説明

飲料マシンの耐振性水タンク

使用中に振動する飲料調製モジュール2、特に、カプセルに含まれている予め小分けにされた材料のような香味材料中に液体を循環させることにより飲料を調製するためのモジュールと、液体を貯蔵し該液体を飲料調製モジュールに供給するためのリザーバ4とを備える飲料調製マシン1。飲料調製モジュールとリザーバは、飲料調製モジュールからリザーバに振動が伝播することを抑制または防止するための振動遮断用の機械的な連結部3、45、291、431によって連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体リザーバを備えた飲料調製マシン、特に、液体を循環させるためのポンプを含むマシンの騒音および/または不快要素の削減に関する。
【0002】
本明細書において、「飲料」は、茶、コーヒー、熱いまたは冷たいチョコレート飲料、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液状食品を含むこと意図している。「カプセル」は、封入容器内に予め小分けにされた任意の飲料材料を含むことを意図している。ここで、封入容器は、例えばプラスチック製容器、アルミニウム製容器、再利用可能容器および/または生分解可能容器、特に密閉容器など、任意の材料からなり、飲料材料を含有する軟質のポッドもしくは硬質のカートリッジを含む任意の形状かつ構造からなる。
【背景技術】
【0003】
飲料調製マシンは長年にわたり公知である。例えば、米国特許第5,943,472号明細書は、エスプレッソマシンの水リザーバと温水分配室または蒸気分配室との間の水循環システムについて開示している。この循環システムは、バルブ、金属製の加熱管と、ポンプとを含み、これらは互いに連結され、かつリザーバに連結されている。
【0004】
飲料マシンに適したポンプが、例えば、米国特許第2,715,868号明細書、米国特許第5,392,694号明細書、米国特許第5,992,298号明細書、米国特許第6,554,588号明細書、国際公開第2006/032599号パンフレット、国際公開第2009/024500号パンフレット、国際公開第2009/150030号パンフレットおよび国際出願PCT/EP09/058562号明細書に開示されている。
【0005】
かかる飲料調製マシンの問題には、使用中に、例えば飲料調製マシン中に水を循環させるポンプにより発生する振動に関するものがある。そのような振動は、飲料調製マシン全体に伝播する傾向があり、不快な騒音を発生させるおそれがある。そのような振動するマシンに起因する不快要素を低減するため、上述の先行技術に開示されるように、マシンの振動が減衰され、使用時、マシンが置かれた面に伝播する振動の量が減少するように、マシンにおいてポンプに弾性支持体を使用すること、およびマシンの下に弾性足を取り付けることが公知である。上記の先行技術に開示されるように、ポンプによって発生した不快要素を、飲料調製工程時、ポンプの動力を適切に制御することにより低減することも公知である。
【0006】
しかし依然として、使用中に振動する構成要素を含む飲料調製マシンにより発生する騒音および不快要素を削減する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の好ましい目的は、使用中に振動する1つ以上の構成要素、特に往復動ピストンポンプのような振動ポンプを有する飲料調製マシンにより発生する騒音および/または不快要素を削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、
使用中に振動する飲料調製モジュール、特に、カプセルに含まれている予め小分けにされた材料のような香味材料(flavouring ingredient)中に液体を循環させることにより飲料を調製するためのモジュールと、
飲料調製モジュールに液体を貯蔵し供給するためのリザーバと
を備える飲料調製マシンに関する。
【0009】
飲料調製モジュールは、使用中に振動するポンプ、特に、リザーバから飲料調製モジュールの飲料流出口に液体を循環させるためのポンプを含んでもよい。ポンプは往復動ピストンポンプまたはロータリーポンプであってもよい。
【0010】
