説明

飲料供給装置

【課題】タンクからの希釈液の流出速度が不適切であることを低コストで判別可能な飲料供給装置を提供する。
【解決手段】飲料を調理するための希釈液が流入する流入口と希釈液が流出する流出口とを有するタンクと、飲料を調理する調理機構と、飲料を調理する場合、流出口から流出する希釈液を調理機構へ供給する配管と、を備えた飲料供給装置であって、希釈液が流出口から配管へ流出するときの、タンク内の希釈液の液面レベルが第1レベルから第2レベルへ下降するまでの累積時間を計時する計時部と、累積時間と所定時間とを比較し、累積時間が所定時間を超えた場合、希釈液の流出速度が不適切であると判別する判別部と、を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内部の希釈液を流出させ、この希釈液を用いて飲料を調理して供給する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料供給装置には、タンク内部の希釈液を例えばポンプで流出させ、この希釈液を用いて飲料を調理して供給するものがある。例えば、湯タンクからポンプで湯を1杯分流出させ、この湯を用いてレギュラーコーヒーを調理して1杯のホットコーヒーとして供給するものがある。或いは、レギュラーコーヒーを数杯分調理したら冷却タンクに移し替えて、この冷却タンクから1杯のアイスコーヒーを供給するものがある。
【0003】
例えば湯タンクを備えた飲料供給装置の具体的な構成例について述べる(例えば、特許文献1参照。)。先ず、飲料供給装置の湯タンクには、供給元から開閉弁を介して給水が行われる。また、飲料供給装置は、湯タンクからポンプで所定量の湯を流出させるべく、ポンプの動作時間を計時するタイマを備えている。更に、飲料供給装置は、湯タンクの湯面レベルを所定レベルに保持するためのいわゆる高水位スイッチを備えている。例えば、湯タンクに給水する際、高水位スイッチがオフ状態からオン状態となるとき、開いていた開閉弁を閉じるようになっている。
【0004】
前述した飲料供給装置が例えばホットコーヒーを供給する場合、タイマで計時される所定時間だけポンプが動作して、湯タンクから配管を通じてレギュラーコーヒー抽出装置へ1杯分の湯が流出する。また、飲料供給装置がアイスコーヒーを予め数杯分調理する場合も同様であり、この場合、前記所定時間が湯量数杯分に相当するように設定される。
【0005】
尚、一般に、タンク内部の希釈液は、例えばこの希釈液の自重により流出する場合もある。この場合、希釈液の供給量は、例えばタンクに設けられた開閉弁の開放時間に基づいて制御される。
【特許文献1】特開平3−67394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述した飲料供給装置では、その使用時間の経過とともに、ポンプや配管等の内面にスケール(scale)が溜まるとされている。スケールとは、湯や水等の中に溶解している物質が種々の原因で金属等の表面に析出した析出物を意味する。ポンプや配管等の内面にスケールが溜まると、そのコンダクタンスが減少するため、湯タンクから流出する湯の流量(流出速度)が減少する。
【0007】
前述した飲料供給装置では、例えば1杯分の湯量は、流量が一定であるという前提の下でポンプの動作時間により制御されている。このため、もし流量が減少した場合、同じポンプの動作時間では1杯分の湯量が減少してしまうという問題が生じる。このスケールの滞留は化学的な現象であるが故に、ポンプや配管等のコンダクタンスが時間とともにどのように減少していくかを把握することは困難である。このため、例えば1杯分の湯量が許容レベル未満となる時期を予測することも困難となる。よって、前述した飲料供給装置では、1杯分の湯量が許容レベル未満となる事態が、予測できずに突然起こる虞がある。この場合、例えばレギュラーコーヒーであれば、濃くなってしまう等、飲料の品質の低下を招く虞もある。
【0008】
一方、例えば1杯分の湯量を所定量に維持するために、配管にいわゆる流量計を設けてこの流量計の計測結果の累積が所定量となるようにポンプを動作させる方法もあるが、タイマのみで湯量を制御している前述した飲料供給装置にとって、流量計を1つ増設することはコスト的に厳しいものがあるとされている。
【0009】
以上、湯を用いたレギュラーコーヒーの調理及び供給について述べたが、このような問題は一般の希釈液についても起こり得ることである。また、このような問題は、ポンプを使用しない飲料供給装置、例えば希釈液を自重により流出させ、その量を開閉弁の開放時間で制御する飲料供給装置についても起こり得ることである。
【0010】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タンクからの希釈液の流出速度が不適切であることを低コストで判別可能な飲料供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための発明は、飲料を調理するための希釈液が流入する流入口と前記希釈液が流出する流出口とを有するタンクと、前記飲料を調理する調理機構と、前記飲料を調理する場合、前記流出口から流出する前記希釈液を前記調理機構へ供給する配管と、を備えた飲料供給装置であって、前記希釈液が前記流出口から前記配管へ流出するときの、前記タンク内の前記希釈液の液面レベルが第1レベルから第2レベルへ下降するまでの累積時間を計時する計時部と、前記累積時間と所定時間とを比較し、前記累積時間が前記所定時間を超えた場合、前記希釈液の流出速度が不適切であると判別する判別部と、を備えてなる。
