食品用串
【課題】串の表面に指の柔らかい皮膚の表面が接触して食品用薬品としての食品用塗料がたとえ剥がれたとしても、食品用薬品が剥がれない部分を一定以上形成しておき、一定以上の抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を保つようにした食品用串を提供すること。
【解決手段】先端の尖った部分を介して差し込んだ食材を保持する食材保持部2と、この食材保持部2の基部側であって手で持つ把持部3とで串本体1を構成する。把持部3には該把持部3の表面より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部5を、該把持部3の軸方向に複数条凹設する。前記把持部3の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させている。
【解決手段】先端の尖った部分を介して差し込んだ食材を保持する食材保持部2と、この食材保持部2の基部側であって手で持つ把持部3とで串本体1を構成する。把持部3には該把持部3の表面より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部5を、該把持部3の軸方向に複数条凹設する。前記把持部3の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鶏肉や豚肉や牛肉などの肉類、団子、田楽、ネギ、シイタケなどの野菜を刺して焼いて食べる食品用串に関するものである。
【背景技術】
【0002】
焼き鳥用や、みたらし団子や、田楽の串の材料としては、一般的には金串(かなぐし)と竹串(たけぐし)が代表的である。そして、焼き鳥などの食品の串打ちの際は衛生的な工場で生産されるため、食中毒菌の汚染は比較的少ないものの、焼き鳥やみたらし団子として店頭で販売される際には、多くは素手で串元を掴み、尚かつその串元は熱源の加熱部分から離れているために不衛生であった。また、製品(鶏肉等)の見栄えを良くするために、食材を小売現場で加工後に素手で触ることも多々ある。
【0003】
このように、工場で焼き鳥やみたらし団子が大量に生産される現場においては、衛生的な管理が行き届いているものの、工場から出荷されて実際に焼いて販売される店頭などにおいては、食材や串の手元を素手で触ることから、非衛生的になるという問題があった。
また、多くの種類の焼き鳥が並べて販売されている場合、鶏肉のどの部位か一見して分からず、また、鶏肉の部位によって値段が異なるものの、一見して焼き鳥の値段が分からないという問題もある。
【0004】
さらには、これらの串は、細くて長い物であるから、串に刺した食材が回転し易くなり、焼いている時にひっくり返して焼く場合には、食材が回転して焼きたい箇所に思うように位置決めが出来ないという問題もある。
【0005】
そこで、本発明者は下記に示す特許文献1を既に出願している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3166192号公報
【0007】
図8は上記特許文献1に記載されている串本体51の斜視図を示し、また、図9はこの串本体51の基部側を見た拡大側面図を示している。この串本体51は、豚、牛、鶏などの肉類の色々な部位や野菜などの食材を刺して保持する食材保持部52と、この食材保持部52より基部側で素手で持つ把持部53とで構成されている。
【0008】
そして、上記把持部53の表面には、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色あるいは有色の食品用塗料を塗装しており、この食品用塗料を塗装した部分を塗装部54としている。
上記把持部53の表面に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色あるいは有色の食品用塗料を塗装していることで、人が素手で触っても衛生上問題は無いとしている。
【0009】
また、串本体51に刺した食材が容易に回転せずに確実に保持できるように、串本体51の断面を星型形状にしている。この串本体51の断面を星型にしていることで、断面積が小さくなって食材を串本体51に差し込み易くすると同時に、複数の突起状の部分により、食材の保持力を高くしている。これにより、食材が串本体51に対して回転しにくくなり、焼き作業中、手で串本体51を回転させて焼いても食材を満遍なく焼くことができるとしている。
【0010】
しかしながら、従来の断面を星型とした串本体51では以下に示すような問題を有していることが分かった。すなわち、串本体51の周囲には突起部55が串本体51の軸方向に略全長にわたって形成されていて、該突起部55の先端は鋭く尖っていることから、突起部55の先端部分に食品用塗料が塗布されにくく、また、食品用塗料が塗布されても手で持って焼いている作業中に食品用塗料が剥がれてしまい、この突起部55の先端の尖っている部分に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能を付与することができないという問題が生じた。
【0011】
上記の食品用塗料が剥がれるという問題は、串本体51の材料が金串であり、竹串であり、起こる問題であるが、竹串の場合には更に以下に示すような問題がある。すなわち、竹で串本体51を形成した場合、突起部55の先端が尖っていることから、その先端部分がささくれだって、指を傷付けてしまうという問題がある。
【0012】
また、食材が保持される食材保持部52にまで突起部55が全長にわたって形成されているため、串本体51を持って食材を口に入れて串本体51を引き抜くと唇に竹のトゲがささる恐れが有るという問題もあった。
【0013】
この問題を解決するための本発明者は、更に下記に示す特許文献2を出願した。
【0014】
【特許文献2】実用新案登録第3168357号公報
【0015】
図10及び図11は、上記特許文献2の串本体51を示しており、図11は、図10のA方向から見た串本体51の拡大側面図を示している。串本体51の表面には軸方向に沿って断面を略半円状とした突条の突起部55が複数条一体に形成されている。
また、各突起部55の間には略半円状の溝部56が凹設されており、各突起部55と溝部56とは串本体51の周方向に連続してなだらかな凹凸状の波形の形状となっている。特に、各突起部55の先端部分は特許文献1とは異なり尖ってはおらず、串本体51の周方向に断面が略半円状の曲面となっている。
【0016】
これにより、特許文献2では、串本体51の表面が滑らかな曲面となっているので、串本体51が竹串の場合でも、表面がささくれだたないようにして、指に傷を付けるのを防止し、串刺し作業の安全性を向上させている。また、串本体51の表面が曲面となっているので、塗布した食品用塗料が容易に剥がれないようにし、さらには串本体51を持って食材を口に入れて引き抜く場合でも、唇に傷を付けないようにしている。
【0017】
ところで、串の断面を星型ないし五角形とした特許文献として、上記特許文献1の他に例えば下記に示す特許文献3が挙げられる。
【0018】
【特許文献3】実開昭49−124265号公報
【0019】
図12は上記特許文献3に記載されている串本体61の断面図を示し、この串本体61の表面には軸方向に沿って断面を略三角形状とした補強片62を一体に形成している。この補強片62は、串本体61に強度を持たせるものとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記特許文献1〜3の串に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用塗料を塗布する場合、塗布のし易さと、塗布後における食品用塗料の剥がれにくさが要求される。
特許文献1では、上述したように串本体51の突起部55の先端部分には食品用塗料が塗布されにくく、また、特許文献3の場合でも補強片62の先端が尖っているために、食品用塗料が塗布されにくいという問題を有している。
【0021】
特許文献2では、図11に示すように、串本体51の表面が周方向に沿って略半円状に連続した形状となっていることで、食品用塗料の塗布がされ易い。しかしながら串本体51の表面が曲面となっているために、突起部55の表面を指で持って串刺し作業や串焼き作業を行なっていると、突起部55の表面の食品用塗料が剥がれてしまうという問題を有している。
【0022】