例えば、マシンは、例えば家庭または職場において、主要部に電気的に接続することができる自己内蔵型の卓上型マシンのような、コーヒー調製マシン、茶調製マシン、チョコレート飲料調製マシンまたはスープ調製マシンである。特に、マシンは、材料処理機構内において、湯または冷水もしくは別の液体をカプセルに通過させることによって飲料を調製するために配置される。このカプセルには、挽いたコーヒーまたは茶またはチョコレート飲料またはカカオまたはミルク粉末のような調製されるべき飲料の材料が含まれている。
【0011】
例えば、調製マシンは、1つ以上の液体リザーバと、液体循環回路と、ヒータと、ポンプと、材料カプセルを受け取って抽出し、抽出と同時にカプセルを排出するように配置された飲料調製ユニットとを備える材料処理機構と、調製ユニットからカプセルが排出されるシート部に通じる開口部を有するハウジングと、シート部に排出され、入れ物に満杯のレベルまで入ったカプセルを収集するための収納スペースを形成する空洞を有する入れ物とを備える。入れ物はカプセルを収集するためにシート部に挿入可能であり、かつ収集したカプセルを空にするためにシート部から取り外し可能である。そのような材料処理機構の例は、国際公開第2009/074550号パンフレット、国際公開第2009/130099号パンフレットおよび国際出願PCT/EP09/053139号明細書に開示されている。
【0012】
飲料調製モジュールは以下の構成要素のうちの1つ以上を備えてもよい。
a)この飲料の材料、特に、カプセル内に供給された予め小分けにされた材料を受けるための、および水などの流入する液体を前記材料中から飲料流出口まで案内するための淹出ユニット、
b)サーモブロックのような、淹出ユニットに供給されるべきこの液体の流れを加熱するためのインラインヒータ、
c)インラインヒータにこの液体を押し出すためのポンプ、
d)この液体を液体のタンクのような液体の源から飲料流出口に案内するための1つ以上の流体連結部材、
e)インターフェースを介して使用者から命令を受け取るための、およびインラインヒータおよびポンプを制御するための、特にプリント回路基板(PCB)を備える電気制御ユニット、
f)淹出ユニット、インラインヒータ、ポンプ、液体リザーバ、材料収集部の特性から選択される少なくとも1つの動作特性と、この液体の流れと、この液体の圧力と、この液体の温度 を検出するための、およびそのような特性(複数)を制御ユニットに伝達するための1つ以上の電気センサ。
【0013】
ヒータはサーモブロックまたはオンデマンドヒータ(ODH)、例えば、欧州特許第1 253 844号明細書、欧州特許第1 380 243号明細書および欧州特許第1 809 151号明細書に開示される種類のODHであってもよい。
【0014】
本発明によれば、飲料調製モジュールとリザーバは振動遮断用の機械的な連結部により連結される。振動遮断用の機械的な連結部は、飲料調製モジュールからリザーバに振動が伝播することを抑制または防止する。
【0015】
したがって、例えば、テーブルまたは棚の上に、もしくは食器棚または同様の支持物、特に、略平坦および水平の支持部の中にまたは上に置かれているマシンの動作配置は、使用中、振動している飲料調製モジュールと液体リザーバ間のあらゆる振動を伝播する剛的な連結を避けるためである。特に、マシンは、振動モジュールからリザーバまで延び、そのような振動をリザーバに伝達する剛性のあるシャーシまたは基部を備えない。さらに、マシンは、使用中、振動をリザーバに伝達するおそれのある、飲料調製モジュールにリザーバを固定する剛性のある固定手段を有しない。
【0016】
したがって、液体リザーバ、例えば水タンクは、飲料調製モジュールに起因する振動から全体的に保護される。リザーバが振動および関連する騒音を伝達または増強することを抑制することになる。飲料調製マシンの全体的な騒音および振動レベルは、したがって、低減される。
【0017】
液体リザーバは、使用中、それが飲料調製モジュールから独立して支持部上に置かれるように設計することができる。モジュールからリザーバに振動が伝播することを避けるため、液体リザーバと飲料調製モジュールの間の境界面に弾性があり、例えば、シリコーンで作られていてもよい。
【0018】