【0012】
この飲料供給装置によれば、計時部は、タンクにおける第1レベルと第2レベルとの間に相当する所定量(V)の希釈液が流出口から配管へ流出するために要する累積時間(T)を計時できる。ここで、Vが既知であれば、計時部によりTが計時されることは、流出速度V/Tが求められることと等価である。よって、所定時間を、例えば適切とされる流出速度の下限値に設定しておけば、判別部によりTが所定時間を超えたと判別されることは、その流出速度が不適切であると判別されることと等価となる。また、この飲料供給装置は、飲料を一定量供給するための周知のタイマや、液面レベルが一定レベル(第1レベル、第2レベル)であることを検知するための周知のセンサ等を、前述した計時部に適用することが可能である一方、例えば流量計等、流出速度を直接計測するための手段を必要としない。これにより、飲料供給装置の製造コストをこの流量計等の分だけ節減することができる。以上により、本発明の飲料供給装置によれば、タンクからの希釈液の流出速度が不適切であることを低コストで判別できる。
【0013】
また、かかる飲料供給装置において、前記配管から前記調理機構へ前記希釈液を供給するポンプ、を更に備え、前記計時部は、前記希釈液の液面レベルが前記第1レベルから前記第2レベルまで下降する間の、前記ポンプの累積運転時間を計時する、ことが好ましい。
【0014】
調理機構への希釈液の供給にポンプを用いる飲料供給装置の場合、このポンプ自体のコンダクタンスも例えば希釈液中のスケールにより低下する虞があるため、希釈液の流出速度の不適切性の判別が重要となる。よって、本発明の飲料供給装置は、このようなポンプを用いる飲料供給装置において好適である。
【0015】
また、かかる飲料供給装置において、前記希釈液の供給元と前記タンクの流入口との間に介在し、前記供給元から前記タンクへの前記希釈液の供給を許可又は禁止する開閉弁と、前記希釈液の液面レベルが前記第1レベルから前記第2レベルまで下降する間、前記開閉弁を閉状態とするための指示信号を発生する液面検出部と、前記指示信号に応じて前記開閉弁を開閉する制御部と、を更に備え、前記計時部は、前記開閉弁が閉状態である間の前記ポンプの累積運転時間を計時する、ことが好ましい。
【0016】
このように、液面レベルが第1レベルから第2レベルまで下降する間に希釈液を供給させないという指示が例えば液面検出部のヒステリシスによるものとすれば、タンクにおける第1レベルと第2レベルとの間に相当する前述した所定量(V)は、タンク及び液面検出部に特有の既知の量となる。従って、計時部によりTが計時されることは、流出速度V/Tが求められることと等価となる。
【0017】
また、かかる飲料供給装置において、前記判別部の判別結果に基づいて、前記希釈液の流出速度が不適切であることを示すアラームを発生するアラーム発生部、を備えたことが好ましい。
これにより、例えば、飲料供給装置が設置される店舗の店員等に対し、例えば配管の内部にスケールが許容レベルを超えて溜まったことをアラームにより通知し、配管等の洗浄作業を促すことができる。
【0018】
また、かかる飲料供給装置において、前記希釈液の流出速度が不適切であると前記判別部により判別された場合、前記飲料を所定量調理するために予め定められた前記ポンプの運転時間を、前記計時部により計時された累積運転時間と前記所定時間との差に応じて長くする算出部、を備えたことが好ましい。
これにより、例えば配管のコンダクタンスが減少して希釈液の流出速度が減少しても、この減少分に応じて希釈液の供給時間を長くすることにより、所定量の飲料を調理し供給し続けることができる。
【発明の効果】
【0019】
飲料供給装置におけるタンクからの希釈液の流出速度が不適切であることを低コストで判別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
===飲料供給装置===
図1乃至図3を参照しつつ、本実施の形態の飲料供給装置1の構成例について説明する。図1は、本実施の形態の飲料供給装置1の外観構成例を示す正面図である。図2は、本実施の形態の販売機構100の構成例を示す模式図である。図3は、本実施の形態の飲料供給装置1の制御を司る構成例を示すブロック図である。
【0021】
図1に例示されるように、本実施の形態の飲料供給装置1は、正面に入出力パネル15を有する本体10を備えて構成されている。この飲料供給装置1は、ホットのレギュラーコーヒー(ホットコーヒー)又はコールドのレギュラーコーヒー(アイスコーヒー)を供給する業務用の装置として、例えばレストランやファーストフード店等に設置されるものである。入出力パネル15には、ホットコーヒーを選択するためのホット選択釦15a及びアイスコーヒーを選択するためのアイス選択釦15bが設けられている。また、この入出力パネル15には、ポンプ131により流出する湯(希釈液)の流量(流出速度)等を表示するディスプレイ15c、湯の流量が許容レベル未満となったことを通知するためのブザー(アラーム)15d、ポンプ131や配管130等の洗浄が済んだときに例えば店員が押下する洗浄済釦15eが設けられている。
【0022】
本実施の形態の飲料供給装置1は、店員がホット選択釦15aを一度押下すると、図1における入出力パネル15の下部に設けられた供給管170からカップ2に1杯分のホットコーヒーが供給され、この店員がアイス選択釦15bを一度押下すると、供給管190からカップ2に1杯分のアイスコーヒーが供給されるようになっている。
【0023】
尚、飲料供給装置1の用途は前記に限定されるものではない。飲料供給装置1は、例えば、金銭投入口や金銭識別装置等が更に設けられて、一般の顧客に飲料を販売する自動販売機として用いられてもよい。