また、突起部55の表面だけでなく、突起部55と突起部55の間の溝部56も、該溝部56の表面形状が略半円状の曲面となっているために、串本体51を指で持った時に、柔らかい指の皮膚が溝部56の曲面に接触して食品用塗料が剥がれ易くなるという問題を有している。
溝部56の一番深い部分には指の皮膚が接触せずに食品用塗料が剥がれずに残ったとしても、串本体51全体から見れば、食品用塗料の量が少なくなり、抗菌機能等も大幅に低下してしまうという問題がある。
【0023】
この問題は特許文献1や特許文献3でも起こり得る問題である。すなわち、図9に示すように、串本体51の突起部55と突起部55との間の溝部56の断面形状は、外側に開拡する形状であり、そのため、指の柔らかい皮膚との接触部分が大きくなり、指の皮膚の表面が溝部56の内面の多くに接触してしまうことになる。
【0024】
さらに、図12に示す特許文献3では、串本体61の補強片62と補強片62との間の凹面部63は、図9の溝部56の断面形状と比べて更に拡開した形状であって、且つ凹面部63の底部は浅くなっているために、指の柔らかい皮膚の表面は、凹面部63の表面のほとんどに接触してしまう。
そのため、串本体61の表面、すなわち、凹面部63の表面に食品用塗料を満遍なく塗布しても、串刺し作業や串焼き作業において、作業員の指の皮膚の表面が串本体61の凹面部63に接触してしまうことで、凹面部63に塗布した食品用塗料が剥がれてしまうという問題がある。
【0025】
このように、特許文献1〜3に記載の串において、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用塗料を塗布しても、串の断面形状が星型や、略半円状が連続した波形の形状では、指の皮膚の表面が接触する部分が大きくなり、やはり、串の表面に塗布した食品用塗料が剥がれ易くなるという問題を有している。
【0026】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、串の表面に指の柔らかい皮膚の表面が接触して食品用薬品としての食品用塗料がたとえ剥がれたとしても、食品用薬品が剥がれない部分を一定以上形成しておき、一定以上の抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を保つようにした食品用串を提供することを目的としているものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
そこで、本発明の請求項1に記載の食品用串では、食材を刺して串ごと焼く食品用串であって、
先端の尖った部分を介して差し込んだ食材を保持する食材保持部2と、この食材保持部2の基部側であって手で持つ把持部3とで串本体1を構成し、
前記把持部3には該把持部3の表面6より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部5を、該把持部3の軸方向に複数条凹設し、前記把持部3の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させていることを特徴としている。
【0028】
請求項2に記載の食品用串では、前記食品用薬品は無色としていることを特徴としている。
【0029】
請求項3に記載の食品用串では、前記食品用薬品は有色としていることを特徴としている。
【0030】
請求項4に記載の食品用串では、前記串本体1の把持部3に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部3の表面6に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させていることを特徴としている。
【0031】
請求項5に記載の食品用串では、前記食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させていることを特徴としている。
【0032】
請求項6に記載の食品用串では、前記食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
本発明の請求項1に記載の食品用串によれば、把持部3には該把持部3の表面6より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部5を、該把持部3の軸方向に複数条凹設し、前記把持部3の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させていることで、指10の柔らかい皮膚の表面にて把持部3を持った場合でも、把持部3の表面6と溝部5の側面とは略90度あるために、指10の皮膚の表面は把持部3の表面6に接触しても溝部5の内面には非常に接触しにくい構造となっている。そのため、把持部3の表面6の食品用薬品が指10の接触によって、たとえ剥がれても、溝部5の内面は指10の皮膚の表面が接触しないために、溝部5の内面に付着した食品用薬品が剥がれることはほとんどない。
このように、串本体1の表面6に付着させた食品用薬品が剥がれたとしても、溝部5の内面に付着している食品用薬品により、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの一定以上の機能を保つことができ、串本体1の把持部3を素手で持って食材を食材保持部2に突き刺す作業や、食材を串本体1に保持した状態で、串本体1の把持部3を素手で持って、袋詰め作業や、焼き作業を行なっても、抗菌機能等が一定水準以上保たれているために、食中毒菌により汚染されることはなく、衛生上問題はない。
【0034】
請求項2に記載の食品用串によれば、店頭販売において、焼き鳥を焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉の見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥を袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、把持部3は、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させているために、衛生上問題は無い。特に把持部3に付着した食品用薬品は無色なので、串本体1の本来の色のために、購入者に違和感を与えることもない。
【0035】
請求項3に記載の食品用串によれば、食品用薬品を有色としていることで、串製品の部位色別での面白さや、値段の管理がし易いこと、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれの機能を付与していない従来の串との衛生管理の違いをアピールができる等の特徴を打ち出すことができる。すなわち、串本体1の把持部3を抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着させることで、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
【0036】
請求項4に記載の食品用串によれば、串本体1の把持部3に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部3の表面6に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させていることで、店頭販売において、焼き鳥、みたらし団子、イカを焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉などの見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥、みたらし団子、イカを袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、衛生上問題は無く、特に把持部3に着色した可食性のインキを有色としているので、色彩により、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
【0037】
請求項5に記載の食品用串によれば、食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させているので、店頭販売における購入者にとって分かり易く、また、串製品の部位の名称を言って注文するのではなく、串本体1の把持部3の色を指定して注文することで、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
