説明

食器洗浄機用洗浄剤

【課題】洗浄性に優れ、食器洗浄機で使用しても泡立ちが少ない食器洗浄機用洗浄剤を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)と、一般式(2)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B)又は一般式(3)で表される脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)を含有してなる食器洗浄機用洗浄剤であって、前記(A)におけるオキシエチレン基の含有率が、(A)の重量に基づき20〜40重量%、前記(B)におけるオキシエチレン基の含有率が、(B)の重量に基づき60〜95重量%、前記(C)におけるオキシエチレン基の含有率が、(C)の重量に基づき45〜95重量%であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤に関する。更に詳しくは、食器洗浄機用洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在普及している食器洗浄機では、加温した洗浄剤水溶液を食器に吹きつけて食器を洗
浄し、更に使用した洗浄剤水溶液を循環して再使用している。従って、食器洗浄機用洗浄剤は、低起泡性であることが必須であり、現在は、泡立ちが少ない無機アルカリ剤(水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩等)を主成分とした洗浄剤が主流となっている。
しかしながら、無機アルカリ剤を主成分とした洗浄剤は皮膚及び粘膜への刺激が強く、
安全性に問題がある。また、このような洗浄剤の排水は、環境へ悪影響を及ぼすため好ましくない。そこで、安全性、環境への負荷軽減等の観点から、近年、食器洗浄機に用いられる洗浄剤として、弱アルカリ化又は中性化されたものが強く求められている。
【0003】
しかしながら、洗浄剤を弱アルカリ化又は中性化させた場合、洗浄力が低下してしまう
という課題があり、洗浄力を補うために、油脂汚れに対して高い洗浄性有する各種界面活性剤を洗浄剤に配合したもの(特許文献1、2)が提案されているが、いずれも洗浄力が不十分であり、洗浄時の泡立ちが激しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−61180号公報
【特許文献2】特開2001−64698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、洗浄性に優れ、食器洗浄機で使用しても泡立ちが少ない食器洗浄機用洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、一般式(1)で表される脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)と、一般式(2)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B)又は一般式(3)で表される脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)を含有してなる食器洗浄機用洗浄剤である。
【化1】

式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基;R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基;h+jは10〜50の数;i+kは15〜70の数;[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加又はランダム付加を表す。
【化2】

式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基;pは10〜100の数;qは0〜20の数;[(CO)/ (CO)]はブロック付加又はランダム付加を表す。
【化3】

式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基;r+tは3〜100の数;s+uは0〜14の数;[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加又はランダム付加を表す。
【発明の効果】
【0007】
本発明の食器洗浄機用洗浄剤は、従来の食器洗浄機用洗浄剤と比較して油脂に対する洗浄性が高く、自動食器洗浄機で使用しても泡立ちが少ない、といった効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の食器洗浄機用洗浄剤は、一般式(1)で表される脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)と、一般式(2)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B)又は一般式(3)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(C)を含有してなることを特徴とする。
