飲食物提供管理システム
【課題】注文された飲食物が正しく配膳されたかどうかを視覚的に容易かつ明確に確認する。
【解決手段】飲食物の容器2に容器タグT1が、コースター12にはコースタータグT3が設けられ、テーブル4には飲食物の提供に係わる飲食物提供情報が記録された注文管理カードCを挿入するカード挿入部6が設けられ、容器2が載せられるテーブル4の載置部3及びカード挿入部6にテーブルアンテナ130が埋設され、テーブルアンテナ130により、容器タグT1から容器識別情報が取得されるとともにコースタータグT3からコースター識別情報が取得され、取得された情報が飲食物提供情報と適合するかどうか判定し、適合すると判定された場合に、コースタータグT3の発光部を発光させる。
【解決手段】飲食物の容器2に容器タグT1が、コースター12にはコースタータグT3が設けられ、テーブル4には飲食物の提供に係わる飲食物提供情報が記録された注文管理カードCを挿入するカード挿入部6が設けられ、容器2が載せられるテーブル4の載置部3及びカード挿入部6にテーブルアンテナ130が埋設され、テーブルアンテナ130により、容器タグT1から容器識別情報が取得されるとともにコースタータグT3からコースター識別情報が取得され、取得された情報が飲食物提供情報と適合するかどうか判定し、適合すると判定された場合に、コースタータグT3の発光部を発光させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物提供者による飲食物被提供者への飲食物の提供を管理するための飲食物提供管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、飲食店等において飲食物が客に提供される際には、飲食物の容器に付随して、コースターや箸置き等の付随物が卓上に配置される。従来、この付随物を発光するようにした従来技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術のコースターは、発光ダイオードと、バッテリと、スイッチとを備えている。飲食物の入ったグラス等の飲食物容器がコースター上に置かれると、その重さにより、コースターの下部に設けられたスイッチが作動し、バッテリと発光ダイオードとを導通させる。この結果、バッテリからの電力が発光ダイオードに供給され、発光ダイオードが発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−4972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術におけるコースターの発光機能は、単に装飾用に用いられているに過ぎない。このため、客が注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたかどうかを視覚的に確認することはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、注文された飲食物が正しく配膳されたかどうかを視覚的に容易かつ明確に確認できる、飲食物提供管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、飲食物容器に設けられ、当該飲食物容器内の飲食物に係わる飲食物情報又は容器識別情報を記憶した容器用無線タグと、前記飲食物容器が載せられる載置部を備えた配置部材に設けられた、固定型無線タグ通信装置と、前記配置部材の前記載置部に対し前記飲食物容器に付随して配置される付随物に設けられ、タグ側発光部を備え、付随物識別情報を記憶した付随物用無線タグと、飲食物提供者による飲食物被提供者への前記飲食物の提供に係わる飲食物提供情報が記録された情報記録媒体と、前記飲食物提供者の手動操作に基づき、無線通信により前記飲食物提供情報を前記情報記録媒体に記録する携帯型無線タグ通信装置とを有し、前記固定型無線タグ通信装置は、前記配置部材の前記載置部に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記付随物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つのタグ用装置アンテナと、前記配置部材に設けられ、前記情報記録媒体と無線通信を行うための媒体用装置アンテナと、前記タグ用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記飲食物情報又は前記容器識別情報が取得されるとともに前記付随物用無線タグから前記付随物識別情報が取得された場合に、取得された前記飲食物情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物提供情報と適合するかどうか判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により、前記容器用無線タグから取得された前記飲食物情報又は前記容器識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物の前記提供情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記付随物識別情報が取得された前記付随物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力するタグ発光指示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本願第1発明の飲食物提供管理システムは、飲食物提供者が飲食物を飲食物被提供者に対し提供するサービスにおいて、用いられる。飲食物を入れる飲食物容器には容器用無線タグが設けられている。容器用無線タグには、飲食物容器の容器識別情報、又は、当該飲食物容器に入る飲食物の飲食物情報が予め記憶されている。サービス提供の際には、飲食物容器は、配置部材の載置部に載せられ、さらに載置部には飲食物容器に付随する付随物が配置される。付随物には付随物用無線タグが設けられている。付随物用無線タグには、付随物の付随物識別情報が予め記憶されている。
【0009】
飲食物の提供サービスを開始するにあたっては、飲食物提供者が、飲食物被提供者より注文をとるとともに、携帯型無線タグ通信装置を手動操作することで、当該注文内容に対応した飲食物提供情報を情報記録媒体に記録する。
【0010】
飲食物提供者は、飲食物被提供者から注文された飲食物を飲食物容器に入れて持参し、当該飲食物容器を付随物とともに配置部材の載置部に載せる。すると、載置部に設けられた固定側無線タグ通信装置が、タグ用装置アンテナを用いて、載せられた飲食物容器の容器用無線タグから無線通信により容器識別情報又は飲食物情報を取得する。このときまた固定側無線タグ通信装置は、タグ用装置アンテナを用いて、飲食物容器が載せられた付随物の付随物用無線タグから付随物識別情報を取得する。
【0011】
それら容器識別情報又は飲食物情報と付随物識別情報とを取得した固定側無線タグ通信装置は、媒体用装置アンテナを用いて情報記録媒体にアクセスする。そして固定側無線タグ通信装置の第1判定手段が、上記取得された容器識別情報又は飲食物情報及び付随物識別情報が、情報記録媒体に記録された飲食物情報と適合するかどうかを判定する。適合していた場合は第1判定手段の判定が満たされ、タグ用装置アンテナを用いて、タグ発光指示手段が、付随物用無線タグに対し発光指示信号を出力する。これにより、飲食物提供者が配膳した飲食物容器に付随する付随物に設けた付随物用無線タグの発光部が発光する。この結果、飲食物提供者及び飲食物被提供者は、飲食物被提供者が注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。また、付随物用無線タグに設けた発光部を、非接触の無線通信による発光指示信号によって発光させるので、付随物に設けた発光体を接触スイッチ等により発光させる場合に比べて、耐水性・耐久性が向上する。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記付随物は、前記配置部材の前記載置部と前記飲食物容器との間に介在して配置される敷物部材であり、前記付随物用無線タグは、前記付随物識別情報として敷物識別情報を記憶した敷物用無線タグであることを特徴とする。
【0013】
本願第2発明においては、飲食物提供者は、飲食物被提供者から注文された飲食物を飲食物容器に入れて持参し、当該飲食物容器を敷物部材を介し配置部材の載置部に載せる。敷物部材に設けた敷物用無線タグに記憶された敷物識別情報は、容器識別情報又は飲食物情報とともに、固定側無線タグ通信装置により取得される。その後、固定側無線タグ通信装置の第1判定手段が、取得された容器識別情報又は飲食物情報及び敷物部材識別情報が、情報記録媒体に記録された飲食物情報と適合するかどうかを判定する。適合していた場合は、タグ発光指示手段が、敷物用無線タグに対し発光指示信号を出力し、飲食物提供者が配膳した飲食物容器の下に敷かれた敷物部材の敷物用無線タグの発光部が発光する。この結果、飲食物提供者及び飲食物被提供者は、飲食物被提供者が注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。また敷物部材は飲食物容器の下に敷かれ、濡れる可能性が高いことから、前述した耐水性・耐久性の向上効果が特に大きい。
【0014】
第3発明は、上記第2発明において、前記配置部材の前記載置部は、前記飲食物被提供者による同一飲食物の再提供要求領域に設けられた、再提供用発光部を備え、前記タグ用装置アンテナは、前記載置部の前記再提供要求領域に設けられ、前記容器用無線タグと無線通信を行うための再提供用装置アンテナと、前記載置部の前記再提供要求領域以外の少なくとも1つの配膳領域に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記敷物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つの配膳用装置アンテナとを含み、前記固定型無線タグ通信装置は、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された場合に、前記再提供用発光部の発光指示信号を出力する領域発光指示手段と、前記領域発光指示手段による前記発光指示信号が出力された後、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったかどうかを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったと判定された場合に、前記再提供用発光部の消光指示信号を出力する領域消光指示手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
これにより、飲食物被提供者が、一度配膳された飲食物の再提供、いわゆるおかわりを注文する場合に便利である。すなわち、飲食物被提供者が飲食物容器を再提供要求領域に置くだけで、当該飲食物容器の容器用無線タグの容器識別情報が再提供用装置アンテナを介し取得され、領域発光指示手段からの発光指示信号によって再提供用発光部が発光する。この結果、飲食物被提供者がおかわりを注文していることを、迅速にかつ明確に、飲食物被提供者側に視覚的に報知することができる。
【0016】
第4発明は、上記第3発明において、前記固定型無線タグ通信装置は、前記領域消光指示手段により前記消光指示信号が出力された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された飲食物の、飲食物被提供者への再提供に係わる飲食物再提供情報を前記情報記録媒体に記録する、再提供要求記録手段を備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、飲食物被提供者によるおかわり注文があったことを情報記憶媒体に確実に記録できるので、会計の際に、漏れなく正確な精算を行うことができる。
【0018】
第5発明は、上記第4発明において、前記固定型無線タグ通信装置は、前記再提供要求記録手段により前記飲食物再提供情報が前記情報記録媒体に記録された後、前記配膳用装置アンテナにより、当該再提供に係わる飲食物の前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたかどうかを判定する第3判定手段と、前記第3判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたと判定された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記飲食物再提供情報に含まれる配膳済み情報を前記情報記録媒体に記録する、配膳済み情報記録手段を備えることを特徴とする。
【0019】
これにより、飲食物被提供者によるおかわり注文の内容について、既に配膳されたか未配膳であるかを含め、詳細に情報記憶媒体に記録することができる。
【0020】
第6発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、複数の前記配膳用装置アンテナが、複数の前記配膳領域それぞれに対応して配置されており、前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を配膳すべき前記配膳領域に対応した前記配膳用装置アンテナのアンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報とを対応付けた配膳先領域情報を含んでおり、前記第1判定手段は、前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合するかどうかを判定し、前記タグ発光指示手段は、前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力することを特徴とする。
【0021】
これにより、特定の飲食物被提供者の注文した飲食物が、当該特定の飲食物被提供者の席の配膳領域に正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。
【0022】
第7発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を載せるべき前記敷物部材に対応した前記敷物識別情報とを対応付けた配膳先敷物情報を含んでおり、前記第1判定手段は、前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先敷物情報と適合するかどうかを判定し、前記タグ発光指示手段は、前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領敷物情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力することを特徴とする。
【0023】
これにより、特定の飲食物被提供者の注文した飲食物が、当該特定の飲食物被提供者に対応した敷物部材の上に正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、注文された飲食物が正しく配膳されたかどうかを視覚的に容易かつ明確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態の飲食物提供管理システム全体の概念的構成を表す説明図である。
【図2】テーブルの載置部にコースター及び容器を載せた状態を表す斜視図である。
【図3】テーブルの載置部の平面図、及び、載置部内に設けられたアンテナを明確にした透視図である。
【図4】注文管理カードの内容の一例を示す説明図である。
【図5】無線タグ回路部の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図6】リーダ本体の機能的構成の詳細を表す機能ブロック図である。
【図7】従業員の持つ携帯リーダの全体構造を示す正面図である。
【図8】携帯リーダの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図9】リーダ本体のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。
【図10】リーダ本体のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1を用いて、本実施形態の飲食物提供管理システム全体の概念的構成を説明する。本実施形態は、本発明を、居酒屋、食堂、レストラン、喫茶店等の飲食物提供サービスを行う店舗に、本発明を適用した場合の実施形態である。
【0028】
