説明

飲料生成装置内での遠心分離によりコーヒー飲料を供給するための方法

コーヒー粉末を収容するカプセルからショートコーヒー抽出物を調製するための方法であって、5.0〜8.5グラムの挽いたコーヒー粉末を収容するカプセルを用意するステップと、飲料生成装置内において、コーヒー粉末と相互に作用する液体をカプセル内に注入してカプセルに遠心力を及ぼすステップであって、遠心力の作用により液状コーヒー抽出物がカプセルから抽出され、そのような液状コーヒー抽出物がその後に収集されるステップとを備え、液状コーヒー抽出物の抽出が、2500〜7500rpmの範囲内の速度でカプセルを回転させることにより得られる、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離によってコーヒー飲料を供給するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リステロットやエスプレッソなどのショートコーヒー飲料を調製するための従来の抽出方法は、挽いたコーヒー粉末を収容する筐体の一方側から高圧で水ピストンを加えて、筐体の反対側でコーヒー抽出物を抽出する。この方法により、特にコーヒー愛飲家により高く評価される香り高く風味豊かなコーヒー飲料を更に供給することができる。
【0003】
他の方法では、例えばドリップコーヒーメーカーの使用により低圧下または重力下でロングコーヒーを浸出する。抽出中にかかる低い圧力により、香りの弱いコーヒーになる。したがって、過剰な量のコーヒー粉末がコーヒーメーカー内に配置されなければ、多くの場合、コーヒーは、薄く、香りの弱い/風味の足りない特性を有し、大抵十分に泡立たない。
【0004】
低圧であることから、ドリップコーヒー方法は、ショートコーヒー飲料を供給するようになっていない。これは、ドリップコーヒー方法が十分なボディ、風味、香り強さ、および、クレマを与えないからである。
【0005】
遠心分離を使用することによるコーヒーの調製も既に知られている。原理は、主に、容器内に挽いたコーヒーを用意し、容器内に液体を供給し、容器を高速で回転させることにより、容器の中心から外周へ向けて次第に増大する液体の圧力勾配を容器内に形成しつつ、液体と粉末との相互作用を確保することにある。液体がコーヒー層を通り抜けて、コーヒー化合物の抽出が行なわれ、流出する液体抽出物が容器の外周で得られる。
【0006】
既知のコーヒー遠心分離プロセスで直面する他の問題には、コーヒー抽出の質に悪影響を及ぼす液体とコーヒーとの間の不均一な相互作用というものがある。特に、液体が均一にコーヒーを湿潤しない場合があり、あるいは、水がコーヒー粉末中で好ましい流路を見出さない場合があり、あるいは、水ポケットがコーヒー容器内に生じる場合などがある。結果として、コーヒー固形物の液体中への移動が最適ではなくなる。また、コーヒーの風味および香りの強さが失われる可能性がある。この問題は、リステロットタイプやエスプレッソタイプのコーヒーなどのショートコーヒー飲料が遠心分離によって生成されるときに特に顕著である。これは、コーヒー品質(強度、香り/風味、クレマなど)の損失を通常はロングコーヒー(ルンゴまたはロンガーコーヒー(longer coffee))の場合よりも知覚できるからである。
【0007】
国際公開第2008/148834号パンフレットは、飲料抽出物を抽出するために遠心力を使用する飲料調製装置で用いるカプセルに関するものであり、この場合、一例として、カプセルは、粒径が260ミクロンの6.5グラムのコーヒー粉末を収容できる。カプセルは、約2グラム/秒の液体流量において約8000rpmで回転される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の抽出方法により得られるコーヒーの品質と一致するように品質、特にその香りおよび風味の強さが向上されたショートコーヒーを供給する必要性がある。本発明は、この必要性に対する解決策を提供する。
【0009】
また、コーヒーの品質を向上しつつ共通の方法により選択されたコーヒー飲料を供給する必要性もある。特に、既知の方法の欠点を低減しつつショートコーヒー、中間サイズのコーヒー、および/または、ロングコーヒーなどの異なる量のコーヒー飲料の抽出品質を向上させる必要性がある。
【0010】
また、コーヒー飲料の表面にできる「クレマ」を向上させる必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、コーヒー粉末を収容するカプセルからショートコーヒーを調製するための方法であって、
5.0〜8.5グラムの挽いたコーヒー粉末を収容するカプセルを用意するステップと、
飲料生成装置内において、コーヒー粉末と相互に作用する液体をカプセル内に注入してカプセルに遠心力を及ぼすステップであって、遠心力の作用により、液状コーヒー抽出物がカプセルから抽出され、そのような液状コーヒー抽出物がその後に収集されるステップと、
を備え、
液状コーヒー抽出物の抽出は、2500〜7500rpmの範囲内の速度でカプセルを回転させることにより得られる、方法に関する。
【0012】
好ましくは、液状コーヒー抽出物の抽出は、2500〜5000rpmの範囲内の速度でカプセルを回転させることにより得られる。最も好ましくは、回転速度は3500〜4500rpmの範囲内である。
【0013】
第2の態様において、本発明は、本体と、周縁と、上壁部材とを備え、飲料調製装置内で遠心分離により好ましくはショートコーヒー抽出物を調製するように設計されるカプセルであって、
カプセルは、4〜15グラム、好ましくは5〜8.5グラム、最も好ましくは7〜8グラムのコーヒー粉末を収容し、
コーヒー粉末は、160〜400ミクロン、より好ましくは160〜255ミクロンの範囲内の粒径(D4,3)有し、
カプセルは、コーヒー粉末とガスとを受けるために利用できる18〜28ml、好ましくは約24ml(±1ml)の格納容積を有し、
周縁は、1.0〜3.5mm、好ましくは1.2〜2.8mmの厚さを有する環状バルブ部(8)を有する、
カプセルに関する。
【0014】
第3の態様において、本発明は、飲料生成装置内において、コーヒー粉末を収容するカプセルにコーヒー粉末と相互に作用する液体を注入してカプセルに遠心力を及ぼすことにより、選択された量の液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、遠心力の作用により液状コーヒー抽出物がカプセルから抽出され、そのような液状コーヒー抽出物がその後に収集される方法であって、
異なる量の挽いたコーヒーを収容するカプセルのセットから1つのカプセルを選択するステップであって、それぞれの量が、供給されるべき液状コーヒー抽出物の所定範囲の量に対応する、ステップと、
液状コーヒー抽出物を抽出するために飲料生成装置内で前記カプセルを回転させるステップと、
カプセルから供給されるべき液状コーヒー抽出物の量を制御するステップと、
を備え、
抽出中の回転は、500〜7500rpmの範囲内の回転速度で制御され、
液体の流量は、液状コーヒー抽出物の量に応じておよび/またはセット中のカプセルのサイズに応じておよび/またはカプセル内に収容されるコーヒー粉末の量に応じて異なる、
方法に関する。
【0015】
第4の態様において、本発明は、飲料生成装置内において、コーヒー粉末を収容するカプセルにコーヒー粉末と相互に作用する液体を注入してカプセルに遠心力を及ぼすことにより、液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、遠心力の作用により液状コーヒー抽出物がカプセルから抽出され、そのような液状コーヒー抽出物がその後に収集される方法であって、
それぞれが異なる量の挽いたコーヒーを収容する幾つかのカプセルのセットから1つのカプセルを選択するステップであって、それぞれの量が、供給されるべき液状コーヒー抽出物の所与範囲の量に対応する、ステップと、
液状コーヒー抽出物を抽出するために飲料生成装置内でカプセルを回転させるステップと、
カプセルから供給されるべき液状コーヒー抽出物の量を制御するステップと、
を備え、
液体の流量は、供給される液状コーヒー抽出物の量が少なくなるにつれておよび/またはカプセルのサイズがセット内で小さくなるにつれておよび/またはカプセル内のコーヒー粉末の量がセット内で少なくなるにつれて減少する、
方法に関する。
【0016】
第5の態様において、本発明は、コーヒー粉末を収容するカプセルからクレマを伴う液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、
飲料生成装置内において、コーヒー粉末と相互に作用する液体をカプセル内に注入してカプセルに遠心力を及ぼすことにより、遠心力の作用により液状コーヒー抽出物が流れ制限部からカプセルの外に飛び出して衝突壁に衝突し、そのような液状コーヒー抽出物がその後に飲料生成装置により収集されて飲料生成装置から供給され、
飛行距離が0.3〜10mmの範囲内である、方法に関する。
【0017】
第6の態様において、本発明は、挽いたコーヒー粉末を収容するカプセルからクレマを伴う液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、
飲料生成装置内において、コーヒー粉末と相互に作用する液体をカプセル内に注入してカプセルに遠心力を及ぼすことにより、遠心力の作用により液状コーヒー抽出物がカプセルから飛び出して衝突壁に衝突し、そのような液状コーヒー抽出物がその後に飲料生成装置により収集されて飲料生成装置から供給され、
液状コーヒー抽出物の抽出は、カプセルを所定範囲内の回転速度で回転させることにより得られ、
飛行距離は、供給されるべき液状コーヒー抽出物の量に応じておよび/またはカプセルのサイズに応じておよび/またはカプセル内に収容されるコーヒー粉末の量に応じて変化する、方法に関する。
