説明

飲料抽出装置

【課題】良好なメンテナンス性を確保しながら、残渣が非常に少ない高品質の飲料を得ることができ、また、ペーパー切れを適切に判定することができる飲料抽出装置を提供する。
【解決手段】駆動ユニット22と、駆動源151で駆動されることによって飲料を抽出する抽出ユニット21と、連続するペーパーフィルタPを保持するペーパーホルダ201と、駆動源151で駆動されることによって、ペーパーホルダ201からペーパーフィルタPを引き出し、抽出ユニット21に送り出すペーパー引出し機構160と、ペーパーフィルタPの使用に伴って径が縮小するロール部Prに追従する可動部材202を有し、可動部材202が所定位置に到達したときに、ペーパー引出し機構160を動作不能な状態にロックするロック機構94と、ペーパー引出し機構160がロックされたときに、ペーパー切れと判定するペーパー切れ判定手段7と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ式自動販売機や飲料ディスペンサなどに内蔵され、コーヒー豆や茶葉などの原料を用いてコーヒーや茶系飲料などを抽出する飲料抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の飲料抽出装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この飲料抽出装置は、コーヒーを抽出するものであり、本体ユニットと、この本体ユニットに着脱自在に取り付けられた飲料抽出ユニットとを備えている。本体ユニットは、モータおよびこれによって回転駆動される駆動ギヤを有している。一方、飲料抽出ユニットは、コーヒーの抽出を実質的に行うものであり、シリンダ、上下のピストン、左右一対のカムギヤおよび従動ギヤなどを有している。この飲料抽出ユニットの下側のピストンの上面には、シリンダ内で抽出されたコーヒーをろ過するためのフィルタが固定されている。コーヒーの抽出時には、本体ユニット側のモータが作動し、その動力が駆動ギヤを介して、飲料抽出ユニット側の従動ギヤに伝わる。そして、従動ギヤの回転に伴って、両カムギヤが回転することにより、シリンダや上側のピストンが両カムギヤによって適宜、駆動され、シリンダ内でコーヒーが抽出される。この抽出されたコーヒーは、下側のピストンのフィルタによってろ過され、そのピストンの内部を通って、カップに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−245860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、この飲料抽出装置では、飲料抽出ユニットが本体ユニットに着脱自在に取り付けられているので、メンテナンスの際に、飲料抽出ユニットを本体ユニットから取り外し、丸洗いすることなどによって、比較的汚れやすい飲料抽出ユニットを容易に洗浄することが可能である。しかし、シリンダ内で抽出されたコーヒーは、下側のピストンに固定されたフィルタでろ過されるため、そのろ過が不十分になることがある。すなわち、固定タイプのフィルタでは一般に、多数の細孔やメッシュを有するものが用いられるため、それらの細孔やメッシュの目よりも小さな原料の微粒子がフィルタを透過し、カップに供給されたコーヒーに残渣が残りやすい。特に、アイスコーヒーなど、透明なカップなどに入れて提供される飲料では、見栄えが悪くなり、品質や商品性が低下してしまう。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、良好なメンテナンス性を確保しながら、残渣が非常に少ない高品質の飲料を得ることができ、また、従来一般にペーパー切れを判定するのに用いられる電気部品を使用することなく、ペーパー切れを適切に判定することができる飲料抽出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、原料および水を用いて飲料を抽出するための飲料抽出装置であって、駆動源を有する駆動ユニットと、この駆動ユニットに着脱自在に取り付けられ、駆動源で駆動されることによって飲料を抽出する抽出ユニットと、飲料をろ過するための連続するペーパーフィルタを保持するとともに、抽出ユニットに取り付けられたペーパーホルダと、駆動源で駆動されることによって、ペーパーホルダからペーパーフィルタを引き出し、抽出ユニットに送り出すことにより、飲料のろ過に使用されたペーパーフィルタの使用済み部分を抽出ユニットの外部に移動させるとともに、ペーパーフィルタの使用済み部分に続く未使用部分を抽出ユニットに移動させるペーパー引出し機構と、を備え、ペーパーフィルタは、ロール状に巻かれるとともにペーパーホルダに回転自在に支持されたロール部を有しており、ロール部の外周面に当接するとともに、ペーパーフィルタの使用に伴って径が縮小するロール部に追従しながら移動可能な可動部材を有し、可動部材が所定位置に到達したときに、ペーパー引出し機構を動作不能な状態にロックするロック機構と、ペーパー引出し機構がロックされたときに、ペーパー切れと判定するペーパー切れ判定手段と、をさらに備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、駆動源を有する駆動ユニットに、その駆動源で駆動されることによって飲料を抽出する抽出ユニットが着脱自在に取り付けられているので、メンテナンス時に、抽出ユニットを駆動ユニットから取り外すことにより、抽出ユニットを容易に洗浄でき、したがって、良好なメンテナンス性を得ることができる。また、抽出ユニットに取り付けられたペーパーホルダには、連続するペーパーフィルタが保持されている。ペーパーフィルタは一般に、植物繊維などをきめ細かく織って作製されているため、このようなペーパーフィルタを飲料のろ過に用いることにより、残渣が非常に少ない高品質の飲料を得ることができる。また、ペーパーフィルタは、ペーパー引出し機構によって、ペーパーホルダから引き出され、抽出ユニットに送り出されることにより、飲料のろ過に使用された使用済み部分が、抽出後の原料とともに抽出ユニットの外部に移動し、ペーパーフィルタの使用済み部分に続く未使用部分が抽出ユニットに移動する。すなわち、ペーパーフィルタの使用済み部分が、抽出後の原料と一緒に廃棄されるとともに、ペーパーフィルタの未使用部分が、次回の抽出に備えて、抽出ユニットにセットされる。このようにして、ペーパーフィルタをペーパーホルダから引き出すペーパー引出し機構は、駆動ユニットに設けられた、抽出ユニットと共通の駆動源によって駆動されるので、ペーパー引出し機構のみを駆動する専用の駆動源を用いる場合に比べて、飲料抽出装置自体を低コストで製造することができる。
【0008】
また、上記の構成によれば、ペーパーフィルタは、ペーパーホルダに回転自在に支持されたロール部を有しており、飲料のろ過に使用されるのに伴って、ロール部の径が次第に縮小する。また、ロック機構は、上記ロール部の外周面に当接するとともに、ロール部に追従しながら移動可能な可動部材を有しており、この可動部材が所定位置に到達したときに、ペーパー引出し機構を動作不能な状態にロックする。すなわち、ペーパーフィルタのロール部の径が、ペーパー切れと判定すべきサイズまで縮小したときに、ロック機構によってペーパー引出し機構をロックする。そして、ペーパー引出し機構がロックされたときに、ペーパー切れ判定手段によって、ペーパー切れと判定する。このように、ペーパー引出し機構のロックの有無に応じて、ペーパー切れを判定するので、ロール部の径を検出するためのセンサやスイッチなど、従来一般にペーパー切れを判定するのに用いられる電気部品を使用することなく、ペーパー切れを適切に判定することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の飲料抽出装置において、駆動源は、モータであり、ペーパー切れ判定手段は、モータに流れる電流値を検出するモータ電流検出手段と、検出された電流値に基づき、モータが回転不能な状態にロックされているか否かを判別することによって、ペーパー引出し機構のロックの有無を判定するロック判定手段と、を有していることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ペーパー引出し機構を駆動する駆動源としてのモータに流れる電流値を検出し、その電流値に基づき、モータが回転不能な状態にロックされているか否かを判別する。上述したように、ペーパー引出し機構は、モータによって駆動されるため、ペーパー引出し機構が動作不能にロックされると、これを駆動しようとするモータも回転不能な状態にロックされる。一般に、モータは、電圧が印加されたときに発生するトルクが、流れる電流値に比例するという特性を有している。そのため、電圧が印加されているモータの回転数が0、すなわちモータがロックされているときには、トルクが最大になり、電流値も最大となる。したがって、モータの電流値に基づいて、モータがロックされているか否かを容易に判別でき、この判別結果に基づいて、ペーパー引出し機構のロックの有無を容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による飲料抽出装置をコーヒー抽出装置に適用し、これを備えたカップ式自動販売機の内部構造を模式的に示す図である。
【図2】自動販売機内の各種機器の制御を示すブロック図である。
【図3】コーヒー抽出装置を示す斜視図である。
【図4】ドリップユニット、ペーパーユニットおよび駆動ユニットを分離した状態のコーヒー抽出装置を示す斜視図である。
【図5】シリンダがシリンダホルダから取り外された状態のドリップユニットを示す斜視図である。
【図6】シリンダを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】シリンダホルダを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図8】シリンダホルダの外側カバーを省略したドリップユニットを示す斜視図であり、(a)は前側から見たときの状態、(b)は後ろ側から見たときの状態を示す。
