説明

飲料用容器ユニット

【課題】現在使用されている飲料用自動販売機をそのまま使用できるにもかかわらず、話題性がある商品となる飲料用容器ユニット1を提供する。
【解決手段】2つまたはそれ以上の飲料用容器3,5と、これら飲料用容器3,5を集合固定させる集合固定材7とを備え、全体寸法が、飲料用自動販売機に収納されて排出されることができる寸法である。これら2つまたはそれ以上の飲料用容器3,5は、集合固定材7によって、容器3,5の長手方向に整列されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の飲料用容器が集合固定された飲料用容器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用の自動販売機は全国に多数設置されており、これによって某大な種類の缶飲料やペットボトル飲料などの商品が提供されている。しかし、提供される商品は飽和状態であり、一台当たりの商品提供数は伸び悩んでいる。
【0003】
一方、煙草の自動販売機は、最近の禁煙ブームによって、設置数が激減しているため、これに代わるものとして、食品用自動販売機が登場している(特許文献1)。この食品用自動販売機は、これまでに自動販売機によって提供されていなかった商品が自動販売機で提供されるということが話題となり、1台の自動販売機当たりの売上が高い。
【特許文献1】特許第3799055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の自動販売機で販売される商品は、話題性があっても、現在の煙草や飲料用の自動販売機で販売することができないため、新たに開発された自動販売機を設置しなければならず、多大な時間およびコストを要するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、現在使用されている飲料用自動販売機をそのまま使用できるにもかかわらず、話題性がある商品となる飲料用容器ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る飲料用容器ユニットは、2つまたはそれ以上の飲料用容器と、これら飲料用容器を集合固定させる集合固定材とを備え、全体寸法が、飲料用自動販売機に収納されて排出されることができる寸法である。
【0007】
ここで、「集合固定」とは、すべての飲料用容器を1つにまとめて、互いに相対位置がずれないように固定していることをいう。
【0008】
この構成によれば、2つまたはそれ以上の飲料用容器が集合固定材によって集合固定されて飲料用容器ユニットを構成しているので、このユニットからなる商品は、今までにない販売形態の商品であることより、話題となりやすい。また、例えば、2つの飲料容器を集合固定させる場合において、一方を従来からある人気商品の飲料用容器とし、他方を新商品の飲料用容器とした場合、この人気商品目当ての消費者がこの飲料用容器ユニットの商品を購入する可能性は高い。したがって、このように抱き合わせて販売することにより、新商品の宣伝をすることができる。さらに、飲料用容器ユニットの全体寸法が飲料用自動販売機に収納されて排出されることができる寸法であるため、現在使用されている飲料用自動販売機を使用することができる。したがって、時間およびコストをかけることなく、この飲料用容器ユニットの商品を販売することができる。
【0009】
飲料用容器は、好ましくは、飲料用自動販売機に収納されて排出される際には密閉されている。すなわち、容器をどのような姿勢にしても、収容する飲料が容器からこぼれることがない。飲料用容器は、より好ましくは、ペットボトルまたは缶体である。
【0010】
好ましい実施形態によれば、前記全体寸法の前記長手方向における長さが約130mm以下である。現在の飲料用自動販売機で販売可能な飲料用容器の長手方向の長さが約130mmであることに基づけば、ユニットを構成する飲料用容器それぞれの寸法が、現在の飲料用自動販売機では販売できないような小さいものであっても、集合固定されたユニットとすることで、現在の飲料用自動販売機でも販売できる。すなわち、長手方向の長さが約130mmの容器は300ml容量であることより、300ml容量よりも小さい寸法の商品を現在の飲料用自動販売機によって販売できるようになる。したがって、300ml入りの飲料を購入したくはないが、例えば購入時に少し飲み後でも少し飲みたい、多種類を少しずつ飲みたい、または仲間で分け合いたい、というような消費者が購買することが大いに予想される。したがって、この飲料用容器からなる商品は、需要が高い可能性が大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の各実施形態を説明する。
本発明の一実施形態にかかる飲料用容器ユニットは、全体寸法が、現在使用されている飲料用自動販売機に収納されて排出されることができる寸法である。すなわち、本飲料用容器ユニットの商品は、新たな飲料用自動販売機を製造および設置することなく、現在使用されている飲料用自動販売機で販売されることができる。
【0012】
図1を用いて、まず、本実施形態にかかる飲料用容器ユニット1の構成を示す、飲料容器ユニット1は、第1の飲料用容器3および第2の飲料用容器5を備える。本実施形態においては、これら飲料用容器3,5は、それぞれ円筒状の胴部3a,5aを有する同一形状の缶体からなる。なお、飲料用容器3,5はペットボトルのような容器であってもよく、販売時において収容する飲料が容器からこぼれることがない形態のものであればいかなる容器であってもよい。ただし、2つの飲料用容器3,5は、缶体どうし、またはペットボトルどうしのように、同一種類の容器からなるのが好ましい。
