説明

飲料を調整するための、加圧ガス供給部を有する装置

加圧液を供給することにより飲料を分配するためのモジュール10と、液体供給タンク7と、該モジュールに加圧液を供給するように構成されたガス供給手段65と、液体給送チャンバ80とを含む、飲料を調整するための装置であって、該チャンバは、補充構成において液体を補充するためにタンクと連絡するように配置されているとともに、モジュール供給構成においてチャンバ内で液体を加圧するためにガス供給手段と連絡し、或る量の液体をモジュールを通して一定の圧力下で分配するように配置されている装置。好ましくは、チャンバは、液体とガスとを密閉方式で分離する少なくとも1つの弾性壁85と接し、弾性壁は弾力的に変形し、これによってこの壁に対するガススラストの効果でチャンバの内部容量を低減するように構成されている。本発明は、可動式又は持ち運び可能なコーヒーマシン又は複合飲料マシンに適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調整するための装置、あるいは飲食材からのその他の調整のための装置に関する。より詳細には、本発明は、分配機器、例えばコーヒーマシン又は複合飲料マシン、特に可動式又は持ち運び可能な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装された、又は未包装の飲食材を使用する飲料を調整するためのコーヒーマシン型の装置は、個人の間で、また、共同体、商業的敷地及び企業の間にも非常に広範囲に及んでいる。調整の原理は、或る量の冷たい液体又は熱い液体を高圧下で、通常は気圧より数倍高い圧力で飲食材に通過させることにより、この飲食材を抽出することに基づいている。包装された飲食材は、部分的に剛性のカプセル、あるいは密閉された可撓性の袋、又は部分的に開口した袋とすることができ、フィルタに合わせた量であってもよい。
【0003】
カプセルの1例は欧州特許第0512468号に記載されている。袋の1例は欧州特許第0602203号に記載されている。
【0004】
このような抽出システムは多くの利点を呈する。一方では、使用するには個包装が簡単であり、機器に設置すべきコーヒーの量を計量する必要がない。使用者は、カプセル、挽いたコーヒー1回分、又はその他を機器に配置し、次にボタンを押して抽出を開始する。他方では、個包装は、望ましい特徴、例えば十分な特質、香味、泡又はその他の重要な性質を有する飲料(例えばコーヒー)を送出するために計量されている。これらの小包装が不浸透性である場合、ふつう抽出の時間まで飲食材の鮮度をより良く保存もする。最後に、調整条件、例えば温度、圧力、抽出時間は制御が容易であり、このことは、比較的制御された一定の品質を顧客に保証する。
【0005】
抽出方法の1例は欧州特許第0512470号に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カプセル又はその他の種類のこれらの飲食材から飲料を圧力下で抽出するには、比較的強力な送水ポンプ(例えばピストンポンプ)を使用する必要がある。これらのポンプは本線からの電力を使用し、また、抽出中、振動に起因して多少騒音を伴う。
【0007】
これらのポンプが電気的に接続されているため、ワゴンの上に置いてあるいは単にこれらを運搬することにより、その調整装置を移動させることも困難である。実際に、列車、飛行機等の移動機関、又は映画館、劇場等の特定の敷地、あるいは海岸、公園、プールサイド等の公共の場所、また、田舎道沿い、キャンプ場その他の公共又は私的な場所において、あるいはその他の状況において飲料を提案するために、これらの装置をより可動性にするのが有利であろう。
【0008】
フランス追加証明書FR94.925は、シリンダからの加圧ガスにより変形される変形可能な膜が設けられた容器を含む持ち運び可能なコーヒー滲出装置であって、滲出すべきコーヒーを受ける放出口を含むノズルへ加圧水を送り込むコーヒー滲出装置に関連している。ところが、このデバイス及びその膜はガス圧力下の流体をノズルへと噴出するように構成されているのみであり、チャンバに液体を補充するようには構成されていない。換言すれば、膜は補充「ピストン」の役目を果たすのみである。膜は、外部の液体源からチャンバへの液体の吸引を生成するのに適した弾性戻り特性を有さない。この補充は、栓を介して手動で実行される。このような準備は、熱い飲料を調整するための装置では安全性の重大な問題を引き起こす。というのも、チャンバはガス超過圧力下で維持されており、チャンバ栓が開くと、軽微の超過圧力下であっても熱湯又は沸騰水がチャンバ外部へ制御不能に放出され得るからである。さらに、このような装置は手動で補充する必要があるので非実用的である。したがって、満足できる自給式操作を提供するために、チャンバは十分に大きい(数リットルである)必要がある。このことは過剰なガス容量の使用を必要とする。
【0009】
国際公開第99/02081号は、コーヒーマシン、より正確には、挽いたコーヒーを抽出するのに必要な圧力が圧縮空気により生成される可動式機器を提案している。コーヒーを調整するための水は断熱コンテナで保持される。水は発熱体により加熱することができる。この解決法は、自給式手段、例えば機器の下に配置されたガスシリンダにより抽出圧力を作り出す利点を呈する。この機器はガスシリンダを備えたワゴン上に設置することができ、このガスシリンダは、この目的で設けられたワゴンの区画内に設置されている。
【0010】
ところが、このようなデバイスは多くの欠点を呈する。実際、この発明ではシリンダ内のガスが熱湯タンクと直接連絡する。このことは、タンクの量全体が、約数バールである一定の圧力下に保持されていることを意味する。
【0011】
