説明

食用樹脂および生皮を組合わせた動物用チュー

本発明は、生皮および食用樹脂から形成される動物用チューを提供することに関する。食用樹脂は、生皮の外表面に位置されてよく、および/または生皮内に保持されてよい。食用樹脂は、デンプン、グルテン、植物性タンパク質、炭水化物もしくは脂肪を一つもしくは混合物で含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願書類との相互参照
本出願書類は、2006年6月9日に出願された特許文献1の優先権の利益を伴い、該文献中の教示を参照によって取込む。
【0002】
本発明は、チュートーイ(噛む玩具)に関し、ならびに食用樹脂および生皮を組入れたチュートーイの製造方法に関する。特に、食用樹脂は、デンプンをベースにした樹脂またはグルテンをベースにした樹脂を含んでもよい。樹脂は生皮の全部もしくは一部を包んでもよく、または少なくとも部分的にもしくは完全に生皮内に保持されてもよい。
【背景技術】
【0003】
犬のような動物は、噛むという自然の欲求を有することがよく理解されている。噛むことは、歯の浄化作用を含む、たくさんの利点を提供でき、歯周病に対して作用するであろう。噛むことは、動物の口内に存在し得る細菌をも減少させ得るが、それにより感染症、腎臓病もしくは心臓病の減少を助力し得る。さらに、歯垢や歯石(歯の表面に形成される、石化した歯垢の沈積物である)は、噛むことによる研磨作用によって減少され得る。さらに、細菌、歯垢および歯石を減少させることによって、口臭の発生を減少させて歯周病を減らし得る。
【特許文献1】US意匠特許出願第11/423,389号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たくさんのペット用チュー(ペット用噛みもの(pet chew))が、動物の噛む要求を満足させることを手助けするために開発されている。ペット用チューはまた、健康的な給餌形態を拡大させながら、ペットにビタミンや栄養物を供給し得るように開発されている。これらのチューは、大きさ、形態、材料および色がさまざまである。しかしながら、依然として、ペットの噛む要求および栄養的な給餌形態を拡大させることの両方を満足させるペット用チューを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある例示的な実施形態では、本発明は、生皮および食用樹脂を含む動物用チューに関する。食用樹脂は、任意の形態のデンプングルテンもしくは他の植物をベースにしたタンパク質を含んでもよい。食用樹脂はまた、炭水化物もしくは脂肪をベースにした製品を含んでもよい。食用樹脂の全部もしくは一部は、生皮によって保持されてもよい。食用樹脂はまた、生皮の外側の全部もしくは一部に対して適用されてもよい。
【0006】
他の例示的な実施形態では、本発明は、生皮を提供する工程と食用樹脂組成物を提供する工程を含む、動物用チューを形成する方法に関する。食用樹脂組成物は、やはり、デンプン、グルテン、植物をベースにしたタンパク質、炭水化物もしくは脂肪をベースにした製品を含んでもよい。これは次いで、食用樹脂組成物と生皮を、選択された形態へ形成させることへと続く。
【0007】
本発明の特徴および利点は、本発明と矛盾のない実施形態の記載によってこれより説明され、実施形態の記載は、添付の図面とともに考慮されるべきである。
【0008】
本発明は、生皮と食用樹脂をチュートーイ中に組合わせる、ペット用チュー製品に関する。生皮は、食用樹脂によって、少なくとも部分的もしくは完全に覆われてよい。さらに、食用樹脂は、生皮によって、部分的もしくは完全に保持されてよい。生皮は、ペットがチュートーイを噛んでいる間に研磨作用もしくは掃除作用を提供してもよく、食用樹脂は栄養補給を提供してもよい。
【0009】
食用樹脂は1つもしくは複数のデンプン、グルテン、植物をベースにしたタンパク質、炭水化物もしくは脂肪、さらにそれらの混合物を含んでもよい。したがって、食用樹脂は例えば、デンプン、グルテン、炭水化物および/または脂肪の混合物を含んでもよい。例えば、食用樹脂は、25重量%のデンプン、25重量%のグルテン、25重量%の炭水化物、25重量%の脂肪を含んでもよい。しかし、これらの成分は、任意の、およびすべての値が採用され得、任意の重量%の値で、もしくは約1から99重量%の値の範囲で存在してもよい。したがって、食用樹脂は50重量%のグルテン、25重量%のデンプン、15重量%の炭水化物および10重量%の脂肪を含んでもよい。また、75重量%のグルテンを含み、残りの25重量%は他の同定できる食用源(edible sources)を分配させてもよい。したがって、当業者は、残りの食用源の可能な値及び範囲を理解するであろう。したがって、材料(デンプン、グルテン、植物ベースのタンパク質、脂肪)の任意の一つが主要な材料(50重量%以上)として存在してもよく、かつ残りの成分が50重量%未満で存在してもよい。