【0018】
第7の独立する態様において、本発明は、飲料生成装置内での遠心分離によりコーヒー飲料を生成するためのプロセスであって、該飲料生成装置は、
飲料生成装置内に配置される乾燥コーヒー粉末を収容する容器内に液体を供給する工程と、
容器を回転駆動させることにより容器の外周で液状コーヒー抽出物を抽出するために所定の回転速度であるいは所定範囲内の回転速度で容器を回転させる工程と、
液状コーヒー抽出物を収集する工程と、
を行なうように構成され、
容器内に液体を供給する前に、乾燥コーヒー凝集ステップにより、容器内のコーヒー粉末が乾燥状態で遠心分離される(「乾燥コーヒー凝集ステップ」)、プロセスに関する。
【0019】
特に、容器は、乾燥コーヒー粉末を容器の外周壁上に凝集させて、供給されるべき液体のための通路を容器の中心領域に残すように回転される。
【0020】
特に、調製プロセスの初めに乾燥コーヒー粉末を遠心力に服従させることによりコーヒー液体のその後の抽出を向上させることができるのが分かってきた。特に、乾燥粉末に対するこの予備的な遠心分離工程により、コーヒー粉末は、液体が容器内に供給される前に容器内で確実に凝集される。
【0021】
容器内での乾燥コーヒー粉末の凝集度合は、このステップ中に回転速度および回転の継続時間を制御することによって制御することができる。より好ましくは、乾燥コーヒーは、少なくとも1秒間にわたって、好ましくは少なくとも2秒間にわたって、少なくとも500rpmの速度で容器内において遠心分離される。好ましくは、乾燥コーヒーは、少なくとも2秒間にわたって、好ましくは少なくとも3秒間にわたって、少なくとも2000rpmの速度で容器内において遠心分離される。最も好ましくは、乾燥コーヒー粉末の回転速度は、4500〜10000rpmの速度で4〜10秒の継続時間にわたって、最も好ましくは約8000rpmの速度で約6秒間にわたって行なわれる。
【0022】
乾燥コーヒー凝集ステップの作用を減少させるために回転速度が加速される。このステップ中の回転速度の加速度は、好ましくは少なくとも500rpm/秒、最も好ましくは少なくとも1000rpm/秒、最も好ましくは1000〜5000rpm/秒である。
【0023】
コーヒー挽きサイズなどの他の製品パラメータは、均一な凝集を促すように設定できる。一般に、コーヒーの平均挽きサイズ(D4,3)は、100〜1000ミクロン、より好ましくは160〜700ミクロンであることが好ましい。
【0024】
容器は、例えば国際公開第2009/106598号パンフレットまたは「Capsule system with flow adjustment means」と題される同時係属の欧州特許出願第09178382.9号に記載される回転駆動アセンブリによりその中心軸線に沿って回転駆動される。特に、回転駆動アセンブリは、モータ、例えばDC電気回転モータと、容器と係合して容器の中心軸線に沿って容器を回転動作で駆動させるようになっている結合手段とを備える。回転速度は、一般に、例えば光センサまたはホール効果センサによりモータの回転速度を測定することによって制御され、センサにより測定された速度関連信号は、飲料生成装置の制御ユニットにより受信されて処理される。
【0025】
容器内に供給される液体は、飲料調製プロセスの異なるステップを適合させるためにポンプをONおよびOFFに切り換える装置の制御ユニットによって制御される。ポンプは、電磁ポンプ、隔膜ポンプ、蠕動ポンプなどのあらゆる適した水供給ポンプであってもよい。ポンプには、装置の一部である水タンクなどの液体供給リザーバから液体が供給されるのが好ましい。調製中に容器に供給される液体の量は流量計によって測定することができ、流量計は測定された値を制御ユニットへ送る。流量計は、液体の下流側または液体供給リザーバの近傍あるいは内側などのあらゆる適した位置で流体回路内に配置されることができる。
【0026】
また、容器の回転速度は、容器内に供給される液体の基準流量と一致するように制御ユニットにより制御することもできる。このため、液体流量は、制御ユニットによって監視されて、基準流量と比較される。それに応じて、制御ユニットは、液体流量を基準流量付近に維持するように回転速度およびポンプを調整する。そのような原理は、国際公開第2009/106598号パンフレットにも詳しく記載されている。
【0027】
好ましい調製プロセスでは、乾燥コーヒー遠心分離のステップ後、1つのステップにより、挽いたコーヒーを事前に湿潤する(「事前湿潤ステップ」)ために容器内に液体が供給される。このステップ中およびコーヒー液体の抽出前に、回転が停止されあるいは回転速度が前のステップ(すなわち、乾燥コーヒー遠心分離ステップ)と比べて低下されるのが好ましい。事前湿潤ステップにより、容器に液体を充填して、特に容器の中心部から液体をコーヒー粉末中に拡散させることができる。容器は、全く回転されないことが好ましく、あるいは、低速でのみ、好ましくは250rpm未満の速度で、より好ましくは100rpm未満の速度で回転されるのが好ましい。大きい遠心力は回避されなければならない。これは、それにより、コーヒー粉末中への液体の不均一な分配が引き起こされるからである。事前湿潤ステップは、約1〜10ml/秒、好ましくは約4〜6ml/秒の液体流量で行なわれるのが好ましい。
【0028】
本発明の好ましいプロセスにおいて、事前湿潤ステップ中に容器内に供給される液体の量は、容器内のコーヒー粉末の量が多くなるにつれて増大される。容器には、実際には、生成されるべきコーヒー飲料のタイプまたは量に応じて、5,6,7または10グラムなどの異なる量のコーヒー粉末が充填されてもよい。その結果、プロセスは、事前湿潤のために容器内に供給される液体が粉末の量に比例して増大するように装置を制御する。結果として、コーヒーは、場合により提案される異なる全てのコーヒー量(例えば、リステロット、エスプレッソ、ルンゴ等)において常にうまく適切に湿潤される。
【0029】
事前湿潤ステップ中、容器内に供給される液体の量は、容器内のコーヒーの量の1〜2倍、好ましくは1.35〜1.75倍である。最も好ましくは、容器内に供給される液体の量はコーヒー量の1.5倍である。
【0030】
コーヒー粉末の事前湿潤後、容器は、その後、高速で再び回転されて十分な遠心力を液体に与えることによりカプセルからのコーヒー液体の抽出を開始する。通常、回転速度は、容器に所定の量が充填されたときに抽出にとって十分な値まで増大される。本発明の好ましいプロセスでは、抽出ステップ中、液体は、供給液の量が所望のコーヒー飲料の量に対応する予め設定された量に達するまで、容器内に供給され続ける。
【0031】
抽出ステップ中、回転速度は、2500〜7000rpm、好ましくは3000〜4500rpmであることが好ましい。回転速度は、容器内に収容されるコーヒー粉末の量に応じて変化してもよく、例えば、量が少なくなればなるほど、流量が少なくなる。また、回転速度は、コーヒー液体抽出物の流れに抗する背圧に応じて制御される。背圧は、例えば国際公開第2009/106598号パンフレットまたは同時係属の欧州特許出願第09178382.9号に記載されるような容器の外周に配置される狭い制限部、例えば制限バルブによって設定できる。抽出中の回転速度は、コーヒー液体が制限部を通過して流れるようにするのに足る十分なもの、例えばコーヒー液体がバルブを開いてバルブを横切って通るようにするのに足る十分なものでなければならない。また、容器からのコーヒー液体抽出物の解放の遅れは、回転速度が制限バルブを開く閾値に達するまで制限バルブにより設定することもできる。特定の形態において、制限バルブは、カプセルの周縁の一部と、弾性部材(例えば、ばね)の力に抗してカプセルの周縁の一部と閉塞状態で弾性的に係合する装置の押圧部とによって形成される。
【0032】
抽出ステップ中、容器の回転は、液体を容器から部分的にあるいは完全に取り除いて空にするべく、容器内への液体供給が停止された後も続けられる。実際には、制御ユニットは、液体が液体ポンプによって圧送されるのを停止させるべくプログラムされるが、容器を通じてコーヒー液体を抽出するのに十分な高速度でモータを回転させ続ける。なお、液体抽出物中のコーヒー濃度は、コーヒー層からのコーヒーの溶出に起因して、抽出時間にわたって減少する。好ましい形態では、カプセルを空にしている間の回転速度は、2500〜8000rpm、好ましくは3000〜7000rpmである。
【0033】
本発明のプロセスで使用される容器は、例えば国際公開第2008/148604号パンフレット、国際公開第2008/148650号パンフレットまたは同時係属の欧州特許出願第09178382.9号または第10152158.1号に記載されるような使い捨てカプセルであってもよい。
【0034】
カプセルは、一般に、カップ形状の本体と、該本体を閉じる蓋とを備える。出願人に属する引用された従来技術の特許出願のある形態において、蓋は、本体をシール状態で閉じる穿孔可能な膜であってもよい。膜は、その後、装置内に挿入されるときに、液体入口および/またはコーヒー液体出口を作るために穿孔される。他の形態において、カプセルは、カプセルの外周で、例えば柔軟なリップ上でコーヒー液体により及ぼされる遠心力の作用によりコーヒー出口を作る蓋を有する。他の形態において、カプセルは、液体多孔質上壁を蓋として備えることができる。
【0035】
あるいは、容器は、コーヒーバルク供給源、例えば装置内に配置されるコーヒーリザーバから挽いたコーヒーが充填される装置のセルとなり得る。セルは、例えば仏国特許第2712163号明細書に記載されるように、コーヒー粉末の充填を容易にするべく装置内に取り外し可能に挿入することもできる。他の形態において、セルには、例えば国際公開第2006/112691号パンフレットにおけるようなシュートによってコーヒー粉末を供給できる。
