説明

食品包装用ラップフィルム用の詰替容器

【課題】成型と組み立てのしやすさや、切れ味や、使い勝手、コンパクトさ、デザイン性などを向上させ、初心者でも容易に使いこなせる食品包装用ラップフィルム用の詰替容器を提供する。
【解決手段】サイドキャップをロックレバーとフレキシブル丁番とスペーサーと軸穴に放射状に切れ目を設けた回転圧板を内蔵したバヨネット式に改め、切断具A取り付け用の溝を片側が鉛直で傾斜側に畔状の突起を有するV字溝とし、切断具B取り付け用の溝を近接して並行する線状突起又は溝を有するV字溝として、切断具Bには長手方向片側を棒縁で補強した薄手で低剛性の焼き入れリボンを用い、前後蓋体裏面に蓋体牽引フックを、フィルム引き出し口前縁に円弧状の切り欠きを、本体底辺に指掛かりと置き脚を兼ねた小突起を形成し、化粧カバーで覆ったエプロン部を前方上方へ仰向けて設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切断具に焼き入れリボンを用いた食品包装用ラップフィルム用の詰替容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の切断具に焼き入れリボンを用いた食品包装用ラップフィルム用の詰替容器としては特許第4143934号がある(特許文献1参照)。
【0003】
以下、図7、図8により、従来の詰替容器について説明する。図において、従来の切断具に焼き入れリボンを用いた食品包装用ラップフィルム用の詰替容器は、巻回された食品包装用ラップフィルムを回転自在に収納する円筒状本体1′の上面と前面をエプロン部7′と曲面体からなる中折れ式蓋体4′で開閉自在に覆い、両端を回転圧板10′を有する跳ね上げ式のサイドキャップ8′で開閉自在に閉じ、焼き入れリボンの切片からなるAB対をなす切断具の切断具A11′aをX字状に形成してエプロン部7′裏面に、切断具B11′bを横一直線状に形成して本体1′前面上部の曲面部に設け、上記中折れ式蓋体4′を介して切断具A11′aをその回転方向と回転半径を変化させながら回動させることによって、対向して噛み合う切断具AB11′a、11′bの稜角同士を連続して点的に接触させ、以て、両者間に引き出された食品包装用ラップフィルムを挟み切るようにしている。そして、バヨネット式のブラケット2′を介して、中折れ式蓋体4′と切断具B11′bとサイドキャップ8′を本体1′に嵌め込み式に取り付け、ブラケット2′底辺を置き脚兼丁番部14′として、サイドキャップ8′を頭頂の留め具9′で係止し、厚手で高剛性の焼き入れリボンからなる切断具AB11′a、11′bをエプロン部7′裏面と本体1′前面上部に設けた傾斜溝12′に嵌め込んで固定し、フィルム引き出し口13′前縁をわずかに山型に形成して、前部蓋体5′と一体成型したエプロン部7′を本体1′前面に鉛直に設けている。また、特許文献1の明細書[0045]において、「中折れ式蓋体4′にバネ又は弾性体を設けてエプロン部7′を常時内側へ限定的に屈曲させ、該蓋体4′を閉じただけで引き出したフィルムが切断できるようにしてもよい」としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特許第4143934号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に述べた従来の食品包装用ラップフィルム用の詰替容器においては、バヨネット嵌め込み式のブラケット2′や、サイドキャップ8′、切断具取り付け用の傾斜溝12′などの構成が複雑で成型と組み立てがしにくく、ブラケット2′底辺の置き脚を兼ねた丁番部14′やサイドキャップ8′頭頂の留め具9′がコンパクトさを損ね、厚手で高剛性の焼き入れリボンを用いた切断具AB11′a、11′bの切れ味は円滑さを欠き、わずかに山型に形成したフィルム引き出し口13′前縁は、過度に粘着したフィルムの切り口がつまみ取りにくく、一体に成型されたエプロン部7′と前部蓋体5′は、質感の差異化が困難で外観デザインの自由度を制限し、鉛直に設けたエプロン部7′は人間工学的に合理性を欠き、上記の明細書においては、「中折れ式蓋体4′にバネ又は弾性体を設けてエプロン部7′を常時内側へ限定的に屈曲させ、該蓋体4′を閉じただけで引き出したフィルムが切断できるようにしてもよい」としながら、その実施例が示されておらず、初心者が使いこなすには慣れを必要とするといった問題があった。