【0010】
生皮および/または食用樹脂を、熱の使用により、容易となり得る任意の望ましい形態へと形成させてもよい。例えば、形成は、射出成形、押出し、および/または圧縮成形または回転成形のような工程が関わってもよい。さらに、形成は、任意の種類の型(モールド)、型うち機(例えば押出しによる型うち機)もしくは他の成形機器によって一緒に行ってもよい。
【0011】
生皮は、水牛、羊、ヤギ、有袋類、豚、鹿、ヘラジカ、もしくは牛のような動物の皮から得てもよい。皮はなめしにはさらされず、全ての毛皮、肉および脂肪がなくてもよい。はじめ、皮は、水が60から80重量%の間で含まれてもよく、繊維タンパク質である、コラーゲン、ケラチン、エラスチンおよびレチクリンのような他の物質が20から40重量%の間で含まれてもよい。また、リン、カリウム、ナトリウム、ヒ素、マグネシウムおよびカルシウムを含んでもよい灰(ash)が、0.01から2重量%の間で存在してもよい。
【0012】
概して、皮は、当業者に周知の任意の方法によって調整される。そのような方法の1つの例としては、皮からほとんどの可視的な脂肪および肉を取り除くことが含まれる。いったん脂肪および肉を除去し、皮を柔らかくし毛の除去に役立つ、炭酸カルシウムもしくは水酸化カルシウムの溶液で皮を処理してもよい。加えて、硫化ナトリウム、アンモニウム塩もしくは酵素を溶液に加えてもよい。次いで、毛を皮から取り除いてもよく、皮をリンスしてもよい。次いで、皮を有機酸、無機酸ならびに/あるいは酒石酸水素カリウムおよび重炭酸ナトリウムのような酸性塩(acid salts)を含む水溶液に浸してもよい。皮を再びリンスして、シートの形態を想定させるような生皮部分を形成してもよい。生皮部分を乾燥させ、もしくはさらに保存用(wet)に処理してもよい。さらに、この生皮部分は、過酸化水素および塩素を含む溶液中に浸してもよい。
【0013】
1つの例示的な実施形態では、切り刻むかもしくは挽いて小片もしくは粉にしてもよい生皮は、生皮樹脂組成物として提供してもよい。粒径は約10mm未満であってよく、0.001から10mmの範囲内のような、その中の全ての値およびインクリメント(increment)を含む。生皮の水分含量は、生皮に対して約1から20重量%に調節されてもよく、例えば8重量%、10重量%などのように、その中の全てのインクリメントおよび値を含む。
【0014】
次いで、生皮は、カゼインに対して20重量%まで組合わせてもよく、例えば約0.1から20重量%の範囲内のように、その中の全ての値およびインクリメントを含む。カゼインはミルクのリンタンパク質として理解されてもよく、リンタンパク質は、リン酸を含む物質に化学的に結合する1群の物質として記述される。生皮は、ゼラチンに10重量%まで組合わせてもよく、例えば0.1から10重量%の範囲内のように、その中の全ての値およびインクリメントを含む。ゼラチンは、コラーゲンの部分的な加水分解によって産生されるタンパク質産物として理解される。さらに、香味料のような誘引物質、もしくは栄養物を生皮とともに組合わせてよい。
【0015】
可塑化機器(plasticating device)で可塑化された、生皮の粒子は溶融加工されてもよい。適切な可塑化機器には、射出成形機器、押出し機(2軸、短軸など)、または他の機器であって、ブレンダーのような、可塑化を引起すのに十分な熱−機械的相互作用を提供可能なものが含まれてよい。可塑化機器の温度は、粒子の少なくとも10%から100%を溶融するのに十分なものであってよく、その間の全ての値およびインクリメントが含まれ、約120から150℃の範囲であってよく、その間の全ての値およびインクリメントが含まれる。さらに、粒子は可塑化の間に加圧されてよく、適用される圧力は、約1から20MPaの範囲であってよく、その間の全ての値およびインクリメントが含まれる。例えば、射出成形の間に背圧が適用されてよい。
【0016】
