説明

飲料ディスペンサ

【課題】ビールを泡立てることなく注出するために飲料容器を傾斜姿勢となるように傾動可能な容器受台装置を備えた飲料ディスペンサにおいて、受台に規定の高さ以上の飲料容器を載置できないようにする。
【解決手段】装置本体11の前面上部に設けられた注出コック20の下側に設けられてその上端部が装置本体11の前面に傾動可能に軸架された傾動基板41と、この傾動基板41の前側に取り付けられて注出コック20から注出される飲料を受ける飲料容器を載置する受台42、43とを有する容器受台装置40とを備えた飲料ディスペンサ10において、容器受台装置40は、傾動基板41の上端部に前側に突出して設けられて所定高さ以上の飲料容器を注出コック20の下側で受台42、43に載置することを妨げるガード部材46を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョッキ等の飲料容器を傾斜姿勢に保持可能な容器受台装置を備えた飲料ディスペンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ビール等の発泡性飲料をジョッキ等の飲料容器に注出するときに、飲料容器を傾斜させた状態にしてその内周壁に沿って飲料を注ぎ入れるようにして、該発泡性飲料が飲料容器内で過剰に泡立つのを抑えるようにした飲料ディスペンサが開示されている。この飲料ディスペンサは、装置本体の前面上部に設けられた注出コックと、注出コックの上側に設けられてこの注出コックの操作レバーを傾動させるコック駆動装置と、注出コックの下側に傾動可能に設けられてこの注出コックから注出される飲料を受ける飲料容器を載置する容器受台装置と、容器受台装置の背面側に設けられて容器受台装置を傾動させる受台傾動装置とを備えている。この飲料ディスペンサの容器受台装置は、上端部が装置本体の前面に傾動可能に軸架された傾動基板と、この傾動基板の前側に取り付けられて注出コックから注出される飲料を受ける飲料容器を載置する上下2段の受台とを備えている。
【0003】
容器受台装置においては、上段の受台は小型のジョッキを載置したときにその上面が注出コックのノズルの先端の少し下側となる位置に設定され、下段の受台は大型のジョッキを載置したときにその上面が注出コックのノズルの先端の少し下側となる位置に設定されている。この飲料ディスペンサでビールを注出するときには、容器受台装置の上下の各受台に小型のジョッキまたは大型のジョッキを載置してから注出ボタンを押すと、容器受台装置の傾動基板が受台傾動装置によりその下端部を前方に押し上げられて傾斜して、受台に載置されたジョッキが傾動基板とともに傾斜姿勢に保持され、注出コックから注出されるビールは傾斜姿勢に保持されたジョッキに泡立てられることなく注出される。
【0004】
特許文献2には、ディスペンサ本体のベンドステージにビール注出バルブと昇降式ジョッキ受台とを備えたビールディスペンサが開示されている。このビールディスペンサにおいては、ジョッキ受台は昇降シリンダにより昇降可能となっており、ジョッキ台は、下降位置から小型のジョッキを載置したときの小型のジョッキの上面が注出バルブのノズルの先端に近接する位置と、大型のジョッキを載置したときに大型のジョッキの上面がビール注出バルブのノズルの先端に近接する位置とを昇降する。この飲料ディスペンサにおいては、ジョッキ台に大型のジョッキを載置して、販売ボタンの大型のジョッキを選択すると、ジョッキ台が大型のジョッキに対応した位置に上昇し、ビール注出バルブが大型のジョッキの容量に対応した時間開放され、ジョッキ台に小型のジョッキを載置して、販売ボタンの小型のジョッキを選択すると、ジョッキ台が小型のジョッキに対応した位置に上昇し、ビール注出バルブが小型のジョッキの容量に対応した時間開放される。而して、このビールディスペンサにおいては、ジョッキ台の側方に光電スイッチよりなるジョッキセンサが設けられており、このジョッキセンサはジョッキ受台に載置したジョッキが大型のジョッキサイズであるか否かを検出している。このビールディスペンサにおいて、利用者が販売ボタンの押し間違えで、ジョッキ受台に小型のジョッキを載置して販売ボタンの大型のジョッキを選択した場合、または大型のジョッキを載置して販売ボタンの小型のジョッキを選択した場合には、ジョッキセンサの検出によりジョッキのサイズが適切でないと判断して、ジョッキ台の上昇及びビール注出バルブの開放をせずに、ブザーによりジョッキのサイズが適切でないと利用者に報知するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−225517号公報