【0006】
本発明はこのような従来の構成が有していた問題を解決しようというものであり、成型と組み立てのしやすさや、切れ味や、使い勝手、コンパクトさ、デザイン性などを向上させ、示されていなかった実施例を示すことによって、初心者でも容易に使いこなせる食品包装用ラップフィルム用の詰替容器を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、上記目的を達成するために、本発明は従来の本体両端部のブラケットを廃し、サイドキャップをロックレバーとフレキシブル丁番とスペーサーと回転圧板を内蔵したバヨネット式に改め、エプロン部裏面の切断具A取り付け用の溝を片側が鉛直で傾斜側に畔状の突起を有する断面形状V字形のV字溝とし、本体1前面上部の切断具B取り付け用の溝を近接して平行する線状突起又は溝を有するV字溝として、該切断具Bには長手方向片側を断面形状S字形の棒縁で補強した薄手で低剛性の焼き入れリボンを用い、前後蓋体裏面に中折れ部を挟んで蓋体牽引フックを、フィルム引き出し口前縁に円弧状の切り欠きを、本体底辺中央部に指掛かりと置き脚を兼ねた小突起を形成して、エプロン部を人間工学的に掴み取りやすい角度で前方上方へ上向かせ、該エプロン部を化粧カバーで覆っている。
【0008】
上記の主な解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、従来のブラケットを廃した本体とバヨネット式サイドキャップは、構成を単純化してコンパクト化に寄与し、切断具A取り付け用の片側が鉛直で傾斜側に畔状の突起を有するV字溝と、切断具B取り付け用の線状突起又は溝を有するV字溝は、成型と組み立てを容易にし、切断具Bの薄手で低剛性の焼き入れリボンは、稜角上の微細な凹凸を吸収して切れ味を円滑にする。また、フィルム引き出し口前縁の円弧状の切り欠きは、過剰に粘着したフィルムの切り口をつまみ取りやすくし、指掛かりと置き脚を兼ねた本体底辺の小突起は、コンパクト化に寄与して本体を滑りにくくするとともに、人間工学的に理に適った掴み取りやすい角度でエプロン部を前方上方へ上向かせ、その前面を覆う化粧カバーは、一体成型したエプロン部と前部蓋体との質感の差異化を可能にしてデザイン性を向上させ、前後蓋体裏面に中折れ部を挟んで設けた蓋体牽引フックは、ゴムリング又はバネリングを懸架されてエプロン部を常時内側へ屈曲させ、適度に力を添えて該エプロン部を押し出すだけでフィルムが切れるようにして、初心者でも容易に使いこなせるようにする。
【発明の効果】
【0009】
上述したように本発明の食品包装用ラップフィルム用の詰替容器は、成型と組み立てのしやすさや、切れ味や、使い勝手、コンパクトさ、デザイン性などを向上させ、初心者でも容易に使いこなせるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の詰替容器(蓋体開放時)を示した斜視図である。
【図2】同詰替容器(サイドキャップ開放時)を示した斜視図である。
【図3】(a)同本体前面を示した斜視図である。(b)同本体背面を示した斜視図である。
【図4】同サイドキャップの構成を示した斜視図である。
【図5】同中折れ式蓋体(裏面)の構成を示した斜視図と部分断面図である。
【図6】(a)同切断具Aの構成を示した斜視図である。(b)同切断具Bの構成を示した斜視図と部分拡大図である。
【図7】従来の詰替容器(蓋体開放時)を示した斜視図である。
