爆発燃焼によって発生する高温且つ高圧の空気流は、最適の角度で最も効果的に前方駆動タービン及び後方駆動タービン上に作用することができ、それによりターボ過給機を備えた空気圧縮機が圧力室内のより高い圧力を発生させることができる。
【0011】
より具体的には、航空機の前記メイン支持フレームは、中空であり、エンジンの圧力室の一部として形成され、2つの部分、すなわち中空の左側メイン支持フレーム及び中空の右側メイン支持フレームに分割される。これにより前記航空機の内部空間を効率的に使用可能となり、前記エンジンによって占有される内部容積を低減可能とされる。前記圧力室は、中空の左側メイン支持フレームに連通し、中空の右側メイン支持フレームが切替部材を介して前記中空の左側メイン支持フレーム及び下部ノズル部材に接続され、後部ノズル部材が前記中空の右側メイン支持フレームの端部に設けられ;前記切替部材は、前記中空の左側メイン支持フレームを通過して前記中空の右側メイン支持フレームに向かって流し、その後に前記航空機を前方に飛行させるために前記後部ノズルから排出されるように、方へ前記圧力室内の高圧の空気流を制御するか、又は前記中空の左側メイン支持フレームを通過して前記下部ノズル部材に向かって流し、その後に前記下部ノズルグループから排出されるように、前記圧力室内の前記高圧の空気流を制御することができる。前記下部ノズルグループを備えた前記下部ノズル部材の前面は、前記下部ノズルグループが全方位に前記空気流を排出可能である適切な前後左右の方向に偏向可能であり、それにより前記航空機を離陸/着陸、減速、浮遊、ゆっくりと前後左右に移動させるために駆動可能である。
【0012】
下部ノズルグループから成る複数の小型ノズル(実用的要求に応じて変更可能な、一般的に4列に配置された16個のノズル)は、航空機の下方に排出された空気流の空気排出領域を拡大させるために前記下部排出部材の空気排出面内に設けられる。この構成によって、前記航空機の前記下面に排出された前記空気流が地面に作用される力は、大幅に低減され、上昇するための航空機の支持領域は増加させ、それにより離陸/着陸のプロセスの際の操縦が容易且つ安定化される。
【0013】
後部ノズル部材が航空機の前方への移動のために推進力を提供する働きをしている状態で、航空機を上昇/下降、減速、空中での浮遊、及び前後左右に僅かに移動させるための推進力を提供している下部ノズル部材は、実用的要求に応じて後述している方法で、代替方法で設計されることもできる。
【0014】
より具体的には、右前部ノズル部材、左前部ノズル部材、右後部ノズル部材、及び左後部ノズル部材は前記圧力室上に設けられている。前記ノズル部材のそれぞれは、制御部及び空気流切替バルブを備えている。前記制御部は、前記ノズル部材を180°に亘り前方、下方、及び後方に回転するように制御するために使用される。前記後部ノズル部材は、航空機が前方に飛行することを可能にし、4つの別のノズル部材によって発生される反力が、航空機を垂直方向に減速、浮遊、離陸/着陸するために駆動することができる。そのような構成によって、4つのノズル部材が航空機に適用される場合に、上述した4つの下部ノズルは、垂直方向に離陸するために下方に空気流を排出し、推進力を増加するために後方に空気流を排出し、且つ航空機を減速するために前方に空気流を排出する。(航空機が離陸しようとする場合に、4つのノズル部材は、開口され、下方へ面している垂直方向に調節される。その後エンジンが始動し、且つ付随しているノズルの空気流は、航空機を安定して離陸させるために航空機の状態により調整される。航空機が5m又はそれよりも高く地面の上方に上昇する場合、4つの下部排出ノズル部材の排出方向は、上方及び前方の合成力を発生するように後方へ回転し、且つ所定の角度で上方へ及び前方へ航空機を飛行させる。航空機は所定の高度に上昇する場合に、4つの下部排出ノズル部材の排出方向を180°後方に回転させる。後部ノズル部材は、4つの下部ノズル部材が航空機を水平に飛行させるために徐々に閉じる間に徐々に開口される。4つの下部ノズル部材が完全に閉じるとすぐに、後部ノズル部材が完全に開口され、その後一般的なジェット型の飛行機を操作するための方法で、操縦者は航空機を操作することができる。航空機が着陸しようとする場合、4つの下部ノズル部材の排出方向が前方へ回転される。後部ノズル部材は、4つの下部ノズル部材が徐々に開口される間に徐々に閉じられ、徐々に航空機を減速させる。4つのノズルが完全に開口されるとすぐに、後部ノズル部材が完全に閉じる。航空機が所定の速度に減速された場合に、4つの下部ノズル部材の排出方向は徐々に後方に回転されることができ、従って、上方及び下方の合成推進力を発生し、徐々に航空機を減速させ、且つ徐々に降下させ;その後、4つの下部ノズル部材の排出方向は、下方に回転されることができ、それらの排出速度は、垂直方向に低速で航空機を着陸させる。)これは、航空機の適用性及び運動性を改善する。
【0015】
より具体的には、前記空気流切替バルブは、シャッターバルブ及び前記調整バルブから成り、以下の点で特徴付けられる:
【0016】
1.前記シャッターバルブのバルブスプールは、楔状の部材であり、前記高圧空気の吸気ポートが前記バルブスプールと通路の壁との間における熱的な収縮/膨張の割合の差に起因して堅固に閉じられるという問題を解消し;前記バルブスプールが、高圧の空気の吸気ポートの前方を遮断し、前記バルブスプールの面積は、高圧の空気の吸気ポートの面積よりも3分の1よりも大きいので、前記圧力室内の高圧空気の圧力は、調整バルブのバルブスプール上に直接的に作用せず、それにより前記バルブスプールが常に高圧状態のままであるということを原因として、調整バルブのねじ部が損傷されることによって生じる高圧空気の自動的な排出のために起こることを防止する;