【0038】
請求項6に記載の食品用串によれば、食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させていることで、串製品を買う側は、値段がはっきりして買い易くなり、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態における串本体の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における串本体の拡大側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における串本体を指で持った場合の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における串本体の拡大側面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における串本体の正面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における串本体の正面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における串本体の正面図である。
【図8】従来例の串本体の斜視図である。
【図9】従来例の串本体の拡大側面図である。
【図10】他の従来例の串本体の斜視図である。
【図11】他の従来例の串本体の拡大側面図である。
【図12】更に他の従来例の串本体の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の串本体1の正面図を示し、図2は図1のA方向から見た串本体1の拡大側面図である。なお、図2では、把持部3の断面形状が分かり易いように食材保持部2の外縁部は図示省略している。以下の実施形態においても同様である。
【0041】
この串本体1は、豚、牛、鶏などの肉類の色々な部位や野菜などの食材を刺して保持する食材保持部2と、この食材保持部2より基部側で素手で持つ把持部3とで構成されている。
そして、この串本体1の先端は、豚肉、牛肉、鶏肉の種々の部位や、ネギ、タマネギ、シイタケなどの野菜を差し込み易いように尖っている。なお、串本体1の材料としては、竹串、木串である。
【0042】
本実施形態では、串本体1の食材保持部2の断面は略円形としており、食材の串刺し作業や、焼き作業の場合に人が素手で持つ部分の把持部3に加工を施している。すなわち、図2に示すように、断面を略コ字型とした溝部5を軸方向に沿って凹設している。この溝部5は把持部3の部分に周方向に沿って複数、例えば7条形成されている。なお、この溝部5は本実施形態では、把持部3のみ形成されており、食材保持部2には形成されていない。
【0043】
なお、串本体1の把持部3に溝部5を形成する前においては、串本体1自体は全長にわたって断面が円形となっており、予め串本体1の表面はヤスリ加工されて滑らかとなっている。そのため、食材保持部2の表面は、串本体1の材料が竹であっても、唇を傷つけることはない。
【0044】
そして、上記把持部3の表面には、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させている。ここでは、食品用薬品を付着する箇所は、把持部3の表面だけであり、食材保持部2の表面には食品用薬品を付着しないようにしている。
これは、食材を食材保持部2に刺した状態で焼くと、食材保持部2の部分は熱により殺菌されるからであり、また、食材を食材保持部2に差し込む場合や、食べる場合、食材保持部2は手で持たずに、把持部3だけを持って作業をしたり、食べたりするからである。しかし、串本体1の全面にわたって食品用薬品を付着させるようにしても良い。
【0045】
ここで、串本体1の把持部3の表面の全面にわたって抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着すると、把持部3の表面6(図2参照)はもちろん、溝部5の内面の全面にわたって食品用薬品が付着されることになる。
そして、串本体1の食材保持部2への食材の差し込み作業や、焼き作業の場合に把持部3の表面6に付着された食品用薬品が剥がれたとしても、本実施形態では、溝部5の内面に付着した食品用薬品が剥がれないようにして、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を、一定以上に維持するようにしている。
【0046】
すなわち、図3は、2本の指10で串本体1の把持部3を持った状態を示し、指10の柔らかい皮膚の表面にて把持部3を持った場合でも、把持部3の表面6と溝部5の側面とは略90度あるために、指10の皮膚の表面は把持部3の表面6に接触しても溝部5の内面には非常に接触しにくい構造となっている。
そのため、把持部3の表面6の食品用薬品が指10の接触によって、たとえ剥がれても、溝部5の内面は指10の皮膚の表面が接触しないために、溝部5の内面に付着した食品用薬品が剥がれることはほとんどない。
【0047】
このように、串本体1の表面6に付着させた食品用薬品が剥がれたとしても、溝部5の内面に付着している食品用薬品により、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの一定以上の機能を保つことができ、串本体1の把持部3を素手で持って食材を食材保持部2に突き刺す作業や、食材を串本体1に保持した状態で、串本体1の把持部3を素手で持って、袋詰め作業や、焼き作業を行なっても、抗菌機能等が一定水準以上保たれているために、食中毒菌により汚染されることはなく、衛生上問題はない。
【0048】
このように、店頭販売において、焼き鳥を焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉の見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥を袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、把持部3は、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させているために、衛生上問題は無い。特に把持部3に付着した食品用薬品は無色なので、串本体1の本来の色のために、購入者に違和感を与えることもない。
【0049】
(第2の実施の形態)
図4に第2の実施形態を示す。本実施形態では先の実施形態に比べて溝部5の数を増やし、且つ溝部5の深さを深くしたものである。これにより、溝部5の内面の面積を先の実施形態より大きくすることができ、溝部5の内面に付着する抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品の量を多くすることができる。すなわち、食品用薬品の付着面積を多くすることができるものである。
【0050】
したがって、本実施形態では、串本体1の把持部3の表面6の食品用薬品が作業中において剥がれたとしても、溝部5の内面の食品用薬品がほとんど剥がれずに付着しているので、抗菌機能等を一定の水準に保つことができ、衛生的な食品用串を提供することができる。
【0051】
(第3の実施の形態)
図5に第3の実施形態を示す。本実施形態では、溝部5を串本体1の略全長にわたって形成したものである。実際には食材保持部2に溝部5を形成したものである。なお、溝部5の数や、深さは、図2や図4の実施形態を適用することができる。
【0052】
本実施形態では、溝部5を形成している部分に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着するようにしている。そのため、串本体1への食材の差し込み作業や、食材を差し込んだ串本体1の袋詰め作業において、一層の効果を発揮することができる。
すなわち、串本体1の表面6の食品用薬品が剥がれても、溝部5の内面の食品用薬品はほとんど剥がれないため、抗菌機能等を一定以上の水準を維持させることができる。特に、溝部5を串本体1の略全長にわたって形成しているので、食品用薬品が付着されている面積が大きく、一層衛生的な食品用串を提供することができる。
【0053】