この店舗内には、複数、図示の例では3つの配置部材としてのテーブル4が設けられている。各テーブル4には、複数、図示の例では4つの座席1が備えられている。この店舗では、飲食物提供者である従業員Mが、座席1に案内され着席した、飲食物被提供者である飲食客(図示せず)に対し飲食物の提供を行う。
【0029】
本実施形態では、飲食物の容器及びコースターに無線タグ(詳細は後述)が設けられている。上記飲食物の提供時に、テーブル4の上面である載置部3に対しコースターを介し飲食物容器が置かれると、無線タグに対し無線通信が行われる(詳細は後述)。テーブル4の下部には、上記無線通信を行うためのリーダ本体5が設けられている。リーダ本体5は、パソコン等のサーバSに対し、有線又は無線の通信回線NWを介して接続されている。サーバSには、飲食物や飲食客に関する各種情報を格納するためのデータベースDBが設けられている。
【0030】
従業員Mは、飲食客の注文した飲食物提供情報(詳細は後述)を注文管理カード(後述)に書き込むための携帯型無線タグ通信装置、すなわち携帯リーダ100を所持している。テーブル4にはまた、飲食物提供情報が書き込まれた注文管理カードを差し込むためのカード挿入部6が設けられている。
【0031】
テーブル4の詳細構造を図2に示し、テーブル4の上記載置部3の詳細構造を図3(a)及び図3(b)に示す。
【0032】
載置部3の下部には、載置部3の大部分にわたって、複数のテーブルアンテナ130がほぼ等間隔で設けられている。このテーブルアンテナ130は、配膳用装置アンテナを構成するとともに、タグ用装置アンテナも構成する。これらテーブルアンテナ130はリーダ本体5に接続されている。前述したように、飲食物の容器2には、容器用無線タグ(以下適宜、単に「容器タグ」という)T1が設けられている。
【0033】
容器タグT1は、容器2の中に何の飲食物が入れられているかを表す飲食物情報と、容器識別情報と、自らのタグ識別情報であるタグIDとを記憶している。飲食物情報については、従業員Mが厨房で容器2に飲食物を入れる際に、別途設けたリーダライタにより、当該飲食物に対応する飲食物情報を容器タグT1に書き込めばよい。あるいは、飲食物情報を容器タグT1に書き込み済みの容器2を、予め飲食物の種類ごとに用意しておき、飲食客から注文があるごとに、従業員Mが容器2に当該飲食物を入れて飲食客のテーブル4へ持参するようにしてもよい。また、飲食物情報を省略し、容器識別情報のみを容器タグT1に記憶させるようにしてもよい。この場合は、例えばサーバSのデータベースDBにおいて、各容器2の容器識別情報と、当該容器2に入れた飲食物の飲食物情報とを、関連付けて記憶しておけばよい。容器識別情報としては、予め容器そのものに付与された識別情報でもよいし、容器タグT1に付与された上記タグIDをそのまま用いてもよい。なお、後述のおかわり要求ランプ11に対する発光指示機能が必要ない場合には、容器タグT1は、必ずしも容器識別情報を記憶する必要はなく、例えば上記飲食物情報のみを記憶すれば足りる。
【0034】
コースター12には、コースター用無線タグ(以下適宜、単に「コースタータグ」という)T3が設けられている。なお、コースター12が各請求項記載の敷物部材及び付随物を構成し、コースタータグT3が敷物用無線タグ及び付随物用無線タグを構成する。コースタータグT3は、付随物識別情報及び敷物識別情報としてのコースター識別情報と、自らのタグ識別情報であるタグIDとを記憶している。コースター識別情報としては、予めコースターそのものに付与された識別情報でもよいし、コースタータグT3に付与された上記タグIDをそのまま用いてもよい。また、コースター12は原則各飲食客1人に1個ずつ使用されるため、上記コースター識別情報を、飲食客識別情報として用いてもよい(後述の図4参照)。
【0035】
リーダ本体5は適宜のタイミングでテーブルアンテナ130を介し無線通信により問いかけ信号を送信する。問いかけ信号はすべてのテーブルアンテナ130から同時に送信してもよいし、公知の手法により各テーブルアンテナ130ごとに、あるいは複数のテーブルアンテナ130ごとに、切り替えて順次送信してもよい。従業員Mがコースター12を介して飲食物の容器2を後述のおかわり要求領域10を除く載置部3に載置すると、容器2に設けられた容器タグT1とコースター12に設けられたコースタータグT3とが上記問いかけ信号を受信し、対応する応答信号を送信する。本実施形態では、容器2やコースター12が載置部3のどの領域に配置されたかを検出するために、テーブルアンテナ130の通信範囲は比較的小さく設定されている。この各テーブルアンテナ130ごとに対応した載置部3の小領域が各請求項記載の配膳領域に相当している。このような通信範囲の設定により、容器タグT1及びコースタータグT3からの応答信号は、すべてのテーブルアンテナ130のうち、最も近いテーブルアンテナ130により受信される。応答信号を受信したテーブルアンテナ130は、当該応答信号より取得した情報(詳細は後述)と、自らが載置部3のどこに配置されたテーブルアンテナであるかを表すアンテナ識別情報とを、リーダ本体5へ出力する。これにより、リーダ本体5では、載置部3のうち上記応答信号を出力したテーブルアンテナ130に対応する領域に、容器2及びコースター12が載せられたことを検出するのである。
【0036】
なお、容器タグT1及びコースタータグT3からの上記応答信号が、近接する複数のテーブルアンテナ130により受信された場合には、リーダ本体5は、公知の手法により、それら複数のテーブルアンテナ130のうち容器タグT1及びコースタータグT3に最も近いテーブルアンテナ130を識別すればよい(詳細な説明は省略)。また、容器2やコースター12が、載置部3のどこの領域すなわちどの配膳領域に載せられたか、を検出する必要がなく、単に載置部3に載せられたことを検出すれば足りる場合には、テーブルアンテナ130は1つのみ設ければよい。
【0037】
また、載置部3の一方側の端部には、飲食客が同一飲食物の再注文(以下適宜、「おかわり」と称する)を行うときに用いる、再注文要求領域としてのおかわり要求領域10が設けられている。おかわり要求領域10は、載置部3の他の領域区別可能なように、例えば別の色により形成されている。おかわり要求領域10の近傍には、再提供用発光部としてのおかわり要求ランプ11が設けられている。なお、おかわり要求ランプ11として、ランプではなくその他の適宜の発光手段を設けてもよい。おかわり要求領域10の下部には、おかわり検出アンテナ130bが設けられている。なお、おかわり検出アンテナ130bは、再提供用装置アンテナを構成するとともに、タグ用装置アンテナをも構成する。おかわり要求ランプ11及びおかわり検出アンテナ130bは、リーダ本体5に接続されている。
【0038】
リーダ本体5は、上記同様、適宜のタイミングでおかわり検出アンテナ130bを介し無線通信により問いかけ信号を送信する。飲食客が同一飲食物のおかわりを意図して容器2をおかわり要求領域10に載置すると、当該容器2に設けられた容器タグT1が上記問いかけ信号を受信し、対応する応答信号を送信する。容器タグT1からの応答信号を受信したおかわり検出アンテナ130bは、当該応答信号より取得した情報(詳細は後述)を、リーダ本体5へ出力する。この情報の入力に応じて、リーダ本体5は、おかわり要求ランプ11に発光指示信号を出力する。これにより、おかわり要求ランプ11が発光するのである(図2参照)。
【0039】
さらに、載置部3の別の端部には、上記カード挿入部6が設けられている。カード挿入部6の内部には、カード検出アンテナ130aが設けられている。従業員Mは、飲食客からの注文を受け付けると、上記携帯リーダ100を用いて、当該注文内容を注文管理カードC(後述)に記録する。注文管理カードCへの注文内容の記録が終了したら、従業員Mは、当該注文管理カードCをカード挿入部6に差し込む。
【0040】
注文管理カードCを図4を用いて説明する。注文管理カードCには、カードタグT2が設けられる。このカードタグT2には、図示するような各種の飲食物提供情報と、自らのタグ識別情報であるタグIDとが記憶される。すなわち、この例では、飲食物提供情報は、「グループナンバー」「お客さまID」「注文ID」「注文者ID」「商品名」「配膳状況」「単価」の各項目を含んでいる。
【0041】
「グループナンバー」項目には、飲食客の各グループごとに付与される、グループ識別情報が記載される。図示の例では、このグループのグループナンバーは「0012」となっている。なお、グループ識別情報として、カードタグT2に付与された上記タグIDをそのまま用いてもよい。
【0042】
「お客さまID」項目には、上記グループを構成する各飲食客ごとに付与される、飲食客識別情報が記載される。図示の例では、このグループは、ID「0021」「0022」「0023」「0024」でそれぞれ表される4人の飲食客により構成されている。
【0043】
「注文ID」項目には、上記4人が注文した飲食物ごとに付与される、注文識別情報が、注文順に時系列的に記載される。なお、この例では、同一商品が複数個、複数回注文される場合であっても別々の注文識別情報が付与される。図示の例では、このグループは、ID「0012001」〜「0012007」までの、のべ7品の飲食物を既に注文している。また、この例では、上記注文IDを、容器識別情報であるグラスIDと共通化して用いている。
【0044】
「注文者ID」項目には、上記4人のうち誰が注文したかを表す注文者識別情報が、注文された飲食物ごとに記載される。「商品名」項目には、上記飲食物情報としての各飲食物の商品名称が記載される。この例では、ID「0021」の飲食客が「ウイスキーの水割り」「××ビールの中ジョッキ」を注文しており、ID「0022」の飲食客が「麦焼酎水割り梅入り」を2回注文している。すなわち、この飲食客は、2回目の注文では、同一飲食物の再注文である、おかわりを行っている。また、ID「0023」の飲食客は「日本酒」「麦焼酎ロック」を注文しており、ID「0024」の飲食客は「麦焼酎ロック」を注文している。なお、この例では、既に述べたように、飲食客識別情報である上記注文者IDを、コースター識別情報であるコースターIDと共通化して用いている。
【0045】
「配膳状況」項目は、注文された飲食物が、従業員Mにより既にテーブル4に配膳されたかどうかを表す。配膳済みの場合には「済み」と記載される。この例では、各飲食客の最初の注文、すなわち、ID「0021」の飲食客の「ウイスキーの水割り」、ID「0022」の飲食客の「麦焼酎水割り梅入り」、ID「0023」の飲食客の「日本酒」、ID「0024」の飲食客の「麦焼酎ロック」が既に配膳済みとなっている。また、それ以降の注文、すなわちID「0021」の飲食客の「××ビールの中ジョッキ」、ID「0023」の飲食客の「麦焼酎ロック」、ID「0022」の飲食客の「麦焼酎水割り梅入り」のおかわりが、注文受付済みであるが、まだ従業員Mにより配膳されていない状態となっている。
【0046】
「単価」項目は、当該店舗の利用が終了したときの会計に用いるために、各飲食物の単価が記載される。
【0047】
図2、図3(a)、及び図3(b)に戻り、カード挿入部6の内部に設けられた上記カード検出アンテナ130aは、情報記録媒体としての注文管理カードCが差し込まれた状態で、カードタグT2と無線通信により情報送受信を行う。このカード検出アンテナ130aは、各請求項記載の媒体用装置アンテナを構成し、リーダ本体5に接続されている。
【0048】
なお、テーブルアンテナ130と、おかわり検出アンテナ130bと、カード検出アンテナ130aと、リーダ本体5とが、各請求項記載の固定型無線タグ通信装置を構成している。
【0049】
上記容器タグT1、カードタグT2、コースタータグT3の機能的構成について、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。
【0050】
コースタータグT3の機能的構成を図5(a)により説明する。コースタータグT3は、情報を記憶するIC回路部1510及びタグアンテナ151を備えた無線タグ回路部Toと、上記IC回路部150で制御されるタグ側発光部としての発光部158とを備えている。
【0051】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波、すなわち後述の各種コマンドを含む信号を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路部Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0052】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波、すなわちタグIDを含む信号として送信する。
【0053】
発光部158は、例えば発光ダイオード(LED)や有機ELからなり、制御部157の制御により発光・消光するように構成されている。また発光部158は、この例では、複数種類の発光態様が実現可能に構成されている。例えば、発光部158は、互いに異なる複数種類の色を切り替えて発光可能であったり、継続的な点灯状態と点滅状態との両方を切り替えて実行可能となっている。なお、発光部158が発光する際の電力も上記IC回路部150から得ている。
【0054】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。また制御部157は、発光部158の発光制御手段としても機能する。すなわち、無線タグ回路部Toがテーブルアンテナ130から後述の発光指示信号を受信したときに、発光部158を発光させるように、発光部158を制御する。発光指示信号には、上記したような発光態様の指定が含まれており、制御部157が当該発光態様の指示に従って制御することで、発光部158はその態様による発光を行う。
【0055】
なお、容器タグT1、カードタグT2の構成は、図5(b)に示すように、上記コースタータグT3の構成より発光部158を省略した構成となっている。
【0056】
次に、リーダ本体5の機能的構成を、図6を用いて説明する。図6において、制御部120は、中央演算装置であるCPU121と、ネットワーク通信制御部122と、例えばRAMやROMからなるメモリ123と、通信制御部124,124a,124bと、発光制御部125とを備えている。
【0057】
ネットワーク通信制御部122は、サーバSとの上記通信回線NWを介した信号授受の制御を行う。発光制御部125はおかわり要求ランプ11の発光・消光に係わる制御を行う。
【0058】
通信制御部124は、上記複数のテーブルアンテナ130を介した、コースタータグT3及び容器タグT1との通信制御を行う。通信制御部124aは、上記カード検出アンテナ130aを介した、カードタグT2との通信制御を行う。通信制御部124bは、おかわり検出アンテナ130bを介した、容器タグT1との通信制御を行う。
【0059】
図7及び図8を用いて、従業員Mの持つ携帯リーダ100の詳細構成を説明する。携帯リーダ100は、アンテナ部110と、本体部120とを有している。
【0060】
アンテナ部110は、タグ通信用アンテナ111と、ネットワーク通信用アンテナ112とを備えている。タグ通信用アンテナ111は、上記注文管理カードCに設けられたカードタグT2との無線通信を行う。なお、アンテナ間の干渉が問題になる場合等においては、上記タグ通信用アンテナ111とネットワーク通信用アンテナ112がともにアンテナ部110に設けられるものに限定するものではなく、最適な部分に設けられればよい。
【0061】
本体部120は、各種情報の表示を行う表示部121と、各種操作入力を行う操作部122と、上記無線タグ通信の通信結果に応じて適宜の報知を行うスピーカ123と、高周波回路131と、記憶部132と、無線通信回路134と、制御回路133とを有する。
【0062】
高周波回路131は、タグ通信用アンテナ111を介し上記無線タグ回路部ToのIC回路部150へアクセスするとともに、IC回路部150から読み出された信号を処理する。無線通信回路134は、上記ネットワーク通信用アンテナ112、通信回線NWを介し、サーバSへ信号の送信を行うとともに、サーバSから受信した信号を処理する。制御回路133は、上記高周波回路131及び無線通信回路134を含む携帯リーダ100全体の制御を行う。
【0063】
以上において、本実施形態の最も大きな特徴は、従業員Mが飲食物の容器2をテーブル4へ持参したとき、当該飲食物を注文した飲食客のコースター12に正しく置いたかどうかを照合し、正しかった場合には当該コースター12のコースタータグT3を発光させることである(図2参照)。
【0064】
以下、そのような動作を実行するために、リーダ本体5のCPU121が実行する制御手順を、図9を用いて説明する。