【0009】
一般式(1)におけるRは、炭素数10〜20の炭化水素基であり、直鎖若しくは分
岐又は環状炭化水素基でもよく、飽和又は不飽和炭化水素基でもよい。炭素数10〜20の炭化水素基としては、n−デシル基、イソデシル基、1−シクロヘキシル−n−ブチル基、デセニル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、ドデセニル基、n−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、イソ−テトラデシル基、テトラデセニル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、n−オクタデシル基、イソオクタデシル基、n−ノナデシル基及びn−エイコシル基等が挙げられる。これらのうち、洗浄性の観点から好ましいのは、炭素数12〜18の炭化水素基であり、更に好ましいのは炭素数14〜18の炭化水素基である。
【0010】
一般式(1)におけるR及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、炭素数1〜4の炭化水素基は、直鎖又は分岐炭化水素基でもよく、飽和又は不飽和炭化水素基でもよい。炭素数1〜4の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、プロペニル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基及びブテニル基等が挙げられる。これらのうち、洗浄性の観点から好ましいのは、水素原子及び炭素数1又は2の炭化水素基である。
【0011】
一般式(1)におけるh+jは10〜50の数であり、好ましくは12〜30、更に好ましくは12〜25である。h+jが10未満であると洗浄性が低下し、h+jが50を超えると泡立ちが激しくなるため好ましくない。なお、h及びjは、それぞれオキシエチレン基の平均付加モル数を表しているため、h+jは整数であるとは限らず、小数の場合もある。
【0012】
一般式(1)におけるi+kは15〜70の数であり、好ましくは17〜65、更に好ましくは20〜60である。i+kが15未満であると泡立ちが激しくなり、i+kが70を超えると洗浄性が低下するため好ましくない。なお、h及びjは、それぞれオキシプロピレン基の平均付加モル数を表しているため、i+kは整数であるとは限らず、小数の場合もある。
【0013】
一般式(1)における[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加又はランダム付加を表す。なお、ブロック付加の場合には、低起泡性の観点から、一般式(1)における窒素原子にオキシエチレン基、オキシプロピレン基の順で付加していることが好ましい。
【0014】
脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)におけるオキシエチレン基の含有率は、(A)の重量に基づき、好ましくは20〜40重量%であり、更に好ましくは30〜40重量%である。オキシエチレン基の含有率が20重量%以上であれば洗浄性が向上し、40重量%以下であれば泡立ちが少ないため好ましい。
【0015】
本発明における脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)は、公知の方法で製造することができるが、例えば以下の方法が挙げられる。
−NHで表される1級アミンを加圧反応容器に投入し、無触媒又は触媒の存在下にエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと略記する)を滴下し、1段階又は多段階で反応を行なう。反応温度は、好ましくは60〜200℃であり、更に好ましくは70〜140℃である。反応圧力は、好ましくは−0.1〜0.5MPaである。反応時間は、好ましくは2〜24時間であり、更に好ましくは3〜10時間である。触媒としては、アルカリ触媒(水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等)、アンモニウム塩触媒[低級アルキル(炭素数1〜4)の4級アンモニウム塩等]及びルイス酸触媒(三フッ化ホウ素及び四塩化錫等)等が挙げられる。触媒の使用量は、(A)の重量に基づき好ましくは0.01〜5重量%であり、更に好ましくは0.1〜0.5重量%である。反応終了後、触媒は(A)中にそのまま残しておいてもよいし、吸着剤を用いて吸着・ろ過し除去する方法、酸又はアルカリで中和して触媒を不活性化する方法及び加熱分解して減圧除去する方法等により処理することができる。アルキレンオキサイドの付加反応終了後、R−NHに対して1.1〜3モル当量のアルカリ触媒(例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウム等)の存在下、R−NHに対して1〜2モル当量のアルキル化剤(例えば炭素数1〜4のアルキルハライド及び炭素数1〜4のアルキル硫酸等)を滴下してアルキル化反応を行う。反応温度は好ましくは20〜100℃であり、反応圧力は好ましくは−0.1〜0.2MPaであり、反応時間は好ましくは2〜30時間である。反応終了後、未反応のアルキル化剤を50〜150℃で減圧留去し、アルカリ触媒を酸で中和して生成した塩をろ過又は吸着剤で処理した後吸着剤をろ過することで、脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)を得ることができる。