【図9】シリンダホルダの右側壁の内部構造を示す側面図であり、(a)は外側カバーを省略した状態、(b)は(a)のカム円板のカム溝を表示した状態を示す。
【図10】カム溝を表示したカム円板を拡大して示す図である。
【図11】図7に示すシリンダホルダをA−A線に沿って切断した状態を示す図である。
【図12】シリンダホルダの右側壁の内部構造を示す側面図であり、(a)は取外しレバーの押し下げ前の状態、(b)は取外しレバーの押し下げ後の状態を示す
【図13】図7に示すシリンダホルダをB−B線に沿って切断した状態を示す図であり、(a)はシリンダホルダからシリンダを取り外した状態、(b)はシリンダホルダにシリンダを装着した状態を示す。
【図14】ペーパーユニットおよびペーパー引出し機構を示す図であり、ペーパーが十分に存在する状態を示す。
【図15】ペーパーユニットおよびペーパー引出し機構を示す図であり、ペーパー切れの状態を示す。
【図16】駆動ユニットを示す正面図であり、(a)は外観図、(b)は内部構造図である。
【図17】駆動ユニットを示す右側面図であり、(a)は外観図、(b)は内部構造図である。
【図18】駆動ユニットを示す左側面図であり、(a)は外観図、(b)は内部構造図である。
【図19】駆動ユニットを示す背面図であり、(a)は外観図、(b)は内部構造図である。
【図20】駆動ユニットを示す平面図であり、(a)は外観図、(b)は内部構造図である。
【図21】駆動ユニットを示す斜視図であり、駆動ユニットからシリンダヘッドカバーのカバー本体を取り外すとともに、そのカバー本体から給湯ノズルを取り外した状態を示す。
【図22】シリンダヘッドおよびその周囲を示す図であり、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は、シリンダヘッドの下面が前向きになるように、シリンダヘッドを回動させるとともに、補助原料シュートを取り外した状態を示す。
【図23】ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構およびその周囲を示す図であり、(a)は、斜め上から見たときの状態、(b)は、斜め下から見たときの状態を示す。
【図24】ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構によるシリンダヘッドの動作を説明するための図であり、(a)は、シリンダヘッドが待機位置に位置した状態、(b)は、シリンダヘッドがシリンダ閉鎖位置に位置した状態を示す。
【図25】ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構によるペーパー引出し動作を説明するための図であり、(a)は、出力軸が所定方向に回転することで、ペーパー引出し動作が実行されている状態、(b)は、出力軸が反対方向に回転することで、ペーパー引出し動作が実行されない状態を示す。
【図26】コーヒー抽出装置の動作を順に説明するための説明図であり、(a)は待機状態、(b)はフィルタブロックでシリンダの下面をシールした状態、(c)はカム円板が一時停止した状態を示す。
【図27】図26に続く説明図であり、(a)はシリンダヘッドがシリンダの真上に接近した状態、(b)はシリンダヘッドがシリンダの上面をシールした状態、(c)は抽出終了後にヘッドガイドシャフトを介してシリンダヘッドをカム円板で持ち上げた状態を示す。
【図28】図27に続く説明図であり、(a)は抽出終了後にフィルタブロックおよびシリンダヘッドが待機位置に戻った状態、(b)はペーパーフィルタが引き出された状態を示す。
【図29】コーヒー抽出装置の動作状態における各ピンチおよびカム円板の回転角度の関係を示す一覧表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による飲料抽出装置をコーヒー抽出装置に適用し、これを備えたカップ式自動販売機の内部構造を模式的に示している。同図に示すように、このカップ式自動販売機1は、コーヒー抽出装置2により、コーヒー豆および湯を用いてコーヒーを抽出し、購入者にカップ入りのレギュラーコーヒーを提供するものである。なお、以下の説明ではまず、カップ式自動販売機1の内部構造について説明し、その後、コーヒー抽出装置2について詳述する。
【0013】
図1に示すように、カップ式自動販売機1は、コーヒー抽出装置2と、このコーヒー抽出装置2に、所定量のコーヒー粉および湯をそれぞれ供給する原料供給装置3および給湯装置4と、コーヒー抽出装置2によって抽出されたコーヒーをクリームや砂糖とともに混合するミキシングボウル5と、このミキシングボウル5にクリームや砂糖を供給するクリーム・砂糖供給装置6とを備えている。また、これらは、図2に示すように、マイクロコンピュータを有する制御装置7(ペーパー切れ判定手段、モータ電流検出手段、ロック判定手段)によって制御される。
【0014】
原料供給装置3は、コーヒー豆を収納する複数(図1では2つのみ図示)のキャニスタ11と、コーヒー豆を挽くミル12とを備えている。販売時に、キャニスタ11からシュート11aを介してミル12に供給されたコーヒー豆は、ミル12によって粉末状に挽かれ、そのコーヒー粉(以下「原料」という)が、シュート12aを介してコーヒー抽出装置2に供給される。給湯装置4は、湯を貯留する温水タンク13を備えており、販売時に、温水タンク13から所定量の湯が給湯チューブ13aを介してコーヒー抽出装置2に供給される。ミキシングボウル5は、コーヒー抽出装置2によって抽出されたコーヒーを、クリーム・砂糖供給装置6からシュート6aを介して供給された所定量のクリームや砂糖とともに攪拌する。その後、ミキシングボウル5内のコーヒーは、ミキシングボウル5に接続された飲料チューブ5aを介してカップCに供給される。
【0015】
次に、コーヒー抽出装置2について詳述する。図3および図4は、コーヒー抽出装置2を示している。両図に示すように、このコーヒー抽出装置2は、コーヒーを抽出するためのドリップユニット21(抽出ユニット)およびペーパーユニット20と、ドリップユニット21を駆動する駆動ユニット22で構成されている。駆動ユニット22は、自動販売機1内にねじ止めなどで固定されており、この駆動ユニット22にドリップユニット21が、またドリップユニット21にペーパーユニット20が、着脱自在に取り付けられている。
【0016】
ドリップユニット21は、原料および湯が供給され、内部においてコーヒーの抽出を行うためのシリンダ23と、このシリンダ23を着脱自在に収容するシリンダホルダ24とで構成されている。図5は、シリンダ23がシリンダホルダ24から取り外された状態を示している。このシリンダ23は、プラスチックから成り、同図および図6に示すように、上下方向に延びるとともに、上面および下面が開放した円筒状に形成されている。また、シリンダ23の外周面には、シリンダ23をシリンダホルダ24に着脱する際に利用される取っ手25およびガイド部26が設けられている。ガイド部26は、互いに上下方向に所定間隔を隔てて設けられ、上下対称に形成された上下2つのガイド部26、26で構成されている。
【0017】
各ガイド部26は、シリンダ23の中央寄りの内側ガイド部27と、シリンダ23の開放端寄りの外側ガイド部28とで、上下2段に構成されている。内側ガイド部27は、シリンダ23の中心よりも若干、取っ手25寄りの位置から、シリンダ23の取っ手25と反対側の外周面付近まで水平に延びるとともに、平面形状が凹字状に形成されている。一方、外側ガイド部28は、内側ガイド部27よりも一回り小さく形成されている。また、内側ガイド部27の基端部(取っ手25側の端部)27aは、外側ガイド部28を越えて、シリンダ23の開放端側に延びるように形成されている。以上のように、シリンダ23は、上下対称に形成されているので、その上下の向きに関わらず、シリンダホルダ24に取り付け可能である。
【0018】
図7に示すように、シリンダホルダ24は、内側にシリンダ収容部24aを有するボックス状のフレーム31と、このフレーム31内の下部に昇降自在に設けられたフィルタブロック32と、フレーム31内に設けられ、シリンダ収容部24aに収容されたシリンダ23を左右から挟んだ状態で保持するシリンダキャッチャ34と、フレーム31の前面に開閉自在に設けられた前面カバー35などを備えている。
【0019】
フレーム31は、互いに所定間隔を隔てて対向する左右の側壁41、41と、両側壁41、41の後端部間および下端部間にわたるようにそれぞれ設けられた背壁42および底壁43とを有し、前面および上面が開放したボックス状に形成されている。また、左右の側壁41、41の前側の上端部には、両側壁41、41間を連結する前上カバー36が設けられている。なお、図示しないが、底壁43は、棒状の複数の支持部材によって格子状に形成されている。
【0020】
各側壁41は、側面形状がほぼ矩形状に形成されるとともに、外側の側面が開放したケース状の側壁本体44と、その開放した側面を覆うように、側壁本体44にねじ止めされた外カバー45とを備えている。そして、図8に示すように、各側壁41内には、フィルタブロック32および後述するシリンダヘッド111を駆動することによって、シリンダ23の下面および上面をそれぞれ開閉するシリンダ開閉機構51が設けられている。なお、左右のシリンダ開閉機構51、51は、左右の側壁41、41内に、ほぼ左右対称に構成されているので、以下の説明では、右側壁41に内蔵されたものを中心に説明する。
【0021】
