説明

飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器

本発明は、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器に関し、水供給装置200と、飼料ホッパー100と、飼料ホッパー100の下部に設けられる給餌皿300とで構成された養豚用給餌器において、前記給餌皿300には、飼料供給部302及び水供給部304が形成され、前記水供給部304は、水深の浅い所から水深の深い所に傾斜するように形成されていて、飼料ホッパー100から供給される飼料が水供給部304の水中に落ちた場合、水の動揺によって水に落ちた飼料が水深の浅い所に徐々に集まるようになり、一部は、水供給部のうち水に濡れていない乾燥部位にまで達するようになり、豚が飼料を容易に摂取可能にすることを特徴とする、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器であり、豚が、給餌皿の水供給部に長時間浸かったままになり腐敗しやすい飼料を容易に摂取することができるので、飼料の損失を防止することができ、かつ給餌皿の水供給部に溜まっている飼料を掃除する回数を大きく減らすことができ、管理が容易になるという著しい効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器に関し、より詳細には、水供給装置と、飼料ホッパーと、飼料ホッパーの下部に設けられ、飼料供給部及び水供給部が形成されている給餌皿とで構成され、前記給餌皿の水供給部の底面が傾斜するように形成され、傾斜した底面の低い所に水供給装置の水供給管が設けられ、水供給部に落ちた飼料を豚が容易に摂取できるように構成されたことが特徴である、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、豚を成長させるための効率的な管理において豚舎の環境など様々な重要な要素があるが、豚舎の運営目的は豚肉を生産することにあるので、管理ポイントは、豚に飼料と水を十分に且つ適切に供給しなければならないということは既に認知されている。
【0003】
豚は成長によって体重が増えるにつれて飼料を多く食べるので、飼料を供給する養豚用給餌器には、供給される飼料の量を調節する手段が設けられ、また、飼料が粉末やペレットまたはクランブル状となっているので、飼料を摂取する間にも水を摂取することができるようにして豚の食欲を増進させるなど、発育を良好にするための水供給装置が設けられる。
【0004】
養豚用給餌器は、飼料のみを供給する乾式給餌器と、飼料と水を別に供給する湿式給餌器と、飼料と水を混合して供給する液状給餌器とに区分することができる。
【0005】
一般に、従来の養豚用湿式給餌器は、飼料を収納する飼料ホッパーと、飼料ホッパーの下部に設けられる給餌皿と、飼料ホッパーの外側に装着され、飼料と別に水を給水する水供給装置とからなり、給餌皿は、飼料を収納する飼料供給部と水を収納する水供給部とが隔壁により区分されている。
【0006】
ところが、豚が飼料供給部の飼料を摂取する際に、飼料の一部が水供給部に入ってしまうことがあるが、従来の湿式給餌器の給餌皿は、水供給部の底面が水平に平たく形成されていて、水供給部に入ってしまった飼料が水に浸かって底に積み重なってしまい、水に浸かった飼料は、豚があまり摂取しないため、時間の経過と共に腐敗してしまうので、管理者は、随時に給餌器を点検すると共に、周期的に掃除をしなければならないという不便さがあるのは勿論、飼料の過度な損失により運営コストも増加するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、給餌皿の水供給部の底面を水深の浅い所から深い所に傾斜するように形成し、傾斜した底面の深い所に水供給装置の水供給管を設け、水供給部の水中に浸かっていた飼料を豚が容易に摂取できるようにして、飼料の損失を防止し、管理が容易な養豚用給餌器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明は、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器に関するものであって、水供給装置200と、飼料ホッパー100と、飼料ホッパー100の下部に設けられる給餌皿300とで構成された養豚用給餌器において、前記給餌皿300には、飼料供給部302及び水供給部304が形成され、前記水供給部304は、水深の浅い所から水深の深い所に傾斜するように形成されていて、飼料ホッパー100から供給される飼料が水供給部304の水中に落ちた場合、水の動揺によって水に落ちた飼料が水深の浅い所に徐々に集まるようになり、一部は、水供給部のうち水に濡れていない乾燥部位にまで達するようになり、豚が飼料を容易に摂取できるようにすることを特徴とする飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器である。
