飲料サーバ、その供給ヘッドおよび供給ヘッド付属機構
【課題】飲料の注出時以外は供給ヘッドの内部が極力外気へさらされることのないようにする。
【解決手段】 操作部材21の操作に応じて注出口28から飲料を外部へ注出する供給ヘッド20aは、注出口28を塞ぐ蓋部材51と、蓋部材51を開閉する蓋開閉機構50と、操作部材41の操作力を蓋開閉機構50へ伝達するケーブル部材46とを備える。操作部材41の操作に応じて、供給ヘッド20a内の栓部材を開閉するとともに蓋部材51を開閉する。
【解決手段】 操作部材21の操作に応じて注出口28から飲料を外部へ注出する供給ヘッド20aは、注出口28を塞ぐ蓋部材51と、蓋部材51を開閉する蓋開閉機構50と、操作部材41の操作力を蓋開閉機構50へ伝達するケーブル部材46とを備える。操作部材41の操作に応じて、供給ヘッド20a内の栓部材を開閉するとともに蓋部材51を開閉する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の手動操作により飲料をグラスやジョッキ等の容器に供給する飲料サーバに係り、特にその供給ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の店舗に設置された飲料サーバとしては、ビールサーバがよく知られている。ビールサーバは、客の注文に応じて、その都度、店舗の従業員がその供給ヘッドを操作し、容器にビールを注ぎ入れて、客に提供する。
【0003】
通常、供給ヘッドはドラフトコックとも呼ばれ、サーバ本体に着脱可能に装着される。サーバ本体は、圧縮ガスで内部の気圧を高めたビール樽から、ビールホースを介してビールの供給を受ける。操作者が供給ヘッドを操作すると、供給ヘッドに内蔵された、飲料の供給経路を通常閉鎖している栓部材が開放(開栓)され、ビールがサーバ本体から供給ヘッド内に放出され、供給ヘッドの注出口からビールが注出される。(以下、供給ヘッドは単にコックともいう。)
【0004】
現在、生ビール取扱店では、「水通し」と呼ばれる洗浄作業を毎日行うことが奨励されている。水通しとは、ビール樽からサーバ本体までビールを移送するビールホース、サーバ内で冷却液内に配設されたサーバ内コイル、およびコックに洗浄水を通す作業をいう。通常、この作業は、洗浄水を充填したタンクをビールホース経由でサーバ本体に連結し、タンク内の洗浄水を圧縮ガスでサーバへ送出することにより行われる。特許文献1には、このようなビールサーバの洗浄の方法が開示され、その際に用いる洗浄用補助具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−118396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現状のビールサーバの供給ヘッドすなわちコックには、サーバ本体への装着箇所に栓部材が内蔵されている。栓部材の下流は注出口まで連通し、注出口は開放状態で外気に常時さらされている。
【0007】
また、毎日の水通しの作業は相応の時間と労力を必要とする。
【0008】
さらに、水通しの際、コックおよびディスペンスヘッドの取外しが必要となる。この作業で洗浄されるとはいえ、注出中には空気に触れることのないビール樽のヘッド部分、サーバー内コイル部分、コック装着部分が、洗浄後に大気中の雑菌に触れる可能性がある。
【0009】
その上、上記ディスペンスヘッドからビールホースを経て、サーバ内コイルまでの部分に滞留しているビールを、水通し作業により全て廃棄することとなる。この廃棄されるビールの量は、現状、コック当たり400mlにも及ぶ。
【0010】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、飲料の注出時以外は供給ヘッドの内部が極力外気へさらされることのないようにすることができる供給ヘッド、そのための供給ヘッド付属蓋機構、およびこれらを用いた飲料サーバを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、また、飲料サーバに必要な洗浄作業の頻度を低減することを可能とする供給ヘッド、そのための供給ヘッド付属蓋機構、およびこれらを用いた飲料サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による飲料サーバは、操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドを有する飲料サーバにおいて、前記供給ヘッドは、操作部材と、前記操作部材の操作に応じて飲料の供給経路を開閉する栓部材と、前記注出口を塞ぐ蓋部材と、前記蓋部材を開閉する開閉手段と、前記操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、前記操作部材の操作に応じて、前記栓部材を開閉するとともに前記蓋部材を開閉することを特徴とする。
【0013】
飲料を注出する際、使用者により操作部材が操作されると、栓部材が開放されるとともに、その操作力が開閉手段に伝達され、蓋部材が開放される。
【0014】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、前記操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される。これにより、蓋部材は通常は閉鎖状態にあり、操作部材の操作時にのみ開放される。操作が終了すると、付勢手段の付勢力により蓋部材は再度閉鎖状態に戻る。
【0015】
本発明の第1の態様では、前記操作部材は、操作者の片手で操作可能な第1および第2の操作部材を有し、前記第1の操作部材の操作に応じて前記栓部材が開閉され、前記第2の操作部材の操作に応じて前記蓋部材が開閉され、飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記栓部材が開放される。
【0016】
これにより、飲料を注出する際、まず、蓋部材が開放され、ついで栓部材が開放される。すなわち、蓋部材の開動作から遅延して栓部材の開動作を行うという2段階動作が実現される。第1および第2の操作部材は使用者が片手で操作できるので、基本的には従来の操作と同じ操作で注出動作が行える。
【0017】
本発明の第2の態様では、前記第1の操作部材が前記第2の操作部材を兼ね、前記伝達手段は前記栓部材を介して前記第1の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する。
【0018】
この第2の態様においても第1の操作部材による栓部材の操作に「遊び」を設けることにより、蓋部材の開動作から遅延して栓部材の開動作を行う2段階動作を実現することも可能である。
【0019】
本発明は、以下の実施の形態で詳述するように、飲料サーバを構成する部品としての供給ヘッドおよび供給ヘッド付属機構としても把握することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、飲料サーバの供給ヘッドの注出口を飲料注出時のみに開放し、注出時以外は蓋部材で閉鎖しておくことができる。また、その蓋部材の開閉操作は、操作者が蓋部材に直接接触することなく、従来の飲料サーバとほぼ同様に片手のハンドル操作で行うことができる。
【0021】
さらに、本発明によれば、いわゆる「水通し」の頻度を低減させることができる。その結果、水通しに要する作業時間および労力を低減するとともに、水通しに伴う飲料の廃棄率を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態におけるビールサーバの概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による供給ヘッドの構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における供給ヘッド付属機構の構成例を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における供給ヘッドをサーバ本体に装着した状態を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、ビールの供給開始時に、第2の操作部材が操作されたときに蓋部材が開いた様子を示す図である。