一般に、振動遮断用の機械的な連結部は、飲料調製モジュールからリザーバまで延びる流体循環路を有する。また、振動遮断用の機械的な連結部は、流体循環路を介して飲料調製モジュールからリザーバに振動が伝播することを防止または抑制する弾性部分を有する。リザーバは弾性部分において飲料調製モジュールから分離可能とすることができる。
【0019】
飲料調製モジュールは、液体注入口を備えた流体コネクタを有してもよい。リザーバは液体流出口を備えた流体コネクタを有することができる。モジュールのコネクタとリザーバのコネクタはリザーバをモジュールと流体連通にするために分離可能に連結可能である。例えば、モジュールの流体コネクタはリザーバのためのドッキングステーションを形成する。特に、ドッキングステーションは、モジュールをリザーバとともに持ち上げるか、動かす際に、リザーバを支持するように配置されている。
【0020】
モジュールの流体コネクタは、特に、例えば環状の弾性部材により形成される弾性境界面を介してリザーバに接触してもよい。弾性境界面は、流体循環路を介して飲料調製モジュールからリザーバに振動が伝播することを防止または抑制する。
【0021】
一実施形態において、リザーバは足部を有する。足部は、テーブル上部のような、使用中、飲料調製モジュールに固定されない外部支持部に載るように配置されている。特に、外部支持部は飲料調製マシンとは別個のものである。飲料調製モジュールは、一般に、特にゴム足および/またはバンパのような1つ以上の振動減衰部を有する底部を有する。この振動減衰部は、使用中、前記外部支持部上に載るように配置されている。したがって、リザーバの重量が飲料調製モジュールに載らないため使用中に振動しない。
【0022】
飲料調製マシンは、通常、リザーバと飲料調製モジュールとの間に連結機構、特に、フックおよびフックリテーナ機構のような固定機構を備える。この連結機構は、使用中、飲料調製モジュールに対してリザーバを配置するため、および/またはモジュールを持ち上げるか、動かす際に、リザーバを飲料調製モジュールに吊すためおよび/またはしっかりと固定するために使用してもよい。前記連結機構は、使用中、飲料調製モジュールからリザーバに振動が伝播することを防止または抑制するように構成される。
【0023】
この連結機構は、リザーバおよび/または飲料調製モジュールに対して関節式に連結し、そのため飲料調製モジュールからリザーバに振動が伝播することを防止するように可動可能な機構を備えてもよい。この連結機構は、リザーバおよび/または飲料調製モジュールに固定された機構を備えることができる。この連結機構は、使用中、飲料調製モジュールがリザーバに対して自由に動くことができるように、およびモジュールを動かす際にリザーバを飲料調製モジュールにしっかりと固定するように構成される。したがって、動作配置において、連結機構は飲料調製モジュールをリザーバに強固に連結せず、モジュールからリザーバに振動が伝播することを抑制するか、防止する。
【0024】
飲料調製モジュールは、一般に、最も外側のハウジングに収容される。最も外側のハウジングは、飲料前部流出口の反対側にある後壁または飲料前部流出口に隣接する側壁のような少なくとも1つの直立壁を備える。リザーバは前記直立壁に隣接して配置される。使用中、飲料調製モジュールが動かされ、リザーバに対する飲料モジュールの自由相対運動が可能な場合、最も外側のハウジングとリザーバ、特にリザーバの上部は、リザーバをハウジングに固定するためのインタロック機構を有してもよい。
【0025】
ここで概略図を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による飲料調製マシンの飲料調製モジュールおよびリザーバの全体斜視図である。
【図2】図1の飲料調製マシンの飲料調製モジュールに結合されたリザーバの斜視図である。
【図3】図2に示すリザーバおよび結合された飲料調製モジュールの断面斜視図である。
【図4】図1〜図3に示すリザーバ用モジュールのドッキングステーションの断面斜視図である。
【図5】飲料調製マシンの飲料調製モジュールとリザーバの間の機械的な連結機構を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜図5は、本発明による飲料調製マシン1およびその部品の一実施形態を示す。この飲料調製マシン1は、特に、カプセルに含まれている予め小分けにされた材料のような香味材料中に液体を循環させることにより飲料、例えば茶または挽いたコーヒーを調製するためのマシンである。マシン1はテーブル1’の上面に置かれた状態で示される。マシン1は電気的に駆動し、電気コード35により主要部に連結される。