ところで、串本体1の食材保持部2の断面を円形とした場合、食材を串本体1で突き刺すと、食材の表面が串本体1の食材保持部2の全周にわたって接触することになる。そのため、串本体1と食材との摩擦係数が大となり、食材特に肉の表面が巻き込まれていき、串本体1を食材に突き刺すのに大きな力が要る。特に、工場で一日中、串本体1を持って食材の突き刺し作業を行なうと、非常に大きな労力を必要とし、大変疲れる作業となる。
【0054】
しかし、本実施形態では、溝部5を串本体1の略全体にわたって複数条形成しているので、肉を串本体1で突き刺す際に、串本体1と食材とが接触する面は溝部5以外の表面6であり、溝部5の開口面だけ食材と接触する部分が少なくなる。そのため、食材特に肉の表面が巻き込まれにくくなり、溝部5がない場合と比べて食材に突き刺す力も比較的小さな力で良く、長時間の突き刺し作業をしても、溝部5が無い場合と比較して楽となる。
【0055】
(第4の実施の形態)
図6に第4の実施形態を示す。本実施形態では先の実施形態の図2や図4に示す串本体1の把持部3の表面に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着させたものである。また、図7は、串本体1の略全長にわたって抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着した場合を示している。
【0056】
食品用薬品の色彩として、どのような色彩でも良く、これは串製品の部位色別での面白さや、値段の管理がし易いこと、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれの機能を付与していない従来の串との衛生管理の違いをアピールができる等の特徴を打ち出すことができる。
すなわち、串本体1の把持部3を抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着させることで、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
【0057】
着色した把持部3の利用方法として、例えば、赤色は食材保持部2に付ける肉の部位をモモとし、緑色はキモとしたり、また、赤色は値段が150円、緑色は100円などとする。色彩に対応した部位の種類や値段を別に表示しても良い。複数種類の色彩の食品用薬品を把持部3に付着した串本体1を予め用意しておき、色彩に応じて部位分けや値段管理を行なう。
【0058】
このように、食品用薬品を着色した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、前記把持部3の異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させることで、店頭販売における購入者にとって分かり易く、また、串製品の部位の名称を言って注文するのではなく、串本体1の把持部3の色を指定して注文することで、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
また、食品用薬品を着色した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、前記把持部3の異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させることで、串製品を買う側は、値段がはっきりして買い易くなり、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
【0059】
本実施形態でも、先の実施形態と同様の効果を奏するものである。
【0060】
図6及び図7に示す実施形態では、把持部3を着色するのに有色の食品用薬品を用いていたが、把持部3の部分に可食性で有色のインキで着色し、その着色したインキの表面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着するようにしても良い。
【0061】
かかる場合でも、図6及び図7の場合と同様の効果を奏する。すなわち、串本体1の把持部3に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部3の表面に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着しているので、店頭販売において、焼き鳥、みたらし団子、イカを焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉などの見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥、みたらし団子、イカを袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、衛生上問題は無く、特に把持部3に着色した可食性のインキを有色としているので、色彩により、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
なお、串本体1の全体にわたって可食性で有色のインキで着色すると共に、この着色したインキの表面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させるようにしても良い。
【0062】
また、上記各実施形態において、串本体1の把持部3の表面に食品用薬品や可食性のインキで着色した場合でも、食品用薬品や可食性のインキが溝部5の内面に付着されることで、付着された食品用薬品や可食性のインキが容易に剥がれるのを防止することができる。そのため、抗菌作用を維持することができる。
【0063】
また、上記の実施形態では、串本体1に刺す食品として焼き鳥の場合について説明したが、焼き鳥の他に、みたらし団子や三色団子などの団子類、田楽、イカ焼きなどにも適用することができる。
かかる場合においても、みたらし団子や、三色団子や、田楽や、イカ焼きの場合も同様に素手で持つ把持部3には、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させているので、衛生上問題は無い。
【0064】
なお、有色の食品用薬品あるいは可食性で有色のインキを把持部3に付着ないし着色する場合、先の実施形態では、1色としていたが、串本体1の軸方向に2色、あるいは3色の構成としても良い。
【0065】
なお、串本体1の材料を竹串とした場合、串本体1の直径は、3.5mmから5mmのものを使用するものであり、溝部5の加工に関して回転刃を用いて、且つ複数の回転刃で同時に加工するために、溝部5の数は限られてくる。そのため、図4に示すように溝部5の数を加工するには実際に難しいところがあり、図2に示す溝部5の数が好適例である。
また、図2に示す串本体1の溝部5の深さより、少し深く加工することで、食品用薬品が付着する面積を大きくすることができ、抗菌機能等を図2の場合よりも高い水準に維持させることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 串本体
2 食材保持部
3 把持部
5 溝部
6 表面
10 指
【技術分野】
【0001】
本発明は、鶏肉や豚肉や牛肉などの肉類、団子、田楽、ネギ、シイタケなどの野菜を刺して焼いて食べる食品用串に関するものである。
【背景技術】
【0002】
焼き鳥用や、みたらし団子や、田楽の串の材料としては、一般的には金串(かなぐし)と竹串(たけぐし)が代表的である。そして、焼き鳥などの食品の串打ちの際は衛生的な工場で生産されるため、食中毒菌の汚染は比較的少ないものの、焼き鳥やみたらし団子として店頭で販売される際には、多くは素手で串元を掴み、尚かつその串元は熱源の加熱部分から離れているために不衛生であった。また、製品(鶏肉等)の見栄えを良くするために、食材を小売現場で加工後に素手で触ることも多々ある。
【0003】
このように、工場で焼き鳥やみたらし団子が大量に生産される現場においては、衛生的な管理が行き届いているものの、工場から出荷されて実際に焼いて販売される店頭などにおいては、食材や串の手元を素手で触ることから、非衛生的になるという問題があった。
また、多くの種類の焼き鳥が並べて販売されている場合、鶏肉のどの部位か一見して分からず、また、鶏肉の部位によって値段が異なるものの、一見して焼き鳥の値段が分からないという問題もある。
【0004】