【0017】
2.前記調整バルブの前記バルブシャフトの中間部に固定され、前記調整バルブの前記バルブ本体は対応するシール面を備え、前記調整バルブの前記バルブシャフトの前部及び後部は前記調整バルブの前記バルブ本体のねじ部と係合し、前記調整バルブの前記バルブシャフトには、密封ねじ部が設けられる。ノズルが開口される場合に、最初にシャッターバルブに結合される駆動モータはシャッターバルブのシャフトを上昇させ始め、シャッターバルブを上方に移動するようにさせ、高圧の空気のために吸気ポートを最終的に開口する。その時に、調整バルブのバルブシャフトに結合される駆動モータは、後方へ移動するために調整バルブのバルブシャフトを調整し始める。これは、高圧の空気のための吸気ポート及びノズルを開口させ、その後圧力室内の高圧の空気はノズルから排出される。調整バルブのバルブスプールが円錐台状部材であるので、バルブスプールの後方の移動長さは、高圧の圧力室から排出された高圧の空気の流速を決定することができ、それによりノズルから発生される推進力を制御することができる。
【0018】
前記ノズルが閉鎖された場合に、前記調整バルブの前記バルブシャフトに結合された駆動モータは、前記バルブシャフトが前方へ移動するように駆動開始し、その後に高圧ガスのための吸気ポート及びノズルを閉鎖することにより、前記圧力室内の高圧空気が前記ノズルを通じて排出されることを防止する。前記調整バルブの前記バルブスプールは、密封ねじ部を有する円筒状部材をその前端部に備えている円錐台状部材であり、前記調整バルブの前記バルブシャフトに固定され、且つ前記通路のねじ部と共に締め付け可能であり、その結果として前記調整バルブの前記バルブスプールは前記高圧空気のための吸気ポートを確実に閉鎖可能とされる;
【0019】
3.前記シャッターバルブの前記バルブシャフトのナットと前記調整バルブの前記バルブシャフトのナットとの両方が、前記排出される空気流を制御及び調整するために前記駆動モータによって駆動される。
【発明の効果】
【0020】
上記の技術的解決方法を用いることによって、本願発明は以下の利点を有する:
【0021】
(1).本発明のターボ過給機を備えた空気圧縮機の構造は、相当単純になり、吸気タービン、大型過給タービン、小型過給タービン、前方駆動タービン、後方駆動タービン、変速ギアボックス、燃焼排出部材、燃料チャンバーの壁、空気排出フェンス、及び後方駆動タービンのカバーで構成される。それによって、飛翔体のための空気圧縮型エンジンの製造コストは低くなり、頑丈なトラック(heavy-duty truck)のための一般的な内部燃焼エンジンのように単純で安価であり、航空機の大衆性を手助けする。
【0022】
(2).本発明のターボ過給機を備えた空気圧縮機によって発生される高圧の空気流は、すぐに外部に排出されず、代わりに航空機の圧力室に排出され、圧力室内の高温且つ高圧のガスを発生している。従って、空気流は、比較的長い時間間隔で十分な環境の高温、高圧、及び酸素の状態のままであることができる。従って、燃料は最大限に燃焼することができ、且つ最小限のエネルギーを解放することができ、燃料の効率を著しく増加する。この方法において、燃料によって発生される排気ガスによる環境に対する汚染は、低減することができ、低価格を除いて高い燃料値である一般的に使用されるガソリン又はディーゼルを使用することができる。この方法において、航空機は、より大量の航空燃料の燃焼によって発生される略同一のレベルのエネルギーを発生するためにより少ない一般的なガソリン又はディーゼルを実行することができる。これは、航空機の積載効率を改善し、操作的な維持のためのコストを著しく低減する。
【0023】
(3).本発明のターボ過給機を備えた空気圧縮機によって発生される高圧の空気流は、すぐに外部に排出されず、代わりに航空機の圧力室内に排出され、圧力室内に高温且つ高圧のガスを発生される。従って、圧力室は、排出された空気流のために緩衝域として使用されることができ、排出された空気流の流速の安定性を改善し、航空機の操作を容易にする。圧縮空気の排出方向及び圧縮空気の流速は、一般的に使用される工業用の空気圧縮機及び空気作動装置のように、低コストで便利に制御されることができる。これは、航空機の操作性の利便性を与え、自動車のようにジェット型の航空機を製造することができ、便利な方法で垂直方向に離陸/着陸するために一般人によって操作されることができる。
【0024】
(4).圧力室が燃焼室の後方にあるので、燃焼室内の燃料の爆発燃焼によって生み出される雑音は、圧力室内の高圧のガス及び外部に拡散することなく主吸気路を通過する高密度且つ高圧の空気流によって分離され、且つ吸収されることができる。飛翔体用の空気圧縮型エンジンの操作中に、(自動車を操作するのと同じくらい静かな)比較的弱弱しい雑音は、吸気タービンによる吸気及びノズル部材による空気流の排出のために発生され、自動車のようにジェット型の有人の航空機を製造することが可能になり、市街地領域内に輸送することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
従来の技術と比較して、本発明の空気圧縮機型の飛翔体用のエンジンは、重要な実質的な特徴を有し、注目すべき進歩を示す。従来の飛翔体用のジェットエンジンと比較して、実質的に区別している特徴は、以下である:従来の飛翔体用のジェットエンジンによって排出された空気流の流速はとても大きい一方、空気流の圧力は十分高くはない。本発明の空気圧縮型の飛翔体用のエンジンは、とても高い圧力を除いて平均的な流速の状態で空気流を排出することができる。従来の飛翔体用のジェットエンジンは、比較的高い空気密度の低高度では問題なく動作可能である。航空機は比較的低い空気密度の高高度(例えば20000m)で飛行する場合には、動作効率は著しく低減し、最悪の場合には推進力が失われる。従来の航空機用のジェットエンジンは、効果的な推進力を発生するために大量の空気流を取り込む必要があるからである。しかしながら、空気圧縮型の飛翔体用のエンジンは、効果的な推進力を発生させるためのあまり多くない空気を取り込むことが必要であり、従って、空気濃度が低い(例えば、高度40000m程度の)高高度で操作されることができ、大気圏の縁部付近でさえ操作可能である。有利な技術的効果は明らかである。