【0024】
図2に例示されるように、本実施の形態の販売機構100は、主として、給水管110、湯タンク120、配管130、ポンプ131、コーヒー抽出装置140、コーヒーミル150、及び供給管170を備えて、ホットコーヒーを調理して供給する機能を有している。また、この販売機構100は、更に、供給管160、アイスコーヒータンク180、供給管190、及びポンプ191を備えて、アイスコーヒーを調理して供給する機能を有している。ここで、本実施の形態では、湯タンク120には、これが満タンであることを検出するための高水位検出部123が設けられている。
【0025】
本実施の形態の給水管(供給元)110は、途中に電磁弁(開閉弁)110aが設けられており、例えば水道水を湯タンク120に給水するためのものである。即ち、電磁弁110aを開けると、湯タンク120に対し所定流量で給水されるようになっている。
【0026】
本実施の形態の湯タンク(タンク)120は、所定のヒータ(不図示)を備えた容器であり、例えば水道水を貯えるとともに、ヒータによりこれを所定温度まで加熱して保温する機能を有するものである。
【0027】
本実施の形態の配管130は、途中にポンプ131及び電磁弁130aが設けられており、湯タンク120からコーヒー抽出装置140へ給湯するためのものである。
【0028】
本実施の形態のコーヒー抽出装置(調理機構)140及びコーヒーミル150は、配管130からの湯を用いて、レギュラーコーヒーを調理するものである。コーヒー抽出装置140は、コーヒーミル150で生成された挽き豆と湯とを収容する所定のシリンダ(不図示)、シリンダ内の空間を密閉するための所定のピストン(不図示)、挽き豆及び湯からレギュラーコーヒーを抽出するための所定のフィルタ(不図示)等を備え、例えば特開平9−147229号公報に開示された周知のコーヒー抽出装置と同様の機能を有するものである。コーヒー抽出装置140からは、電磁弁170aが設けられた供給管170を通じて、カップ2に対しホットコーヒーが供給されるように構成されている。
【0029】
本実施の形態のアイスコーヒータンク180は、所定の冷却装置(不図示)を備えた容器であり、コーヒー抽出装置140から、電磁弁160aが設けられた供給管160を通じて供給されるレギュラーコーヒーを貯えるとともに、冷却装置によりこれを所定温度まで冷却して保冷する機能を有するものである。アイスコーヒータンク180からは、電磁弁190a及びポンプ191が設けられた供給管190を通じて、カップ2に対しアイスコーヒーが供給されるように構成されている。
【0030】
尚、図2の例示では省略されているが、本実施の形態のアイスコーヒータンク180には、後述する高水位検出部123と同様の構成を備えたいわゆる低水位検出部におけるアイスコーヒー面検知スイッチ240(図3)を備えている。このアイスコーヒー面検知スイッチ240は、アイスコーヒータンク180におけるアイスコーヒー面が、コーヒーの補給を必要とする下限レベル未満となったときにはじめてオン状態となるように構成されている。
【0031】
<<<高水位検出部>>>
図2に例示されるように、前述した高水位検出部(液面検出部)123は、湯タンク120に設けられて、この湯タンク120が満タンであることを検出するためのものである。ここで、「満タン」とは、湯タンク120において湯面レベルが、これ以上給水しない予め定められたレベル(高水位レベル)に達していることを意味する。本実施の形態の高水位検出部123は、主として、回動体121及びマイクロスイッチ122を備えて構成されている。
【0032】
回動体121は、図2における湯タンク120の上部に設けられた軸121dの周りに回動可能に軸支される(図2の例示では屈曲した)棒形状をなす棒体121bと、棒体121bにおける軸121dと反対側に設けられて湯面に浮くフロート121aと、棒体121bにおける軸121d側に形成されてマイクロスイッチ122のレバー122bを押下するべく扇形状をなす扇体121cとを備えて構成されている。
【0033】
マイクロスイッチ122は、主として、スイッチボックス122aと、このスイッチボックス122aに一端部が回動自在に固定されたレバー122bとを備え、例えば実用新案登録第3107551号公報に開示された周知のマイクロスイッチと同様の機能を有するものである。スイッチボックス122aの内部には、このスイッチボックス122aに対しレバー122bの他端部が開く方向にバネ付勢されたスイッチ(不図示)が設けられている。そして、スイッチボックス122aに対しレバー122bの他端部がバネ付勢に抗して閉じることにより内部のスイッチがオン状態となる一方、スイッチボックス122aに対しレバー122bの他端部がバネ付勢で開くことにより内部のスイッチがオフ状態となるように構成されている。
【0034】
以上の構成から、本実施の形態では、湯タンク120において湯面レベルが満タンに満たないレベルから満タンのレベルに達すると、フロート121aが上昇する一方、扇体121cがレバー122bを押下してスイッチボックス122aの内部のスイッチをオフ状態からオン状態とするようになっている。本実施の形態では、マイクロスイッチ122がオン状態の場合、このマイクロスイッチ122aは後述する制御部200に対し電磁弁110aを閉状態とするための指示信号を発生しているものとする。
【0035】