図8および図9に示すように、シリンダ開閉機構51は、側壁本体44内の中央付近の所定位置に突設された支軸44aに回転自在に支持され、所定形状の第1および第2カム溝53、54を有するカム円板55と、側壁本体44内の下部に上下方向にスライド自在に設けられ、カム円板55の第1カム溝53に係合するとともにシリンダブロック32に連結されたスライダ56と、側壁本体44内の上部の所定位置に突設された支軸44bに回動自在に支持され、カム円板55の第2カム溝54に係合するとともに後述するシリンダヘッド111をシリンダ23の上面に押圧した状態でロックするためのシリンダヘッドロック部材57とを備えている。
【0022】
カム円板55は、所定の直径および厚さを有する円板状に形成されており、周面全体にギヤ部55aが形成されている。また、カム円板55の外カバー45側の周縁部には、ほぼ1/2円弧分、径方向に若干突出した凸部55bが設けられている。さらに、カム円板55の側壁本体44側の側面に、前記第1および第2カム溝53、54が設けられている。
【0023】
図10に示すように、第1カム溝53は、カム円板55の側面の周縁部に設けられ、カム円板55の支軸44aを中心とする円弧状にかつ反時計方向にほぼ一周するように延びる外側カム部61と、この外側カム部61に連なり、支軸44aに向かって円弧状に延びる駆動カム部62と、この駆動カム部62に連なり、支軸44aを中心とする円弧状にかつ支軸44aの付近でほぼ一周するように延びる内側カム部63とで構成されている。なお、この第1カム溝53の外側カム部61の先端部には、支軸44a側に凹むように形成された凹部61aが設けられている。一方、第2カム溝54は、第1カム溝53の外側カム部61よりも内側に設けられ、支軸44aを中心とする円弧状にかつ外側カム部61の先端部付近から反時計方向にほぼ3/4円弧状に延びる外側カム部64と、この外側カム部64に連なり、支軸44aに向かって延びる駆動カム部65と、この駆動カム部65に連なり、支軸44aを中心とする円弧状に延びる内側カム部66とで構成されている。
【0024】
スライダ56は、図9(b)に示すように、上下方向に延びるとともに下部が下方に向かって拡幅していて、ほぼ凸字状に形成されている。このスライダ56の上端部には、カム円板55側に突出する係合凸部56aが設けられており、この係合凸部56aが、カム円板55の第1カム溝53に摺動自在に係合している。また、スライダ56の下端部には、スライダ56と前記フィルタブロック32とを連結する2本の連結シャフト71、71が固定されている。両連結シャフト71、71は、互いに前後方向(図9では左右方向)に間隔を隔てかつ左右方向(図9では図の表裏方向)に平行に延びている。各連結シャフト71は、側壁本体44の上下方向に延びる長孔44cを貫通し、一端部が上記スライダ56に固定される一方、他端部が左側のシリンダ開閉機構51のスライダ56に固定されている。したがって、フィルタブロック32は、両連結シャフト71、71を介して、左右のスライダ56、56に支持されている。また、スライダ56の中央部には、上下方向に延びる長孔56bが形成されており、この長孔56bに、側壁本体44内の下部の所定位置に突設された支軸44dが摺動自在に貫通している。
【0025】
以上のように構成されたスライダ56は、カム円板55の回転に伴い、側壁本体44内の上下方向に延びる一対のガイドレール44e、44e間に案内されながら、上下方向にスライドする。これに伴い、フィルタブロック32が昇降し、シリンダ23の下面を開閉する。具体的には、図8(a)および図9に示すカム円板55が、両図の時計方向に回転し、スライダ56の係合凸部56aが、第1カム溝53の外側カム部61から内側カム部63に向かって、駆動カム部62を摺動することにより、スライダ56が上昇する。そして、スライダ56の係合凸部56aが、内側カム部63に到達することにより、フィルタブロック32が、後述するペーパーフィルタPをシリンダ23とで挟むとともに、その下面に密着した状態で、これを閉鎖する(図26(b)参照)。一方、その状態から、カム円板55が、反時計方向に回転し、スライダ56が下降することにより、フィルタブロック32も下降し、それにより、シリンダ23の下面が開放される(図28(a)参照)。
【0026】
図7、8および11に示すように、フィルタブロック32は、シリンダ23の内径よりも一回り小さく形成された円形のメッシュフィルタ72と、このメッシュフィルタ72の周囲を囲むように設けられ、上面が平らに形成されるとともに、シリンダ23の下面よりも大きな外径を有する幅広リング状のパッキン73と、これらを上面において支持するとともに、上下に連通した通路を有するブロック状の支持部材74などで構成されている。なお、支持部材74の左右の側壁74a、74aは、メッシュフィルタ72よりも上方に延びるように構成されており、ペーパーフィルタPの左右方向のガイドとして機能する。このフィルタブロック32は、前述したように、スライダ56の上下方向のスライドに伴って昇降し、シリンダ23の下面の閉鎖時には、パッキン73の上面が、ペーパーフィルタPをシリンダ23とで挟んだ状態で、その下面周縁部に当接し、これをシールする。また、フィルタブロック32の支持部材74と、右側壁41の背面下端部に設けられたジョイントホース40(図8参照)との間には、フィルタブロックチューブ32a(図1、7参照)が接続されている。なお、ジョイントホース40は、ドリップユニット21が駆動ユニット22に取り付けられた状態において、駆動ユニット22側の後述するジョイントホース120に接続される。
【0027】
また、図8(a)および図9に示すように、右側の側壁41の下端部には、上記ジョイントホース40に接続された廃液チューブ50が設けられるとともに、この廃液チューブ50を開閉する廃液チューブピンチ部材58が設けられている。廃液チューブ50は、ゴムなどの弾性材で構成されており、ジョイントホース40から前方に水平に延びる水平部50aを有し、この水平部50aから下方に延びている。また、廃液チューブピンチ部材58は、上下方向に延びる板状に形成されており、上端部には、スライダ56の長孔56bに摺動自在に係合する係合凸部58aが設けられる一方、下端部には、廃液チューブ50の水平部50aの下側に、これを横切るように突出しかつ台形状の断面を有する押圧部58bが設けられている。さらに、廃液チューブ50の水平部50aの上側には、廃液チューブピンチ部材58と協働して廃液チューブ50をピンチし、これを閉鎖するための押さえばね59が設けられている。この押さえばね59は、細長い板ばねで構成されており、廃液チューブ50の水平部50aに沿って延び、これに接するように配置されている。また、押さえばね59の両端部は、上方に折り曲げられ、側壁本体44内の廃液チューブピンチ部材58の前後(図9では左右)に設けられた2つの支持部44f、44fに支持されている。
【0028】
上記のように構成された廃液チューブピンチ部材58は、カム円板55の回転に伴うスライダ55の昇降に連動して、昇降する。具体的には、図9に示す状態から、スライダ56が上昇すると、その長孔56bの下端部が廃液チューブピンチ部材58の係合凸部58aに当接する。そして、スライダ56がさらに上昇すると、廃液チューブピンチ部材58が、係合凸部58aを介して持ち上げられることにより、上昇する。それにより、廃液チューブピンチ部材58の押圧部58bが、廃液チューブ50の水平部50aを下方から押し潰し、それにより、廃液チューブ50が閉鎖される(図26(b)参照)。なお、この状態から、スライダ56が下降することにより、廃液チューブピンチ部材58も下降し、元の位置に戻る。
【0029】
また、図9(b)に示すように、シリンダヘッドロック部材57は、上下方向に延びる所定形状に形成され、その中心部において、側壁本体44内の支軸44bに回動自在に支持されている。シリンダヘッドロック部材57の下端部には、カム円板55側に突出した係合凸部57aが設けられており、この係合凸部57aが、カム円板55の前記第2カム溝54に摺動自在に係合している。また、シリンダヘッドロック部材57の上端部には、後方に突出するように延びる鉤状のロック部57bが設けられている。
【0030】
このように構成されたシリンダヘッドロック部材57は、カム円板55の回転に伴って回動し、上端部のロック部57bによって、後述するシリンダヘッド111をシリンダ23の上面に押圧しかつロックすることにより、シリンダ23の上面を閉鎖する。具体的には、図9(b)および図10に示すカム円板55が、両図の時計方向に回転し、シリンダヘッドロック部材57の係合凸部57aが、第2カム溝54の外側カム部64から内側カム部66に向かって、駆動カム部65を摺動することにより、シリンダヘッドロック部材57が、支軸44bを中心として、図9(b)の時計方向に回動する。そして、シリンダヘッドロック部材57のロック部57bが、シリンダヘッド111の上部のヘッドガイドシャフト114に係合するとともに、これを下方に押し下げるようにロックする。それにより、シリンダヘッド111がシリンダ23の上面に密着した状態で、これを閉鎖する(図27(b)参照)。
【0031】
以上のように構成されたシリンダ開閉機構51は、前述したように、左右の側壁41、41にそれぞれ内蔵されており、両シリンダ開閉機構51、51のカム円板55のギヤ部55a、55aが、対応する側壁本体44内の所定位置に回転自在に設けられたギヤ76、76に噛み合っている。図8に示すように、両ギヤ76、76は、左右方向に水平に延びる動力伝達シャフト75の両端部に固定されており、各ギヤ76が対応する側壁本体44内の後端部の上下方向の中央部に配置されている。左側の側壁本体44に設けられたギヤ76(以下「従動ジョイントギヤ76A」という)は、後方に若干露出しており、ドリップユニット21が駆動ユニット22に取り付けられた状態において、駆動ユニット22側の後述する駆動ジョイントギヤ134に噛み合う。したがって、従動ジョイントギヤ76Aが回転すると、これに噛み合う左側のカム円板55が回転し、動力伝達シャフト75および右側のギヤ76を介して、右側のカム円板55が左側のそれに同期して回転する。
【0032】