【0026】
そのような航空機(いわゆる“航空旅客機”)がうまく製造される場合において、我々が映画”STAR WAR”で見られる(垂直方向に離陸/着陸することができ、市街地領域に輸送することができるような)ジェット航空機は、実現することができる。市街地の外観及び建築の様式は、それに応じて変化することができる。輸送(carriage)がそれらの年月における航空機によって置き換えられる状態のように、人々の社会全体は十分に変えることができる。
【0027】
本発明は、航空機用の空気圧縮型エンジン及び自律航行型ロケット(self-employed rocket)を備え、(従来のスペースシャトル及び大きな推進力を有するキャリアーロケット(carrier rocket)のための製造コストよりも低く)一般的な民間ジェット航空機の製造コストと同程度に低い製造コストで製造可能であり、一般的な空港を利用して離陸/着陸可能であり、空気を取り込み、一般的なガソリンを燃焼させ、大気圏の境界へ飛行し、その後自律航行型ロケットを起動し宇宙空間に到達可能な、新しいタイプのスペースシャトルにも適用可能とされる。シャトルが宇宙空間から戻ってこようとしている場合に、ロケットに使用されるシャトル自体は最初に減速を開始され、且つ空気圧縮型の飛翔体用のエンジンは再始動され、ノズルは大気圏の縁部に達する場合に前方に移動するために制御されることができる。空気圧縮型の飛翔体用のエンジンは、空気を取り込み、且つ重力の引力を克服するために大きな推進力を発生するために一般的なガソリンを燃焼し、スペースシャトルの速度を減速し、長距離間を比較的遅い速度(亜音速)で大気圏内を飛行し且つ一般的な民間の空港に着陸するために一般的な民間の航空機のようにスペースシャトルを操作する。
【0028】
シャトルが大気圏外に出るために加速し且つ大気圏に戻るために減速する場合には、新しいタイプのスペースシャトルによって使用されるロケットは短時間で簡単に操作可能である。従って、新しいタイプのスペースシャトルは、飛翔のために少量のロケット燃料及び酸素を有していれば良いので、スペースシャトルの積載量を向上させることができる。高速で大気圏中を移動した場合に数千度まで上昇する従来の宇宙カプセル(space capsule)とは異なり、シャトルが大気圏に突入した場合に航空機用の圧縮空気エンジンによって減速される新しいタイプのスペースシャトルは数千℃まで上昇しないので、従来の宇宙カプセルやスペースシャトルに備えられた重厚な断熱カバー(massiness heat insulation cover)は必要とされない。これによって、新しいタイプのスペースシャトルの積載量がさらに効果的に高められる一方で、その製造コストは低減される。
【0029】
新しいタイプのスペースシャトルが空気を取り込むことによって、及び一般的なガソリンを燃焼することによって長距離間を比較的遅い速度(亜音速の速度)で大気圏内を飛行するために一般的な民間の航空機のように操作可能であるので、新しいタイプのスペースシャトルは、24時間且つ全天候において一般的な民間の航空機のような民間の空港に着陸でき、それによって、宇宙飛行のためのコストをかなり減少することができる。
【0030】
(低コスト且つ高い積載量である)空気圧縮型の航空機のエンジンを備える新しいタイプのスペースシャトルがうまく製造された場合に、宇宙空間の開拓は、民間の航空機に搭乗するように、安価且つ便利に宇宙空間へいくことができ、且つ宇宙空間から帰ることができる新しい段階に突入するだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、添付された図面に関係して好ましい実施形態によって議論されるべきである。
【0032】
詳細な説明において、各構成要素は、それぞれ1つの参照符号によって表示される。参照符号1は、ターボ過給機を備えた空気圧縮機を参照する;参照符号2は、チタン合金のハウジングを参照する;参照符号3は、圧力室を参照する;参照符号4は、空気吸気ポートを参照する;参照符号5は、右前方のノズル部材を参照する;参照符号6は、左前方のノズル部材を参照する;参照符号7は、右後方のノズル部材を参照する;参照符号8は、左後方のノズル部材を参照する;参照符号9は、後方ノズル部材を参照する;参照符号10は、吸気タービンを参照する;参照符号11は、大型過給タービンを参照する;参照符号12は、小型過給タービンを参照する;参照符号13は、変速ギアボックスを参照する;参照符号14は、空気流切替バルブ部材を参照する;参照符号15は、燃料ノズルを参照する;参照符号16は、後方伝達軸を参照する;参照符号17は、断熱カバーを参照する;参照符号18は、空気排出フェンスを参照する;参照符号19は、空気排出フェンスの排気ポートを参照する;参照符号20は、燃焼室を参照する;参照符号21は、燃焼室の壁を参照する;参照符号22は、1cmの幅の主吸気路を参照する;参照符号23は、0.2cmの幅の副吸気路を参照する;参照符号24は、シャッターバルブのスプールを参照する;参照符号25は、前方駆動タービンを参照する;参照符号26は、後方駆動タービンを参照する;参照符号27は、後方駆