【0065】
リーダ本体5の電源がONされるか、あるいは、従業員Mによる適宜の操作により、図9のフローが開始される。
【0066】
まず、ステップS100において、CPU121は、新たな容器2、上記の例では新たなグラス、が検出されたかどうかを判定する。具体的には、前述のようにしてすべてのテーブルアンテナ130から送信した問いかけ信号に対し、いずれかのテーブルアンテナ130を介して新たな容器タグT1からの応答信号と、コースタータグT2からの応答信号とが受信されたかどうかを判定する。例えば、CPU121は、テーブルアンテナ130を介し容器タグT1から応答信号を取得したとき、当該応答信号に含まれるタグIDを、取得済みのタグIDとしてメモリ123等に記憶しておく。そして、その後さらにテーブルアンテナ130を介し容器タグT1から応答信号を取得したとき、その応答信号に含まれるタグIDがメモリ123等に既に記憶されているタグIDと一致するかどうか照合する。これにより、照合が一致すればCPU121は新たな容器2の検出ではないと判定し、照合が不一致であればCPU121は新たな容器が検出されたと判定する。
【0067】
飲食客が注文した飲食物の入った容器2を従業員Mが厨房より持参し、コースター12を介して載置部3に置くと、容器タグT1及びコースタータグT3からの応答信号がテーブルアンテナ130を介しCPU121により取得される。この結果、ステップS100の判定が満たされ、ステップS101へ移る。
【0068】
ステップS101では、CPU121は、上記ステップS100で受信された容器タグT1からの応答信号に含まれる飲食物情報、すなわち容器2の中に何が入っているかの情報を抽出し、取得する。その後、ステップS102に移る。
【0069】
ステップS102では、CPU121は、注文管理カードCの注文内容を取得する。すなわち、既に述べたように、注文に際しては、従業員Mが携帯リーダ100を持ってテーブル4へ赴いて各飲食客の注文内容を注文管理カードCのカードタグT2に記憶させた後、注文管理カードCをカード挿入部6に挿入している。このステップS101では、CPU121は、上記のようにカード挿入部6に挿入された状態の注文管理カードCのカードタグT2に対し、カード検出アンテナ130aにより情報読み取りを行い、カードタグT2に記憶された注文内容を表す飲食物提供情報(図4参照)を取得する。その後、ステップS103に移る。
【0070】
ステップS103では、CPU121は、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの注文内容に基づき、ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、当該テーブル4のいずれかの飲食客によって注文されたものであるかどうかを判定する。当該テーブル4のいずれの飲食客によっても注文されていなければ、ステップS103の判定が満たされず、ステップS104に移る。なお、前述したように飲食物情報の代わりに容器識別情報が容器タグT1に記憶されていた場合には、上記ステップS101において、容器タグT1から取得した容器識別情報をキーにして例えばデータベースDBにアクセスし、当該容器識別情報に対応する飲食物情報を取得しておき、ステップS103でその取得した飲食物情報についての照合を行えばよい。
【0071】
ステップS104では、CPU121は、注文されていない飲食物、すなわち誤配膳である旨を表す発光態様例えば点滅発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。その際、ステップS100において取得したコースタータグT3のタグIDを指定して、CPU121が上記発光指示信号の送信を行ってもよい。あるいは、テーブルアンテナ130の通信範囲が十分に狭く、発光目的とするコースタータグT3以外の他のコースタータグT3との混信の可能性が低ければ、CPU121は、特にタグIDを指定せずに発光指示信号の送信を行ってもよい。このような発光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3が、誤配膳である旨を表す点滅発光等を実行する。その後、ステップS100に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0072】
図4の例において、例えば従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得された飲食物情報がジュースであった場合には、ID「0021」〜「0024」の4人の飲食客のいずれも注文していないことから、誤配膳となる。したがって、この場合には当該コースター12が点滅発光を行う。なお、この場合に、CPU121が、上記おかわり要求ランプ11を発光させるようにしてもよい。
【0073】
一方、上記ステップS103において、上記ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、当該テーブル4のいずれかの飲食客によって注文されていれば、判定が満たされ、ステップS105に移る
【0074】
ステップS105では、CPU121は、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの注文内容に基づき、ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、当該テーブル4に着席している飲食客のうち、当該飲食物を注文した飲食客の位置に正しく配膳されたかどうかを判定する。
【0075】
具体的には、前述したように、本実施形態では、飲食客とコースター12とを一対一に対応付け、コースターIDを飲食客識別情報として用いている。したがって、このステップS105では、CPU121は、注文管理カードCのカードタグT2に記憶された飲食物提供情報において、ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報である商品名と、ステップS101でコースタータグT3から取得されたコースターIDすなわち注文者IDとが、共通の注文ID(図4参照)による1つの注文データに含まれているかどうかを判定する。
【0076】
なお、前述したように飲食物情報の代わりに容器識別情報が容器タグT1に記憶されていた場合には、ステップS105では、前述と同様、容器識別情報をキーにして取得された飲食物情報である商品名と、上記コースターIDすなわち注文者IDとが、共通の注文IDの1つの注文データに含まれているかどうかを判定すればよい。
【0077】
なお、上述した内容から明らかなように、図4の飲食物情報中、1つの注文IDの1つの注文データに含まれるコースターIDは、当該注文データに商品名が含まれる飲食物についての、各請求項記載の配膳先敷物情報に相当している。また、上記ステップS103の手順とこのステップS105の手順とが、各請求項記載の第1判定手段として機能する。
【0078】
ステップS105において正しい位置に配膳が行われていなかった場合には判定が満たされず、ステップS106に移る。
【0079】
ステップS106では、CPU121は、注文した飲食客ではない飲食客へ配膳した、すなわち配膳場所を誤った誤配置である旨を表す発光態様例えば赤色発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。その際、ステップS100において取得したコースタータグT3のタグIDを指定して、CPU121が上記発光指示信号の送信を行ってもよい。あるいは、上述と同様、特にタグIDを指定しなくてもよい。このような発光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3が、誤配置である旨を表す赤色発光等を実行する。以上のステップS106が終了したら、ステップS105に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0080】
一方、ステップS105において正しい位置に配膳が行われていた場合にはステップS105の判定が満たさず、ステップS108に移る。ステップS108では、CPU121は、上記ステップS102と同様、カード検出アンテナ130aを介して注文管理カードCのカードタグT2にアクセスし、飲食物提供情報における、当該飲食物の「配膳状況」の欄に、正しく配膳されたことを表すフラグ「済み」を書き込む。
【0081】
その後、ステップS109で、CPU121は、装飾用の態様の発光、例えば青色発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。このステップS109の手順が、各請求項記載のタグ発光指示手段として機能する。その際、ステップS100において取得したコースタータグT3のタグIDを指定して、CPU121が上記発光指示信号の送信を行ってもよい。あるいは、上述と同様、特にタグIDを指定しなくてもよい。このような発光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3が、装飾用の青色発光を実行する。
【0082】
図4の例において、例えば従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得された飲食物情報が日本酒であり、その容器2を配膳したコースター12のコースターIDが「0022」であった場合には、本来日本酒を注文したID「0023」の飲食客ではないID「0022」の飲食客のコースター12に、日本酒が誤配膳されたことになる。したがって、この場合には当該コースター12が赤色に光る。なお、この場合に、CPU121は、正しく配膳される場所であるID「0023」のコースター12のコースタータグT3を発光して従業員Mによる容器2の再配置を促すようにしてもよい。この場合、CPU121は、上記ステップS106においてさらに、所定の誘導発光の態様、例えば高速点滅発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成して、当該正しく配膳されるべきID「0023」のコースター12のコースタータグT3のタグIDを指定して、テーブルアンテナ130を介して送信すればよい。これにより、同じテーブル4の載置部3の別の位置にあるID「0023」のコースター12のコースタータグT3が、上記誘導用の高速点滅発光を実行する。
【0083】
一方、例えば従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得された飲食物情報が日本酒であり、その容器2を配膳したコースター12のコースターIDが「0023」であった場合には、当該コースター12を使用するID「0023」の飲食客に日本酒が正しく配膳されたことになる。したがって、この場合には当該コースター12が青色の装飾発光を行う。
【0084】
以上のステップS109が終了したら、ステップS110に移る。ステップS110では、CPU121は、上記のようにしてコースタータグT3が装飾発光を行っているコースター12の上に、容器2が載置されている状態であるかどうかを判定する。具体的には、CPU121は、上記ステップS100での検出と同様の、テーブルアンテナ130によるコースタータグT3及び容器タグT1からの応答信号の取得が引き続き継続しているかどうかを判定する。容器2の載置状態が続いている間はステップS110の判定が満たされてステップS109に戻り、装飾発光が継続される。
【0085】
一方、当該飲食物を注文した飲食客、すなわち当該飲食物の入った容器2を載せたコースター12に対応付けられた飲食客が、当該飲食物の飲食を意図して容器2を手に取ると、容器タグT1がテーブルアンテナ130から離間する。この結果、テーブルアンテナ130で容器タグT1からの応答信号が取得されなくなるのでステップS110の判定が満たされず、ステップS111に移る。
【0086】
ステップS111では、CPU121は、ステップS109で開始した装飾用の発光の停止をコースタータグT3に命じるための消光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該消光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。その際、前述のようにコースタータグT3のタグIDを指定してもよいが、特にタグIDを指定しなくても可能である。このような消光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3において行われていた、装飾用の青色発光が停止される。以上により、このフローを終了する。
【0087】
一方、本実施形態では、別の特徴として、飲食客によりおかわり要求領域10に容器2が置かれたことを検出し、おかわり要求ランプ11を点灯させて、飲食客によるおかわり希望があることをいち早く従業員Mに知らせる(図2参照)。
【0088】
以下、上記の動作を実行するために、リーダ本体5のCPU121が実行する制御手順を、図10を用いて説明する。なお、この図10のフローに示す制御手順は、CPU121が、図9のフローに示す制御手順と並行して実行する。このような同時並行処理は、例えば、コンピュータのOS等でしばしば行われる、「マルチタスク処理」と同様の公知の方式により、1つのCPU121に行わせることができる。
【0089】
図9のフローと同様、リーダ本体5の電源がONされるか、あるいは、従業員Mによる適宜の操作により、図10のフローが開始される。
【0090】
まず、ステップS200において、ランプ発光フラグFをF=0に初期化する。
【0091】
その後、ステップS201に移り、おかわり要求領域11において容器2が検出されたかどうかを判定する。具体的には、前述のようにしておかわり検出アンテナ130bから送信した問いかけ信号に対し、当該おかわり検出アンテナ130bを介して容器タグT1からの応答信号が受信されたかどうかを判定する。容器2がおかわり要求領域10に置かれるまでは判定が満たされずステップS202に移り、最初はF=0であるからステップS202の判定も満たされず、ステップS201→ステップS202→ステップS201→・・の順で繰り返しつつ待機する。
【0092】
上記待機状態において、いずれかの飲食客が容器2をおかわり要求領域10に置くと、容器タグT1からの応答信号に含まれる上記容器識別情報が、おかわり検出アンテナ130bを介しCPU121により取得される。この結果、ステップS201の判定が満たされ、ステップS203へ移る。
【0093】
ステップS203では、CPU121は、おかわり要求ランプ11を発光させるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号をおかわり要求ランプ11へ出力する。この発光指示信号の出力により、飲食客が容器2を置いたおかわり要求領域10の傍らのおかわり要求ランプ11が発光する。なお、このステップS203が、各請求項記載の領域発光指示手段として機能する。
【0094】
その後、ステップS204で上記フラグFを、発光済みを表すF=1にして、ステップS201に戻る。容器2がそのままおかわり要求領域10に置かれている状態では、上記容器識別情報が引き続き取得されステップS201の判定が満たされるので、CPU121は、ステップS201→ステップS203→ステップS204→ステップS201→・・の順で同様の手順を繰り返す。
【0095】
上記繰り返し状態において、おかわり要求ランプ11の発光に気がついた従業員Mがおかわり要求領域10に置いてあった当該容器2を持ち去ると、ステップS201の判定が満たされなくなり、ステップS202に移る。なお、このステップS201が、各請求項記載の第2判定手段として機能する。
【0096】
ステップS202では、既に一度おかわり要求ランプ11を発光させたことによりF=1となっていることから判定が満たされ、ステップS205に移る。
【0097】
ステップS205では、CPU121は、既に発光しているおかわり要求ランプ11を消光させるための消光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該消光指示信号をおかわり要求ランプ11へ出力する。この消光指示信号の出力により、発光していたおかわり要求ランプ11が消光する。なお、このステップS203が、各請求項記載の領域消光指示手段として機能する。
【0098】