ひとたび可塑化させたときに、生皮は、シート状、ひも状のような望ましい形態、または押出しによる型うち機、射出成形用キャビティなどによって、定形部材へと形成させてもよい。また、生皮はさらなる加工用にペレット化してもよい。カゼイン、ゼラチンおよび他の添加剤、すなわち誘引物質、香味料もしくは栄養物質は、可塑化に先立ち、または可塑化の間に、生皮に添加されてもよいと理解される。さらに、水分を、可塑化の間もしくは可塑化後に、生皮から除去してもよい。例えば、可塑化機器は、可塑化機器にベントポートを使用することなどにより、通気孔を取り付けられてもよい。可塑化後、水分は、オーブンもしくはトンネルでの乾燥などのように、乾燥によって、除去されてもよい。
【0017】
前記で示唆したように、食用樹脂は、天然のもしくは植物由来の任意のデンプンもしくは炭水化物、小麦グルテンのようなグルテンを含んでもよい。例としてのデンプンには、アミロースおよび/またはアミロペクチンが含まれてよく、植物から抽出されてもよく、制限するものではないが、ジャガイモ、米、タピオカ、とうもろこし、ライ麦、小麦およびオート麦のような穀草類が含まれる。デンプンはまた、果実、ナッツ、根茎、もしくはアロールート、グアーガム、イナゴマメ、アラカチャ、ソバ、バナナ、大麦、キャッサバ、コンニャク、葛、アンデスカタバミ、サゴ、ソルガム、サツマイモ、タロイモ、ヤムイモ、ソラマメ、レンティルおよびエンドウ豆から抽出してもよい。デンプンは樹脂組成物中に約30から99%の間で存在してもよく、約50%、約85%以上の水準などのような、その間の全てのインクリメントおよび値が含まれる。
【0018】
本明細書で使用されるデンプンは生デンプンであってよく、生デンプンは、樹脂が熱の存在下で変形される、押出し、もしくは他のタイプの溶融加工段階のような、事前に熱成形履歴が観察されないデンプンとして理解されるであろう。生デンプンはそれ自身、天然のものであってよく、押出しによって本来の形態で回収され、物理的にも化学的にも改変されていない、改良されていないデンプンとして理解されるであろう。生デンプンは、前記で記述されるように、さまざまな粒径の粉末形態であってよく、挽かれ、および/または事前に振るいにかけられているものとして理解されるであろう。また、生デンプンは存在する水分含量が様々であってもよいものと理解されるべきである。ある実施形態において、生デンプン中に、水分は、1から60%の間で存在してもよく、40%、20%、10%などのような、その間の全てのインクリメントおよび値が含まれる。したがって、射出成形に関して本明細書で用いられる用語「直接」とは、射出成形前に、事前に熱成形履歴をもたない樹脂(例えばデンプン)の成形を意味するものと理解されるべきである。しかし、本明細書の樹脂(例えばデンプン)は、乾燥目的のために例えば加熱されてもよく、この加熱は事前の熱成形履歴には当たらない。
【0019】
グルテンは、トウモロコシ(maizeやcorn)および小麦のような穀物から抽出される、水に不溶性のタンパク質複合体として理解されている。したがって、本発明は、ベースの樹脂またはデンプンのような他の食用樹脂と組合わせてのいずれかとしての小麦のグルテン材料の使用を意図している。グルテンは、グリアジンおよびグルテニンから構成され得る。繰り返しになるが、前記に明記したように、グルテンは樹脂組成物に約1から99%の間で存在してよく、50%を超える水準のように、その間のすべてのインクリメントおよび値を含む。
【0020】
本明細書の食用樹脂組成物は、以下の商標名で、Manildra Group USAより入手してよい:「GEMSTAR100」、これは、精製した食品用小麦デンプンである;「GEMSTAR100+」、これは、精製した食品用小麦デンプンである;「GEM OF THE WEST VITAL WHEAT GLUTEN」、これは、小麦粉から抽出されるグルテンを低温で乾燥させることによって生産される粉末製品である;「ORGANIC GEM OF THE WEST VITAL WHEAT GLUTEN」、これは、有機小麦粉から抽出されるグルテンを低温で乾燥させることによって生産される粉末製品である、「ORGANIC GEMSTAR100」、これは、有機小麦粉から抽出される小麦デンプンである;および/または「ORGANIC GEMGEL100」、これは、事前にゼラチン化した有機の小麦デンプンである。さらに、樹脂組成物はADMより以下の商標名で入手してよい、「EDIGEL100」、これは小麦の樹脂組成物である;「AYTEX P」、これは改良していない食品用小麦デンプンである。
【0021】