また、左右の側壁41、41には、ドリップユニット21を駆動ユニット22に着脱するためのドリップユニット着脱機構81、81が設けられている。これらのドリップユニット着脱機構81、81も、上述したシリンダ開閉機構51と同様、左右対称に設けられているので、以下の説明では、右側壁41に内蔵されたものを中心に説明する。
【0033】
図8および図9に示すように、ドリップユニット着脱機構81は、側壁本体44内の後端部に上下方向にスライド自在に設けられたユニットロック部材82と、このユニットロック部材82を下方に付勢するばね83と、ドリップユニット21を駆動ユニット22から取り外す際に操作される取外しレバー84とを備えている。
【0034】
ユニットロック部材82は、上下方向に延びており、上下端部にそれぞれ、後方(図9では右方)に突出する鉤状のロック部82a、82aが設けられている。また、ユニットロック部材82の上下端部にはそれぞれ、上下方向に延びるガイド孔82b、82bが設けられており、各ガイド孔82bに、側壁本体44内の所定位置に突設されたガイド凸部44gが摺動自在に係合している。さらに、ユニットロック部材82の上下方向のほぼ中央部には、カム円板55側に突出する係合凸部82cが設けられており、この係合凸部82cが、カム円板55の第1カム溝53に摺動自在に係合している。また、ユニットロック部材82の下部には、取外しレバー84の後端部84bの直ぐ上、およびその後端部84bよりも若干下方にそれぞれ、外カバー45側に突出する上凸部82dおよび下凸部82eが設けられている。
【0035】
取外しレバー84は、前後方向に延び、その中央部において、前記支軸44dに回動自在に支持されている。取外しレバー84の前端部84aは、側壁41の外部に臨むとともに、側壁41の前部に設けられかつ前方に開放した凹部41aの内側に位置している。また、取外しレバー84の後端部84bは、側面形状がL字状に形成され、ユニットロック部材82の前記上凸部82dに下方から当接している。
【0036】
以上のように構成されたドリップユニット着脱機構81により、ドリップユニット21が駆動ユニット22に取り付けられた状態では、ユニットロック部材82の上下のロック部82a、82aが、それらにそれぞれ対応する駆動ユニット22側の後述する係合孔108d(図4および図16(a)参照)に係止される。それにより、ドリップユニット21は、駆動ユニット22にロックされた状態で、しっかりと取り付けられる。また、ドリップユニット21を駆動ユニット22から取り外す場合には、図12(a)に示す状態から、左右の取外しレバー84、84の前端部84a、84aを同時に押し下げる。それにより、同図(b)に示すように、ユニットロック部材82は、上凸部82dを介して、取外しレバー84によりばね83の付勢力に抗して押し上げられ、それにより、駆動ユニット22側の係合孔108dに対するロック部82aの係止が解除される。そして、その状態のまま、ドリップユニット21を前方に引き出すことにより、ドリップユニット21が駆動ユニット22から取り外される。
【0037】
また、図9(b)に示すように、カム円板55が待機位置に位置する場合、ユニットロック部材82の係合凸部82cは、第1カム溝53の外側カム部61の先端部に位置している。そのため、上記のように、取外しレバー84が操作された際には、係合凸部82cが外側カム部61の先端部の凹部61aにより、上方への移動が許容され、それにより、取外しレバー84の操作が可能となる。これに対し、カム円板55が待機位置に位置していない場合、例えばカム円板55が回転中である場合などには、ユニットロック部材82の係合凸部82cは、第1カム溝53によって、上方への移動が規制される(例えば図26(b)参照)。それにより、ユニットロック部材82の上方への移動が不能になるとともに、取外しレバー84の操作も不能となる。したがって、駆動ユニット22からのドリップユニット21の取り外しは、カム円板55が待機位置に位置する場合にのみ可能であり、カム円板55が回転中である場合などに、ドリップユニット21が誤って取り外されるのを防止することができる。
【0038】
また、図示は省略するが、ドリップユニット21の背面側には、ドリップユニット21を駆動ユニット22から取り外したときに、カム円板55を回転不能にするためのカムロック機構が設けられている。具体的には、左側のカム円板55に噛み合う従動ジョイントギヤ76Aに対して進退自在のロック部材と、このロック部材を従動ジョイントギヤ76A側に付勢するばねなどで構成されている。ドリップユニット21が駆動ユニット22から取り外されたときには、ロック部材が従動ジョイントギヤ76A側に移動し、これに係合することで、そのギヤ76Aを回転不能にする。これにより、従動ジョイントギヤ76Aに噛み合うカム円板55も回転不能となる。一方、ドリップユニット21が駆動ユニット22に取り付けられたときには、駆動ユニット22側に設けられたロック解除部材が、ドリップユニット21側のロック部材に係合し、これを従動ジョイントギヤ76Aと反対方向に移動させることで、ロック部材による従動ジョイントギヤ76Aのロックを解除する。これにより、従動ジョイントギヤ76Aが回転可能となり、それにより、カム円板55も回転可能となる。
【0039】
上記のように、ドリップユニット21が駆動ユニット22から取り外された状態において、カム円板55を回転不能にロックするのは、次の理由による。すなわち、カム円板55の回転角度の制御は、後述するように、駆動ユニット22側に設けられ、カム円板55と同期して回転するスイッチギヤ136aを有するモードスイッチ136を利用して行われる。そのため、スイッチギヤ136aとカム円板55の回転角度の整合性を保つ必要があるからである。
【0040】
なお、左右の側壁本体44、44の背面にはそれぞれ、後方に突出する上下2つのガイド凸部44h、44hが設けられている。ドリップユニット21を駆動ユニット22に取り付ける際には、これらのガイド凸部44hを、駆動ユニット22側の後述するガイド孔108eに挿入するとともに、上記ユニットロック部材82のロック部82aを係合孔108dに挿入することにより、ドリップユニット21の駆動ユニット22への取付けを容易に行うことができる。
【0041】
次に、シリンダホルダ24内に収容されたシリンダ23を把持するシリンダキャッチャ34について説明する。図7および同図(b)のB−B線で切断した図13(a)に示すように、シリンダキャッチャ34は、平面形状が前方に開放するコ字状の支持部材91と、この支持部材91の左右の前端部にそれぞれ固定された2つの把持部材92、92で構成されている。支持部材91は、板ばねから成り、左右方向に所定長さ延びる基部91aと、この基部91aの左右端部においてそれぞれ直角に屈曲し、前方に所定長さ延びる左右2つのアーム部91b、91bとで構成されている。基部91aは、背壁42の内側面にねじ止めされている。そして、両アーム部91b、91bの前端部に、前記把持部材92、92が固定されている。両把持部材92、92は、互いに対向し、それらの対向面が凸状に形成されている。
【0042】
このように構成されたシリンダキャッチャ34により、シリンダホルダ24のシリンダ収容部24aに収容されたシリンダ23は、支持部材91のばね力により、左右の把持部材92、92によって左右からしっかりと挟持される。
【0043】
また、図7および図8に示すように、シリンダホルダ24の底壁43には、従動ギヤユニット85が取り付けられている。この従動ギヤユニット85は、駆動ユニット22側の後述する駆動ギヤユニット161とともに、ペーパーユニット20からペーパーPを引き出すためのペーパー引出し機構160を構成するものであり、シリンダホルダ24の底壁43に取り付けられた従動ギヤホルダ86と、左右方向に延び、従動ギヤホルダ86の左右の側壁に回転自在に支持された回転軸87と、この回転軸87の長さ方向に所定間隔を隔てて配置され、回転軸87に固定された2つの従動ギヤ88、88とを備えている。両従動ギヤ88、88は、形状およびサイズが同一の平歯車で構成されており、従動ギヤホルダ86の後方から下方にわたって、外部に露出している。各従動ギヤ88の内側面には、回転軸87を中心とする同一円周上に、互いに等角度で配置されかつ所定長さ突出する3つの突出部88aが設けられている。
【0044】
また、図7および図14に示すように、従動ギヤホルダ86の内側には、左側の従動ギヤ88の付近に、上下方向にスライド自在のギヤロック部材93が設けられている。このギヤロック部材93は、ペーパーユニット20側の後述するペーパー切れ検出プレート202とともに、ペーパー引出し機構160を動作不能な状態にロックするためのギヤロック機構94(ロック機構)を構成するものである。ギヤロック部材93は、縦長のガイド孔95aを有するガイド部95と、このガイド部95の上端部から後方(図14では右方)に延びるロック部96とで、側面形状がL字状に形成されている。ガイド部95のガイド孔95aには、従動ギヤホルダ86の内面に設けられたガイドピン86aが遊挿されており、また、ガイド部95の下端部には、右方に突出し、ペーパー切れ検出プレート202に上方から当接する係合凸部95bが設けられている。一方、ロック部96の後端寄りの位置には、下方に突出する係止凸部96aが設けられている。また、従動ギヤホルダ86の内側には、ギヤロック部材93を下方に付勢するばね89が設けられている。
【0045】
次に、ペーパーユニット20について説明する。図4および図14に示すように、ペーパーユニット20は、シリンダ23の外径よりも長い幅を有する帯状の連続するペーパーフィルタPと、このペーパーフィルタPを引出し可能に保持するペーパーホルダ201と、このペーパーホルダ201の背壁に回動自在に連結され、ペーパー切れを検出するためのペーパー切れ検出プレート202(可動部材)などで構成されている。ペーパーフィルタPは、コーヒー抽出用の一般的なものと同様、植物繊維などをきめ細かく織って作製されており、ロール状に巻かれたロール部Prを有している。