【特許文献2】特開平11−105992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような特許文献1に記載の飲料ディスペンサにおいては、容器受台装置の上側には注出コックが設けられているので、上下の各受台にはそれぞれの受台の高さに応じて注出コックに当たらないジョッキまたはコップを載置しなければならない。例えば、図7(a)に示すように、小型のジョッキを載置するための上段の受台に背の高いグラスのような規定の高さより高い飲料容器を間違って載置して、図7(b)に示すように容器受台装置を傾動させると、受台に載置したグラスの前側上縁が注出コックに当たって割れたり、注出コックが破損するおそれがあった。
【0007】
そこで特許文献2に記載のビールディスペンサにように、特許文献1に記載の飲料ディスペンサにジョッキの大きさを判別するジョッキセンサを設けて、各受台に背の高い飲料容器を載置したときに、ジョッキセンサにより飲料容器の高さを検出して容器受台装置を傾動させないようにすれば、飲料容器または注出コックを破損させないようにすることができる。しかし、ジョッキセンサは高価であるので、飲料ディスペンサの製造コストが高くなる問題があった。本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するため、装置本体の前面上部に設けられた注出コックと、注出コックの下側に設けられてその上端部が装置本体の前面に傾動可能に軸架された傾動基板と、この傾動基板の前側に取り付けられて注出コックから注出される飲料を受ける飲料容器を載置する受台とを有する容器受台装置とを備え、容器受台装置の傾動基板の下端部を前方に押し上げることで受台に載置した飲料容器を傾斜姿勢にした状態で注出コックから飲料を注出するようにした飲料ディスペンサにおいて、容器受台装置は、傾動基板の上端部に前方に突出して設けられて所定高さ以上の飲料容器を注出コックの下側で受台に載置することを妨げるガード部材を備えたことを特徴とする飲料ディスペンサを提供するものである。
【0009】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいては、容器受台装置は、傾動基板の上端部に前方に突出して設けられて所定高さ以上の飲料容器を注出コックの下側で受台に載置することを妨げるガード部材を備えたので、受台の注出コックの下側には容器受台装置を傾動させたときに注出コックに当たるような所定高さ以上の飲料容器を誤って載置できないようになり、容器受台装置を傾動させたときに飲料容器が注出コックに当たって、飲料容器または注出コックが破損するおそれがない。
【0010】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいて、ガード部材は傾動基板に着脱可能に取り付けられるのが好ましく、このようにしたときには、注出コックから飲料容器に注ぎ出される飲料が跳ね返ってガード部材に付着したときに、ガード部材を取り外して洗浄することができ、ガード部材を清潔に保つことができる。
【0011】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいて、ガード部材はワイヤ部材よりなるのが好ましく、このようにしたときには、注出コックから飲料容器に注ぎ出されたときに跳ね返る飲料が付きにくくなるとともに、飲料が付着しても洗浄が容易となる。また、ガード部材をワイヤ部材にしたときには、ガード部材が目立たなくなるので、飲料ディスペンサの美観を損ねることがなく、圧迫感を与えることがない。さらに、ガード部材をワイヤ部材にしたことで、材料費を低く抑えることができ、容器受台装置を必要以上に重くならないようにでき、これを傾動させるのに大きな負荷がかからない。また、ガード部材に用いたワイヤ部材は弾性変形が可能であるので、飲料容器を受台に載置するときに、飲料容器がガード部材にぶつかって破損するおそれが少なくなる。
【0012】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいて、ガード部材の前後方向の長さを前記受台の前後方向の長さ以上とするのが好ましく、このようにしたときには、受台には注出コックの下側以外でも所定高さ以上の飲料容器を載置できないようになり、飲料容器を受台の前端部に誤って載置することを防ぐことで、飲料容器が受台から落下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による飲料ディスペンサの一実施形態であるビールディスペンサを示す斜視図である。
【図2】容器受台装置の斜視図である。
