香水収納袋
【課題】香水の香りを嗅ぐ際に香水が使用者に付着しないように、香水の香りだけを嗅ぐことができる香水収納袋を提供する。
【解決手段】香水が含浸されたシート状の香水部5を密閉する袋体部2と、前記袋体部2に設けられ、使用者が前記香水部5の香水の香りを嗅ぐための窓部と、を備え、前記窓部は、開くことにより前記袋体部2に密閉された前記香水部5の一部が外部に露出し、使用者が該香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能であり、閉じることにより外部に露出した該香水部が隠れ、該袋体部2が密閉された状態となる。
【解決手段】香水が含浸されたシート状の香水部5を密閉する袋体部2と、前記袋体部2に設けられ、使用者が前記香水部5の香水の香りを嗅ぐための窓部と、を備え、前記窓部は、開くことにより前記袋体部2に密閉された前記香水部5の一部が外部に露出し、使用者が該香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能であり、閉じることにより外部に露出した該香水部が隠れ、該袋体部2が密閉された状態となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香水収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、体や衣類等に付ける香水やオーデコロン等(以下、香水と称する)の形態は、スプレータイプやスポイトタイプである。また、使用者は、香水の香りを嗅いで、香りを確認してから香水を購入することが殆どである。従来、使用者が香水の香りを嗅いで香りを確認するための試供品等の形態は、数ミリリットルの香水が入った小さな蓋の付いた小瓶や、圧によって噴霧される噴霧容器(特許文献1及び2を参照)が挙げられる。更に、図1に示すように、試香紙や不織布等に香水が含浸された香りシート300が密閉された容器100が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−24844号公報
【特許文献2】特表2002−515381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、使用者が試供品等の香水の香りを嗅いで香りを確認する際、小瓶の場合は小さな蓋を開けるため扱いにくく、瓶の中に入った香水が手に付いてしまうことがある。また、噴霧容器の場合は圧を加えることにより空気中に香水が噴霧されるため、香水が体についてしまうことがある。他に、図1に示すように、香りシート300が密閉された容器100の場合は、四方袋500の端部に設けられた切り欠き200から四方袋500の端部を切り取り、四方袋500から香りシート300を取り出す。更に、香りシート300の端部400に香水が含浸されており、香水が端部400だけでなく、香りシート300全体に染み込んでしまう。その結果、香りシート300を手で取り出す際に、香水が手に付着してしまうことがある。香水は、各自それぞれに嗜好がある。嗅いだ香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、いつまでも手から好みではない香りがするため使用者は不快である。従って、使用者は手洗い等をして付着した香水を取り除く必要があり、面倒である。
【0005】
そこで、本発明は、香水が使用者に付着しないように、香水の香りを嗅ぐことができる香水収納袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、使用者が香水部の香水の香りを嗅ぐための窓部を設ける点を工夫した。これにより、香水部の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能な香水収納袋を提供することが可能である。
【0007】
詳細には、本発明は、香水が含浸されたシート状の香水部を密閉する袋体部と、前記袋体部に設けられ、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための窓部と、を備え、前記窓部は、開くことにより前記袋体部に密閉された前記香水部の一部が外部に露出し、使用者が該香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能であり、閉じることにより外部に露出した該香水部が隠れ、該袋体部が密閉された状態となる、香水収納袋である。
【0008】
香水収納袋は、袋体部と、窓部を備える。袋体部は、香水部を密閉することにより、香
水部の香りが外部に放出しないため、使用者が袋体部を触っても香水の香りが手に付着することはない。窓部は、開くことにより袋体部に密閉された香水部の一部が外部に露出する。使用者は、外部に露出した香水部の一部から香水の香りを嗅ぐことが可能である。その結果、本発明に係る香水収納袋は、香水部の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能である。従って、本発明に係る香水収納袋は、香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、香水が手に付かないので、手洗い等をして手に付着した香水を取り除く必要が無い。また、本発明に係る香水収納袋は、使用者が窓部を開くだけで香水の香りを嗅ぐことが可能であるため、袋体部の端部を切って香水部を取り出す等の面倒な作業がなく、取扱いやすい。更に、本発明に係る香水収納袋は、香水部の香水の香りが少なくなった場合であっても、開いた窓部を介して香水部に香水を補充することが可能であり、何度でも香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0009】