食用樹脂(例としてデンプンもしくはグルテン)は制御された粒径であってよく、および制御された水準の水分を有してよく、それにより、1回の熱への暴露によって、樹脂を望ましい形態へと形成させてよい。樹脂は、粒子のすべてまたは一部分が約2.0ミリメーター(mm)、つまり2000ミクロン未満である粒径分布を有してもよく、2000ミクロンより下であってよいすべての範囲の粒径を含む。例えば、樹脂の粒径は、約500ミクロン未満であってよく、500ミクロンと1ミクロンの間の任意の値および範囲であってよく、250ミクロン未満、149ミクロン未満、44ミクロン未満、などが含まれてよい。ある実施態様において、粒子の約95%以上が149ミクロン未満であり、粒子の約60%以上が44ミクロン未満である。他の実施態様において、粒子の約97%以上が250ミクロン未満であり、粒子の約75%以上が149ミクロン未満である。樹脂は、30から50の間のlb/立方フートのかさ密度を有してもよく、40から45の間のlb/立方フート、38から40の間のlb/立方フート、35から38の間のlb/立方フートなどのように、その間のすべての値および範囲が含まれる。
【0022】
また、樹脂は、セルロースを含んでも、またはセルロースをベースにしてもよい。例えば、セルロースは多糖類の炭水化物の長鎖ポリマーであってよい。セルロースもまた、植物由来もしくは植物から抽出されてよい。セルロースは、樹脂組成物中に、樹脂組成物の約1から15重量%の間の量で組み込まれてよく、4重量%、10重量%、11重量%などの、その間の任意のインクリメントもしくは値であってよい。
【0023】
乳化剤または界面活性剤もまた、樹脂組成物中に組み込まれてよい。乳化剤は樹脂組成物の約1から10重量%の間の量で存在してよく、3重量%、4重量%などを含む、その間のすべてのインクリメントもしくは値であってよい。例えば、乳化剤は、卵黄もしくは大豆から抽出され、もしくは由来されてよい、レシチンを含んでよい。
【0024】
また、樹脂組成物は可塑剤を含んでもよい。例えば、可塑剤はグリセリンを含んでもよい。可塑剤は、約15から30重量%の間の量で組み込まれてよく、15重量%、21重量%、27重量%以上などの水準のように、その間のすべてのインクリメントおよび値が含まれる。
【0025】
保湿剤もまた、樹脂組成物中に組み込まれてよい。例えば、保湿剤にはオート麦の繊維が含まれる。保湿剤は、樹脂組成物の約0.1から5重量%の間の量で組み込まれてよく、1重量%、25重量%などを含む、その間のすべての区間および値が含まれる。保湿剤は、材料中で、水を吸収する任意の添加剤であると理解されるだろう。
【0026】
樹脂組成物は水を含んでもよい。水は、組成物中に、樹脂組成物の約1から40重量%の間の量で組み込まれてよく、4重量%、20から40重量%、10から20重量%などを含む、その間の任意のインクリメントもしくは値である。製品を形成した後には、水は、樹脂組成物の1から20重量%の間の量で存在してよく、20重量%以下、4重量%、5から10重量%などのように、その間のすべてのインクリメントもしくは値が含まれる。
【0027】
樹脂組成物は栄養補助剤を含んでもよい。栄養補助剤は発酵大豆でもよい。発酵された大豆の栄養補助剤は、Bio Food,Ltd.,Pine Brook,N.J.より入手可能であり、一般商標名Soynatto(登録商標)の名前で販売されている。発酵大豆は、樹脂組成物の約1から40重量%の間の量で存在してもよく、10重量%、20重量%などを含む、その間のすべてのインクリメントおよび値が含まれる。製品Soynatto(登録商標)は、発酵された大豆の形態で、タンパク質、ミネラル、およびビタミンを提供するであろう。発酵の工程は、通常「パン酵母」もしくは「ビール酵母」として知られる、出芽酵母(saccharomyces cerevisiae)によって、製品を活性化させてもよい。出芽酵母は、小麦粉もしくはパンに存在する糖を発酵させることで慣習的によく知られており、二酸化炭素やアルコールを産生する。したがって、タンパク質、一種または複数種のミネラル、および一種または複数種のビタミンが、出芽酵母とともに、樹脂組成物に存在してもよいと理解される。
【0028】
本明細書で用いられる発酵大豆製品もまた、グリシテイン、ダイゼインおよびゲニステインを高濃度で含んでよく、それらは報告されているように、より一般的な他の大豆製品よりも数百%も多く存在する。グリシテイン、ダイゼインおよびゲニステインは、フラボノイドのイソフラボンのクラスに属しており、エストロゲン様の生物活性を含んでいる植物由来の非ステロイド性化合物であるがために、植物性エストロゲンに分類される。
【0029】