【0028】
マシン1は、使用中に振動する飲料調製モジュール2と、水などの液体を貯蔵し、飲料調製モジュールに供給するためのリザーバ4と含む。
【0029】
モジュール2は、ポンプおよびヒータを備えた流体回路と、淹出ユニット22と、制御ユニットのようなモジュールの機能ユニットを収容するハウジング21を有する。ここで制御ユニットは、例えば押ボタンを含むユーザインターフェース23に連結されている。淹出ユニット22の前部は、カプセル装填/非装填用の開位置からカプセル抽出用の閉位置までハウジング21に抜き差し自在になるように構成してもよい。図1に示すような装填/非装填位置では、材料カプセルを、カプセル入口24から淹出ユニット22に投入することができ、淹出ユニット22から使用済みカプセルのための収集部25に排出することができる。淹出ユニット22を開位置から閉位置に動かすために、すなわち、淹出ユニットの前部をハウジング21から抜き差しするために、使用者が操作可能なハンドル26が設けられる。
【0030】
さらに、淹出ユニット22の前部はカップ支持部28上方に配置される飲料流出口27に通じている。カップ支持部28は、収集部25と、カップ支持部28と、ドリップトレーを、ユニットとしてハウジング21から取り外すことができ、かつハウジング21に挿入することができるように、使用済みカプセル収集部25の下のドリップトレーに連結してもよい。カップ支持部28は、図1に示すような、小さなカップを流出口27の下に支持するための水平構成と、大きなカップを流出口27の下に置く方法を提供するための直立構成(図示せず)との間を旋回可能になるように旋回自在に取り付けてもよい。そのような旋回可能なカップ支持部および変形形態は欧州特許第1 867 260号明細書により詳細に開示され、その内容が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0031】
この種の飲料調製マシンは国際公開第2009/043630号パンフレットおよび国際出願PCT/EP09/053139号明細書により詳細に記載されている。
【0032】
リザーバ4は、水またはおそらくは別の液体、特に保守工程のための作業用液体を貯蔵するために配置される。リザーバ4はハウジング21に隣接して、特に、ハウジング21の直立壁29に隣接して配置される。図1〜図3に示すように、直立壁29は飲料流出口27と逆側の後壁である。一変形形態において、液体リザーバはモジュールのハウジングの側壁、例えばサイドパネル29’に隣接して配置してもよい。
【0033】
リザーバ4は、直立したリザーバ壁43にヒンジ42により旋回自在に取り付けられた蓋41を有する。モジュール2の後壁29はリザーバ壁43に面する。さらに、蓋41はリザーバ4の縁44上に載っている。
【0034】
本発明によれば、飲料調製モジュール2とリザーバ4は、モジュール2からリザーバ4に振動が伝播することを抑制または防止するための振動遮断用の機械的な連結部(3、45、291、431)によって連結されている。したがって、振動遮断用の機械的な連結部は、この連結部を介して振動が伝播することを防止する、またはそのような伝播を少なくとも大幅に抑制してリザーバ4をこれらの振動から保護する。
【0035】
この振動遮断用の機械的な連結部は、流体循環路31、46と結合する第1の連結部3、45を備える。流体循環路31、46は、飲料調製モジュール2からリザーバ4まで延び、かつ減衰弾性部分32を備える。例えばゴムまたはシリコーンで作られている減衰弾性部分32は、流体循環路31、46を介して飲料調製モジュール2からリザーバ4に振動が伝播することを防止または抑制する。
【0036】
