説明

飼料サプリメント組成物

担体マトリックス、ラクトフェリン、および任意選択の内部滑沢剤を水平スクリュー押出機内で混合し、前記混合物を押し出し、断片に切断し、さらに任意選択で前記断片を乾燥させることによる、タンパク質および/またはデンプンを主体とした担体マトリックス中に埋め込まれたラクトフェリンを含有する、耐熱性のある分離した固体粒子の調製方法、ならびに食品サプリメントまたは動物飼料サプリメントとしてのその使用。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、栄養、特に動物の栄養に使用するための、性質の改良された組成物の調製方法、ならびにそうして得られる組成物に関する。
【0002】
より厳密には、本発明は、ラクトフェリンを含む食品サプリメントまたは飼料サプリメントとして有用な組成物の調製方法、ならびにそうして得られる組成物に関する。
【0003】
本発明はまた、特に動物の健康状態を改善するためのラクトフェリンを含む組成物の食品飼料サプリメントの使用、ならびにラクトフェリンを主体としたサプリメントを含む飼料組成物に関する。
【0004】
ラクトフェリンは、1−4グリカン単位を含む、分子量約80,000Dの自然に存在する一本鎖状の糖タンパク質であり、多くの動物の乳または乳派生物から異なる方法で単離することができる。
【0005】
米国特許第4,791,193号は、牛乳を、カルボキシメチル基を含む弱酸性の陽イオン交換樹脂と接触させ、吸着されたラクトフェリンを塩化ナトリウムの溶液で溶離する、ウシラクトフェリンの高純度での調製方法を記載している。
【0006】
国際公開第89/04608号パンフレットは、乳清からの純粋なラクトペルオキシダーゼおよびラクトフェリンの抽出方法を開示している。乳清を精密濾過にかけ、高流速で強陽イオン交換体に通して、ラクトフェリンおよびラクトペルオキシダーゼを選択的に吸着し、異なる濃度の生理食塩水で選択的かつ連続的に溶離する。
【0007】
英国特許出願第2179947号は、限外濾過およびほぼ中性pHでの弱陽イオン交換クロマトグラフィーによるホエーからのラクトフェリンの単離を開示している。
【0008】
国際公開第93/13676号パンフレットは、高い表面速度かつ高い液体負荷でそれを陽イオン交換樹脂に吸着させ、塩溶液、たとえば、リン酸緩衝液中塩化ナトリウムで溶離し、任意選択でそれを乾燥させることによる、乳またはホエーからのラクトフェリンの単離方法を開示している。
【0009】
国際公開第95/22258号パンフレットは、高めのイオン強度条件下で乳を強陽イオン交換樹脂と接触させ、段階的または線形の塩勾配でヒトラクトフェリンを溶離することによって、その乳中にヒトラクトフェリンの発現および分泌をコードしている遺伝子を有するトランスジェニック動物の乳を含む乳からヒトラクトフェリンを実質的に精製する方法を報告している。
【0010】
国際公開第02/096215号パンフレットは、拡張床吸着(EBA)技術を使用して、大量のたとえば乳またはホエーなどの乳派生製品からウシラクトフェリンおよび他のタンパク質を単離する工業用の方法を記載している。平均粒径が最大で150μmであり、かつ見掛け密度が少なくとも1.5g/mlである高密度の吸着材料に液体をかけた後、吸着剤からタンパク質を溶離する。
【0011】
ラクトフェリンは、鉄を結合する性質を有し、抗微生物活性および抗ウイルス活性、ならびに宿主の防御系において免疫調節機能を示す。
【0012】
したがって、ラクトフェリンは、動物の成長および健康状態を増進するために飼料添加物として使用されている。
【0013】
米国特許第4,726,948号は、胃腸感染を治療するためのラクトフェリンおよびラクトペルオキシダーゼを含む抗菌組成物を、食品および動物用飼料の成分として開示している。
【0014】
米国特許第4,977,137号は、未加工乳由来のラクトフェリンを、ヒト幼児および幼児期非ヒト動物の消化管の成長を促進する食物成分として開示している。
【0015】
米国特許第5,656,591号は、食品および非医療用製品の処理のための、抗生物質と組み合わせた抗微生物活性のあるラクトフェリン由来ペプチドの使用を開示している。
【0016】
本発明の目的は、製品の性質が改良され、栄養、特に動物の栄養に適するラクトフェリン含有顆粒、ならびにその製造方法を提供することである。本発明はまた、改良されたラクトフェリン含有顆粒を豊富に含む動物用飼料に関する。
【0017】
