説明

食品組成物、食品組成物および食品の調製方法

本発明は、ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物と削減された脂肪含有量を有する脂肪代替タンパク質とを含む、好ましくは低脂肪であり、そして/または糖の添加のない削減されたカロリー値を有する食品組成物に関する。本発明はまた、該食品組成物の調製方法およびそれらからなる製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物と、加水分解コラーゲン等の脂肪代替タンパク質とを含む、削減された脂肪含有量、好ましくは"低"含有量を有する食品組成物(該食品組成物は、チョコレートであることができる)、ならびに該食品組成物およびそれらを含む製品を調製する方法に関する。
【0002】
本発明はまた、ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物と、加水分解コラーゲン等の脂肪代替タンパク質を含み、好ましくは低脂肪かつカロリーで少なくとも25%削減されたチョコレートのような、削減された脂肪含有量および糖の添加がなく削減されたカロリー値を提供する食品組成物、ならびにこれらの組成物およびそれらの食品組成物を含む製品の調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
肥満の発生および太りすぎた人々の数は、高い脂肪含有量およびカロリー値の食料品に基づく食習慣により、累進的に増加した。この形態の栄養は、心臓病、糖尿病および高血圧等の異なる病気と通常関連するので、人々の食べ物において、脂肪含有量およびカロリー値を削減することは関心を引いてきた。
【0004】
消費者および健康機関による関心が、さらに楽しく、美的で、そしてさらに好ましい健康状態を目指し、低くそしてカロリーを削減した食料品等の、より栄養になり、より健康な食料品において高まっていることは知られている。
【0005】
この目的を達成するために、望ましくない体重増加、体内の脂肪の蓄積、肥満、心臓障害等の高い脂肪含有量を有する食料品の摂取が、重大な問題を引き起こす場合があることを考慮して、市場は、とりわけ削減された脂肪含有量の食料品の開発に尽力している。
【0006】
このシナリオでは、消費者市場は、日々のカロリーおよび脂肪の削減またはコントロール、ならびに体重のコントロールの助けとなる食料品に気を配ってきたのであり、そうした要求をかなえる、より健康と考えられる新製品の開発へと業界を向かわせる。
【0007】
現在のところ、多くの研究は、例えば、削減されたカロリーを有する軽食を得るために行われてきた。しかし、結果は、製品、特により少ない脂肪を有し、同時に削減されたカロリー値を提供するチョコレート系のもの、従って低脂肪かつ低カロリーと考えることができるものに向けられた。
【0008】
チョコレートは、栄養価が高くそして100グラムで平均して550Kcalを提供するカロリー値の食料品であることが知られている。また、チョコレートは、その流れ特性、湿度レベル、脂肪レベル、およびペーストの粒径の分布によって決定される物理的、化学的およびレオロジー的挙動を有する。
【0009】
良好な品質のチョコレートは、20〜25℃で硬質であり、そして脆く、脂肪の残りがなく口内で素早く、そして完全に溶け、または賞味中または賞味後に香りと粒状感があることが好ましい。工程に関しては、既存の製造ラインに適したレオロジー的特性およびその型からの除去の間に良好な収縮特性を示すことが好ましい。
【0010】
現在のところ、チョコレートの大部分は、精白糖、脱臭されたココアバター、天然ココアリカー、スキムミルク粉末、バター油、大豆レシチン、ポリグリセロールポリリシノレエート(PGPR)およびバニラ香、または類似の要素から生産される。通常、チョコレートを得るための工程は、成分混合、微粒化、シェリング(shelling)、調温、成型、冷却、型抜き、および包装の段階を含む。
【0011】
上記の従来のチョコレートの生産に加えて、食品技術の進歩のおかげで、今日それらの既に公知の特性のほかに、消費者の健康の維持を助けることを目的とする成分を有するチョコレートの生産がまたある。
【0012】
チョコレートを含有する食料品、特にバーおよびチョコレートボンボンは、一般的に好評な味によって非常に受け入れられている製品であるためか、またはスナックにもしくは食事の補助として大幅に都合がよいためのいずれかにより、非常に多く出回っている。同様に、ケーキ、タルトおよびベーカリー製品等のコーティング製品などで使用されるチョコレートバーはまた、一般的に大きな市場シェアを有する。通常、これらの食料品中の脂肪含有量は、28重量%超であり、そしてカロリー値は、30gの製品の各部分において150kcalを超える。
【0013】
チョコレート系食料品およびそれらの各製造工程の最新の例は、チョコレート系食料品およびその調製方法を記載する英国特許第1.538.750号明細書に見いだすことができる。チョコレート系食料品は、ココア固形物、ココアバター、糖、澱粉および/またはゲル化剤、ならびに好ましくは乳化剤を含み、ココアバターが水性糖溶液中で相互に分離された個々の粒子中に存在する。従って、実質的に不連続な脂肪相が提供される。チョコレートの調製工程は、(i)成分混合(水、糖、ココア固形物、ココアバター、糊付け剤またはゲル化剤、および水性糖溶液中でのココアバターのエマルジョンを可能にする乳化剤),(ii)ココアバターの溶液からの分離を防ぐために、水が溶液から充分蒸発するように、ココアバターを溶液中で乳化させておくこと、および(iii)糊付け剤またはゲル化剤で、ココアバター粒子が水性糖溶液中に分散しており、不連続的な脂肪相を提供するチョコレート食料品を製造する工程を含む。
【0014】
上記のように、英国特許第1.538.750号明細書は、チョコレート系の製品およびその製造方法を記載するが、現在のところ市販されているチョコレート系製品と比較すると、なんらかのカロリーの削減について言い得ていない。
【0015】
この面において、文献日本国特許公開出願第2005−328842号明細書は、コラーゲンに富み、そして摂取された場合に、皮膚、骨および軟骨等の支持組織を活性化し、この食料品がチョコレートまたはゼラチンのいずれかである食料品目を提案する。さらに具体的に言うと、この文献は、消費者の嗜好を満足させる食料品(チョコレートおよびゼリー)を通して、支持組織、したがって人の健康に利点をもたらすために、栄養源を提供することを目的とする。しかし、文献日本国特許公開出願第2005−328842号明細書は、食料品が削減された脂肪含有量を有することを記載も示唆もしておらず、食料品の組成物におけるコラーゲンの存在が、低脂肪製品等の削減された脂肪を有する食料品目を提供できることを記載も示唆もしていない。また、本発明の記載を通して検証されるであろうものなどの、特に加水分解コラーゲンの存在による利点も、この日本の文献中に記載されていない。しかし、健康への関心を示すにもかかわらず、この日本の文献は、とりわけ望ましくない体重増加、体内の脂肪の保有、肥満、心臓障害など、重大な健康の問題を引き起こす場合がある脂肪および/またはカロリーの削減を全く挙げていない。
【0016】
文献日本国特許公開出願第2002−306077号明細書は、口中でムースまたはババロアに似た柔らかな感覚を示し、そして30℃で保存した場合に、水溶液が5重量%で、ゼラチン化しない、0.85以上の水分活性を示すゼラチンを含む長期の貯蔵を可能にする油中水型の水和したチョコレートを記載する。この文献はまた、乳化後に、該ゼラチンを含むチョコレートペーストおよび水相を泡立てることを含む油中水型の水和したチョコレートの調製方法を記載する。
【0017】
題名"Researches for the action mechanisms of proteins against efflorescence in chocolates (I)"、2000、Vol.21、No.12のこの日本の文献は、タンパク質を含むチョコレート組成物を記載し、ここで種々のタイプの植物、動物および大豆タンパク質をテストし、そしてそれらの対風解効果をそれぞれ評価した。
【0018】
先行技術の焦点は、チョコレートにおける風解に対するタンパク質の作用であり、そしてカロリーおよび/または脂肪における削減による食習慣の改善ではないので、この文献の発明の目的は、チョコレートを含有する製品の点で、本発明に類似するだけである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、低脂肪食料品、低脂肪および低カロリーで、より健康でより消費者の興味の対象となる食料品を提供する、低脂肪含有量、ならびに同時に削減された脂肪およびカロリーを有するチョコレート等のココアおよび/またはそれらの誘導体を含む食品組成物の供給への市場ニーズがあることが見いだされた。
【0020】
この意味では、本発明は、削減された脂肪、高められたタンパク質レベルおよび糖の添加がなく削減されたカロリー値を示す、加水分解コラーゲン等の加水分解されたタンパク質を含むココアおよび/またはそれらの誘導体の食品組成物を提供し、この組成物は、好ましくは糖の添加がなく低脂肪および低カロリーで、そして最新の公知の組成物によって達成されていない有利な物理的化学的特性を有する。
【0021】
したがって、本発明の第1の目的は、当該技術分野で知られているものに比較して削減された脂肪のレベルを含み、風味および噛んだときの硬さ等の組成物の感覚特性を変えることなく、そして従来の組成物に等しいコストで、より健康となる、ココアおよび/またはその誘導体の組成物を含むチョコレート等の食品組成物を提供することである。
【0022】
本発明の第2の目的は、上記のもの等の削減された脂肪レベルを有する食品組成物を調製する方法を提供することである。
【0023】
本発明の第3の目的は、ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物に基づく食品組成物において、該組成物中の削減された脂肪レベルを提供する目的での加水分解コラーゲン等の脂肪に代替するタンパク質の使用である。
【0024】
本発明の第4の目的は、上記のようなもの等の削減された脂肪レベルを有する食品組成物を含む製品を提供することである。
【0025】
本発明の第5の目的は、当該技術分野で知られているものに比較して、特に低脂肪および低カロリーで、風味および噛んだときの硬さ等の組成物の感覚特性を変えることなく、そして従来の組成物に等しいコストで、より健康となる、削減された脂肪レベルおよび糖の添加のない削減されたカロリー値を含むココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物を含むチョコレート等の食品組成物を提供することである。
【0026】
本発明の第6の目的は、上記のように削減された脂肪および糖の添加のないカロリー値を有する食品組成物を調製する方法を提供することである。
【0027】
本発明の第6の目的は、上記のように削減された脂肪および糖の添加のないカロリー値を有する食品組成物の調製のための組成物において、削減された脂肪レベルおよび糖の添加のないカロリー値を目的とするココアおよび/またはその誘導体の組成物に基づく食品組成物中での、加水分解コラーゲン等の脂肪代替物、甘味料およびボディーエージェントへのタンパク質の使用である。
【0028】
本発明の第8の目的は、上記のように削減された脂肪および糖の添加のないカロリー値レベルを有する食品組成物を含む製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の第1の目的は、ココアおよび/またはその誘導体の組成物、脂肪代替タンパク質および乳化剤を含む食品組成物で得られる。
【0030】
本発明の第2の目的は、以下の段階を含む上記のようなものにより、食品組成物を調製する方法を通して達成される:
(i)食品組成物の粉末成分と、続いてココアリカーおよびココアバターと、脂肪代替物との混合;
(ii)段階(i)で得られた塊(mass)の微粒化;
(iii)段階(ii)で得られた塊のシェリング、
(iv)食品組成物の他の成分と段階(iii)で得られた塊の混合。
【0031】
本発明の第3の目的は、上記のようなもの、または上記の方法によって得られたもの等の食品組成物を調製し、食品組成物の全重量に対して、約18〜30重量%で変化する脂肪含有量を提供するための、有効量のココアおよび/またはその誘導体の組成物、脂肪代替タンパク質および乳化剤の使用により達成される。
【0032】
第4の目的は、上記のように得られたものまたは上記のようなもの等の方法により得られたもの等の食品組成物を含む製品を通して達成される。
【0033】