【0016】
脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)の具体例としては、デシルアミンの
EO10モル/PO15モルブロック付加物、ウンデシルアミンのEO10モル/PO15モルブロック付加物、ドデシルアミンのEO12モル/PO15モルランダム付加物、ドデシルアミンのEO25モル/PO32モルブロック付加物、トリデシルアミンのEO15モル/PO15モルブロック付加物のメチルエーテル化物、テトラデシルアミンのEO20モル/PO20モルブロック付加物、ペンタデシルアミンのEO20モル/PO30モルブロック付加物、ヘキサデシルアミンのEO20モル/PO25モルブロック付加物、ヘプタデシルアミンのEO20モル/PO35モルブロック付加物、オクタデシルアミンのEO17モル/PO25モルランダム付加物、オクタデシルアミンのEO40モル/PO60モルランダム付加物、オレイルアミンのEO25モル/PO32モルブロック付加物、ノナデシルアミンのEO30モル/PO35モルブロック付加物のn−ブチルエーテル化物及びエイコシルアミンのEO45モル/PO60モルブロック付加物等が挙げられる。なお、(A)は、これらのうちの2種以上を組み合わせたものでもよい。
【0017】
一般式(2)におけるRは、一般式(1)におけるRと同様の基であり、好ましい範囲も同様である。
【0018】
一般式(2)におけるpは10〜100の数であり、好ましくは10〜50、更に好ま
しくは15〜40である。pが10未満であると洗浄性が低下し、pが100を超えると泡切れが悪くなるため好ましくない。なお、pは、オキシエチレン基の平均付加モル数を表しているため、整数であるとは限らず、小数の場合もある。
【0019】
一般式(2)におけるqは0〜20の数であり、好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜5である。qが20を超えると洗浄性が低下するため好ましくない。なお、qは、オキシプロピレン基の平均付加モル数を表しているため、整数であるとは限らず、小数の場合もある。
【0020】
一般式(2)における[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加又はランダム付加を表す。
【0021】
脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B)におけるオキシエチレン基の含有率は、(B)の重量に基づき、好ましくは60〜95重量%であり、更に好ましくは70〜80重量%である。オキシエチレン基の含有率が60重量%以上であれば洗浄性が向上し、95重量%以下であれば泡立ちが少ないため好ましい。
【0022】
本発明における脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B)は、公知の方法で製造することができるが、例えば、上記の脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)の製造方法におけるアルキレンオキサイドの付加反応と同様の方法が挙げられる。
【0023】
本発明の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B)の具体例としては、デ
シルアルコールのPO2モル/EO10モルブロック付加物、ウンデシルアルコールのEO15モル付加物、ドデシルアルコールのEO20モル付加物、トリデシルアルコールのEO30モル付加物、テトラデシルアルコールのEO45モル付加物、ペンタデシルアルコールのEO50モル/PO5モルブロック付加物、ヘキサデシルアルコールのEO50モル/PO10モルブロック付加物、ヘプタデシルアルコールのEO25モル付加物、オクタデシルアルコールのEO25モル付加物、オレイルアルコールのEO20モル付加物、ノナデシルアルコールのEO50モル/PO8モルランダム付加物及びエイコシルアルコールのEO70モル/PO15モル付加物等が挙げられる。なお、(B)は、これらのうちの2種以上を組み合わせたものでもよい。
【0024】
一般式(3)におけるRは、一般式(1)におけるR1と同様の基であり、好ましい範囲も同様である。
【0025】
一般式(3)におけるr+tは3〜100の数であり、好ましくは5〜70、更に好ましくは10〜50である。r+tが3未満であると洗浄性が低下し、r+tが100を超えると泡立ちが激しくなるため好ましくない。なお、r及びtは、それぞれオキシエチレン基の平均付加モル数を表しているため、r+tは整数であるとは限らず、小数の場合もある。
【0026】