その後、ステップS206に移り、CPU121は、上記ステップS102やステップS108と同様、カード検出アンテナ130aを介して注文管理カードCのカードタグT2にアクセスする。そして、CPU121は、上記おかわりの要求に対応し、新たな注文IDを備えた1つの注文データを、カードタグT2の飲食物提供情報中に追加生成する。このとき、CPU121は、ステップS201で取得した容器タグT1の容器識別情報より、既に注文済みの注文データのうちのいずれのおかわりであるかを判定する。そして、CPU121は、上記追加生成する注文データの「注文者ID」「商品名」「単価」の各項目には、当該既に注文済みの、おかわり対象になる注文データの記載と同一内容を記載する。これにより、飲食客によるおかわり要求があったことをカードタグT2に確実に記録できるので、会計の際に、漏れなく正確な精算を行うことができる。なお、このステップS206で追加生成した注文データが、各請求項記載の飲食物再提供情報に相当し、ステップS206が再提供要求記録手段として機能する。ステップS206が終了したら、このフローを終了する。
【0099】
前述の図4に示す例では、注文ID「0012007」の注文データが、注文ID「0012002」の注文データのおかわりに相当している。言い換えれば、注文ID「0012007」の注文データのおかわり対象は、注文ID「0012002」の注文データである。すなわち、この例では、ID「0022」の飲食客は、まず最初に「麦焼酎水割り梅入り」を従業員Mに対し注文している。この注文に対応する注文データが、ID「001207」の注文データである。その後、ID「0022」の飲食客が、従業員Mにより配膳された当該麦焼酎を飲み、ほぼ空になった容器2をおかわり要求領域10に置くことでステップS203の制御によりおかわり要求ランプ11が発光し、その発光に気がついた従業員Mが当該容器2を持ち去っている。これにより、ステップS205での制御によりおかわり要求ランプ11が消光するとともに、ステップS201において容器タグT1から取得されたグラスIDに基づき、おかわり対象の注文データの注文ID「001202」が特定される。そして、新たに生成された注文ID「001207」の注文データの「注文者ID」「商品名」「単価」の各項目に、おかわり対象のID「001202」の注文データと同一内容の「0022」「麦焼酎水割り梅入り」「800」が記載されている。
【0100】
なお、以上のようにしておかわり要求がなされた飲食物が従業員Mによってテーブル4へ持参された場合にも、前述と同様、図9に示すフローによるCPU121の制御が実行される。
【0101】
すなわち、従業員Mがおかわり要求された飲食物の入った容器2を載置部3に置くことでステップS100の判定が満たされ、ステップS101で容器タグT1より飲食物情報が取得される。さらにステップS102で飲食物管理カードCのカードタグT2の記憶内容が取得される。このときのカードタグT2に記憶された飲食物情報は、上述のようにして、おかわり要求された飲食物に係わる注文データが自動的に追加生成されている(ステップS206参照)。
【0102】
その後、ステップS103では、CPU121は、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの注文内容に基づき、ステップS101で従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、上記おかわり注文によるものであるかどうかを判定する。このステップS103の手順が、各請求項記載の第3判定手段として機能する。
【0103】
従業員Mが、おかわり要求された飲食物の容器2を、当該おかわり要求を行った飲食客のコースター12に載せることで、ステップS103及びステップS105の判定が満たされて、ステップS108でカードタグT2の当該注文データの「配膳状況」欄に「済み」と書き込まれる。これにより、飲食客がおかわり要求をした飲食物が既に配膳されたか未配膳であるかを含めて、詳細にカードタグT2に記録することができる。このステップS108の手順が、各請求項記載の第3配膳済み情報記録手段として機能する。
【0104】
その後、ステップSステップS109及びステップS110において、当該おかわり要求に係わる飲食物の容器2がコースター12上にある間は前述の装飾発光が行われ、おかわり要求をした飲食者が容器2を手に取ると、ステップS111で装飾発光が停止する。
【0105】
以上説明したように、本実施形態によれば、容器2の容器タグT1、カードタグT2、及びコースタータグT3からの情報取得結果に基づき、従業員Mが正しく飲食物を配膳した場合に、対応するコースター12のコースタータグT3が装飾発光する。この結果、従業員M及び飲食客は、注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。特に、コースターIDに関する照合を行う場合には、注文した飲食物が注文した飲食客に対して、配置間違いがなく正しく配膳されたことを確認することができる。また、コースタータグT3に設けた発光部158を、非接触の無線通信によるCPU121からの発光指示信号によって発光させるので、コースター12に設けた発光体を接触スイッチ等により発光させる場合に比べて、耐水性・耐久性が向上する。
【0106】
また、本実施形態では特に、飲食客が容器2をおかわり要求領域10に置くだけでおかわり要求ランプ11が発光し、当該飲食客がおかわりを注文していることを、迅速にかつ明確に従業員Mに視覚的に報知することができる。
【0107】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0108】
(1)アンテナ識別情報を用いて配膳場所を特定する場合
上記実施形態においては、図9のフローのステップS105で、飲食物が、当該飲食物を注文した飲食客の位置に正しく配膳されたかどうかを判定する際に、コースターIDを用いて飲食客の位置を特定した。しかしながら、これに限られず、前述のテーブルアンテナ130それぞれのアンテナ識別情報を用いて、上記の判定を行ってもよい。
【0109】
この場合は、カードタグT2に記憶された図4に示す飲食物提供情報の「注文者ID」として、コースターIDに代え、各座席1の位置を示す座席IDを用いる。最初に携帯リーダを用いて各飲食客の注文を受け付ける際、従業員Mは、注文される各商品ごとに、当該注文をした飲食客が着座した座席1の位置を操作入力する。これにより、各注文データIDの「注文者ID」の欄に、当該座席1に対応した上記座席IDが記載される。
【0110】
そして、図9のフローのステップS100でテーブルアンテナ130が容器タグT1から情報を受信したとき、前述したように、当該テーブルアンテナ130よりアンテナ識別情報が併せて入力されている。これにより、CPU121は、ステップS100で検出された容器2が、従業員Mにより、テーブル4の載置部3のどの位置に配膳されたのかを知ることができる。したがって、CPU121は、その容器2が配膳された位置が、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの飲食物提供情報において、当該飲食物を注文した飲食客の着座した座席1の座席IDと適合するかどうかを判定すればよい。あるいは、上記各注文データIDの「注文者ID」の欄に、上記座席1の位置に対応した上記アンテナ識別情報を記載するようにしてもよい。
【0111】
上記の場合、上述した内容から明らかなように、上記座席IDは、各請求項記載の、アンテナ識別情報に対応する情報に相当している。また、図4の飲食物情報中、1つの注文IDの1つの注文データに含まれる注文者IDは、当該注文データに商品名が含まれる飲食物についての、各請求項記載の配膳先領域情報に相当している。また、本変形例でも、図9の上記ステップS103の手順と上記ステップS105の手順とが、各請求項記載の第1判定手段として機能している。
【0112】
本変形例においても、上記実施形態と同様、注文した飲食物が注文した飲食客に対して、配置間違いがなく正しく配膳されたことを確認することができる。
【0113】
(2)その他
以上においては、飲食物の容器2の例としてグラスを例にとり、飲食物付随物の例としてコースター12を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、飲食物容器としては、コップ、カップ、皿等に対し上記グラスと同様に容器タグT1を設け、情報読み取りによる検出及び管理を行うようにしてもよい。また、コースター12に代え、飲食物が提供される際に、容器2に付随して卓上に配置される、箸置き、スプーン立て等に対し、上記コースタータグT3と同様の無線タグを設け、情報読み取りによる検出及び管理するようにしてもよい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0114】
なお、以上において、図5、図8等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0115】
また、図9、図10等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0116】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0117】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0118】
2 容器
3 載置部
4 テーブル
5 リーダ本体
6 カード挿入部
10 おかわり要求領域(再注文領域)
11 おかわり要求ランプ(再注文領域発光部)
12 コースター(敷物部材、付随物)
100 携帯リーダ(携帯型無線タグ通信装置)
T1 容器タグ(容器用無線タグ)
T2 カードタグ(情報記録媒体)
T3 コースタータグ(敷物用無線タグ、付随物用無線タグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物提供者による飲食物被提供者への飲食物の提供を管理するための飲食物提供管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、飲食店等において飲食物が客に提供される際には、飲食物の容器に付随して、コースターや箸置き等の付随物が卓上に配置される。従来、この付随物を発光するようにした従来技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術のコースターは、発光ダイオードと、バッテリと、スイッチとを備えている。飲食物の入ったグラス等の飲食物容器がコースター上に置かれると、その重さにより、コースターの下部に設けられたスイッチが作動し、バッテリと発光ダイオードとを導通させる。この結果、バッテリからの電力が発光ダイオードに供給され、発光ダイオードが発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−4972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術におけるコースターの発光機能は、単に装飾用に用いられているに過ぎない。このため、客が注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたかどうかを視覚的に確認することはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、注文された飲食物が正しく配膳されたかどうかを視覚的に容易かつ明確に確認できる、飲食物提供管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、飲食物容器に設けられ、当該飲食物容器内の飲食物に係わる飲食物情報又は容器識別情報を記憶した容器用無線タグと、前記飲食物容器が載せられる載置部を備えた配置部材に設けられた、固定型無線タグ通信装置と、前記配置部材の前記載置部に対し前記飲食物容器に付随して配置される付随物に設けられ、タグ側発光部を備え、付随物識別情報を記憶した付随物用無線タグと、飲食物提供者による飲食物被提供者への前記飲食物の提供に係わる飲食物提供情報が記録された情報記録媒体と、前記飲食物提供者の手動操作に基づき、無線通信により前記飲食物提供情報を前記情報記録媒体に記録する携帯型無線タグ通信装置とを有し、前記固定型無線タグ通信装置は、前記配置部材の前記載置部に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記付随物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つのタグ用装置アンテナと、前記配置部材に設けられ、前記情報記録媒体と無線通信を行うための媒体用装置アンテナと、前記タグ用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記飲食物情報又は前記容器識別情報が取得されるとともに前記付随物用無線タグから前記付随物識別情報が取得された場合に、取得された前記飲食物情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物提供情報と適合するかどうか判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により、前記容器用無線タグから取得された前記飲食物情報又は前記容器識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物の前記提供情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記付随物識別情報が取得された前記付随物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力するタグ発光指示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本願第1発明の飲食物提供管理システムは、飲食物提供者が飲食物を飲食物被提供者に対し提供するサービスにおいて、用いられる。飲食物を入れる飲食物容器には容器用無線タグが設けられている。容器用無線タグには、飲食物容器の容器識別情報、又は、当該飲食物容器に入る飲食物の飲食物情報が予め記憶されている。サービス提供の際には、飲食物容器は、配置部材の載置部に載せられ、さらに載置部には飲食物容器に付随する付随物が配置される。付随物には付随物用無線タグが設けられている。付随物用無線タグには、付随物の付随物識別情報が予め記憶されている。
【0009】
飲食物の提供サービスを開始するにあたっては、飲食物提供者が、飲食物被提供者より注文をとるとともに、携帯型無線タグ通信装置を手動操作することで、当該注文内容に対応した飲食物提供情報を情報記録媒体に記録する。
【0010】
飲食物提供者は、飲食物被提供者から注文された飲食物を飲食物容器に入れて持参し、当該飲食物容器を付随物とともに配置部材の載置部に載せる。すると、載置部に設けられた固定側無線タグ通信装置が、タグ用装置アンテナを用いて、載せられた飲食物容器の容器用無線タグから無線通信により容器識別情報又は飲食物情報を取得する。このときまた固定側無線タグ通信装置は、タグ用装置アンテナを用いて、飲食物容器が載せられた付随物の付随物用無線タグから付随物識別情報を取得する。
【0011】
それら容器識別情報又は飲食物情報と付随物識別情報とを取得した固定側無線タグ通信装置は、媒体用装置アンテナを用いて情報記録媒体にアクセスする。そして固定側無線タグ通信装置の第1判定手段が、上記取得された容器識別情報又は飲食物情報及び付随物識別情報が、情報記録媒体に記録された飲食物情報と適合するかどうかを判定する。適合していた場合は第1判定手段の判定が満たされ、タグ用装置アンテナを用いて、タグ発光指示手段が、付随物用無線タグに対し発光指示信号を出力する。これにより、飲食物提供者が配膳した飲食物容器に付随する付随物に設けた付随物用無線タグの発光部が発光する。この結果、飲食物提供者及び飲食物被提供者は、飲食物被提供者が注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。また、付随物用無線タグに設けた発光部を、非接触の無線通信による発光指示信号によって発光させるので、付随物に設けた発光体を接触スイッチ等により発光させる場合に比べて、耐水性・耐久性が向上する。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記付随物は、前記配置部材の前記載置部と前記飲食物容器との間に介在して配置される敷物部材であり、前記付随物用無線タグは、前記付随物識別情報として敷物識別情報を記憶した敷物用無線タグであることを特徴とする。
【0013】