【0036】
また、本発明は、コーヒー飲料を生成するための装置であって、
モータと、容器と係合して容器を回転駆動させるための結合手段とを含む回転駆動アセンブリと、
液体ポンプと、液体を容器の回転軸線にほぼ沿って容器内に供給するように構成される液体注入器とを含む液体供給手段と、
供給される液体を加熱するためのヒータと、
前述したプロセスを行なうために少なくともモータおよび液体ポンプを制御するための制御ユニットと、
を備える装置に関する。
【0037】
ここで、図面を参照して本発明の特別な形態を一例として説明する。
【0038】
本発明の目的は、添付の請求項によって達成される。
【0039】
本明細書で使用される用語「コーヒー粉末」または「乾燥コーヒー」は、本質的に、挽いたコーヒーまたは焙煎して挽いたコーヒー粉末を意味する。
【0040】
本明細書で使用される用語「液体」は、本質的に、コーヒーを抽出するために使用される希釈剤、一般的には水、より好ましくは熱水を単に意味する。
【0041】
本明細書で使用される用語「コーヒー液体」または「(単独で使用される)コーヒー」または「液体抽出物」は、本質的に、容器自体からあるいはその収集後に装置から得られるあるいは得ることができる液状のコーヒー抽出物を意味する。
【0042】
用語「量」または「大きさ」は、本質的に重量の指標を示す。
【0043】
用語「カプセルのサイズ」または「容積」は、コーヒー粉末を格納するためにカプセルで利用できる容積を意味するべく使用される。
【0044】
用語「ショートコーヒー」は、10ml〜60ml、特にリステロットに関しては25(±3)ml、エスプレッソに関しては40(±3)mlの液状コーヒー抽出物を意味するべく使用される。
【0045】
用語「中間サイズコーヒー」は、60ml〜120ml、特にルンゴコーヒーに関しては120(±10)mlの液状コーヒー抽出物を意味するべく使用される。
【0046】
用語「ロングサイズコーヒー」は、ラージコーヒーにおける120ml〜500ml(特に、230(±10)ml)の液状コーヒー抽出物を意味するべく使用される。
【0047】
本文において、用語「x〜yの範囲内」または「x〜y」は、範囲の限界値x,yを含む。
【0048】
用語「液体流量」は、飲料生成装置の液体供給回路中に配置される流量計によって測定される液体の流量の値(ml/sで表わされる)を意味する。
【0049】
「飛行距離」は、液状コーヒー抽出物と接触する任意の回転表面の最外点(または線)と、装置内のカプセルの回転軸線に対して垂直な装置の衝突面の点(または線)とを隔てる最短距離であるように意図される。
【0050】
本発明の制限バルブとの関連の用語「圧力の閾値」または「背圧」は、Kgf/cmの単位で表わされるカプセルの係合される周縁に対して装置のばね付勢手段により及ぼされる圧力を示す。
【0051】
「コーヒー抽出」は、液体がカプセル内に供給されて液状コーヒー抽出物が飲料生成装置から供給されている抽出の期間を示す。
【0052】
本文において、値は、他に言及されなければ、5%の最大許容範囲をもって与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1a】コーヒー飲料を調製するための本発明の容器の一実施形態、特に、他の実施形態と異なるサイズを有するとともにそれらの周縁の高さに差異がある使い捨てカプセルの断側面図である。
【図1b】コーヒー飲料を調製するための本発明の容器の別の実施形態、特に、他の実施形態と異なるサイズを有するとともにそれらの周縁の高さに差異がある使い捨てカプセルの断側面図である。
【図1c】コーヒー飲料を調製するための本発明の容器のさらに別の実施形態、特に、他の実施形態と異なるサイズを有するとともにそれらの周縁の高さに差異がある使い捨てカプセルの断側面図である。
【図2】背圧がばね荷重手段によって及ぼされる、本発明に係るカプセルが挿入される遠心分離装置の概略図である。
【図3】図2の装置内でコーヒー飲料の調製を制御するための好ましい処理チャートを示している。
【図4】コーヒー抽出物中の芳香高揮発性物質の濃度(%)を従来の圧力浸出法に関しておよび回転速度が異なる本発明の遠心分離法に関して例示する比較グラフを示している。
【図5】コーヒー抽出物中の芳香高揮発性物質の濃度(%)を従来の圧力浸出法に関しておよび液体流量が異なる本発明の遠心分離法に関して例示する比較グラフを示している。
【図6】コーヒー抽出物中の芳香高揮発性物質の濃度(%)を従来の圧力浸出法に関しておよびカプセル中のコーヒー重量が異なる本発明の遠心分離法に関して例示する比較グラフを示している。
【図7】コーヒー抽出物中の芳香高揮発性物質の濃度(%)を従来の圧力浸出法と本発明の最適な遠心分離法とを比較して例示するグラフを示している。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1a,図1b,図1cは、本発明に係る容器、特に使い捨てカプセル1A,1B,1Cのセットの好ましい実施形態に関する。カプセルは、カップ形状の本体2と、周縁3と、上壁部材または穿孔可能な膜4のとをそれぞれ備えるのが好ましい。周縁は略環状の形状を有する。これにより、膜4および本体2は、コーヒー粉末を収容する略円形の輪郭の区画室6を囲繞する。図示のように、膜4は、好ましくは1〜5mmである周縁3の内側環状部Rに接続されるのが好ましい。膜4は、シール部(例えば溶着接合)によって本体の周縁3に接続される。
【0055】
カプセルの周縁3は、カプセル1の回転軸線Z(図2参照)に対して(図示のように)略垂直な方向または僅かに傾けられた方向で外側に延びることが好ましい。この場合、回転軸線Zは、浸出装置内において遠心力が及ぼされるカプセルの回転軸線を表わす。
【0056】
図示の実施形態は単なる例示的な実施形態にすぎず、また、本発明に係るカプセル1、特にカプセル本体2が様々な異なる形状をとることができることは言うまでもない。
【0057】
それぞれのカプセルの本体2は、可変深さd1,d2,d3をそれぞれに伴う単一の三次元の凸部5a,5b,5cを有する。そのため、カプセル1A,1B,1Cは、異なる容積を有するが、飲料生成装置内への挿入を容易にするために同じ挿入直径‘D’を有することが好ましい。図1aのカプセルは小容積カプセル1Aを示し、一方、図1bのカプセルは、より大きい容積のカプセル1B、すなわち、中間容積カプセルを示し、また、図1cのカプセルは、更に大きい容積のカプセル1C、すなわち、大容積カプセルを示す。この例において、挿入直径‘D’は、これにより、周縁3の下面と本体2の上部との間の交線で決定される。
【0058】
カプセルの本体2は硬質または半硬質であることが好ましい。本体は、EVOH等のガスバリア層を伴う食品グレードプラスチック、例えばポリプロピレン、または、アルミニウム合金、プラスチックとアルミニウム合金との積層体、あるいは、植物繊維、澱粉、または、セルロースなどの生分解性材料、および、これらの組み合わせから形成することができる。膜4は、バリア層(EVOH、SiO等)も含むプラスチックフィルム、または、アルミニウム合金、または、プラスチックとアルミニウム合金との組み合わせなどのより薄い材料から形成することができる。膜4は、通常、例えば10〜250ミクロンの厚さを有する。膜は、本明細書中で後述するように注水口を形成するために回転軸線に沿って穿孔される。また、膜は、穿孔可能な外周出口領域または外周出口部も更に備える。
【0059】
上膜4の代わりに、カプセル1A,1B,1Cは、フィルタ壁または硬質あるいは半硬質の蓋部材を備えてもよく、該蓋部材は、水注入部材の導入を可能にするための入口ポートを有する中心部と、周囲に配置される出口開口を有する外周出口部とを備えるプラスチックディスクの形態をとることが好ましい。中心入口ポートと外周出口開口との間では、膜または蓋が液体不透過中間部から形成されるのが好ましく、これにより、液体がカプセルの外周に達する前にカプセルから漏出できないようになる。
【0060】
小型カプセルと大型カプセルとの間の容積差は、特に、セット中のカプセルの本体2の深さ(d1,d2,d3)を変えることによって得ることができる。特に、小さい方のカプセル1Aの本体の深さは、大きい方のカプセル1B,1Cの本体の深さよりも浅い。
【0061】
カプセルの格納容積(またはサイズ)の差は、供給されるべきコーヒー飲料に応じてカプセル内に異なる量のコーヒー粉末を充填できるようにする。一般に、カプセルが大きくなればなるほど(すなわち、カプセルの深さが深くなればなるほど)、カプセルが収容するコーヒー粉末の量が多くなる。また、一般に、量が多くなればなるほど、供給されるコーヒー抽出物が多くなる。このため、コーヒー粉末の量が多くなればなるほど、カプセル内に供給される液体の量も多くなる。無論、同じ容積のカプセルでコーヒーの量を変えることもできるが、その場合、供給されるべき飲料の全てのサイズにおいて、より大きいカプセルが選択されるのが好ましい。
【0062】
小容積カプセル1Aは、より大きい容積のカプセル1B,1Cよりも少ない量のコーヒー粉末を収容するのが好ましい。また、中間容積カプセル1Bは、大容積カプセル1Cよりも少ない量のコーヒー粉末を収容する。すなわち、粉末の量は、カプセルのサイズまたは容積と共に増大するのが好ましい。
【0063】
そのため、小型カプセル1Aは、ショートコーヒーの供給液による調製のために設計されて、4〜15グラム、より好ましくは5〜8.5グラム、最も好ましくは7〜8グラムの量の挽いたコーヒーを収容するのが好ましい。
【0064】
中間サイズカプセル1Bは、中間サイズコーヒーの供給液による調製のために設計されるのが好ましい。中間サイズコーヒーカプセル1Bは、7〜15グラム、より好ましくは8〜12グラムの量の挽いたコーヒーを収容するのが好ましい。