樹脂組成物はまた、酵素および/または補酵素を含んでよく、それらは同様に、Bio Food,Ltd.,Pine Brook,N.J.より入手可能であり、BT−CoQ10(登録商標)の商標名で販売されている。報告によれば、これは、生物学的形質転換(発酵)細胞ミトコンドリアの補酵素であり、コエンザイムQ10、抗酸化剤、植物性栄養素および補因子であるミネラルの栄養素および他の細胞構成物質が含まれる。酵素および/または補酵素は、樹脂組成物の0.1から10重量%の間の量で存在してもよく、1重量%、5重量%などのように、その間のすべてのインクリメントおよび値が含まれる。
【0030】
報告によれば、コエンザイムQ10は、主として体で合成される、脂肪に可溶性の化合物であり、食事としてもまた消費され、ミトコンドリアによるATP合成のために必要である。発酵性補酵素(fermented coenzyme)もまた、報告によれば、ジヒドロベンゼンのジケト誘導体である、環状結晶性化合物Cの2つの異性体のいずれかである、ユビキノンとして知られる化合物のファミリーに属する。それはまた、細胞膜およびリポタンパク質での抗酸化剤として機能してもよい。
【0031】
他の添加剤も同様に組成物中に組み込まれてよい。これらの添加剤は、植物性物質、果実性物質、生皮、ナッツ、ナッツのかけらまたは落花生粉のようなナッツの粉、および動物加工品、魚加工品、副産物、ミールまたは分解物(digest)などを含んでよい。動物性分解物とは、比較的綺麗で比較的腐食していない動物組織を採取し、ならびに化学的または酵素的加水分解を利用して分解させることにより、生成される物質を含むものと理解される。好ましくは、動物性分解物とは、加水分解された肝臓、例えば加水分解された鶏の肝臓である。動物性分解物は、Applied Food Biotechnology Incorporated,O’Fallon,Missouriより入手してもよく、商標名Optimizor(登録商標)として販売されている。これらの添加剤は、樹脂組成物の約0.1から50重量%の間の量で個々的にもしくは累積的に存在してもよく、0.1から5.0重量%、15重量%、25重量%などを含む、その間のすべてのインクリメントおよび値であってよい。
【0032】
さらに、香味料、ハーブ、ハーブ抽出物、ビタミン、ミネラル、着色剤、酵母産物、大豆製品、誘引物質などを、樹脂組成物中に組入れてもよい。酵母産物には、栄養に関する酵母、すなわち出芽酵母のようなパン酵母、kluyveromyce marxianusのような乳製品の酵母、またはsaccharomyces fermentatiのようなワイン酵母が含まれてよい。大豆製品には、発酵大豆もしくは、味噌ペーストやテンペのような他の大豆製品が含まれてよい。誘引物質には、動物性分解物や魚類性分解物のような、本明細書に記載される化合物、または他の化合物であって、樹脂組成物に対する動物の興味を上昇させるようなものが含まれてよい。これらの添加剤は、樹脂組成物の約0.01から25重量%の間の量で個々的にもしくは累積的に存在してもよく、0.01から0.5重量%、10重量%、20重量%などを含む、その間のすべてのインクリメントまたは値であってよい。組成物はまた、炭酸カルシウムを含んでもよい。炭酸カルシウムは約5から10%の間の量で存在してもよい。
【0033】
食用樹脂は、溶融混合または混合によって混ぜ合わされてよい。いったん混ぜ合わされると、樹脂は、シート状、ひも状、円筒状などの望ましい形態へと形成させてよい。混ぜ合わせる工程および形成工程は、分離段階で、もしくは同時に行ってもよいと理解される。例えば、材料を射出成形機器もしくは押出し機中に供給してもよく、スクリューの回転を介して混合させ可塑化させてもよく、キャビティ中へと射出して、もしくは押出しによる型うち機を通過させて成形させてもよい。他の実施態様において、材料を2軸押出し機もしくはブレンダー中に供給してもよく、混ぜ合わせて、それに続く工程のためにペレット化するかもしくは型うち機を介して望ましい形態へと形成させてもよい。さらなる実施態様において、材料はブレンダーもしくはミキサーで混ぜ合わせてもよく、次いで、混ぜ合わされた樹脂を、可塑化させる成形機器中に供給してもよい。
【0034】
さらに、水を含む水分は、加工の間に樹脂組成物から除去してもよい。例えば、通気孔付のシリンダー(vented barrel)を押出し機または射出成形機器に提供してもよい。また、水分含量は、製品をオーブン、ドライヤー、冷却トンネルなど中に導入することによって、減少させてもよい。しかしながら、樹脂は、生皮内で、および生皮とともに樹脂が形成されるのが可能となるのに十分な水分を含むのが好ましいであろうし、次いで、いったん形成されると、樹脂と生皮の両方が乾燥されてもよいものと理解される。