本願第2発明においては、飲食物提供者は、飲食物被提供者から注文された飲食物を飲食物容器に入れて持参し、当該飲食物容器を敷物部材を介し配置部材の載置部に載せる。敷物部材に設けた敷物用無線タグに記憶された敷物識別情報は、容器識別情報又は飲食物情報とともに、固定側無線タグ通信装置により取得される。その後、固定側無線タグ通信装置の第1判定手段が、取得された容器識別情報又は飲食物情報及び敷物部材識別情報が、情報記録媒体に記録された飲食物情報と適合するかどうかを判定する。適合していた場合は、タグ発光指示手段が、敷物用無線タグに対し発光指示信号を出力し、飲食物提供者が配膳した飲食物容器の下に敷かれた敷物部材の敷物用無線タグの発光部が発光する。この結果、飲食物提供者及び飲食物被提供者は、飲食物被提供者が注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。また敷物部材は飲食物容器の下に敷かれ、濡れる可能性が高いことから、前述した耐水性・耐久性の向上効果が特に大きい。
【0014】
第3発明は、上記第2発明において、前記配置部材の前記載置部は、前記飲食物被提供者による同一飲食物の再提供要求領域に設けられた、再提供用発光部を備え、前記タグ用装置アンテナは、前記載置部の前記再提供要求領域に設けられ、前記容器用無線タグと無線通信を行うための再提供用装置アンテナと、前記載置部の前記再提供要求領域以外の少なくとも1つの配膳領域に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記敷物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つの配膳用装置アンテナとを含み、前記固定型無線タグ通信装置は、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された場合に、前記再提供用発光部の発光指示信号を出力する領域発光指示手段と、前記領域発光指示手段による前記発光指示信号が出力された後、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったかどうかを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったと判定された場合に、前記再提供用発光部の消光指示信号を出力する領域消光指示手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
これにより、飲食物被提供者が、一度配膳された飲食物の再提供、いわゆるおかわりを注文する場合に便利である。すなわち、飲食物被提供者が飲食物容器を再提供要求領域に置くだけで、当該飲食物容器の容器用無線タグの容器識別情報が再提供用装置アンテナを介し取得され、領域発光指示手段からの発光指示信号によって再提供用発光部が発光する。この結果、飲食物被提供者がおかわりを注文していることを、迅速にかつ明確に、飲食物被提供者側に視覚的に報知することができる。
【0016】
第4発明は、上記第3発明において、前記固定型無線タグ通信装置は、前記領域消光指示手段により前記消光指示信号が出力された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された飲食物の、飲食物被提供者への再提供に係わる飲食物再提供情報を前記情報記録媒体に記録する、再提供要求記録手段を備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、飲食物被提供者によるおかわり注文があったことを情報記憶媒体に確実に記録できるので、会計の際に、漏れなく正確な精算を行うことができる。
【0018】
第5発明は、上記第4発明において、前記固定型無線タグ通信装置は、前記再提供要求記録手段により前記飲食物再提供情報が前記情報記録媒体に記録された後、前記配膳用装置アンテナにより、当該再提供に係わる飲食物の前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたかどうかを判定する第3判定手段と、前記第3判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたと判定された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記飲食物再提供情報に含まれる配膳済み情報を前記情報記録媒体に記録する、配膳済み情報記録手段を備えることを特徴とする。
【0019】
これにより、飲食物被提供者によるおかわり注文の内容について、既に配膳されたか未配膳であるかを含め、詳細に情報記憶媒体に記録することができる。
【0020】
第6発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、複数の前記配膳用装置アンテナが、複数の前記配膳領域それぞれに対応して配置されており、前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を配膳すべき前記配膳領域に対応した前記配膳用装置アンテナのアンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報とを対応付けた配膳先領域情報を含んでおり、前記第1判定手段は、前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合するかどうかを判定し、前記タグ発光指示手段は、前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力することを特徴とする。
【0021】
これにより、特定の飲食物被提供者の注文した飲食物が、当該特定の飲食物被提供者の席の配膳領域に正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。
【0022】
第7発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を載せるべき前記敷物部材に対応した前記敷物識別情報とを対応付けた配膳先敷物情報を含んでおり、前記第1判定手段は、前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先敷物情報と適合するかどうかを判定し、前記タグ発光指示手段は、前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領敷物情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力することを特徴とする。
【0023】
これにより、特定の飲食物被提供者の注文した飲食物が、当該特定の飲食物被提供者に対応した敷物部材の上に正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、注文された飲食物が正しく配膳されたかどうかを視覚的に容易かつ明確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態の飲食物提供管理システム全体の概念的構成を表す説明図である。
【図2】テーブルの載置部にコースター及び容器を載せた状態を表す斜視図である。
【図3】テーブルの載置部の平面図、及び、載置部内に設けられたアンテナを明確にした透視図である。
【図4】注文管理カードの内容の一例を示す説明図である。
【図5】無線タグ回路部の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図6】リーダ本体の機能的構成の詳細を表す機能ブロック図である。
【図7】従業員の持つ携帯リーダの全体構造を示す正面図である。
【図8】携帯リーダの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図9】リーダ本体のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。
【図10】リーダ本体のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1を用いて、本実施形態の飲食物提供管理システム全体の概念的構成を説明する。本実施形態は、本発明を、居酒屋、食堂、レストラン、喫茶店等の飲食物提供サービスを行う店舗に、本発明を適用した場合の実施形態である。
【0028】
この店舗内には、複数、図示の例では3つの配置部材としてのテーブル4が設けられている。各テーブル4には、複数、図示の例では4つの座席1が備えられている。この店舗では、飲食物提供者である従業員Mが、座席1に案内され着席した、飲食物被提供者である飲食客(図示せず)に対し飲食物の提供を行う。
【0029】
本実施形態では、飲食物の容器及びコースターに無線タグ(詳細は後述)が設けられている。上記飲食物の提供時に、テーブル4の上面である載置部3に対しコースターを介し飲食物容器が置かれると、無線タグに対し無線通信が行われる(詳細は後述)。テーブル4の下部には、上記無線通信を行うためのリーダ本体5が設けられている。リーダ本体5は、パソコン等のサーバSに対し、有線又は無線の通信回線NWを介して接続されている。サーバSには、飲食物や飲食客に関する各種情報を格納するためのデータベースDBが設けられている。
【0030】
従業員Mは、飲食客の注文した飲食物提供情報(詳細は後述)を注文管理カード(後述)に書き込むための携帯型無線タグ通信装置、すなわち携帯リーダ100を所持している。テーブル4にはまた、飲食物提供情報が書き込まれた注文管理カードを差し込むためのカード挿入部6が設けられている。
【0031】
テーブル4の詳細構造を図2に示し、テーブル4の上記載置部3の詳細構造を図3(a)及び図3(b)に示す。
【0032】
載置部3の下部には、載置部3の大部分にわたって、複数のテーブルアンテナ130がほぼ等間隔で設けられている。このテーブルアンテナ130は、配膳用装置アンテナを構成するとともに、タグ用装置アンテナも構成する。これらテーブルアンテナ130はリーダ本体5に接続されている。前述したように、飲食物の容器2には、容器用無線タグ(以下適宜、単に「容器タグ」という)T1が設けられている。
【0033】
容器タグT1は、容器2の中に何の飲食物が入れられているかを表す飲食物情報と、容器識別情報と、自らのタグ識別情報であるタグIDとを記憶している。飲食物情報については、従業員Mが厨房で容器2に飲食物を入れる際に、別途設けたリーダライタにより、当該飲食物に対応する飲食物情報を容器タグT1に書き込めばよい。あるいは、飲食物情報を容器タグT1に書き込み済みの容器2を、予め飲食物の種類ごとに用意しておき、飲食客から注文があるごとに、従業員Mが容器2に当該飲食物を入れて飲食客のテーブル4へ持参するようにしてもよい。また、飲食物情報を省略し、容器識別情報のみを容器タグT1に記憶させるようにしてもよい。この場合は、例えばサーバSのデータベースDBにおいて、各容器2の容器識別情報と、当該容器2に入れた飲食物の飲食物情報とを、関連付けて記憶しておけばよい。容器識別情報としては、予め容器そのものに付与された識別情報でもよいし、容器タグT1に付与された上記タグIDをそのまま用いてもよい。なお、後述のおかわり要求ランプ11に対する発光指示機能が必要ない場合には、容器タグT1は、必ずしも容器識別情報を記憶する必要はなく、例えば上記飲食物情報のみを記憶すれば足りる。
【0034】
コースター12には、コースター用無線タグ(以下適宜、単に「コースタータグ」という)T3が設けられている。なお、コースター12が各請求項記載の敷物部材及び付随物を構成し、コースタータグT3が敷物用無線タグ及び付随物用無線タグを構成する。コースタータグT3は、付随物識別情報及び敷物識別情報としてのコースター識別情報と、自らのタグ識別情報であるタグIDとを記憶している。コースター識別情報としては、予めコースターそのものに付与された識別情報でもよいし、コースタータグT3に付与された上記タグIDをそのまま用いてもよい。また、コースター12は原則各飲食客1人に1個ずつ使用されるため、上記コースター識別情報を、飲食客識別情報として用いてもよい(後述の図4参照)。
【0035】
リーダ本体5は適宜のタイミングでテーブルアンテナ130を介し無線通信により問いかけ信号を送信する。問いかけ信号はすべてのテーブルアンテナ130から同時に送信してもよいし、公知の手法により各テーブルアンテナ130ごとに、あるいは複数のテーブルアンテナ130ごとに、切り替えて順次送信してもよい。従業員Mがコースター12を介して飲食物の容器2を後述のおかわり要求領域10を除く載置部3に載置すると、容器2に設けられた容器タグT1とコースター12に設けられたコースタータグT3とが上記問いかけ信号を受信し、対応する応答信号を送信する。本実施形態では、容器2やコースター12が載置部3のどの領域に配置されたかを検出するために、テーブルアンテナ130の通信範囲は比較的小さく設定されている。この各テーブルアンテナ130ごとに対応した載置部3の小領域が各請求項記載の配膳領域に相当している。このような通信範囲の設定により、容器タグT1及びコースタータグT3からの応答信号は、すべてのテーブルアンテナ130のうち、最も近いテーブルアンテナ130により受信される。応答信号を受信したテーブルアンテナ130は、当該応答信号より取得した情報(詳細は後述)と、自らが載置部3のどこに配置されたテーブルアンテナであるかを表すアンテナ識別情報とを、リーダ本体5へ出力する。これにより、リーダ本体5では、載置部3のうち上記応答信号を出力したテーブルアンテナ130に対応する領域に、容器2及びコースター12が載せられたことを検出するのである。
【0036】
なお、容器タグT1及びコースタータグT3からの上記応答信号が、近接する複数のテーブルアンテナ130により受信された場合には、リーダ本体5は、公知の手法により、それら複数のテーブルアンテナ130のうち容器タグT1及びコースタータグT3に最も近いテーブルアンテナ130を識別すればよい(詳細な説明は省略)。また、容器2やコースター12が、載置部3のどこの領域すなわちどの配膳領域に載せられたか、を検出する必要がなく、単に載置部3に載せられたことを検出すれば足りる場合には、テーブルアンテナ130は1つのみ設ければよい。
【0037】
また、載置部3の一方側の端部には、飲食客が同一飲食物の再注文(以下適宜、「おかわり」と称する)を行うときに用いる、再注文要求領域としてのおかわり要求領域10が設けられている。おかわり要求領域10は、載置部3の他の領域区別可能なように、例えば別の色により形成されている。おかわり要求領域10の近傍には、再提供用発光部としてのおかわり要求ランプ11が設けられている。なお、おかわり要求ランプ11として、ランプではなくその他の適宜の発光手段を設けてもよい。おかわり要求領域10の下部には、おかわり検出アンテナ130bが設けられている。なお、おかわり検出アンテナ130bは、再提供用装置アンテナを構成するとともに、タグ用装置アンテナをも構成する。おかわり要求ランプ11及びおかわり検出アンテナ130bは、リーダ本体5に接続されている。
【0038】
リーダ本体5は、上記同様、適宜のタイミングでおかわり検出アンテナ130bを介し無線通信により問いかけ信号を送信する。飲食客が同一飲食物のおかわりを意図して容器2をおかわり要求領域10に載置すると、当該容器2に設けられた容器タグT1が上記問いかけ信号を受信し、対応する応答信号を送信する。容器タグT1からの応答信号を受信したおかわり検出アンテナ130bは、当該応答信号より取得した情報(詳細は後述)を、リーダ本体5へ出力する。この情報の入力に応じて、リーダ本体5は、おかわり要求ランプ11に発光指示信号を出力する。これにより、おかわり要求ランプ11が発光するのである(図2参照)。
【0039】
さらに、載置部3の別の端部には、上記カード挿入部6が設けられている。カード挿入部6の内部には、カード検出アンテナ130aが設けられている。従業員Mは、飲食客からの注文を受け付けると、上記携帯リーダ100を用いて、当該注文内容を注文管理カードC(後述)に記録する。注文管理カードCへの注文内容の記録が終了したら、従業員Mは、当該注文管理カードCをカード挿入部6に差し込む。
【0040】
注文管理カードCを図4を用いて説明する。注文管理カードCには、カードタグT2が設けられる。このカードタグT2には、図示するような各種の飲食物提供情報と、自らのタグ識別情報であるタグIDとが記憶される。すなわち、この例では、飲食物提供情報は、「グループナンバー」「お客さまID」「注文ID」「注文者ID」「商品名」「配膳状況」「単価」の各項目を含んでいる。
【0041】
「グループナンバー」項目には、飲食客の各グループごとに付与される、グループ識別情報が記載される。図示の例では、このグループのグループナンバーは「0012」となっている。なお、グループ識別情報として、カードタグT2に付与された上記タグIDをそのまま用いてもよい。