【0065】
最も大きいカプセル1Cは、ロングサイズコーヒーの供給液による調製のために設計されるのが好ましい。ロングサイズコーヒーカプセル1Cは、10〜30グラム、より好ましくは12〜15グラムの量の挽いたコーヒーを収容することができる。
【0066】
また、セット中のカプセルは、異なるブレンドおよび/または異なる原産地および/または異なる焙煎特性および/または挽き特性を有する(すなわち、平均粒径D4,3として測定できる)焙煎して挽いたコーヒーを収容してもよい。コーヒー粉末は容器内で締まっていないのが好ましい。小分けコーヒーの分野において通常のように、コーヒー粉末は、カプセルを蓋で閉じる前に僅かだけ押圧されてもよい。
【0067】
挽きサイズは、各カプセルにおいて、抽出を確実に向上するように選択される。特に、小型カプセル1Aには、50〜600ミクロン、より好ましくは160〜400ミクロンの範囲内の平均粒径D4,3を有する挽いたコーヒーが充填されるのが好ましい。通常は220ミクロンが下限である従来の抽出方法と比べてショートカップにおける粒径をうまく小さくし、カプセル内のコーヒー抽出物の目詰まりを回避できるのは驚くべきことである。したがって、本方法の一形態において、カプセル1Aには、160〜255ミクロン、最も好ましくは160〜220ミクロンの平均粒径D4,3を有する挽いたコーヒーが充填される。
【0068】
ルンゴ(120ml)などの中間サイズの場合には、驚くべきことに、200ミクロンを超える、特に300〜700ミクロンのコーヒー粉末の平均挽きサイズを選択すると、官能試飲時に良好な結果が得られることが分かった。無論、これらの結果もブレンドや焙煎に依存するが、平均して、これらの好ましい選択範囲で良好な結果が見出された。
【0069】
図1a〜図1cに示されるように、周縁3の形状は、飲料調製装置のバルブ部材に対して係合されるように設計される厚さh1,h2,h3を有する少なくとも1つのバルブ部8を形成するようになっていてもよい。このため、周縁は、例えば、膜4が配置される平面に対して垂直な方向に環状外側突出部8が形成されるL形状断面を備えてもよい。この場合、周縁3(または、周縁のバルブ部8)の厚さh1,h2,h3は、カプセルが飲料生成装置の専用の囲繞部材15によって取り囲まれるときにカプセルに対して及ぼされる背圧の調整を可能にするために、図示のカプセル1A,1B,1C内に収容される飲料物質の量および/または特性に適合されるのが好ましい。周縁(その内側環状部「R」を含む)は、バルブ部8を形成するように略一定の厚さを成して形成することもできる(例えば、図2)。周縁の厚さh1,h2,h3は、周縁のその厚い方の領域での軸方向(すなわち、カプセルの軸線Iと平行な方向)の厚さとして決定される。背圧を決定することにより、また、コーヒー抽出中の装置内での回転速度を設定することにより、液体流量を制御することができ、その結果、コーヒー飲料の品質特性に影響を与えることができる。
【0070】
特に、少量のコーヒー粉末を収容するカプセル(例えばカプセル1A)においては、例えばリステロットまたはエスプレッソコーヒー飲料を調製するために、より高い濃度(すなわち、多量の総コーヒー固形物がコーヒー抽出物中に転移される)を伴うコーヒーを供給するために低速抽出が望ましい場合がある。これらの特性は、多量のコーヒー粉末を収容するカプセル1Bまたは1Cから出る飲料にとって望ましい場合がある高速抽出と比較できる。ここで、抽出は、コーヒー抽出中にゆっくりとした液体流速を制御することによって「低速」として規定される。そのようなゆっくりとした液体流速は、カプセルを低速で回転させることによりおよび/またはカプセルから出る液体抽出物を制限してより高い背圧を与えることにより制御できる。すなわち、カプセル内のコーヒー粉末の量が少なければ少ないほど、液体流速がゆっくりとなることが好ましい。同様に、小さいカプセルが少量のコーヒーを収容することを考慮すると、カプセルが小さければ小さいほど、液体流速がゆっくりとなることが好ましい。同様に、よりショートなコーヒー飲料を供給するためには厚さの大きい周縁を形成するのが好ましいことを考慮すると、厚さが大きければ大きいほど、液体流速がゆっくりとなる。
【0071】
例えば、図1aにより示される小サイズのカプセルにおいては、厚さh1が1.5〜3.5mm、好ましくは2.0〜3mm、最も好ましくは2.0〜2.8mmとなるように選択されるのが好ましい。図1bおよび図1cにより示される更に大きいサイズのカプセルにおいては、厚さh2および厚さh3がそれぞれ0.8〜2.5mm、好ましくは0.8〜2.0mm、最も好ましくは1.0〜1.5mmとなるように選択されるのが好ましい。無論、そのような値は、特に装置側のバルブ手段の形態に応じて大きく異なり得る。
【0072】
言うまでもなく、特定のカプセルの周縁3および環状突出部8のそれぞれの厚さ(h1,h2,h3)は、カプセルの周縁3が専用の装置のバルブの一部と係合されるときに生じる背圧が所望の値に調整されるように、カプセル容積(すなわち、格納容積)に関してだけでなく、カプセル内に収容される飲料物質の性質(例えば、量、密度、組成など)に関しても適合されてもよい。厚さは、装置内へのカプセルの挿入によって飲料抽出プロセス中に背圧を調整するように適合されている有効距離である。
【0073】
図2は、本発明のシステムに係る飲料生成装置のその閉じられた状態の側断面図を示している。この場合、装置は、回転カプセルホルダ10と、回転軸線Zの軸によってカプセルホルダ10に接続される回転モータ27とを含む回転駆動手段を備える。また、装置は、遠心分離された液体が衝突して飲料出口12を通じて流出される収集器11も備える。
【0074】
また、装置は、カプセル1の膜4をその中心部で穿孔して液体(好ましくは、熱水)をカプセル内に供給するようになっている液体注入器13を有する液体供給手段18を備える。注入手段18は、国際公開第2008/148604号パンフレットに記載されるような一連の出口穿孔器24も備える。したがって、膜4の環状部に出口が形成され、それにより、カプセル1の回転動作中に、抽出された飲料がカプセル1から出ることができる。液体供給手段18は、飲料調製プロセス中に所定量の加熱された加圧液をカプセル1へ供給するために、液体供給源21、ポンプ20、および、ヒータ19を備える液体回路22に接続される。
【0075】
装置は、液体供給手段18の周囲に配置されて下側環状押圧面15aを有するバルブ部15を更に備える。
【0076】
バルブ部15および注入ユニット18は、飲料抽出プロセスの前および後のそれぞれにおいてカプセルホルダ10に対するカプセル1の挿入および排出を可能にするためにカプセルホルダ10に対して移動できることが好ましい。また、液体供給手段18、バルブ部15、および、カプセルホルダ10は軸線Zを中心に回転できる。また、バルブ部15は、カプセルの異なる想定し得る厚さを考慮に入れるべく、カプセルに対して係合されるときの注入部の相対位置に影響を及ぼすことなく、液体供給手段18から独立して移動可能にされる。このため、バルブ部15を液体供給手段18の周囲にスライド可能に取り付けることができる。
【0077】
また、カプセル1は、本体2が径方向に実質的に変形することなくその周縁3がカプセルホルダ10の上側フランジ10a上にしっかりと横たわる。この構成では、液体供給手段18およびバルブ部15が膜4および周縁3のそれぞれに対して係合される。これにより、システムは、装置のバルブ部15とカプセルのバルブ部8との係合により制限バルブ23を形成する。バルブ23の開放構成では、遠心分離液の流れを装置の衝突面11に放出される液体の少なくとも1つの狭い噴流にすることができる流れ制限部が生み出される。制限部は、1.0〜50mm、好ましくは1.0〜10.0mmであることが好ましい表面積の環状開口を形成する。流れ制限部の表面積は、カプセルによるバルブでの背圧値、バルブ部の形状、特に厚さh1,h2またはh3、および、カプセルの回転速度に応じて変化し得るものであり、一般に、回転速度が高ければ高いほど、表面積が大きくなる。流れ制限部は、連続する周方向スリットとして、あるいは、別個をなす複数の周方向制限開口として形成することができる。
【0078】
制限バルブ23は、好ましくはばね付勢要素16を備える荷重発生システム16,17によって得られる弾性閉塞荷重を受けて流路を閉塞するあるいは少なくとも制限するようになっている。ばね付勢要素16は、所定の弾性荷重をバルブ部15に対して加える。荷重自体は、主に、周縁3のバルブ部の環状面に押し付いて閉じるように作用するバルブ部15の押圧面15aに沿って分布する。そのような表面は、単純な環状接触線であってもよい。したがって、バルブ23は、通常は、穿孔要素24によって形成されるオリフィスを通じて抜け出る遠心分離液により十分な圧力がバルブの上流側領域に及ぼされるまで、遠心分離液のための流路を閉塞する。液体によるカプセルの事前湿潤(図示せず)中にカプセル内に含まれるガスまたは空気を放出するのに役立つバルブ手段23を通じた液体またはガスの僅かな漏れが必要とされ得ることに留意すべきである。ガス漏れは、少なくともカプセルの外周で特定の圧力に達するまで液密にするべくあるいは少なくとも液体流れを僅かな漏れにまで減らすべく、十分に少なくなるように制御されるのが好ましい。無論、ばね付勢要素16は様々な構成をとることができる。例えば、要素16およびバルブ部15を一体の弾性部品として構成することができる。
【0079】
したがって、抽出中、液体は、膜4とバルブ部15との間を流れ、ばね付勢要素16の力に抗して囲繞部材15全体を上方に押し上げることによってバルブ23を開放させる。したがって、遠心分離液は、バルブ部15の押圧面15aと周縁3または突出部8の上面または線との間に形成される制限部を横切ることができる。そのため、液体は、図2に矢印Aにより示されるように高速で噴出されて収集器11にぶつかるあるいは収集器とバルブ23との間に配置される装置の他の垂直に方向付けられた環状壁(図示せず)にぶつかる。