【0035】
ある実施態様において、食用樹脂及び生皮樹脂組成物を、混合し、一緒に射出成形させて、複合製品として描写されるであろうものを形成してもよい。この場合、生皮および食用樹脂は、それぞれ1から99重量%および99から1重量%の量で存在してもよい。さらに、栄養価のある添加剤などの、前記で参照される任意の添加剤の濃度は、栄養補助を好ましい水準で提供するために、好ましいように変化させてよい。
【0036】
さらに、食用樹脂を成形させてもよく、例えば射出成形させ、もしくは押出させ、または生皮の材料上に直接成形させてもよい。この態様において、食用樹脂は、生皮を部分的にまたは完全に包んでもよく、ならびに/あるいは任意の選択された位置で生皮を覆ってもよい、外層として生皮の形態を想定するように作製されてもよいことが意図される。さらに、食用樹脂は、生皮材料上の1つもしくは複数の望ましい位置において選択的に厚くしてもよい。例えば、図1および図2で例示したように、本発明の例示としての実施形態およびそれの断面図に描かれるように、生皮10は、間接(knuckle)部分14とともに、骨12の形態であってよく、食用樹脂16は間接の間の領域18にわたって、選択的に射出成形されてもよい。さらに、図3で例示されるように、食用樹脂20は、間接部分22、および暴露された生皮26を提供してもよい間接の間の領域24にわたって、射出成形させてもよい。
【0037】
さらに、もし食用樹脂が任意の形態で提供される場合、生皮は粒子状の生皮(前記に記載のように粒子または粉末)へと作製され、このような粒子状の生皮が、前記で記載の態様で、食用樹脂に対して射出成形されてもよい。このような工程は、射出成形を介した幅広い成形(over−molding)を含むものと理解されてよい。幅広い射出成形(over−injection molding)または幅広い押出し(over−extrusion)によって、樹脂は、同時にまたは連続的に形成されてもよいものとも理解される。
【0038】
図4および図5で例示されるのは、それぞれ、例示としての実施態様およびそれの断面図であり、幅広く射出成形させた製品(over−injection molded product)30の例示的な実施態様である。図は、骨の形態を想定している製品を例示しており、第1の樹脂32は第2の樹脂34内に保持される。第1の樹脂は生皮であってよく、第2の樹脂は食用であってよく、あるいは、第1の樹脂は食用樹脂であってよく、第2の樹脂は生皮であってよい。幅広い成形製品(over−molded product)は、環状、棒状、人型、幾何学的形態、または成形キャビティで形成され得る任意の形態などのような、様々な形態を取り得る。例示されるように、第2の物質が、第1の物質に完全に包まれて封入される一方で、これは必須ではなく、第1の物質は第2の物質から突き出ても伸びていても、または第1の物質の一部分を選択的に覆ってもよいと理解される。繰り返しになるが、様々な幅広い成形技術(over−molding techniques)を利用してもよく、例えばそれには、挿入成形(insert molding)、逸失中子鋳造(lost core molding)、型うちスライド成形(die−slide molding)、ガス使用射出成形(gas assist injection molding)、拡張型/伸縮自在型の中子技術などがある。
【0039】
図6および図7で例示されるのは、幅広い押出し(over−extruded)製品40の例示的な実施態様である。例示される製品40は骨の形態を想定してもよい。それは、第1の樹脂42および骨から突き出ている第2の樹脂44から構成されてもよい。第1の樹脂42は骨の外側の形態を想定してよく、第2の樹脂44は第1の樹脂内に、部分的にまたは完全に保持されてよい。第1の樹脂は生皮であってよく、第2の樹脂は本明細書で意図されるような食用樹脂であってよい。樹脂の溶融流れ(melt flow)は短軸の押出し機内で一緒に組合わせてよく、すなわち、樹脂が別の押出し機の型うちから出て行く際には、この流れは一緒になるであろう。さらに、第1の形成される樹脂が提供されてもよく、第2の樹脂が、前記で示唆したように、第1の形成される樹脂に対して押出されてもよい。再び繰り返しとなるが、第1の樹脂は食用もしくは生皮の樹脂のいずれかであってよく、第2の樹脂は食用もしくは生皮のいずれかであってよい。
【0040】