さらには、これらの串は、細くて長い物であるから、串に刺した食材が回転し易くなり、焼いている時にひっくり返して焼く場合には、食材が回転して焼きたい箇所に思うように位置決めが出来ないという問題もある。
【0005】
そこで、本発明者は下記に示す特許文献1を既に出願している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3166192号公報
【0007】
図8は上記特許文献1に記載されている串本体51の斜視図を示し、また、図9はこの串本体51の基部側を見た拡大側面図を示している。この串本体51は、豚、牛、鶏などの肉類の色々な部位や野菜などの食材を刺して保持する食材保持部52と、この食材保持部52より基部側で素手で持つ把持部53とで構成されている。
【0008】
そして、上記把持部53の表面には、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色あるいは有色の食品用塗料を塗装しており、この食品用塗料を塗装した部分を塗装部54としている。
上記把持部53の表面に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色あるいは有色の食品用塗料を塗装していることで、人が素手で触っても衛生上問題は無いとしている。
【0009】
また、串本体51に刺した食材が容易に回転せずに確実に保持できるように、串本体51の断面を星型形状にしている。この串本体51の断面を星型にしていることで、断面積が小さくなって食材を串本体51に差し込み易くすると同時に、複数の突起状の部分により、食材の保持力を高くしている。これにより、食材が串本体51に対して回転しにくくなり、焼き作業中、手で串本体51を回転させて焼いても食材を満遍なく焼くことができるとしている。
【0010】
しかしながら、従来の断面を星型とした串本体51では以下に示すような問題を有していることが分かった。すなわち、串本体51の周囲には突起部55が串本体51の軸方向に略全長にわたって形成されていて、該突起部55の先端は鋭く尖っていることから、突起部55の先端部分に食品用塗料が塗布されにくく、また、食品用塗料が塗布されても手で持って焼いている作業中に食品用塗料が剥がれてしまい、この突起部55の先端の尖っている部分に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能を付与することができないという問題が生じた。
【0011】
上記の食品用塗料が剥がれるという問題は、串本体51の材料が金串であり、竹串であり、起こる問題であるが、竹串の場合には更に以下に示すような問題がある。すなわち、竹で串本体51を形成した場合、突起部55の先端が尖っていることから、その先端部分がささくれだって、指を傷付けてしまうという問題がある。
【0012】
また、食材が保持される食材保持部52にまで突起部55が全長にわたって形成されているため、串本体51を持って食材を口に入れて串本体51を引き抜くと唇に竹のトゲがささる恐れが有るという問題もあった。
【0013】
この問題を解決するための本発明者は、更に下記に示す特許文献2を出願した。
【0014】
【特許文献2】実用新案登録第3168357号公報
【0015】
図10及び図11は、上記特許文献2の串本体51を示しており、図11は、図10のA方向から見た串本体51の拡大側面図を示している。串本体51の表面には軸方向に沿って断面を略半円状とした突条の突起部55が複数条一体に形成されている。
また、各突起部55の間には略半円状の溝部56が凹設されており、各突起部55と溝部56とは串本体51の周方向に連続してなだらかな凹凸状の波形の形状となっている。特に、各突起部55の先端部分は特許文献1とは異なり尖ってはおらず、串本体51の周方向に断面が略半円状の曲面となっている。
【0016】
これにより、特許文献2では、串本体51の表面が滑らかな曲面となっているので、串本体51が竹串の場合でも、表面がささくれだたないようにして、指に傷を付けるのを防止し、串刺し作業の安全性を向上させている。また、串本体51の表面が曲面となっているので、塗布した食品用塗料が容易に剥がれないようにし、さらには串本体51を持って食材を口に入れて引き抜く場合でも、唇に傷を付けないようにしている。
【0017】
ところで、串の断面を星型ないし五角形とした特許文献として、上記特許文献1の他に例えば下記に示す特許文献3が挙げられる。
【0018】
【特許文献3】実開昭49−124265号公報
【0019】
図12は上記特許文献3に記載されている串本体61の断面図を示し、この串本体61の表面には軸方向に沿って断面を略三角形状とした補強片62を一体に形成している。この補強片62は、串本体61に強度を持たせるものとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記特許文献1〜3の串に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用塗料を塗布する場合、塗布のし易さと、塗布後における食品用塗料の剥がれにくさが要求される。
特許文献1では、上述したように串本体51の突起部55の先端部分には食品用塗料が塗布されにくく、また、特許文献3の場合でも補強片62の先端が尖っているために、食品用塗料が塗布されにくいという問題を有している。
【0021】
特許文献2では、図11に示すように、串本体51の表面が周方向に沿って略半円状に連続した形状となっていることで、食品用塗料の塗布がされ易い。しかしながら串本体51の表面が曲面となっているために、突起部55の表面を指で持って串刺し作業や串焼き作業を行なっていると、突起部55の表面の食品用塗料が剥がれてしまうという問題を有している。
【0022】
また、突起部55の表面だけでなく、突起部55と突起部55の間の溝部56も、該溝部56の表面形状が略半円状の曲面となっているために、串本体51を指で持った時に、柔らかい指の皮膚が溝部56の曲面に接触して食品用塗料が剥がれ易くなるという問題を有している。
溝部56の一番深い部分には指の皮膚が接触せずに食品用塗料が剥がれずに残ったとしても、串本体51全体から見れば、食品用塗料の量が少なくなり、抗菌機能等も大幅に低下してしまうという問題がある。
【0023】
この問題は特許文献1や特許文献3でも起こり得る問題である。すなわち、図9に示すように、串本体51の突起部55と突起部55との間の溝部56の断面形状は、外側に開拡する形状であり、そのため、指の柔らかい皮膚との接触部分が大きくなり、指の皮膚の表面が溝部56の内面の多くに接触してしまうことになる。
【0024】
さらに、図12に示す特許文献3では、串本体61の補強片62と補強片62との間の凹面部63は、図9の溝部56の断面形状と比べて更に拡開した形状であって、且つ凹面部63の底部は浅くなっているために、指の柔らかい皮膚の表面は、凹面部63の表面のほとんどに接触してしまう。
そのため、串本体61の表面、すなわち、凹面部63の表面に食品用塗料を満遍なく塗布しても、串刺し作業や串焼き作業において、作業員の指の皮膚の表面が串本体61の凹面部63に接触してしまうことで、凹面部63に塗布した食品用塗料が剥がれてしまうという問題がある。
【0025】
このように、特許文献1〜3に記載の串において、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用塗料を塗布しても、串の断面形状が星型や、略半円状が連続した波形の形状では、指の皮膚の表面が接触する部分が大きくなり、やはり、串の表面に塗布した食品用塗料が剥がれ易くなるという問題を有している。
【0026】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、串の表面に指の柔らかい皮膚の表面が接触して食品用薬品としての食品用塗料がたとえ剥がれたとしても、食品用薬品が剥がれない部分を一定以上形成しておき、一定以上の抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を保つようにした食品用串を提供することを目的としているものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
そこで、本発明の請求項1に記載の食品用串では、食材を刺して串ごと焼く食品用串であって、
