説明

食料品浄化装置

【課題】家庭用として安全性に優れた食料品浄化装置を提供する。
【解決手段】食料品Mを投入した容器Cの蓋体3に排気配管8を接続して、屋外Gへ開口させて、余分なオゾンを屋外Gへ排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食料品をオゾンを用いて浄化する浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、主として一般家庭に於て、果物,野菜等の食料品を上方開口状容器の水に浸けて、オゾンを気散させて、添加物,農薬,微生物,菌等を除去する食料品浄化方法が使用されている。
しかしながら、家庭の台所内で余ったオゾンが所定濃度を越えると人体に害を与える虞がある。従来、食料品を多量に取扱う食品工場、市場、食品倉庫等に適用できる複雑な大型のオゾンによる浄化装置は公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−17139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、業務用の食料品浄化装置は、複雑かつ大型な構造であり、従来から一般家庭用として安全性が高く好適なものが無かった。
そこで、本発明は、小型で簡易な構成でありながらも、安全性が高く、取扱いしやすく、家庭用に好適な食料品浄化装置の提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明に係る食料品浄化装置は、食料品を投入取出自在な容器本体と、該容器本体の上方開口部に施蓋して密封乃至半密封状態とする蓋体と、オゾン発生器と、該オゾン発生器からのオゾン気体を上記容器本体内へ導く送気配管と、該送気配管の先端に付設される散気盤と、上記蓋体に一端が連通連結されると共に他端が屋外へ開口する排気配管とを、具備している。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、施蓋することによって密封状態乃至半密封状態となり、容器内のオゾンが家庭の(台所等の)部屋内に殆ど洩れ出すことがなく、屋外へ排出されて、人体へのオゾンの悪影響を防止できる。しかも、容器内へは、従来よりもオゾン濃度を高目として送り込むことが可能となり、食料品の浄化作用も短い時間にて能率良く行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の一形態を示す全体構成説明図である。
【図2】要部の一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1及び図2に於て、Cは食料品Mを投入取出自在として収納する容器であり、この容器Cは、上方開口部1を有する有底型の容器本体2と、この上方開口部1に施蓋して密封状態乃至半密封状態とする蓋体3とを、有する。
【0009】
10はオゾン発生器である。送気配管4によって、オゾン発生器10からのオゾン気体を、容器Cの容器本体2の底部へ導く。
5は散気盤であり、例えば、円環平盤型等として、かつ、上壁面に多数の散気小孔を有する。この散気盤5に、送気配管4の先端を連通連結する。この散気盤5を容器本体2の底壁に載置する。
6は挿入孔であり、容器本体2の上端縁部に貫設し、この挿入孔6に、オゾン発生器10にて発生したオゾンを送る送気配管4を挿入して、そこから下降して容器本体2の底壁の散気盤5に接続している。
【0010】
水Wは、容器本体2の上方開口部1近くまで入れられ、その水面7よりも上位に、挿入孔6が配設される必要がある。
蓋体3は、図1,図3のように、下方開口縁3Aが、段付部3Bをもって大径円筒型に形成され、段付部3Bが下方の容器本体2の上方開口端縁2Aに当接して、施蓋されている。例えば、蓋体3の段付部3Bの下面にガスケット(パッキン)を付設して、密封状に施蓋可能とすることも望ましい。なお、ガスケット(パッキン)を省略して、半密封状に施蓋することも良い。
【0011】
ところで、Hは、家庭の台所等の部屋(室)を示し、この部屋(室)Hの(例えば)壁や窓を介して、屋外Gへ開口する排気配管8を付設する。具体的には、蓋体3の頂部に接続短管11を突設し、この短管11に、ホース等の排気配管8の一端を接続して、蓋体3に、排気配管8の一端8Aが連通連結され、他端8Bが屋外Gへ開口する。
なお、所望により、2点鎖線にて示した排気用ファン13を排気配管8の一部に付設するも良い。矢印Dにて示す方向に、スムースに余分なオゾンが排出されてゆく。
【0012】
上記散気盤5の上面には、 0.3〜 0.4mmの微細孔を、2000〜8000個もの多数個を貫設して成り、直径50μm以下の微小気泡を、容器C内の水Wへ噴出して、オゾン水として、果物,野菜,米,豆腐等の食料品Mを浄化する。つまり、浄化とは、食料品Mに付着の添加物,農薬,微生物,菌等を除去することをいう。なお、図示省略するが食料品Mを一まとめに篭等の内容器に一旦入れてから、容器本体2へ投入するようにしても、自由である。
食料品Mの投入時、及び、取出時には、蓋体3を取外して、容易に投入作業・取出作業ができる利点がある。
【0013】
また、オゾン処理中は、図1,図2に示すように、蓋体3を閉じて(施蓋して)行うので、オゾンガスは部屋(室)H内へは殆ど排出されず、人体(鼻の粘膜,眼等)を損傷させるような事故を確実に防止できる。
なお、本発明に於て、半密封状態とは、水面7から上方へ出てくるオゾンの全量の5%未満の微量が、容器Cから部屋(室)へ洩れ出る状態を言う。
【0014】
以上述べたように、本発明は、食料品Mを投入取出自在な容器本体2と、該容器本体2の上方開口部1に施蓋して密封乃至半密封状態とする蓋体3と、オゾン発生器10と、該オゾン発生器10からのオゾン気体を上記容器本体2内へ導く送気配管4と、該送気配管4の先端に付設される散気盤5と、上記蓋体3に一端8Aが連通連結されると共に他端8Bが屋外Gへ開口する排気配管8とを、具備しているので、蓋体3を開けば、容易に食料品Mを投入したり取出したりでき、さらに、オゾン処理中(使用中)は、オゾンが容器本体2と蓋体3から成る容器Cの外へ、全く又は殆ど、漏洩せず、人体への悪影響は、確実に防ぐことができ、しかも、装置が簡素であって、一般家庭に於て、使い易く、取扱い易い。
そして、排気配管8によって、確実に屋外Gへ余分なオゾンが排出されて、安全性が高い。
【符号の説明】
【0015】
1 上方開口部
2 容器本体
3 蓋体
4 送気配管
5 散気盤
8 排気配管
8A 一端
8B 他端
C 容器
G 屋外
M 食料品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食料品(M)を投入取出自在な容器本体(2)と、該容器本体(2)の上方開口部(1)に施蓋して密封乃至半密封状態とする蓋体(3)と、オゾン発生器(10)と、該オゾン発生器(10)からのオゾン気体を上記容器本体(2)内へ導く送気配管(4)と、該送気配管(4)の先端に付設される散気盤(5)と、上記蓋体(3)に一端(8A)が連通連結されると共に他端(8B)が屋外(G)へ開口する排気配管(8)とを、具備したことを特徴とする食料品浄化装置。

【図1】
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【図2】
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