【0009】
また、本発明は、前記水供給装置が弁膜バルブであって、弁膜バルブに連結された水供給管の端部が給餌皿の水供給部のうち水深の深い所に設けられ、水が供給される圧力によって水供給部の水が動搖し、水に落ちた飼料を水供給部の水深の浅い所まで移動させることを特徴とする、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器である。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明は、給餌皿の水供給部に長時間浸かったままになり腐敗しやすい飼料を豚が容易に摂取することができるので、飼料の損失を防止することができ、且つ、給餌皿の水供給部に溜まっている飼料の掃除回数を大きく減らすことができ、管理が容易になるという著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器の弁膜バルブの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器に関するものであって、水供給装置200と、飼料ホッパー100と、飼料ホッパー100の下部に設けられる給餌皿300とで構成された養豚用給餌器において、前記給餌皿300には、飼料供給部302及び水供給部304が形成され、前記水供給部304は、水深の浅い所から水深の深い所に傾斜するように形成されていて、飼料ホッパー100から供給される飼料が水供給部304の水中に落ちた場合、水の動揺によって水に落ちた飼料が水深の浅い所に徐々に集まるようになり、一部は、水供給部のうち水に濡れていない乾燥部位にまで達するようになり、豚が飼料を容易に摂取できるようにすることを特徴とする、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器である。
【0013】
また、本発明は、前記水供給装置が弁膜バルブであって、弁膜バルブに連結された水供給管の端部が給餌皿の水供給部のうち水深の深い所に設けられ、水が供給される圧力によって水供給部の水が動搖し、水に落ちた飼料を水供給部の水深の浅い所まで移動させることを特徴とする、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器である。
【0014】
以下、本発明の飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器を、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器の一例を示す断面図であり、図2は、本発明の飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器の一例を示す斜視図である。図3は、弁膜バルブの分解斜視図である。
【0016】
本発明は、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器に関し、水供給装置200と、飼料ホッパー100と、飼料ホッパー100の下部に設けられる給餌皿300とで構成された養豚用給餌器において、前記給餌皿300には、飼料供給部302及び水供給部304が形成され、前記水供給部304は、水深の浅い所から水深の深い所に傾斜するように形成されている。
【0017】
給餌皿300は、底面から上部までの高さが、子豚が使用する場合には100mm程度であり、成長した豚が使用する場合には130〜140mm程度である。子豚の場合を例示すれば、給餌皿の水供給部の深い部位は、上面から底部までの水深が45mm程度であるが、水は、通常1/3から約半分溜まっているように維持されるので、実際の水深は、通常20mm程度である。また、給餌皿の水供給部の浅い部位は、上面から底部までの水深が30mm程度であるが、水は、通常1/3から約半分溜まっているように維持されるので、実際の水深は、通常15mm程度である。また、飼料供給部の深さは、水供給部の浅い部位のように、上面から30mm程度にするか、または3〜4mm程度さらに深くする。
【0018】
また、水深の深い部位と浅い部位との差を少なくし、傾斜を緩やかにして、深い部位に落ちた飼料が浅い所に移動しやすくしても、浅い所に溜まった水が浅すぎると、水を飲みにくくなるので、注意が必要であり、また、深い所と浅い所との深さの差が大き過ぎて給餌皿の傾斜が大きい場合には、深い所の水中に落ちていた飼料が水深の浅い所に円滑に移動できないので、設計時に上述のように適正な数値とすることが好ましい。
【0019】