先端の尖った部分を介して差し込んだ食材を保持する食材保持部2と、この食材保持部2の基部側であって手で持つ把持部3とで串本体1を構成し、
前記把持部3には該把持部3の表面6より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部5を、該把持部3の軸方向に複数条凹設し、前記把持部3の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させていることを特徴としている。
【0028】
請求項2に記載の食品用串では、前記食品用薬品は無色としていることを特徴としている。
【0029】
請求項3に記載の食品用串では、前記食品用薬品は有色としていることを特徴としている。
【0030】
請求項4に記載の食品用串では、前記串本体1の把持部3に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部3の表面6に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させていることを特徴としている。
【0031】
請求項5に記載の食品用串では、前記食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させていることを特徴としている。
【0032】
請求項6に記載の食品用串では、前記食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
本発明の請求項1に記載の食品用串によれば、把持部3には該把持部3の表面6より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部5を、該把持部3の軸方向に複数条凹設し、前記把持部3の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させていることで、指10の柔らかい皮膚の表面にて把持部3を持った場合でも、把持部3の表面6と溝部5の側面とは略90度あるために、指10の皮膚の表面は把持部3の表面6に接触しても溝部5の内面には非常に接触しにくい構造となっている。そのため、把持部3の表面6の食品用薬品が指10の接触によって、たとえ剥がれても、溝部5の内面は指10の皮膚の表面が接触しないために、溝部5の内面に付着した食品用薬品が剥がれることはほとんどない。
このように、串本体1の表面6に付着させた食品用薬品が剥がれたとしても、溝部5の内面に付着している食品用薬品により、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの一定以上の機能を保つことができ、串本体1の把持部3を素手で持って食材を食材保持部2に突き刺す作業や、食材を串本体1に保持した状態で、串本体1の把持部3を素手で持って、袋詰め作業や、焼き作業を行なっても、抗菌機能等が一定水準以上保たれているために、食中毒菌により汚染されることはなく、衛生上問題はない。
【0034】
請求項2に記載の食品用串によれば、店頭販売において、焼き鳥を焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉の見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥を袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、把持部3は、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させているために、衛生上問題は無い。特に把持部3に付着した食品用薬品は無色なので、串本体1の本来の色のために、購入者に違和感を与えることもない。
【0035】
請求項3に記載の食品用串によれば、食品用薬品を有色としていることで、串製品の部位色別での面白さや、値段の管理がし易いこと、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれの機能を付与していない従来の串との衛生管理の違いをアピールができる等の特徴を打ち出すことができる。すなわち、串本体1の把持部3を抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着させることで、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
【0036】
請求項4に記載の食品用串によれば、串本体1の把持部3に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部3の表面6に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させていることで、店頭販売において、焼き鳥、みたらし団子、イカを焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉などの見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥、みたらし団子、イカを袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、衛生上問題は無く、特に把持部3に着色した可食性のインキを有色としているので、色彩により、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
【0037】
請求項5に記載の食品用串によれば、食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させているので、店頭販売における購入者にとって分かり易く、また、串製品の部位の名称を言って注文するのではなく、串本体1の把持部3の色を指定して注文することで、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
【0038】
請求項6に記載の食品用串によれば、食品用薬品を付着した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させていることで、串製品を買う側は、値段がはっきりして買い易くなり、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態における串本体の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における串本体の拡大側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における串本体を指で持った場合の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における串本体の拡大側面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における串本体の正面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における串本体の正面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における串本体の正面図である。
【図8】従来例の串本体の斜視図である。
【図9】従来例の串本体の拡大側面図である。
【図10】他の従来例の串本体の斜視図である。
【図11】他の従来例の串本体の拡大側面図である。
【図12】更に他の従来例の串本体の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の串本体1の正面図を示し、図2は図1のA方向から見た串本体1の拡大側面図である。なお、図2では、把持部3の断面形状が分かり易いように食材保持部2の外縁部は図示省略している。以下の実施形態においても同様である。
【0041】
この串本体1は、豚、牛、鶏などの肉類の色々な部位や野菜などの食材を刺して保持する食材保持部2と、この食材保持部2より基部側で素手で持つ把持部3とで構成されている。
そして、この串本体1の先端は、豚肉、牛肉、鶏肉の種々の部位や、ネギ、タマネギ、シイタケなどの野菜を差し込み易いように尖っている。なお、串本体1の材料としては、竹串、木串である。
【0042】