一般式(3)におけるs+uは0〜14の数であり、好ましくは0〜13、更に好ましくは0〜12である。s+uが14を超えると洗浄性が低下するため好ましくない。なお、s及びuは、それぞれオキシプロピレン基の平均付加モル数を表しているため、s+uは整数であるとは限らず、小数の場合もある。
【0027】
一般式(3)における[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加又はランダム付加を表す。
【0028】
脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)におけるオキシエチレン基の含有率は、(C)の重量に基づき、好ましくは45〜95重量%であり、更に好ましくは60〜80重量%である。オキシエチレン基の含有率が45重量%以上であれば洗浄性が向上し、95重量%以下であれば泡切れがよくなるため好ましい。
【0029】
本発明における脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)は、公知の方法で製造することができるが、例えば、上記の脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)の製造方法におけるアルキレンオキサイドの付加反応と同様の方法が挙げられる。
【0030】
本発明の脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)の具体例としては、デシル
アミンのEO3モル付加物、ウンデシルアミンのEO10モル付加物、ドデシルアミンのEO40モル/PO5モルランダム付加物、トリデシルアミンのEO30モル付加物、テトラデシルアミンのEO30モル付加物、ペンタデシルアミンのEO50モル付加物、ヘキサデシルアミンのEO60モル付加物、ヘキサデシルアミンのEO2モル/(EO40モル/PO12モルランダム付加)/EO12モル付加物、ヘプタデシルアミンのEO25モル付加物、オクタデシルアミンのEO20モル付加物、オレイルアミンのEO2モル/(EO50モル/PO14モルランダム付加)/EO10モル付加物、ノナデシルアミンのEO40モル付加物及びエイコシルアミンのEO70モル付加物等が挙げられる。なお、(C)は、これらのうちの2種以上を組み合わせたものでもよい。
【0031】
本発明における脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)と脂肪族アルコール
のアルキレンオキサイド付加物(B)との重量比[(A)/(B)]は、好ましくは95/5〜70/30であり、更に好ましくは90/10〜80/20である。[(A)/(B)]が70/30以上であれば泡立ちが少なく、95/5以下であれば洗浄性が向上するため好ましい。
【0032】
本発明における脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)と脂肪族アミンのア
ルキレンオキサイド付加物(C)との重量比[(A)/(C)]は、好ましくは95/5〜30/70であり、更に好ましくは90/10〜40/60である。[(A)/(C)]が30/70以上であれば泡立ちが少なく、95/5以下であれば洗浄性が向上するため好ましい。
【実施例】
【0033】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0034】
<製造例1>[ドデシルアミンのEO12モル/PO25モルランダム付加物(A−1)の合成]
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、ドデシルアミン185
部(1モル部)及び水酸化カリウム4部を投入し、窒素置換後密閉し、130℃に昇温した。撹拌下EO528部(12モル部)とPO1,450部(25モル部)を混合したものを圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら10時間かけて滴下した後、130℃で2時間熟成した。次いで90℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]20部を投入し、90℃で1時間撹拌して水酸化カリウムを吸着処理した後、吸着処理剤をろ過してドデシルアミンのEO12モル/PO25モルランダム付加物(A−1)を得た{(A−1)は、一般式(1)におけるRはドデシル基、R及びRは水素原子、h+jは12、i+kは25、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれランダム付加である化合物}。
【0035】