また、本実施の形態のマイクロスイッチ122は、湯タンク120の湯面レベルが満タンのレベル(L1、第1レベル)から下降する場合、所定のレベル(L2、第2レベル)に達してはじめて、スイッチボックス122aの内部のスイッチがオン状態からオフ状態となるいわゆるヒステリシスを有するものとする。このL1は、湯タンク120の容量及び形状並びにマイクロスイッチ122の性能に応じたものとなる。
【0036】
尚、図2に例示されるように、本実施の形態の回動体121は、湯タンク120における湯面レベルの下降にともなって、軸121dの周りに前述と逆の方向に回動し、この湯面レベルが、給水の必要な予め定められたレベル(低水位レベル)に達したとき、マイクロスイッチ124を押下するように構成されている。このマイクロスイッチ124は、前述したマイクロスイッチ122と同様の構成を備えるものである。つまり、本実施の形態の回動体121は、マイクロスイッチ124とともに、いわゆる低水位検出部を構成するものである。
【0037】
<<<飲料供給装置の制御>>>
図3に例示されるように、本実施の形態の飲料供給装置1は、制御を司る構成として、主として、制御部200と、入出力パネル15と、販売機構100と、タイマ210と、マイクロスイッチ122と、ROM220と、RAM230と、アイスコーヒー面検知スイッチ240とを備えている。
【0038】
制御部(計時部、判別部、制御部、アラーム発生部、算出部)200は、前述した入出力パネル15、前述した販売機構100、前述したマイクロスイッチ122、前述したアイスコーヒー面検知スイッチ240、タイマ210、ROM220、及びRAM230を統括制御してホットコーヒー又はアイスコーヒーを供給するとともに、後述する流出速度が不適切であることを判別する機能を有するものである。
【0039】
タイマ(計時部)210は、ポンプ131の動作時間を計時するものである。この動作時間は、例えば、カップ2にホットコーヒーを供給する際の1杯分の湯量に相当するものであったり、アイスコーヒータンク180にアイスコーヒーを供給する際のカップ2に数杯分の湯量に相当するものであったり、前述した湯タンク120のL1からL2までの湯量に相当するものであったりする。同様に、このタイマ210は、ポンプ191の動作時間を計時するものであって、この動作時間は、例えばカップ2にアイスコーヒーを供給する際の1杯分のアイスコーヒー量に相当するものである。
【0040】
ROM220は、例えば、飲料供給装置1が後述する飲料供給方法を実行する際の制御部200の処理手順を定める所定のプログラムを記憶するものである。
【0041】
RAM230は、ポンプ131や配管130等を洗浄した後にはじめて前述したL1からL2までの湯量を流出させる際のポンプ131の動作時間に基づく動作時間データ230aを記憶するものである。また、RAM230は、ポンプ131の動作時間から求めた湯の流量を示す流量データ230bを記憶するものである。更に、RAM230は、洗浄済釦15eの押下に応じてフラグ「1」を示す一方、これ以外にはフラグ「0」を示す洗浄済データ230cを記憶するものである。
【0042】
===飲料供給方法===
図4乃至図6を参照しつつ、前述した構成を備えた飲料供給装置1の飲料供給方法について説明する。図4は、本実施の形態の飲料供給装置1が飲料供給方法を実行する際の制御部200の処理手順の一例を示すフローチャートである。図5は、ポンプ131や配管130等の洗浄後に本実施の形態の飲料供給装置1がはじめて飲料供給方法を実行する際の制御部200の処理手順の一例を示すフローチャートである。図6は、本実施の形態の飲料供給装置1が飲料供給方法を実行する際の制御部200の処理手順のもう一つの例を示すフローチャートである。
【0043】
<<<洗浄後はじめての供給ではない場合>>>
図4に例示されるように、制御部200は、ホット選択釦15aが押下されたか否かを判別する(S200)。ホット選択釦15aが押下されたと判別した場合(S200:YES)、制御部200は、次のステップS202の処理を実行する。ホット選択釦15aが押下されていないと判別した場合(S200:NO)、制御部200は、アイスコーヒー面検知スイッチ240がオン状態であるか否かを判別する(S201)。アイスコーヒー面検知スイッチ240がオン状態であると判別した場合(S201:YES)、制御部200は次のステップS202の処理を実行する。アイスコーヒー面検知スイッチ240がオン状態でない(オフ状態である)と判別した場合(S201:NO)、制御部200はステップS200の判別動作を再度実行する。
【0044】
以上から、店員によりホット選択釦15aが押下された場合、或いは、アイスコーヒータンク180におけるアイスコーヒー面が、コーヒーの補給を必要とする下限レベル未満となった場合、制御部200は、以下述べるステップS202以後の処理を実行する。
【0045】
制御部200は、高水位検出部123におけるマイクロスイッチ122がオン状態であるか否かを判別する(S202)。つまり、制御部200は、湯タンク120が満タンであるか否かを判別する。尚、本実施の形態では、制御部200は、適時、電磁弁110aを開けて湯タンク120に給水を行うものとする。つまり、湯タンク120における湯面レベルが予め定められたレベル(低水位レベル)まで下降して、前述した低水位検出部におけるマイクロスイッチ124がオン状態となったとき、給水が行われるようになっていればよい。
【0046】
<湯タンクが満タンのとき>
マイクロスイッチ122がオン状態であると判別すると(S202:YES)、制御部200は、タイマ210をリセットした後に計時を開始させるとともに、ポンプ131の動作を開始させる(S203)。
【0047】