本発明の第5の目的は、ココアおよび/またはその誘導体の組成物、脂肪代替タンパク質および乳化剤、甘味料およびボディーエージェントを含む食品組成物から得られる。
【0034】
第6の目的は、以下の段階を含む上記のようなものにより、食品組成物を調製する工程を通して達成される:
(i)食品組成物の粉末成分と、続いてココアリカーおよびココアバターと、脂肪代替物との混合;
(ii)段階(i)で得られた塊の微粒化;
(iii)段階(ii)で得られた塊のシェリング、
(iv)食品組成物の他の成分と段階(iii)で得られた塊の混合。
【0035】
本発明の第7の目的は、上記のようなものまたは上記のように規定された方法によって得られるもの等の食品組成物の調製のための、有効量のココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物、加水分解された脂肪代替タンパク質、乳化剤およびボディーエージェントの使用を通して達成される。
【0036】
本発明の第8の目的は、上記のように得られたものまたは上記のようなもの等の方法により得られたもの等の食品組成物を含む製品を通して達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
第1の態様において、本発明は、ココアおよび/または誘導体の組成物、加水分解コラーゲン等の脂肪代替タンパク質、および乳化剤、および任意選択的にミルクを有する食品組成物に言及する。
【0038】
食品組成物は、食品組成物の全重量に対して、約25〜40重量%のココアおよび/または誘導体の組成物、約2〜10重量%の加水分解コラーゲン等の脂肪代替タンパク質、任意選択的に約10〜30重量%のミルク、および約0.5〜3重量%の乳化剤を含む。
【0039】
ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物は、ココア誘導体の混合物、ココア粉末、ココアバター、ココアリカーまたはそれらの混合物の形態であることができる。好ましくは、この組成物は、ホワイトチョコレートのための少なくとも20重量%のココア固形物およびミルクチョコレートのための25重量%のココア固形物を有する。
【0040】
脂肪代替タンパク質、好ましくは、加水分解コラーゲンは、異なる加水分解のレベルを示すことができる。好ましくは、加水分解コラーゲンは、50000Daまでの、さらに好ましくは500〜30,000Da、またさらに好ましくは1,500〜20,000Daの分子量を示す。
【0041】
ミルク成分および/又は誘導体は、調合物に加えられ、そしてスキムミルク、牛乳、全乳、半スキムミルク、豆乳、コンデンスミルクまたはそれらの混合物から選択できるが、これらに限られない。ミルクのタイプが、食品組成物中で所望の脂肪の削減を可能にすることは重要である。
【0042】
乳化剤は、大豆レシチン、PGPR、脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレートポリオキシエチレン、フォスファチド酸アンモニウム、ポリグリセロールでエステル交換されたリシノール酸エステル、ソルビタンモノステアレートおよびソルビタントリステアレート、およびGMP(適正製造基準を規制するブラジルの法律に含まれるすべての添加物)として分類されるすべて、ならびにそれらの混合物から選択できる。食品組成物は、食品組成物の全重量に対して、好ましくはPGPRの約0〜0.5重量%、および約0〜3重量%の大豆レシチンを含む。
【0043】
食品組成物は、例えば、ホワイトチョコレートを得るために、好ましくは、少なくとも約20重量%の総ココア固形物、およびミルクチョコレートのために少なくとも25重量%の総ココア固形物を含む。
【0044】
食品組成物は、好ましくは、食品組成物の全重量に対して、約18〜30重量%の総脂肪および約10重量%タンパク質を含む。食品組成物は、30gの部分当たり115〜150kcalで変化するカロリー値を示す。
【0045】
本発明による食品組成物は、糖をさらに含む。糖は、精白糖、グラニュー糖、フルクトース、グルコース、アスパルテーム、ソルビトール、キシロースまたはそれらの混合物であることができ、好ましくは(20〜25μmの粒子の)精白糖である。
食品組成物はまた、ココアバター、植物性油および動物性脂肪を含むことができる。
【0046】
保存剤(conservatives)は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムおよびGMPに分類されるもの等の、ベーカリー製品およびビスケット、菓子類、デザート、氷菓子(edible frozens)、スイーツ、キャンディー、ボンボンおよびその同類のもののためのトッピングおよびシロップ、ならびに消費されるための菓子類のソースの範疇で受け入れられる試薬から選択できる。
香りは、当該技術で通常公知のものから選択できる。
【0047】
本発明の組成物はまた、酸味料(クエン酸および酒石酸)、芳香剤、安定剤(アンモニウム塩、カリウムを含むカラギーンおよびフルセララン)、糖コーティング(ステアリン酸およびイソマルトであるすべてのGMP)、およびカマウバ、およびまたは、すべてのGMP保湿剤(乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、ソルビトールおよびソルビトールシロップ、マンニトール、グリセロール、グリセリン、キシリトール、ポリデキストロース)を含むことができる。
【0048】
食品組成物は、1種または2種以上の以下の特徴を示す:
食品組成物の全重量に対して、
−0.4〜1.2重量%で変化する湿気含有量;
−約0.36〜0.39重量%で変化する水分活性;
−約20〜25μmで変化する粒径;
−2〜2.6kgfで変化する破砕力(force of fructure);
−約4Pa・s〜11Pa・sで変化するカッソン(Casson)の塑性粘度;
−0.3〜1.5Paで変化する流れ制限(flowing limit);
−約4.5〜11(テンバーインデックス(Temperindex)−Tl)で変化する結晶化レベル;
【0049】
本発明は、以下の段階を含む上記で規定された食品組成物を調製する方法に言及する:
(i)加水分解コラーゲンと該食品組成物のココアの組成物の粉末成分との混合;
(ii)段階(i)で得られた塊の微粒化;
(iii)段階(ii)で得られた塊のシェリング、
(iv)組成物の他の成分と段階(iii)で得られた塊の混合。
工程は、調温の段階に加えて、成型、型抜き、および包装段階を含む。
【0050】
本発明は、上記で規定されたまたはあらかじめ規定された方法によって得られた、組成物の全重量に対して、約18〜30重量%で変化する脂肪含有量を提供する、有効量のココアおよび/またはその誘導体の組成物、脂肪代替タンパク質および乳化剤に言及する。
【0051】
第2の態様において、本発明は、例えば、低脂肪および削減されたカロリー値を有するチョコレート等の削減された脂肪含有量およびカロリー値を有するココアおよび/または誘導体の組成物、加水分解された脂肪代替タンパク質、乳化剤、甘味料およびボディーエージェントを含む食品組成物に言及する。食品組成物は、任意選択的にミルクおよび/またはその誘導体の成分、硬化脂肪およびココアバターおよび麦芽エキスの均等/代替物を含む。
【0052】
好ましくは、該食品組成物は、食品組成物の全重量に対して、約25〜40重量%のココアおよび/または他の誘導体の組成物、約1重量%〜10重量%の加水分解コラーゲン等の加水分解されたタンパク質、約0.1〜5重量%の乳化剤、約0.5〜70重量%のボディーエージェント、約0.01〜0.09重量%の甘味料および任意選択的に、30重量%までのミルクを含む。
【0053】
ココアの組成物(塊)は、ココア、ココア粉末、ココアバター、ココアリカー、またはそれらの混合物の誘導体の形態であることができるが、これらの例に限られない。重要なことは、その組成物中に、例えばミルクチョコレートでは少なくとも25重量%のココア固形物、および、例えば、ホワイトチョコレートでは20重量%のココア固形物を含むことである。あるいは、ココアバターは、この組成物の全重量に対して一般的に0.1〜50重量%の量で、植物性脂肪、バター油および動物性脂肪、ココアバター代替物およびその同類のものによって置換できる。
【0054】
ミルク成分および/または誘導体(例えば乳清等)は、調合物に加えられ、そしてスキムミルク、全乳、半スキムミルク、乳清、ミルク代替物、牛乳、豆乳、コンデンスミルクまたはそれらの混合物から選択できるが、これらに限られない。このタイプのミルクが、所望のような食品組成物中の脂肪の削減を可能にすることは重要である。
【0055】
脂肪代替タンパク質は、好ましくは50000Daまで、さらに好ましくは500〜30000Da、またさらに好ましくは1500〜20000Daの異なるレベルの加水分解を示すことができる。
【0056】
乳化剤は、大豆レシチン、ポリグリセロールポリリシノレエート(PGPR)、脂肪酸からのエステル、ポリオキセレンモノステアレート、ホスファチジン酸アンモニウム塩、ポリグリセロールでエステル交換されたリシノール酸からのエステル、ソルビトールモノステアレートおよびソルビタントリステアレート、GMPとして分類されるものすべておよびそれらの混合物から選択できるがこれらの例に限られない。食品組成物は、好ましくは全食品組成物の重量に対して、PGPR中に、約0〜0.5重量%および約0〜3重量%大豆レシチンを含む。
【0057】
ボディーエージェントは、ポリデキストロース、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、フルクトゴサッカリド(fructogosaccharide)、イソマルトまたはそれらの混合物から選択できるが、これらの例に限られない。
甘味料は、スクラロース、アセサルフェーム−k、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ステビオシド、またはそれらの混合物から選択できるがこれらに限られない。
香りは、当該技術で通常公知のものから選択できる。
脂肪源は、ココアバターおよび/または市場に存在するその代替物/均等物、動物性脂肪、硬化脂肪であることができるが、これらの例のみに限られない。
【0058】
本発明の組成物はまた、酸味料(クエン酸および酒石酸)、芳香剤、安定剤(アンモニウム塩、カリウムを含むカラギーン、およびフルセララン)、糖コーティング(ステアリン酸およびイソマルトであるすべてのGMP)、およびカルナバ、およびまた、すべてのGMP保湿剤(乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、ソルビトールおよびソルビトールシロップ、マンニトール、グリセロール、グリセリン、キシリトール、ポリデキストロース)を含むことができる。
【0059】
保存剤は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムおよびGMPに分類されるもの等の、ベーカリー製品およびビスケット、菓子類、デザート、氷菓子、スイーツ、キャンディー、ボンボンおよびその同類のもののためのトッピングおよびシロップ、および消費されるための菓子類のソースの範疇で受け入れられる試薬から選択できる。
【0060】
本発明の食品組成物は、食品組成物の全重量に対して、約18重量%〜30%重量の総脂肪レベル、および30gの組成物の部分当たり約50〜約150kcalのカロリー値を示す。この組成物は、低脂肪および低カロリーである。
【0061】
本発明はまた、上記のように得られたものまたは上記のように規定された方法によって得られたものなどの食品組成物の調製のための、有効量のココアおよび/またはその誘導体の組成物、加水分解された脂肪代替タンパク質、乳化剤およびボディーエージェントの使用に言及する。
【0062】
本発明は、上記で規定されたまたは上記で規定されたもの等の方法によって得られた食品組成物を含む製品に言及する。製品は、チョコレートが充填された、トッピングされた、ボンボン、チョコレートを含む詰め物、パン等のベーカリー製品、パネットーネおよびケーキであることができる。本発明の食品組成物の好ましい例は、とりわけタブレット、バー、粒状、粉末、ソース、詰め物、トッピング用のバーの形を想定した、ホワイトまたはミルクチョコレートのいずれかであることができるチョコレートである。
本発明は、例によって具体的に説明されるであろうが、本発明の範囲を制限しない。
【実施例】
【0063】
(加水分解コラーゲンを有する)本発明の食品組成物と、(加えられたコラーゲンを有さない)従来のチョコレート食料品との比較を下記に示す:
【0064】
表1:標準ミルクチョコレート(w/oコラーゲン添加)の調合物および低脂肪ミルクチョコレート(w/コラーゲンの添加)の調合物
【表1】