<製造例2>[ドデシルアミンのEO25モル/PO32モルブロック付加物(A−2)の合成]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、ドデシルアミン185部(1モル部)及び水酸化カリウム4部を投入し、窒素置換後密閉し、130℃に昇温した。撹拌下EO1,100部(25モル部)を圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら4時間かけて滴下した後、130℃で2時間熟成した。次いでPO1,856部(32モル部)を130℃で圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら8時間かけて滴下した後、130℃で2時間熟成した。90℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]20部を投入し、90℃で1時間撹拌して水酸化カリウムを吸着処理した後、吸着処理剤をろ過してドデシルアミンのEO25モル/PO32モルブロック付加物(A−2)を得た{(A−2)は、一般式(1)におけるRはドデシル基、R及びRは水素原子、h+jは25、i+kは32、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加である化合物}。
【0036】
<製造例3>[オクタデシルアミンのEO17モル/PO25モルランダム付加物(A−3)の合成]
ドデシルアミン185部をオクタデシルアミン269部(1モル部)に、EO528部(12モル部)とPO1,450部(25モル部)を混合したものをEO748部(17モル部)とPO1,450部(25モル部)を混合したものに変更した以外は製造例1と同様にして、オクタデシルアミンのEO17モル/PO25モルランダム付加物(A−3)を得た{(A−3)は、一般式(1)におけるRはオクタデシル基、R及びRは水素原子、h+jは17、i+kは25、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれランダム付加である化合物}。
【0037】
<製造例4>[オクタデシルアミンのEO40モル/PO60モルランダム付加物(A−4)の合成]
ドデシルアミン185部をオクタデシルアミン269部(1モル部)に、EO528部(12モル部)とPO1,450部(25モル部)を混合したものをEO1,760部(40モル部)とPO3,480部(60モル部)を混合したものに変更した以外は製造例1と同様にして、オクタデシルアミンのEO40モル/PO60モルランダム付加物(A−4)を得た{(A−4)は、一般式(1)におけるRはオクタデシル基、R及びRは水素原子、h+jは40、i+kは60、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれランダム付加である化合物}。
【0038】
<製造例5>[ドデシルアミンのEO12モル/PO75モルランダム付加物(A’−1)の合成]
EO528部(12モル部)とPO1,450部(25モル部)を混合したものを、E
O528部(12モル部)とPO4,350部(75モル部)を混合したものに変更した以外は製造例1と同様にして、ドデシルアミンのEO12モル/PO75モルランダム付加物(A’−1)を得た{(A’−1)は、一般式(1)におけるRはドデシル基、R及びRは水素原子、h+jは12、i+kは75、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれランダム付加である化合物}。
【0039】
<製造例6>[ドデシルアミンのEO25モル/PO5モルブロック付加物(A’−2)の合成]
POの部数1,856部を290部(5モル部)に変更した以外は製造例2と同様にし
て、ドデシルアミンのEO25モル/PO5モルブロック付加物(A’−2)を得た{(A’−2)は、一般式(1)におけるRはドデシル基、R及びRは水素原子、h+jは25、i+kは5、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加である化合物}。
【0040】
<製造例7>[ドデシルアルコールのEO20モル付加物(B−1)の合成]
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、ドデシルアルコール1
86部(1モル部)及び水酸化カリウム2部を投入し、窒素置換後密閉し、160℃に昇温した。撹拌下EO880部(20モル部)を圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら4時間かけて滴下した後、160℃で2時間熟成した。次いで90℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]20部を投入し、90℃で1時間撹拌して水酸化カリウムを吸着処理した後、吸着処理剤をろ過してドデシルアルコールのEO20モル付加物(B−1)を得た[(B−1)は、一般式(2)におけるRはドデシル基、pは20、qは0である化合物]。
【0041】
<製造例8>[ヘプタデシルアルコールのEO25モル付加物(B−2)の合成]
ドデシルアルコール186部をヘプタデシルアルコール256部(1モル部)に、EO
の部数880部を1,100部(25モル部)に変更した以外は製造例7と同様にして、ヘプタデシルアルコールのEO25モル付加物(B−2)を得た[(B−2)は、一般式(2)におけるRはヘプタデシル基、pは25、qは0である化合物]。
【0042】