動タービンのカバーを参照する;参照符号28は、後方駆動タービンのカバーの吸気ポートを参照する;参照符号29は、後方駆動タービンの排気ポートを参照する;参照符号30は、調整バルブのスプールを参照する;参照符号31は、調整バルブのシャフトを参照する;参照符号32は、調整バルブの本体を参照する;参照符号33は、調整バルブのシャフトのナットを参照する;参照符号34は、駆動モータを参照する;参照符号35は、前方伝達軸を参照する;参照符号36は、右側のメイン中空ブラケットを参照する;参照符号37は、空気流切替部材を参照する;参照符号38は、下部ノズル部材の取り入れ通路を参照する;参照符号39は、後部ノズルの取り入れ通路を参照する;参照符号40は、下部ノズル部材を参照する;参照符号41は、下部ノズル部材の小型ノズルを参照する;42は、左側のメイン中空ブラケットを参照する。
【0033】
図1及び図2に示されるように、吸気タービン10は、吸気ポート4を介して外部空気を取り込む。吸気は、高圧の空気流の状態になるために大型過給タービン11によって加圧され、空気の大部分が1cmの幅の主吸気路22を介して燃焼室20に入いる一方、空気の残りが高圧の状態で空気流になるために小型過給タービン12によってさらに加圧され、0.2cmの幅の副吸気路23のみを介して燃焼室20に入り、且つ爆発燃焼のために燃料ノズル15によって排気される霧状態の燃料とさらに混合される。燃焼ガスは、メイン取り込み口から流入した大量の空気とさらに混合され、空気中の酸素と共に燃え、その結果、燃焼室内の空気の温度が著しく増加し、それ故に高圧を引き起こす。排出フェンス18の全ての排気ポート19の全面積が主吸気路及び副吸気路の全面積よりもはるかに大きいので、且つ主吸気路及び副吸気路の長さが排出フェンス18の厚さよりも大きいので、燃焼室内の高圧の空気は、排出フェンスの排気ポート19を介して所定の角度で素早く排出され、前方駆動タービン25を高速で回転するように駆動し、従って、伝達軸16を回転するように駆動する。排出フェンス18の排気ポート19は、排出フェンス18が排出される空気流をより効果的に前方駆動タービン25上に作用させるために配置される平面に対して60°で方向に方向づけられる。図3において、後方駆動タービンのカバー27は、後方駆動タービン26上に設けられ、カバーでは、後方駆動タービン26のカバーの6個の吸気ポートを開口される。6個の吸気ポートの全面積は、排出フェンスの排気ポートの全面積に等しい。後方駆動タービンのカバーの吸気ポート28から排出された空気流は、高速でタービン26を回転するような最も効果的な角度で後方駆動タービン26をさらに駆動し、後方駆動タービン26の排気ポート29を介して圧力室3に流入する。さらに、タービン26は、後方伝達軸16に力を作用し、且つ前方駆動タービン25と協働して後方伝達軸16を回転させる。そのような構成は、著しく上昇している燃焼室20内で温度及び圧力を生じ、燃料の爆発燃焼によって発生する高速な空気流を最大限に前方駆動タービン25及び後方駆動タービン26上に作用し、その結果として、許容可能な最も高い圧力の圧縮空気がターボ過給機を備えた空気圧縮機によって圧力室3内に発生可能である。
【0034】
図2において、変速ギアボックス13によって設けられた移動手段によって、後方伝達軸16は、前方伝達軸35を後方伝達軸16の回転速度を3倍早く回転させ、吸気タービン10、大型過給タービン11及び小型過給タービン12を前方駆動タービン25及び後方駆動タービン26の回転速度より3倍早く回転させるように駆動する。それによって、十分な高圧状態で燃焼室20に流入する空気流を生み出している。
【0035】
図4において、燃焼室20内の燃料排出部材は、3つのグループに分割された9個の燃料ノズル15で構成され、各グループは、均等に離隔された3つの燃料ノズル15を含む。燃料ノズル15の3つのグループは、自動車の3つのギア位置に類似し、燃料ノズル15の異なるグループの操作状態を変化することによって、且つ各排出ノズル15によって燃料の量を制御することによって、操作者は、航空機の推進力及び速度を制御することができる。例えば、航空機が垂直方向に上昇する場合に最大の推進力が要求される場合、9個の燃料ノズル15の3つのグループは、同時に燃料を噴出するように制御可能であり、各燃料ノズル15は、最大の推進力を提供するように最大量の燃料を噴出することができる。航空機が水平に飛行する場合、単に3つの燃料ノズル15の1つのグループは、燃料を噴出するように操作する必要があり、別の6個のノズル2つのグループは、燃料を節約するために閉じられることができる。操作された3つの燃料ノズルによって排出された燃料の量は、航空機の飛行速度を変えるために変化することができる。
【0036】
主吸気路22を通過している高圧の空気流は、高密度な空気バリアを形成し、その爆発燃焼の間に燃焼室20内の燃料によって発生された大きな雑音を離隔し、且つ吸収する。圧力室3内の高圧のガスは、その爆発燃焼の間に燃焼室内の燃料によって発生される大きな雑音をさらに離隔し、且つ吸収する。これは、その爆発燃焼の間に燃焼室20内の燃料によって発生される大きい雑音を外側に伝達することを妨げることに役立ち、従ってエンジンの操作中の雑音を最小限にすることができる。
【0037】