【図6】図5の状態に続いてハンドルが操作されて供給ヘッドの栓部材が開放された様子を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る供給ヘッドの概略構成を示す、第1の実施の形態の図2に対応する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る供給ヘッドの概略構成を示す、第1の実施の形態の図6に対応する図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を変形例を説明するための図である。
【図10】図9の変形例を説明するための他の図である。
【図11】図9の変形例を説明するためのさらに他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら、詳細に説明する。本実施の形態では飲料サーバの例としてビールサーバについて説明するが、本発明はビールサーバに限定されるものではない。
【0024】
図1に、本実施の形態におけるビールサーバ10の概略の構成を示す。
【0025】
ビールサーバ10は、サーバ本体11と、このサーバ本体11に着脱可能に装着される供給ヘッド20(ドラフトコック)とからなる。供給ヘッド20は、ビールサーバ10のサーバ本体11に装着され、操作部材としてのハンドル21の操作に応じて注出口28からビールを外部へ注出するための器具である。
【0026】
サーバ本体11は、ほぼ直方体状の容器であり、この容器内に液体を貯蔵した冷却プール12が設けられている。この冷却プール12内の液体は、冷媒を利用した冷却器13(例えばコンプレッサ)を用いて冷却される。この冷却器13自体は公知であり、また、本発明に直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。冷却プール12内には、いわゆる冷却コイル14と呼ばれる、その内部にビールを導通させる螺旋状の環状経路(パイプ)が固定的に配置されている。この冷却コイル14の材質は特に限定するものではないが、例えば金属製のパイプで構成することができる。冷却コイル14の一端は供給ヘッド20が装着される部位において、ビールを供給ヘッド20へ供給可能に固定される。冷却コイル14の他端はサーバ本体11の壁面の接続口16に接続される。この接続口16には、飲料が通過する飲料ホースとしてのビールホース61の一端が接続される。ビールホース61の他端は、供給する飲料を貯蔵した飲料容器としてのビール樽63のビールの排出口にあるディスペンスヘッド62に接続される。このディスペンスヘッド62は、ガスホース64を介して、圧縮気体を放出するためのガスボンベ65に接続される。サーバ本体11の前面には、供給ヘッド20の下方にジョッキ等を載置できるトレイ15が突出している。
【0027】
このような構成において、ビールの注出に先立って、ガスボンベ65の圧縮ガスを、飲料貯蔵容器であるビール樽63に供給するとともに、ビール樽63のディスペンスヘッド62を開放する。この時点で、ビール樽63内のビールがビールホース61を経由して冷却コイル14へ供給開始される。但し、この時点では未だ供給ヘッド20内部の栓部材(後述)が閉鎖されているので、供給ヘッド20からビールは注出されない。このとき、供給ヘッド20のハンドル21は通常状態で直立した位置にある。
【0028】
操作者が供給ヘッド20の操作部材であるハンドル21を操作する(例えば手前に傾ける)と、供給ヘッド20内部の栓部材が開放され、注出口28からジョッキ等にビールが注出される。操作者は、所定の量のビールが注出された時点でハンドル21を元の直立位置に戻すと、栓部材が再度閉鎖され、ビールの注出が停止される。
【0029】
上述したように、このような供給ヘッド20の従来の構成では、注出口28は開放したままで外気にさらされている。
【0030】
図2に、本発明の第1の実施の形態による供給ヘッド20aの構成例を示す。この図は供給ヘッド20aの側面の部分切り欠き断面図である。この供給ヘッド20aは図1に示した供給ヘッド20に対して、図3に示すような供給ヘッド付属機構48を追加したものである。
【0031】
図3の例では、供給ヘッド付属機構48は従来の供給ヘッド20に対して着脱できる付属品として、供給ヘッド20とは別体の構成とした。これにより、既存の供給ヘッド20を所有するユーザは、供給ヘッド付属機構を入手して自身の供給ヘッド20に装着して利用することができる。勿論、当初から供給ヘッド付属機構を装着した状態で供給ヘッド20aとして製造販売されてもよい。
【0032】
供給ヘッド付属機構48は、第2の操作部材40と、蓋開閉機構50と、ケーブル部材46とにより構成される。第2の操作部材40は、供給ヘッド20の第1の操作部材としてのハンドル21に装着される部材である。蓋開閉機構50は、供給ヘッド20の注出口28に装着されこの注出口28を塞ぐ装置である。ケーブル部材46は、第2の操作部材40と蓋開閉機構50とを相互に接続する部材である。このケーブル部材46は、第2の操作部材40の操作力を開閉手段へ伝達する伝達手段として機能する。
【0033】
第2の操作部材40は、ハンドル21の基部の周囲に取り付けて、ネジ43等の固定手段で固定される基体42と、この基体42に対して回転軸44を中心として回転操作可能に一端が取り付けられたレバー41を有する。レバー41の回転軸44の近傍の固定部45にはケーブル部材46のワイヤ47の一端が固定される。
【0034】
ケーブル部材46は、伸縮性を有さない筒状部材46aの中に、可撓性を有するが伸縮性を有さないワイヤ47を通挿したものである。筒状部材46aは可撓性を有しても有さなくてもよい。
【0035】
蓋開閉機構50は、供給ヘッド20aの下方に突出したパイプ状部38の注出口28の周囲に取り付けて、ネジ54等の固定手段で固定される基体55と、この基体55に対して回転軸52を中心として取り付けられる蓋部材51とを有する。蓋部材51は回転軸52を中心として回転し、注出口28を閉鎖したり、開放したりすることができる。すなわち、このような基体55と蓋部材51の構造が蓋部材51を開閉する開閉手段を構成する。蓋部材51と基体55との間には図示しない付勢手段としての弾性部材(例えばねじりバネ等のバネ部材)が設けられ、これにより蓋部材51を常時閉鎖状態に付勢している。
【0036】
ケーブル部材46の筒状部材46aの一端は、操作部材40の基体42に固定され、筒状部材46aの他端は蓋開閉機構50の基体55に固定されている。蓋部材51の回転軸52の近傍の固定部53にはワイヤ47の他端が固定される。基体55に対して筒状部材46aをその長手方向に摺動させることができる調整部56を設けてもよい。筒状部材46aはワイヤ47がその内部を摺動するよう案内する案内部材を構成する。調整部56は、例えば、筒状部材46aの両端固定部の間の実効的な長さを変えることができる筒状のネジ部材で構成できる。これにより、ワイヤ47の張り具合を調整することが可能となる。
【0037】
このような供給ヘッド付属機構48の構造は自転車のブレーキワイヤの構造に類似している。
【0038】
このような構成において、レバー41の自由端がハンドル21に近づくように操作者が片手でレバー41を操作すると、てこの原理により、ワイヤ47が引っ張り出される。これにより、付勢手段の付勢力に抗して蓋部材51が回転する。その結果、注出口28を塞いでいた蓋部材51が開放される。
【0039】
図2に示した供給ヘッド20aの構成において、ビールの供給開始時に、操作者によって、第2の操作部材40すなわちレバー41が操作されたとき、まず蓋部材51が開放される。その様子を図5に示す。
【0040】
その後、第2の操作部材40に対する操作が継続して行われたとき、図6に示すように、第1の操作部材であるハンドル21が操作されて供給ヘッド20の栓部材36が開放される。
【0041】