このように構成された給餌皿300は、飼料ホッパー100から供給される飼料が水供給部304の水中に落ちた場合、豚が水を飲む動作とともに、水供給管の端部が給餌皿の水供給部のうち水深の深い所に設けられ、給餌皿の水供給部に供給される水の水圧によって、水供給部の水が流動するようになり、水の動揺で水に落ちた飼料が水深の浅い所に徐々に集まり、一部は水供給部のうち水に濡れていない乾燥部位にまで達するようになるため、豚が飼料を容易に摂取することができるようになる。
【0020】
すなわち、水の動揺は、まるで波により浜辺に流されて溜まる異物のように水供給部304の浅い所に徐々に集まり、また、飼料供給部に近い側に近付くようになるので、水供給部のうち水に濡れていない乾燥部位にまで達して溜まるようになる。
【0021】
したがって、豚が飼料を摂取する際に、目立ちやすく且つ摂取が容易な前記飼料を摂取することになる。元々、飼料は、腐敗しやすい成分を含んでいるため、飼料が給餌皿に供給された後、豚に飼料を早く摂取せしめなければならないが、本発明の場合、飼料が水中で腐敗し、水を汚染させるということがなくなる。結果的に、飼料の損失がないため、経済的であるという利点がある。
【0022】
また、本発明は、前記水供給装置が弁膜バルブ210であって、弁膜バルブに連結された水供給管の端部が給餌皿の水供給部のうち水深の深い所に設けられ、水が供給される圧力によって水供給部の水が動搖し、水に落ちた飼料を水供給部の水深の浅い所まで移動させることができることを特徴とする。
【0023】
また、弁膜バルブについて説明すると、前記弁膜バルブは、本出願の先行出願(韓国出願番号10−2009−0046719)に記載されたもので、図3に示すように、弁膜バルブ210は、内側に空間が形成され、空間の外側には、締結具211が形成され、締結具の下部には、水供給管が締結固定される連結具212が形成された本体213が設けられ、前記本体の内側には、円形弁214が設けられ、前記本体の内側をカバーする蓋体215が設けられる。
【0024】
また、前記水位調節バルブ216は、本体の締結具に挟持されるノズル217が設けられ、前記ノズルをカバーし且つ締結具に締結固定されるハウジング218が設けられる。
【0025】
したがって、前記水供給管220の下部終端部が給餌皿300の内側面から所定の間隔(8〜12mm)を有して離隔した状態を維持し、水の水位が水供給管の下部終端部より高くなると自動的に水の供給が遮断され、水供給管の下部終端部より水位が低くなると弁膜バルブが開かれ、自動的に水が給餌皿の内側に供給され、常に一定の水位を維持することができるようになる。
【0026】
このように構成された本発明は、豚が、給餌皿の水供給部に長時間浸かったままになり腐敗しやすい飼料を容易に摂取することができるので、飼料の損失を防止することができ、また、給餌皿の水供給部に溜まっている飼料の掃除回数を大きく減らすことができ、管理が容易になるという著しい効果がある。
【符号の説明】
【0027】
100 飼料ホッパー
200 水供給装置
210 弁膜バルブ
220 水供給管
300 給餌皿
302 飼料供給部
304 水供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水供給装置200と、飼料ホッパー100と、飼料ホッパー100の下部に設けられる給餌皿300とで構成された養豚用給餌器において、前記給餌皿300には、飼料供給部302及び水供給部304が形成され、前記水供給部304は、水深の浅い所から水深の深い所に傾斜するように形成されていて、飼料ホッパー100から供給される飼料が水供給部304の水中に落ちた場合、水の動揺によって水に落ちた飼料が水深の浅い所に徐々に集まるようになり、一部は、水供給部のうち水に濡れていない乾燥部位にまで達するようになり、豚が飼料を容易に摂取できるようにすることを特徴とする、飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器。
【請求項2】
前記水供給装置は弁膜バルブ210であって、弁膜バルブに連結された水供給管220の端部が給餌皿の水供給部304のうち水深の深い所に設けられ、水が供給される圧力により水供給部の水が動搖し、水に落ちた飼料を水供給部の水深の浅い所まで移動させることができることを特徴とする、請求項1に記載の飼料損失防止機能を有する養豚用給餌器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−501517(P2013−501517A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524627(P2012−524627)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005878
【国際公開番号】WO2011/019107
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(512035424)
【Fターム(参考)】