主吸気路22を通過している高圧の空気流は、燃焼室の壁の熱を取り除き、燃料の爆発燃焼によって発生されるエネルギーは効果的に使用される。主吸気路22を通過している高圧の空気流は、爆発燃焼の後でガスと混合される。空気流内に含まれる大量の酸素は、未燃焼燃料の燃焼をさらに容易にする。酸素が十分であり、且つ空気流は比較的長い間に燃焼室20及び圧力室30内の高温及び高圧の環境に留まるので、燃料は最大の範囲にそのエネルギーを発生するように完全に燃焼されることができる。発生される熱は、燃焼室3において高圧のガスの温度及び圧力をさらに増加する。これは、燃料の燃焼を最適化するために有用であり、さらには、低い燃焼値を有する高価な航空燃料ではなく、(例えば、一般的に使用されるガソリン又はディーゼルのような)低コストだが高い燃焼値であるために燃焼が困難な燃料を使用可能とされる。この方法において、航空機は、より大量の航空燃料の燃焼によって発生されるような略同一レベルのエネルギーを発生するために一般的なガソリン又はディーゼルの量をより少量で実行することができる。これは、航空機の積載効率を改善し、エンジン操作の間に排出される排気ガスを減少させ、環境保護の役に立つ。
【0038】
ノズルの全面積が後方駆動タービン26の排気ポート29の全面積よりも小さいので、排気ポート29から排出された空気流は、圧力室3内で高圧のガスを形成し、非常に速い速度でノズル部材の開口部から排出され、従って、50000Nから60000Nの大きさの範囲の推進力を発生される。これは、垂直方向に離陸し、又は着陸し、且つ前方に飛行するために人々及び4トンから5トンの範囲の重量を運ぶための、小型の航空機を可能にする。圧力室3の形状は、航空機の底部及び尾部の形状に応じて修正することができる。圧力室の壁は、軽量且つ高剛性を特徴とする厚さ2cmのチタニウムから成っているので、圧力室3は航空機の底部又は尾部の形状に形成されることができ、又は航空機のメイン支持フレームが(図8に示されるように)エンジンの圧力室の一部として使用されるための中空の構造に形成され、それにより製造材料及び航空機の重量を節約することができる。航空機が偶発的に墜落された場合において、圧力室3は保護のための壁として役立つこともできる。
【0039】
図1に示されるように、飛翔体用の空気圧縮型エンジンには、4つのノズル部材(5,6,7,及び8)及び1つの後部ノズル部材9が設けられ、航空機の下方に配置される4つのノズル部材(5,6,7,及び8)は航空機の上昇/下降に役立ち、航空機の背後に配置される後部ノズル部材9の1つは航空機のために推進力を提供するのに役立つ。ノズル部材の開閉及びそのノズル部材を通過する空気流は、空気流切替バルブによって制御される。4つのノズル部材(5,6,7,及び8)は、厚さ2cmのチタニウム製のチューブを介して圧力室3に接続され、ノズル部材のそれぞれには、180°に亘り前方/下方/後方にノズルを回転可能にし、且つノズルを僅かに左右に偏向可能にする回転制御部材をさらに設けている。空気流切替バルブは、ノズルを通過している流速を制御し、且つノズルバルブを開閉することが可能である。
【0040】
空気圧縮型のエンジンを操作している間に、少なくとも2つの下部ノズル部材又は少なくとも1つの後部ノズル部材は、例えば、全てのノズルの閉鎖が任意の場合において厳重に禁止されるように、オン状態で保ち続けなければならない。
【0041】
航空機が離陸しようとしている場合、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)は、開口され、下方に面している垂直方向に調整される。そのとき、エンジンはその後点火され、付随している空気流の流速は、航空機を安定して離陸させるために航空機の状態に応じて調整される。航空機は、5m又はそれより高く地面より上方に上昇される場合に、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)の排出方向は、上方及び前方への合成力を発生し、且つ航空機が所定の角度で上方及び前方に飛行するように、後方へ回転させる。航空機が所望の高度に上昇する場合、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)の排出方向は、180°後方へ回転される。後部ノズル部材9は、徐々に開口される一方、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)は、航空機が水平飛行させるために徐々に閉鎖される。4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)が完全に閉鎖されるとすぐに、後部ノズル9は、完全に開口され、その後操縦者は、一般的なジェット機型の航空機と同じようにその航空機を操作することができる。
【0042】
航空機が着陸しようとしている場合、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)の排出方向は前方へ回転される。後部ノズル部材9は、徐々に閉鎖される一方、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)は徐々に開口される。4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)が完全に開口されるとすぐに、後部ノズル部材9は、完全に閉鎖され、航空機が徐々に減速される。目的地を到着している場合、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)の排出方向は下方向に回転され、燃料の噴出量は、徐々に減少し、飛行機を低速で垂直方向に着陸させる。
【0043】
図7に示されるように、矢印の方向は、空気流の流れを示し、空気流切替バルブ部材14は、シャッターバルブ及び調整バルブから構成され、以下に特徴付けられる:
【0044】