従って、この圧力に耐えるためには大容量のタンクを提供する必要がある。十分な安全性を保証するためには、これは設計及び製造の問題を提起する。タンクが偶然に破損した場合、これが破裂したり損傷を引き起こすことがある。漏出があった場合、熱湯の噴流が逃散して熱傷等の事故を引き起こすことがある。さらに、タンクの設計は材料の選択肢の点で限定されており、例えばガラス等、低熱容量である脆性材料を使用することができない。最後に、ガスと大量の予備水分とが高圧下で長時間にわたって接触すると、水分中のガスが未制御に分解されることもある。従って、このことは、例えば飲料が軽微に泡立ったり、あるいは酸っぱくなることによってその味感を劣化させ得る。
【0012】
国際公開第2004/014205号は、ピストン型の水圧手段により飲料を調整し、中にカプセルの設置された抽出チャンバへ液体を押し込んで飲料を圧力下で抽出するデバイスに関連している。このピストンは加圧ガスにより作動する。一方で、多くの周期にわたってシステムの密閉動作を保証することが必要であり、これは問題を生じがちである。
【0013】
同時係属出願の欧州特許第03026792.6号は、水が給送チャンバへと導入され、ガス(それ自体がこのチャンバへ導入される)により圧力下で放出される、飲料を調整するためのデバイスに関連している。このチャンバはタンクからの静水力学的効果により補充される。チャンバは、有利にはタンク自体に設置して熱損失を回避することができる。ところがチャンバの補充は比較的緩慢であり、このことが、幾つかの飲料を連続して調整する点で、特に大量の飲料を送出することに関して問題を生じる。
【0014】
従って、電気エネルギーにより作動される圧送システムを用いる装置よりも静かな、飲料を調整するための装置を提案することが本発明の目的である。
【0015】
国際公開第99/02081号の解決の欠点を回避しつつ、可動式又は持ち運び可能な使用に適した装置を提案することは本発明のさらなる目的である。
【0016】
具体的には、これらの目的のうちの1つは、永続的な圧力下での大容量のタンクの維持に関連するリスク及び欠点を低減するために、十分な自給式液体容量を備えた装置、ただし限定的な液量のみが加圧される装置を提案することである。さらなる目的は、長時間にわたる使用中、信頼できる簡単な密閉構造を提案することである。さらなる目的は、幾つかの飲料を最小限の時間で連続して供する能力を増大するために、補充時間を低減することである。さらなる目的は、特に装置の可動性を改良して、装置の熱損失又は冷状態損失を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的で、本発明は、
加圧液を供給することにより飲料を分配するためのモジュールと、
該モジュールに加圧液を供給するように構成されたガス供給手段と、
チャンバ内の液体を加圧して、或る量の液体をモジュールを通して圧力下で分配するための、該ガス供給手段と連絡するのに適した液体給送チャンバと
を含む、飲料を調整するための装置に関する。このチャンバは、ガスと液体とを密閉方式で分離する少なくとも1つの弾性壁と接しており、該壁は弾力的に変形し、これによって、この壁に対するガススラストの影響下にチャンバ内の液量を低減するように構成されている。チャンバ内の液量が低減することにより、液体はチャンバの外部へ飲料分配モジュールに向けて押し進められる。
【0018】
本発明の一側面によれば、デバイスはチャンバに液体を補充するための給送タンクを含み、該チャンバは、タンクよりも少ない容量を有するとともに、補充構成において、壁の圧縮をガスが停止する際及び壁がそれ独自の弾性下にある初期位置に戻る際に生成される吸引効果により液体を補充するために該タンクと連絡するように配置されている。
【0019】
ガス供給手段は、自給式ガス供給手段であるのが好ましい。これらの手段は、装置と共に可動とすることができる。一方で、ガス供給手段は、固定式源、例えば家庭用又は工業用源からガスを供給するための手段とすることもできる。ガスは任意のガスとすることができる。ガスは、圧縮空気、CO2、N2、N2O、又はアルゴン、あるいはそれらの混合気であるのが好ましい。ガスの予備はシリンダ又は強化タンクであるのが好ましく、その容量は0.1〜20リットル、好ましくは0.5〜5リットルである。例えば装置を運搬、回転、又は稀に移動させることが意図される場合、装置の使用法の必要性に応じて容量が選択されることは明らかである。
【0020】
モジュールに供給するのに使用される液体は通常、熱湯又は冷水である。一方で、別の種類の賦形剤、例えばミルク、又はその他の飲食材賦形剤であってもよい。
【0021】
本発明による飲料分配モジュールは、飲食材を抽出又は溶解するために液圧下に配置されたデバイスとすることができる。このモジュールは、挽いたコーヒー又は水溶きコーヒー、紅茶、ココア、ハーブティー、粉ミルク、水溶き調整製品、あるいはこれらの食材の組み合わせ等の飲食材を含む、小分けにされた包装を受けるためのデバイスを含むことができる。
【0022】
本発明のさらなる1態様によれば、液体給送チャンバは逆止弁に結合された液体注入口を含み、この逆止弁は、チャンバが補充された後にチャンバ内に液体を保持するように構成されている。したがってチャンバは液体タンクに対して弁により密閉されている。このことは、チャンバ内に存在する液量の制御を保証し、モジュールに送出される液体の量を制御するように働く。補足的なやり方において、液体給送チャンバは逆止弁に結合された液体注出口を含み、この逆止弁は液体がチャンバへ戻るのを防止するように働く。この弁は、ガススラストが停止した際、チャンバから放出された液体がチャンバへ戻らないことを保証するように働く。これにより供給モジュールに供給される液量のより良い制御が保証されるので、空気ポケットの形成が低減される。
【0023】
本発明のさらなる1態様によれば、壁の圧縮をガスが停止する際及びチャンバがそれ独自の弾性下にある初期位置に戻る際に生成される吸引効果により、チャンバに液体が補充される。したがって、チャンバ補充時間はかなり減少する。したがって、新規の飲料を分配する前にチャンバが補充構成に戻るのが速くなる。液体がチャンバへ吸い込まれるという事実から、さらなる利点が派生する。このことはタンクの改良型排出に貢献する。