供給ヘッド20aのヘッド本体部30内部の空洞内には、サーバ本体11の前面にほぼ直交する方向に沿って、スライド桿33がスライド可能に配置されている。スライド桿33の中央部は細い棒状部35を構成し、その先端部には、膨張した形状を有する栓部材36が設けられている。棒状部35の後端部(図の左側)にはヘッド本体部30の内径一杯の大径部32を有する。ハンドル21は、ヘッド本体部30の上壁部に装着されている。ハンドル21の下端にあるハンドル下端部23はヘッド本体部30内部に突出しており、スライド桿33に設けられた凹部34内に進入している。ハンドル21は、ヘッド本体部30の上壁部を支点としてその自由端が前後(図の左右)方向に揺動する。操作者がハンドル21を手前に引いたとき、ハンドル21は手前側に傾斜する。このときハンドル下端部23は前方(サーバ本体11側)へ移動し、スライド桿33を押して同方向へ移動させる。ヘッド本体部30は、そのサーバ本体11側には大径部31を有する。大径部31の内側空間にスライド桿33の栓部材36が位置する。この栓部材36は、ビール注出時にビール液を流通させるに十分な隙間を大径部31の内壁との間に形成する。
【0042】
ヘッド本体部30のサーバ本体11側には、その前面の壁面に突出した状態でヘッド取付具17(の基部19)が固定されている。このヘッド取付具17の外側には、ビールホース61の一端と連通するドーム状の凹部空間39aが形成されている。ヘッド取付具17の周囲には締め付けリング18が装着されている。締め付けリング18は、ヘッド取付具17の基部19に対して、その周囲を自由に回転可能に装着されている。また、ヘッド取付具17は基部19から脱落しないように基部19に係止する係止部18aを有する。供給ヘッド20aのヘッド本体部30の大径部31の外周面および締め付けリング18の内周面には互いにネジ係合するネジ山とネジ溝が形成されている。
【0043】
図4に、供給ヘッド20aをサーバ本体11に装着した状態を示す。
【0044】
供給ヘッド20aのヘッド本体部30の大径部31を、サーバ本体11のヘッド取付具17に臨ませて、締め付けリング18を回転させることにより、供給ヘッド20aをサーバ本体11に装着することができる。
【0045】
スライド桿33がサーバ本体11側から後退して大径部31の内側空間の狭窄部37に当接したとき、供給ヘッド20aの内部経路が栓部材36により閉鎖される。
【0046】
操作者の操作によりハンドル21が操作されて傾斜すると、ハンドル下端部23がスライド桿33のスライド方向においてサーバ本体11へ近づく側へ移動する。これに伴ってスライド桿33も同方向に移動する。これによって、栓部材36が前方(サーバ本体11側)へ移動し、栓部材36が開放される。その結果、栓部材36で分離されていた前方の空間39aと後方の空間39bが互いに導通し、サーバ本体11から供給されたビール液がこれらの空間にあふれ出して注出口28へ向かって移動する。
【0047】
本実施の形態では、ハンドル21に対してレバー41が併設されているので、両操作部材の操作は操作者が片手で行うことができる。すなわち、従来と同様、レバー41およびハンドル21を操作する手と反対のもう一方の手でジョッキやグラスを持って、ビールの注出操作を行うことができる。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、従来と同様の片手のハンドル操作で開栓および蓋開放を行うとともに、ビールの注出後に速やかに注出口が閉まり、大気中の浮遊菌などの雑菌が供給ヘッド内に侵入することを防止することができる。これにより、ビールの注出の間隔が長時間空いた場合にも、供給ヘッド内のビールの残留糖分及びタンパク質などを培地として菌が繁殖することを抑止することができる。
【0049】
また、「水通し」の頻度も従来より軽減することができる。これによって、水通し作業に要する時間および労力ならびにビールの廃棄ロスを低減することが可能となる。換言すれば、従来廃棄していたビールも販売可能となる。結果として店舗におけるビールコストの低減を実現できる。
【0050】
さらに、水通しの頻度の低減により、注出中には空気に触れることのないビール樽63のヘッド部分、供給ヘッド20aおよびサーバ本体11のヘッド取付具17等を、洗浄作業のためにむやみに大気さらす機会も低減される。
【0051】
次に図7,図8に、第2の実施の形態に係る供給ヘッド20bの概略構成を示す。図7は第1の実施の形態の図4に対応し、図8は第1の実施の形態の図6に対応する図である。第1の実施の形態で示したと同様の要素には同じ参照番号を付して、重複した説明は省略する。
【0052】
第1の実施の形態と異なる点は、供給ヘッド付属機構48の第2の操作部材40を用いず、第1の操作部材であるハンドル21が第2の操作部材を兼ねることである。
【0053】
具体的には、スライド桿33の大径部32の一端部49にワイヤ47の一端が固定される。この固定の手段は任意であり、特に限定するものではない。このワイヤ47は、ヘッド本体部30の下側外壁およびパイプ状部38の側面に沿って配置された筒状部材46aに案内されて、蓋開閉機構50にまで達する。筒状部材46aは、操作の邪魔にならないように、その全体または一部をヘッド本体30に固定してもよい。但し、筒状部材46aをヘッド本体部30に固定することは必須ではない。
【0054】
図8に示すように、ハンドル21が操作されて、ハンドル下端部23がサーバ本体11に向かって移動すると、これに伴ってスライド桿33も同方向に移動する。このとき、その大径部32に固着されているワイヤ47の一端も同方向に引っ張られて筒状部材46a内を摺動する。その結果、ハンドル21の操作により生じたワイヤ47の引っ張り力が蓋部材51の固定部53に伝達され、蓋部材51が開放される。この蓋部材51の開放動作は、栓部材36の開栓動作と並行して行われる。すなわち、蓋部材51が開放開始されるとともに、栓部材36の開栓が開始される。
【0055】
第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られるのみならず、蓋部材51の開閉操作用の操作部材として従来のハンドルを共用でき、部品点数を低減できる。
【0056】
なお、この構成では、蓋部材51が完全に開放される前に、栓部材36が開くため、注出口28へビールが放出されはじめる。もし、この時点でパイプ状部38を通過するビール液の圧力が高すぎると、開き掛けの蓋部材51がビールの液流の障害となってビール液が周囲に飛散するおそれがある。しかし、この時点では栓部材36も完全に開放されていないので、パイプ状部38内のビール液の圧力はそれほど高くなく、ビール液の過度の飛散はないものと予想される。
【0057】
次に、図9、図10、図11により、このような蓋部材がビール液流の障害となりうる観点から、第2の実施の形態を変形例を説明する。これらの図において第2の実施の形態と同様の要素には同じ参照番号を付して重複した説明は省略する。
【0058】
この変形例の供給ヘッド20cにおいては、図9に示すように、ハンドル下端部23の横幅(スライド桿33の長手方向の幅)に対してスライド桿33の凹部34の幅を大きくして、いわゆる「遊び」を設けるとともに、ワイヤ47の一端を、大径部32の透孔(トンネル)71を通してスライド桿33に固定する。この固定の手段は任意であり、特に限定するものではない。ハンドル21が操作されない直立状態において「遊び」の空間34a(ハンドル下端部23とスライド桿33の凹部34の壁面との間隙)は、好ましくは、ハンドル下端部23のサーバ本体側にのみ設ける。
【0059】
この構成では、ハンドル21を操作すると、まず、ハンドル下端部23の移動によりワイヤ47が引っ張られて蓋部材51の開放動作が始まる。但し、この時点では、ハンドル21の「遊び」のためスライド桿33は未だ移動を開始せず停止状態にあり、栓部材36は閉鎖されたままである。このときの様子を図10に示す。
【0060】
その後、ハンドル21の操作が継続されて、ハンドル下端部23が凹部34の壁面に達した後、スライド桿33がサーバ本体11側へ向かって移動をはじめる。ハンドル21を最大限傾けた時点で、蓋部材51は全開し、栓部材36の開栓状態も全開となる。
【0061】
