説明

飲料ディスペンサー

【課題】コーヒーメーカーのような飲料ディスペンサーが電力ネットワークから独立して動作することになる場合バッテリー又は蓄電器が提供されなければならない。飲料ディスペンサーの動作中では、飲料ディスペンサーの加熱電力は、相応の長時間加熱又は浸出時間をもたらす蓄電器の電力のために大いに制限される。電力ネットワークから独立しているが快適な動作を可能とする。
【解決手段】液体を加熱するための加熱装置と、飲料ディスペンサーのエネルギー供給のための少なくとも1つの蓄電器とを備えており、500ワットよりも大きい高放電電力を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料準備に要する液体加熱のための加熱装置を備えた飲料ディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコーヒーメーカーのような飲料ディスペンサーは、通常、電源供給ユニット、例えば電気エネルギーを供給する230V電圧ネットワークを介して、電気的ネットワークに接続されている。飲料ディスペンサーをそのような電圧ネットワークに接続することにより、加熱装置を動作させるための適当な電源が得られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えばコーヒーメーカーのような飲料ディスペンサーが電力ネットワークから独立して動作することになる場合には、飲料ディスペンサーへの電気的エネルギーの供給を負担するバッテリー又は蓄電器が提供されなければならない。蓄電器を介した飲料ディスペンサーの動作中では、飲料ディスペンサーの加熱電力はしかしながら、相応の長時間加熱又は浸出時間をもたらす蓄電器の電力のために大いに制限される。
【0004】
本発明は、電力ネットワークから独立しているが快適な動作を可能とする飲料ディスペンサーにおける上述の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上述の問題は、本発明の独立クレームの主要部によって解決される。有利な実施形態は本発明の従属項の主要部である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、飲料ディスペンサーに対して、充電電力よりも明らかに高い放電電力を有する少なくとも1つの蓄電器を備えた、飲料準備に必要な液体を加熱するための加熱装置を設ける、という大きな概念に基づいている。具体的には、上記少なくとも1つの蓄電器は、長期間に亘って低電力で慎重に充電され得るが、上記飲料ディスペンサーの動作中、より好ましくは上記飲料ディスペンサーの加熱装置の動作中では、上記少なくとも1つの蓄電器は、従来の230V電圧ネットワークに接続されている場合と同じ電力で上記加熱装置が選択的に動作し得るような高い放電電力を供給する。上記充電出力は、ここでは、選択的に50ワットである一方で、放電出力は、500ワットよりも大きい、選択的には1000ワット〜2000ワットである。上記少なくとも1つの蓄電器に蓄積された電気エネルギーはこのため、短期間の間、言い換えると、より好ましくは蓄電器からの加熱段階及び/又は浸出段階の間、蓄電モードにおける加熱動作又は浸出動作が代替の主モードにおける加熱動作又は浸出動作よりも長くないように、適切なレベルで供給される。放電電力に比べて明らかに低い充電電力を通じて、上記少なくとも1つの蓄電器は付加的に特に慎重に充電され得る結果、蓄電器の長い寿命が実現され得る。より好ましくは、蓄電モードにおける飲料ディスペンサーは、飲料準備スピードに関して結果として快適さを失うことなく動作され得る。
【0007】
本発明による解決手段の有利な更なる利点は、上記少なくとも1つの蓄電器は上記飲料ディスペンサーに一体化されていることである。明らかにまた考えられることには、そのような蓄電器は分離された付属部品として提供又は販売されることである。上記飲料ディスペンサーにおける上記少なくとも1つの蓄電器の一体化することはしかしながら、上記飲料ディスペンサーの電源供給ユニットが上記蓄電器のための充電装置として同時に機能できる上記飲料ディスペンサーの主動作中において並行して上記少なくとも1つの蓄電器が充電され得るという利点を提供する。明らかにまたここで考えられることには、上記充電装置は、上記蓄電器のオーバーチャージに損傷を与えることが上記飲料ディスペンサーの延長された主動作と共にでさえ回避されるように、設計されていることであり、その結果、充電電流は一定の充電電力に到達すると自動的に遮断されることである。上記少なくとも1つの蓄電器の一体化は設計上の利点を付加的に提供すると共に主モード又は蓄電モードのいずれかにおいて選択的に動作され得る飲料ディスペンサーを付加的につくり出す。一般的に上記充電装置は、択一的に、230V電圧ネットワーク、110V電圧ネットワーク、又は12V電圧ネットワーク、例えば自動車バッテリー又は発電器に接続され得るように設計され得る。種々の電圧間の切り替えは、自動的に、又は、充電装置自らを介して行われ、その結果、充電装置は自動的に自らを利用可能な各電圧に適合するか若しくは知られた従来のかみそり由来の適当なスイッチを介してそれに適合する。
【0008】