また、窓部は、閉じることにより外部に露出した香水部が隠れ、袋体部が密閉された状態となる。本発明に係る香水収納袋は、使用者が香水の香りを嗅ぎたい時だけ窓部を開き、それ以外の時は窓部を閉じることが可能であるため、香水部の香水が蒸発することを防ぐ。従って、本発明に係る香水収納袋は、使用者が長期間何度も香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能である。尚、長期間何度も使用する場合とは、例えば、デパートの香水のディスプレイである。更に、本発明に係る香水収納袋は、安価で簡易な構成であるため、香水やオーデコロン等の試供品に適している。
【0010】
また、本発明に係る香水収納袋は、前記袋体部に設けられ、該袋体部の一部を切り取ることにより前記香水部を該袋体部から取り出す開口部を形成する切欠部を更に備えてもよい。
【0011】
使用者は、窓部から嗅いだ香水部の香水の香りが好みのものであり、使用してみたい場合、切欠部が袋体部の一部を切り取ることにより、香水部を袋体部から取り出す開口部が形成される。その結果、使用者は、開口部から香水部を取り出すことにより、香水部を体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことが可能である。
【0012】
更に、本発明に係る香水収納袋において、前記窓部は、前記窓部の一部分を開くことにより形成され、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための領域である第1の領域と、前記第1の領域よりも更に前記窓部を開くことにより形成される第2の領域と、を有し、前記第1の領域と前記第2の領域とを合わせることにより、使用者が任意の場所に前記香水部の香水を付けるための領域となり、該第1の領域よりも該第2の領域の方が開き難く
てもよい。
【0013】
本発明に係る香水収納袋は、使用者が窓部の第1の領域まで窓部を開き、該第1の領域から香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能である。更に、香水の香りが使用者の好みの香りであった場合、使用者が第2の領域まで窓部を開き、窓部を介して香水部の香水を任意の場所に付け、香りを楽しむことが可能である。尚、本発明に係る香水収納袋は、香水の香りが使用者の好みの香りであった場合、開口部から香水部を取り出すことにより、香水部を体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことも可能である。また、第1の領域よりも第2の領域の方が開き難くなっている。その結果、本発明に係る香水収納袋は、香水部の香水の香りを嗅ぐ際に、第1の領域まで開き易くし、第2の領域まで開くことを防ぐ事が可能である。従って、本発明に係る香水収納袋は、使用者が香水部の香水の香りを嗅ぐ際に、窓部が小さい領域の状態で香りを嗅ぐことが可能であるため、香水部の香水の香りが手等に付着し難くなる。以上により、本発明に係る香水収納袋は、香水の香りを嗅ぐ目的と、香水を任意の場所に付けて香りを楽しむ目的とに応じて、窓部が外部に露出する面積を変更することが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、香水が使用者に付着しないように、香水の香りを嗅ぐことができる香水収納袋を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の香りシートが密閉された容器を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示す正面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示す図2のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が開いた状態を示す正面図である。
【図6】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が開いた状態を示す図5のB−B断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る香水収納袋の香水部が取り出された状態を示す正面図である。
【図8】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が閉じられた状態を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示すC−C断面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が第1の領域まで開いた状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が第2の領域まで開いた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本発明の香水収納袋の実施の形態について図面に基づいて説明する。以下に示す実施例は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0017】
〔香水収納袋1の構造〕
本発明の実施例1に係る香水収納袋1の各構成について説明する。本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、図2に示すように、香水部5、袋体部2、窓部3及び切欠部4を主な構成とする。以下、各構成について具体的に説明する。
【0018】