【0065】
上記の表1では、大豆レシチンについては、法律によって確立された上限がないにもかかわらず、PGPRについては、0.5重量%は、ブラジルの法律によって許容される最大のレベルに相当することを指摘することは重要である。
【0066】
ブラジルの規則、Resolution RDC 264,2005年9月22日は、"チョコレートは、ココア誘導体、ココアからのペースト(またはペーストもしくはリカー)、ココア粉末および/またはココアバターと、総ココア固形物の少なくとも25重量%(g/100g)を含有する他の成分との混合物から得られた製品である。製品は、種々の詰め物、トッピング、形および粘調性を示すことができる"と示す。したがって、総ココア固形物の下限の範囲内である限り、チョコレートペーストへの他の成分、例えば加水分解コラーゲン、本発明の食品組成物中の成分を、取り込むことができる。
【0067】
ブラジルの規制法、条例27、1998年1月13日の低脂肪と宣言される製品での相補的栄養成分に関する技術規則によって確立されたように、問題になっている栄養源の少なくとも25%の減少を提供することが好ましい。また条例では、"比較される栄養源の含有量および/または食料品のエネルギー値は、そのメーカーの類似の製品またはその分野で販売されていることが知られている3つの類似製品の含有量の平均値;または認められた値のデータベースに基づいて計算されることが好ましい"。包装された食料品品目の栄養標示の技術規則を扱う12月23日のResolution RDC360は、その中の添付書類A,9頁において、日々の参照値−タンパク質では75グラムのVDFを定める。
第1の態様の本発明の食品組成物の調製方法
【0068】
成分の混合を、5リッター容量のプラネタリーミキサー中で行った。標準チョコレートの総脂肪レベル(30%)を、参照として使用されるタブレットの3つの商品サンプルの標示から得られた平均値に基づき選択した。ミルクチョコレートでは、粉末(ミルク粉末および糖)中の成分を最初に、そして次にココアバター(18.92%)の一部と既に溶解されたココアリカーを混合した。この段階では混合物の総脂肪レベルは255で、微粒化に好適な可塑的粘調性のペーストを生じた。
【0069】
ライトミルクチョコレートでは、最初に粉末成分を加え、コラーゲン、次にリカーおよび調合物の全てのココアバターを加えた。このように、混合段階における変化をテストした:粉末のコラーゲンと粉末の他の成分の添加、およびココアバター(12.14%)のすべて取り込み。
【0070】
調合物においては精白糖を使用したので、水で冷却された3つのステンレススチールのホリゾンタルスリーブドシリンダーからなるペーストの微粒化を、微粒化機中で単一の段階で行った。シリンダー間の距離を、ペーストの粒子が20〜25μmにとどまるような方式で調整した。
【0071】
シェリングを、2つの段階で行った。最初に、乾燥シェリングを5kgのシェル内で行った。ペーストを60℃で10時間シェルした。3kgのロットを使用した。次に、このロットを700gの分画に分け、1kg容量の縦方向の(FriwessaブランドのPPCタイプ、ベンチサイズ)ミニシェル中でのプラスチックシェリングに提供された。サンプルを16時間60℃でシェルした。(標準チョコレートの場合のみ)ココアバターの残り、バター油およびバニラ香と共に、大豆レシチンおよびPGPR乳化剤を、この段階の始めにペーストに取り込んだ。その親水性の特徴から、乳化剤は湿気および製品の他の揮発性成分を保持する傾向があるので、工業的にはプラスチックシェリングの最終段階で、乳化剤をチョコレート中へ取り込むことを指摘する。しかし、この手順では、使用されたシェル(縦方向シェル)機械的な特徴に基づいて適合させた。
【0072】
調温を、1kg容量の実験室調温デバイス中で行った。調温方法は、TALBOT 9TALBOT、G.Chocolate temper.In:BECKET、ST.、(Ed.)、Industrial chocolate manufacture and use 2nd ed.London: Chapman & Hall、1994、chapter 11、pages 156〜166)によって提案された3段階を使用した。
【0073】
400gのロットを最初に強制空気循環を有する45℃のグリーンハウス内で溶かし、そして調温デバイスに10分間40℃で保った。この段階は、調温前にサンプリングされた温度において、安定化を促進するのに必要であった。次に、下の表2に示すように、サンプルを27.5℃に冷却し、この温度で10分間保ち、そして再び31℃に3分間加熱した:
表2:ライト、標準ミルクチョコレートサンプルの調温工程で使用した条件
【0074】
【表2】