【0024】
好ましくは、壁は十分な独自の弾性を有して、チャンバ内の液位がタンク内の液位を超えるまで、タンクからチャンバへと液体を吸い込むことができる。したがって、タンクはより簡単に空にすることができる。これによって、装置へ圧送できる液体容量が増加する。弾性は、タンクを完全に空にできるようなものとすることができる。この目的で、タンク内に存在する全ての液体を吸い込むために、チャンバはタンクの底部へと延びる液体注入口も有する。
【0025】
したがって、弾力的に変形可能な壁はエラストマー又はシリコーン材料からなるのが好ましい。このことは、より良い耐密性と、再現性のある高い弾性戻り力を供給しつつ弾力的に変形するための能力とを保証する材料を供給する利点をもたらす。シリコーン材料が湿潤環境において、また広範な範囲の液体送出温度、特に5〜95℃において含む、その機械的特性をより良く維持するその能力が好ましい。シリコーン壁は、厚さが1〜15mm、好ましくは2〜10mmであり、硬度が少なくとも55ショアA、好ましくは60ショアAを超えるのが好ましい。
【0026】
別の側面によれば、弾性壁は管状であり、チャンバを密閉方式で包囲する。この形状はチャンバの量を均一に減少させるのに有利である。したがって、管状弾性壁は「スプール」形状の中央コアと一体にされている。このようなコアは、中央の円筒形部分が、次第に広がった端部分に結合されている。中央コアは一端から他端まで中空でもあるので、リザーバ内に存在する液体が自然対流により通過することが可能となり、これによって熱伝達又は冷状態伝達には有利になる。管状弾性壁は、中央コアの広がり部分の縁部に密閉方式で取り付けられる。この構成は、容易に作成及び組立できる単純な形状を保持する一方で、コアに対する弾性壁の圧搾中の極端な局部応力を回避する利点を呈する。コアは別々の2部分にして取り付けることができ、そのうちの1つは中央部分と広がり端部分のうちの1つとを含み、他の部分は第2の広がり端部分を形成する。
【0027】
構成の一側面によれば、弾性壁は、少なくとも1つのガス注入口を含む剛性の管により包囲されている。剛性の管は、コアの両端部分の縁部に接合されている。したがって、ガスは剛性の管と弾性壁との間に、一方では外部に対して、他方では弾性壁の内側面及び中央コアと接しているチャンバに対して密閉方式で、圧力下において吹き込まれる。
【0028】
弾性壁は管の内側面とほぼ接触しているのが好ましい。したがって、弾性壁と管との間に提供された休止位置での量は非常に小さく、好ましくはゼロであるので、不必要なガス損失は最小限となる。剛性の管は、周囲で離間する複数のガス注入口をその外周に含むのも好ましい。この構成は、ガススラストの影響下でも壁がその初期形状に戻る間でも、弾性壁の変形を対称的にするのに役立つ。管状壁は、ガス圧力が解放されるとすぐに、過剰な待機時間なくその初期形状を回復する。このようにガスは剛性の管の周りの数か所で放出される。このことにより、管状壁はガスの除去を妨害しがちな変形なしに、より速くその初期形状を回復することが可能になる。
【0029】
本発明の一側面によれば、少なくとも2つの作動位置、すなわち、
a)壁に対してそのスラストを与えるガス供給部を切断することによるチャンバ液体補充及び/又は休止位置、
b)弾性壁に対するスラスト構成にガス供給部を配置することによる、飲料分配モジュールへ加圧液を送り込む供給位置
に動かすことのできる弁手段が設けられている。
【0030】
このように弁手段は、2つの位置で、すなわちチャンバ補充及び休止位置、及び液体モジュール給送位置で作動するように働く。チャンバを補充する間、弁手段が切り換えられてガスの取入れが停止され、この取入れ量が大気へ投じられる結果、弾性壁は任意のスラスト応力から解放され、その初期位置に戻ることができる。
【0031】
一方のモードである供給位置では、弁手段により供給位置に戻る都度、チャンバの量全体が圧力下で放出されてチャンバの液量は完全に空になる。このようにして、装置は常に一定の液量をモジュールに送出し、液量は各サイクルで再補充される。チャンバが液量を正確に計量するという機能を果たすので、このことは重要な利点をもたらす。従って弾性壁は、サイクルが終了するたびに繰り返し疲労せずチャンバの量全体を液体で再度補充するのに十分高い弾性戻り力が発揮できるように選択されなければならない。
【0032】
好ましい構成において、チャンバは液体タンク内部に配置されている。この事例において、チャンバが簡単な開口部を経由してタンクと連絡できるので、デバイスは簡素化される。このような構成は、装置の全体的な寸法を低減するのにも貢献する。最後に、タンクが熱い液体又は冷却された液体を収容している場合、2つのチャンバ間で熱伝達が可能となるため、タンク及び/又はチャンバにおける熱損失又は冷状態損失が低減される。
【0033】
装置の持ち運び可能な使用又は可動式使用において、タンクは、周囲温度よりも高温又は低温の範囲において液体を維持するように働く断熱壁を含むのが好ましい。また、タンクは、補充が容易にできるような取り外し可能なふた又は栓を含んでもよい。したがって、飲料の抽出条件に必要な一定の温度区間で液体を維持することが可能である。このことにより、50〜95℃の間の温度で液体を数分間保持することが可能となる。液体は熱いまま、又は沸騰したままタンクへ注ぐことができ、及び/又は、加熱手段によりタンク内の温度で長時間加熱及び/又は単に保持することができる。断熱壁は、低熱容量材料からなる少なくとも1つの内部壁と、内部壁を包囲する少なくとも1つの断熱層とを含むのが好ましい。これは例えば、少なくとも1つのガラス又は金属製内部壁と、好ましくはこの内部壁の外側に少なくとも1つの断熱層をふつう含む「サーモス」(R)型の壁を含むことができる。好ましくは、断熱層はポリウレタンフォームであり、これは所望の形状に容易に造形可能である利点を呈する。必要であれば、残りのフレームとともに成型してもよい。ポリウレタン断熱層は、内側のステンレス鋼タンクを封入することもできる。