先ず、香水部5について説明する。香水部5は、香水が含浸されたシート状のものである。香水部5は、例えば、短冊状の紙であり、香りを試すための試香紙である。試香紙は、紙自体に匂いがなく無臭であり、揮発性の高い香りでも長時間保持する保香性があり、紙全体に平均した吸液性があり、液体を含んでも曲がらない強度を持つ紙である。尚、香水部5は、試香紙に限定されない。本発明の実施例1に係る香水収納袋1の香水部5は、図3に示すように、香水部5の端部8に香水が含浸されている。
【0019】
袋体部2は、香水部5を密閉する。袋体部2は、図2及び図4に示すように、香水部5全体を覆うように形成され、薄い形状である。また、袋体部2は、アルミ積層フィルムによって形成されており、香水部5の香りが外部に放出しないため、使用者が袋体部2を触っても香水の香りが手に付着することはない。
【0020】
窓部3は、図2及び図4に示すように、孔部32と蓋部31を有する。孔部32は、袋
体部2の上面7の端部に設けられた略長方形の孔である。孔部32から袋体部2に密閉されている香水部5の一部が外部に露出する。尚、孔部32は、香水が含浸されている香水部5の端部8に面して設けられ、孔部32から香水部5の最も香水の香りがする部分の香りを嗅ぐことが可能である。
【0021】
蓋部31は、図2に示すように、略長方形であり、孔部32の孔全体を覆うことが可能である。蓋部31が孔部32を覆うことにより、孔部32から外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。また、蓋部31は、孔部32周辺と対応する部分に粘着材が塗布される粘着部を有し、孔部32に対して開閉可能である。蓋部31は、再剥離可能なアルミ積層フィルムや、透明な樹脂シート等によって形成される。更に、蓋部31には袋体部2の中心方向に位置する短い一辺に舌片33が形成されている。その結果、蓋部31を開閉する際、使用者が舌片33を持つことによって開閉しやすくなる。尚、舌片33の位置は使用者が蓋部31を開閉し易ければ特に限定されない。
【0022】
切欠部4について説明する。切欠部4は、図2に示すように、窓部3が設けられる側と反対側であって、袋体部2の長手方向の辺の端部に設けられる。切欠部4は、袋体部2の一辺に三角形の切り口をつけたものであり、袋体部2の一部を切り取ることにより、図7に示すように、香水部5を袋体部2から取り出す開口部6を形成する。尚、切欠部4は、開口部6を形成し、香水部5を袋体部2から取り出すことができれば、形状、個数、位置等は限定されない。
【0023】
〔香水収納袋1の使用方法〕
本発明の実施例1に係る香水収納袋1の使用方法について説明する。使用者が香水の香りを試す際、図5及び図6に示すように、窓部3の蓋部31を開ける。蓋部31に覆われていた孔部32から、袋体部2に密閉されていた香水部5の一部が外部に露出する。使用者は、袋体部2を手で持ち、孔部32に鼻を近づけて香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。従って、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水部5の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能である。また、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、香水が手に付かないので、手洗い等をして手に付着した香水を取り除く必要が無い。更に、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水部5の香水の香りが少なくなった場合であっても、孔部32を介して香水部5に香水を補充することが可能であり、何度でも香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0024】
また、使用者が香水部5の香水の香りを嗅いだ後、図2及び図4に示すように、蓋部31を閉じることにより、外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、使用者が香水の香りを嗅ぎたい時だけ蓋部31を開き、それ以外の時は蓋部31を閉じることが可能であるため、香水部5の香水が蒸発することを防ぐことが可能である。従って、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、使用者が長期間何度も香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0025】
更に、使用者が香水部5の香水の香りが気に入った香りであった場合、図7に示すように、切欠部4によって袋体部2の一部を切り取り、香水部5を袋体部2から取り出す開口部6を形成する。開口部6から香水部5を取り出すことにより、使用者が香水部5を体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことが可能である。尚、本発明の実施例1に係る香水収納袋は、安価で簡易な構成であるため、香水やオーデコロン等の試供品に適している。
【0026】
以上により、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水の香りを確認する際に香水が使用者に付かないように、香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【実施例2】
【0027】
〔香水収納袋10の構造〕
本発明の実施例2に係る香水収納袋10について説明する。本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、図8及び図9に示すように、香水部5、袋体部2及び窓部3を主な構成とする。以下、実施例1に係る香水収納袋10との構成の違いを中心に、各構成について具体的に説明する。
【0028】