ハンドル21を元の直立位置に戻す際には、上記と逆の順を辿る。すなわち、栓部材36と蓋部材51はともに閉鎖動作を開始した後、栓部材36が先に完全な閉鎖状態に達する。このとき蓋部材51は半開状態にある。続いてハンドル21を元の直立状態にまで戻すと蓋部材51の完全な閉鎖状態に戻る。
【0062】
このように、本変形例では、単一の操作部材であるハンドル21の操作により、蓋部材51の開放と栓部材36の開放の両方の動作を行うだけでなく、栓部材36の動作を蓋部材51の動作に対して遅延させることができる。すなわち、蓋部材51の開放を先に行い、蓋部材51が半開状態になった時点で栓部材36の開放を開始することができる。これにより、ビール注出の際に、サーバ本体11から放出されるビールの液流を蓋部材51が妨害してビール液が過度に飛散する弊害を軽減することができる。
【0063】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0064】
例えば、供給ヘッドの少なくとも飲料の接する部分は熱伝導性に優れた材料、例えば金属製とすることにより、冷却プール内及び冷却コイル内の冷却温度を供給ヘッド全体に伝導することが可能となる。これにより、ヘッド本体部30の内部は室温を大きく下回る温度を保持することができ、プラスチック製の供給ヘッドに比較して注出液の残留糖分及びタンパク質などを培地として繁殖することを有効に抑止することができる。
【0065】
飲料サーバとしてビールサーバについて説明したが、必ずしもビールサーバに限るものではない。特に冷却コイルを利用する任意の飲料サーバに適用して効果がある。伝達手段はワイヤケーブルを例として説明したが、必ずしもワイヤケーブルに限るものではない。例えば、リンクの組み合わせを利用したもの、カムやギヤを利用したもの、それらの組み合わせ等、任意の機構を利用することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
10…ビールサーバ、11…サーバ本体、12…冷却プール、13…冷却器、14…冷却コイル、15…トレイ、16…接続口、17…ヘッド取付具、18…締め付けリング、18a…係止部、19…基部、20,20a,20b,20c…供給ヘッド、21…ハンドル(操作部材)、23…ハンドル下端部、28…注出口、30…ヘッド本体部、31…大径部、32…大径部、33…スライド桿、34…凹部、35…棒状部、36…栓部材、37…狭窄部、38…パイプ状部、39a…凹部空間、39b…空間、40…操作部材、41…レバー(操作部材)、42…基体、43…ネジ、44…回転軸、45…固定部、46…ケーブル部材、46a…筒状部材、47…ワイヤ、48…供給ヘッド付属機構、50…蓋開閉機構、51…蓋部材、52…回転軸、53…固定部、54…ネジ、55…基体、56…調整部、61…ビールホース、62…ディスペンスヘッド、63…ビール樽、64…ガスホース、65…ガスボンベ
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の手動操作により飲料をグラスやジョッキ等の容器に供給する飲料サーバに係り、特にその供給ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の店舗に設置された飲料サーバとしては、ビールサーバがよく知られている。ビールサーバは、客の注文に応じて、その都度、店舗の従業員がその供給ヘッドを操作し、容器にビールを注ぎ入れて、客に提供する。
【0003】
通常、供給ヘッドはドラフトコックとも呼ばれ、サーバ本体に着脱可能に装着される。サーバ本体は、圧縮ガスで内部の気圧を高めたビール樽から、ビールホースを介してビールの供給を受ける。操作者が供給ヘッドを操作すると、供給ヘッドに内蔵された、飲料の供給経路を通常閉鎖している栓部材が開放(開栓)され、ビールがサーバ本体から供給ヘッド内に放出され、供給ヘッドの注出口からビールが注出される。(以下、供給ヘッドは単にコックともいう。)
【0004】
現在、生ビール取扱店では、「水通し」と呼ばれる洗浄作業を毎日行うことが奨励されている。水通しとは、ビール樽からサーバ本体までビールを移送するビールホース、サーバ内で冷却液内に配設されたサーバ内コイル、およびコックに洗浄水を通す作業をいう。通常、この作業は、洗浄水を充填したタンクをビールホース経由でサーバ本体に連結し、タンク内の洗浄水を圧縮ガスでサーバへ送出することにより行われる。特許文献1には、このようなビールサーバの洗浄の方法が開示され、その際に用いる洗浄用補助具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−118396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現状のビールサーバの供給ヘッドすなわちコックには、サーバ本体への装着箇所に栓部材が内蔵されている。栓部材の下流は注出口まで連通し、注出口は開放状態で外気に常時さらされている。
【0007】
また、毎日の水通しの作業は相応の時間と労力を必要とする。
【0008】
さらに、水通しの際、コックおよびディスペンスヘッドの取外しが必要となる。この作業で洗浄されるとはいえ、注出中には空気に触れることのないビール樽のヘッド部分、サーバー内コイル部分、コック装着部分が、洗浄後に大気中の雑菌に触れる可能性がある。
【0009】
その上、上記ディスペンスヘッドからビールホースを経て、サーバ内コイルまでの部分に滞留しているビールを、水通し作業により全て廃棄することとなる。この廃棄されるビールの量は、現状、コック当たり400mlにも及ぶ。
【0010】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、飲料の注出時以外は供給ヘッドの内部が極力外気へさらされることのないようにすることができる供給ヘッド、そのための供給ヘッド付属蓋機構、およびこれらを用いた飲料サーバを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、また、飲料サーバに必要な洗浄作業の頻度を低減することを可能とする供給ヘッド、そのための供給ヘッド付属蓋機構、およびこれらを用いた飲料サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による飲料サーバは、操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドを有する飲料サーバにおいて、前記供給ヘッドは、操作部材と、前記操作部材の操作に応じて飲料の供給経路を開閉する栓部材と、前記注出口を塞ぐ蓋部材と、前記蓋部材を開閉する開閉手段と、前記操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、前記操作部材の操作に応じて、前記栓部材を開閉するとともに前記蓋部材を開閉することを特徴とする。
【0013】
飲料を注出する際、使用者により操作部材が操作されると、栓部材が開放されるとともに、その操作力が開閉手段に伝達され、蓋部材が開放される。
【0014】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、前記操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される。これにより、蓋部材は通常は閉鎖状態にあり、操作部材の操作時にのみ開放される。操作が終了すると、付勢手段の付勢力により蓋部材は再度閉鎖状態に戻る。
【0015】
本発明の第1の態様では、前記操作部材は、操作者の片手で操作可能な第1および第2の操作部材を有し、前記第1の操作部材の操作に応じて前記栓部材が開閉され、前記第2の操作部材の操作に応じて前記蓋部材が開閉され、飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記栓部材が開放される。
【0016】
これにより、飲料を注出する際、まず、蓋部材が開放され、ついで栓部材が開放される。すなわち、蓋部材の開動作から遅延して栓部材の開動作を行うという2段階動作が実現される。第1および第2の操作部材は使用者が片手で操作できるので、基本的には従来の操作と同じ操作で注出動作が行える。
【0017】