本発明による解決手段の有利な設計は、上記充電装置は風車又は太陽電池として設計されている。本発明による上記飲料ディスペンサーは上記少なくとも1つの蓄電器と排他的に動作される結果、電気的ネットワークに対して付加的で且つ代替的に選択できる接続部は全く利用できないということもまた考えられる。上記蓄電器を充電するために、風車又は太陽電池の形で設計された充電装置は上記蓄電器に接続され得、それにより、上記飲料ディスペンサーは、より好ましくは屋外にて、例えば直接の電源供給が度々全く利用できないようなキャンプの休日において、問題を生じさせることなく動作され得る。
【0009】
本発明による解決手段の更なる有利な実施形態は、上記加熱装置が連続フローヒーター装置として、より好ましくはブライトワイヤーヒーターとして設計されていることである。液体、例えば水の急速加熱のために、適切な高電力が要求される。通常は、このタイプの連続フローヒーターは、上記連続フローヒーターの背部の水道管における圧力低下を検知するいわゆる差圧スイッチを有しており、上記連続フローヒーターを通じる液体流が検知されるとすぐに、上記連続フローヒーターは上記差圧スイッチに電気エネルギーを供給する。いわゆるボイラー又は蓄熱水ヒーターとは対照的に、連続フローヒーターは加熱の瞬間においてのみ電気エネルギーを必要とするが、短期間において相対的に多くの電気的エネルギーを必要とする。飲料ディスペンサーにおける加熱又は浸出動作が一旦終了すると、加熱装置に対するエネルギー供給は突然遮断される。このタイプの連続フローヒーターはより好ましくは水などの液体を急速に加熱して所望の温度にすることを可能にするが、そのためには上記連続フローヒーターが短期間に極めて大きいエネルギー供給を要求する。このため、本発明の飲料ディスペンサーは、例えばこのタイプの連続フローヒーターを動作させるための大変高い放電電力を少なくとも短期間の間利用可能とする蓄電器を含んでいる。ここでは、上記蓄電器は、そのような短期間の動作に要求される高放電電力を提供することが可能であると共に連続して複数回選択的にそうすることが可能である。にもかかわらず、上記蓄電器に蓄積された電気的エネルギーは、長期間蓄積され得ると共に、適切な充電装置を介して必要であれば再び入れ替えられ得る。原理上は、その結果、例えばコーヒーメーカーとして設計され得る飲料ディスペンサーの極めて快適な動作が、より好ましくは独立した状態、すなわち従来の電源ネットワークから外された状態での本発明による蓄電器を持ってして実現され得る。放電電力に比べて明らかに低い充電電力を通じて、蓄電器の慎重な充電が付加的に可能であり、その結果、蓄電器の長い寿命が得られる。
【0010】
明らかなことには、上記蓄電器は飲料ディスペンサーに一体化され得るか、または、上記飲料ディスペンサーから分離して間隔を開けて配置され得ることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサーであって、
液体を加熱するための加熱装置と、
前記飲料ディスペンサーのエネルギー供給のための少なくとも1つの蓄電器とを備えており、
好ましくは、前記加熱装置は、充電電力に比べて、500ワットよりも大きい高放電電力を有している、ことを特徴とする飲料ディスペンサー。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料ディスペンサーにおいて、
前記少なくとも1つの蓄電器は、前記飲料ディスペンサーに一体化されており、好ましくは、取り外し可能に一体化されている、ことを特徴とする飲料ディスペンサー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の飲料ディスペンサーにおいて、
前記蓄電器を充電するための充電装置をさらに備えている、ことを特徴とする飲料ディスペンサー。
【請求項4】
請求項3に記載の飲料ディスペンサーにおいて、
前記充電装置は、高電圧ネットワーク、好ましくは230V電圧ネットワーク又は低電圧ネットワーク、選択的には12V電圧ネットワーク、に接続するための電源供給ユニットとして設計されている、ことを特徴とする飲料ディスペンサー。
【請求項5】
請求項3に記載の飲料ディスペンサーにおいて、
前記充電装置は、風車、水車、ペルチェ素子、又は太陽電池として設計されている、ことを特徴とする飲料ディスペンサー。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の飲料ディスペンサーにおいて、
前記飲料ディスペンサーは、コーヒーメーカー、ティーウォーターディスペンサー、又は湯沸かし器として設計されている、ことを特徴とする飲料ディスペンサー。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の飲料ディスペンサーにおいて、
前記加熱装置は、連続フローヒーター、より好ましくは、ブライトワイヤーヒーターとして設計されている、ことを特徴とする飲料ディスペンサー。

【公開番号】特開2010−94516(P2010−94516A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239091(P2009−239091)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(502241800)ヴェーエムエフ ヴュルテンベルギッシェ メタルヴァーレンファブリーク アクチエンゲゼルシャフト (18)
【氏名又は名称原語表記】WMF Wuerttembergische Metallwarenfabrik AG
【住所又は居所原語表記】Eberhardstrasse, 73309 Geislingen/Steige, Die Bundesrepublik Deutschland
【Fターム(参考)】