アミノ酸の数および配列、さらにグリカン部分に違いのある、異なるラクトフェリン種が存在していてよいが、用語「ラクトフェリン」は、本明細書の以下では、自然に存在するラクトフェリン分子とのアミノ酸配列の相同性が少なくとも60%であり、その生物学的活性、特にその抗微生物活性のうち少なくとも1種を示す限り、天然であろうと合成であろうと、天然供給源からの精製、古典的な化学合成、または組換え法のいずれによって調製されていようと、その起源を問わず、それらすべての異なる分子を含む。用語「配列相同性」または「配列の相同性」は、自然に存在する分子より長くても短くてもよく、1箇所または多数の置換、1個または複数のアミノ酸の挿入、および/または欠失のあるアミノ酸配列に関する。少なくとも60%の相同性には、70、75、80、85、90、95、またはこれ以上のパーセント量の相同性が含まれる。用語「ラクトフェリン」には、市販のラクトフェリン;初乳、移行乳、成熟乳、乳汁分泌期後期乳など、哺乳動物(ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダなど)の乳、または脱脂乳、脱脂無糖練乳、乳脂、濃縮乳タンパク質、ホエー、チーズホエー、カゼインホエー、脱塩ホエー、または濃縮ホエーなど、その加工製品から単離されたラクトフェリンが含まれる。関心の高いラクトフェリンは、ウシラクトフェリンである。これは、チーズ製造工程の副産物であるホエーから大量に生産される。異なるクロマトグラフィー手順を含み、精製および濃縮されたラクトフェリン含有溶液の最後の乾燥ステップを含む種々の方法が知られており、ウシラクトフェリンの製造に使用されている。そうして得られた、すなわち、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥などの従来の乾燥方法によって乾燥させた後の、多かれ少なかれ乾燥した形で易流動性であるが、微粉末の形の、配合を行っていないラクトフェリンを、次いで飼料または担体材料とブレンドして、飼料添加物として有用な最初のプレミックスを得る。その複雑な多段階手順の間、各段階で変性および生物学的活性の損失が起こり、得られる、ラクトフェリンを高度に分散した形で含有する組成物は、さらに分解を受け、高い貯蔵安定性を保持しない。
【0018】
本発明は、この欠点を克服し、特定の担体マトリックス中に埋め込まれたラクトフェリンを含有する分離した固体粒子の形をした、貯蔵安定性のある、特別に配合を行ったラクトフェリン組成物を提供する。
【0019】
国際公開第98/18610号パンフレットは、マトリックス中に成分を連続的にカプセル化し、または埋め込む多段階の方法であって、低せん断条件下、可塑剤の存在下で、化合物に冷却した可塑化マトリックス材料を混和するステップと、前記成形性のある混合物を押出型を通して押し出して押出物を得るステップと、前記押出物を断片(piece)に切断するステップとを含む方法を開示している。このパンフレットは、可塑剤の存在下でそのような可塑化マトリックス材料中に埋め込むことのできる800を超える化合物を具体的に挙げ、図1に市販の押出機を使用する方法の略図を示している。図2および図3は、押出し方法、好例となる押出機加熱シリンダ、およびスクリュー配置を概略的に示している。
【0020】
本発明は、タンパク質および/またはデンプンを主体とした担体マトリックス中に埋め込まれたラクトフェリンを含有する、耐熱性のある分離した固体粒子を調製するために、国際公開第98/18610号明細書に記載されているのと同様の技術を使用する。本発明の方法は、
(a)水平スクリュー押出機に担体マトリックス、ラクトフェリン、および任意選択で内部滑沢剤を加えるステップと、
(b)これらの成分を押出機内で、低せん断かつ低温条件下で混合して、成形性のある均質な混合物を得るステップと、
(c)前記成形性のある混合物を押し出し、断片に切断するステップと、
任意選択であるが、(d)前記断片を乾燥させるステップと
を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明はまた、特に上で規定した方法に従って調製する際の、上で規定した粒子の食品サプリメントまたは動物用飼料サプリメントとしての使用、そのようなサプリメント組成物それ自体、最後にそのようなサプリメント組成物を補った食品または動物用飼料に関する。
【0022】
本発明の方法によれば、分離した固体粒子または顆粒は、低せん断かつ低温混合を実現するのに適する押出スクリュー配置を使用して、パスタ押出しによってどのような水平スクリュー押出機でも調製することができる。たとえば、押出機加熱シリンダの内側に軸方向に配向した漏洩流を提供するために互いに角度を少しずつずらして配置された、互い違いの小ピッチコンベヤー要素と分配混合要素の組合せを使用することができる。互い違いのコンベヤー要素と分配混合混練要素の組合せによって、塊がせん断されることなく、材料の流れが絶えず中断されるようになり、したがって、低い機械エネルギーの投入で材料が混合される。スイスのBuhler、フランスのClextral、ドイツのWerner and Pfleiderer、イギリスのAPV、または米国のWengerから入手できるものなどの、共回転かみ合い型二軸押出機、またはスイスのBussから入手できる同時混練機が、他の一軸押出機と比べて優れた混合作用を提供するので好ましい。