【0013】
飲料用容器3,5は、また、それらの長手方向Lの長さ3h,5hが、いずれも約65mmである。この長さは、現在の飲料用自動販売機で販売可能な飲料用容器の長手方向の長さの最小寸法が130mmであることより、その半分の長さである。
【0014】
飲料用容器ユニット1は、また、シュリンク包装材7を備え、このシュリンク包装材7が2つの飲料用容器3,5を集合固定している。本実施形態においては、缶体からなる飲料用容器3,5は、長手方向Lに整列された状態でシュリンク包装材によって固定されている。すなわち、2つの胴部3a,5aが整列しているので、ユニット1全体の長手方向Lの長さは、各飲料用容器3,5の長手方向Lの長さ3h,5hの和であり、約130mmである。したがって、飲料用容器ユニット1の寸法および形状は、現在の飲料用自動販売機で販売可能な最小寸法の容器とほぼ同一となる。
【0015】
次に、本実施形態にかかる飲料用容器ユニット1の生成方法およびその商品の販売方法について説明する。
【0016】
飲料用容器3,5に飲料が収容されて密閉されている状態で、長手方向Lに整列させ、長手方向Lの全体の長さ1hよりも幅の大きい透明のプラスチックフィルムで胴部3a,5a全体を覆う。この状態で、プラスチックフィルムを加熱収縮させると、このプラスチックフィルムがシュリンク包装材7となり、飲料用容器3,5を固定的に一体に包装する。これにより、飲料用容器ユニット1が生成される。シュリンク包装材7が透明であるため、飲料用容器3,5の胴部3a,5aに記載された文字および図柄は、シュリンク包装材7が存在しない場合と同様に視認されることができる。
【0017】
このように生成された飲料用容器ユニット1は、寸法および形状が現在の飲料用自動販売機で販売可能な最小寸法の容器とほぼ同一であるため、取扱方は従来と全く変わらず、飲料用自動販売機に充填されて収納される。また、消費者がこの商品を購買するために飲料用自動販売機のボタンを選択すると、自動販売機内の通路を通過して、取出口に排出される。なお、飲料用自動販売機の商品選択ボタンには、この商品が、分離可能な別体の商品から構成されていることが記載されている。
【0018】
本実施形態では、飲料用容器ユニット1は、2つの飲料用容器から構成されるものとしたが、2つ以上であればいくつであってもよい。
【0019】
また、飲料用容器3,5がそれぞれ収容する飲料は同種類でも異種類であってもよい。異種類の場合は、人気商品と新商品の組合せにして抱き合わせ販売することができる。
【0020】
本実施形態では、シュリンク包装材7によって2つの飲料用容器3,5が集合固定されているものとしたが、集合固定はいかなる手段によって行われてもよい。例えば、図2に示す連結体9を用いてもよい。この連結体9は、円板状であり、その両側の主面9a,9aに凹部9b,9bが形成されている。飲料用容器3,5は、この凹部9b,9bに圧入して固定される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る飲料用容器ユニットの斜視図である。
【図2】図1の飲料用容器ユニットにおける集合固定材の別の例を示す図であって、この集合固定材の縦断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 飲料用容器ユニット
3,5 飲料用容器
7,9 集合固定材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つまたはそれ以上の飲料用容器と、
これら飲料用容器を集合固定させる集合固定材とを備えた飲料用容器ユニットであって、
全体寸法が、飲料用自動販売機に収納されて排出されることができる寸法である飲料用容器ユニット。
【請求項2】
請求項1において、前記2つまたはそれ以上の飲料用容器は、前記集合固定材によって、各容器の長手方向に整列されている飲料用容器ユニット。
【請求項3】
請求項1または2において、前記飲料容器がペットボトルである飲料用容器ユニット。
【請求項4】
請求項1または2において、前記飲料用容器が缶体である飲料用容器ユニット。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項において、前記全体寸法の前記長手方向における長さが約130mm以下である飲料用容器ユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項において、前記集合固定材がシュリンク包装材である飲料用容器ユニット。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項において、前記集合固定材が2つの飲料用容器を連結させる連結体である飲料用容器ユニット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−190758(P2009−190758A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32904(P2008−32904)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(502230837)株式会社オペレーションファクトリー (1)
【Fターム(参考)】