制御部200は、マイクロスイッチ122がオン状態からオフ状態となったか否かを判別し(S204)、これがオフ状態になったと判別したとき(S204:YES)、タイマ210の計時するポンプ131の動作時間(T1)が、RAM230に記憶される動作時間データ230aの示す所定動作時間(所定時間)以下であるか否かを判別する(S205)。
【0048】
T1>所定動作時間の場合(S205:NO)、制御部200は、ブザー15dを例えば所定時間鳴らすとともに(S206)、ポンプ131の動作を停止させて、ホットコーヒーの供給或いはアイスコーヒータンク180へのコーヒーの補給を中止する(S207)。前述したように、本実施の形態のマイクロスイッチ122は、湯タンク120の湯面レベルが満タンのレベル(L1)から所定のレベル(L2)に達してはじめてオン状態からオフ状態となるいわゆるヒステリシスを有している。よって、タイマ210が計時したT1は、湯タンク180におけるL1とL2との間の所定量を流出させるためのポンプ131の所要時間と言える。ポンプ131や配管130等におけるコンダクタンスが減少するほど、この所要時間はより長くなる。後述するように、本実施の形態の動作時間データ230aは、この所要時間の上限値(所定動作時間)を定めるものである。つまり、T1が所定動作時間を超えた場合、コンダクタンスが許容レベル未満(流出速度が不適切)であるとして、コーヒーの供給又は補給を中止するようになっている。
【0049】
T1≦所定動作時間の場合(S205:YES)、制御部200は、前述したT1から湯の流量を求めてこの値をディスプレイ15cに表示させるとともに(S208)、タイマ210により引き続き計時されるポンプ131の動作時間(T2)が所定時間に達したか否かを判別する(S209)。尚、湯の流量は、湯タンク120におけるL1とL2との間の所定量VをT1で除算して得られるものである(V/T1)。この流量V/T1は、流量データ230bとしてRAM230に記憶される。また、前述した所定時間のデータは、ホットコーヒーの供給量、又は、アイスコーヒータンク180へのコーヒーの補給量に対応するべく予め定められて、例えばRAM230に記憶されているものとする。ここで、本実施の形態では、コーヒーの1回の供給又は補給に際してポンプ131は1回分の連続動作をするだけであるため、その累積時間又は累積運転時間T1は、ステップS203以後の1回分の動作時間に相当するものとなる。更に、前述した流量V/T1は、後述する洗浄直後に洗浄済釦15eが押下された後の最初のコーヒーの供給又は補給の際に求められた流量に対する百分率(%)で表示されてもよい。
【0050】
前述したT2が所定時間に達したと判別した場合(S209:YES)、制御部200は、ポンプ131の動作を停止させる(S210)。
【0051】
<湯タンクが満タンでないとき>
マイクロスイッチ122がオン状態でない(オフ状態である)と判別すると(S202:NO)、制御部200は、タイマ210をリセットした後に計時を開始させるとともに、ポンプ131の動作を開始させる(S211)。
次に、制御部200は、タイマ210により計時されるポンプ131の動作時間(T2)が所定時間に達したか否かを判別する(S209)。
T2が所定時間に達したと判別した場合(S209:YES)、制御部200は、ポンプ131の動作を停止させる(S210)。
【0052】
<<<洗浄後はじめての供給の場合>>>
前述したステップS205:NO、S206、S207において、ブザー15dが例えば所定時間鳴ってコーヒーの供給又は補給が中止された場合、これはポンプ131や配管130等にスケールが溜まってそのコンダクタンスが許容レベルを下回った(流出速度が不適切である)ことを意味する。本実施の形態では、ブザー音を聞いた店員は、飲料供給装置1におけるポンプ131、配管130、電磁弁130a等を洗浄し、その直後に、入出力パネル15の洗浄済釦15eを押下するように予めマニュアル等で定められているものとする。
【0053】
本実施の形態では、洗浄済釦15eの押下により、制御部200は、RAM230に記憶される洗浄済データ230cのフラグを「1」とするとともに、マイクロスイッチ122がオン状態となるように、電磁弁110aを開けて湯タンク120に給水を実行するものとする。また、洗浄済データ230cがフラグ「1」を示す場合、制御部200は、以下述べる処理を実行するものとする。尚、本実施の形態では、フラグ「1」は洗浄直後を示し、フラグ「0」は洗浄直後ではないことを示す。
【0054】
図5に例示されるように、制御部200は、ホット選択釦15aが押下されたか否かを判別する(S100)。ホット選択釦15aが押下されたと判別した場合(S100:YES)、制御部200は、次のステップS102の処理を実行する。ホット選択釦15aが押下されていないと判別した場合(S100:NO)、制御部200は、アイスコーヒー面検知スイッチ240がオン状態であるか否かを判別する(S101)。アイスコーヒー面検知スイッチ240がオン状態であると判別した場合(S101:YES)、制御部200は次のステップS102の処理を実行する。アイスコーヒー面検知スイッチ240がオン状態でない(オフ状態である)と判別した場合(S101:NO)、制御部200はステップS100の判別動作を再度実行する。
【0055】
以上から、店員によりホット選択釦15aが押下された場合、或いは、アイスコーヒータンク180におけるアイスコーヒー面が、コーヒーの補給を必要とする下限レベル未満となった場合、制御部200は、以下述べるステップS102以後の処理を実行する。
【0056】