【0046】
図14に示すように、ペーパーホルダ201は、前面から下面にわたって開放するボックス状に形成されており、その内部に、ペーパーフィルタPのロール部Prが収容された状態で、回転自在に支持されている。なお、詳細な説明は省略するが、このペーパーホルダ201は、その開放部を介して、ペーパーフィルタPのロール部Prが簡単に着脱できるように構成されている。
【0047】
また、ペーパーホルダ201の上部には、上方に突出する鉤状の第1取付部203、および後方に突出する鉤状の第2取付部204が設けられている。これらの第1および第2取付部203、204がそれぞれ、シリンダホルダ24の底壁43に下方および前方から着脱自在に取り付けられている。さらに、ペーパーホルダ201の前端部には、上下方向に間隔を隔てて配置され、左右方向に延びる回転自在の2つのガイドローラ205、205が設けられている。そして、これらのガイドローラ205、205で案内されるペーパーフィルタPは、ドリップユニット21の前方から、シリンダ23とフィルタブロック32の間を通り、従動ギヤユニット85の両従動ギヤ88、88と後述する駆動ギヤユニット161の両駆動ギヤ166、166とで噛み込まれ、さらに、下方の滓バケツB(図1参照)に回収されるようにセットされている。
【0048】
ペーパー切れ検出プレート202は、図14に示すように、ペーパーホルダ201の背壁に形成されたスリット201aを貫通するように配置されており、所定のカム輪郭を有するとともに、下端部においてペーパーホルダ201に回動自在に支持されたカム部206と、カム部206の前端上部から所定長さ延び、ペーパーフィルタPのロール部Prの外周面に当接する当接部207とで構成されている。カム部206のカム輪郭には、当接部207から離れた所定位置に、凹部206aが形成されている。そして、このように構成されたペーパー切れ検出プレート202のカム部206に、前記ギヤロック部材93の係合凸部95bが上方から当接している。
【0049】
以上のように構成されたペーパーユニット20では、コーヒーの抽出ごとに、ペーパーフィルタPがペーパーホルダ201から所定長さずつ引き出され、それにより、ロール部Prの径が次第に縮小する。この場合、ペーパー切れ検出プレート202は、径が縮小するロール部Prに追従しながら回動する。具体的には、ペーパー切れ検出プレート202は、当接部207がロール部Prに当接したまま、下端部を支点として、図14の反時計方向に回動する。そして、ペーパーフィルタPがほとんど無くなり、ロール部Prが所定径に達すると、ペーパー切れ検出プレート202のカム部206に当接しているギヤロック部材93の係合凸部95bが、カム輪郭の凹部206aに到達する。これにより、図15に示すように、ギヤロック部材93は、下方のロック位置にスライドし、そのロック部96aが、従動ギヤ88の突出部88aを介して、従動ギヤ88を係止する。その結果、ペーパー引出し機構160は、動作不能な状態にロックされる。
【0050】
次に、図16〜24を参照しながら、駆動ユニット22について説明する。駆動ユニット22は、その外殻を構成するケース101と、このケース101の前面上部に前方に突出するように設けられたシリンダヘッドカバー100とを備えている。ケース101は、所定形状の複数の金属板を互いに組み付け、ねじ止めすることなどにより、ボックス状に形成されている。
【0051】
図16(a)に示すように、ケース101の前面を構成する前壁108には、その下半部に、大きく開放した開口部108aが形成されるとともに、その開口部108aの大部分を閉鎖する前壁カバー109が設けられている。また、前壁108の左右端部の所定位置には、上下2つずつの係合孔108dおよびガイド孔108eが左右対称に設けられている。前述したように、係合孔108dにはドリップユニット21側のロック部82aが係止され、ガイド孔108eにはドリップユニット21側のガイド突部44hが挿入される。
【0052】
シリンダヘッドカバー100は、互いに左右方向に間隔を隔てて、ケース101の前側上部の左右端部に、前方に突出するように設けられた左右一対のシリンダヘッドサポート103、103と、これらの間に着脱自在に取り付けられたカバー本体102などで構成されている。図21に示すように、各シリンダヘッドサポート103は、正面形状が逆U字状に形成され、上面および外側面の所定位置には、カバー本体102の後述する係合爪102bに係合する係合孔103a、103bがそれぞれ形成されている。また、各シリンダヘッドサポート103の内側面には、前後方向に延び、後述するシリンダヘッド111のヘッドガイドシャフト114の前後方向の移動を許容するガイド孔103cが形成されている。さらに、各シリンダヘッドサポート103の上面には、上記ガイド孔103cの前端部から連なる開口部103dが形成されている。この開口部103dは、前後方向の幅がガイドシャフト114の径よりも大きくなっている。
【0053】
カバー本体102は、平面形状がほぼ矩形状に形成されており、上面の所定位置には、いずれも上下方向に貫通しかつ上方に突出した原料シュート104および湯気抜きダクト106がカバー本体102と一体に設けられている。また、カバー本体102には、上下方向に貫通した取付孔102aに、給湯ノズル105が着脱自在に取り付けられている。なお、原料シュート104には、ミル12のシュート12a(図1参照)が接続され、湯気抜きダクト106には、湯気抜き用のホース(図示せず)が接続され、さらに、給湯ノズル105には、給湯チューブ13a(図1参照)が接続されている。
【0054】
また、カバー本体102の左右端部には、下方に若干突出し、鉤状に形成された左右2つの係止爪102b、102bが設けられている。このように構成されたカバー本体102は、各係止爪102bが、対応するシリンダヘッドサポート103の上面の係合孔103aに挿入するとともに、外側面の係合孔103bに内方からスナップ嵌めで係合することにより、両シリンダヘッドサポート103、103間にしっかりと取り付けられる。
【0055】
一方、カバー本体102をシリンダヘッドサポート103、103から取り外す場合には、左側の係止爪102bから上方に若干延びる操作部102cを左方に押すことによって、左側および右側の係止爪102b、102bを、シリンダヘッドサポート103の係止孔103bから順に外し、それにより、カバー本体102を容易に取り外すことができる。このように、カバー本体102が、工具などを用いることなく容易に取り外せることにより、カバー本体102自体を丸洗いすることが可能であり、また、シリンダヘッドカバー100の内部に、上方から容易にアクセスできることで、そのメンテナンス性や清掃性を向上させることができる。
【0056】
上記のように構成されたシリンダヘッドカバー100の内側には、シリンダ23の上面を開閉するシリンダヘッド111が前後方向にスライド自在に設けられている。
【0057】
図22は、シリンダヘッド111およびその周囲を示している。同図(a)に示すように、シリンダヘッド111は、平面形状がシリンダ23の上面よりも大きい円形状に形成されている。シリンダヘッド111の下面全体には、下面が平らな円形のパッキン112が設けられ、このパッキン112に、エア供給口112a(図23(b)参照)が設けられている。また、シリンダヘッド111の上部は、円錐台状に形成されており、その上端部には、外部からシリンダヘッド111内を通り、上記パッキン112のエア供給口112aを介して、下方にエアを供給するためのゴム製のエア供給管113が接続されている。また、シリンダヘッド111の上端部には、シリンダヘッド111の外径よりも長く、左右方向(図22(a)では上下方向)に延びるヘッドガイドシャフト114が設けられている。
【0058】
また、シリンダヘッド111には、連結部材115を介して、前後方向にスライド自在のスライダ116が連結されている。連結部材115は、平面形状が前方に開放したほぼコ字状に形成され、左右の前端部がそれぞれ連結軸115aを介して、ヘッドガイドシャフト114の真下において、シリンダヘッド111に回動自在に連結されている。スライダ116は、前後方向に延び、前端部が連結部材115の後端部に連結軸116aを介して、回動自在に連結されている。また、スライダ116の後端部には、左右方向に延びる長孔116bが形成され、この長孔116bに、後述するペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123が係合している。そして、シリンダヘッド111およびスライダ116は、所定形状のヘッドガイド部材117によって案内されながら、前後方向にスライドする。
【0059】
ヘッドガイド部材117は、前述した左右のシリンダヘッドサポート103、103間に固定されている。図22に示すように、このヘッドガイド部材117は、上記スライダ116をスライド自在に支持するスライダ支持部117aと、このスライダ支持部117aからシリンダヘッド111の左右の側方を通って前方に延び、前記ヘッドガイドシャフト114を載置した状態で支持する左右2つのシャフト支持部117b、117bとを有している。
【0060】
また、シリンダヘッド111の前部には、補助原料シュート118が着脱自在に取り付けられている。この補助原料シュート118は、シリンダヘッド111が待機位置に位置するときに、前記カバー本体102の原料シュート104とシリンダ23の間に位置し、原料シュート104で案内された原料を、さらにシリンダ23に案内するものである。補助原料シュート118は、上下方向に貫通し、上面が前記カバー本体102の原料シュート104の底面よりも若干大きい筒状に形成されている。補助原料シュート118の背面には、後方に延びる取付けアーム119が一体に設けられている。この取付けアーム119は、上下方向に延び、下端部が鉤状に形成された左右一対の係止爪119a、119aを有しており、両係止爪119a、119aが互いに上下方向の中央で連結されている。このように構成された補助原料シュート118は、両係止爪119a、119aの下端部が、シリンダヘッド111の上面前部のシュート取付部111aをスナップ嵌めで左右から挟持することにより、シリンダヘッド111にしっかりと取り付けられる。