【0034】
壁は、泡あり又は泡なしの、ガスあるいは部分真空又は完全真空からなる別の断熱層で分離されたガラス製又は金属製の二重壁から形成することもできる。
【0035】
装置は、この装置の種々の機能要素を支持する機能を有する支承構造体を含み、この支承構造体は給送チャンバと連絡する線を含む。主要線は、ガス供給線、チャンバを気圧へ通気するための線、チャンバから抽出モジュールへの給送線である。タンクが変形不可能ならば、タンクへの空気取入れ線も有益である。
【0036】
例えば、支承構造体は抽出モジュールを収容することもでき、ガスの予備に接続するためのデバイスも受けるようにされている。支承構造体は、弁手段と、その手動制御作動手段(例えばレバー)又は電気的制御作動手段(押しボタン)とを内蔵することができる。また、様々な電気的接続及び/又は監視要素、及び制御要素を含んでもよい。
【0037】
支承構造体は、輸送手段、例えばハンドル、ストラップ、ハーネス及び/又はキャスタ、回転皿、あるいはストレッチャ等を組み込み又はこれと接続して、装置の運搬及び/又は回転を容易にすることができる。
【0038】
好ましくは、ガス圧力手段は、2〜25バール、好ましくは5〜20バールのガス供給圧力を送出するのに適している必要がある。この圧力は、チャンバを部分的又は完全に空にして、液体を給送線を通して抽出モジュールまで輸送し、回路中の圧力低下を考慮して十分な抽出圧力で、飲食材を通して飲料を抽出するのに必要である。
【0039】
供給圧力の制御は、圧力制御ユニット、例えば供給圧力まで減じられた減圧装置により行うのが好ましい。ガス流量は障害物により別々に制御して、抽出モジュール内で圧力増加を進行させることもできる。特定の状況において、このような障害物は、弁手段の開口直後に過度に急激に圧力が上昇することを防止するのに必要である。圧力が過度に急激に上昇すると、飲食材の被包装部分を早計に開封し、破り、又は引きちぎる結果となることがある。
【0040】
本発明はさらに、加圧液を飲料分配装置へ供給するための圧送デバイスに関するものであり、このデバイスは、、
ガス供給注入口を含む本体と、
該液体を受けるためのチャンバと、
該チャンバと連絡する液体注入口と、
該チャンバと連絡する液体注出口であって、ここから該液体が一定の圧力下で放出される液体注出口と
を備え、
該チャンバは、該液体と該ガス供給部とを密閉方式で分離する少なくとも1つの弾性壁と接しており、
該壁は弾力的に変形し、これによって該壁に対するガススラストの効果下にチャンバの内部容量を低減するように構成されており、該壁に対するガススラストの効果下にチャンバ内の量の低減により液体は液体注出口を通過する、圧送デバイスである。そして、このデバイスにおいては、
該デバイスは、該壁によって生成される吸引により補充されるように構成されており、該壁はその独自の十分な弾性を有し、この弾性により、壁の変形をガスが停止する際の位置に戻り、この弾性戻り効果により、該チャンバ内に真空を生成して液体注入口からチャンバへと液体を吸い込み、これによってチャンバに液体を補充することが可能となり、該デバイスは、壁により吸い込まれた液体がガス圧力の影響下で排除されるまで、この液体をチャンバ内で一定量保持するための閉鎖手段を含むことを特徴とする。
【0041】
本発明の一側面によれば、液体注入口は逆止弁を含み、この逆止弁は、液体の吸引中は壁が位置を戻すことにより液体を進入させ、ガスによる壁のスラスト中は該液体をチャンバ内で保持する。
【0042】
好ましい構成において、管状壁はシリコーン製である。また、壁は少なくとも55ショアAの硬度を有するのが好ましく、このことにより、壁が初期位置に戻ることが可能になる一方で、チャンバが迅速に補充できる十分な吸引効果が生成される。別の側面において、本体は管状であり、管状壁に隣接して位置決めされているので、壁が変形していない初期位置にあるとき、ホールドアップはガス用に実質的に解放されない。このことは、或る最小限の量のガスのみを用いることにより、ほぼ瞬時に弾性壁に応力を与える利点を呈する。このことは、デバイスをよりコンパクトにし、チャンバの液量を最適にするようにも働く。デバイスの別の側面によれば、ガス供給部は、外周上で管状本体にわたって配分された複数のガス注入口と連絡する。幾つかのガス注入口を配分することにより減圧中の管状壁の変形の問題が解決され、これによってチャンバに液体をより迅速に障害なく補充できるということがわかった。
【0043】
飲食材の「被包装部分」とは、包装された、又は未包装の小分けされた部分を意味する。被包装部分は、カートリッジ、袋型、あるいはその他の適当な包装様式の梱包に含まれる1回分の飲食材とすることができる。未包装部分は、抽出モジュールのチャンバへ直接導入される挽いたコーヒー等の1回分の飲食材とすることができる。
【0044】
「液体」とは、水、又は用途によってはその他の食液を意味する。
【0045】