【図8】同詰替容器(サイドキャップ開放時)を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図3に示す実施例において、本発明の本体1は、従来同様巻き回された食品包装用ラップフィルムを回転自在に収納する円筒状体の両端部内面に、小口から内側に向けてサイドキャップ20のバヨネット爪23が嵌合する3個のL字溝2を形成し、その頂点に位置するL字溝2に近接して、ロックレバー26が嵌合してバヨネットをロックするコの字形の切り欠き5aを、フィルム引き出し口3前縁に円弧状の切り欠き4を、前面上部に切断具B50b取り付け用のV字溝51bと近接して並行する線状突起又は溝52を、背面両側に後部蓋体42後端の同様突起が嵌合して蓋体丁番48を形成するマカロニ状突起を、その下の底辺寄りにフレキシブル丁番30先端部が固定される平型スリーブ8と、該丁番屈曲部32の当接する切り欠き5bを、底辺中央部の前方寄りに指掛かりと置き脚を兼ねた小突起11を、それぞれ形成して設ける。
【0013】
上記のロックレバー26が嵌合してバヨネットをロックする断面形状コの字形の切り欠き5aは、バヨネット爪23がL字溝2に十分に嵌り切った状態で、後述の外殻21裏面の断面形状逆向きのコ字形の切り欠き27と向かい合わせに合体して断面形状〔〕形の開口部を形成するように設け、指掛かりと置き足を兼ねた小突起11は、組み付けられたエプロン部40前面が、本体1ともども人間工学的に掴み取りやすい角度で前方上方へ上向いて置かれるように適切な厚みの3角山型に形成して設ける。切断具B50b取り付け用のV字溝51bと近接して並行する線状突起又は溝52は、後述の切断具B50b補強用の棒縁56の上下段を嵌め込んで固定するにふさわしい形状に設ける。L字溝2の数はサイドキャップ20側のバヨネット爪23の数と併せて必ずしも3個に限らなくてもよい。フィルム引き出し口3前縁の円弧状の切り欠き4は、通常とは逆向きに回転するように装填されたロール(特許文献1明細書[0043]参照)から引き出されたフィルムが該切り欠き4上で二重になって露出し、過剰に粘着した切り口近傍をつまみ取りやすくする。平型スリーブ8の開口部はフレキシブル丁番30の厚みに合わせてスリット状に形成し、上面に該丁番30先端部に設けた抜け止め34の嵌合する小窓9を形成して設ける。
【0014】
図1、図2と図4に示す実施例において、本発明のサイドキャップ20は、本体1両端の小口に当接して開閉自在に係止される円盤状体を外殻21として、その裏面に、3個ののバヨネット爪23を等間隔に配したフランジ状のバヨネットリング22と、頭頂部のくびれた回転軸24を一体に形成し、該回転軸24に、ロックレバー26と、フレキシブル丁番30と、スペーサー37と、回転圧板35を順次嵌め込んで設ける。
【0015】
上記バヨネットリング22は、その頂点のバヨネット爪23と外殻21裏面に挟まれた円環部に、内側から外側へ向けて幅狭のスリット状開口部25aを貫通させ、その延長上にある外殻21外縁裏面を断面形状コの字形に切り欠いて、バヨネット開閉に際して押し返されたロックレバー26先端部が一時的に嵌合して待避する切り欠き27を設ける。また、左右のバヨネット爪23、23に挟まれたバヨネットリング22底辺の円環部には、回動するサイドキャップ20に対して固定されて直交するフレキシブル丁番30を通すために、幅広のスリット状開口部25bを設ける。その際、該開口部25bの間口は、本体1両端に左右相称に固定されるフレキシブル丁番30への対応として、バヨネット開閉に要するサイドキャップ20の回転角よりフレキシブル丁番30中間部の幅の分だけ幅広にとり、さらにその両端からその分だけ内側へ入った2カ所に、円環部上面から外殻裏面の適切な深度まで貫通させて抜け止め付きピン39挿入用の小穴38、38を設ける。このようにして設けられた余分な空間は、サイドキャップ20が本体1両端に取り付けられた際、各自の幅広のスリット状開口部25bにおいて左右相称に異なった側に生じるので、組み付けに際しては、あらかじめ適切な側の小穴38を選んで抜け止め付きのピン39を