制御部200は、タイマ210をリセットした後に計時を開始させるとともに、ポンプ131の動作を開始させる(S102)。
【0057】
制御部200は、マイクロスイッチ122がオン状態からオフ状態となったか否かを判別し(S103)、これがオフ状態になったと判別したとき(S103:YES)、タイマ210の計時するポンプ131の動作時間(T1)に基づいて動作時間データ230aを生成しRAM230に記憶させる(S104)。本実施の形態の動作時間データ230aの示す所定動作時間は、ポンプ131の動作時間の上限値(所定動作時間)に対応するべく、例えば前記T1に対し長めに設定されている。つまり、前記T1は、洗浄直後で流量が最大の場合のポンプ230aの動作時間であるため、先ずこのT1を基準として動作時間の上限値が設定される。例えば、このT1に対し予め定められた時間を加算する、或いは、予め定められた1以上の数を乗算することにより、所定動作時間を設定することができる。
【0058】
また、制御部200は、前述したT1から湯の流量を求めてこの値をディスプレイ15cに表示させるとともに(S105)、タイマ210により引き続き計時されるポンプ131の動作時間(T2)が所定時間に達したか否かを判別する(S209)。尚、湯の流量は、湯タンク120におけるL1とL2との間の所定量VをT1で除算して得られるものである(V/T1)。この流量V/T1は、流量データ230bとしてRAM230に記憶される。また、所定時間のデータは、ホットコーヒーの供給量、又は、アイスコーヒータンク180へのコーヒーの補給量に対応するべく予め定められて、例えばRAM230に記憶されているものとする。
【0059】
前述したT2が所定時間に達したと判別した場合(S106:YES)、制御部200は、ポンプ131の動作を停止させるとともに(S107)、RAM230に記憶される洗浄済データ230cのフラグを「0」とする(S108)。
【0060】
洗浄済データ230cがフラグ「1」を示す場合、前述したように、制御部200は図5に例示される処理を実行する一方、洗浄済データ230cがフラグ「0」を示す場合、制御部200は図4に例示される処理を実行するようになっている。
【0061】
<<<T1又V/T1により供給時間を調節する場合>>>
図6に例示されるように、前述したT1>所定動作時間の場合(S205:NO)、制御部200は、コーヒーの供給又は補給を中止する代わりに、動作時間T1又は流量V/T1と、予め定められたこれらの値とに基づいてポンプ131の動作時間を新たに算出し、この動作時間に基づいてコーヒーを所定量供給又は補給するものであってもよい。尚、同図では、図4における制御部200の処理と同一の処理に対しては同一のステップ番号が例示されている。
【0062】
T1>所定動作時間の場合(S205:NO)、制御部200は、前述したRAM230に記憶されている所定時間TAと、前述したT1と、動作時間データ230aの示す所定動作時間TBとから、コーヒーの供給又は補給に必要な所定時間TA’を算出する(S300)。即ち、計時されたT1が上限値TBよりも長い場合、この相対的に長い割合だけTAも長くしてTA’(=TA×T1/TB)を求めてやれば、コーヒーを所定量供給又は補給することができる。
【0063】
或いは、制御部200は、前述したRAM230に記憶されている所定時間TAと、前述したステップS208の場合と同様に求めた流量V/T1と、例えばRAM230に流量データ230bとして記憶されている流量V/TBとから、コーヒーの供給又は補給に必要な所定時間TA’を算出してもよい。即ち、流量V/T1が下限値V/TBよりも小さい場合、この相対的に小さい割合に逆比例するようにTAを長くしてTA’(=TA×(V/TB)/(V/T1))を求めてやれば、コーヒーを所定量供給又は補給することができる。
【0064】
制御部200は、タイマ210により引き続き計時されるポンプ131の動作時間(T2)がTA’に達したか否かを判別する(S301)。
T2≧TA’と判別した場合(S301:YES)、制御部200は、ポンプ131の動作を停止させる(S302)。
【0065】
以上、ポンプ131や配管130等のコンダクタンスが減少しても、この減少に応じた分だけ供給又は補給時間を長くすることにより、コーヒーの供給又は補給を途中で停止する必要がなくなる。
【0066】
===流出速度が不適切であることを低コストで判別===
本実施の形態の飲料供給装置1では、制御部200は、湯タンク120が満タンの状態からポンプ131を動作させたとき、高水位検出部123におけるマイクロスイッチ122がはじめてオン状態からオフ状態となる時間T1と、予め定められた時間TBとを比較する。制御部200は、T1≦TBの場合には、ポンプ131や配管130等のコンダクタンスが正常であるとしてコーヒーの供給又は補給の動作を継続する一方、T1>TBの場合には、コンダクタンスが許容レベル未満(流出速度が不適切)であるとして前記動作を停止する。このとき、制御部200は、ブザー15dを所定時間鳴らして、飲料供給装置1が設置される例えばレストランやファーストフード店等の店員に対し、ポンプ131や配管130等の内部にスケール等が許容レベルを超えて溜まったことを通知する。或いは、制御部200は、T1又はV/T1と、TB又はV/TBとに基づいてポンプ131の動作時間TAを新たな時間TA’に変更し(TA’=TA×T1/TB又はTA×(V/TB)/(V/T1))、この動作時間TA’に基づいてコーヒーを所定量供給又は補給する