他の例示的な実施態様において、食用樹脂および生皮樹脂組成物は、ねじれた、もしくは編んだ製品に形成させてもよい。例えば、食用樹脂および生皮樹脂を別々に押出して、樹脂が硬くなる前、すなわち樹脂が乾燥する前に、一緒にねじってチューを形成させてもよい。図8で例示されるのは、第1の樹脂52および第2の樹脂54からなるねじれたロープ50の例示的な実施態様である。2本より多いストランド(strand)を用いてロープを形成してもよく、これらストランドは、様々な方法でねじったり編んだりしてもよいことが理解される。さらに、複数ストランドの場合には、任意の1つもしくは複数のストランドが食用樹脂から成ってもよく、任意の1つもしくは複数のストランドが生皮から成ってもよい。例えば、製品は、別々の押出し機のシリンダー(extruder barrel)でそれぞれの物質を可塑化させ、および/または組合わせることによって産生してもよく、異なる型うち機を介して形成させてもよい。ひとたび製品が型うち機から出てくると、製品はねじれてロープとなり得る。さらに、ひとたびねじれたり編まれたりすると、製品は、棒状、環状、または鎖状のような様々な形態へと、乾燥前に形成され得る。
【0041】
さらなる例示的な実施態様において、樹脂組成物中に形成させることなしに、生皮を形成可能なシート状製品として提供してもよい。食用物質もまた、例えば押出しによって、シート状へと形成させてもよく、可鍛性のシートを提供するのに十分な水分を有してもよい。2枚のシートは、折り畳まれ、ねじられ、または一緒に丸められて、望ましい製品を形成させてもよい。
【0042】
図9および図10で例示されるものは、犬の骨の形態を想定している製品60およびそれの断面図であって、少なくとも1枚の生皮および少なくとも1枚の食用樹脂を一緒に巻くことによって形成される、他の例示的な実施態様である。例示されるように、食用樹脂62は骨の外表面64に存在してもよい。生皮68の一部分である66は、製品60の外表面に暴露されてもよい。これらの配置は逆転していてもよく、生皮が外表面に存在してもよく、食用樹脂が部分的に生皮に保持されてそこから突き出ていてもよいと理解される。さらに、特定の実施形態において、外表面に存在する物質は、部分64が見えないように、他の材料を完全に包んでもよい。例示されてはいないが、製品60は、少なくとも1つの結び目を製品60内に有してもよい。
【0043】
前述の記載は、本願を例示し説明するために提供される。しかし、前述の記載は、添付される特許請求の範囲を説明する本願の範囲を制限するものと理解されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のペット用チューの1つの例示的な実施態様の図である。
【図2】図1のペット用チューの断面図の1つの例示的な実施態様の図である。
【図3】本発明のペット用チューの他の例示的な実施態様の図である。
【図4】本発明のペット用チューの他の例示的な実施態様の図である。
【図5】図4のペット用チューの断面図の他の例示的な実施態様の図である。
【図6】本発明のペット用チューの他の例示的な実施態様の図である。
【図7】図6のペット用チューの断面図の1つの例示的な実施態様の図である。
【図8】本発明のペット用チューのさらなる例示的な実施態様の図である。
【図9】本発明のペット用チューの他の例示的な実施態様の図である。
【図10】図9のペット用チューの断面図の1つの例示的な実施態様の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生皮を提供する工程と、
デンプンまたはグルテンを含む食用樹脂組成物を提供する工程と、
前記食用樹脂組成物および生皮を選択された形態へと形成させる工程
を含む、動物用チューの形成方法。
【請求項2】
熱の存在下で、前記食用樹脂組成物および生皮を形成させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食用樹脂組成物および生皮の形成が、射出成形を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記食用樹脂組成物および生皮の形成が、押出しを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記食用樹脂組成物および生皮の形成が、圧縮成形を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記生皮を提供する工程が、生皮の粒子を提供する工程および前記生皮の粒子を加熱し形成させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記生皮の粒子を提供する工程が、約10mm未満の粒径および水分含量を有する生皮の粒子を提供する工程、前記生皮の前記水分含量を約1から20%の範囲内に調節させる工程、ならびに前記生皮の粒子を形成するために前記生皮粒子を溶融加工する工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記食用樹脂組成物を提供する工程が、