1.シャッターバルブのバルブスプール24は、楔形状の部材であり、高圧の空気の吸気ポートがバルブスプールと通路の壁との間における熱的な収縮/膨脹の割合の差に起因して堅固に閉じられるという問題を解消することが可能である。バルブスプール24が高圧の空気の吸気ポートの前方で遮断し、同一の面積は、高圧の空気の吸気ポートの面積より3分の1より大きいので、圧力室内の高圧の空気の圧力は調整バルブのバルブスプール30上で直接作用せず、それによりバルブスプール30が常に高圧の状態のままであるということを原因として、調整バルブのねじ部32が損傷されることによって生じる高圧の空気の自動的な排出を防止する。
【0045】
2.調整バルブのバルブスプール30は、円錐台状部材であり、調整バルブのバルブシャフト31の中間部に固定される。調整バルブの本体には、対応するシール面が設けられている。調整バルブのバルブシャフトの前部及び後部は、調整バルブのバルブ本体のねじ部に係合する。調整バルブのバルブシャフト31には、密封ねじ部が設けられる。ノズルが開口されている場合、最初にシャッターバルブに結合された駆動モータ34は、シャッターバルブのシャフトを上昇され始め、シャッターバルブを上方に移動した状態となり、最終的に高圧の空気のための吸気ポートを開口させる。その瞬間で、調整バルブのバルブシャフト31に結合された駆動モータは、後方へ移動するために調整バルブのバルブシャフト31を調整し始める。これは、高圧の空気流のための吸気ポート及びノズルを開口させ、その後、圧力室内の高圧の空気流は、ノズルから排出されることができる。調整バルブのバルブスプール30が円錐台状部材であるので、バルブスプール30の後方への移動長さは、高圧の圧力室から排出された高圧の空気の流速を決定することができ、それによってノズルから発生される推進力を制御することができる。
【0046】
ノズルが閉鎖しようとする場合、最初に調整バルブのバルブシャフト31に結合された駆動モータは、前方に移動しているバルブシャフト31を駆動し始め、従って、高圧の空気のための吸気ポート及びノズルを閉鎖し、圧力室内の高圧の空気がノズルを介して排気されることを防止する。調整バルブのバルブスプール30は、密封ねじ部と共に円筒状部材が前端部で設けられた円錐台状部材であり、調整バルブのバルブシャフト31に固定され、通路のねじ部と共に締め付け可能である。その結果として、調整バルブのバルブスプール30は、高圧の空気のための吸気ポートに確実に閉鎖可能とされる。
【0047】
3.シャッターバルブのバルブシャフトのナット33及び調整バルブのバルブシャフト31のナットの両方は、排出している空気流を制御し、且つ調整するために駆動モータによって駆動される。
【0048】
航空機を上昇/下降、減速、空中に浮遊、又は前後左右に低速で移動させる働きをする下部ノズル部材、及び航空機の前方への移動のための推進力を提供する働きをする後部ノズル部材は、実用的な要求による以下の方法で代替案として設計されることもできる。
【0049】
図8において、航空機のメイン支持フレームは、中空から成り、従って、エンジンの圧力室の一部として形成され、2つの部分、すなわち中空の左側メイン支持フレーム42及び中空の右側メイン支持フレーム36に分割される。これにより、航空機の内部空間を効率的に使用可能となり、エンジンによって占有される内部容積は低減可能とされる。圧力室3は、中空の左側メイン支持フレーム42に接続される。中空の右側メイン支持フレーム36及び下部ノズル部材40は、切替部材37を介して中空の左側メイン支持フレームに順に接続される。中空の右側メイン支持フレーム36の端部には、後部ノズル部材9が設けられる。切替部材37は、中空の左側メイン支持フレーム42及び後部ノズルの吸気路39を通過して中空の右側メイン支持フレーム36向かって流し、その後航空機を前方に飛行させるために後部ノズル9から排出されるように、圧力室内の高圧の空気流を制御することができる。さらに、圧力室内の高圧の空気流は、中空の左側メイン支持フレーム42及び下部ノズル部材の吸気路38を通過して下部ノズル部材40に向けて流し、その後最終的に下部ノズルグループ41から排出される。下部ノズルグループ41に設けられている下部ノズル部材40の平面は、下部ノズルグループ41が全方位に空気流を排出することが可能であるように前後左右の方向に偏向可能であり、それにより航空機を離陸/着陸、減速、浮遊、又は低速で前後左右に移動するために駆動することができる。
【0050】
図9に示されるように、下部ノズルグループで構成している複数の小型ノズル41(例えば、実用的な要求に応じて変化可能な、一般的に4列に並べられた16個のノズル)は、航空機の下方に排出された空気流の排出領域を拡大させるために下部排気部材40の排出面内に設けられる。これは、航空機の下方に排出される空気流が地面に作用させる力を大幅に低減され減少し、さらに、上昇のための航空機の支持領域は格段に増加する。その結果として、航空機は、離陸/着陸又は浮遊時に比較的より簡単に操作でき、より安定することができる。
【0051】
図8に示されるように、下部ノズル部材40及び後部ノズル部材9の独創的な設計は、図1に示される4つのノズル部材(5,6,7,及び8)及び後部ノズル部材9の設計と比較した場合、操縦者が航空機を操作するためのより科学的且つより容易な方法を提供する。図8に示される設計方法によって、操縦者は、単に1つの切替部材37を制御することによって航空機を離陸/着陸、減速、浮遊又は低速で前後左右に移動するように操作することができる。図1に示される設計では、操縦者は、4つの下部ノズル部材(5,6,7,及び8)及び後部ノズル部材9の5つの切替部材を同時に制御しなければならない。少なくとも1つのノズル部材が偶然的な事故を避けるためにオンの状態であることを確実にしなければならない。従って、図8における設計は、本発明を実施するためのより好ましい実施形態である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】空気圧縮型の航空機用のエンジンの構成を示す図である。