【0075】
調温デバイスの使用は、2つの調合物のための調温条件(時間および温度)の標準化を可能にし、大理石のテーブルの上での手動の調温による誤差を防いだ。
【0076】
調温されたサンプルを予め加熱した型内に堆積させ、そして従来型冷蔵庫で10℃に冷やした。テストの間に、結晶化レベルの分析のためのサンプルを収集した。調温手順および結晶化レベルの決定の両者を、それぞれのサンプルについて3回とした。
【0077】
型抜き段階および包装を21±1℃で行った。チョコレートバーをアルミニウム紙中に包装し、そして湿度および光から保護された20±1℃の制御された温度のチャンバー内の密封容器に保存した。
【0078】
サンプルの特徴:
サンプルは、粒径、粘度および流れの限界(Casson lOCCC、International Office of cocoa、 chocolate and sugar confectionery、Rev.Int.Choc.(RIC)、v.28、pages 216〜218、1973)、水分活性、湿度レベル、テクスチャー解析(スナップテスト)および結晶化レベルに関して特徴があった。また受け入れテスト(SAS Institute Inc.Statistics Analysis systems (SAS)、Cary、USA、1993)からなる感覚分析を行った。
【0079】
すべての結果を、分散分析(ANOVA)およびテューキーの検定にかけて、SASプログラム(統計的分析システム)を使用して、結果の平均間の有意差を明らかにした。次に、使用した方法を示す。
【0080】
粒径:
0〜250μmスケールのマイクロメーターを使用し、そして測定の前に検定した。それぞれのサンプルでは、異なる領域から3つの部分をとり、約1:1の重量比率で均質な粘調性が得られるまで、純粋な鉱物性油中で希釈した。10測定をそれぞれのチョコレートについて行った。
【0081】
湿度レベル:
カールフィッシャー(method 31.1.03、PROSKY、2000)による直接決定によって測定された。約0.4gのチョコレートを、分析規模で秤量し、そしてクロロホルム:メタノールの1:1溶液に溶解した。カールフィッシャーの試薬の濃縮を行った。決定を3回行った。
【0082】
水分活性−Aa
定温(25℃±0.3℃)で湿度計によって直接決定した。結果は9回の決定の平均であった。
【0083】
粘度およびカッソンの流れの限界
小さいサンプルのためのアダプターを有するデジタルプログラム可能なレオメーターを使用した。測定で使用したスピンドルは、内部と外部のシリンダーの径の比が0.75である円筒型であった。アダプターをサーモスタットで制御された浴に接続し、そしてスリーブ温度を40±0.5℃に読み取りの間保った。測定を、表3中に示すローテーションプログラムを使用して行った。得られ、そして装置のメモリー中に蓄積された結果で、せん断速度とせん断強度との相関の曲線を描き、そしてカッソンのパラメーターを線形回帰により計算した。それぞれの分析では、分析されたサンプルの異なる領域から部分を集め、そしてそれぞれのサンプルについて3回の繰り返しを行った。
表3:レオメーターで使用したプログラム
【0084】
【表3】

【0085】
*サンプル温度の一律化。
**せん断前サンプル
図3のカッソンの流動曲線を参照のこと
【0086】
結晶化レベル
結晶化レベルの分析では、SOLLICH model E3 temper meterを使用した。テンパレート(temperate)サンプルを、冷却曲線(図4)によって特徴付けた。
【0087】
スナップテスト(JORGEら、1999)
プローブHDP/3PB THREE POINT BEND RIGを使用する付属のソフトウェアを有する、Stable Micro SystemsのUniversal Texture meter TAXT2iで分析を行った。分析に使用された条件は、
チョコレートバーの寸法:8.2x2.5x0.7cm
バーペースト:19.27±1.40g
プローブベース間の距離:6cm
プローブとサンプルとの間の距離:5.5cm
テスト前の速度:3mm/s
テスト速度:1.7mm/s
テスト後の速度:10mm/s
であった。
【0088】
評価されたパラメーターは、図5に示される例によって、力×時間の曲線を通して得られたkgfで表されたバーの中心に適用された最大スナップ力で、25℃で温度制御された環境で決定された。10回の繰り返しをそれぞれのサンプルについて行った。図5を参照のこと。
【0089】
感覚分析
チョコレートバーの消費者であるcereal Chocotecの9人の技師によって行われる受け入れテストから成る。サンプルを、製品の概評のための開口を有する9点の嗜好尺度を用いて、噛んだときの硬さおよび風味の属性で評価した。示された属性に加えて、それぞれの試験者はそれぞれのサンプルに総合評価を与えた。
【0090】
結果および考察
表4は、標準(w/oコラーゲン)、およびライト(w/コラーゲン)のミルクチョコレートサンプルの湿度分析、水分活性および粒径の結果を示す。得られた平均相関係数と共に粘弾性パラメーターを表5に示す。
表4サンプル標準およびライトミルクチョコレートの湿度、水分活性および粒径
【0091】
【表4】

【0092】
*3回繰り返しの平均値±標準偏差
**10回繰り返しの平均値±標準偏差
MDS:最小有意差
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
表5:標準およびライトミルクチョコレートサンプルの粘弾性パラメーターおよび平均相関係数
【0093】
【表5】