先ず、香水部5について説明する。香水部5は、略長方形の柔らかい素材のコットン等の綿織物や、不織布等であり、シート状である。香水部5には、香水が全体に含浸されている。尚、本発明の実施例1に係る香水収納袋10において用いられる試香紙等でもよい。
【0029】
袋体部2は、図8及び図9に示すように、香水部5を密閉し、香水部5全体を覆うように形成されるピロー袋等であり、薄い形状である。また、袋体部2は、アルミ積層フィルムによって形成されており、香水部5の香りが外部に放出しないため、使用者が袋体部2を触っても香水の香りが手に付着することはない。
【0030】
窓部3は、孔部32と蓋部31を有する。孔部32は、図8に示すように、袋体部2の上面7の中心に設けられた略長方形の孔である。袋体部2に密閉されている香水部5の一部が孔部32から外部に露出する。
【0031】
蓋部31は、図8に示すように、略長方形の形状であり、孔部32の孔全体を覆う略長方形の形状である。蓋部31が孔部32を覆うことにより、孔部32から外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。また、蓋部31は、孔部32周辺と対応する部分に粘着材が塗布される粘着部を有し、孔部32に対して開閉可能である。蓋部31は、再剥離可能なアルミ積層フィルムや、透明な樹脂シート等によって形成される。更に、蓋部31には袋体部2の中心方向に位置する短い一辺に舌片33が形成されている。その結果、蓋部31を開閉する際、使用者が舌片33を持つことによって開閉しやすくなる。尚、舌片33の位置は使用者が蓋部31を開閉し易ければ特に限定されない。
【0032】
また、窓部3は、図10及び図11に示すように、第1の領域34と第2の領域35を有する。第1の領域34は、図10に示すように、蓋部31の一部が開くことにより形成され、使用者が香水部5の香水の香りを嗅ぐための領域である。尚、第1の領域34は、孔部32が一部露出するように蓋部31を開くことにより形成される。次に、第2の領域35は、図11に示すように、蓋部31が第1の領域34よりも更に開くことにより形成される。第1の領域34と第2の領域35とを合わせることにより、使用者が任意の場所に香水部5の香水を付けるための領域となる。
【0033】
〔香水収納袋10の使用方法〕
本発明の実施例2に係る香水収納袋10の使用方法について説明する。使用者が香水の香りを試す際、図10に示すように、蓋部31を第1の領域34まで開ける。蓋部31に覆われていた孔部32から、袋体部2に密閉されていた香水部5の一部が外部に露出する。使用者は、袋体部2を手で持ち、孔部32に鼻を近づけて香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。その結果、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、香水部5の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能である。従って、本発明の実施例1に係る香水収納袋10は、香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、香水が手に付かないので、手洗い等をして手に付着した香水を取り除く必要が無い。更に、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、香水部5の香水の香りが少なくなった場合であっても、孔部32を介して香水部5に香水を補充することが可能であり、何度で
も香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0034】
また、使用者が香水部5の香水の香りを嗅いだ後、図8に示すように、蓋部31を閉じることにより、外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、使用者が香水の香りを嗅ぎたい時だけ蓋部31を開き、それ以外の時は蓋部31を閉じることが可能であるため、香水部5の香水が蒸発するのを防ぐ。従って、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、使用者が長期間何度も香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。尚、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、例えば、デパートの香水のディスプレイに適している。具体的に説明すると、デパートには大勢のお客様が来られ、お客様が気になる香水の香りを嗅ぐために、何度も香水の香りを確かめる可能性がある。香水収納袋10は、蓋部31を閉めることで香水部5の香水の香りが辺りに充満しにくくなり、香水部5の香水が蒸発してしまった場合であっても、孔部32を介して香水部5に香水を補充することが可能であるため、非常に便利である。
【0035】
更に、使用者が香水部5の香水の香りが気に入った香りであり、使用してみたい場合、図11に示すように、蓋部31を第2の領域35まで開ける。蓋部31に覆われていた一部の孔部32が露出し、外部に露出する香水部5の面積が広くなる。使用者は、袋体部2を手で持ち、外部に露出した香水部5を使用者の体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことが可能である。また、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、孔部32から香水部5を取り出すことが可能であり、取り出した香水部5を直接手で持って、香水部5を使用者の体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことも可能である。