ャップ20開放時の外殻21の徒な回転が排除され、サイドキャップ20を閉じる際にL字溝2とバヨネット爪23が合わせやすくなるとともに、部品としての外殻21を左右共用として、コストの削減にも役立つ。なお、幅狭と幅広のスリット状開口部25a、25bの内側の角は、いずれも面取りをして、ロックレバー26又はフレキシブル丁番30を差し込みやすくする。
【0016】
ロックレバー26は硬質の板状弾性体で片口のスパナー型に形成し、その開口部をU字型に形成して軸穴28とし、持ち手に相当する部分の付け根側を幅広に、先端部を幅狭に形成して、わずかに内側へ屈曲させて設ける。その際、該先端部の長さは、幅狭のスリット状開口部25aに通して、その頭頂部がサイドキャップ20の頂点から必要最小限に、指先をかけて引くに十分なだけ露出するものとする。該ロックレバー26先端部は、本体1側の切り欠き5aに嵌合してバヨネットをロックする。
【0017】
フレキシブル丁番30は折り曲げ耐性に富んだ板状弾性体を帯状に成型し、その幅を段階的に狭めて最も幅広の部分に適切な余裕を持たせた縦長の軸穴31を設け、次に広い中

止め34を形成して設ける。上記回転軸24に嵌め込まれた縦長の軸穴31は長手方向にスライドして伸縮自在とし、屈曲部32はサイドキャップ20を開閉自在に支持する。該屈曲部32には適宜折り線などを設けてもよい。
【0018】
スペーサー37は、上記回転軸24に見合った軸穴を有する適切な長さの砲弾型に形成して設ける。ロール装着時のスペーサー37は、回転圧板35の押圧力を受けて同軸に嵌め込まれたロックレバー26とフレキシブル丁番30を固定し、サイドキャップ20開放時は、該丁番30のスライドを妨げない程度に押さえて固定する。
【0019】
回転圧板35は、従来同様適度の剛性を有する弾性体でプロペラ型に形成し、軸穴36に放射状に切れ目を設けて成型する。頭頂部のくびれた回転軸24に該軸穴36を押し込んで回転自在に取り付けられた回転圧板35は、同軸に嵌め込まれたロックレバー26とフレキシブル丁番30とスペーサー37を固定して抜け止めとしても機能する。該回転圧板35は、収納されたフィルムロールを両端部から回転自在に支持する。
【0020】
本発明のサイドキャップ20は以上のように構成されているで、これを組み付けるには、上述のように本体1両端のいずれの側に供するかであらかじめ適切な側の小穴38に抜け止め付きのピン39を挿入固定しておいた外殻21に、まず、ロックレバー26先端部をバヨネットリング22頂点の幅狭のスリット状開口部25aに差し込んでU字型の軸穴28を回転軸24に嵌め込み、ついで、フレキシブル丁番30の先端部を該リング22底辺の幅広のスリット状開口部25bに通して外部へ露出させながら縦長の軸穴31を回転軸24に嵌め込み、最後に、スペーサー37と回転圧板35を順次回転軸24に嵌め込んで係止した後、底辺から突き出た抜け止め34の付いた先端部を平型スリーブ8に挿入して固定すればよい。ボールペンの先などで抜け止め34を押し込んで引けば、フレキシブル丁番30は容易に抜き取ることができる。
【0021】
サイドキャップ20開放時、上記のロックレバー26は上述のように幅狭のスリット状開口部のバヨネット爪23側に寄せられているが、サイドキャップ20が押し込まれて該バヨネット爪23が本体1側のL字溝2に進入すると、レバー頭頂を本体1側の小口に押し返されて外殻21裏面の一時待避用切り欠き27内に嵌入し、そのままサイドキャップ20とともに押し回しにされ、バヨネット爪23がL字溝2に嵌り切って、本体1側の切り欠き5aと一時待避切り欠き27が対向して合体した瞬間、本体1側の切り欠き5aに嵌入してバヨネットをロックする。ロックを解除してサイドキャップ20を開放するには、頂点に露出したレバー頭頂を指先で手前へ引きながらサイドキャップ20を逆回しにすればよい。サイドキャップ20の開閉は左右逆回しとなる。フレキシブル丁番30は通常型の丁番ほど左右上下の開角を限定しないので、ロールの装填や巻き芯の排出時の妨げとなるサイドキャップ20を柔軟に脇へ押しやることができる。