【図3】上縁支持部材にガード部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】(a)は上段受台に小型のジョッキを載置した側面図であり、(b)は(a)の状態から容器受台装置を傾動させた状態の側面図である。
【図5】他のガード部材を取り付けたビールディスペンサを示す斜視図である。
【図6】ガード部材の前後方向の長さを受台と略同じ長さとしたビールディスペンサの斜視図である。
【図7】(a)は従来のビールディスペンサで上段受台に背の高いグラスを載置した側面図であり、(b)は(a)の状態から容器受台装置を傾動させた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明による飲料ディスペンサの一実施形態としてビールを注出するためのビールディスペンサを図面を参照して説明する。本発明のビールディスペンサ10は、ジョッキ等の飲料容器を傾斜させた状態にして、注出コック20からビールを飲料容器の内周壁に沿って注出して、ビールが飲料容器内で過剰に泡立たないように注出するようにしたものである。ビールディスペンサ10は、装置本体11の前面上部に設けられた注出コック20と、注出コック20の下側に設けられてその上端部が装置本体11の前面に傾動可能に軸架された傾動基板41と、この傾動基板41の前側に取り付けられて注出コック20から注出される飲料を受ける飲料容器を載置する受台42、43とを有する容器受台装置40とを備え、容器受台装置40の傾動基板41の下端部を前方に押し上げることで受台42、43に載置した飲料容器を傾斜姿勢にした状態で注出コック20から飲料を注出するようにしたものである。而して、このビールディスペンサ10においては、容器受台装置40は、傾動基板41の上端部に前方に突出して設けられて所定高さ以上の飲料容器を注出コック20の下側で受台42、43に載置することを妨げるガード部材46を備えている。以下に、ビールディスペンサ10について詳述する。
【0015】
ビールディスペンサ10は、装置本体11にガスボンベ(図示しない)から送出される炭酸ガスの圧力によってビア樽(図示しない)から圧送されるビールを冷却する冷却水槽(図示しない)と、この冷却水槽内の冷却水を冷却する冷凍装置(図示しない)とを内蔵しており、図1に示すように、装置本体11の前面には冷却水槽により冷却されたビールを注出するための2つの注出コック20が左右に並んで配置されている。また、装置本体11には、各注出コック20の上側に注出コック20の操作レバー24を傾動させる左右一対のコック駆動装置30と、各注出コック20の下側にジョッキ等の飲料容器を載置する左右一対の容器受台装置40と、各容器受台装置40の背面でこれを傾動させる左右一対の受台傾動装置50とを備えている。
【0016】
注出コック20は、容器受台装置40に載置したジョッキ等の飲料容器にビールを注出するものであり、筒状の本体部21の前部下側に泡状態のビールを注出する泡注出ノズル22と、後部下側に液状態のビールを注出する液注出ノズル23とを備えている。また、注出コック20は、本体部21の前部上側に操作レバー24を備えており、操作レバー24を前傾させると液注出ノズル23から液状態のビールが注出され、操作レバー24を後傾させると泡注出ノズル22から泡状態のビールが注出される。
【0017】
コック駆動装置30は、サーボモータの駆動により前後に移動するスライダを用いて注出コック20の操作レバー24を前傾または後傾させるものである。
【0018】
図1及び図2に示すように、容器受台装置40は、ジョッキ等の飲料容器を載置するものであり、装置本体11の前面に傾動可能に軸架された傾動基板41と、傾動基板41の中間部及び下部に上下2段に取り付けられた上段受台42と下段受台43と、傾動基板41の上端部に取り付けられた上縁支持部材44と、傾動基板41の前面を覆うカバー45と、傾動基板41の上端部に上縁支持部材44を介して取り付けられたガード部材46とを備えている。
【0019】
傾動基板41の上端部の左右両側には、前方に折り曲げて形成された左右一対の支持部41aが形成されており、これら支持部41aには、左右一対のピン41bが同軸的に固定されている。傾動基板41は、これらピン41bを装置本体11の前面に設けたブラケット12に水平軸線回りに回動可能に軸架されている。
【0020】
上段受台42は、例えば小型のジョッキを載置するものであり、傾動基板41に上下方向に位置調節可能に取り付けられている。上段受台42は、傾動基板41に水平軸線回りに回動可能に支持されており、使用時には図2に示すように、傾動基板41からほぼ直角に突出するように係止され、後述する下段受台43を使用するときには、前端部を傾動基板41側に退避されるように起立させる。下段受台43は、例えば大型のジョッキを載置するものであり、傾動基板41に上下方向に位置調節可能に取り付けられている。