【実施例3】
【0036】
本発明の実施例3に係る香水収納袋20について説明する。本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、本発明の実施例2に係る香水収納袋20とほぼ同じ構成であるため、実施例2に係る香水収納袋10との違いを説明する。本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、窓部3の第1の領域34よりも第2の領域35の方が開き難い。具体的に説明すると、第1の領域34に対応する蓋部31に塗布される粘着部よりも、第2の領域35に対応する蓋部31に塗布される粘着部の粘度を強める。その結果、本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、香水部5の香水の香りを嗅ぐ際に、第1の領域34まで開き易くし、第2の領域35まで開くことを防ぐ。従って、本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、使用者が香水部5の香水の香りを嗅ぐ際に、窓部3が小さい領域の状態で香りを嗅ぐことが可能であるため、香水部5の香水の香りが手に付着し難くなる。
【符号の説明】
【0037】
1、10、20・・・香水収納袋
2・・・袋体部
3・・・窓部
31・・・蓋部
32・・・孔部
33・・・舌片
34・・・第1の領域
35・・・第2の領域
4・・・切欠部
5・・・香水部
6・・・開口部
100・・・容器
200・・・切り込み
300・・・香りシート
400・・・先端部
500・・・香りシート
【技術分野】
【0001】
本発明は、香水収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、体や衣類等に付ける香水やオーデコロン等(以下、香水と称する)の形態は、スプレータイプやスポイトタイプである。また、使用者は、香水の香りを嗅いで、香りを確認してから香水を購入することが殆どである。従来、使用者が香水の香りを嗅いで香りを確認するための試供品等の形態は、数ミリリットルの香水が入った小さな蓋の付いた小瓶や、圧によって噴霧される噴霧容器(特許文献1及び2を参照)が挙げられる。更に、図1に示すように、試香紙や不織布等に香水が含浸された香りシート300が密閉された容器100が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−24844号公報
【特許文献2】特表2002−515381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、使用者が試供品等の香水の香りを嗅いで香りを確認する際、小瓶の場合は小さな蓋を開けるため扱いにくく、瓶の中に入った香水が手に付いてしまうことがある。また、噴霧容器の場合は圧を加えることにより空気中に香水が噴霧されるため、香水が体についてしまうことがある。他に、図1に示すように、香りシート300が密閉された容器100の場合は、四方袋500の端部に設けられた切り欠き200から四方袋500の端部を切り取り、四方袋500から香りシート300を取り出す。更に、香りシート300の端部400に香水が含浸されており、香水が端部400だけでなく、香りシート300全体に染み込んでしまう。その結果、香りシート300を手で取り出す際に、香水が手に付着してしまうことがある。香水は、各自それぞれに嗜好がある。嗅いだ香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、いつまでも手から好みではない香りがするため使用者は不快である。従って、使用者は手洗い等をして付着した香水を取り除く必要があり、面倒である。
【0005】
そこで、本発明は、香水が使用者に付着しないように、香水の香りを嗅ぐことができる香水収納袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、使用者が香水部の香水の香りを嗅ぐための窓部を設ける点を工夫した。これにより、香水部の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能な香水収納袋を提供することが可能である。
【0007】
詳細には、本発明は、香水が含浸されたシート状の香水部を密閉する袋体部と、前記袋体部に設けられ、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための窓部と、を備え、前記窓部は、開くことにより前記袋体部に密閉された前記香水部の一部が外部に露出し、使用者が該香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能であり、閉じることにより外部に露出した該香水部が隠れ、該袋体部が密閉された状態となる、香水収納袋である。
【0008】
香水収納袋は、袋体部と、窓部を備える。袋体部は、香水部を密閉することにより、香
水部の香りが外部に放出しないため、使用者が袋体部を触っても香水の香りが手に付着することはない。窓部は、開くことにより袋体部に密閉された香水部の一部が外部に露出する。使用者は、外部に露出した香水部の一部から香水の香りを嗅ぐことが可能である。その結果、本発明に係る香水収納袋は、香水部の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能である。従って、本発明に係る香水収納袋は、香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、香水が手に付かないので、手洗い等をして手に付着した香水を取り除く必要が無い。また、本発明に係る香水収納袋は、使用者が窓部を開くだけで香水の香りを嗅ぐことが可能であるため、袋体部の端部を切って香水部を取り出す等の面倒な作業がなく、取扱いやすい。更に、本発明に係る香水収納袋は、香水部の香水の香りが少なくなった場合であっても、開いた窓部を介して香水部に香水を補充することが可能であり、何度でも香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0009】