【0094】
*3回繰り返しの平均値±標準偏差
*Tca−カッソンの塑性粘度
**ma−カッソンの流れ制限
***R2−変動係数
【0095】
チョコレートの湿度のレベル、水分活性、および粒径は、工程の条件に直接関連している。ミルクチョコレート、標準およびライトの2つのサンプルのための粒径の値が、この測定で好適な範囲内、すなわち20〜25μmのままであることが表4で確認できる。25μmより大きい粒径は、チョコレートを味わう場合に、砂質の味わいを与えるが、一方、20μm未満の粒径は、増粘および流れ制限となり、次の工程を妨げるので、技術的な問題を生じる場合がある(BECKETT,1994;MINIFFIE,1989)。
【0096】
得られた低い湿度の値および水分活性は、使用された工程、16時間のシェリング時間が、所望のレベル(2%未満)で、原料の中に存在する初期湿度を減少させるのに充分であったことを示す。これらの結果は、加水分解コラーゲン−HIDROGEL(商標)のさらなる乾燥が必要ないことを示す。3つパラメーターで分析されたサンプル間で5%のレベルの統計的有意差は無かった。
【0097】
4.94%の比率での、ココアバターのHIDROGEL(商標)加水分解コラーゲンによる部分的な置換、および結果としての調合物の脂質レベル(ライトチョコレート中で22.44%であり、標準ミルクチョコレート中で30%)の削減は、流れ制限を0.89Paから0.41Paに減少させ、そしてサンプルの粘度を4.04Pa・sから10.45Pa・sに増加させる。そのようであっても、乳化剤(PGPRおよび大豆レシチン)の組み合わせた使用により、脂肪を置換することなくブラジルで販売されている類似のチョコレートが示すものに近い粘弾性パラメーターを有する製品を得ることが可能になった。
【0098】
低脂肪ミルクチョコレートの成型、冷却および除去を、標準ミルクチョコレートと同じように行った、そして両製品は、光沢、および気泡のないことを示した。
【0099】
表6は、サンプルの調温または前結晶化で得られた結果を示す、一方、表7は、チョコレートバーのスナップテストの結果を示す。
表6の標準およびライトミルクチョコレートサンプルの調温で得られた結果分析は、20.0±0.7℃の温度で行った
【0100】
【表6】

【0101】
*3回繰り返しの平均値±標準偏差
MDS:最小有意差
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
表7標準ミルクチョコレート(w/oコラーゲン)およびライトミルクチョコレート(w/コラーゲン)のサンプルのスナップ力
【0102】
【表7】

【0103】
*3回繰り返しの平均値±標準偏差
MDS:最小有意差
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
【0104】
5%までの統計的な有意差は、結晶化レベルに関して、2種のチョコレートサンプルでは確認されなかったことに、表6では注意する。テンパーインデックスの値は、ミルクチョコレートの理想値の5.0にかなり近いことが見いだされた。テンパーインデックスの値の類似は、4.94%の加水分解コラーゲンの取り込みが、ココア結晶の形成および成長にマイナスの影響を与えず、結晶の粗く、そしてコンパクトなネットワークの形成を可能にしたことを示すことができる。しかし、最終的な結果は、X線回折および示差走査熱量測定(DSC)等の特定の分析技術を使用したさらなる試行によってのみ得ることができることを指摘することは重要である。結晶化から得られた結果は、工業的に、コラーゲンで調合されたライトミルクチョコレートの調温が、純粋なココアバターを有するチョコレートで使用される伝統的な工程を使用して行うことができることを示す(TALBOT,1994)。
【0105】
表7は、サンプルのスナップ力の結果を示す。標準およびミルクの2種のミルクチョコレートの値はかなり近く、おそらくその削減された脂肪レベルにより、低脂肪チョコレートでわずかに高いことに留意する。TIMMS(1980)によると、ミルクチョコレートにおける軟化の主因は、両方とも非常に明確にトリグリセリド組成物を有するので、ミルク脂肪の存在により引き起こされたココアバターの結晶化工程の減速である。この軟化、または美的効果は、これが減少すると多くの場合、好ましくなく、そしてファットブルームの発生、または脂肪相の製品表面への移動をさらに受けやすくする。
【0106】
表8は、チョコレートサンプルの感覚評価で得られた平均値を示す。
この例で、9人の試験者によって与えられた評価は、以下の分類分けに基づいている:
−−噛んだときの硬さ:1〜9まで変化し、1=柔らかい、5=中間、9=硬いである;
−溶け:1〜9まで変化し、1=悪い、5=中間、9=最善である;
−口内での残留:1〜9まで変化し、1=非常に残留する、5=中間、9=なしである;
−味:1〜9まで変化し、1=悪い、5=良い、9=最善である;
−総合評価:1〜9まで変化し、1=悪い、5=良い、9=最善である。
表8:ミルクチョコレートサンプル標準およびライトの感覚評価で得られた平均値
【0107】
【表8】

【0108】
*3回繰り返しの平均値±標準偏差
MDS:最小有意差
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
【0109】
受け入れテスト(噛んだときの硬さ、溶け、口内での残留、味および総合評価)で考慮されるすべての属性で、標準とライトミルクチョコレートのサンプルで統計的な有意差はなかったことを確認する。(重要でないが)主な相違は、溶けおよび口内での残留であったことに注意した。"噛んだときの硬さ"の属性の結果は、表7に既に示したように2つのサンプルでスナップ力パラメーターにおいて似ていることを確かにする。4.94%のコラーゲンの存在が、大部分の試験者によって気づかれなかったことを意味する。
【0110】
この設計では、チョコレートサンプルは、パイロットスケールで製造されたことを指摘することは重要である。工業的に使用される装置によって、特にシェリング段階では、他のシェルが、工程の間に望ましくない香りのさらなる効果的な除去を促進するのに加えて糖の固形物の粒子、ミルク、および脂肪相によるコラーゲンより良好な取り込みを有し、成分均一性を有するさらに効果的な系を有するので、製品の全体的な品質がより優れることを期待するのは普通である。
【0111】
表9は、法律によって確立された様に、実現したサンプル(標準およびライト)、および脂肪レベルの計算用に会社によって参照として選択された3種のチョコレートサンプル間での栄養成分の比較を示す。
表9:サンプルの栄養比較
【0112】
【表9】

【0113】
8.67%(30グラムの部分)である、参照としての3種の商品サンプル(Nestle、KraftおよびGaroto)の総脂肪のレベルを採用すると、表9において実現したライトチョコレートの総脂肪は、6.4%オフであり、すなわち26.18%の削減であったことに注意する。ブラジルの条例27に明記されるように、製品は、総脂肪において低いと宣言することができる。
【0114】
タンパク質のレベル(2.3gの平均/30gサンプルの商品サンプル)に関しては、コラーゲンで製造されたライトチョコレートは、3.6g/30gサンプルを有し、すなわち商業チョコレートに比較した場合、56%超であった。
【0115】
ライトチョコレートのカロリーの削減は、平均160(Kcal/商業チョコレート30g)に対して8.8%であり、すなわち146(Kcal/30g)であったことを実証した。製品は、したがって低カロリーと考えることができない。
【0116】
表10は、2つの調合物のコストの比較を示す。
両方のチョコレートで値が等しく、加水分解コラーゲンHIDROGEL(商標)の取り込みが製品のコストを変化させないことが実証される。
表10:ミルクチョコレート標準とライト間のコスト*比較
【0117】
【表10】

【0118】
*1kgの製品:既に税金を考慮:Sao Paulo PostでのCommercial dollar=R$2,375(2005年12月19日)として計算。
使用された工程の条件では、以下の結論を得ることができる:
参照として使用した商業的チョコレートに比較した場合、総脂肪が低いチョコレートは、56%多いタンパク質を示した;
大豆レシチンおよびPGPRに関連する4.94%のコラーゲンの使用は、処理条件に干渉しなかった;
感覚的には、標準と実現したライトミルクチョコレートとの間で、5%までの統計的有意差は確認されなかった。
表11:脂肪およびカロリーにおいて標準および低いミルクチョコレートの調合
【0119】
【表11】

【0120】
表12:加水分解コラーゲンの使用による脂肪およびカロリーの削減を有する代替チョコレート調合物の例
【表12】

【0121】
下の表13は、ブラジルの法律によって確立された様に、標準サンプル(w/o脂肪およびカロリーの削減、ならびにw/o加水分解コラーゲンを使用)と、脂肪およびカロリーの削減、および加水分解コラーゲンの使用を有する上記表に挙げた3つの例と、出願人による、直接消費のためのバーチョコレートの脂肪およびカロリーの計算のための参照として、出願人によって選択された3つのサンプルとの間の栄養成分の比較を示す。
表:13:直接消費のためのチョコレートのサンプルの栄養比較
【0122】
【表13】