以上、TAは、T1とTBとの比に応じて長く設定される(TA’>TA)が、このTA’の設定のし方は、上記に限定されるものではなく、要するにT1及びTBの差に応じて、TAがTA’に変更されればよい。例えばT1とTBとの差分がゼロでなければ、RAM230でこの差分及びTAに予め対応付けられて記憶された所定のTA’、(TA’-TA)、(TA’/TA)等を読み出してもよい。
【0067】
また、本実施の形態の飲料供給装置1では、TBは、洗浄済釦15eが押下された後の最初のコーヒーの供給又は補給の際の時間T1に基づいて設定される。例えばコンダクタンスの最大値に対しその許容誤差まで考慮した値に対応するポンプ131の動作時間を、その後の動作時間と比較する際の参照値とできる。よって、コンダクタンスの許容レベルの精度がより高いものとなる。
【0068】
更に、本実施の形態の飲料供給装置1では、湯の流量V/T1は、洗浄済釦15eが押下された後の最初のコーヒーの供給又は補給の際に求められる流量に対する百分率(%)で表示することも可能である。これにより、店員は、コンダクタンスの参照値からの減少の度合いを常時知ることができるため、コンダクタンスが許容レベル未満となる時期の予測がし易くなる。よって、店員は、コンダクタンスが許容レベル未満となったときも、これに効率良く対応できる。
【0069】
一方、本実施の形態の飲料供給装置1では、湯の流量が不適切であることを判別するために、元々湯量を設定するためのタイマ210と、元々湯タンク120の満タンを検出するための高水位検出部123とを用い、流量を直接測定するための例えば流量計(不図示)を用いない。これにより、飲料供給装置1の製造コストをこの流量計の分だけ節減することができる。
【0070】
以上、湯の流量が不適切であることを低コストで検出し、もし流量が不適切であればこれを店員に通知して洗浄作業を促すことにより、例えばコーヒー1杯の量や品質等を所定レベルに維持し易くなる。或いは、流量が不適切であっても、この流量に応じて供給又は補給時間を調節することにより、例えばコーヒー1杯の量や品質等を所定レベルに維持し続けることができる。
【0071】
尚、前述した実施の形態では、動作時間データ230aの示す所定動作時間は、洗浄済釦15eが押下された後の最初のコーヒーの供給又は補給の際の動作時間に基づいて求められるものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、この所定動作時間は、湯タンク120の容量及び形状並びにマイクロスイッチ122の性能に応じて予め定められた固定値であってもよい。この固定値は、例えば、ポンプ131や配管130等のコンダクタンスの許容レベルに対応するように予め設定される。固定値を用いる場合、例えば、洗浄済釦15e及びその機能は必要なくなる上に、制御部200は図5に例示される処理を実行する必要もない。
【0072】
また、前述した実施の形態では、湯の流量が不適切であると判別した場合、これをブザー15dにて店員に通知するとともに、コーヒーの供給や補給等の動作を停止するものであったが、これに限定されるものではない。要するに、湯タンク120が満タンの状態のポンプ131の動作時間に基づいてコンダクタンスの異常を判別すればよく、その判別結果の通知又は表示のし方はいかなるものであってもよい。
【0073】
また、前述した実施の形態では、第1レベルを、湯タンク120が満タンのレベルとし、この第1レベルから第2レベルまで湯面レベルが下降する範囲を、マイクロスイッチ122がヒステリシスによりオン状態にある範囲とするものであったが、これに限定されるものではない。第1レベル及び第2レベルは、本実施の形態の計時部(制御部200、タイマ210)が、当該第1レベルから当該第2レベルまで湯面レベルが下降したことを検知でき且つこの間の経過時間を計時可能なものであれば、いかなるように設定されてもよい。
【0074】
前述した実施の形態では、第1レベル及び第2レベル間の湯量は、マイクロスイッチ122のヒステリシスに基づく湯量であって、例えばコーヒー1杯分の湯量に満たないものである。また、前述した実施の形態では、この湯量は、ポンプ131の1回分の連続動作により流出されるものである。よって、前述した実施の形態では、湯タンク120が満タンになる都度、コーヒーの最初の供給又は補給における更に初期段階でポンプ131の累積運転時間が計時され、この時間に応じて、供給又は補給が中止されたり、供給又は補給の時間が途中でより長く調節されたりするものであった。但し、これに限定されるものではなく、例えば、レギュラーコーヒーの調理のし方に応じて、前述した初期段階でポンプ131が複数回連続動作を行い、各連続動作の時間を累積したものが、前述した累積運転時間であってもよい。
【0075】
或いは、第1レベルは湯タンク120の満タンレベルであり、第2レベルは前述した低水位検出部により検出されるレベル(湯タンク120に給水が必要なレベル)であってもよい。この場合、第1レベル及び第2レベル間の湯量は、コーヒー複数杯分の湯量に相当し、ポンプ131の複数回分の連続動作により流出されるものである。この場合、湯タンク120が満タンになってから給水が必要となるまでのポンプ131の累積運転時間が計時され、例えば給水前に、この累積運転時間に基づいて湯の流量の不適切性が判別されることが好ましい。もし給水前に流量が不適切であることが判別されれば、この段階で店員等に通知することができるため、洗浄作業がやり易くなる。一方、洗浄が行われない場合は、この累積運転時間に基づいて、給水後の供給又は補給の時間がより長く調節されればよい。
【0076】