【0042】
「お客さまID」項目には、上記グループを構成する各飲食客ごとに付与される、飲食客識別情報が記載される。図示の例では、このグループは、ID「0021」「0022」「0023」「0024」でそれぞれ表される4人の飲食客により構成されている。
【0043】
「注文ID」項目には、上記4人が注文した飲食物ごとに付与される、注文識別情報が、注文順に時系列的に記載される。なお、この例では、同一商品が複数個、複数回注文される場合であっても別々の注文識別情報が付与される。図示の例では、このグループは、ID「0012001」〜「0012007」までの、のべ7品の飲食物を既に注文している。また、この例では、上記注文IDを、容器識別情報であるグラスIDと共通化して用いている。
【0044】
「注文者ID」項目には、上記4人のうち誰が注文したかを表す注文者識別情報が、注文された飲食物ごとに記載される。「商品名」項目には、上記飲食物情報としての各飲食物の商品名称が記載される。この例では、ID「0021」の飲食客が「ウイスキーの水割り」「××ビールの中ジョッキ」を注文しており、ID「0022」の飲食客が「麦焼酎水割り梅入り」を2回注文している。すなわち、この飲食客は、2回目の注文では、同一飲食物の再注文である、おかわりを行っている。また、ID「0023」の飲食客は「日本酒」「麦焼酎ロック」を注文しており、ID「0024」の飲食客は「麦焼酎ロック」を注文している。なお、この例では、既に述べたように、飲食客識別情報である上記注文者IDを、コースター識別情報であるコースターIDと共通化して用いている。
【0045】
「配膳状況」項目は、注文された飲食物が、従業員Mにより既にテーブル4に配膳されたかどうかを表す。配膳済みの場合には「済み」と記載される。この例では、各飲食客の最初の注文、すなわち、ID「0021」の飲食客の「ウイスキーの水割り」、ID「0022」の飲食客の「麦焼酎水割り梅入り」、ID「0023」の飲食客の「日本酒」、ID「0024」の飲食客の「麦焼酎ロック」が既に配膳済みとなっている。また、それ以降の注文、すなわちID「0021」の飲食客の「××ビールの中ジョッキ」、ID「0023」の飲食客の「麦焼酎ロック」、ID「0022」の飲食客の「麦焼酎水割り梅入り」のおかわりが、注文受付済みであるが、まだ従業員Mにより配膳されていない状態となっている。
【0046】
「単価」項目は、当該店舗の利用が終了したときの会計に用いるために、各飲食物の単価が記載される。
【0047】
図2、図3(a)、及び図3(b)に戻り、カード挿入部6の内部に設けられた上記カード検出アンテナ130aは、情報記録媒体としての注文管理カードCが差し込まれた状態で、カードタグT2と無線通信により情報送受信を行う。このカード検出アンテナ130aは、各請求項記載の媒体用装置アンテナを構成し、リーダ本体5に接続されている。
【0048】
なお、テーブルアンテナ130と、おかわり検出アンテナ130bと、カード検出アンテナ130aと、リーダ本体5とが、各請求項記載の固定型無線タグ通信装置を構成している。
【0049】
上記容器タグT1、カードタグT2、コースタータグT3の機能的構成について、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。
【0050】
コースタータグT3の機能的構成を図5(a)により説明する。コースタータグT3は、情報を記憶するIC回路部1510及びタグアンテナ151を備えた無線タグ回路部Toと、上記IC回路部150で制御されるタグ側発光部としての発光部158とを備えている。
【0051】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波、すなわち後述の各種コマンドを含む信号を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路部Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0052】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波、すなわちタグIDを含む信号として送信する。
【0053】
発光部158は、例えば発光ダイオード(LED)や有機ELからなり、制御部157の制御により発光・消光するように構成されている。また発光部158は、この例では、複数種類の発光態様が実現可能に構成されている。例えば、発光部158は、互いに異なる複数種類の色を切り替えて発光可能であったり、継続的な点灯状態と点滅状態との両方を切り替えて実行可能となっている。なお、発光部158が発光する際の電力も上記IC回路部150から得ている。
【0054】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。また制御部157は、発光部158の発光制御手段としても機能する。すなわち、無線タグ回路部Toがテーブルアンテナ130から後述の発光指示信号を受信したときに、発光部158を発光させるように、発光部158を制御する。発光指示信号には、上記したような発光態様の指定が含まれており、制御部157が当該発光態様の指示に従って制御することで、発光部158はその態様による発光を行う。
【0055】
なお、容器タグT1、カードタグT2の構成は、図5(b)に示すように、上記コースタータグT3の構成より発光部158を省略した構成となっている。
【0056】
次に、リーダ本体5の機能的構成を、図6を用いて説明する。図6において、制御部120は、中央演算装置であるCPU121と、ネットワーク通信制御部122と、例えばRAMやROMからなるメモリ123と、通信制御部124,124a,124bと、発光制御部125とを備えている。
【0057】
ネットワーク通信制御部122は、サーバSとの上記通信回線NWを介した信号授受の制御を行う。発光制御部125はおかわり要求ランプ11の発光・消光に係わる制御を行う。
【0058】
通信制御部124は、上記複数のテーブルアンテナ130を介した、コースタータグT3及び容器タグT1との通信制御を行う。通信制御部124aは、上記カード検出アンテナ130aを介した、カードタグT2との通信制御を行う。通信制御部124bは、おかわり検出アンテナ130bを介した、容器タグT1との通信制御を行う。
【0059】
図7及び図8を用いて、従業員Mの持つ携帯リーダ100の詳細構成を説明する。携帯リーダ100は、アンテナ部110と、本体部120とを有している。
【0060】
アンテナ部110は、タグ通信用アンテナ111と、ネットワーク通信用アンテナ112とを備えている。タグ通信用アンテナ111は、上記注文管理カードCに設けられたカードタグT2との無線通信を行う。なお、アンテナ間の干渉が問題になる場合等においては、上記タグ通信用アンテナ111とネットワーク通信用アンテナ112がともにアンテナ部110に設けられるものに限定するものではなく、最適な部分に設けられればよい。
【0061】
本体部120は、各種情報の表示を行う表示部121と、各種操作入力を行う操作部122と、上記無線タグ通信の通信結果に応じて適宜の報知を行うスピーカ123と、高周波回路131と、記憶部132と、無線通信回路134と、制御回路133とを有する。
【0062】
高周波回路131は、タグ通信用アンテナ111を介し上記無線タグ回路部ToのIC回路部150へアクセスするとともに、IC回路部150から読み出された信号を処理する。無線通信回路134は、上記ネットワーク通信用アンテナ112、通信回線NWを介し、サーバSへ信号の送信を行うとともに、サーバSから受信した信号を処理する。制御回路133は、上記高周波回路131及び無線通信回路134を含む携帯リーダ100全体の制御を行う。
【0063】
以上において、本実施形態の最も大きな特徴は、従業員Mが飲食物の容器2をテーブル4へ持参したとき、当該飲食物を注文した飲食客のコースター12に正しく置いたかどうかを照合し、正しかった場合には当該コースター12のコースタータグT3を発光させることである(図2参照)。
【0064】
以下、そのような動作を実行するために、リーダ本体5のCPU121が実行する制御手順を、図9を用いて説明する。
【0065】
リーダ本体5の電源がONされるか、あるいは、従業員Mによる適宜の操作により、図9のフローが開始される。
【0066】
まず、ステップS100において、CPU121は、新たな容器2、上記の例では新たなグラス、が検出されたかどうかを判定する。具体的には、前述のようにしてすべてのテーブルアンテナ130から送信した問いかけ信号に対し、いずれかのテーブルアンテナ130を介して新たな容器タグT1からの応答信号と、コースタータグT2からの応答信号とが受信されたかどうかを判定する。例えば、CPU121は、テーブルアンテナ130を介し容器タグT1から応答信号を取得したとき、当該応答信号に含まれるタグIDを、取得済みのタグIDとしてメモリ123等に記憶しておく。そして、その後さらにテーブルアンテナ130を介し容器タグT1から応答信号を取得したとき、その応答信号に含まれるタグIDがメモリ123等に既に記憶されているタグIDと一致するかどうか照合する。これにより、照合が一致すればCPU121は新たな容器2の検出ではないと判定し、照合が不一致であればCPU121は新たな容器が検出されたと判定する。
【0067】
飲食客が注文した飲食物の入った容器2を従業員Mが厨房より持参し、コースター12を介して載置部3に置くと、容器タグT1及びコースタータグT3からの応答信号がテーブルアンテナ130を介しCPU121により取得される。この結果、ステップS100の判定が満たされ、ステップS101へ移る。
【0068】
ステップS101では、CPU121は、上記ステップS100で受信された容器タグT1からの応答信号に含まれる飲食物情報、すなわち容器2の中に何が入っているかの情報を抽出し、取得する。その後、ステップS102に移る。
【0069】
ステップS102では、CPU121は、注文管理カードCの注文内容を取得する。すなわち、既に述べたように、注文に際しては、従業員Mが携帯リーダ100を持ってテーブル4へ赴いて各飲食客の注文内容を注文管理カードCのカードタグT2に記憶させた後、注文管理カードCをカード挿入部6に挿入している。このステップS101では、CPU121は、上記のようにカード挿入部6に挿入された状態の注文管理カードCのカードタグT2に対し、カード検出アンテナ130aにより情報読み取りを行い、カードタグT2に記憶された注文内容を表す飲食物提供情報(図4参照)を取得する。その後、ステップS103に移る。
【0070】
ステップS103では、CPU121は、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの注文内容に基づき、ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、当該テーブル4のいずれかの飲食客によって注文されたものであるかどうかを判定する。当該テーブル4のいずれの飲食客によっても注文されていなければ、ステップS103の判定が満たされず、ステップS104に移る。なお、前述したように飲食物情報の代わりに容器識別情報が容器タグT1に記憶されていた場合には、上記ステップS101において、容器タグT1から取得した容器識別情報をキーにして例えばデータベースDBにアクセスし、当該容器識別情報に対応する飲食物情報を取得しておき、ステップS103でその取得した飲食物情報についての照合を行えばよい。
【0071】
ステップS104では、CPU121は、注文されていない飲食物、すなわち誤配膳である旨を表す発光態様例えば点滅発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。その際、ステップS100において取得したコースタータグT3のタグIDを指定して、CPU121が上記発光指示信号の送信を行ってもよい。あるいは、テーブルアンテナ130の通信範囲が十分に狭く、発光目的とするコースタータグT3以外の他のコースタータグT3との混信の可能性が低ければ、CPU121は、特にタグIDを指定せずに発光指示信号の送信を行ってもよい。このような発光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3が、誤配膳である旨を表す点滅発光等を実行する。その後、ステップS100に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0072】
図4の例において、例えば従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得された飲食物情報がジュースであった場合には、ID「0021」〜「0024」の4人の飲食客のいずれも注文していないことから、誤配膳となる。したがって、この場合には当該コースター12が点滅発光を行う。なお、この場合に、CPU121が、上記おかわり要求ランプ11を発光させるようにしてもよい。
【0073】
一方、上記ステップS103において、上記ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、当該テーブル4のいずれかの飲食客によって注文されていれば、判定が満たされ、ステップS105に移る
【0074】
ステップS105では、CPU121は、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの注文内容に基づき、ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、当該テーブル4に着席している飲食客のうち、当該飲食物を注文した飲食客の位置に正しく配膳されたかどうかを判定する。
【0075】
具体的には、前述したように、本実施形態では、飲食客とコースター12とを一対一に対応付け、コースターIDを飲食客識別情報として用いている。したがって、このステップS105では、CPU121は、注文管理カードCのカードタグT2に記憶された飲食物提供情報において、ステップS101で容器タグT1から取得した飲食物情報である商品名と、ステップS101でコースタータグT3から取得されたコースターIDすなわち注文者IDとが、共通の注文ID(図4参照)による1つの注文データに含まれているかどうかを判定する。
【0076】
なお、前述したように飲食物情報の代わりに容器識別情報が容器タグT1に記憶されていた場合には、ステップS105では、前述と同様、容器識別情報をキーにして取得された飲食物情報である商品名と、上記コースターIDすなわち注文者IDとが、共通の注文IDの1つの注文データに含まれているかどうかを判定すればよい。
【0077】
なお、上述した内容から明らかなように、図4の飲食物情報中、1つの注文IDの1つの注文データに含まれるコースターIDは、当該注文データに商品名が含まれる飲食物についての、各請求項記載の配膳先敷物情報に相当している。また、上記ステップS103の手順とこのステップS105の手順とが、各請求項記載の第1判定手段として機能する。
【0078】
ステップS105において正しい位置に配膳が行われていなかった場合には判定が満たされず、ステップS106に移る。
【0079】
ステップS106では、CPU121は、注文した飲食客ではない飲食客へ配膳した、すなわち配膳場所を誤った誤配置である旨を表す発光態様例えば赤色発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。その際、ステップS100において取得したコースタータグT3のタグIDを指定して、CPU121が上記発光指示信号の送信を行ってもよい。あるいは、上述と同様、特にタグIDを指定しなくてもよい。このような発光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3が、誤配置である旨を表す赤色発光等を実行する。以上のステップS106が終了したら、ステップS105に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0080】
一方、ステップS105において正しい位置に配膳が行われていた場合にはステップS105の判定が満たさず、ステップS108に移る。ステップS108では、CPU121は、上記ステップS102と同様、カード検出アンテナ130aを介して注文管理カードCのカードタグT2にアクセスし、飲食物提供情報における、当該飲食物の「配膳状況」の欄に、正しく配膳されたことを表すフラグ「済み」を書き込む。
【0081】