【0123】
表14は、表13に類似するが、既に市場に存在するトッピングのためのバーチョコレートの例を示す。
表14:サンプルの栄養比較−w/oコラーゲンをトッピングするためのバーチョコレート、および加えられた加水分解コラーゲンをトッピングするためのバーチョコレート
【0124】
【表14】

【0125】
(*)わずかな量
標準チョコレート(30.00%)の総脂肪レベルを、ミルクチョコレートタブレットNESTLE、KRAFTおよびGAROTOの3つの商品サンプルの標示で得られた平均値に基づいて選択した。表2は、標準ミルクチョコレートw/oコラーゲン添加および低脂肪ミルクチョコレートw/コラーゲン添加の調合物を示す。ライトチョコレートでは、糖を、マルチトールとポリデキストロースとの混合物により置換した。製品の甘さを修正するために、スクラロースを使用した。ライトチョコレートで計算された総脂肪レベルは、22.44%であった。
表15;標準、ならびに脂肪およびカロリーの低い、コラーゲンを有するミルクチョコレートの調合
【0126】
【表15】

【0127】
−含まない;*は調合物の全重量による
本発明で使用されたHYDROGEL(商標)加水分解コラーゲンは、Instant Gel(商標)の商用名でGelitaから得ることができる。
本発明の第2の様式の食品組成物の調製工程
成分の混合物を、5kg容量の混合機/シェル(INCOブランド)内で行った。
この段階は、装置スリーブ内の熱水の循環によって保たれた40℃の温度下で行った。3kgロットの製品を使用した。
【0128】
標準ミルクチョコレートでは、糖およびミルク粉末の成分を、最初に混合した。次に、ココアリカーおよびココアバターの一部を、予め40℃で溶かして(総脂肪の25%となるまで)混合した。混合物を微粒化に好適な可塑的粘調性にした。ライトミルクチョコレートでは、最初にミルク粉末、マルチトール、ポリデキストロース、コラーゲンおよびスクラロースの成分を加え、次にココアリカーおよび予め40℃で溶かした調合物(12.14%)の全てのココアバターを加えた。
【0129】
塊の微粒化を、冷水で冷却されたステンレススチールの、3つの水平のシリンダースリーブからなるDRAISWERK微粒化器、GMBHモデル内で、単一段階で行った。シリンダー間の距離をデジタルマイクロメーターで測定して、20〜25μm最大粒径のpfペースト粒子を得るように調整した。調温方法は、TALBOTによって提案された3段階を使用した(図5)。
【0130】
シェリングを、1kg容量のFRIWESSAブランド、PPCタイプの縦型ミニシェル内で行った。サンプルを、60℃で24時間シェルした。シェルの機械的な特徴に基づいて、乾燥シェリングを行うことはできなかった。微粒化からのペーストに、分散を促進するために、予めバター油内で混合した、ココアバターの残り(標準ミルクチョコレートにおいてのみ)、および大豆レシチン成分、PGPRおよびバニラ香を加えた。それぞれの調合物を700グラムのロットで扱った。
【0131】
縦型のシェルと異なる動作原理を有する工業用シェルの大部分では、シェリング工程の終わり、この段階の終了の約30分前までに、乳化剤の取り込みをすることが勧められることを指摘することは重要である。
調温を、1kg容量の実験室調温デバイス、ACMCブランドモデルD45134で行った。
調温方法は、TALBOTによって提案された3段階を使用した(図6,1994)。
【0132】
400gのロットを、45℃で空気を強制循環したグリーンハウス内で最初に溶かし、そして40℃で10分間、調温デバイス中に保った。この段階は、調温前にサンプルの温度の安定化を促進するのに必要である。表16に示すように、次に、サンプルを27.7℃まで冷却し、この温度で10分間保ち、そして再び31℃まで3分間で加熱した。調温テストの間、20.0℃±1℃に制御された環境内に保った。
表16:調温工程で使用された条件
【0133】
【表16】

【0134】
調節したサンプルを、図9に示された温度プロファイルによって、予め加熱された型内に置き、そしてクーリングトンネル内で冷却した。グラフは、トンネル(m)の内側のベルトに沿った空気の冷却温度(℃)を示す。テストの間に、結晶化レベル(テンパーインデックスTI)の分析のためのサンプルを集めた。
【0135】
型抜き段階および包装を、20±1.0℃で行った。チョコレートバーを、アルミニウム紙内に包装し、そして20±1.0℃の制御された温度のチャンバー内の湿度および光から保護された密封容器内に、15日の期間保存した。
【0136】
サンプルの特徴および手順
サンプルは、最大の粒径、粘度および流れ制限(カッソン)、湿度レベル、客観的スナップテスト分析および結晶化レベル(テンパーインデックスTl)に関して、特徴がある。また、受け入れテストからなる感覚分析を行った。すべての結果を、分散分析(ANOVA)およびテューキーの検定にかけて、SASプログラム(統計的分析システム、1993)を使用して、結果の平均間の有意差を規定した。次に、使用した手順を示す。
【0137】
最大粒径(LUCCAS,2001)
0〜250mmのスケールとデジタルMITUTOYOマイクロメーターを使用し、各測定前の点検/較正した。各サンプルは、(重量で)1:1の純粋なNujolブランドの鉱物性油で希釈し、そして均質な粘調性を得るまで手で混合した、異なる領域から取った3つの部分であった。10の測定を、それぞれのチョコレートで行った。
【0138】
湿度レベル(PR05KY,2000)
カールフィッシャーによって直接決定で測定した。約0.4グラムのチョコレートを、分析規模で秤量し、そしてクロロホルム:メタノール溶液(1:1)に溶解した。次にTitroline Α/5chott−Gerate GmbH TM 125濃縮器を使用してカールフィッシャー試薬と濃縮を進めた。3回で決定した。
【0139】
粘度およびカッソンの流れ制限(lOCCC,1973)
小サンプル用アダプターを備えたデジタルプログラムレオメーター、BROOKFIELDブランド、モデルRVDVIII+を使用した。測定で使用したスピンドルは、0.75の内部および外部円筒半径の比の、円筒型タイプ(使用:S15)であった。アダプターをサーモスタットで制御された浴、BROOKFIELDブランドの、モデルTC500に接続し、そして温度を、測定中は40℃±0.5℃に保った。測定を、表4に示されるローテーションプログラム(VI550TTOほか、1997)を使用して行った。その結果得られた、せん断速度と強度との相関曲線を描き、そして、カッソンパラメーターを、図8の例の具体的に説明による線形回帰を通して計算した。それぞれのサンプルで3回繰り返した。
表17:レオメーターBRQOKFIELD RVDVIII+で使用したプログラム
【0140】
【表17】

【0141】
VISSOTTOら、1997
*サンプル温度の一律化。
**せん断前サンプル
結晶化レベルテンパーインデックス(Tl)
結晶化レベルの分析では、SOLLICHモデルE3テンパーメーターを使用した。テンパレートサンプルを、冷却曲線(図7)によって特徴付けた。
【0142】
スナップテスト
分析を、プローブ HDP/3PB THREE BEND RIGを使用した付属ソフトウェアを有するStable Micro Systemsの汎用テクスチャーメーターTA−XT2iで行った。分析に使用した条件は:
チョコレートバーの寸法:8.2x2.5x0.7cm
バーペースト:19.75±1.64g(標準)/20.34±1.27g(ライト)
プローブベース間の距離:6cm
プローブとサンプルとの間の距離:5.5cm
テスト前の速度:3mm/秒
テスト速度:1.7mm/秒
テスト後の速度:10mm/秒
であった。
図8に示す例によって、評価したパラメーターは、kgfで表され、力×時間の曲線の記録を通して得られたバーの中心に適用された最大スナップ力、であった。決定を、25℃で温度制御された環境中で行った。それぞれのサンプルについて10回ずつ行った。
【0143】
感覚分析
バーチョコレートの消費者である9人の試験者で行った受け入れテストにある。サンプルを、噛んだときの硬さ、溶け、脂肪残留物および風味に関して評価した。9点の嗜好尺度を、製品の概評のための開口で使用した。示された属性に加え、それぞれの試験者は、それぞれのサンプルに総合評価を与えた。
【0144】
結果および検討
表18は、ミルクチョコレートサンプル標準(w/oコラーゲン)、およびライト(w/コラーゲン)の湿度分析および最大粒径の結果を示す。粘弾性パラメーターを得られた平均相関係数と共に表18に示す。
表18:粒子の湿度および最大粒径
【0145】
【表18】