図3および図4により詳細に示すように、第1の機械的な連結部3、45は、飲料調製モジュール2から延びる液体注入口3aを備えたドッキングステーション3と、リザーバ4から、特にその底部43aから延びる流出口機構45とを備える。流出口機構45は、垂直に移動可能なプラグ45aを備えたバルブ45a〜45dを含む。垂直に移動可能なプラグ45aは、(リザーバ4がドッキングステーション3から取り外されている場合)ばね45bによってその閉位置に押し動かされる。ばねは、例えば、プラグ45aの周りに軸方向に延びる弦巻ばねである。流出口45を密閉するため、プラグ45aが、シール部45c、特にOリング型のシール部を支える。シール部45cは、ばね45bの効果の下、流出口45の周壁45dに対して押し付けられる。流入口3aは流体路31の弾性部分32に取り付けられたカウンタプラグ33と結合している。カウンタプラグ33は、フィルタとして機能する穴のあいた基部33aと、プラグ45aと協働する直立部材33bとを有する。
【0037】
リザーバ4がドッキングステーション3上に取り付けられ、流出口機構45が流入口3aに連結し、流入口3aから分離可能である場合、直立部材33bを備えたカウンタプラグ33がプラグ45aを押し上げ、それによりシール部45cが壁45dから離れ、液体のための通路を形成する。この液体は、リザーバ4の底部から、流出口45および流入口3aを通り、フィルタ基部33a中の流体路31、46を通って流れる。
【0038】
リザーバ4は足部43bを有する。足部43bは、外部支持面1’上、例えばテーブルまたは棚の上に載り、リザーバ4の底部43aとドッキングステーション3の上部34上に間隔をあける。その使用配置、すなわち、飲料を調製するために飲料調製マシンを動作する通常配置において、底部43aは上部34上にわずかな距離をあけて配置してもよい。わずかな距離とは、すなわち、使用中、ドッキングステーションが飲料調製モジュール2とともに振動している場合、上部34と底部43aが接触するのを防止するのに十分な距離である。その距離は、例えば、0.5mm〜2mmの範囲、3mmまたは5mmである。
【0039】
したがって、使用中、リザーバ4は流入口3aおよび流出口45のみを介してドッキングステーション3に接触する。具体的には、流入口3aの弾性部分32が流出口45の周壁45dの底部を囲み、周辺部分32に取り付けられたカウンタプラグ33が、流出口45のばね45bに取り付けられたプラグ45aに向かって押し動かされる。リザーバ4は、ドッキングステーション3を介して、飲料調製モジュール2からリザーバ4に振動が伝播することを防止または抑制する弾性的に変形可能な部分のみを通じて飲料調製モジュール2に接触することになる。特に、リザーバ4は、流体循環路31、46を介した飲料調製モジュール2への接触部を含む。この接触部は、そのような振動の伝播を防止または抑制するために弾性的に変形可能な部分を有する。他の振動遮断接触部を、特に安定化/位置決め目的のために、調製モジュール2とリザーバ4の間に設けてもよい。
【0040】
例えば、飲料調製マシン1を動かすために、ドッキングステーション3を備えた飲料調製モジュール2を持ち上げる場合、上部34が底部43aと接触し、リザーバ4を持ち上げる。それにより、足部43bが外部表面1’と接触しなくなる。したがって、飲料調製マシン1を持ち上げ、動かす際、リザーバ4を支持するためにドッキングステーション3を使用することができる。
【0041】
図1〜図5に示す特定の実施形態では、電気コード35が、ドッキングステーション3を介して、マシン1に、特にマシン1の飲料調製モジュール2に連結され、リザーバ4の下において足部43bに隣接して主要部まで延びる。しかしながら、飲料調製マシンの電気連結をマシンの他の場所に設けてもよい。飲料調製マシン1を持ち上げる際、リザーバ4下のドッキングステーション3から延びるコード35はリザーバ4の妨げにならない。
【0042】
外部支持面1’に、特に支持面1’を介してリザーバ4に振動が伝播することを抑制するために、飲料調製モジュール2は振動減衰部29aを備えた底部29’’を有する。振動減衰部29aは、使用中、外部支持面1’の上に載るように配置されたゴム足および/またはバンパである。
【0043】
さらに、図5に断面で概略的に示すように、飲料調製モジュール2とリザーバ4は第2の振動遮断連結部291、431により連結される。リザーバ4の壁43は、例えば壁43と一体的な、または壁43に組み付けられる、外側に向かって突出するフック部材431を有し、このフック部材431は壁43に隣接するモジュールの壁29のフックリテーナ部291と協働する。モジュールの壁29は、フック部材431の通過を可能にするための開口部292を有し、これは破線で示される。壁29の、開口部292の下にあり、かつ開口部292に隣接する部分291がモジュール2においてフックリテーナ機構を形成する。