【0023】
担体マトリックスは、動物に十分に許容される食用成分からなる。主成分は、タンパク質を含有する成分と、自然に存在し、精製および/もしくは化学修飾された形であり、または穀粉や粗挽き穀物などの挽いた穀物、好ましくはシリアルもしくはシリアル副産物の構成成分としての、全種類のデンプンである。好ましい実施形態では、単なるデンプンを主体とした混合物、特に小麦デンプンとデュラム小麦粉(セモリナ)の混合物を使用する。
【0024】
ラクトフェリンは、(希釈または濃縮)溶液の形で、または(ほぼ乾燥した)粉末として所望であればプレミックスの形で担体マトリックスに加える。
【0025】
担体マトリックスには、所望であれば、マトリックスの疎水性または水結合能に影響を及ぼす作用物質を加えてもよい。疎水性化合物を加えると、マトリックスへの水または胃液の浸透を妨げまたは遅らせ、それによって、埋め込まれたラクトフェリンの放出を遅らせる助けとなる。水結合能の高い化合物は、粒子に浸透する水を結合し、または水にマトリックスが溶解するのを妨げることができ、それによって担体マトリックスからのラクトフェリンの放出を妨げ、または遅らせることもできる。ラクトフェリンの放出速度を制御するのに使用する追加の化合物は、最高で30%(w/w)まで、好ましくは約5〜15%(w/w)の量で使用してよい。
【0026】
担体マトリックスには、混合および押出しの各工程に向けて、かつ塵の生成を避けるために、植物油または植物脂を内部滑沢剤として加えてもよい。このことは、乾燥粉末の形のマトリックスにラクトフェリンを加えるときに特に望ましい。市販のどんな植物油を加えてもよく、固体粒子の最終重量の約10%(w/w)まで、好ましくは5%(w/w)まで加えてよい。特に好ましい油は、精製ダイズ油である。
【0027】
最後に、マグネシウム、亜鉛、またはナトリウムの塩、たとえば硫酸塩や、pH値に影響を及ぼす塩、たとえば、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などの、生理的に活性があり、適合性のあるミネラルを、実際の必要に適合させられる量で担体マトリックスに加えてもよい。
【0028】
飼料サプリメント組成物中の担体マトリックスの割合(w/w)は、少なくとも50%、たとえば約60〜95%、好ましくは約75%である。
【0029】
担体マトリックスの成分は、ブレンドし、プレミックスとしてスクリュー押出機に導入してもよいし、または個々に加えてもよい。ラクトフェリンは、乾燥粉末としてプレミックスに予め加え、担体マトリックスと共に押出機に導入することができる。しかし、溶液としてのラクトフェリンを別に加えて、混合物を湿らせることが好ましい。あるいは、油成分を内部滑沢剤として別に加える。ホモジナイズおよび押出しの間、押出機を冷却して、押出機および混合物の温度、すなわち、60℃未満、通常は20〜50℃、好ましくは35〜40℃の使用条件を確保する。
【0030】
本発明の方法で使用するラクトフェリンは、市販のラクトフェリンであり、あるいは従来技術に記載の方法に従って調製することができる。好ましい供給源は、牛の乳またはホエーである。ラクトフェリンの純度は、必須要素ではないが、少なくとも80%、好ましくは90%より高くすべきであり、凍結乾燥材料の場合では、通常は90〜95%である。
【0031】
本発明の方法では、ラクトフェリンは、乳またはホエーからの大多数の生産方法、すなわち吸着カラムからの溶離によって得られる形態であるので、好ましくは溶液の形で押出機に加える。乳またはホエーから精製ラクトフェリンを得る好ましい技術は、たとえば、国際公開第02/096215号パンフレット、国際公開第01/85329号パンフレット、または国際公開第99/65586号パンフレットに記載されているようなEBA技術であり、これら文献の内容を本明細書に明確に援用する。
【0032】
ラクトフェリンが埋め込まれた顆粒のラクトフェリン含有量は、約6%〜約50%(w/w)であり、特定の実施形態では、8〜12%(w/w)または約20〜30%(w/w)であることが好ましい。
【0033】
ホモジナイズされた混合物を、押出型プレートを通して押し出し、押し出されたパスタのストランドを切断して分離した球状粒子にする。