【0146】
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
表19:粘弾性パラメーターおよび平均相関の係数
【0147】
【表19】

【0148】
M.D.S:最小有意差
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
【0149】
表18では、湿度レベルで55までの統計的な有意差があったが、2種のサンプルの湿度値および最大粒径は、チョコレートに好適と考えられる範囲、すなわち1.0%〜1.5%および20μm〜25μm、のそれぞれにとどまったといえる。これは、テストで使用された工程の条件、とりわけ調温器の調整および温度およびシェリング時間が、好適であったことを示す。糖(例えばポリデキストロース)の置換が、最終製品の包装を選択するためにさらなる研究を必要とする高い吸水容量(GOMESら、2007)を示すことを指摘することは重要である。ココアバターを、4.94%の比率で加水分解コラーゲンHIDROGEL(商標)と部分的に置換した低脂肪チョコレート(project118/05)で既に実証したように、表19により、30.00%の調合物の脂質レベルの22.44%への削減は、低脂肪および低カロリーチョコレートの粘度の増加を生じた。おそらくライト調合物におけるPGPRの減少により、流れ制限におけるPGPRレベルの減少がまたあった。それでもなお、値は、従来の工程(VISSOTTOら、1997)を使用するチョコレートの製造の許容できる限界内にある。表20は、サンプルの調温または前結晶化で得られた結果を示し、一方、表21はチョコレートバーのスナップテストの結果を示す。
表20:チョコレートサンプルの調温または前結晶化
【0150】
【表20】

【0151】
M.D.S:最小有意差
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
表21:チョコレートサンプルのスナップテスト
【0152】
【表21】

【0153】
M.D.S:最小有意差
同じ列の同じ文字の値は、5%の有意によるテューキーの検定を通しても相互に実質的に相違しない。
表19および20において、結晶化レベルおよびスナップ力のそれぞれに関して、2種のチョコレートサンプルの5%で、統計的有意差を確認しなかったことに注意する。テンパーインデックス値は、ミルクチョコレートに使用される4〜6の範囲内にとどまり、ココアバターまたは当量の脂肪CBE(ココアバター当量)を有するチョコレートで今日使用される従来の工程を使用して、低脂肪および低カロリーのミルクチョコレートの工業的な調温を行うことができることを示した。:スナップ力値(表21)の類似は、糖のポリオールでの置換、そして加水分解コラーゲンの取り込みが、製品の品質において、とりわけチョコレートタブレットにおいて重要と考えられる特性である、チョコレートのスナップに干渉しないことを示す。
表22は、感覚評価の結果を示す。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
表23
【0154】
【表22】