【0061】
一方、補助原料シュート118をシリンダヘッド111から取り外す場合には、両係止爪119a、119aの上端部同士を摘み、下端部間を広げることによって、容易に取り外すことができる。このように、補助原料シュート118が、工具などを用いることなく容易に取り外せることにより、補助原料シュート118自体を丸洗いすることが可能である。
【0062】
また、シリンダヘッド111は、図22(c)に示すように、連結軸116aを中心として、前方に回動し(例えば45度)、シリンダヘッド111の下面、すなわちパッキン112を前方に向けることが可能である。この場合、ヘッドガイドシャフト114は、左右のシリンダヘッドサポート103、103のガイド孔103cから、その前側上部の開口部103dを介して、上方に引き出され、それにより、シリンダヘッド111の下面が前方に向けられる。このように、シリンダヘッド111が、その下面を前方に向けられるように構成されているため、シリンダヘッド111のメンテナンス性や清掃性を向上させることができる。
【0063】
次に、駆動ユニット22のケース101内の構造について説明する。図16〜20に示すように、ケース101には、前述したドリップユニット21のカム円板55を駆動するカム駆動機構121と、後述する複数のピンチ8を駆動するピンチ駆動機構122と、ペーパーPを引き出すとともにシリンダヘッド111を駆動するペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123と、シリンダ23にエアを供給するエアポンプ124などが内蔵されている。
【0064】
カム駆動機構121は、DCモータから成る第1モータ131と、この第1モータ131に接続されるとともに、左右方向に延びかつ両端部が外部に突出する出力軸132aを有するギヤボックス132と、出力軸132aの左端部に固定された出力ギヤ133と、この出力ギヤ133に噛み合うとともに、ドリップユニット21側の従動ジョイントギヤ76Aに噛み合う駆動ジョイントギヤ134とを備えている。なお、上記のギヤボックス132や駆動ジョイントギヤ134などは、所定形状の支持プレート(図示せず)に適宜、取り付けられている。
【0065】
また、出力ギヤ133の付近には、カム円板55の回転角度を制御するためのモードスイッチ136が設けられている。このモードスイッチ136は、中間ギヤ137を介して出力ギヤ133に噛み合うとともに、カム円板55と同期して、等角度で回転するスイッチギヤ136aを有している。モードスイッチ136は、スイッチギヤ136aが複数の所定の回転角度においてON状態になる複数のモードを有しており、制御装置7が、それらのモードに応じて、カム円板55の回転角度を識別する。
【0066】
ピンチ駆動機構122は、コーヒー抽出時に、コーヒーやエアを搬送するための搬送チューブ9の複数の所定個所を開閉するためのピンチ8を駆動するものである。ここでまず、図1を参照して、搬送チューブ9およびピンチ8の配置関係および構成について簡単に説明する。同図に示すように、搬送チューブ9は、エアポンプ124とシリンダヘッド111の間に接続された第1エア搬送チューブ9Aと、エアポンプ124と駆動ユニット22側のジョイントホース120の間に接続された第2エア搬送チューブ9Bと、ジョイントホース120に接続された飲料搬送チューブ9Cとで構成されている。これらの搬送チューブ9A〜9Cはいずれも、ゴムなどの弾性材で構成されている。第1エア搬送チューブ9Aは、前記エア供給管113の後端部に接続されている。また、上記ジョイントホース120は、駆動ユニット22の前側の右下端部に設けられており、ドリップユニット21が駆動ユニット22に取り付けられた状態において、ドリップユニット21側のジョイントホース40に接続される。
【0067】
また、ピンチ8は、上記搬送チューブ9A〜9Cの途中にそれぞれ取り付けられた3つのピンチ8、具体的には、第1エアピンチ8A、第2エアピンチ8Bおよび飲料ピンチ8Cで構成されている。これらのピンチ8A〜8Cは、同じものである。図16(b)および図17(b)に示すように、各ピンチ8は、自身が取り付けられた搬送チューブ9の部分を保持するチューブホルダ141と、チューブホルダ141に回動自在に取り付けられ、これと協働して搬送チューブ9を押し潰し、閉鎖するためのピンチ本体142と、このピンチ本体142の搬送チューブ9と反対側に回転自在に設けられ、ピンチ本体142を搬送チューブ9側に押圧するための所定形状のカム143とで構成されている。
【0068】
このように構成されたピンチ8A〜8Cは、第1および第2エアピンチ8A、8Bが、図16(b)に示すように、左右に隣接して配置され、飲料ピンチ8Cが、図17(b)に示すように、第2エアピンチ8Bの後方にこれに対向するように配置されている。なお、これらのピンチ8A〜8Cでは、カム143が共通化されている。
【0069】
図16および図19に示すように、ピンチ駆動機構122は、前述したカム駆動機構121と共通の第1モータ131およびギヤボックス132と、その出力軸132aの右端部に固定された出力ギヤ145と、ピンチ8のカム143の回転シャフト146に固定された駆動ギヤ147と、上記出力ギヤ145および駆動ギヤ147にそれぞれ噛み合う2つのギヤ部を有する中間ギヤ148とを備えている。
【0070】
上述したように、カム駆動機構121およびピンチ駆動機構122は、第1モータ131を共通の駆動源とし、前者121によるカム円板55、フィルタブロック32、シリンダヘッドロック部材57および廃液チューブピンチ部材58と、後者122による3つのピンチ8A〜8Cとを、相互に連係するように駆動する。これにより、コーヒーの抽出時において、シリンダ23の上面および下面の開閉、廃液チューブピンチ部材58による廃液チューブ50の開閉、ならびにピンチ8A〜8Cによる搬送チューブ9A〜9Cの開閉を、効率良くかつ適切に行うことができる。
【0071】
図23は、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123およびその周囲を示している。同図に示すように、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123は、DCモータから成る第2モータ151(駆動源、モータ)と、この第2モータ151に接続されるとともに、上下方向に延びかつ両端部が外部に突出した出力軸152aを有するギヤボックス152と、出力軸152aの上下端部にそれぞれ設けられたシリンダヘッド駆動部153およびペーパー引出し駆動部154などで構成されている。
【0072】
図23および図24に示すように、シリンダヘッド駆動部153は、平面形状が円形に形成され、出力軸152aの回転に伴って、所定の一方向にのみ回転可能なワンウェイクラッチを内蔵している。シリンダヘッド駆動部153の上面周縁部には、上方に突出する係合凸部153aが設けられており、この係合凸部153aが、シリンダヘッド111に連結されたスライダ116の長孔116bに摺動自在に係合している。したがって、シリンダヘッド駆動部153が、図24(a)に示す待機位置から180度回転することにより、同図(b)に示すように、スライダ116が前方(同図の下方)にスライドし、それにより、シリンダヘッド111が前方のシリンダ閉鎖位置に移動する。
【0073】
また、上記シリンダヘッド駆動部153の左右には、シリンダヘッド駆動部153の回転位置を検出することによってシリンダヘッド111の位置を検出するための2つのマイクロスイッチ155、155が配置されている。各マイクロスイッチ155は、常時、スイッチレバー155aの先端部がシリンダヘッド駆動部153の側面に当接しており、その側面の所定位置に設けられた凹部153bにスイッチレバー155aの先端部が係合することによって、マイクロスイッチ155のON/OFF状態が切り換わる。
【0074】
一方、ペーパー引出し駆動部154は、図23に示すように、上記シリンダヘッド駆動部153と反対方向にのみ回転可能なワンウェイクラッチを内蔵するかさ歯車で構成されている。そして、このペーパー引出し駆動部154の回転によって、ペーパー引出し機構160の駆動ギヤユニット161が駆動される。なお、図示は省略するが、ペーパー引出し駆動部154の付近には、上述したシリンダヘッド駆動部153と同様、ペーパー引出し駆動部154の回転位置を検出するためのマイクロスイッチが設けられている。
【0075】
駆動ギヤユニット161は、所定形状のフレーム162を有しており、このフレーム162の上下端部にそれぞれ、上シャフト163および下シャフト164が回転自在に支持されている。上シャフト163には、その長さ方向のほぼ中央部に、前記ペーパー引出し駆動部154に噛み合うかさ歯車で構成された中間ギヤ165が固定されている。一方、下シャフト164には、その長さ方向の端部でかつフレーム162の外側に、左右2つの駆動ギヤ166、166が固定されている。両駆動ギヤ166、166は、前記従動ギヤユニット85の両従動ギヤ88、88間と同じ間隔を隔てて配置されており、ドリップユニット21が駆動ユニット22に取り付けられた状態において、対応する従動ギヤ88、88にそれぞれ噛み合うように構成されている。
【0076】
また、図16などに示すように、上シャフト163の左端部には、フレーム162の外側に、歯付きのプーリ167が固定される一方、下シャフト164の左端部には、左側の駆動ギヤ166の外側に、上記プーリ167と形状およびサイズが同一のプーリ168が固定されている。そして、これらのプーリ167、168に、タイミングベルト169が巻き掛けられている。