【0080】
最外遠心分離接触面(例えば、流れ制限部または他の表面)と収集器11の衝突壁(例えば、図2の円筒垂直壁)との間における本明細書中で「飛行距離」と呼ばれる最短距離を制御することにより「クレマ」をカップ内でかなり改善できることが分かってきた。特に、多量のクレマを供給するためには、この距離を更に短くすべきと考えられる。好ましい飛行距離は0.3〜10mm、より好ましくは0.3〜3mm、最も好ましくは0.5〜1mmの範囲内であることが分かった。また、供給されるべきコーヒー抽出物の量が増大する場合にはそれに応じてクレマの量を調整するべく飛行距離を増大しなければならないことも分かった。驚くべきことに、最も多いクレマは、常に、1mm未満の飛行距離において得られた。無論、クレマの形成は、後述するように適宜に調整され得るバルブの背圧などの他の想定し得るパラメータにも依存する(一般に、背圧が高ければ高いほど、クレマが多くなる)。
【0081】
したがって、カプセル1からの飲料の抽出は、液体をカプセル内に供給しつつ、液体供給手段18、バルブ部15、および、カプセルホルダ10をカプセルと共に軸線Z周りで回転(Y)駆動させることによって得られる。回転は、少なくともカプセルホルダ10または注入ユニット18に接続される回転モータ27により行なわれる。そのため、本発明に係るシステム内に配置されるカプセル1の動作中、カプセル1がその軸線Z周りに回転される。これにより、カプセル1内に中心で注入される液体は、コーヒー粉末を通り抜けて、本体2の側壁の内面に沿って膜4の内面まで案内され、その後、穿孔部材24によって膜4に形成される穿孔出口開口を通じて案内されるようになる。カプセル1内の液体に与えられる遠心力に起因して、液体およびコーヒー粉末は、バルブ23を通り過ぎる前に液体食品(例えば、液体抽出物)を形成するように相互に作用される。
【0082】
押圧面15aによりカプセル1の周縁3に作用する力を例えば周縁3の厚さh(または、図1a〜図1cにおける外側突出部8の厚さh1,h2,h3)などの周縁3の幾何学的形態によって調整できることは言うまでもない。そのため、特に、周縁3に作用して及ぼされる背圧は、周縁3の厚さhをその所定の値に適合させることにより調整することができる。この場合、より高い背圧は、より大きい厚さ「h」によって得ることができる。これは、それによってばね付勢要素16のより大きい圧縮がもたらされ、この圧縮がより大きい力を押圧面15aに及ぼすからである。これに対応して、厚さ「h」の値がより小さくなり、ばね付勢要素16の圧縮がより小さくなると、押圧面15aには相対的に更に小さい力が作用し、そのため、背圧がより低くなる。したがって、結果として高い背圧を得るためには、厚さhが増大するように設計されるのが好ましい。図2に示されるように、係合されたカプセルの周縁3に作用する現在の背圧に関する情報、すなわち、圧力または力の値を与えるために、検出手段26を装置の制御ユニット25に接続することができる。
【0083】
制御ユニット25は、少なくとも、回転モータ27、液体ポンプ20、ヒータ19、および、センサに接続されるのが好ましい。したがって、モータ27の回転速度、飲料生成プロセス中にカプセルへ供給される液体の温度、圧力、および/または、量などの浸出パラメータが、事前にプログラムされた調製サイクルに応じて、装置の検出手段26または他のセンサの情報を最終的に使用して調整されてもよい。例えば、圧力センサ26および/または流量計により検出される情報に応じて、回転速度を所望の液体流量に対応する所望の値に調整することができる。回転速度の選択は制御ユニット25で行なわれ、また、制御ユニット25は、選択された速度に応じてカプセル内への液体の十分な供給を確保するために、回転モータ27を制御するとともに、必要に応じてポンプ20の液体流量を制御する。ポンプの調整が入口圧力(カプセル内に注入される水の圧力)を制限するために有益な場合もあり、そのような圧力は、カプセルと装置とのシール係合によって、例えば注入器13の周囲のシールガスケットによって制御される。
【0084】
図3は、本発明の装置を動作させて図1a〜図1cのカプセルのいずれかからコーヒー飲料を調製するための想定し得るサイクルを示している。
【0085】
前述したように、最初にカプセル1A,1B,1Cが装置内に挿入される。ユーザは、通常、調製プロセスを開始させるためにキーボード(図示せず)上のスイッチを起動させる、あるいは、装置内へのカプセルの挿入後にプロセスが自動的に開始できる。「乾燥コーヒー遠心分離」ステップ100において、制御ユニット25は、乾燥コーヒー粉末の最適な遠心分離を開始するように回転駆動手段(図2のモータ27)に命令する。このステップでは、液体ポンプ20が未だ作動されない。回転速度は、カプセルの外周に対する、主に側壁および上壁の外周領域に対するコーヒーの急速であるが効果的な圧縮を確保するために、比較的高く且つその継続時間が短いことが好ましい。好ましくは、回転速度は、約4000〜8000rpm、最も好ましくは約4000〜7500rpmであり、約0.5秒〜6秒間にわたって維持される。また、このステップ中に回転速度が加速されるのが好ましい。これにより、コーヒー粉末は、容器の内周へ向けて移動し、中心に通路を残して凝集する。したがって、コーヒーは圧縮コーヒー環状塊の形態をとる。この乾燥遠心分離ステップは、粉末による注入器の目詰まりの問題を減らすことができる。したがって、このステップは、随意的であり、注入器がその目詰まりを起こす可能性が低いように設計される場合には省くことができる。
【0086】
第2のステップ、すなわち、「事前湿潤」ステップ110では、モータ27を停止させることによりカプセルの回転が停止されあるいは少なくとも2倍以上減少されて、カプセルの中心で液体が注入器13を通じてカプセル内に供給される。液体は、好ましくはカプセル内に収容されるコーヒー粉末の量にほぼ比例する量で、カプセル内に注入することができる。事前湿潤中に注入される液体の流量は、1〜10ml/秒、より好ましくは4〜6ml/秒であることが好ましい。
【0087】
重要なことには、カプセルの残存自由容積には、事前湿潤ステップで液体が完全に充填される。したがって、カプセル内に充填される液体の量は、カプセルのサイズ(小、中、または、大)に応じて、また、カプセルの粉末量レベルまたは粉末充填レベルに応じて、カプセルごとに異なり得る。カプセルは抽出中に遠心ポンプとしての機能を果たすため、カプセルが効果的なポンプとしての機能を果たすように、カプセルを液体で一杯にしなければならない(すなわち、可能な限り空気が少ない熱水で満たす)。これにより、液体流速や回転速度などの再現性に関する信頼性を高めることができる。
【0088】
事前湿潤中、液体流速および液体の量は、液体供給ポンプの制御および計算のために流れ情報を制御ユニットへ与える流量計(図示せず)によって制御される。
【0089】
第3のステップ、すなわち、抽出ステップ120では、回転モータ27を作動させる制御ユニットによりカプセルに再び遠心力が及ぼされる。液体はポンプにより注入され続ける。回転速度は、カプセル内のコーヒー粉末の量および/または装置内のカプセルのタイプにしたがって制御ユニットにより制御される。また、回転速度は、国際公開第2009/106598号パンフレットに記載されるように抽出中に基準の液体流量を維持するように更に制御することができる。一般に、液体流量は、ヒータと抽出ヘッドとの間の装置内に配置される流量計によって測定される。
【0090】
なお、乾燥遠心分離ステップ100および事前湿潤ステップ110を同じステップで同時に行なうことができる。
【0091】
この抽出ステップ中の回転速度範囲は500〜8000rpm、好ましくは2500〜7500rpmであるのが好ましいことが分かってきた。回転速度は、供給される飲料の量に応じた好ましい範囲内で選択される。液状コーヒー抽出物の全ての供給量に関して、500〜8000rpm、より好ましくは2500〜7500rpm、最も好ましくは3000〜4500rpmの速度範囲を選択するのが有益であることが分かってきた。驚くべきことに、遠心分離の速度が速くなればなるほど、香りや風味が更に強くなることが分かってきた。しかしながら、コーヒー抽出物の量が増大するにつれて、特に多いコーヒー抽出物(230ml)においては、官能的な違いもあまり目立たなくなる。コーヒーの風味や香りの強さは、カプセル内のコーヒーの適切な量、適切な液体流量、および、前述したような適切な挽きサイズを選択することによって更に高めることができる。
【0092】
抽出ステップ120中、液体は、供給される液体の総量が少なくとも所望のコーヒー飲料の量に対応する事前に設定された量に達するまで供給される。場合により、所望のコーヒー飲料の量よりも多い量の液体がカプセル内に供給される。これは、抽出後に、幾らかの液体がカプセル内に残存する場合があるからである。コーヒー抽出物は、バルブ23に通されて、収集器11により収集され、ダクト12を介してカップ内に分配される。例えばリステロットに関しては25ml、エスプレッソに関しては40ml、ルンゴに関しては120ml、および、ラージコーヒーに関しては230mlなど、異なる事前設定量を制御ユニットに記憶させることができる。制御ユニットは、当分野において知られるように流量計から流れ情報を受けて飲料の量を制御できるとともに、事前設定量に達すると液体ポンプ20を停止させる。ポンプが停止されると、カプセルからコーヒー液体を取り除いて空にするためにカプセルの回転が続けられる。その後、モータは、比較的高速度で、好ましくは抽出ステップ120の最初の部分の間と同じ速度範囲内で、カプセルを回転駆動させ続ける。乾燥工程が実際にはコーヒー結果物に影響を与えないことが分かってきた(Tcまたは全固形物、官能)。したがって、そのような工程は、本質的には、カプセルから液体を除去するために行なわれる。