本発明の第2の態様では、前記第1の操作部材が前記第2の操作部材を兼ね、前記伝達手段は前記栓部材を介して前記第1の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する。
【0018】
この第2の態様においても第1の操作部材による栓部材の操作に「遊び」を設けることにより、蓋部材の開動作から遅延して栓部材の開動作を行う2段階動作を実現することも可能である。
【0019】
本発明は、以下の実施の形態で詳述するように、飲料サーバを構成する部品としての供給ヘッドおよび供給ヘッド付属機構としても把握することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、飲料サーバの供給ヘッドの注出口を飲料注出時のみに開放し、注出時以外は蓋部材で閉鎖しておくことができる。また、その蓋部材の開閉操作は、操作者が蓋部材に直接接触することなく、従来の飲料サーバとほぼ同様に片手のハンドル操作で行うことができる。
【0021】
さらに、本発明によれば、いわゆる「水通し」の頻度を低減させることができる。その結果、水通しに要する作業時間および労力を低減するとともに、水通しに伴う飲料の廃棄率を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態におけるビールサーバの概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による供給ヘッドの構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における供給ヘッド付属機構の構成例を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における供給ヘッドをサーバ本体に装着した状態を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、ビールの供給開始時に、第2の操作部材が操作されたときに蓋部材が開いた様子を示す図である。
【図6】図5の状態に続いてハンドルが操作されて供給ヘッドの栓部材が開放された様子を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る供給ヘッドの概略構成を示す、第1の実施の形態の図2に対応する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る供給ヘッドの概略構成を示す、第1の実施の形態の図6に対応する図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を変形例を説明するための図である。
【図10】図9の変形例を説明するための他の図である。
【図11】図9の変形例を説明するためのさらに他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら、詳細に説明する。本実施の形態では飲料サーバの例としてビールサーバについて説明するが、本発明はビールサーバに限定されるものではない。
【0024】
図1に、本実施の形態におけるビールサーバ10の概略の構成を示す。
【0025】
ビールサーバ10は、サーバ本体11と、このサーバ本体11に着脱可能に装着される供給ヘッド20(ドラフトコック)とからなる。供給ヘッド20は、ビールサーバ10のサーバ本体11に装着され、操作部材としてのハンドル21の操作に応じて注出口28からビールを外部へ注出するための器具である。
【0026】
サーバ本体11は、ほぼ直方体状の容器であり、この容器内に液体を貯蔵した冷却プール12が設けられている。この冷却プール12内の液体は、冷媒を利用した冷却器13(例えばコンプレッサ)を用いて冷却される。この冷却器13自体は公知であり、また、本発明に直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。冷却プール12内には、いわゆる冷却コイル14と呼ばれる、その内部にビールを導通させる螺旋状の環状経路(パイプ)が固定的に配置されている。この冷却コイル14の材質は特に限定するものではないが、例えば金属製のパイプで構成することができる。冷却コイル14の一端は供給ヘッド20が装着される部位において、ビールを供給ヘッド20へ供給可能に固定される。冷却コイル14の他端はサーバ本体11の壁面の接続口16に接続される。この接続口16には、飲料が通過する飲料ホースとしてのビールホース61の一端が接続される。ビールホース61の他端は、供給する飲料を貯蔵した飲料容器としてのビール樽63のビールの排出口にあるディスペンスヘッド62に接続される。このディスペンスヘッド62は、ガスホース64を介して、圧縮気体を放出するためのガスボンベ65に接続される。サーバ本体11の前面には、供給ヘッド20の下方にジョッキ等を載置できるトレイ15が突出している。
【0027】
このような構成において、ビールの注出に先立って、ガスボンベ65の圧縮ガスを、飲料貯蔵容器であるビール樽63に供給するとともに、ビール樽63のディスペンスヘッド62を開放する。この時点で、ビール樽63内のビールがビールホース61を経由して冷却コイル14へ供給開始される。但し、この時点では未だ供給ヘッド20内部の栓部材(後述)が閉鎖されているので、供給ヘッド20からビールは注出されない。このとき、供給ヘッド20のハンドル21は通常状態で直立した位置にある。
【0028】
操作者が供給ヘッド20の操作部材であるハンドル21を操作する(例えば手前に傾ける)と、供給ヘッド20内部の栓部材が開放され、注出口28からジョッキ等にビールが注出される。操作者は、所定の量のビールが注出された時点でハンドル21を元の直立位置に戻すと、栓部材が再度閉鎖され、ビールの注出が停止される。
【0029】
上述したように、このような供給ヘッド20の従来の構成では、注出口28は開放したままで外気にさらされている。
【0030】
図2に、本発明の第1の実施の形態による供給ヘッド20aの構成例を示す。この図は供給ヘッド20aの側面の部分切り欠き断面図である。この供給ヘッド20aは図1に示した供給ヘッド20に対して、図3に示すような供給ヘッド付属機構48を追加したものである。
【0031】
図3の例では、供給ヘッド付属機構48は従来の供給ヘッド20に対して着脱できる付属品として、供給ヘッド20とは別体の構成とした。これにより、既存の供給ヘッド20を所有するユーザは、供給ヘッド付属機構を入手して自身の供給ヘッド20に装着して利用することができる。勿論、当初から供給ヘッド付属機構を装着した状態で供給ヘッド20aとして製造販売されてもよい。
【0032】
供給ヘッド付属機構48は、第2の操作部材40と、蓋開閉機構50と、ケーブル部材46とにより構成される。第2の操作部材40は、供給ヘッド20の第1の操作部材としてのハンドル21に装着される部材である。蓋開閉機構50は、供給ヘッド20の注出口28に装着されこの注出口28を塞ぐ装置である。ケーブル部材46は、第2の操作部材40と蓋開閉機構50とを相互に接続する部材である。このケーブル部材46は、第2の操作部材40の操作力を開閉手段へ伝達する伝達手段として機能する。
【0033】
第2の操作部材40は、ハンドル21の基部の周囲に取り付けて、ネジ43等の固定手段で固定される基体42と、この基体42に対して回転軸44を中心として回転操作可能に一端が取り付けられたレバー41を有する。レバー41の回転軸44の近傍の固定部45にはケーブル部材46のワイヤ47の一端が固定される。
【0034】
ケーブル部材46は、伸縮性を有さない筒状部材46aの中に、可撓性を有するが伸縮性を有さないワイヤ47を通挿したものである。筒状部材46aは可撓性を有しても有さなくてもよい。
【0035】
蓋開閉機構50は、供給ヘッド20aの下方に突出したパイプ状部38の注出口28の周囲に取り付けて、ネジ54等の固定手段で固定される基体55と、この基体55に対して回転軸52を中心として取り付けられる蓋部材51とを有する。蓋部材51は回転軸52を中心として回転し、注出口28を閉鎖したり、開放したりすることができる。すなわち、このような基体55と蓋部材51の構造が蓋部材51を開閉する開閉手段を構成する。蓋部材51と基体55との間には図示しない付勢手段としての弾性部材(例えばねじりバネ等のバネ部材)が設けられ、これにより蓋部材51を常時閉鎖状態に付勢している。