【0077】
図25は、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123によって駆動されるペーパー引出し機構160の動作を示している。同図(a)に示すように、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123の出力軸152aが所定方向(矢印で示す反時計方向)に回転すると、ペーパー引出し駆動部154は、内蔵するワンウェイクラッチを介して、出力軸152aに接続され、出力軸152aと一体に同一方向に回転する。そして、ペーパー引出し駆動部154の回転力が、駆動ギヤユニット161の中間ギヤ165、プーリ167、168およびタイミングベルト169を介して、駆動ギヤ166に伝達される。これにより、図25(a)においてそれぞれ矢印で示すように、駆動ギヤ166および従動ギヤ88が回転しながら、両ギヤ166、88に噛み込まれたペーパーフィルタPをペーパーホルダ201から引き出す。このようにして、ペーパーフィルタPを引き出すことにより、ペーパーフィルタPを、例えば単純なローラで挟みかつローラを回転させながら引き出す場合に比べて、ペーパーフィルタPの引出しを円滑かつ確実に行うことができる。
【0078】
一方、図25(b)に示すように、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123の出力軸152aが、上記の所定方向と反対方向(矢印で示す時計方向)に回転したときには、出力軸152とペーパー引出し駆動部154がワンウェイクラッチで接続されない。その結果、駆動ギヤ166が回転することはなく、したがって、ペーパーフィルタPが引き出されることもない。なお、出力軸152が上記の方向に回転したときには、前述したように、シリンダヘッド111が待機位置とシリンダ閉鎖位置の間で前後方向にスライドする。
【0079】
また、上記の出力軸152aが停止している状態においては、ペーパー引出し駆動部154は、内蔵するワンウェイクラッチの特性により、図25(a)の矢印で示す方向に空回りすることが可能である一方、上記矢印の反対方向に対しては、回転不能にロックされる。そのため、出力軸152aが停止している場合、中間ギヤ165、駆動ギヤ166および従動ギヤ88は、同図のそれぞれの矢印で示す方向にのみ回転可能である。
【0080】
したがって、例えば、ペーパーフィルタPのセット時などにおいて、ペーパーフィルタPを図25(a)の矢印で示す方向に強制的に引き出すことが可能であり、それにより、コーヒー抽出装置2から垂れ下がるペーパーフィルタPの長さなどを、簡単に調整することができる。また、駆動ギヤ166および従動ギヤ88が、同図のそれぞれの矢印の反対方向に回転することがないので、ペーパーフィルタPは、同図の矢印で示す引出し方向にのみ送られ、その結果、ドリップユニット21から外部に移動したペーパーフィルタPの使用済み部分が、ドリップユニット21側に戻るのを確実に防止することができる。
【0081】
次に、エアポンプ124について説明する。このエアポンプ124は、図16〜図19に示すように、モータ124aと、これによって駆動されるポンプ本体124bと、外気から塵やゴミなどを除去するための吸気フィルタ124cなどで構成されている。ポンプ本体124bは、吸気チューブ125Aを介して、吸気フィルタ124cに接続されるとともに、排気チューブ125Bを介して、前記第1および第2エア搬送チューブ9Aおよび9Bに接続されている。したがって、モータ124aでポンプ本体124bが駆動されると、外部のエアが、吸気フィルタ124cから吸気チューブ125Aを介してポンプ本体124bに吸い込まれ、その吸い込まれたエアが、排気チューブ125Bを介して、第1および第2エア搬送チューブ9Aおよび9Bに圧送される。
【0082】
次に、以上のように構成されたコーヒー抽出装置2の動作について、その一連の動作を順に示す図26〜図28を参照しながら説明する。なお、これらの図においては、上段にカム円板55の回転動作を中心に示すものとし、下段にフィルタブロック32およびシリンダヘッド111の動作を中心に示すものとする。
【0083】
図26(a)は、待機状態を示している。この待機状態では、カム円板55、フィルタブロック32およびシリンダヘッド111が、それぞれの待機位置に位置するとともに、シリンダ23の上面および下面がいずれも開放されている。また、この待機位置では、補助原料シュート118が、カバー本体102の原料シュート104の真下に位置している。さらに、待機状態では、図29の(1)に示すように、第1エアピンチ8A、第2エアピンチ8Bおよび飲料ピンチ8Cはいずれも開放状態であり、したがって、ピンチ8A〜8Cにそれぞれ対応する搬送チューブ9A〜9Cがいずれも開放されている。
【0084】
この待機状態から、カム駆動機構121の第1モータ131が所定方向に回転することにより、カム円板55が、図26において時計方向に回転する。それにより、カム円板55の第1カム溝53に係合するスライダ56が上昇し、スライダ56に支持されたフィルタブロック32が、その上側のペーパーフィルタPとともに上昇する。この場合、スライダ56の上昇途中において、スライダ56の長孔56bの下縁部が、廃液チューブピンチ部材58の係合凸部58aに当接し、その後、スライダ56の上昇に伴って、廃液チューブピンチ部材58も上昇する。そして、同図(b)に示すように、カム円板55が待機位置から約120度回転することにより、フィルタブロック32がシリンダ23の下面にペーパーフィルタPを押し当てた状態で、シリンダ23の下面をシールする。またこの場合、廃液チューブピンチ部材58が、その押圧部58bと押さえばね59との間で、廃液チューブ50を押し潰すことにより、これを閉鎖する。
【0085】
次いで、この状態において、原料供給装置3および給湯装置4からそれぞれ、所定量の原料および湯が、シリンダ23内に供給される。具体的には、原料は、カバー本体102の原料シュート104およびシリンダヘッド111の補助原料シュート118を介して、シリンダ23に供給される。一方、湯は、カバー本体102の給湯ノズル105を介して、シリンダ23に供給される。この原料および湯の供給時には、図29の(2)に示すように、上記待機状態と同様、ピンチ8A〜8Cはいずれも、開放状態である。
【0086】
原料および湯の供給後、カム円板55は、図26(c)に示すように、待機位置から約180度回転したときに、第1モータ131の停止に伴って停止する。この状態では、図29の(3)に示すように、第2エアピンチ8Bのみが開放状態となり、他のピンチ8Aおよび8Cがいずれも閉鎖状態となる。その後、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123の第2モータ151が所定方向に回転し、シリンダヘッド駆動部153が、待機位置(図24(a)参照)から、180度回転したときに(図24(b)参照)、第2モータ151が停止する。これにより、シリンダヘッド111は、待機位置から前方に移動し、シリンダ23の真上に到達する。この場合、シリンダヘッド111は、その上部のヘッドガイドシャフト114が、ヘッドガイド部材117のシャフト支持部117bの前端よりも前側に移動することにより、図27(a)に示すように、若干下降し、シリンダ23上に載る。そして、この状態において、エアポンプ124が所定時間(例えば数秒)、作動することにより、エアが、第2エア搬送チューブ9Bおよびフィルタブロックチューブ32aを介してフィルタブロック32に送られる。このエアは、フィルタブロック32のメッシュフィルタ72およびペーパーフィルタPを通過し、シリンダ23内の原料および湯を攪拌する。なお、シリンダ23内で発生した湯気は、湯気抜きダクト106を介して、外部に適宜、排出される。
【0087】
上記攪拌の終了後、カム駆動機構121の第1モータ131が再度回転し、それにより、カム円板55がさらに回転する。そして、図27(b)に示すように、カム円板55が待機位置から約240度回転することにより、カム円板55の第2カム溝54に係合するシリンダヘッドロック部材57が、同図において時計方向に若干回動し、そのロック部57bによって、ヘッドガイドシャフト114を下方に押し下げる。これにより、シリンダヘッド111は、シリンダ23の上面に当接した状態でこれをシールする。また、この状態では、図29(4)に示すように、第1エアピンチ8Aおよび飲料ピンチ8Cが開放状態となる一方、第2エアピンチ8Bが閉鎖状態となる。
【0088】
次いで、エアポンプ124が所定時間(例えば数秒)、作動し、エアが、第1エア搬送チューブ9Aを介してシリンダヘッド111に圧送され、さらに、シリンダ23に供給される。それにより、シリンダ23内が加圧され、抽出されたコーヒーが、ペーパーフィルタPでろ過され、フィルタブロックチューブ32a、飲料搬送チューブ9C、ミキシングボウル5および飲料チューブ5aを通って、カップCに供給される。
【0089】
以上のようにして、コーヒーがカップCに供給された後、カム駆動機構121の第1モータ131が上記と逆方向に回転することにより、カム円板55も逆方向に回転し、元の待機位置に戻る。この場合、図27(c)に示すように、その途中において、シリンダヘッドロック部材57によるヘッドガイドシャフト114のロックが解除されるとともに、ヘッドガイドシャフト114が、カム円板55の凸部55bで押し上げられる。そして、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123の第2モータ151が、上記と同じ方向に回転し、シリンダヘッド駆動部153がさらに180度回転する。以上により、図28(a)に示すように、シリンダヘッド111およびブロックフィルタ32が待機位置に戻る。この場合、フィルタブロック32上のペーパーフィルタPには、コーヒー抽出後の原料である抽出滓Gが残留する。