本発明の前記及びその他の目的、特徴及び利点を、好ましい実施形態の詳細な説明及びこれに添付された図面に関して詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1及び図2を参照すると、本発明によるデバイスである装置1は、カプセル又は袋型の被包装部分5に存在する飲食材を加圧して抽出することにより、熱い飲料又は冷たい飲料を送出することができる。この飲食材を通して加圧液(代表的には水)が送られ、これによって抽出された飲料は容器内、例えばカップ2内に捕集される。したがって本発明のデバイスは、例えば被包装部分内に存在する飲食材を加圧して抽出するための給送モジュール10を含み、この給送モジュールは、1つ以上の特定の種類の被包装部分5を受けるように配置されている。モジュールは全体として、カプセル支持体11と、場合によっては、中の圧力の影響下で働いて所定の抽出圧力で抽出を解放する、カプセルを開くための手段12と、カプセルへ液体を噴霧又は噴射するための手段13、例えば、液体を噴射するための1つ以上の孔に結合されたカプセルを開くためのニードル又は刃を含むカプセル保持器とを含む。カプセルは、例えばNestle Nespresso S.A.から販売されているNespresso(R)ブランドのカプセルとすることができ、このカプセルは、このようなカプセルを受けるのに適した、カプセルの膜を開くための手段を含む抽出モジュールと共に機能する。
【0047】
このモジュールはふつう、カプセルを保持するための閉鎖手段を含み、この閉鎖手段は、カプセル内の圧力上昇を保証するようにしっかりと密閉される。これらの閉鎖手段は、レバー(図示せず)によって複数の要素を作動させることにより開閉できる顎の形状のヒンジ手段11、13を含むことができる。
【0048】
モジュールは、装置の機能要素を網羅する支承構造体又は本体4の一部とすることができ、これによって、装置の残り部分と共に、容易に可動及び/又は持ち運び可能なコンパクトなユニットを形成する。
【0049】
好ましい構成において、液体タンク7は支承構造体4の一部とすることができる。タンク7は、装置の必要性及びその使用に適合された容量を有する。その原理とは、サービス中、装置が十分な回数で飲料を送出できるものである。従ってタンク7は、自給式のやり方で、つまり、装置と無関係の源から水を連続して取入れることなく、抽出モジュール10に供給するように設計されている。タンクは格納装置6を画定する本体を含み、この格納装置は、ふた又は栓70により閉鎖されており、このふた又は栓は、取り外し可能な任意の接続手段、例えばクリップ留め、ねじ止め、あるいはその他によりタンクの本体に適合する。
【0050】
好ましくは、タンク格納装置は、断熱壁71により外部の環境から断熱されている。これらの壁は、「サーモス」(R)という通例の用語で知られた断熱条件に近い断熱組立体を形成することができる。この名称は、考え得る多数の断熱構成を包含することができる。最も一般的なものは、低熱容量材料、例えばガラス又は金属(銅、アルミニウム、ステンレス鋼等)の少なくとも1つの層72と、この低熱容量層を包囲する、好ましくは少なくとも1つの断熱層73との組み合わせである。断熱層は、空気又はアルゴン等のガス、真空、あるいは、泡、プラスチック、又は繊維に基づく材料とすることができる。効果的な断熱組立体としては、好ましくは真空、泡及び/又はガスの断熱層73により分離されたガラス又は金属の少なくとも2つの層72、74を有するのが好ましい。
【0051】
装置のタンク7は、タンクの断熱組立体を包囲する耐衝撃性外被75、例えば可塑性の鋳物をさらに含む。この部分75は、タンク本体の一体部分、又はタンク7の外側を保護するその他の部分に付加された一部分を構成することができる。この部分75は有利なことに、ポリウレタンフォーム等の適当な材料で提供されると、断熱保護層を同時に構成することができる。
【0052】
本発明の一側面によれば、液体圧送デバイス8が設けられ、タンク7とモジュール10との間に挿入されて液体と連絡している。圧送デバイス8は、モジュール10に給送線92により接続されている。この線は、液体注出口81を経由して給送チャンバ80へと連絡する。注出口81には逆止弁84が設けられて、線92からチャンバ80へと液体が逆流するのを防止する。図1の例において、圧送デバイス8はタンク7内部に設置されているが、別様に配置することもでき、タンクの外側に配置することもできる。圧送デバイス8は、タンクの下半分のところ、好ましくはタンクの底部に設置されており、タンクと連絡可能なチャンバ80からの液体注入口82を含む。注入口82は、好ましくはチャンバ8の最下部でチャンバの底部のほうを向いており、管部分によりタンクの底部へ長く延ばすことができる。この注入口82は逆止弁83(図8)により選択的に閉鎖され、この逆止弁は、ニードル又はボール、及びニードル用又はボール用受座820を含む。ニードル又はボールはチャンバ内部に位置決めされており、ガススラスト中、チャンバ80の内圧の効果により内側から閉鎖され、また、以下で説明するようなチャンバの内部真空の効果により開口する。ボール又はニードルの間の耐漏洩性は、環状シール又はその他の等価要素(開口部の周りで要素と協働して漏洩防止の閉鎖を保証する)により改良することができる。
【0053】
チャンバ80の容量は必要に応じて変化させることができ、その容量を、少なくとも1つの部分の飲食材(1つのカプセル又は袋、あるいは未包装の1回分の量)の抽出に役立てることができる。これを、幾つかの部分、例えば連続する2つ、3つ、さらには4つの部分に等しくすることもできる。例えば、チャンバは40mL〜1000mLの間の容量を有することができる。好ましくは、チャンバは110mL〜250mLの間の容量を有する。これはコーヒー、紅茶、又はホットチョコレートその他の大きなカップの容量に一致する。
【0054】
図4〜図8を参照して、圧送デバイス8をさらに詳しく説明する。本発明の一側面によれば、液体圧送デバイスのチャンバ80は、弾力的に変形可能な少なくとも1つの壁85により画定されている。壁85は中央コア86にしっかりと取り付けられており、実質環状の断面を有してチャンバ80を限定する。壁85は、内側に曲がった弾性突起850、851をその端部に含む管の形状を有し、これらの突起は、中央コアの端部に設置された溝860、861内に位置している。壁85に対して剛性の外側管状本体87が位置決めされており、中央コア86上のその端部で係合して、本体87の内側面と弾性壁85の外側面との間に「死」空間(ホールドアップ)の帯域又は少なくともガスが圧力下で中へと吹き込まれる最低量の帯域を形成する。弾性管状壁の端部がコアに当たって十分に圧縮され、液体チャンバと同様にガスの耐密性が保証される間、剛性の管が弾性壁を押圧する。