【0093】
本発明の他の想定し得る形態(図示せず)において、背圧は、固定された制限部によって、例えばカプセルを貫通して設けられる少なくとも1つであるが好ましくは複数の径方向に配置される出口オリフィスなどによって得ることができる。全開口表面積は、セット中のカプセルのタイプに応じて異なり得る。制限オリフィスは、出口オリフィスの数と各オリフィスの個々の開口断面とに応じた背圧を与える。
【実施例】
【0094】
1.カップ上の芳香:
1.1 芳香揮発性化合物濃度に対する回転速度の影響
図4には、従来の浸出システムにより得られるショートコーヒー抽出物(25ml)と遠心分離を使用する本発明のシステムとの間の比較が示されている。
従来の浸出システムでは、市販のNespresso(登録商標)Arpeggioブランドのカプセルが利用される。カプセルは、Nespresso(登録商標)Concept(登録商標)マシン内で、欧州特許第0512470号明細書に記載されるプロセスにしたがって抽出される。コーヒー重量(カプセル内のR&Gコーヒーの量は5.5グラムであった)。
本発明の遠心分離浸出システムでは、抽出ステップ中に液体流量が約1.4ml/秒で一定に維持された。2つの異なる回転速度、すなわち、3500rpmおよび6000rpmが検査された。コーヒー重量は、小容積カプセル内に配置される7グラムであった。制限バルブの開放圧は3.33Kgf/cmであった。
結果は、3500rpmにおける場合の方が、6000rpmにおける場合よりも約12%大きいACA(高揮発性物質および中揮発性物質の濃度)が得られることを示した。また、3500rpmでは、従来の抽出方法とほぼ同じ濃度の揮発性物質が得られる。回転速度は、抽出物中の低揮発性化合物の量に対して大きな影響を与えなかった(結果は図示せず)。
ACA揮発性物質を決定するための分析は、IDA(同位体希釈試験)と呼ばれ、一般に、
コーヒーを抽出して、サンプリングするとともに、サンプルおよび検体に応じて最終的に希釈し、
室温で冷却し、
内部標準物(重水素または13C標識)を付加し、
撹拌して平衡化させ(一般に10分)、
7ml〜20mlのヘッドスペースバイアルを移動し、
ヘッドスペース固相マイクロ抽出(HS−SPME)、ガスクロマトグラフィによる化合物の分離、および、質量分析法による定量化(GC−MS)により揮発性化合物をサンプリングする、
ことにある。高い、中間の、および、低い揮発性コーヒーアロマ率を表わす約11個の芳香揮発性化合物が定量化された(すなわち、ピラジン、硫黄化合物、ジケトン、および、フェノール)。
【0095】
1.2 芳香揮発性化合物濃度に対する液体流量の影響
ACAに対する注出中液体流量の影響が、スモールコーヒー抽出物(25ml)における揮発性物質濃度に関して測定された。これらの結果が図5のグラフに示されている。
カプセル内のコーヒーの重量は、遠心分離カプセルに関しては7グラムに維持され、従来の抽出プロセスを使用するNespressoカプセルに関しては5.5グラムに維持された。
1.5ml/sでは、0.6ml/sの場合よりもかなり高い濃度の揮発性物質、より具体的には、16%多い高揮発性物質、11%多い中揮発性物質、および、8%多い低揮発性物質が得られる。
【0096】
1.3 揮発性物質に対するコーヒー重量の影響
25mlのコーヒー抽出物を供給するための小カプセル内のコーヒーの量の影響が、揮発性物質濃度に関して測定された。5.5グラムが充填されたカプセルが、遠心分離法における7グラムのコーヒー粉末が充填されたカプセルと比較された。抽出中の液体流量が1.4ml/秒に維持され、また、抽出が6000rpmで行なわれた。結果が図6に示されている。
コーヒー重量が高ければ高いほど、ACA含有量が高くなる。また、7グラムのコーヒーにおいては、5.5グラムの場合よりも18%多い揮発性物質および7%多い中揮発性物質が測定された。
【0097】
1.4 揮発性物質にとって最適な抽出条件
最も高いACAは、1.5ml/sの抽出中液体流量、3500〜4500rpmの回転速度、および、7グラムのコーヒーで得られた。これらの条件下で、ACAレベルは、従来のカプセルに関して行なわれる抽出の場合よりも高かった。結果が図7にグラフで示されている。
【0098】
2.官能プロファイル
2.1 リステロットカップ(25ml)
本発明の方法によって得られるコーヒー抽出物の官能プロファイルが異なる遠心分離速度で比較されたが、液体流量はコーヒー抽出中に一定に維持された。供給されるコーヒー抽出物は25mlのショートコーヒーであった。液体に関しては、商標名Panna(登録商標)で市販されるミネラルウォータが使用された。カプセルには、Arpeggioの商標名で知られるNespresso(登録商標)ブレンドから得られる5.5グラムのコーヒー粉末が充填された。
2つのコーヒー抽出物が比較された。一方のコーヒー抽出物は3000rpm(低速)で得られ、他方の抽出物は6000rpm(高速)で得られた。これらのコーヒー抽出物は、12人の解答者により構成される訓練された官能パネラによって検査されて評価された。
香りに関しては、低速抽出物の方が、全体の強さが高く、焙煎アロマはより香る。風味に関しては、低速抽出物の方が、全体の強さが高く、焙煎風味はより豊かで苦味は少ない。質感および後味に関しては、低速抽出物の方が、多くのボディを有するとともに、より持続性がある。
【0099】
2.2 エスプレッソカップ(40ml)
40mlのコーヒー抽出物においても官能プロファイルが得られた。カプセルには5.8グラムのコーヒー粉末が充填された。液体流量は抽出中に約1.4ml/秒に制御された。制限バルブで測定された背圧は約3.3kgf/cmであった。
コーヒー抽出物は、3500〜4500rpm(低速)と6000〜7000rpm(高速)とで比較された。
高速回転における香りおよび風味の強さは、特に焙煎臭の範囲で明らかに低かった。質感も軽かった。
【0100】
2.3 ルンゴカップ(120ml)
ルンゴコーヒー抽出物においても官能プロファイルが検査された。カプセルには6.4グラムのコーヒー粉末が充填された。液体流量はコーヒー抽出中に約3.5ml/秒に制御された。制限バルブで測定された背圧は約3.3kgf/cmであった。
コーヒー抽出物は、4000〜5000rpm(低速)と6000〜7000rpm(高速)とで比較された。
この場合も先と同様に、高速回転における香りの強さおよび風味の強さは、特に焙煎臭の範囲で低かった。質感も軽かった。しかしながら、違いは、少ないコーヒー抽出物(25または40ml)の場合ほど目立たなかった。
【0101】
2.4 ラージカップ(230ml)
ラージコーヒー抽出物においても官能プロファイルが検査された。カプセルには12グラムのコーヒー粉末が充填された。液体流量はコーヒー抽出中に約3.5ml/秒に制御された。制限バルブで測定された背力は約3.3kg force/cmであった。
コーヒー抽出物は、5000〜6000rpm(低速)と8000〜9000rpm(高速)とで比較された。
違いは、殆ど目立たなかったが、低速回転の方が高いスコアの焙煎臭を示した。
【0102】
3.収率に対する粒度分布の影響
粒度分布の影響が、6グラムのコーヒー粉末(Arpegioブレンド)を収容するカプセルを使用して、ショートコーヒー抽出物(25ml)に関して調査された。
回転速度は4000〜6000rpmの範囲内であった。
コーヒー収率に関する結果が以下の表で報告されている。
【0103】
【表1】

【0104】
1000mm光学レンズを備えるMalvern(登録商標)が提供する「Mastersizer S」機器を使用してレーザ回折により平均粒径分布(D4,3)および細度レベル(F<91.2ミクロン)が測定された。1〜2gの粉末が、1リットルのブタノール中に分散されて、15〜20%が掩蔽されるようにレーザビームの前方で環流された。粒径分布は、回折パターンのフラウンホーファー近似によって得られる。完全な実験が3回(あるいは、標準偏差が5%を下回るまで)繰り返され、結果が平均化される。
「抽出収率」は、液体抽出物中の全固形物の重量をカートリッジ内の乾燥コーヒー粉末の総重量で割った値として規定される。この値は、一般に、パーセンテージとして表わされる。
【0105】
本発明をその好ましい実施形態に関連して説明してきたが、添付の特許請求の範囲により規定されるこの発明の範囲から逸脱することなく、多くの改良および変更が当業者によりなされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー粉末を収容するカプセルからショートコーヒー抽出物を調製するための方法であって、
5.0〜8.5グラムの挽いたコーヒー粉末を収容するカプセルを用意するステップと、
飲料生成装置内において、前記コーヒー粉末と相互に作用する液体を前記カプセル内に注入して前記カプセルに遠心力を及ぼすステップであって、前記遠心力の作用により、液状コーヒー抽出物が前記カプセルから抽出され、前記液状コーヒー抽出物がその後に収集されるステップと、
を備え、
前記液状コーヒー抽出物の抽出が、2500〜7500rpmの範囲内の速度で前記カプセルを回転させることにより得られる、方法。
【請求項2】