その後、ステップS109で、CPU121は、装飾用の態様の発光、例えば青色発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。このステップS109の手順が、各請求項記載のタグ発光指示手段として機能する。その際、ステップS100において取得したコースタータグT3のタグIDを指定して、CPU121が上記発光指示信号の送信を行ってもよい。あるいは、上述と同様、特にタグIDを指定しなくてもよい。このような発光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3が、装飾用の青色発光を実行する。
【0082】
図4の例において、例えば従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得された飲食物情報が日本酒であり、その容器2を配膳したコースター12のコースターIDが「0022」であった場合には、本来日本酒を注文したID「0023」の飲食客ではないID「0022」の飲食客のコースター12に、日本酒が誤配膳されたことになる。したがって、この場合には当該コースター12が赤色に光る。なお、この場合に、CPU121は、正しく配膳される場所であるID「0023」のコースター12のコースタータグT3を発光して従業員Mによる容器2の再配置を促すようにしてもよい。この場合、CPU121は、上記ステップS106においてさらに、所定の誘導発光の態様、例えば高速点滅発光を、コースタータグT3に行わせるための発光指示信号を生成して、当該正しく配膳されるべきID「0023」のコースター12のコースタータグT3のタグIDを指定して、テーブルアンテナ130を介して送信すればよい。これにより、同じテーブル4の載置部3の別の位置にあるID「0023」のコースター12のコースタータグT3が、上記誘導用の高速点滅発光を実行する。
【0083】
一方、例えば従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得された飲食物情報が日本酒であり、その容器2を配膳したコースター12のコースターIDが「0023」であった場合には、当該コースター12を使用するID「0023」の飲食客に日本酒が正しく配膳されたことになる。したがって、この場合には当該コースター12が青色の装飾発光を行う。
【0084】
以上のステップS109が終了したら、ステップS110に移る。ステップS110では、CPU121は、上記のようにしてコースタータグT3が装飾発光を行っているコースター12の上に、容器2が載置されている状態であるかどうかを判定する。具体的には、CPU121は、上記ステップS100での検出と同様の、テーブルアンテナ130によるコースタータグT3及び容器タグT1からの応答信号の取得が引き続き継続しているかどうかを判定する。容器2の載置状態が続いている間はステップS110の判定が満たされてステップS109に戻り、装飾発光が継続される。
【0085】
一方、当該飲食物を注文した飲食客、すなわち当該飲食物の入った容器2を載せたコースター12に対応付けられた飲食客が、当該飲食物の飲食を意図して容器2を手に取ると、容器タグT1がテーブルアンテナ130から離間する。この結果、テーブルアンテナ130で容器タグT1からの応答信号が取得されなくなるのでステップS110の判定が満たされず、ステップS111に移る。
【0086】
ステップS111では、CPU121は、ステップS109で開始した装飾用の発光の停止をコースタータグT3に命じるための消光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該消光指示信号を、上記ステップS100で検出を行ったテーブルアンテナ130を介し、前述のコースタータグT3に対して送信する。その際、前述のようにコースタータグT3のタグIDを指定してもよいが、特にタグIDを指定しなくても可能である。このような消光指示信号の送信により、従業員Mが容器2を置いたコースター12のコースタータグT3において行われていた、装飾用の青色発光が停止される。以上により、このフローを終了する。
【0087】
一方、本実施形態では、別の特徴として、飲食客によりおかわり要求領域10に容器2が置かれたことを検出し、おかわり要求ランプ11を点灯させて、飲食客によるおかわり希望があることをいち早く従業員Mに知らせる(図2参照)。
【0088】
以下、上記の動作を実行するために、リーダ本体5のCPU121が実行する制御手順を、図10を用いて説明する。なお、この図10のフローに示す制御手順は、CPU121が、図9のフローに示す制御手順と並行して実行する。このような同時並行処理は、例えば、コンピュータのOS等でしばしば行われる、「マルチタスク処理」と同様の公知の方式により、1つのCPU121に行わせることができる。
【0089】
図9のフローと同様、リーダ本体5の電源がONされるか、あるいは、従業員Mによる適宜の操作により、図10のフローが開始される。
【0090】
まず、ステップS200において、ランプ発光フラグFをF=0に初期化する。
【0091】
その後、ステップS201に移り、おかわり要求領域11において容器2が検出されたかどうかを判定する。具体的には、前述のようにしておかわり検出アンテナ130bから送信した問いかけ信号に対し、当該おかわり検出アンテナ130bを介して容器タグT1からの応答信号が受信されたかどうかを判定する。容器2がおかわり要求領域10に置かれるまでは判定が満たされずステップS202に移り、最初はF=0であるからステップS202の判定も満たされず、ステップS201→ステップS202→ステップS201→・・の順で繰り返しつつ待機する。
【0092】
上記待機状態において、いずれかの飲食客が容器2をおかわり要求領域10に置くと、容器タグT1からの応答信号に含まれる上記容器識別情報が、おかわり検出アンテナ130bを介しCPU121により取得される。この結果、ステップS201の判定が満たされ、ステップS203へ移る。
【0093】
ステップS203では、CPU121は、おかわり要求ランプ11を発光させるための発光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該発光指示信号をおかわり要求ランプ11へ出力する。この発光指示信号の出力により、飲食客が容器2を置いたおかわり要求領域10の傍らのおかわり要求ランプ11が発光する。なお、このステップS203が、各請求項記載の領域発光指示手段として機能する。
【0094】
その後、ステップS204で上記フラグFを、発光済みを表すF=1にして、ステップS201に戻る。容器2がそのままおかわり要求領域10に置かれている状態では、上記容器識別情報が引き続き取得されステップS201の判定が満たされるので、CPU121は、ステップS201→ステップS203→ステップS204→ステップS201→・・の順で同様の手順を繰り返す。
【0095】
上記繰り返し状態において、おかわり要求ランプ11の発光に気がついた従業員Mがおかわり要求領域10に置いてあった当該容器2を持ち去ると、ステップS201の判定が満たされなくなり、ステップS202に移る。なお、このステップS201が、各請求項記載の第2判定手段として機能する。
【0096】
ステップS202では、既に一度おかわり要求ランプ11を発光させたことによりF=1となっていることから判定が満たされ、ステップS205に移る。
【0097】
ステップS205では、CPU121は、既に発光しているおかわり要求ランプ11を消光させるための消光指示信号を生成する。そしてCPU121は、生成した当該消光指示信号をおかわり要求ランプ11へ出力する。この消光指示信号の出力により、発光していたおかわり要求ランプ11が消光する。なお、このステップS203が、各請求項記載の領域消光指示手段として機能する。
【0098】
その後、ステップS206に移り、CPU121は、上記ステップS102やステップS108と同様、カード検出アンテナ130aを介して注文管理カードCのカードタグT2にアクセスする。そして、CPU121は、上記おかわりの要求に対応し、新たな注文IDを備えた1つの注文データを、カードタグT2の飲食物提供情報中に追加生成する。このとき、CPU121は、ステップS201で取得した容器タグT1の容器識別情報より、既に注文済みの注文データのうちのいずれのおかわりであるかを判定する。そして、CPU121は、上記追加生成する注文データの「注文者ID」「商品名」「単価」の各項目には、当該既に注文済みの、おかわり対象になる注文データの記載と同一内容を記載する。これにより、飲食客によるおかわり要求があったことをカードタグT2に確実に記録できるので、会計の際に、漏れなく正確な精算を行うことができる。なお、このステップS206で追加生成した注文データが、各請求項記載の飲食物再提供情報に相当し、ステップS206が再提供要求記録手段として機能する。ステップS206が終了したら、このフローを終了する。
【0099】
前述の図4に示す例では、注文ID「0012007」の注文データが、注文ID「0012002」の注文データのおかわりに相当している。言い換えれば、注文ID「0012007」の注文データのおかわり対象は、注文ID「0012002」の注文データである。すなわち、この例では、ID「0022」の飲食客は、まず最初に「麦焼酎水割り梅入り」を従業員Mに対し注文している。この注文に対応する注文データが、ID「001207」の注文データである。その後、ID「0022」の飲食客が、従業員Mにより配膳された当該麦焼酎を飲み、ほぼ空になった容器2をおかわり要求領域10に置くことでステップS203の制御によりおかわり要求ランプ11が発光し、その発光に気がついた従業員Mが当該容器2を持ち去っている。これにより、ステップS205での制御によりおかわり要求ランプ11が消光するとともに、ステップS201において容器タグT1から取得されたグラスIDに基づき、おかわり対象の注文データの注文ID「001202」が特定される。そして、新たに生成された注文ID「001207」の注文データの「注文者ID」「商品名」「単価」の各項目に、おかわり対象のID「001202」の注文データと同一内容の「0022」「麦焼酎水割り梅入り」「800」が記載されている。
【0100】
なお、以上のようにしておかわり要求がなされた飲食物が従業員Mによってテーブル4へ持参された場合にも、前述と同様、図9に示すフローによるCPU121の制御が実行される。
【0101】
すなわち、従業員Mがおかわり要求された飲食物の入った容器2を載置部3に置くことでステップS100の判定が満たされ、ステップS101で容器タグT1より飲食物情報が取得される。さらにステップS102で飲食物管理カードCのカードタグT2の記憶内容が取得される。このときのカードタグT2に記憶された飲食物情報は、上述のようにして、おかわり要求された飲食物に係わる注文データが自動的に追加生成されている(ステップS206参照)。
【0102】
その後、ステップS103では、CPU121は、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの注文内容に基づき、ステップS101で従業員Mが持参した容器2の容器タグT1から取得した飲食物情報に係わる飲食物が、上記おかわり注文によるものであるかどうかを判定する。このステップS103の手順が、各請求項記載の第3判定手段として機能する。
【0103】
従業員Mが、おかわり要求された飲食物の容器2を、当該おかわり要求を行った飲食客のコースター12に載せることで、ステップS103及びステップS105の判定が満たされて、ステップS108でカードタグT2の当該注文データの「配膳状況」欄に「済み」と書き込まれる。これにより、飲食客がおかわり要求をした飲食物が既に配膳されたか未配膳であるかを含めて、詳細にカードタグT2に記録することができる。このステップS108の手順が、各請求項記載の第3配膳済み情報記録手段として機能する。
【0104】
その後、ステップSステップS109及びステップS110において、当該おかわり要求に係わる飲食物の容器2がコースター12上にある間は前述の装飾発光が行われ、おかわり要求をした飲食者が容器2を手に取ると、ステップS111で装飾発光が停止する。
【0105】
以上説明したように、本実施形態によれば、容器2の容器タグT1、カードタグT2、及びコースタータグT3からの情報取得結果に基づき、従業員Mが正しく飲食物を配膳した場合に、対応するコースター12のコースタータグT3が装飾発光する。この結果、従業員M及び飲食客は、注文した飲食物が間違いなく正しく配膳されたことを、視覚的に明確に確認することができる。特に、コースターIDに関する照合を行う場合には、注文した飲食物が注文した飲食客に対して、配置間違いがなく正しく配膳されたことを確認することができる。また、コースタータグT3に設けた発光部158を、非接触の無線通信によるCPU121からの発光指示信号によって発光させるので、コースター12に設けた発光体を接触スイッチ等により発光させる場合に比べて、耐水性・耐久性が向上する。
【0106】
また、本実施形態では特に、飲食客が容器2をおかわり要求領域10に置くだけでおかわり要求ランプ11が発光し、当該飲食客がおかわりを注文していることを、迅速にかつ明確に従業員Mに視覚的に報知することができる。
【0107】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0108】
(1)アンテナ識別情報を用いて配膳場所を特定する場合
上記実施形態においては、図9のフローのステップS105で、飲食物が、当該飲食物を注文した飲食客の位置に正しく配膳されたかどうかを判定する際に、コースターIDを用いて飲食客の位置を特定した。しかしながら、これに限られず、前述のテーブルアンテナ130それぞれのアンテナ識別情報を用いて、上記の判定を行ってもよい。
【0109】
この場合は、カードタグT2に記憶された図4に示す飲食物提供情報の「注文者ID」として、コースターIDに代え、各座席1の位置を示す座席IDを用いる。最初に携帯リーダを用いて各飲食客の注文を受け付ける際、従業員Mは、注文される各商品ごとに、当該注文をした飲食客が着座した座席1の位置を操作入力する。これにより、各注文データIDの「注文者ID」の欄に、当該座席1に対応した上記座席IDが記載される。
【0110】
そして、図9のフローのステップS100でテーブルアンテナ130が容器タグT1から情報を受信したとき、前述したように、当該テーブルアンテナ130よりアンテナ識別情報が併せて入力されている。これにより、CPU121は、ステップS100で検出された容器2が、従業員Mにより、テーブル4の載置部3のどの位置に配膳されたのかを知ることができる。したがって、CPU121は、その容器2が配膳された位置が、上記ステップS102で取得した注文管理カードCの飲食物提供情報において、当該飲食物を注文した飲食客の着座した座席1の座席IDと適合するかどうかを判定すればよい。あるいは、上記各注文データIDの「注文者ID」の欄に、上記座席1の位置に対応した上記アンテナ識別情報を記載するようにしてもよい。
【0111】
上記の場合、上述した内容から明らかなように、上記座席IDは、各請求項記載の、アンテナ識別情報に対応する情報に相当している。また、図4の飲食物情報中、1つの注文IDの1つの注文データに含まれる注文者IDは、当該注文データに商品名が含まれる飲食物についての、各請求項記載の配膳先領域情報に相当している。また、本変形例でも、図9の上記ステップS103の手順と上記ステップS105の手順とが、各請求項記載の第1判定手段として機能している。
【0112】
本変形例においても、上記実施形態と同様、注文した飲食物が注文した飲食客に対して、配置間違いがなく正しく配膳されたことを確認することができる。
【0113】
(2)その他
以上においては、飲食物の容器2の例としてグラスを例にとり、飲食物付随物の例としてコースター12を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、飲食物容器としては、コップ、カップ、皿等に対し上記グラスと同様に容器タグT1を設け、情報読み取りによる検出及び管理を行うようにしてもよい。また、コースター12に代え、飲食物が提供される際に、容器2に付随して卓上に配置される、箸置き、スプーン立て等に対し、上記コースタータグT3と同様の無線タグを設け、情報読み取りによる検出及び管理するようにしてもよい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0114】