【0021】
上縁支持部材44は、容器受台装置40を傾動させたときに各受台42、43に載置した飲料容器の上縁を支持するものであり、傾動基板41の左右一対の支持部41aに固定されている。上縁支持部材44の前面は、略円筒形状をしたジョッキ等の飲料容器の上縁背面に沿うように湾曲している。上縁支持部材44の前面上部には、左右方向に延びる溝44aが形成されており、この溝44aは各受台42、43に載置可能な飲料容器の高さの目安として機能している。カバー45は、傾動基板41の前面を覆うものであり、傾動基板41の前側で左右両側部を前方に湾曲させて左右両端を後方に折り曲げた板金部材よりなり、傾動基板41の前面に着脱可能に装着されている。
【0022】
図3に示すように、ガード部材46は、所定の高さ以上の飲料容器を注出コック20の下側で各受台42、43に載置することを妨げるものであり、上縁支持部材44を介して傾動基板41の上端部に着脱可能に取り付けられている。上記の所定の高さ以上の飲料容器とは、容器受台装置40を傾動させたときに飲料容器が注出コック20に当たる高さ以上の飲料容器をいう。ガード部材46は、上縁支持部材44に取り付けるための取付部46aとこの取付部46aから前方に突出する突出部46bとからなり、これらをワイヤ部材により一体的に折曲形成したものである。取付部46aは略U字形をして上縁支持部材44の両側部の裏面側に配置されており、取付部46aの左右両部の上端部が上縁支持部材44の前面側で溝44aのある高さ位置まで折り曲げられて上縁支持部材44の上縁に係止しており、取付部46aの左右両部を結ぶ下部の中央が上方に湾曲して上縁支持部材44の湾曲した前面下部に係止している。突出部46bは、上縁支持部材44の上端部の前面側で取付部46aの左右両端から前方に突出して上側から見た形状が大きく湾曲した略W字形をしている。突出部46bは、上縁支持部材44の上端部の前面側から各受台42、43の略1/3の長さをして前方に延びて、左右両側の各前端部が互いに内側に大きく湾曲して後方に延び、左右方向の中央部が上縁支持部材44の前面近傍まで後方に折り曲げられている。このガード部材46が上縁支持部材44を介して傾動基板41に取り付けられた状態では、突出部46bの左右方向の中心部が注出コック20の泡注出ノズル22と液注出ノズル23の各注出口の下側にないように後方に後退しているので、容器受台装置40を傾動させたときに、各ノズル22、23から注出されるビールがガード部材46に付着しにくくなる。
【0023】
受台傾動装置50は、サーボモータの駆動によって前後に伸縮するリンク機構により容器受台装置40の傾動基板41を前方に押し出すものである。
【0024】
上記のように構成したビールディスペンサ10において、図4(a)に示すように、例えば上段受台42に小型のジョッキJを載置して、コック駆動装置30の前面に設けられた操作パネル31の操作ボタンにより注出操作を開始すると、図4(b)に示すように容器受台装置40は受台傾動装置50のリンク機構によって押し出されて所定角度まで傾動し、上段受台42に載置されたジョッキJは傾斜姿勢に保持される。
【0025】
このようにした状態で、コック駆動装置30により注出コック20の操作レバー24が前傾されて液注出ノズル23から傾斜姿勢に保持されたジョッキJに所定量のビールが泡立たないように注出される。ジョッキJに所定量のビールが注出されると、受台傾動装置50のリンク機構が戻されて容器受台装置40が装置本体11の前面に沿う位置に戻され、コック駆動装置30により注出コック20の操作レバー24が後傾されて泡注出ノズル22から所定量のビールが泡状態で注出される。なお、下段受台43に大型のジョッキを載置したときも上述したのと同様に容器受台装置40が傾動して、大型のジョッキに所定量のビールが注出される。
【0026】
このようにビールディスペンサ10において、容器受台装置40は、傾動基板41の上端部に前方に突出して設けられて所定高さ以上の飲料容器を注出コック20の下側で受台42、43に載置することを妨げるガード部材46を備えている。これにより、受台42、43の注出コック20の各ノズル22、23の下側には、図7に示した従来の飲料ディスペンサのように容器受台装置40を傾動させたときに注出コック20の泡注出ノズル22に当たるような背の高いコップを誤って載置できないようになる。また、同様に、小型のジョッキを載置するための上段受台42に、下段受台43に載置する大型のジョッキを誤って載置できないようになる。このようにして、容器受台装置40を傾動させたときに上縁支持部材44に上縁を支持された飲料容器が注出コック20に押しつけられて、飲料容器または注出コック20が破損するおそれがない。このようなビールディスペンサ10においては、図5に示すように、板金製によるガード部材46Aとしてもよく、このようにしたときにも、上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【0027】