【0036】
ケーブル部材46の筒状部材46aの一端は、操作部材40の基体42に固定され、筒状部材46aの他端は蓋開閉機構50の基体55に固定されている。蓋部材51の回転軸52の近傍の固定部53にはワイヤ47の他端が固定される。基体55に対して筒状部材46aをその長手方向に摺動させることができる調整部56を設けてもよい。筒状部材46aはワイヤ47がその内部を摺動するよう案内する案内部材を構成する。調整部56は、例えば、筒状部材46aの両端固定部の間の実効的な長さを変えることができる筒状のネジ部材で構成できる。これにより、ワイヤ47の張り具合を調整することが可能となる。
【0037】
このような供給ヘッド付属機構48の構造は自転車のブレーキワイヤの構造に類似している。
【0038】
このような構成において、レバー41の自由端がハンドル21に近づくように操作者が片手でレバー41を操作すると、てこの原理により、ワイヤ47が引っ張り出される。これにより、付勢手段の付勢力に抗して蓋部材51が回転する。その結果、注出口28を塞いでいた蓋部材51が開放される。
【0039】
図2に示した供給ヘッド20aの構成において、ビールの供給開始時に、操作者によって、第2の操作部材40すなわちレバー41が操作されたとき、まず蓋部材51が開放される。その様子を図5に示す。
【0040】
その後、第2の操作部材40に対する操作が継続して行われたとき、図6に示すように、第1の操作部材であるハンドル21が操作されて供給ヘッド20の栓部材36が開放される。
【0041】
供給ヘッド20aのヘッド本体部30内部の空洞内には、サーバ本体11の前面にほぼ直交する方向に沿って、スライド桿33がスライド可能に配置されている。スライド桿33の中央部は細い棒状部35を構成し、その先端部には、膨張した形状を有する栓部材36が設けられている。棒状部35の後端部(図の左側)にはヘッド本体部30の内径一杯の大径部32を有する。ハンドル21は、ヘッド本体部30の上壁部に装着されている。ハンドル21の下端にあるハンドル下端部23はヘッド本体部30内部に突出しており、スライド桿33に設けられた凹部34内に進入している。ハンドル21は、ヘッド本体部30の上壁部を支点としてその自由端が前後(図の左右)方向に揺動する。操作者がハンドル21を手前に引いたとき、ハンドル21は手前側に傾斜する。このときハンドル下端部23は前方(サーバ本体11側)へ移動し、スライド桿33を押して同方向へ移動させる。ヘッド本体部30は、そのサーバ本体11側には大径部31を有する。大径部31の内側空間にスライド桿33の栓部材36が位置する。この栓部材36は、ビール注出時にビール液を流通させるに十分な隙間を大径部31の内壁との間に形成する。
【0042】
ヘッド本体部30のサーバ本体11側には、その前面の壁面に突出した状態でヘッド取付具17(の基部19)が固定されている。このヘッド取付具17の外側には、ビールホース61の一端と連通するドーム状の凹部空間39aが形成されている。ヘッド取付具17の周囲には締め付けリング18が装着されている。締め付けリング18は、ヘッド取付具17の基部19に対して、その周囲を自由に回転可能に装着されている。また、ヘッド取付具17は基部19から脱落しないように基部19に係止する係止部18aを有する。供給ヘッド20aのヘッド本体部30の大径部31の外周面および締め付けリング18の内周面には互いにネジ係合するネジ山とネジ溝が形成されている。
【0043】
図4に、供給ヘッド20aをサーバ本体11に装着した状態を示す。
【0044】
供給ヘッド20aのヘッド本体部30の大径部31を、サーバ本体11のヘッド取付具17に臨ませて、締め付けリング18を回転させることにより、供給ヘッド20aをサーバ本体11に装着することができる。
【0045】
スライド桿33がサーバ本体11側から後退して大径部31の内側空間の狭窄部37に当接したとき、供給ヘッド20aの内部経路が栓部材36により閉鎖される。
【0046】
操作者の操作によりハンドル21が操作されて傾斜すると、ハンドル下端部23がスライド桿33のスライド方向においてサーバ本体11へ近づく側へ移動する。これに伴ってスライド桿33も同方向に移動する。これによって、栓部材36が前方(サーバ本体11側)へ移動し、栓部材36が開放される。その結果、栓部材36で分離されていた前方の空間39aと後方の空間39bが互いに導通し、サーバ本体11から供給されたビール液がこれらの空間にあふれ出して注出口28へ向かって移動する。
【0047】
本実施の形態では、ハンドル21に対してレバー41が併設されているので、両操作部材の操作は操作者が片手で行うことができる。すなわち、従来と同様、レバー41およびハンドル21を操作する手と反対のもう一方の手でジョッキやグラスを持って、ビールの注出操作を行うことができる。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、従来と同様の片手のハンドル操作で開栓および蓋開放を行うとともに、ビールの注出後に速やかに注出口が閉まり、大気中の浮遊菌などの雑菌が供給ヘッド内に侵入することを防止することができる。これにより、ビールの注出の間隔が長時間空いた場合にも、供給ヘッド内のビールの残留糖分及びタンパク質などを培地として菌が繁殖することを抑止することができる。
【0049】
また、「水通し」の頻度も従来より軽減することができる。これによって、水通し作業に要する時間および労力ならびにビールの廃棄ロスを低減することが可能となる。換言すれば、従来廃棄していたビールも販売可能となる。結果として店舗におけるビールコストの低減を実現できる。
【0050】
さらに、水通しの頻度の低減により、注出中には空気に触れることのないビール樽63のヘッド部分、供給ヘッド20aおよびサーバ本体11のヘッド取付具17等を、洗浄作業のためにむやみに大気さらす機会も低減される。
【0051】
次に図7,図8に、第2の実施の形態に係る供給ヘッド20bの概略構成を示す。図7は第1の実施の形態の図4に対応し、図8は第1の実施の形態の図6に対応する図である。第1の実施の形態で示したと同様の要素には同じ参照番号を付して、重複した説明は省略する。
【0052】
第1の実施の形態と異なる点は、供給ヘッド付属機構48の第2の操作部材40を用いず、第1の操作部材であるハンドル21が第2の操作部材を兼ねることである。
【0053】
具体的には、スライド桿33の大径部32の一端部49にワイヤ47の一端が固定される。この固定の手段は任意であり、特に限定するものではない。このワイヤ47は、ヘッド本体部30の下側外壁およびパイプ状部38の側面に沿って配置された筒状部材46aに案内されて、蓋開閉機構50にまで達する。筒状部材46aは、操作の邪魔にならないように、その全体または一部をヘッド本体30に固定してもよい。但し、筒状部材46aをヘッド本体部30に固定することは必須ではない。
【0054】
図8に示すように、ハンドル21が操作されて、ハンドル下端部23がサーバ本体11に向かって移動すると、これに伴ってスライド桿33も同方向に移動する。このとき、その大径部32に固着されているワイヤ47の一端も同方向に引っ張られて筒状部材46a内を摺動する。その結果、ハンドル21の操作により生じたワイヤ47の引っ張り力が蓋部材51の固定部53に伝達され、蓋部材51が開放される。この蓋部材51の開放動作は、栓部材36の開栓動作と並行して行われる。すなわち、蓋部材51が開放開始されるとともに、栓部材36の開栓が開始される。
【0055】
第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られるのみならず、蓋部材51の開閉操作用の操作部材として従来のハンドルを共用でき、部品点数を低減できる。
【0056】
なお、この構成では、蓋部材51が完全に開放される前に、栓部材36が開くため、注出口28へビールが放出されはじめる。もし、この時点でパイプ状部38を通過するビール液の圧力が高すぎると、開き掛けの蓋部材51がビールの液流の障害となってビール液が周囲に飛散するおそれがある。しかし、この時点では栓部材36も完全に開放されていないので、パイプ状部38内のビール液の圧力はそれほど高くなく、ビール液の過度の飛散はないものと予想される。