【図2】ターボ過給機を備えた空気圧縮機の構成を示す図である。
【図3】後方駆動タービンのカバーの断面を示す図である。
【図4】圧力室の底部の断面を示す図である。
【図5】燃焼室の底部の断面図を示す図である。
【図6】空気排出フェンスの断面図を示す図である。
【図7】空気流切替バルブの部分断面図を示す図である。
【図8】航空機用の空気圧縮型のエンジンの別の構成を示す図である。
【図9】下部排出ノズルの構成要素の排出インターフェースの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ターボ過給機を備えた空気圧縮機
2 チタン合金のハウジング
3 圧力室
4 空気取り入れ口
5 右前部ノズル部材
6 左前部ノズル部材
7 右後部ノズル部材
8 左後部ノズル部材
9 後部ノズル部材
10 吸気タービン
11 大型過給タービン
12 小型過給タービン
13 変速ギアボックス
14 空気流切替バルブ部材
15 燃料ノズル
16 後方伝達軸
17 断熱カバー
18 空気排出フェンス
19 空気排出フェンスの排気ポート
20 燃焼室
21 燃焼室の壁
22 1cmの幅の主吸気路
23 0.2cmの幅の副吸気路
24 シャッターバルブのスプール
25 前方駆動タービン
26 後方駆動タービン
27 後方駆動タービンのカバー
28 後方駆動タービンのカバーの吸気ポート
29 後方駆動タービンの排気ポート
30 調整バルブのスプール
31 調整バルブのシャフト
32 調整バルブの本体
33 調整バルブのシャフトのナット
34 駆動モータ
35 前方伝達軸
36 右側のメイン中空ブラケット
37 空気流切替部材
38 下部ノズル部材の取り入れ通路
39 後部ノズルの取り入れ通路
40 下部ノズル部材
41 下部ノズル部材の小型ノズル
42 左側のメイン中空ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気ポート、ターボ過給機を備えた空気圧縮機、燃焼室、及び後部ノズルを備えている飛翔体用の空気圧縮型エンジンであって:
圧力室が、前方に飛行するための推進力を与えるための前記後部ノズルと前記燃焼室との間に配置され;
前記ターボ過給機を備えた空気圧縮機が、前方伝達軸に結合されている吸気タービン、大型過給タービン、及び小型過給タービンを含み、後方伝達軸に結合されている前方駆動タービン及び後方駆動タービンをさらに含み;
変速ギアボックスが前記前方伝達軸と前記後方伝達軸との間に配置され、前記燃焼室が前記変速ギアボックスの後方に配置され、ノズル部材が前記燃焼室の前端部に配置され;
前記吸気タービン及び前記大型過給タービンによって数段階に亘って加圧された後に、空気の大部分は主吸気路に流入する一方で、前記空気の残りは前記小型過給タービンによってさらに加圧された後に副吸気路に流入し;
前記副吸気路に流入した前記空気は、強力な爆発燃焼を生じさせるために前記燃焼室の前方部で燃料ノズルによって噴射された燃料と混合され、前記主吸気路に流入した空気は、前記燃焼室の後部で爆発燃焼している状態でガスに混合され、空気中の酸素は、残留した未燃焼燃料を容易に燃焼し;
爆発燃焼によって発生する高温高圧のガスは、前記前方駆動タービンを駆動し回転させるために排出フェンスの排気ポートを介して排気され、その後に、前記後方駆動タービンを駆動し回転させるために前記後方駆動タービンのカバーの吸気ポートを通過し、最後に圧力室に流入し;
前記前方駆動タービン及び前記後方駆動タービンの回転によって発生する大きなトルクは、前記後方伝達軸を介して前記変速ギアボックスに作用し、前記前方伝達軸の回転速度を高めることによって、前記前方伝達軸に結合された前記吸気タービン、前記大型過給タービン、及び前記小型過給タービンを高速で回転させ、より多くの空気を吸気して、これにより高い圧力が発生し、吸気された空気は強制的に前記主吸気路及び前記副吸気路を通過され、前記燃焼室に流入され;
前記圧力室内に流入した高温高圧のガスは、航空機を前方に飛行させるために前記後部ノズル部材を介して排出可能とされるか、又は前記航空機を垂直方向に離陸/着陸させ、減速させ、空中に浮遊させ、又は低速で前後左右に移動させるために前記下部ノズル部材を介して排出可能とされることを特徴とする空気圧縮型エンジン。
【請求項2】
前記排出フェンスが前記燃焼室の底部に配置され、前記排出フェンスの前記排気ポートは、前記排出フェンスの平面に対して60°の角度を成し、前記排出フェンスの前記排気ポートの全面積は、前記排出フェンスの面積の3分の1であり、それにより燃焼室内に発生する高温且つ高圧の空気流は、所定の角度で排出され、より効果的に前記前方駆動タービンに作用され;
高温に対する耐性を有する断熱材のカバーが前記後方伝達軸上に配置され、前記後方伝達軸が燃焼することを防止し、それにより前記後方伝達軸の動作寿命を延ばし;
タービンカバーが前記後方駆動タービン上に配置され、前記後方駆動タービンには6つの吸気ポートが開口され、6つの前記吸気ポートの全面積が前記排出フェンス上の前記排気ポートの全面積と等しく、前記後方駆動タービンの吸気ポートを介して排出される前記空気流は、前記後方駆動タービンをさらに回転駆動させ、前記後方駆動タービンの前記排気ポートを介して前記圧力室内に流入し;
この構成によって、前記燃焼室内の温度及び圧力が著しく大きくなり、燃料の爆発燃焼によって発生するエネルギーが最大限に前記前方駆動タービン及び前記後方駆動タービン上に作用し、それにより前記ターボ過給機を備えた空気圧縮機が前記圧力室内に最大圧力を発生させ、空気流が排出されることによって、より効率的に航空機を離陸/着陸及び飛行させるように駆動することを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮型エンジン。