【0055】
管状本体87は、少なくとも1つのガス供給部88を含む。好ましくは、管状本体87の外周に、複数のガス注入口890、891、892、893が管本体87を通して設けられている。これらの注入口は管と交差し、好ましくは、管の外周上で離間した数か所に配分されている。例えば4つの注入口が設けられており、これらの注入口は約90度の注入間隔で配分されている。ガスは周辺部の線880により逆U形断面で各注入口へと案内されており、この線は管状本体の周縁上で延びている。このような構成は、ガスによって管状壁を均一に圧縮し、弾性壁の非対称的変形の任意のリスクなしに壁を解放し、そうでない場合、デバイスからのガスの逃散を停止又は少なくとも減速させるように働く。実際に、弾性管状壁は、ガス圧力下でコアに当たって圧搾され、圧縮量を幾つかの四半分に分割する幾つかのリブに絡みつくということがわかった。単一のガス注出口が設けられている場合、ガスは除去穴の設置された四半分からのみ逃散するのに対して、リブは、ガスを他の全ての四半分から逃散させずに非対称的に変形する傾向にある。この後、少なくとも数秒の待機時間が経過してからガスは最終的に漏出によって残りの四半分から逃散することができる。
【0056】
したがって、この非対称的変形を防止するために、ガス注入口の数は少なくとも3つであるのが好ましい。
【0057】
弾性壁85は、有利にはエラストマー又はシリコーン材料製である。その厚さ、靱性、及び硬度は、装置により要求される圧力の関数として選択される。一般に、抽出圧力は凡そ2〜25バール、好ましくは5〜20バールである。従って、壁はこの圧力範囲内で弾力的に、しかも繰り返し変形できる必要がある。また、壁は十分な弾性戻り能力を有してチャンバ内に真空を生成し、液体注入口82からの液体の吸引を可能にする必要がある。それ故に、壁が、少なくとも55ショアA、好ましくは約60ショアAの硬度、及び1〜15mm、好ましくは2〜10mmの厚さを有する材料からなるのが好ましい。選択された材料に応じて、壁の厚さは1〜8mm、好ましくは2〜5mmとすることができる。
【0058】
圧送デバイスの中央コアは、通常の「スプール」形状、つまり端部が外側へ次第に広がった形状を有する。このようなコアは、次第に広がった端部分863、864に結合された中央円筒形部分862を有する。管状弾性壁は、この広がり部分に密閉方式で取り付けられている。このような構成は、弾性壁の圧搾中の極端な局部応力を回避する一方、製造及び組立に簡単な形状を保つという利点を有する。したがって、コアは2つの別々の部分にして取り付けることができ、これらのうち一方の部分は中央部分と広がり端部分のうちの1つとを含み、他方の部分は第2の広がり端部分を形成する。
【0059】
中央コアは中空で、デバイスを長手方向に通過する煙突状部分865を備えていることも好ましい。デバイスがタンク内部に設けられている場合、煙突状部分865により、タンク内に存在する液体の自然対流による循環が可能になる。これによってデバイスとタンクとの間の熱交換が改良される。したがって、圧送デバイス内に存在する液体が受ける熱損失又は冷状態損失ははるかに少なくなる。というのも、この熱交換はタンク内に存在する液体の熱慣性又は冷状態慣性を利用しているからである。
【0060】
構成を簡単にする理由から、中央コアは共に組み立てられた少なくとも2つの部分からなり、それは区域862、863を含む1つの部分866と、端部864である。デバイスの底部は脚部867を含んでデバイスを僅かに高く維持し、タンクの底部からの液体の圧送を可能にすることができる。
【0061】
装置を示す図1〜図3に戻ると、圧送デバイス8は、ガスライン手段90、901を経由してガス圧力手段65と選択的に連絡する。これらの手段は、シリンダ、カーボイ、又はその他の形態のガス再補充容器650を含むのが好ましく、この再補充容器の注出口で圧力調整器651(例えば減圧装置)と組み合わされている。減圧装置と圧送デバイスとの間の供給部にはガス流調節手段、例えば制限装置652が設けられて、抽出モジュール10内で増大する液体の圧力を調節するのも好ましい。線手段90は、チャンバ内の適当な任意の場所、例えば圧送デバイス8の上部82で排出する。
【0062】
主要線90は弁15により分離されており、この弁は、チャンバ8とガス圧力手段65との間に設置することができる。
【0063】
タンクは空気取入れ線910を経由して外部に接続されており、タンクから圧送されていく液量を空気に置き換えることができる。
【0064】
弁15は双方向原理に従って働く。図2に示す第1位置において、弁は給送チャンバ8を、気圧に対して開いている線900に接続する。第2位置において、弁15はチャンバ8をガス供給線901に接続する。
【0065】
このような弁15は、レバー、押しボタン、その他の等価要素により手動で作動させることができる。この弁は電気パルス(電磁弁)により作動させることもできる。この事例において、パルスが存在しない場合、弁15はチャンバ内で均衡位置又は「休止位置」に留まる(図1)。電磁弁に電気パルスが送信されると、この弁はチャンバにガスを供給する位置へと変位する(図2、図3)。その後、電磁弁の補充位置への復帰(図1)が、手動もしくはタイマの作動下で、又は回路内の圧力が一定の閾値以下に低下するのを測定することによって、あるいはその他の任意の適当な測定・制御手段によってのいずれかで作動される。
【0066】
加熱手段(図示せず)を設けて、水が抽出モジュールに達する前にこの水を加熱することができる。このような加熱手段は、例えばタンクに浸水した少なくとも1つの発熱抵抗素子、及び/又は、圧送デバイス8を加熱するためにこの圧送デバイスを包囲する抵抗素子とすることができる。これらの加熱手段は供給線92を包囲することもでき、あるいは、線の内部に配置することもできる。抵抗素子は任意の等価の加熱手段に置き換えることもできる。これらの手段は、例えば12ボルト又は24ボルトの低圧電力供給、又は例えば110ボルト又は220ボルトの幹線電圧に接続することができる。