<製造例9>[ヘキサデシルアルコールのEO50モル/PO10モルブロック付加物(B−3)の合成]
ドデシルアミン185部をヘキサデシルアルコール242部(1モル部)に、EOの部数1,100部を2,200部(50モル部)に、POの部数1,856部を580部(10モル部)に変更した以外は製造例2と同様にして、ヘキサデシルアルコールのEO50モル/PO10モルブロック付加物(B−3)を得た{(B−3)は、一般式(2)におけるRはヘキサデシル基、pは50、qは10、[(CO)/ (CO)]はブロック付加である化合物}。
【0043】
<製造例10>[オレイルアルコールのEO20モル付加物(B−4)の合成]
ドデシルアルコール186部をオレイルアルコール268部(1モル部)に変更した以外は製造例7と同様にして、オレイルアルコールのEO20モル付加物(B−4)を得た[(B−4)は、一般式(2)におけるRはオレイル基、pは20、qは0である化合物]。
【0044】
<製造例11>[オレイルアルコールのEO5モル付加物(B’−1)の合成]
ドデシルアルコール186部をオレイルアルコール268部(1モル部)に、EOの部
数880部を220部(5モル部)に変更した以外は製造例7と同様にして、オレイルアルコールのEO5モル付加物(B’−1)を得た{(B’−1)は、一般式(2)におけるRはオレイル基、pは5、qは0である化合物}。
【0045】
<製造例12>[オクタデシルアミンのEO20モル付加物(C−1)の合成]
ドデシルアルコール186部をオクタデシルアミン270部(1モル部)に変更した以外は製造例7と同様にして、オクタデシルアミンのEO20モル付加物(C−1)を得た[(C−1)は、一般式(3)におけるRはオクタデシル基、r+tは20、s+uは0である化合物]。
【0046】
<製造例13>[テトラデシルアミンのEO30モル付加物(C−2)の合成]
ドデシルアルコール186部をテトラデシルアミン214部(1モル部)に、EOの部数880部を1,320部(30モル部)に変更した以外は製造例7と同様にして、テトラデシルアミンのEO30モル付加物(C−2)を得た[(C−2)は、一般式(3)におけるRはテトラデシル基、r+tは30、s+uは0である化合物]。
【0047】
<製造例14>[ドデシルアミンのEO40モル/PO5モルランダム付加物(C−3)の合成]
EO528部(12モル部)とPO1,450部(25モル部)を混合したものを、E
O1,760部(40モル部)とPO290部(5モル部)を混合したものに変更した以外は製造例1と同様にして、ドデシルアミンのEO40モル/PO5モルランダム付加物(C−3)を得た{(C−3)は、一般式(3)におけるRはドデシル基、r+tは40、s+uは5、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれランダム付加である化合物}。
【0048】
<製造例15>[ヘキサデシルアミンのEO2モル/(EO40モル/PO12モルランダム付加)/EO12モル付加物(C−4)の合成]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、ヘキサデシルアミン241部(1モル部)を投入し、窒素置換後密閉し、130℃に昇温した。撹拌下EO88部(2モル部)を圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら4時間かけて滴下した後、130℃で2時間熟成した。90℃に冷却後、水酸化カリウム4部を投入し、EO1,760部(40モル部)とPO696部(12モル部)を混合したものを130℃で圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら8時間かけて滴下し、130℃で2時間熟成した。次いで、EO528部(12モル部)を130℃で圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら4時間かけて滴下し、130℃で2時間熟成した。90℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]20部を投入し、90℃で1時間撹拌して水酸化カリウムを吸着処理した後、吸着処理剤をろ過してヘキサデシルアミンのEO2モル/(EO40モル/PO12モルランダム付加)/EO12モル付加物(C−4)を得た{(C−4)は、一般式(3)におけるRはヘキサデシル基、r+tは54、s+uは12、[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック−ランダム−ブロック付加である化合物}。
【0049】
<製造例16>[オクタデシルアミンのEO2モル付加物(C’−1)の合成]
ドデシルアルコール186部をオクタデシルアミン270部(1モル部)に、水酸化カリウムの部数2部を0部に、EOの部数880部を88部(2モル部)に変更した以外は製造例7と同様にして、オクタデシルアミンのEO2モル付加物(C’−1)を得た[(C’−1)は、一般式(3)におけるRはオクタデシル基、r+tは2、s+uは0である化合物]。
【0050】
<実施例1〜8、比較例1〜7>