本実施形態では、串本体1の食材保持部2の断面は略円形としており、食材の串刺し作業や、焼き作業の場合に人が素手で持つ部分の把持部3に加工を施している。すなわち、図2に示すように、断面を略コ字型とした溝部5を軸方向に沿って凹設している。この溝部5は把持部3の部分に周方向に沿って複数、例えば7条形成されている。なお、この溝部5は本実施形態では、把持部3のみ形成されており、食材保持部2には形成されていない。
【0043】
なお、串本体1の把持部3に溝部5を形成する前においては、串本体1自体は全長にわたって断面が円形となっており、予め串本体1の表面はヤスリ加工されて滑らかとなっている。そのため、食材保持部2の表面は、串本体1の材料が竹であっても、唇を傷つけることはない。
【0044】
そして、上記把持部3の表面には、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させている。ここでは、食品用薬品を付着する箇所は、把持部3の表面だけであり、食材保持部2の表面には食品用薬品を付着しないようにしている。
これは、食材を食材保持部2に刺した状態で焼くと、食材保持部2の部分は熱により殺菌されるからであり、また、食材を食材保持部2に差し込む場合や、食べる場合、食材保持部2は手で持たずに、把持部3だけを持って作業をしたり、食べたりするからである。しかし、串本体1の全面にわたって食品用薬品を付着させるようにしても良い。
【0045】
ここで、串本体1の把持部3の表面の全面にわたって抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着すると、把持部3の表面6(図2参照)はもちろん、溝部5の内面の全面にわたって食品用薬品が付着されることになる。
そして、串本体1の食材保持部2への食材の差し込み作業や、焼き作業の場合に把持部3の表面6に付着された食品用薬品が剥がれたとしても、本実施形態では、溝部5の内面に付着した食品用薬品が剥がれないようにして、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を、一定以上に維持するようにしている。
【0046】
すなわち、図3は、2本の指10で串本体1の把持部3を持った状態を示し、指10の柔らかい皮膚の表面にて把持部3を持った場合でも、把持部3の表面6と溝部5の側面とは略90度あるために、指10の皮膚の表面は把持部3の表面6に接触しても溝部5の内面には非常に接触しにくい構造となっている。
そのため、把持部3の表面6の食品用薬品が指10の接触によって、たとえ剥がれても、溝部5の内面は指10の皮膚の表面が接触しないために、溝部5の内面に付着した食品用薬品が剥がれることはほとんどない。
【0047】
このように、串本体1の表面6に付着させた食品用薬品が剥がれたとしても、溝部5の内面に付着している食品用薬品により、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの一定以上の機能を保つことができ、串本体1の把持部3を素手で持って食材を食材保持部2に突き刺す作業や、食材を串本体1に保持した状態で、串本体1の把持部3を素手で持って、袋詰め作業や、焼き作業を行なっても、抗菌機能等が一定水準以上保たれているために、食中毒菌により汚染されることはなく、衛生上問題はない。
【0048】
このように、店頭販売において、焼き鳥を焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉の見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥を袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、把持部3は、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させているために、衛生上問題は無い。特に把持部3に付着した食品用薬品は無色なので、串本体1の本来の色のために、購入者に違和感を与えることもない。
【0049】
(第2の実施の形態)
図4に第2の実施形態を示す。本実施形態では先の実施形態に比べて溝部5の数を増やし、且つ溝部5の深さを深くしたものである。これにより、溝部5の内面の面積を先の実施形態より大きくすることができ、溝部5の内面に付着する抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品の量を多くすることができる。すなわち、食品用薬品の付着面積を多くすることができるものである。
【0050】
したがって、本実施形態では、串本体1の把持部3の表面6の食品用薬品が作業中において剥がれたとしても、溝部5の内面の食品用薬品がほとんど剥がれずに付着しているので、抗菌機能等を一定の水準に保つことができ、衛生的な食品用串を提供することができる。
【0051】
(第3の実施の形態)
図5に第3の実施形態を示す。本実施形態では、溝部5を串本体1の略全長にわたって形成したものである。実際には食材保持部2に溝部5を形成したものである。なお、溝部5の数や、深さは、図2や図4の実施形態を適用することができる。
【0052】
本実施形態では、溝部5を形成している部分に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着するようにしている。そのため、串本体1への食材の差し込み作業や、食材を差し込んだ串本体1の袋詰め作業において、一層の効果を発揮することができる。
すなわち、串本体1の表面6の食品用薬品が剥がれても、溝部5の内面の食品用薬品はほとんど剥がれないため、抗菌機能等を一定以上の水準を維持させることができる。特に、溝部5を串本体1の略全長にわたって形成しているので、食品用薬品が付着されている面積が大きく、一層衛生的な食品用串を提供することができる。
【0053】
ところで、串本体1の食材保持部2の断面を円形とした場合、食材を串本体1で突き刺すと、食材の表面が串本体1の食材保持部2の全周にわたって接触することになる。そのため、串本体1と食材との摩擦係数が大となり、食材特に肉の表面が巻き込まれていき、串本体1を食材に突き刺すのに大きな力が要る。特に、工場で一日中、串本体1を持って食材の突き刺し作業を行なうと、非常に大きな労力を必要とし、大変疲れる作業となる。
【0054】
しかし、本実施形態では、溝部5を串本体1の略全体にわたって複数条形成しているので、肉を串本体1で突き刺す際に、串本体1と食材とが接触する面は溝部5以外の表面6であり、溝部5の開口面だけ食材と接触する部分が少なくなる。そのため、食材特に肉の表面が巻き込まれにくくなり、溝部5がない場合と比べて食材に突き刺す力も比較的小さな力で良く、長時間の突き刺し作業をしても、溝部5が無い場合と比較して楽となる。
【0055】
(第4の実施の形態)
図6に第4の実施形態を示す。本実施形態では先の実施形態の図2や図4に示す串本体1の把持部3の表面に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着させたものである。また、図7は、串本体1の略全長にわたって抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着した場合を示している。
【0056】
食品用薬品の色彩として、どのような色彩でも良く、これは串製品の部位色別での面白さや、値段の管理がし易いこと、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれの機能を付与していない従来の串との衛生管理の違いをアピールができる等の特徴を打ち出すことができる。
すなわち、串本体1の把持部3を抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた有色の食品用薬品を付着させることで、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
【0057】
着色した把持部3の利用方法として、例えば、赤色は食材保持部2に付ける肉の部位をモモとし、緑色はキモとしたり、また、赤色は値段が150円、緑色は100円などとする。色彩に対応した部位の種類や値段を別に表示しても良い。複数種類の色彩の食品用薬品を把持部3に付着した串本体1を予め用意しておき、色彩に応じて部位分けや値段管理を行なう。
【0058】