前記デンプンまたは前記グルテンを組合わせる工程であって、前記デンプンまたは前記グルテンが、前記食用樹脂組成物中に約1から99重量%の間の量で存在し、水が前記食用樹脂組成物中に約1から40重量%の間の量で存在する工程、ならびに
前記デンプンまたは前記グルテンおよび前記水を溶融混合する工程
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記生皮が可鍛性であり、前記食用樹脂を加熱し形成させる工程が、前記食用樹脂組成物を前記生皮とともにねじる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの関節を形成させるために、前記生皮を結ぶ工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記食用樹脂を、前記少なくとも1つの関節の周りに形成させる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
生皮およびデンプンもしくはグルテンを含む食用樹脂を含む動物用チューであって、前記食用樹脂の一部が、前記生皮によって保持される動物用チュー。
【請求項13】
前記食用樹脂が、さらに動物性分解物を含む、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項14】
前記食用樹脂が、さらに可塑剤を含む、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項15】
前記食用樹脂が、さらに保湿剤を含む、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項16】
前記食用樹脂が、さらに栄養補助食品を含む、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項17】
前記生皮が、生皮樹脂組成物を含む、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項18】
前記生皮樹脂組成物が、カゼインを含む、請求項17に記載の動物用チュー。
【請求項19】
前記生皮が、約10mm未満の粒径を有する、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項20】
前記生皮が、少なくとも1部の前記食用樹脂上に位置する、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項21】
前記生皮が、少なくとも1つの関節を有するシャンク中に形成され、前記食用樹脂が、前記少なくとも1つの関節上に形成される、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項22】
前記生皮が、第1の端部および第2の端部を有するシャンク中に形成され、前記食用樹脂が、前記第1および第2の端部の間の前記シャンク上に形成される、請求項12に記載の動物用チュー。
【請求項23】
生皮およびデンプンもしくはグルテンを含む食用樹脂を含む動物用チューであって、前記生皮が外表面を含み、前記食用樹脂が、前記生皮の前記外表面上に位置する、動物用チュー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−539385(P2009−539385A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514552(P2009−514552)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/070775
【国際公開番号】WO2007/146814
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(500013142)ティー.エフ.エイチ.パブリケーションズ、インコーポレーテッド (18)
【Fターム(参考)】