表1に記載した部数の食器洗浄機用洗浄剤の各原料を、撹拌機及び温度調節機能を備えた混合槽に投入し、20〜70℃で10分間撹拌して食器洗浄機用洗浄剤(実施例1〜8、比較例1〜7)を作製した。
【0051】
実施例1〜8、比較例1〜7の食器洗浄機用洗浄剤について、以下の方法で洗浄性及び低起泡性を評価した。結果を表1に示す。
【0052】
<洗浄性の評価方法>
牛脂[和光純薬工業(株)製]1gを直径25cmの磁器製皿に均一に塗布し、汚染皿とした。この汚染皿5枚を自動食器洗い乾燥機「NP−60SS6」[パナソニック(株)製]に装填し、食器洗浄機用洗浄剤(実施例1〜8、比較例1〜7)それぞれ1gを使用して「スピーディコース洗浄」を行い、洗浄性を以下の評価基準で評価した。
○:牛脂は全く残留しておらず、皿を触ってもぬるつきは全く感じられない
△:牛脂の残留は目視では認められないが、皿を触ると若干のぬるつきを感じる
×:牛脂の残留が目視で認められる
【0053】
<低起泡性の評価方法>
上記の自動食器洗い乾燥機に、食器洗浄機用洗浄剤(実施例1〜8、比較例1〜7)それぞれ2gを投入し、「スピーディコース洗浄」を開始する。開始後10分で運転を停止し、停止から10秒後の自動食器洗い乾燥機内の泡の状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
◎:液面に泡が見られない
○:液面にごく少量の泡が見られる
△:液面が薄い泡の層で覆われ、ところどころしか液面が見えない
×:液面が薄い泡の層で覆われ、液面が全く見えない
××:液面が厚い泡の層で覆われ、液面が全く見えない
【0054】
【表1】

【0055】
表1から明らかなように、本発明の食器洗浄機用洗浄剤(実施例1〜8)は、比較例1〜7の食器洗浄機用洗浄剤と比較して、洗浄性に優れ低起泡性である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の食器洗浄機用洗浄剤は、洗浄性に優れ、低起泡性であるため、食器洗浄機用洗
浄剤として好適である。また、食器洗浄のみならず、バイオプロセス、食品製造工程、パ
ルプ製造工程、抄紙工程、繊維加工、金属加工等における高い洗浄性及び低起泡性が要求
される洗浄工程で使用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表される脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(A)と、一般式
(2)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B)又は一般式(3)で表される脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(C)を含有してなる食器洗浄機用洗浄剤。
【化1】

[式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基;R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基;h+jは10〜50の数;i+kは15〜70の数;[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加又はランダム付加を表す。]
【化2】

[式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基;pは10〜100の数;qは0〜20の数;[(CO)/ (CO)]はブロック付加又はランダム付加を表す。]
【化3】

[式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基;r+tは3〜100の数;s+uは0
〜14の数;[(CO)/ (CO)]及び[(CO)/ (CO)]は、それぞれブロック付加又はランダム付加を表す。]
【請求項2】
前記(A)におけるオキシエチレン基の含有率が、(A)の重量に基づき20〜40重量%である請求項1記載の食器洗浄機用洗浄剤。
【請求項3】
前記(B)におけるオキシエチレン基の含有率が、(B)の重量に基づき60〜95重量%である請求項1又は2記載の食器洗浄機用洗浄剤。
【請求項4】
前記(C)におけるオキシエチレン基の含有率が、(C)の重量に基づき45〜95重量%である請求項1又は2記載の食器洗浄機用洗浄剤。
【請求項5】
前記(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が95/5〜70/30である請求項1〜3いずれか記載の食器洗浄機用洗浄剤。
【請求項6】
前記(A)と(C)との重量比[(A)/(C)]が95/5〜30/70である請求
項1、2又は4記載の食器洗浄機用洗浄剤。


【公開番号】特開2011−195811(P2011−195811A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1633(P2011−1633)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】