なお、以上において、図5、図8等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0115】
また、図9、図10等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0116】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0117】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0118】
2 容器
3 載置部
4 テーブル
5 リーダ本体
6 カード挿入部
10 おかわり要求領域(再注文領域)
11 おかわり要求ランプ(再注文領域発光部)
12 コースター(敷物部材、付随物)
100 携帯リーダ(携帯型無線タグ通信装置)
T1 容器タグ(容器用無線タグ)
T2 カードタグ(情報記録媒体)
T3 コースタータグ(敷物用無線タグ、付随物用無線タグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物容器に設けられ、当該飲食物容器内の飲食物に係わる飲食物情報又は容器識別情報を記憶した容器用無線タグと、
前記飲食物容器が載せられる載置部を備えた配置部材に設けられた、固定型無線タグ通信装置と、
前記配置部材の前記載置部に対し前記飲食物容器に付随して配置される付随物に設けられ、タグ側発光部を備え、付随物識別情報を記憶した付随物用無線タグと、
飲食物提供者による飲食物被提供者への前記飲食物の提供に係わる飲食物提供情報が記録された情報記録媒体と、
前記飲食物提供者の手動操作に基づき、無線通信により前記飲食物提供情報を前記情報記録媒体に記録する携帯型無線タグ通信装置と
を有し、
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記配置部材の前記載置部に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記付随物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つのタグ用装置アンテナと、
前記配置部材に設けられ、前記情報記録媒体と無線通信を行うための媒体用装置アンテナと、
前記タグ用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記飲食物情報又は前記容器識別情報が取得されるとともに前記付随物用無線タグから前記付随物識別情報が取得された場合に、取得された前記飲食物情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物提供情報と適合するかどうか判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により、前記容器用無線タグから取得された前記飲食物情報又は前記容器識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物の前記提供情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記付随物識別情報が取得された前記付随物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力するタグ発光指示手段と
を備える
ことを特徴とする飲食物提供管理システム。
【請求項2】
前記付随物は、
前記配置部材の前記載置部と前記飲食物容器との間に介在して配置される敷物部材であり、
前記付随物用無線タグは、
前記付随物識別情報として敷物識別情報を記憶した敷物用無線タグである
ことを特徴とする請求項1記載の飲食物提供管理システム。
【請求項3】
前記配置部材の前記載置部は、
前記飲食物被提供者による同一飲食物の再提供要求領域に設けられた、再提供用発光部を備え、
前記タグ用装置アンテナは、
前記載置部の前記再提供要求領域に設けられ、前記容器用無線タグと無線通信を行うための再提供用装置アンテナと、前記載置部の前記再提供要求領域以外の少なくとも1つの配膳領域に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記敷物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つの配膳用装置アンテナとを含み、
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された場合に、前記再提供用発光部の発光指示信号を出力する領域発光指示手段と、
前記領域発光指示手段による前記発光指示信号が出力された後、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったかどうかを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったと判定された場合に、前記再提供用発光部の消光指示信号を出力する領域消光指示手段と
を備えることを特徴とする請求項2記載の飲食物提供管理システム。
【請求項4】
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記領域消光指示手段により前記消光指示信号が出力された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された飲食物の、飲食物被提供者への再提供に係わる飲食物再提供情報を前記情報記録媒体に記録する、再提供要求記録手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の飲食物提供管理システム。
【請求項5】
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記再提供要求記録手段により前記飲食物再提供情報が前記情報記録媒体に記録された後、前記配膳用装置アンテナにより、当該再提供に係わる飲食物の前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたかどうかを判定する第3判定手段と、
前記第3判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたと判定された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記飲食物再提供情報に含まれる配膳済み情報を前記情報記録媒体に記録する、配膳済み情報記録手段を備える
ことを特徴とする請求項4記載の飲食物提供管理システム。
【請求項6】
複数の前記配膳用装置アンテナが、複数の前記配膳領域それぞれに対応して配置されており、
前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、
前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を配膳すべき前記配膳領域に対応した前記配膳用装置アンテナのアンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報とを対応付けた配膳先領域情報を含んでおり、
前記第1判定手段は、
前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合するかどうかを判定し、
前記タグ発光指示手段は、
前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の飲食物提供管理システム。
【請求項7】
前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、
前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を載せるべき前記敷物部材に対応した前記敷物識別情報とを対応付けた配膳先敷物情報を含んでおり、
前記第1判定手段は、
前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先敷物情報と適合するかどうかを判定し、
前記タグ発光指示手段は、
前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領敷物情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の飲食物提供管理システム。
【請求項1】
飲食物容器に設けられ、当該飲食物容器内の飲食物に係わる飲食物情報又は容器識別情報を記憶した容器用無線タグと、
前記飲食物容器が載せられる載置部を備えた配置部材に設けられた、固定型無線タグ通信装置と、
前記配置部材の前記載置部に対し前記飲食物容器に付随して配置される付随物に設けられ、タグ側発光部を備え、付随物識別情報を記憶した付随物用無線タグと、
飲食物提供者による飲食物被提供者への前記飲食物の提供に係わる飲食物提供情報が記録された情報記録媒体と、
前記飲食物提供者の手動操作に基づき、無線通信により前記飲食物提供情報を前記情報記録媒体に記録する携帯型無線タグ通信装置と
を有し、
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記配置部材の前記載置部に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記付随物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つのタグ用装置アンテナと、
前記配置部材に設けられ、前記情報記録媒体と無線通信を行うための媒体用装置アンテナと、
前記タグ用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記飲食物情報又は前記容器識別情報が取得されるとともに前記付随物用無線タグから前記付随物識別情報が取得された場合に、取得された前記飲食物情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物提供情報と適合するかどうか判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により、前記容器用無線タグから取得された前記飲食物情報又は前記容器識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記飲食物の前記提供情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記付随物識別情報が取得された前記付随物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力するタグ発光指示手段と
を備える
ことを特徴とする飲食物提供管理システム。
【請求項2】
前記付随物は、
前記配置部材の前記載置部と前記飲食物容器との間に介在して配置される敷物部材であり、
前記付随物用無線タグは、
前記付随物識別情報として敷物識別情報を記憶した敷物用無線タグである
ことを特徴とする請求項1記載の飲食物提供管理システム。
【請求項3】
前記配置部材の前記載置部は、
前記飲食物被提供者による同一飲食物の再提供要求領域に設けられた、再提供用発光部を備え、
前記タグ用装置アンテナは、
前記載置部の前記再提供要求領域に設けられ、前記容器用無線タグと無線通信を行うための再提供用装置アンテナと、前記載置部の前記再提供要求領域以外の少なくとも1つの配膳領域に設けられ、前記容器用無線タグ及び前記敷物用無線タグと無線通信を行うための少なくとも1つの配膳用装置アンテナとを含み、
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された場合に、前記再提供用発光部の発光指示信号を出力する領域発光指示手段と、
前記領域発光指示手段による前記発光指示信号が出力された後、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったかどうかを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得されなくなったと判定された場合に、前記再提供用発光部の消光指示信号を出力する領域消光指示手段と
を備えることを特徴とする請求項2記載の飲食物提供管理システム。
【請求項4】
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記領域消光指示手段により前記消光指示信号が出力された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記再提供用装置アンテナにより前記容器用無線タグから前記容器識別情報が取得された飲食物の、飲食物被提供者への再提供に係わる飲食物再提供情報を前記情報記録媒体に記録する、再提供要求記録手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の飲食物提供管理システム。
【請求項5】
前記固定型無線タグ通信装置は、
前記再提供要求記録手段により前記飲食物再提供情報が前記情報記録媒体に記録された後、前記配膳用装置アンテナにより、当該再提供に係わる飲食物の前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたかどうかを判定する第3判定手段と、
前記第3判定手段により、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得されたと判定された場合に、前記媒体用装置アンテナを用いて、前記飲食物再提供情報に含まれる配膳済み情報を前記情報記録媒体に記録する、配膳済み情報記録手段を備える
ことを特徴とする請求項4記載の飲食物提供管理システム。
【請求項6】
複数の前記配膳用装置アンテナが、複数の前記配膳領域それぞれに対応して配置されており、
前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、
前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を配膳すべき前記配膳領域に対応した前記配膳用装置アンテナのアンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報とを対応付けた配膳先領域情報を含んでおり、
前記第1判定手段は、
前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合するかどうかを判定し、
前記タグ発光指示手段は、
前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、取得に用いた前記配膳用装置アンテナの前記アンテナ識別情報又は当該アンテナ識別情報に対応する情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領域情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の飲食物提供管理システム。
【請求項7】
前記情報記録媒体に記憶された前記飲食物提供情報は、
前記容器識別情報又は前記飲食物情報と、当該飲食物を載せるべき前記敷物部材に対応した前記敷物識別情報とを対応付けた配膳先敷物情報を含んでおり、
前記第1判定手段は、
前記配膳用装置アンテナにより、前記容器用無線タグから前記容器識別情報又は前記飲食物情報が取得されるとともに前記敷物用無線タグから前記敷物識別情報が取得された場合に、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先敷物情報と適合するかどうかを判定し、
前記タグ発光指示手段は、
前記第1判定手段により、取得された前記容器識別情報又は前記飲食物情報、及び、前記敷物識別情報が、前記情報記録媒体に記録された前記配膳先領敷物情報と適合すると判定された場合に、前記タグ用装置アンテナを用いて、前記敷物識別情報が取得された前記敷物用無線タグに対し、前記タグ側発光部の発光指示信号を出力する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の飲食物提供管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−76270(P2011−76270A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225592(P2009−225592)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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