【0044】
したがって、飲料マシン1は、リザーバ4と飲料調製モジュール2の間に、これら2つの部品を互いに固定するための連結機構291、431を有する。
【0045】
通常動作時、すなわちマシン1が外部支持面1’に置かれているとき、飲料調製モジュール2の振動が壁29およびフック431を介してリザーバ4に伝播することができないように、フック431とフックリテーナ291を備えた壁29は互いに接触していない。この場合、フック431およびフックリテーナ291は、リザーバ4をドッキングステーション3上に適切に取り付け、かつ位置決めするための案内部として使用される。また、フック431およびフックリテーナ291は、例えば、外部支持面1’および/または飲料マシン1が誤って揺動された場合に、リザーバ4がステーション3から不要に分離することを防止するために使用される。
【0046】
飲料調製モジュール2が持ち上げられると、足部43bが外部支持面1’によって支持されなくなり、底部43aがドッキングステーション3上において離間せず、底部43aはドッキングステーション3の上面34により支持される。さらに、フック431がフックリテーナ291と接触し、フックリテーナ291の上に載るように、フックリテーナ291はフック431に対して上にスライドする。例えば、飲料調製マシン1を動かすための配置では、リザーバ4が、ドッキングステーション3により支持されることにより、および連結フック機構291、431により飲料調製モジュール2に吊されることにより安全に固定される。
【0047】
一変形形態において、図5に示すような、リザーバおよび飲料調製モジュールのハウジングに固定的に結合されたフックおよびフックリテーナを有する代わりに、使用中、飲料調製モジュールがリザーバに対して自由に動くことができるように、およびモジュールを動かす場合にリザーバを飲料調製モジュールにしっかりと固定するように構成される関節式に連結されたフック機構を使用することが可能である。
【0048】
一般に、前記連結機構291、431は、飲料調製モジュール2に連結されるリザーバ4の最適な安定性を確保するために、リザーバ4の上半分、上3分の1、上4分の1またはさらに上端部に配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中に振動する飲料調製モジュール(2)、特に、カプセルに含まれている予め小分けにされた材料のような香味材料を通して液体を循環させることにより飲料を調製するためのモジュールと、
液体を貯蔵し、該液体を前記飲料調製モジュールに供給するためのリザーバ(4)と
を備える飲料調製マシン(1)において、
前記飲料調製モジュールと前記リザーバが、前記飲料調製モジュールから前記リザーバに振動が伝播することを抑制または防止するための振動遮断用の機械的な連結部(3、45、291、431)によって連結されていることを特徴とする、飲料調製マシン(1)。
【請求項2】
前記振動遮断用の機械的な連結部が、前記飲料調製モジュール(2)から前記リザーバ(4)まで延びる流体循環路(31、46)と、前記飲料調製モジュールから前記リザーバに、前記流体循環路を介して振動が伝播することを防止または抑制する弾性部分(32)とを備える、請求項1に記載の飲料調製マシン。
【請求項3】
前記リザーバ(4)が前記弾性部分(32)において前記飲料調製モジュール(2)から分離可能である、請求項1または2に記載の飲料調製マシン。
【請求項4】
前記飲料調製モジュール(2)が液体注入口(3a)を備えた流体コネクタ(3)を有し、前記リザーバ(4)が液体流出口(45)を備えた流体コネクタ(45d)を有し、前記リザーバが前記飲料調製モジュールと流体連通するように、前記モジュールの前記コネクタと前記リザーバの前記コネクタが分離可能に連結可能である、請求項2または3に記載の飲料調製マシン。
【請求項5】
前記飲料調製モジュール(2)の前記流体コネクタ(3)が前記リザーバ(4)のためのドッキングステーションを形成する、請求項4に記載の飲料調製マシン。