【0022】
図1、図2と図5に示す実施例において、エプロン部40は従来同様前部蓋体41と一体に成型して、片側が鉛直で傾斜側に畔状の突起58を有する断面形状V字形のV字溝51aを切断具A50a取り付け用の溝とし、その前面をアルミ板又は樹脂板などで成型した化粧カバー53で覆って設け、本体1底辺の指掛かりと置き脚を兼ねた小突起11を介して、本体1ともども人間工学的に掴み取りやすい角度で前方上方へ仰向かせて設ける。エプロン部40裏面の前部蓋体41との境には開閉時の緩衝材としてフェルト54などを貼付し、前面中央部にはエラストマーゴムなどを貼付して滑り止め55とする。
【0023】
図1と図5に示す実施例において、従来示されていなかった「エプロン部を常時内側へ屈曲させ」る実施例として、本発明においては、前後蓋体41、42裏面に中折れ部丁番49を介して屈曲する中折れ部を挟んで2点係止と1点係止の蓋体牽引フック44、45を対向させて設ける。その際、該フック44、45はいずれもできるだけ平板に設け、蓋体閉止時はフィルム引き出し口3前縁の円弧状切り欠き4と後縁間に嵌入して装着したフィルムロールに抵触しないものとする。以上のように形成された蓋体牽引フック44、45は、適切な強度のゴムリング又はバネリング46を懸架されてエプロン部40を常時内側へ屈曲させ、適度に力を添えてエプロン部40を押し出すだけで引き出したフィルムを切断できるようにするとともに、初心者でも容易に使いこなせるようにする。
【0024】
図5と図6(a)に示す実施例において、本発明の切断具A50aは従来同様厚さ0.4ミリ前後の厚手で高剛性の焼き入れリボンの切片60aを用い、両端部を適切に成形して左右切片の交点に相欠き59を設け、幅方向へ傾斜させてX字状に形成し、裏面をエプロン部40裏面に設けたV字溝51aの傾斜側に両面テープで粘着し、底辺を鉛直側の底辺に突き当てて固定して設ける。幅方向へ傾斜してX字状に組みつけられた切断具A50aは、長手方向底辺をV字溝底辺の鉛直壁に固定され、剛性を補強されて、V字溝51aから外れて抜け出すことはない。
【0025】
図1、図3(a)と図6(b)に示す実施例において、切断具B50bは厚さ0.2ミリ前後の薄手で低剛性の焼き入れリボンの切片60bを用い、長手方向片側を断面形状S字形の棒縁56の上段に嵌め込んでカシメるなどして設け、上段を本体1前面上部の曲面部に設けた切断具B50b取り付け用のV字溝51bに、下段を近接して並行する線状突起又は溝52に突き当て又は嵌め込んで両面テープで固定し、両端部をビス57などで固定して設ける。棒縁56は適切な剛性を有するアルミ又は樹脂などを用いて上段開口部を狭く、下段開口部を広くとって成型する。以上のように構成された薄手で低剛性の切断具B50bによって、互いに摺動し合う切断具AB50a、50bの稜角上の微細な凹凸が吸収され、切れ味が円滑となる。
【0026】
なお、サイドキャップ20閉止時の見当として、本体1両端頂点部のL字溝2の位置する円筒部外面とサイドキャップ20頂点部のバヨネット爪23近傍には目印14を設ける。また、中折れ部丁番49と蓋体丁番48とフレキシブル丁番30は、通常型の丁番を後付けにして設けてもよい。折り曲げ耐性に富んだ素材で、前後蓋体41と42同士、又は前後蓋体41、42と本体1同士、又はサイドキャップ20と本体1同士を一体に成型し、その接続部を適切に薄く形成して丁番部とすることも可能である。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、成型と組み立てのしやすさや、切れ味、使い勝手、コンパクトさ、デザイン性などが向上し、初心者でも容易に使いこなせる食品包装用ラップフィルム用の詰替容器となるものである。