【0067】
チャンバ80の容量は40〜1000ccとすることができる。この容量は、送出されるべき飲料の量の関数として決定されるのが好ましい。例えば、生成される飲料の最大量に等しい量を例えば250mLに選択することができる。ガス供給部が遮断されるたびにチャンバが補充されることから、チャンバは常に、新規の飲料をその量に関わりなく供給するよう十分満たされている。
【0068】
本発明による装置の作動原理は以下の通りである。
【0069】
図1に相当する補充位置において、弁15は開位置にあり、ガス供給部は気圧へと開いている。それ故に弾性壁は解放位置にあり、これによってチャンバ80に真空が生成され、水がチャンバに吸い込まれる。タンク内の水位に起因して、静水力学的圧力に吸引効果が加えられることは明らかである。タンク内の水位がチャンバの頂部より下に低下しても、吸引効果のおかげで補充は継続して行うことができる。
【0070】
給送チャンバ8が補充されると、装置は飲料を抽出するのに使用することができる。
【0071】
従って、使用者は、飲料、例えばコーヒーを調整するために、コーヒー5の一回分を抽出モジュール10へ挿入する。モジュールはそのコーヒーの付近で閉鎖される。
【0072】
次に、使用者は制御手段、例えばレバー(図示せず)を作動させて弁15を給送位置へと動かす。その後、主要線90がガス注入口線901と連絡し、これによってチャンバが加圧され、逆止弁が閉鎖される(図2)。
【0073】
制限装置652により制御されたガスが進入すると、弾性壁85がチャンバ80にスラストを働かせる。圧力が次第に上昇し、チャンバ内に存在する液体が逆止弁84を通って給送線92に入り抽出モジュールまで排出される。次に、加圧水がコーヒー豆内を押されてコーヒーを抽出する。カプセルは抽出圧力の影響下に開き、飲料抽出物はコーヒー豆を通りカップへと流れることができる。
【0074】
チャンバに含まれる液体が完全に空になった場合(図3)、又は弁15が閉位置に戻される場合(図1)のいずれかにおいて、液体流は停止する。この再閉鎖は、手動又は自動的のいずれかで行うことができる。
【0075】
弁が再びガスラインの閉位置を占めると、ガス供給部は再び気圧へと開く。したがって、弾性壁に働く圧力はもはや存在しないので、弾性壁はその独自の弾性下にあるその初期位置に戻る。壁がこの位置に戻ることによりチャンバ80内に真空が生成され、チャンバには再び水が補充される(図1)。その後、この装置は次の飲料の抽出の用意ができている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】チャンバ補充又は休止構成における本発明による装置の略断面図を示す。
【図2】液体給送モジュールへ加圧液を供給中である、したがって飲料を送出中である、本発明による装置の略断面図を示す。
【図3】液体給送の終了時の装置の略断面図を示す。
【図4】本発明による液体給送チャンバを含む圧送デバイスの平面斜視図を示す。
【図5】図4のデバイスを下からの斜視図で示す。
【図6】このデバイスを平面図で示す。
【図7】このデバイスをA‐Aの断面図で示す。
【図8】このデバイスをB‐Bの断面図で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐加圧液を供給することにより飲料を分配するためのモジュールと、
‐前記モジュールに加圧液を供給するように構成されたガス供給手段と、
‐前記チャンバ内の前記液体を加圧して、或る量の液体を前記モジュールを通して一定の圧力下で分配するための、前記ガス供給手段と連絡するのに適した液体給送チャンバと
を備える、飲料を調整するための装置であって、
前記チャンバが、前記ガスと前記液体とを密閉方式で分離する少なくとも1つの弾性壁と接しており、前記壁は弾力的に変形し、これによって、この壁に対するガススラストの影響下に前記チャンバ内の液量を低減するように構成されており、前記チャンバ内の液量が低減することにより、液体は前記チャンバ外部へ前記飲料分配モジュールに向けて押し進められるようになっている、前記装置において、
前記チャンバに液体を補充するための給送タンクを備え、
前記チャンバは前記タンクよりも少ない容量を有するとともに、補充構成において、前記壁の圧縮を前記ガスが停止する際及び前記壁がそれ独自の弾性下にある初期位置に戻る際に生成される吸引効果により液体を補充するために前記タンクと連絡するように配置されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記液体給送チャンバは逆止弁に結合された液体注入口を備え、前記チャンバが補充された後に、該逆止弁は前記チャンバ内の前記液体を保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記壁が十分な独自の弾性を有して、前記チャンバ内の液位が前記タンク内の液位を超えるまで、前記タンクから前記チャンバへと前記液体を吸い込むことができることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記壁がエラストマー製又はシリコーン製であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性壁が管状であり、前記チャンバを密閉方式で包囲することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記弾性壁が、少なくとも1つのガス注入口を含む剛性の管によって包囲されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記弾性壁が前記管の内側面とほぼ接触していることを特徴とする、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記剛性の管が、周囲で離間する複数のガス注入口を含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記モジュールが、飲食材の被包装部分を受けるのに適したハウジングと、前記チャンバから前記被包装部分を通して前記加圧液を噴射するための液体噴射デバイスとを備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも2つの作動位置、すなわち、