また、前述した実施の形態の飲料供給装置1は、湯タンク120からポンプ131により湯を流出させるものであっが、これに限定されるものではなく、例えば湯を自重により流出させ、その量を開閉弁の開放時間で制御する飲料供給装置であってもよい。この場合、湯面レベルが第1レベルから第2レベルまで下降するまでの開閉弁の開放時間が累積時間に対応するものとなる。
【0077】
前述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0078】
前述した実施の形態の飲料供給装置1は、湯を用いたレギュラーコーヒーの生成及び供給を行うものであったが、これに限定されるものではない。飲料は、コーヒーに限定されるものではなく、例えばシロップ等の原料を、水や炭酸水等の希釈液で希釈して生成する飲料であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施の形態の飲料供給装置の外観構成例を示す正面図である。
【図2】本実施の形態の調理機構の構成例を示す模式図である。
【図3】本実施の形態の飲料供給装置の制御を司る構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態の飲料供給装置が飲料供給方法を実行する際の制御部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】ポンプや配管等の洗浄直後に本実施の形態の飲料供給装置が飲料供給方法を実行する際の制御部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態の飲料供給装置が飲料供給方法を実行する際の制御部の処理手順のもう一つの例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 飲料供給装置
2 カップ 10 本体
15 入出力パネル 15a ホット選択釦
15b アイス選択釦 15c ディスプレイ
15d ブザー 15e 洗浄済釦
100 調理機構 110 給水管
110a 電磁弁 120 湯タンク
121 回動体 121a フロート
121b 棒体 121c 扇体
121d 軸 122 マイクロスイッチ
122a スイッチボックス 122b レバー
123 高水位検出部 124 マイクロスイッチ
130 配管 130a 電磁弁
131 ポンプ 140 コーヒー抽出装置
150 コーヒーミル 160 供給管
160a 電磁弁 170 供給管
170a 電磁弁 180 アイスコーヒータンク
190 供給管 190a 電磁弁
191 ポンプ 200 制御部
210 タイマ 220 ROM
230 RAM 230a 動作時間データ
230b 流量データ 230c 洗浄済データ
240 アイスコーヒー面検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を調理するための希釈液が流入する流入口と前記希釈液が流出する流出口とを有するタンクと、前記飲料を調理する調理機構と、前記飲料を調理する場合、前記流出口から流出する前記希釈液を前記調理機構へ供給する配管と、を備えた飲料供給装置において、
前記希釈液が前記流出口から前記配管へ流出するときの、前記タンク内の前記希釈液の液面レベルが第1レベルから第2レベルへ下降するまでの累積時間を計時する計時部と、
前記累積時間と所定時間とを比較し、前記累積時間が前記所定時間を超えた場合、前記希釈液の流出速度が不適切であると判別する判別部と、
を備えたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
前記配管から前記調理機構へ前記希釈液を供給するポンプ、を更に備え、
前記計時部は、前記希釈液の液面レベルが前記第1レベルから前記第2レベルまで下降する間の、前記ポンプの累積運転時間を計時する、
ことを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
前記希釈液の供給元と前記タンクの流入口との間に介在し、前記供給元から前記タンクへの前記希釈液の供給を許可又は禁止する開閉弁と、
前記希釈液の液面レベルが前記第1レベルから前記第2レベルまで下降する間、前記開閉弁を閉状態とするための指示信号を発生する液面検出部と、
前記指示信号に応じて前記開閉弁を開閉する制御部と、を更に備え、
前記計時部は、前記開閉弁が閉状態である間の前記ポンプの累積運転時間を計時する、
ことを特徴とする請求項2に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記判別部の判別結果に基づいて、前記希釈液の流出速度が不適切であることを示すアラームを発生するアラーム発生部、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記希釈液の流出速度が不適切であると前記判別部により判別された場合、前記飲料を所定量調理するために予め定められた前記ポンプの運転時間を、前記計時部により計時された累積運転時間と前記所定時間との差に応じて長くする算出部、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の飲料供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−223655(P2007−223655A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48278(P2006−48278)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】