【0090】
またこの場合、廃液チューブピンチ部材58も元の待機位置に戻り、廃液チューブ50が開放される。それにより、フィルタブロックチューブ32aや飲料搬送チューブ9Cに微量のコーヒーが残留した場合でも、そのコーヒーは、廃液チューブ50を介して滓バケツBに排出される。特に、駆動ユニット22側のジョイントホース120に接続された飲料搬送チューブ9Cは、ジョイントホース120から上方に延びるように配管されているため、その部分に残留したコーヒーは、ジョイントホース120側に流れやすく、さらに廃液チューブ50側に流れ、排出される。その結果、シリンダ23からのコーヒーの搬送後、その搬送経路にコーヒーが残留することが無くなり、したがって、次回のコーヒー抽出時に、前回抽出時のコーヒーが混入することがなく、高品質のコーヒーを提供することができる。
【0091】
次いで、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123の第2モータ151が、上記と逆方向に回転することにより、ペーパー引出し駆動部154が所定方向(図25(a)参照)に所定回数(例えば2回)、回転する。これにより、ペーパー引出し機構160の駆動ギヤ166および従動ギヤ88が、ペーパーフィルタPをペーパーホルダ201から引き出す方向にそれぞれ回転し、ペーパーフィルタPを所定長さ、引き出す。具体的には、図28(b)に示すように、コーヒーのろ過に使用された使用済み部分の長さ分、ペーパーフィルタPがフィルタブロック32の後ろ側から下方に引き出され、その結果、使用済み部分に続く未使用部分が、フィルタブロック32上にセットされる。
【0092】
以上により、コーヒー抽出装置2によるコーヒー抽出の一連の動作が終了する。
【0093】
次に、ペーパーフィルタPのペーパー切れ判定方法について説明する。上述したようにして、コーヒーの抽出が繰り返され、ペーパーフィルタPがペーパーホルダ201から引き出されると、ペーパーフィルタPのロール部Prの径が次第に縮小する。そして、前記図15を参照して説明したように、ギヤロック機構94で従動ギヤ88が回転不能にロックされると、ペーパー引出し機構160が動作不能な状態にロックされる。この場合、ペーパー引出し・シリンダヘッド駆動機構123の第2モータ151に、所定電圧が印加されていることで、第2モータ151が回転しようとするものの、上記のようにペーパー引出し機構160がロックされているために、第2モータ151も回転不能な状態にロックされる。
【0094】
前述したように、この第2モータ151は、DCモータであるので、ロックされることで回転数が0のときには、モータの特性により、トルクが最大になるとともに電流値も最大となる。したがって、前記制御装置7により、第2モータ151の電流値を検出し、その電流値に基づいて、第2モータ151がロックされているか否かが判別される。具体的には、検出された電流値が、比較的高い所定値を上回ったときに、第2モータ151がロックされていると判別される。そして、この判別結果に基づいて、ペーパー引出し機構160がロックされていること、すなわちペーパー切れであると判定される。
【0095】
以上のように、第2モータ151の動作状態に基づいて、ペーパー切れを判定することができるので、ペーパーフィルタPのロール部Prの径を検出するためのセンサやスイッチなど、従来一般にペーパー切れを判定するのに用いられる電機部品を使用することなく、ペーパー切れを適切に判定することができる。なお、ペーパー切れと判定されたときには、自動販売機1において、コーヒーの販売を停止するとともに、その旨を表示するなどの処理が実行される。
【0096】
以上詳述したように、本実施形態によれば、駆動ユニット22にドリップユニット21が着脱自在に取り付けられているので、メンテナンス時に、ドリップユニット21を駆動ユニット22から取り外すことにより、ドリップユニット21を容易に洗浄でき、したがって、良好なメンテナンス性を得ることができる。また、シリンダ23内で抽出されたコーヒーを、ペーパーフィルタPを用いてろ過するので、残渣が非常に少ない高品質のコーヒーを得ることができる。さらに、ペーパーフィルタPをペーパーホルダ201から引き出すペーパー引出し機構160は、コーヒーを抽出するためのシリンダヘッド111と共通の駆動源である第2モータ151によって駆動されるので、ペーパー引出し機構160のみを駆動する専用のモータを用いる場合に比べて、コーヒー抽出装置2自体を低コストで製造することができる。
【0097】
また、メンテナンス時に、ドリップユニット21を駆動ユニット22から取り外し、さらにドリップユニット21から、ペーパーフィルタPとともにペーパーユニット20を取り外した状態で、ドリップユニット21を丸洗いすることなどにより、ペーパーフィルタPを濡らすことなく、ドリップユニット21を容易に洗浄することができる。さらに、ペーパー引出し機構160の駆動ギヤ166が駆動ユニット22側に設けられる一方、従動ギヤ88がドリップユニット21側に設けられているので、駆動ユニット22からドリップユニット21を取り外すことによって、駆動ギヤ166と従動ギヤ88の噛合いを解除でき、その結果、両ギヤ166、88によるペーパーフィルタPの噛み込みを容易に解除することができる。また、ペーパーフィルタPの端部を駆動ギヤ166と従動ギヤ88の間に位置させた状態で、ドリップユニット21を駆動ユニット22に取り付けるだけで、ペーパーフィルタPを両ギヤ166、88で挟むことができ、その結果、ペーパーフィルタPをペーパー引出し機構160に簡単にセットすることができる。
【0098】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明をコーヒー抽出装置に適用した場合について説明したが、原料として茶葉を用い、茶系飲料を抽出する飲料抽出装置に適用することもできる。
【0099】
また、実施形態では、ペーパーフィルタPがペーパー切れになったときに、ギヤロック機構94のギヤロック部材93で、ペーパー引出し機構160の従動ギヤ88をロックするように構成したが、例えば、ペーパー切れ検出プレート202で直接、従動ギヤ88をロックすることなどにより、ペーパー引出し機構160をロックするように構成してもよい。さらに、実施形態では、抽出時に、エアポンプ124によるエアをシリンダ23に供給し、シリンダ23内を加圧することによって、コーヒーを外部に搬送するようにしたが、これに代えて、ギヤポンプやチューブポンプを採用し、シリンダ23内のコーヒーを吸引することによって外部に搬送してもよい。また、実施形態で示したコーヒー抽出装置2の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 カップ式自動販売機
2 コーヒー抽出装置(飲料抽出装置)
7 制御装置(ペーパー切れ判定手段、モータ電流検出手段、ロック判定手段)
21 ドリップユニット(抽出ユニット)
22 駆動ユニット
88 従動ギヤ
93 ギヤロック部材
94 ギヤロック機構(ロック機構)
151 第2モータ(駆動源、モータ)
152a 出力軸
154 ペーパー引出し駆動部
160 ペーパー引出し機構
166 駆動ギヤ
201 ペーパーホルダ
202 ペーパー切れ検出プレート(可動部材)
P ペーパーフィルタ
Pr ペーパーフィルタのロール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料および水を用いて飲料を抽出するための飲料抽出装置であって、
駆動源を有する駆動ユニットと、
この駆動ユニットに着脱自在に取り付けられ、前記駆動源で駆動されることによって飲料を抽出する抽出ユニットと、
飲料をろ過するための連続するペーパーフィルタを保持するとともに、前記抽出ユニットに取り付けられたペーパーホルダと、
前記駆動源で駆動されることによって、前記ペーパーホルダから前記ペーパーフィルタを引き出し、前記抽出ユニットに送り出すことにより、飲料のろ過に使用された前記ペーパーフィルタの使用済み部分を前記抽出ユニットの外部に移動させるとともに、当該ペーパーフィルタの前記使用済み部分に続く未使用部分を前記抽出ユニットに移動させるペーパー引出し機構と、
を備え、
前記ペーパーフィルタは、ロール状に巻かれるとともに前記ペーパーホルダに回転自在に支持されたロール部を有しており、
前記ロール部の外周面に当接するとともに、前記ペーパーフィルタの使用に伴って径が縮小する前記ロール部に追従しながら移動可能な可動部材を有し、当該可動部材が所定位置に到達したときに、前記ペーパー引出し機構を動作不能な状態にロックするロック機構と、
前記ペーパー引出し機構がロックされたときに、ペーパー切れと判定するペーパー切れ判定手段と、
をさらに備えていることを特徴とする飲料抽出装置。
【請求項2】
前記駆動源は、モータであり、
前記ペーパー切れ判定手段は、
前記モータに流れる電流値を検出するモータ電流検出手段と、
前記検出された電流値に基づき、前記モータが回転不能な状態にロックされているか否かを判別することによって、前記ペーパー引出し機構のロックの有無を判定するロック判定手段と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載の飲料抽出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−143619(P2012−143619A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97319(P2012−97319)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【分割の表示】特願2007−263010(P2007−263010)の分割
【原出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】