【請求項3】
前記航空機のメイン支持フレームは、中空であり、エンジンの前記圧力室の一部として形成され、2つの部分、すなわち中空の左側メイン支持フレーム及び中空の右側メイン支持フレームに分割され;
これにより前記航空機の内部空間を効率的に使用可能となり、前記エンジンによって占有される内部容積を低減可能とされ;
前記圧力室が中空の左側メイン支持フレームに接続され、中空の右側メイン支持フレーム及び下部ノズル部材が切替部材を介して前記中空の左側メイン支持フレームに接続され、後部ノズル部材が前記中空の右側メイン支持フレームの端部に設けられ;
前記切替部材は、前記中空の左側メイン支持フレームを通過して前記中空の右側メイン支持フレームに向かって流し、その後に前記航空機を前方に飛行させるために前記後部ノズルから排出されるように、前記圧力室内の高圧の空気流を制御するか、又は前記中空の左側メイン支持フレームを通過して前記下部ノズル部材に向かって流し、その後に前記下部ノズルグループから排出されるように、前記圧力室内の前記高圧の空気流を制御し;
前記下部ノズルグループを備えた前記下部ノズル部材の平面は、前記下部ノズルグループが全方位に前記空気流を排出可能となるように適切に前後左右の方向に偏向可能であり、それにより前記航空機を離陸/着陸、減速、浮遊、低速で前後左右に移動させるために駆動可能とされることを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮型エンジン。
【請求項4】
下部ノズルグループから成る複数の小型ノズル(実際的要求に応じて変更可能な、一般に4列に配置された16個のノズル)は、航空機の下方に排出された空気流の空気排出領域を拡大させるために前記下部排出部材の空気排出面内に設けられ;
この構成によって、前記航空機の前記下面に排出された前記空気流が地面に作用させる力は大幅に低減され、上昇するための航空機の支持領域は増加され、それにより離陸/着陸のプロセスの際の操縦が容易且つ安定化されることを特徴とする請求項3に記載の空気圧縮型のエンジン。
【請求項5】
右前部ノズル部材、左前部ノズル部材、右後部ノズル部材、及び左後部ノズル部材は、前記圧力室上に設けられ、
前記ノズル部材のそれぞれには、制御部及び空気流切替バルブを設けられ、
前記制御部は、180°に亘り前方、下方、及び後方に回転させ、且つ僅かに左右に偏向させるように前記ノズル部材を制御するために使用され;
前記後部ノズル部材は、前記航空機が前方に飛行することを可能とし、
4つの他のノズル部材によって発生される反力が、航空機を離陸/着陸、減速、浮遊、前後左右から低速で移動させることができることを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮型のエンジン。
【請求項6】
前記空気流切替バルブは、シャッターバルブ及び調整バルブから成り:
前記シャッターバルブのバルブスプールは、楔状部材であり、前記高圧空気の吸気ポートが前記バルブスプールと通路の壁との間における熱的な収縮/膨張の割合の差に起因して堅固に閉じられるという問題を解消し;
前記バルブスプールが高圧空気の吸気ポートの前方を遮断し、前記バルブスプールの面積が高圧空気の吸気ポートの面積の3分の1よりも大きいので、前記圧力室内の高圧空気の圧力は調整バルブのバルブスプールには直接的に作用せず、それにより前記バルブスプールが常に高圧状態のままであるということを原因として、調整バルブのねじ部が損傷されることによって生じる高圧空気の自動的な排出を防止し;
前記調整バルブの前記バルブスプールは、円錐台状部材であり、前記調整バルブの前記バルブシャフトの中間部に固定され、前記調整バルブの前記バルブ本体は対応するシール面を備え、前記調整バルブの前記バルブシャフトの前部及び後部は前記調整バルブの前記バルブ本体のねじ部と係合し;
前記調整バルブの前記バルブシャフトは、密封ねじ部を備え、前記ノズルが閉鎖された場合に、前記調整バルブの前記バルブシャフトに結合された駆動モータは、前記バルブシャフトが前方へ移動するように駆動開始し、その後に高圧ガスのための吸気ポート及びノズルを閉鎖することにより、前記圧力室内の高圧空気が前記ノズルを通じて排出されることを防止し;
前記調整バルブの前記バルブスプールは、密封ねじ部を有する円筒状部材をその前端部に備えている円錐台状部材であり、前記調整バルブの前記バルブシャフトに固定され、且つ前記通路のねじ部と共に締め付け可能であり、その結果として前記調整バルブの前記バルブスプールは前記高圧空気のための吸気ポートを確実に閉鎖可能とされ;
前記シャッターバルブの前記バルブシャフトのナットと前記調整バルブの前記バルブシャフトのナットとの両方が、前記排出される空気流を制御及び調整するために前記駆動モータによって駆動されることを特徴とする請求項5に記載の空気圧縮型エンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−540983(P2008−540983A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508053(P2008−508053)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【国際出願番号】PCT/CN2006/000730
【国際公開番号】WO2006/116907
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(507358479)