このように、食品用薬品を着色した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、前記把持部3の異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させることで、店頭販売における購入者にとって分かり易く、また、串製品の部位の名称を言って注文するのではなく、串本体1の把持部3の色を指定して注文することで、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
また、食品用薬品を着色した把持部3にそれぞれ異なる色彩を施し、前記把持部3の異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させることで、串製品を買う側は、値段がはっきりして買い易くなり、買う側も売る側も間違って違う串製品を買ったり売ったりすることを無くすことができる。
【0059】
本実施形態でも、先の実施形態と同様の効果を奏するものである。
【0060】
図6及び図7に示す実施形態では、把持部3を着色するのに有色の食品用薬品を用いていたが、把持部3の部分に可食性で有色のインキで着色し、その着色したインキの表面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着するようにしても良い。
【0061】
かかる場合でも、図6及び図7の場合と同様の効果を奏する。すなわち、串本体1の把持部3に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部3の表面に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着しているので、店頭販売において、焼き鳥、みたらし団子、イカを焼く場合や、食材保持部2に刺した鶏肉などの見栄えを良くするために素手で触る場合や、また、注文のあった焼き鳥、みたらし団子、イカを袋やケースに入れる場合に、串本体1の把持部3を素手で持っても、衛生上問題は無く、特に把持部3に着色した可食性のインキを有色としているので、色彩により、衛生管理がされている串製品と従来の不衛生に感じる串製品とを一見して理解出来て、視覚による差別化を図ることができる。
なお、串本体1の全体にわたって可食性で有色のインキで着色すると共に、この着色したインキの表面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させるようにしても良い。
【0062】
また、上記各実施形態において、串本体1の把持部3の表面に食品用薬品や可食性のインキで着色した場合でも、食品用薬品や可食性のインキが溝部5の内面に付着されることで、付着された食品用薬品や可食性のインキが容易に剥がれるのを防止することができる。そのため、抗菌作用を維持することができる。
【0063】
また、上記の実施形態では、串本体1に刺す食品として焼き鳥の場合について説明したが、焼き鳥の他に、みたらし団子や三色団子などの団子類、田楽、イカ焼きなどにも適用することができる。
かかる場合においても、みたらし団子や、三色団子や、田楽や、イカ焼きの場合も同様に素手で持つ把持部3には、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させているので、衛生上問題は無い。
【0064】
なお、有色の食品用薬品あるいは可食性で有色のインキを把持部3に付着ないし着色する場合、先の実施形態では、1色としていたが、串本体1の軸方向に2色、あるいは3色の構成としても良い。
【0065】
なお、串本体1の材料を竹串とした場合、串本体1の直径は、3.5mmから5mmのものを使用するものであり、溝部5の加工に関して回転刃を用いて、且つ複数の回転刃で同時に加工するために、溝部5の数は限られてくる。そのため、図4に示すように溝部5の数を加工するには実際に難しいところがあり、図2に示す溝部5の数が好適例である。
また、図2に示す串本体1の溝部5の深さより、少し深く加工することで、食品用薬品が付着する面積を大きくすることができ、抗菌機能等を図2の場合よりも高い水準に維持させることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 串本体
2 食材保持部
3 把持部
5 溝部
6 表面
10 指
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を刺して串ごと焼く食品用串であって、
先端の尖った部分を介して差し込んだ食材を保持する食材保持部(2)と、この食材保持部(2)の基部側であって手で持つ把持部(3)とで串本体(1)を構成し、
前記把持部(3)には該把持部(3)の表面(6)より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部(5)を、該把持部(3)の軸方向に複数条凹設し、
前記把持部(3)の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させていることを特徴とする食品用串。
【請求項2】
前記食品用薬品は無色としていることを特徴とする請求項1に記載の食品用串。
【請求項3】
前記食品用薬品は有色としていることを特徴とする請求項1に記載の食品用串。
【請求項4】
前記串本体(1)の把持部(3)に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部(3)の表面(6)に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させていることを特徴とする請求項1に記載の食品用串。
【請求項5】
前記食品用薬品を付着した把持部(3)にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の食品用串。
【請求項6】
前記食品用薬品を付着した把持部(3)にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の食品用串。
【請求項1】
食材を刺して串ごと焼く食品用串であって、
先端の尖った部分を介して差し込んだ食材を保持する食材保持部(2)と、この食材保持部(2)の基部側であって手で持つ把持部(3)とで串本体(1)を構成し、
前記把持部(3)には該把持部(3)の表面(6)より内側に凹み、且つ断面を略コ字型とした溝部(5)を、該把持部(3)の軸方向に複数条凹設し、
前記把持部(3)の外面に抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた食品用薬品を付着させていることを特徴とする食品用串。
【請求項2】
前記食品用薬品は無色としていることを特徴とする請求項1に記載の食品用串。
【請求項3】
前記食品用薬品は有色としていることを特徴とする請求項1に記載の食品用串。
【請求項4】
前記串本体(1)の把持部(3)に可食性で有色のインキで着色すると共に、該把持部(3)の表面(6)に、抗菌機能、滅菌機能、殺菌機能のいずれかの機能を備えた無色の食品用薬品を付着させていることを特徴とする請求項1に記載の食品用串。
【請求項5】
前記食品用薬品を付着した把持部(3)にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の部位を予め対応させていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の食品用串。
【請求項6】
前記食品用薬品を付着した把持部(3)にそれぞれ異なる色彩を施し、異なる色彩に応じて串製品の値段を予め対応させていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の食品用串。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−9805(P2013−9805A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143984(P2011−143984)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(597098590)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(597098590)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]