【0057】
次に、図9、図10、図11により、このような蓋部材がビール液流の障害となりうる観点から、第2の実施の形態を変形例を説明する。これらの図において第2の実施の形態と同様の要素には同じ参照番号を付して重複した説明は省略する。
【0058】
この変形例の供給ヘッド20cにおいては、図9に示すように、ハンドル下端部23の横幅(スライド桿33の長手方向の幅)に対してスライド桿33の凹部34の幅を大きくして、いわゆる「遊び」を設けるとともに、ワイヤ47の一端を、大径部32の透孔(トンネル)71を通してスライド桿33に固定する。この固定の手段は任意であり、特に限定するものではない。ハンドル21が操作されない直立状態において「遊び」の空間34a(ハンドル下端部23とスライド桿33の凹部34の壁面との間隙)は、好ましくは、ハンドル下端部23のサーバ本体側にのみ設ける。
【0059】
この構成では、ハンドル21を操作すると、まず、ハンドル下端部23の移動によりワイヤ47が引っ張られて蓋部材51の開放動作が始まる。但し、この時点では、ハンドル21の「遊び」のためスライド桿33は未だ移動を開始せず停止状態にあり、栓部材36は閉鎖されたままである。このときの様子を図10に示す。
【0060】
その後、ハンドル21の操作が継続されて、ハンドル下端部23が凹部34の壁面に達した後、スライド桿33がサーバ本体11側へ向かって移動をはじめる。ハンドル21を最大限傾けた時点で、蓋部材51は全開し、栓部材36の開栓状態も全開となる。
【0061】
ハンドル21を元の直立位置に戻す際には、上記と逆の順を辿る。すなわち、栓部材36と蓋部材51はともに閉鎖動作を開始した後、栓部材36が先に完全な閉鎖状態に達する。このとき蓋部材51は半開状態にある。続いてハンドル21を元の直立状態にまで戻すと蓋部材51の完全な閉鎖状態に戻る。
【0062】
このように、本変形例では、単一の操作部材であるハンドル21の操作により、蓋部材51の開放と栓部材36の開放の両方の動作を行うだけでなく、栓部材36の動作を蓋部材51の動作に対して遅延させることができる。すなわち、蓋部材51の開放を先に行い、蓋部材51が半開状態になった時点で栓部材36の開放を開始することができる。これにより、ビール注出の際に、サーバ本体11から放出されるビールの液流を蓋部材51が妨害してビール液が過度に飛散する弊害を軽減することができる。
【0063】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0064】
例えば、供給ヘッドの少なくとも飲料の接する部分は熱伝導性に優れた材料、例えば金属製とすることにより、冷却プール内及び冷却コイル内の冷却温度を供給ヘッド全体に伝導することが可能となる。これにより、ヘッド本体部30の内部は室温を大きく下回る温度を保持することができ、プラスチック製の供給ヘッドに比較して注出液の残留糖分及びタンパク質などを培地として繁殖することを有効に抑止することができる。
【0065】
飲料サーバとしてビールサーバについて説明したが、必ずしもビールサーバに限るものではない。特に冷却コイルを利用する任意の飲料サーバに適用して効果がある。伝達手段はワイヤケーブルを例として説明したが、必ずしもワイヤケーブルに限るものではない。例えば、リンクの組み合わせを利用したもの、カムやギヤを利用したもの、それらの組み合わせ等、任意の機構を利用することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
10…ビールサーバ、11…サーバ本体、12…冷却プール、13…冷却器、14…冷却コイル、15…トレイ、16…接続口、17…ヘッド取付具、18…締め付けリング、18a…係止部、19…基部、20,20a,20b,20c…供給ヘッド、21…ハンドル(操作部材)、23…ハンドル下端部、28…注出口、30…ヘッド本体部、31…大径部、32…大径部、33…スライド桿、34…凹部、35…棒状部、36…栓部材、37…狭窄部、38…パイプ状部、39a…凹部空間、39b…空間、40…操作部材、41…レバー(操作部材)、42…基体、43…ネジ、44…回転軸、45…固定部、46…ケーブル部材、46a…筒状部材、47…ワイヤ、48…供給ヘッド付属機構、50…蓋開閉機構、51…蓋部材、52…回転軸、53…固定部、54…ネジ、55…基体、56…調整部、61…ビールホース、62…ディスペンスヘッド、63…ビール樽、64…ガスホース、65…ガスボンベ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドを有する飲料サーバにおいて、
前記供給ヘッドは、
操作部材と、
前記操作部材の操作に応じて飲料の供給経路を開閉する栓部材と、
前記注出口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉手段と、
前記操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、
前記操作部材の操作に応じて、前記栓部材を開閉するとともに前記蓋部材を開閉することを特徴とする飲料サーバ。
【請求項2】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、
前記操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される請求項1に記載の飲料サーバ。
【請求項3】
前記操作部材は、操作者の片手で操作可能な第1および第2の操作部材を有し、
前記第1の操作部材の操作に応じて前記栓部材が開閉され、
前記第2の操作部材の操作に応じて前記蓋部材が開閉され、
飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記栓部材が開放される請求項1または2に記載の飲料サーバ。
【請求項4】
前記第1の操作部材が前記第2の操作部材を兼ね、前記伝達手段は前記栓部材を介して前記第1の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する請求項1または2に記載の飲料サーバ。
【請求項5】
前記第1の操作部材による前記栓部材の操作に遊びを設けた請求項4に記載の飲料サーバ。
【請求項6】
前記伝達手段は、案内部材と、この案内部材に案内されて摺動するワイヤとを有する請求項1〜5のいずれかに記載の飲料サーバ。
【請求項7】
前記供給ヘッドが着脱可能に装着されるサーバ本体を備え、
前記サーバ本体は、
飲料を冷却する冷却液が貯蔵された冷却プールと、
前記冷却プールを通過し、外部から供給された飲料が内部を流れて前記供給ヘッドへ到達する管状経路とを有する請求項1〜6のいずれかに記載の飲料サーバ。
【請求項8】
飲料サーバに装着され、操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドであって、
操作部材と、
前記操作部材の操作に応じて飲料の供給経路を開閉する栓部材と、
前記注出口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉手段と、
前記操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、
前記操作部材の操作に応じて、前記栓部材を開閉するとともに前記蓋部材を開閉することを特徴とする供給ヘッド。
【請求項9】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、
前記操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される請求項8に記載の供給ヘッド。
【請求項10】
前記操作部材は、操作者の片手で操作可能な第1および第2の操作部材を有し、
前記第1の操作部材の操作に応じて前記栓部材が開閉され、
前記第2の操作部材の操作に応じて前記蓋部材が開閉され、
飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記栓部材が開放される請求項8または9に記載の供給ヘッド。
【請求項11】
前記第1の操作部材が前記第2の操作部材を兼ね、前記伝達手段は前記栓部材を介して前記第1の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する請求項8または9に記載の供給ヘッド。
【請求項12】
前記第1の操作部材による前記栓部材の操作に遊びを設けた請求項11に記載の供給ヘッド。
【請求項13】
前記伝達手段は、案内部材と、この案内部材に案内されて摺動するワイヤとを有する請求項8〜12のいずれかに記載の供給ヘッド。
【請求項14】
飲料サーバに装着され、第1の操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドに着脱可能な供給ヘッド付属機構であって、
前記供給ヘッドの第1の操作部材に装着される第2の操作部材と、
前記供給ヘッドの注出口に装着され、前記注出口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉手段と、
前記第2の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、
飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記供給ヘッド栓部材が開放される
ことを特徴とする供給ヘッド付属機構。
【請求項15】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、
前記第2の操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される請求項14に記載の供給ヘッド付属機構。
【請求項16】
前記伝達手段は、案内部材と、この案内部材に案内されて摺動するワイヤとを有する請求項15に記載の供給ヘッド付属機構。
【請求項1】
操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドを有する飲料サーバにおいて、
前記供給ヘッドは、
操作部材と、
前記操作部材の操作に応じて飲料の供給経路を開閉する栓部材と、
前記注出口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉手段と、
前記操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、
前記操作部材の操作に応じて、前記栓部材を開閉するとともに前記蓋部材を開閉することを特徴とする飲料サーバ。
【請求項2】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、
前記操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される請求項1に記載の飲料サーバ。
【請求項3】
前記操作部材は、操作者の片手で操作可能な第1および第2の操作部材を有し、
前記第1の操作部材の操作に応じて前記栓部材が開閉され、
前記第2の操作部材の操作に応じて前記蓋部材が開閉され、
飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記栓部材が開放される請求項1または2に記載の飲料サーバ。
【請求項4】
前記第1の操作部材が前記第2の操作部材を兼ね、前記伝達手段は前記栓部材を介して前記第1の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する請求項1または2に記載の飲料サーバ。
【請求項5】
前記第1の操作部材による前記栓部材の操作に遊びを設けた請求項4に記載の飲料サーバ。
【請求項6】
前記伝達手段は、案内部材と、この案内部材に案内されて摺動するワイヤとを有する請求項1〜5のいずれかに記載の飲料サーバ。
【請求項7】
前記供給ヘッドが着脱可能に装着されるサーバ本体を備え、
前記サーバ本体は、
飲料を冷却する冷却液が貯蔵された冷却プールと、
前記冷却プールを通過し、外部から供給された飲料が内部を流れて前記供給ヘッドへ到達する管状経路とを有する請求項1〜6のいずれかに記載の飲料サーバ。
【請求項8】
飲料サーバに装着され、操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドであって、
操作部材と、
前記操作部材の操作に応じて飲料の供給経路を開閉する栓部材と、
前記注出口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉手段と、
前記操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、
前記操作部材の操作に応じて、前記栓部材を開閉するとともに前記蓋部材を開閉することを特徴とする供給ヘッド。
【請求項9】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、
前記操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される請求項8に記載の供給ヘッド。
【請求項10】
前記操作部材は、操作者の片手で操作可能な第1および第2の操作部材を有し、
前記第1の操作部材の操作に応じて前記栓部材が開閉され、
前記第2の操作部材の操作に応じて前記蓋部材が開閉され、
飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記栓部材が開放される請求項8または9に記載の供給ヘッド。
【請求項11】
前記第1の操作部材が前記第2の操作部材を兼ね、前記伝達手段は前記栓部材を介して前記第1の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する請求項8または9に記載の供給ヘッド。
【請求項12】
前記第1の操作部材による前記栓部材の操作に遊びを設けた請求項11に記載の供給ヘッド。
【請求項13】
前記伝達手段は、案内部材と、この案内部材に案内されて摺動するワイヤとを有する請求項8〜12のいずれかに記載の供給ヘッド。
【請求項14】
飲料サーバに装着され、第1の操作部材の操作に応じて注出口から飲料を外部へ注出する供給ヘッドに着脱可能な供給ヘッド付属機構であって、
前記供給ヘッドの第1の操作部材に装着される第2の操作部材と、
前記供給ヘッドの注出口に装着され、前記注出口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉手段と、
前記第2の操作部材の操作力を前記開閉手段へ伝達する伝達手段とを備え、
飲料の供給開始時に操作者によりまず前記第2の操作部材が操作されたとき前記蓋部材が開放され、その後、前記第2の操作部材に対する操作が継続して行われたとき前記第1の操作部材が操作されて前記供給ヘッド栓部材が開放される
ことを特徴とする供給ヘッド付属機構。
【請求項15】
前記蓋部材を常時閉鎖状態に付勢する付勢手段をさらに備え、
前記第2の操作部材の操作により前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部材が開放される請求項14に記載の供給ヘッド付属機構。
【請求項16】
前記伝達手段は、案内部材と、この案内部材に案内されて摺動するワイヤとを有する請求項15に記載の供給ヘッド付属機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−6622(P2012−6622A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143492(P2010−143492)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(598112981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(598112981)
【Fターム(参考)】
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