a)前記壁に対してそのスラストを与えるガス供給部を切断することによるチャンバ液体補充及び/又は休止位置と、
b)前記弾性壁に対するスラスト構成にガス供給部を置くことによる、前記飲料分配モジュールへ前記加圧液を送り込む供給位置と
に動かすことのできる弁手段が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記弁手段により前記供給位置に設置される都度、前記供給位置において前記チャンバの量全体が圧力下で放出されて前記チャンバの液量は完全に空になることを特徴とする、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記チャンバが前記液体タンクの内部に配置されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記タンクが断熱壁を備えることを特徴とする、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記ガス供給圧力が2〜25バールであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記ガスが、圧縮空気、CO、N、NO若しくはアルゴン、又はそれらの混合気であることを特徴とする、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記チャンバが、生成されるべき飲料の最大量に相当する容量を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記チャンバが、40〜1000ccの間の容量を有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
ガス供給注入口を含む本体と、
液体を受けるためのチャンバと、
前記チャンバと連絡する液体注入口と、
前記チャンバと連絡する液体注出口であり、当該液体注出口から液体が一定の圧力下で放出される、前記液体注出口と
を備える、加圧液を飲料分配装置へ供給するための液体圧送デバイスであって、
前記チャンバは、前記液体と前記ガス供給部とを密閉方式で分離する少なくとも1つの弾性壁と接しており、
前記壁は弾力的に変形し、これによって前記壁に対するガススラストの効果下に前記チャンバの内部容量を低減するように構成されており、前記チャンバ内の量の低減により前記液体は前記液体注出口を通過する、前記液体圧送デバイスにおいて、
当該液体圧送デバイスは、前記壁によって生成される吸引により補充されるように構成されており、該壁はその独自の十分な弾性を有し、この弾性により、前記壁の変形を前記ガスが停止する際の位置に戻り、この弾性戻り効果により、前記チャンバ内に真空を生成して前記液体注入口から前記チャンバへと前記液体を吸い込み、これによって前記チャンバに液体を補充することが可能となり、当該液体圧送デバイスは、前記壁により吸い込まれた液体がガス圧力の影響下で排除されるまで、この液体を前記チャンバ内で一定量保持するための閉鎖手段を含むことを特徴とする液体圧送デバイス。
【請求項19】
前記液体注入口が逆止弁を備え、該逆止弁は、液体の吸引中は前記壁が位置を戻すことにより前記液体を進入させ、前記ガスによる前記壁のスラストの間は前記液体を保持することを特徴とする、請求項18記載の液体圧送デバイス。
【請求項20】
前記壁が、少なくとも55ショアAの硬度を有する管状シリコン壁であることを特徴とする、請求項18又は19に記載の液体圧送デバイス。
【請求項21】
前記本体は管状であり、前記管状壁に隣接して位置決めされており、もって前記壁が変形していない初期位置にあるとき、前記ガスのホールドアップが実質的に解放されていないことを特徴とする、請求項20記載の液体圧送デバイス。
【請求項22】
前記ガス供給部は、外周上で管状本体にわたって配分された複数のガス注入口と連絡することを特徴とする、請求項20記載の液体圧送デバイス。
【請求項23】
前記ガス注入口の数が少なくとも3つであることを特徴とする、請求項22記載の液体圧送デバイス。
【請求項24】
前記壁が中央コアに取り付けられて、前記液体チャンバを限定することを特徴とする、請求項21〜23のいずれか1項に記載の液体装置デバイス。
【請求項25】
前記中央コアは端部の広がったスプール形状を有することを特徴とする、請求項24記載の液体圧送デバイス。
【請求項26】
前記中央コアが、これを長手方向に通過する煙突状部分を含むことを特徴とする、請求項24又は25に記載の液体圧送デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−504917(P2008−504917A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519666(P2007−519666)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006802
【国際公開番号】WO2006/005425
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)