また、ガード部材46は上縁支持部材44を介して傾動基板41に着脱可能に取り付けられている。ガード部材46を取り外すときには、上縁支持部材44の前面下部と係止している取付部46aの下部を下方から上縁支持部材44の後面側に引っ張れば、ガード部材46を上縁支持部材44から容易に取り外すことができる。このように、注出コック20から飲料容器に注ぎ出されるビールが跳ね返ってガード部材46に付着したときに、ガード部材46を上述したように取り外して洗浄すれば、ガード部材46を容易に清潔に保つことができる。また、ガード部材46はワイヤ部材を折り曲げて形成したので、飲料容器の上側での表面積を小さくでき、注出コック20から飲料容器に注ぎ出されたときに跳ね返る飲料が付きにくくなるとともに、飲料が付着しても洗浄が容易となる。
【0028】
また、ガード部材46はワイヤ部材を折り曲げ形成したものであるので、ガード部材46を目立たないようにすることができ、ビールディスペンサ10の美観を損ねることがなく、ガード部材46によって利用者に圧迫感を与えることがない。さらに、ガード部材46をワイヤ部材にしたことで、材料費を低く抑えることができ、容器受台装置40は必要以上に重くならなくて、受台傾動装置50により傾動させるのに大きなモータを用いることがない。また、ガード部材46を弾性変形可能なワイヤ部材にしたことで、飲料容器を各受台42、43に載置するときに、飲料容器がガード部材46にぶつかって破損するおそれが少なくなる。
【0029】
このようなビールディスペンサ10においては、図6に示すように、ガード部材46Bの突出部46Bbの前後方向の長さを受台42、43の前後方向の長さと略同一の長さまたはそれより長くしてもよい。このようにしたときには、受台42、43には注出コック20の下側以外に所定高さ以上の飲料容器を載置できなく、飲料容器を例えば受台42、43の前端部に誤って載置することを防ぐことで、容器受台装置40を傾動させたときに飲料容器が受台42、43から落下することを防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
10…飲料ディスペンサ、11…装置本体、20…注出コック、40…容器受台装置、41…傾動基板、42、43…受台(上段受台、下段受台)、46、46A、46B…ガード部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の前面上部に設けられた注出コックと、
前記注出コックの下側に設けられてその上端部が前記装置本体の前面に傾動可能に軸架された傾動基板と、この傾動基板の前側に取り付けられて前記注出コックから注出される飲料を受ける飲料容器を載置する受台とを有する容器受台装置とを備え、
前記容器受台装置の傾動基板の下端部を前方に押し上げることで前記受台に載置した飲料容器を傾斜姿勢にした状態で前記注出コックから飲料を注出するようにした飲料ディスペンサにおいて、
前記容器受台装置は、前記傾動基板の上端部に前方に突出して設けられて所定高さ以上の前記飲料容器を前記注出コックの下側で前記受台に載置することを妨げるガード部材を備えたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料ディスペンサにおいて、
前記ガード部材は前記傾動基板に着脱可能に取り付けられたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の飲料ディスペンサにおいて、
前記ガード部材はワイヤ部材よりなることを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の飲料ディスペンサにおいて、
前記ガード部材の前後方向の長さを前記受台の前後方向の長さ以上としたことを特徴とする飲料ディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−101811(P2012−101811A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250183(P2010−250183)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】