【0034】
本発明のこれら顆粒の形状および寸法は、主に、押出型の形および直径、混合物が押し出される速度、およびカッター速度に応じて、またより少ない程度に後続の乾燥工程条件に応じて決まる。好都合な押出型は、開口部直径が0.1〜5mm、好ましくは0.5〜1mmであろう。得られる粒子の約85%は、0.2〜0.8mm、好ましくは0.3〜0.6mmの大きさを有する。
【0035】
押出物ロープは、回転式カッター、ペレタイザー、または回転式ナイフを使用して、型当たり面で切断することができる。他の実施形態では、ペレットまたはタブレットを生成する従来の切断もしくは成形手段を使用して、押出物ロープを押出型から切り払うことができる。切断片は、長さ:直径比(l/d比)が約0.5〜10、好ましくは約1となろう。その湿りに応じて、顆粒は、多かれ少なかれ無塵であり、鋭利である。
【0036】
本発明の方法によれば、ラクトフェリンの所望の徐放を実現するために、粒径を様々に変えて、ペレットまたは顆粒の表面対体積比を制御することができる。粒径は、たとえば、押出型の開きに異なる直径を使用して、様々に変えることができる。粒径は、押出機の端にある押出型プレートで、またはロープが短い距離だけ運搬された後に押出機から離れた所で可変速度カッターを使用しても、様々に変えることができる。カッター速度を変化させると、切断片の大きさを所与の押出機処理量に合わせて様々にすることができる。押出型プレートから短い間隔、たとえば約0.5メートル〜約5メートルの間の間隔を置いて可変カッターを使用すると、それ以上に表面の冷却および乾燥が可能になり、粘着性が低減されて、ロープのペレットへの切断がより良好となる。
【0037】
切断した後、得られる断片または顆粒は、十分に長期間の保存期限貯蔵安定性を確実に実現する、十分に低い水分含有量になるまで乾燥させることができる。たとえば、ペレットを乾燥させて、少なくとも約9ヶ月、好ましくは約18ヶ月の貯蔵安定性または保存期限を実現することができる。
【0038】
乾燥は、ラクトフェリンの安定性に有害な影響を及ぼさない乾燥温度を使用しながら、従来の乾燥装置を使用して実施することができる。典型的な乾燥温度は、約10℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約60℃であろう。乾燥を行って、約30重量%未満、好ましくは約12重量%未満、たとえば、約6重量%〜約9重量%の水分含有量を実現することができる。好ましい乾燥方法は、流動床乾燥装置を使用する。乾燥後、粒子は、互いにすり減らし合うためにより鋭利になることがある。所望であれば、従来のコーティング装置および方法を使用し、乾燥粒子を皮膜構成性物質でコーティングして、それに特定の所望の属性を与えることができる。
【0039】
本発明に従ってラクトフェリンが埋め込まれた顆粒は、食品添加物または飼料添加物として有用であり、ヒトを含む前種類の動物、たとえば、ブタ、反芻動物、家禽、魚類、ペット、または動物園で見られる動物のための特別な従来型飼料と、その種類、年齢、および/または健康状態に応じて通常は約0.5〜約200mgのラクトフェリン/動物体重kgである所望の1日摂取量を提供する量で混合し、またはそれと共に加工することができる。所望であれば、ラクトフェリン顆粒を補った飼料サプリメントは、従来型のペレット成形機を使用してペレット化する。当業者には、本発明の粒子が主として動物飼料用の飼料サプリメントとして有用であるが、他の配合物、たとえば化粧調製物または医薬製剤の製造にも使用できることは言うまでもない。
【0040】
その粒径が好都合であり、ラクトフェリンが安定化されたマトリックス中に埋め込まれているので、本発明の顆粒は、ラクトフェリンが埋め込まれていないものと比べて、特に食品添加物としての性質が改善されている。
【0041】
本発明に従って粒状担体マトリックスに埋め込まれたラクトフェリンは、埋め込まれていない凍結乾燥材料と比べて、安定性が改良され、保存期間がより長く、消化管でよりゆっくりと放出されるだけでなく、消化管でのアミノ酸吸収、飼料変換速度(FCR)、および動物の体重増加を驚くほど増大させる。これらの作用は、たとえば、吻合処置ブタおよび離乳したばかりの仔ブタでそれぞれ見出されている。
【0042】
本発明の熱安定性形態の固体ラクトフェリン含有粒子は、高めの温度および長期間の貯蔵時間というマイナスの影響に対する耐性だけでなく、高温、たとえば、飼料が加工中に曝される80℃の温度に対する耐性も提供する。
【0043】
以下の実施例によって本発明をさらに例示する。
実施例I
【0044】