【符号の説明】
【0028】
1 本体
2 L字溝
4 円弧状の切り欠き
5a ロックレバー嵌合用切り欠き
5b フレキシブル丁番嵌合用切り欠き
8 平型スリーブ
11 指掛かりと置き脚を兼ねた小突起
20 サイドキャップ
21 外殻
22 バヨネットリング
23 バヨネット爪
25a 幅狭のスリット状開口部
25b 幅広のスリット状開口部
26 ロックレバー
27 ロックレバー一時退避用切り欠き
30 フレキシブル丁番
35 回転圧板
37 スペーサー
40 エプロン部
41 前部蓋体
42 後部蓋体
44 2点係止蓋体牽引フック
45 1点係止蓋体牽引フック
50a 切断具A
50b 切断具B
51a 切断具A取り付け用V字溝
51b 切断具B取り付け用V字溝
53 化粧カバー
56 棒縁
1′ 従来の本体
2′ 同ブラケット
7′ 同エプロン部
8′ 同サイドキャップ
11′a 同切断具A
11′b 同切断具B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回された食品包装用ラップフィルムを回転自在に収納する円筒状本体(1′)の上面と前面をエプロン部(7′)と曲面体からなる中折れ式蓋体(4′)で開閉自在に覆い、両端を回転圧板(10′)を有する跳ね上げ式のサイドキャップ(8′)で開閉自在に閉じ、焼き入れリボンの切片からなるAB対をなす切断具の切断具A(11′a)をX字状に形成してエプロン部(7′)裏面に、切断具B(11′b)を横一直線状に形成して本体(1′)前面上部の曲面部に設け、上記中折れ式蓋体(4′)を介して切断具A(11′a)をその回転方向と回転半径を変化させながら回動させることによって、対向して噛み合う切断具AB(11′a、11′b)の稜角同士を連続して点的に接触させ、以て、両者間に引き出された食品包装用ラップフィルムを挟み切ることを特徴とする特許第4143934号の食品包装用ラップフィルム用の詰替容器(特許文献1参照)において、従来の本体(1′)両端部に嵌め込まれたブラケット(2′)を廃して、サイドキャップ(20)をロックレバー(26)とフレキシブル丁番(30)とスペーサー(37)と軸穴に放射状に切れ目を設けた回転圧板(35)を内蔵したバヨネット式に改め、エプロン部(40)裏面の切断具A(50a)取り付け用の溝を片側が鉛直で傾斜側に畔状の突起(58)を有する断面形状V字形のV字溝(51a)とし、本体(1)前面上部の切断具B(50b)取り付け用の溝を近接して並行する線状突起又は溝(52)を有するV字溝(51b)として、該切断具B(50b)には長手方向片側を断面形状S字形の棒縁(56)で補強した薄手で低剛性の焼き入れリボンを用い、前後蓋体(41、42)裏面に中折れ部を挟んで対向する蓋体牽引フック(44、45)を、フィルム引き出し口(3)前縁に円弧状の切り欠き(4)を、本体(1)底辺中央部に指掛かりと置き脚を兼ねた小突起(11)を形成して、エプロン部(40)を人間工学的に掴み取りやすい角度で前方上方へ上向かせ、該エプロン部(40)前面を化粧カバー(53)で覆ってなる食品包装用ラップフィルム用の詰替容器。
【請求項2】
請求項1記載のロックレバー(26)又はフレキシブル丁番(30)を内蔵してなる蓋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−116449(P2011−116449A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293336(P2009−293336)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【特許番号】特許第4547692号(P4547692)
【特許公報発行日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(593107856)
【Fターム(参考)】