【0155】
1、値は、成分の供給業者/使用されたロットによる変化を受ける;
2、チョコレートNESTLE、KRAFTおよびGAROTOの標示から直接得た平均値;
3、NESTLEチョコレート
【0156】
標準チョコレートを比較すると、実現したライトチョコレートが、総脂肪レベルで25.20%およびカロリー値で25.99%を示したことが実証される。選択された3つの商品サンプル(NESTLE、KRAFTおよびGAROTO)の総脂肪レベルの平均およびカロリー値、それぞれ30.27%および532.44Lcal/100gに対して、ライト製品は、総脂肪レベルで25.87%およびカロリーレベルで26.59%の削減を示した。したがって、1998年1月13日の条例27,ANVISAによって決定されるように、この製品は、総脂肪が低くおよび低カロリー(AN−VISA、 2007 BR)であると宣言できる。
【0157】
タンパク質(6.49gの平均/100gの商品サンプル)のレベルに対して、製造されたライトチョコレートは、12.01g/100g、すなわち商業的チョコレートに比較した場合、85.05%超を有する。
【0158】
45.87%の炭水化物類を有するにもかかわらず、条例27により、調合物中で全てのショ糖が、ポリデキストロース混合物、マルチトールおよびスクラロースで置換されているので、ライトチョコレートはまた、糖を添加のない製品として分類できる。1998年1月13日の条例29、ANVISA,item4.1.1.1により、ショ糖、フルクトースおよび/またはグルコース(ブドウ糖)の制限をしたダイエットのための食料品は、糖代謝障害を有する人々の要求にかなうように特に調合されている食料品である。これらは、100gまたは100mlの最終製品"当たりせいぜい0.5gのショ糖、フルクトースおよび/またはグルコースを含むことができる(ANVISA、 2007 BR)。
【0159】
ミネラルに関しては、ライトチョコレートは、NESTLEチョコレートより高レベルのカルシウムおよび低レベルの鉄を有する。これは、平均的な商業チョコレートNESTLE(0)およびGAROTO(64mg/100)と比較した場合に、高レベルのナトリウム、およびKRAFTチョコレート(136mg/100g))より低いナトリウムを示す。チョコレート中でナトリウムのレベルを制限する特別の法制はない。
【0160】
結論
加水分解コラーゲンHIDROGEL(商標)によるココアバターの部分的な置換およびポリデキストロース、マルチトールおよびスクラロースの混合物の置換は、低脂肪および低カロリーおよび糖のw/o添加で魅力のあるミルクチョコレートを得ることを可能にした。分析によって知られるショ糖、フルクトースおよび/またはグルコース(ブドウ糖)のレベルにより、製品は、また糖においてダイエットであると分類できる。
【0161】
(NESTLE、KRAFTおよびGAROTO)の参照としての商業チョコレートに比較して、開発されたチョコレートは、総脂肪レベルにおいて25.87%の削減、カロリー値において26.59%の削減およびタンパク質のレベルにおいて85.05%の増加を示した。これは、より多いレベルのカルシウムおよびナトリウム、ならびにより少ないレベルの鉄を示す。販売されている国および有効な法制によって、製品は繊維が豊富であると考えられることができる。
【0162】
好ましい実現の記載された例を有し、本発明の範囲が他の可能な変化を含み、そこに可能な均等物を含む請求の範囲のみによって限定されることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0163】
本発明は、以下の図に基づいて具体的に説明されるであろう:
【図1】図1は、本発明の第1の態様のための3段階の調温方法に関する図を具体的に示す。
【図2】図2は、本発明の第1の態様のためのずり速度、ずり応力に関連した曲線を具体的に示す。
【図3】図3は、本発明の第1の態様で、a)調温以下;b)わずかに調温された;c)正しく調温された;d)非常に調温されたテンパーメーターの典型的な曲線を有する冷却曲線を具体的に示す。
【図4】図4は、本発明の第1の態様のためのテクスチャーメーターTAXT2iの力積曲線を具体的に示す。
【図5】図5は、本発明の第2の態様のための3段階の調温方法に関連した図を具体的に示す。
【図6】図6は、本発明の第2の態様のためのずり速度、ずり応力に関連した曲線を具体的に示す。
【図7】図7は、本発明の第2の態様のためのa)調温以下;b)わずかに調温された;c)正しく調温された;d)非常に調温されたテンパーメーターの典型的な曲線での冷却曲線を具体的に示す。
【図8】図8は、本発明の第2の態様のためのテクスチャーメーターTAXT2iの力積曲線を具体的に示す。
【図9】図9は、冷却トンネル内側の空気の温度のプロファイルを具体的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物、脂肪代替タンパク質および乳化剤を含んで成ることを特徴とする食品組成物。
【請求項2】
該食品組成物の全重量に基づいて、約25重量%〜40重量%のココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物、約2重量%〜10重量%の該脂肪代替タンパク質および約0.5重量%〜3.0重量%の乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品組成物。
【請求項3】
該ココアの組成物が、粉末化ココア、ココアバター、ココアリキュールおよび/またはそれらの誘導体を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の食品組成物。
【請求項4】
該食品組成物の全重量に対して、最低20重量%のココア固形物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項5】
該食品組成物の全重量に対して、最低25重量%の総ココア固形物を含むことを特徴とする、請求項4に記載の食品組成物。
【請求項6】
該脂肪代替タンパク質が、加水分解コラーゲンおよび/またはその誘導体を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の食品組成物。
【請求項7】
該脂肪代替タンパク質が、50,000Daまでの分子量を有する加水分解コラーゲンを含むことを特徴とする、請求項6に記載の食品組成物。
【請求項8】
該加水分解コラーゲンの分子量が、500〜30,000Daの範囲であることを特徴とする、請求項7に記載の食品組成物。
【請求項9】
該加水分解コラーゲンの分子量が、1,500〜20,000Daの範囲であることを特徴とする、請求項8に記載の食品組成物。
【請求項10】
該乳化剤が、大豆レシチン、ポリグリセロールポリリシノレエート(PGPR),1種または2種以上の脂肪酸エステル、ソルビタンポリスチレンモノステアレート、1種または2種以上のフォスファチド酸のアンモニア塩、ポリグリセロールでエステル交換された1種または2種以上のリシノール酸エステル、ソルビタンモノステアレートおよびソルビタントリステアレートまたはそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の食品組成物。
【請求項11】
該食品組成物の全重量に対して、約0〜0.5重量%のPGPRおよび約0〜3重量%の大豆レシチンを有する乳化剤を含むことを特徴とする、請求項10に記載の食品組成物。
【請求項12】
該食品組成物が、ミルク成分および/またはそれらの誘導体をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項13】
該ミルク成分および/またはそれらの誘導体が、牛乳、全乳、半スキムミルク、豆乳、コンデンスミルクまたはそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項12に記載の食品組成物。
【請求項14】
グラウンドシュガー、グラニュー糖、フルクトース、グルコース、アスパルテーム、ソルビトール、キシロースまたはそれらの混合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜13に記載の食品組成物。
【請求項15】
該食品組成物の全重量に対して、18〜30重量%の脂肪を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項16】
該食品組成物の全重量に対して、水分含有量が約0.9〜1.2重量%の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項17】
該食品組成物の全重量に対して、2〜16重量%のタンパク質を含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項18】
30gの製品の部分当たり、115〜150kcalのカロリー値を含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項19】
約0.36〜0.39%の範囲の水分活性;
約20〜25μmの範囲の粒径;
約2kgf〜2.6kgfの範囲の破砕強度;
約4.5Pa・s〜11Pa・sの範囲のカッソンの塑性粘度;
約0.3〜2.6Paの範囲の流れ制限;
約5.0〜7.0の範囲の結晶化度
の特徴のいずれか1つを有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項20】
(i)該脂肪代替タンパク質と該食品組成物の粉末化成分と、続いて該ココアリキュールおよびココアバターとを混合すること;
(ii)ステップ(i)で得られた塊を精製すること;
(iii)ステップ(ii)で得られた該塊をシェル形状の容器に入れること;
(iv)ステップ(iii)で得られた該塊と該組成物の残り成分とを混合すること
のステップを含むことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の食品組成物の調製方法。
【請求項21】
調温、成型、冷却、型抜きおよび包装のステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の食品組成物を調製するために使用されること、または請求項20もしくは21に記載された方法によって得ることができることを特徴とする、有効量のココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物、脂肪代替タンパク質および乳化剤の使用。
【請求項23】
請求項1〜19のいずれか一項に記載された食品組成物、または請求項20もしくは21に規定された方法によって得ることができる食品組成物を含むことを特徴とする食品。
【請求項24】
チョコレートであることを特徴とする、請求項21に記載の食品組成物。
【請求項25】
ミルクチョコレートまたはホワイトチョコレートであることを特徴とする、請求項24に記載の食品。
【請求項26】
ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物、脂肪代替タンパク質、乳化剤、甘味料およびボディーエージェントを含んで成ることを特徴とする食品組成物。
【請求項27】
該食品組成物の全重量に対して、約25重量%〜40重量%のココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物、約1重量%〜10重量%の脂肪代替タンパク質、約0.1重量%〜5重量%の乳化剤、約0.5重量%〜70重量%のボディーエージェントおよび0.01重量%〜0.09重量%の甘味料を含むことを特徴とする、請求項26に記載の食品組成物。
【請求項28】
該ココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物が、粉末化ココア、ココアバター、ココアリキュールおよび/またはそれらの誘導体を含むことを特徴とする、請求項26または27に記載の食品組成物。
【請求項29】
該食品組成物の全重量に対して、最低20重量%のココア固形物を含むことを特徴とする、請求項1〜28のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項30】
最低25重量%の総ココア固形物を含むことを特徴とする、請求項26〜29のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項31】
該脂肪代替加水分解タンパク質が、加水分解コラーゲンおよび/またはそれらの誘導体であることを特徴とする、請求項26または27に記載の食品組成物。
【請求項32】
該脂肪代替タンパク質が、50,000Daまでの分子量を有する加水分解コラーゲンを含むことを特徴とする、請求項26、27または31のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項33】
該加水分解コラーゲンの分子量が、500〜30,000Daの範囲にあることを特徴とする、請求項32に記載の食品組成物。
【請求項34】
該加水分解コラーゲンの分子量が、1,500〜20,000Daの範囲にあることを特徴とする、請求項33に記載の食品組成物。
【請求項35】
該乳化剤が、大豆レシチン、ポリグリセロールポリリシノレエート(PFPR)、脂肪酸エステル、ソルビタンポリオキシエチレンモノステアレート、ホスファチジン酸アンモニウム塩、ポリグリセロールでエステル交換されたリシノール酸のエステル、ソルビタンモノステアレートおよびソルビタントリステアレートまたはそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項26または27に記載の食品組成物。
【請求項36】
該食品組成物の全重量に対して、約0〜0.5重量%のPGPRおよび約0〜3重量%の大豆レシチンを有する乳化剤を含むことを特徴とする、請求項26、27または35のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項37】
該甘味料が、スクラロース、アセサルフェームK、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ステビオシド、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項26または27のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項38】
該ボディーエージェントが、ポリオール、ポリデキストロース、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、フルクトオリゴ糖、イソマルトまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項26または27に記載の食品組成物。
【請求項39】
ミルク成分および/またはミルク誘導体成分を含むことを特徴とする、請求項26に記載の食品組成物。
【請求項40】
約0重量%〜30重量%のミルク成分および/またはミルク誘導体成分をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の食品組成物。
【請求項41】
該ミルクまたはミルク誘導体成分が、スキムミルク、全乳、半スキムミルク、乳清、ミルク代替物、牛乳、豆乳、コンデンスミルクまたはそれらの混合物から選択されることを含むことを特徴とする、請求項39または40に記載の食品組成物。
【請求項42】
麦芽エキスをさらに含むことを特徴とする、請求項26〜41のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項43】
該食品組成物の全重量に対して、約18重量%〜30重量%の脂肪を含むことを特徴とする、請求項26〜42のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項44】
該食品組成物の全重量に対して、5重量%〜50重量%の植物性脂肪、動物性脂肪および脂肪代替物および/またはココアバターに類似する脂肪を含むことを特徴とする、請求項26〜43のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項45】
30gの該食品組成物のそれぞれの部分において、約50〜約150kcalの範囲内にあるカロリー値を有することを特徴とする、請求項26〜44のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項46】
低脂肪であり、そして削減されたカロリー値を有することを特徴とする、請求項26〜45のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項47】
チョコレートであることを特徴とする、請求項26〜46のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項48】
(i)該脂肪代替タンパク質と、該食品組成物の粉末化成分と、続いて該ココアリキュールおよびココアバターとを混合すること;
(ii)ステップ(i)において、得られた塊を精製すること;
(iii)ステップ(ii)において得られた該塊をシェル形状の容器に置くこと;
(iv)ステップ(iii)において得られた該塊と、該食品組成物の残りの成分とを混合すること、
のステップを含むことを特徴とする請求項26〜47のいずれか一項に記載された食品組成物の調製方法。
【請求項49】
調温、成型、冷却、型抜きおよび包装のステップをさらに含むことを特徴とする、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項26〜47のいずれか一項に記載された、または請求項48もしくは49に記載された方法により得ることができる、食品組成物を調製するために使用されることを特徴とする、有効量のココアおよび/またはそれらの誘導体の組成物、脂肪代替加水分解タンパク質、乳化剤、甘味料およびボディーエージェントの使用。
【請求項51】
請求項26〜48のいずれか一項に記載された、または請求項48または49に記載された方法によって得ることができる食品組成物を含むことを特徴とする製品。
【請求項52】
チョコレートであることを特徴とする、請求項51に記載の食品。
【請求項53】
ミルクチョコレートまたはホワイトチョコレートであることを特徴とする、請求項52に記載の食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−532039(P2009−532039A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503375(P2009−503375)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/BR2007/000079
【国際公開番号】WO2007/112528
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(502084056)ゲリタ アクチェンゲゼルシャフト (25)
【Fターム(参考)】