WP58Continua型の二軸押出機に、22.5kgのコムギデンプン、12.5kgのデュラム小麦粉、および12.5kgのラクトフェリンをプレミックスとして加えた。混合物を湿らせるための水および2.5kgのダイズ油(精製)を別々に加えた。ホモジナイズおよび押出しの際、飽和ブラインを使用して押出機を冷却し、35℃を超えない温度に保った。
【0045】
ホモジナイズした混合物をペレット化押出型プレート(押出型直径:0.5mm)を通して押し出し、押し出されたパスタのストランドを、回転式カッターを使用して押出型プレートの所で切断して約0.5mmの長さの断片にした。押出しの後、流動床乾燥装置を使用して、50℃の最高取入れ空気温度でラクトフェリン含有顆粒を乾燥させた。
【0046】
次の組成を使用して、動物飼料添加物として有用な顆粒を調製した。
【表1】

【0047】
別の実施形態では、上記成分を異なる重量比で含む組成物を同じ加工条件下で使用した。
【表2】


実施例II
【0048】
WP58Continua型二軸押出機に、20.0kgのコムギデンプン、24.5kgのデュラム小麦粉をプレミックスとして加える。約25%のタンパク質濃度(うち約90%がLF)に濃縮したホエーをクロマトグラフィーにかけて得たラクトフェリン強化溶液を加えた。2.5kgのダイズ油(精製)を単独で加えた。ホモジナイズおよび押出しの際、飽和ブラインを使用して押出機を冷却し、35℃を超えない温度に保った。
【0049】
次の組成物を使用して、動物飼料添加物として有用な顆粒を調製した。
【表3】

【0050】
別の実施形態では、タンパク質含有量が約30%(うち約90%がLF)のラクトフェリン強化溶液を加えた、重量比の異なる組成物を、同じ工程条件化で使用した。
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質および/またはデンプンを主体とした担体マトリックス中に埋め込まれたラクトフェリンを含有する、耐熱性のある分離した固体粒子の調製方法であって、
(a)水平スクリュー押出機に担体マトリックス、ラクトフェリン、および任意選択で内部滑沢剤を加えるステップと、
(b)これらの成分を前記押出機内で、低せん断かつ低温条件下で混合して、成形性のある均質な混合物を得るステップと、
(c)前記成形性のある混合物を押し出し、断片に切断するステップと、
任意選択であるが、(d)前記断片を乾燥させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記担体マトリックスが、コムギデンプンとデュラム小麦粉とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ラクトフェリンを水溶液または乾燥粉末の形で加える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
植物油を内部滑沢剤として使用する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
使用条件下での押出機内の温度が約60℃よりも低い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
タンパク質および/またはデンプンを主体とした担体マトリックス中に埋め込まれたラクトフェリンを含有する、耐熱性のある分離した固体粒子。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法によって得られる、請求項6に記載の固体粒子。
【請求項8】
動物飼料サプリメントまたは食品サプリメントとして使用するための、請求項6または7に記載の固体粒子。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の固体粒子を主体とした食品サプリメントまたは動物飼料サプリメント組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の組成物を補った食品または動物飼料。

【公表番号】特表2006−523445(P2006−523445A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505016(P2006−505016)
【出願日】平成16年4月6日(2004.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003647
【国際公開番号】WO2004/091888
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505220217)デーエスエム アイピー アセッツ ベー. ヴェー. (29)
【Fターム(参考)】