前記液状コーヒー抽出物の抽出が、2500〜5000rpmの範囲内の速度で前記カプセルを回転させることにより得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液状コーヒー抽出物の抽出が、3000〜4500rpmの範囲内、より好ましくは3500〜4500rpmの範囲内の速度で前記カプセルを回転させることにより得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カプセルが4〜15グラムの前記コーヒー粉末を収容する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記カプセルが5〜8.5グラムの前記コーヒー粉末を収容する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記カプセルが7〜8グラムの前記コーヒー粉末を収容する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記液体の流量が、前記カプセルからの前記液状コーヒー抽出物の抽出中に0.5〜2.0ml/秒である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記液体の流量が、前記カプセルからの前記液状コーヒー抽出物の抽出中に1.0〜2.0ml/秒である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記液体の流量が、約25(±3)mlの量の前記液状コーヒー抽出物(例えば「リステロット」)の抽出中の方が、約40(±3)mlの量の前記液状コーヒー抽出物(例えば「エスプレッソ」)の抽出中よりも低い、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記液体の流量が、約25(±3)mlの量の前記液状コーヒー抽出物の抽出中において1.2〜1.4ml/秒であり、約40(±3)mlの量の前記液状コーヒー抽出物の抽出中において2.0ml/秒である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コーヒー粉末が160〜400ミクロンの範囲内の平均粒径(D4,3)を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記コーヒー粉末が160〜255ミクロンの平均粒径を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コーヒー粉末の平均粒径(D4,3)が、約25(±3)mlの量の前記液状コーヒー抽出物を供給する場合の方が約40(±3)mlの量の前記液状コーヒー抽出物を供給する場合よりも小さくなるように選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カプセルが、挽いた前記コーヒー粉末およびガスを受けるために利用できる、18〜28ml、最も好ましくは約24ml(±1ml)の格納容積を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記液体、好ましくは熱水を用いた乾燥コーヒー粉末の事前湿潤が前記カプセルからの前記液状コーヒー抽出物の抽出前に行なわれ、その間に、前記液体が前記コーヒー粉末と混合するために前記カプセル内に供給されるとともに、前記カプセルが回転されずあるいは1000rpm未満の速度、好ましくは500rpm未満の速度、最も好ましくは250rpm未満の速度で回転される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記液体が、3ml/秒以下、好ましくは1〜3ml/秒の液体流量で前記事前湿潤中に供給される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
遠心分離される前記液状コーヒー抽出物が、前記液状コーヒー抽出物の遠心分離噴流をもたらす流れ制限部に通され、その後に衝突壁に衝突する前記液状コーヒー抽出物の前記噴流が収集されて供給される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記流れ制限部が、遠心分離される前記液状コーヒー抽出物の圧力下で開放しおよび/またはその開口表面積を増大させる制限バルブ(23)を好ましくは備え、前記制限バルブの背圧が、前記飲料生成装置のバルブ部(15)に対して係合される前記カプセルの周縁の厚さ(h1)により決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記制限バルブが、それに作用する遠心分離される前記液状コーヒー抽出物が存在しない場合には、1〜20Kgf/cm、好ましくは3〜15Kgf/cm、最も好ましくは5〜12Kgf/cmの背圧下で閉塞状態に押圧されあるいは最小流れ表面積で押圧される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
本体と、周縁と、上壁部材とを備え、飲料調製装置内で遠心分離によりコーヒー抽出物、好ましくはショートコーヒー抽出物を調製するように設計されるカプセルであって、
前記カプセルが、4〜10グラム、好ましくは5〜8.5グラム、最も好ましくは7〜8グラムのコーヒー粉末を収容し、
前記コーヒー粉末が、160〜400ミクロン、より好ましくは160〜255ミクロンの範囲内の粒径(D4,3)を有し、
前記カプセルが、前記コーヒー粉末およびガスを受けるために利用できる18〜28ml、好ましくは約24ml(±1ml)の格納容積を有し、
前記周縁が、1.0〜3.5mm、好ましくは1.2〜2.8mmの厚さを有する環状バルブ部(8)を有する、
カプセル。
【請求項21】
飲料生成装置内において、コーヒー粉末を収容するカプセルに前記コーヒー粉末と相互に作用する液体を注入して前記カプセルに遠心力を及ぼすことにより、選択された量の液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、前記遠心力の作用により前記液状コーヒー抽出物が前記カプセルから抽出され、前記液状コーヒー抽出物がその後に収集される方法であって、
異なる量の挽いたコーヒーを収容するカプセル(1A,1B,1C)のセットから1つのカプセルを選択するステップであって、それぞれの量が、供給されるべき液状コーヒー抽出物の所与範囲の量に対応する、ステップと、
前記液状コーヒー抽出物を抽出するために前記飲料生成装置内で前記カプセルを回転させるステップと、
前記カプセルから供給されるべき前記液状コーヒー抽出物の量を制御するステップと、
を備え、
前記抽出中の回転が、500〜7500rpmの範囲内の回転速度で制御され、
前記液体の流量が、前記液状コーヒー抽出物の量に応じておよび/または前記セット中の前記カプセル(1A,1B,1C)のサイズに応じておよび/または前記カプセル内に収容される前記コーヒー粉末の量に応じて異なる、
方法。
【請求項22】
前記抽出中の回転が、2500〜7900rpm、より好ましくは2500〜5000rpmの範囲内の回転速度で制御される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記液体の流量が、
供給される前記液状コーヒー抽出物の量が少なくなる、および/または、
前記カプセルのサイズが前記セット内で減少する、および/または、
前記コーヒー粉末の量が前記セット内で減少する、
につれて減少する、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のカプセル(1A)が、ショートコーヒーを供給するようになっている場合に5.0〜8.5グラム、好ましくは7〜8グラムの挽いたコーヒーを収容し、
前記第2のカプセル(1B)が、中間サイズのコーヒーを供給する場合に6〜12グラム、好ましくは8〜12グラムの挽いたコーヒー粉末を収容し、
前記第3のカプセル(1C)が、ロングコーヒーを供給する場合に10〜15グラム、好ましくは11〜15グラムを収容する、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記液状コーヒー抽出物の抽出が、中間サイズコーヒーまたはロングコーヒーを供給する場合よりもショートコーヒーを供給する場合の方が低い範囲内の回転速度で前記カプセルの回転を制御することにより得られる、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
抽出中、前記回転が、前記第1のカプセル(1A)からショート液状コーヒー抽出物を供給する場合に3000〜4500rpmの範囲内の回転速度で制御され(例えば調整され)、また、前記回転が、前記第2のカプセル(1B)または前記第3のカプセル(1C)のそれぞれから中間サイズ液状コーヒー抽出物またはラージ液状コーヒー抽出物を供給する場合に3000〜8000rpmの範囲内の回転速度で制御される、請求項21〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記コーヒー粉末の平均粒径(D4,3)が50〜800ミクロンの範囲内である、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記挽いたコーヒーの平均粒径(D4,3)が、
前記第1のカプセル(1A)からショートコーヒーを供給する場合に160〜400ミクロンであり、
前記第2のカプセル(1B)または前記第3のカプセル(1C)のそれぞれから中間サイズコーヒーまたはラージコーヒーを供給する場合に200〜800ミクロン、好ましくは300〜700ミクロンである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
抽出中の前記液状コーヒー抽出物の液体供給量が、中間サイズコーヒーまたはロングコーヒーを供給する場合よりもショートコーヒーを供給する場合の方が低い範囲内で制御される、請求項21〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記液体の流量が、