【請求項6】
前記飲料調製モジュール(2)を前記リザーバとともに持ち上げるか、動かす際に、前記ドッキングステーション(3)が前記リザーバ(4)を支持する、請求項5に記載の飲料調製マシン。
【請求項7】
前記飲料調製モジュール(2)の前記流体コネクタ(3)が、前記流体循環路(31、46)を介して前記飲料調製モジュールから前記リザーバに振動が伝播することを防止または抑制する弾性境界面(32)を介して前記リザーバ(4)に接触する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項8】
前記リザーバ(4)が、使用中、前記飲料調製モジュール(2)に固定されていないテーブル上部のような外部支持部(1’)上に載るように配置された足部(43b)を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項9】
前記飲料調製モジュール(2)が、特に、使用中、前記外部支持部(1’)の上に載るように配置されたゴム足および/またはバンパのような1つ以上の振動減衰部(29a)を有する底部(29’’)を有する、請求項8に記載の飲料調製マシン。
【請求項10】
使用中、前記リザーバを前記飲料調製モジュールに対して位置決めするため、および/または
前記モジュールを持ち上げるか、動かす際、前記リザーバを前記飲料調製モジュールに吊すため、および/または固定するための、前記リザーバ(4)と前記飲料調製モジュール(2)の間の連結機構(291、431)、特に、フックおよびフックリテーナ機構のような固定機構を備え、
前記連結機構が、使用中、前記飲料調製モジュールから前記リザーバに振動が伝播することを防止または抑制するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項11】
前記連結機構が前記リザーバおよび/または前記飲料調製モジュールに対して関節式に連結された機構を備えるため、前記飲料調製モジュールから前記リザーバに振動が伝播することを防止するように可動可能である、請求項10に記載の飲料調製マシン。
【請求項12】
前記連結機構が、前記リザーバ(4)および/または前記飲料調製モジュール(2)に固定された機構(291、431)を備え、
前記機構が、
使用中、前記飲料調製モジュールが前記リザーバに対して自由に動くことができるように、および
前記モジュールを動かす際、前記リザーバを前記飲料調製モジュールにしっかりと固定するように
構成されている、請求項10または11に記載の飲料調製マシン。
【請求項13】
前記飲料調製モジュール(2)が、飲料前部流出口(27)と逆側にある後壁または飲料前部流出口に隣接する側壁のような少なくとも1つの直立壁(29)を有する最も外側のハウジング(21)を備え、前記リザーバ(4)が前記直立壁に隣接して配置された、請求項1〜12のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項14】
前記最も外側のハウジング(21)および前記リザーバ(4)、特に前記リザーバの上部が、前記飲料調製モジュール(2)が移動される際に前記リザーバを前記ハウジングに固定するためのインタロック機構(291、431)を有し、使用中、前記飲料モジュールが前記リザーバに対して自由に相対的に動くことができる、請求項13に記載の飲料調製マシン。
【請求項15】
前記飲料調製モジュール(2)が、使用中に振動するポンプ、特に、前記リザーバ(4)から前記飲料調製モジュールの飲料流出口(27)まで液体を循環させるためのポンプを備える、請求項1〜14のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−516254(P2013−516254A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547496(P2012−547496)
【出願日】平成23年1月3日(2011.1.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050022
【国際公開番号】WO2011/083103
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】