ショートコーヒーを供給する場合に0.5〜2ml/秒、好ましくは1.0〜2.0ml/秒の範囲内、
中間サイズコーヒーまたはロングコーヒーを供給する場合に2〜5ml/秒、好ましくは2.0〜3.5ml/秒の範囲内、
となるように制御される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記液体の流量が、25mlショートコーヒーの場合の方が、40mlショートコーヒーの場合の流量、好ましくは1.4〜1.9ml/秒よりも少ない流量、好ましくは約1.4ml/秒となるように制御される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
挽いた前記コーヒー粉末およびガスを受けるために利用できる前記カプセル(1A,1B,1C)の格納容積が、
前記第1のカプセル(1A)に関しては18〜28ml、最も好ましくは約24ml(±2ml)であり、
前記第2のカプセル(1B)に関しては28〜32ml、より好ましくは約31ml(±2)mlであり、
前記第3のカプセル(1C)に関しては32〜50ml、より好ましくは約47(±2)mlである、請求項21〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
遠心分離される前記液状コーヒー抽出物が、前記カプセル内で圧力勾配を与える流れ制限部に通される、請求項21〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記流れ制限部が所与の圧力閾値で開放する制限バルブを備え、前記圧力が、前記カプセルのサイズおよび/または供給されるべき前記液状コーヒー抽出物の量に応じて変化する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記圧力閾値が、前記カプセルの容積またはサイズが減少するにつれて増大する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記制限バルブが、1〜20Kgf/cm、好ましくは3〜15Kgf/cm、最も好ましくは5〜12Kgf/cmの開放圧力を与える、請求項33または34に記載の方法。
【請求項37】
前記カプセルのサイズが、前記カプセル内に収容される前記コーヒー粉末の量および/または供給されるべき前記液状コーヒー抽出物の量に応じて変化する、請求項21〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
飲料生成装置内において、コーヒー粉末を収容するカプセルに前記コーヒー粉末と相互に作用する液体を注入して前記カプセルに遠心力を及ぼすことにより、液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、前記遠心力の作用により前記液状コーヒー抽出物が前記カプセルから抽出され、前記液状コーヒー抽出物がその後に収集される方法であって、
それぞれが異なる量の挽いたコーヒーを収容する幾つかのカプセル(1A,1B,1C)のセットから1つのカプセルを選択するステップであって、それぞれの量が、供給されるべき液状コーヒー抽出物の所定範囲の量に対応する、ステップと、
前記液状コーヒー抽出物を抽出するために前記飲料生成装置内で前記カプセルを回転させるステップと、
前記カプセルから供給されるべき前記液状コーヒー抽出物の量を制御するステップと、
を備え、
前記液体の流量が、供給される前記液状コーヒー抽出物の量が少なくなるにつれておよび/または前記カプセルのサイズが前記セット内で小さくなるにつれておよび/または前記カプセル内の前記コーヒー粉末の量が前記セット内で少なくなるにつれて減少する、
方法。
【請求項39】
コーヒー粉末を収容するカプセルからクレマを伴う液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、
飲料生成装置内において、前記コーヒー粉末と相互に作用する液体を前記カプセル内に注入して前記カプセルに遠心力を及ぼすことにより、前記遠心力の作用により前記液状コーヒー抽出物が前記カプセルの外に飛び出して衝突壁に衝突し、前記液状コーヒー抽出物がその後に前記飲料生成装置により収集されて前記飲料生成装置から供給され、
飛行距離が0.3〜10mmの範囲内である、方法。
【請求項40】
前記飛行距離が、0.3〜3mm、最も好ましくは0.5〜1mmの範囲内である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記飛行距離が、供給される前記液状コーヒー抽出物の量にしたがって変化する、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
原文に記載なし
【請求項43】
原文に記載なし
【請求項44】
前記飛行距離が、ショートコーヒーに関しては中間サイズコーヒーまたはロングコーヒーと比べて減少される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記液状コーヒー抽出物の抽出が、500〜10000rpmの範囲内の回転速度で前記カプセルを回転させることにより得られる、請求項39〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記液状コーヒー抽出物の抽出が、2500〜5000rpmの範囲内の回転速度で前記カプセルを回転させることにより得られる、請求項39〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記液体の流量が0.5〜5ml/秒の流量範囲内に制御される、請求項39〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
遠心分離される前記液状コーヒー抽出物が、所与の圧力閾値で開放する流れ制限バルブに通される、請求項39〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
挽いたコーヒー粉末を収容するカプセルからクレマを伴う液状コーヒー抽出物を供給するための方法であって、
飲料生成装置内において、前記コーヒー粉末と相互に作用する液体を前記カプセル内に注入して前記カプセルに遠心力を及ぼすことにより、前記遠心力の作用により前記液状コーヒー抽出物が前記カプセルの外に飛び出して衝突壁に衝突し、前記液状コーヒー抽出物がその後に前記飲料生成装置により収集されて前記飲料生成装置から供給され、
前記液状コーヒー抽出物の抽出が、前記カプセルを所定範囲内の回転速度で回転させることにより得られ、
飛行距離が、供給されるべき前記液状コーヒー抽出物の量に応じておよび/または前記カプセルのサイズに応じておよび/または前記カプセル内に収容される前記コーヒー粉末の量に応じて変化する、方法。
【請求項50】
前記飛行距離が、前記液状コーヒー抽出物の量が減少するにつれて減少される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記飛行距離が、前記カプセルのサイズが減少するにつれて減少される、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記飛行距離が、前記カプセル内に収容される範囲内コーヒー粉末の量が減少するにつれて減少される、請求項49,50または51に記載の方法。
【請求項53】
飲料生成装置内における遠心分離によりコーヒー飲料を生成するためのプロセスであって、前記飲料生成装置が、
前記飲料生成装置内に配置される乾燥コーヒー粉末を収容する容器内に液体を供給する工程と、
前記容器を回転駆動させることにより前記容器の外周で液状コーヒー抽出物を抽出するために所定の回転速度であるいは所定範囲内の回転速度で前記容器を回転させる工程と、
前記液状コーヒー抽出物を収集する工程と、
を行なうように構成され、
前記容器内に前記液体を供給する前に、乾燥コーヒー凝集ステップにより、前記容器内の前記コーヒー粉末が乾燥状態で遠心分離される(「乾燥コーヒー凝集ステップ」)、
プロセス。
【請求項54】
前記乾燥コーヒーが、少なくとも1秒間にわたって、好ましくは少なくとも2秒間にわたって、少なくとも500rpmの速度で前記容器内において遠心分離される、請求項53に記載のプロセス。
【請求項55】
前記乾燥コーヒーが、少なくとも2秒間にわたって、好ましくは少なくとも3秒間にわたって、少なくとも2000rpmの速度で前記容器内において遠心分離される、請求項54に記載のプロセス。
【請求項56】
前記乾燥コーヒー凝集ステップ中に、前記回転速度が少なくとも500rpm/秒で加速される、請求項54または55に記載のプロセス。
[請求項56]
乾燥コーヒー遠心分離のステップ後、コーヒー液体の抽出前に、1つのステップにより、挽いたコーヒーを事前に湿潤する(「事前湿潤ステップ」)ために前記容器内に前記液体が供給され、前記回転が停止されあるいは回転速度が前のステップと比べて低下される、請求項53〜55のいずれか一項に記載のプロセス。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図1c】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−518647(P2013−518647A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551610(P2012−551610)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051481
【国際公開番号】WO2011/095518
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】