また、窓部は、閉じることにより外部に露出した香水部が隠れ、袋体部が密閉された状態となる。本発明に係る香水収納袋は、使用者が香水の香りを嗅ぎたい時だけ窓部を開き、それ以外の時は窓部を閉じることが可能であるため、香水部の香水が蒸発することを防ぐ。従って、本発明に係る香水収納袋は、使用者が長期間何度も香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能である。尚、長期間何度も使用する場合とは、例えば、デパートの香水のディスプレイである。更に、本発明に係る香水収納袋は、安価で簡易な構成であるため、香水やオーデコロン等の試供品に適している。
【0010】
また、本発明に係る香水収納袋は、前記袋体部に設けられ、該袋体部の一部を切り取ることにより前記香水部を該袋体部から取り出す開口部を形成する切欠部を更に備えてもよい。
【0011】
使用者は、窓部から嗅いだ香水部の香水の香りが好みのものであり、使用してみたい場合、切欠部が袋体部の一部を切り取ることにより、香水部を袋体部から取り出す開口部が形成される。その結果、使用者は、開口部から香水部を取り出すことにより、香水部を体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことが可能である。
【0012】
更に、本発明に係る香水収納袋において、前記窓部は、前記窓部の一部分を開くことにより形成され、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための領域である第1の領域と、前記第1の領域よりも更に前記窓部を開くことにより形成される第2の領域と、を有し、前記第1の領域と前記第2の領域とを合わせることにより、使用者が任意の場所に前記香水部の香水を付けるための領域となり、該第1の領域よりも該第2の領域の方が開き難く
てもよい。
【0013】
本発明に係る香水収納袋は、使用者が窓部の第1の領域まで窓部を開き、該第1の領域から香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能である。更に、香水の香りが使用者の好みの香りであった場合、使用者が第2の領域まで窓部を開き、窓部を介して香水部の香水を任意の場所に付け、香りを楽しむことが可能である。尚、本発明に係る香水収納袋は、香水の香りが使用者の好みの香りであった場合、開口部から香水部を取り出すことにより、香水部を体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことも可能である。また、第1の領域よりも第2の領域の方が開き難くなっている。その結果、本発明に係る香水収納袋は、香水部の香水の香りを嗅ぐ際に、第1の領域まで開き易くし、第2の領域まで開くことを防ぐ事が可能である。従って、本発明に係る香水収納袋は、使用者が香水部の香水の香りを嗅ぐ際に、窓部が小さい領域の状態で香りを嗅ぐことが可能であるため、香水部の香水の香りが手等に付着し難くなる。以上により、本発明に係る香水収納袋は、香水の香りを嗅ぐ目的と、香水を任意の場所に付けて香りを楽しむ目的とに応じて、窓部が外部に露出する面積を変更することが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、香水が使用者に付着しないように、香水の香りを嗅ぐことができる香水収納袋を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の香りシートが密閉された容器を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示す正面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示す図2のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が開いた状態を示す正面図である。
【図6】本発明の実施例1に係る香水収納袋の窓部が開いた状態を示す図5のB−B断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る香水収納袋の香水部が取り出された状態を示す正面図である。
【図8】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が閉じられた状態を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が閉じた状態を示すC−C断面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が第1の領域まで開いた状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例2に係る香水収納袋の窓部が第2の領域まで開いた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本発明の香水収納袋の実施の形態について図面に基づいて説明する。以下に示す実施例は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0017】
〔香水収納袋1の構造〕
本発明の実施例1に係る香水収納袋1の各構成について説明する。本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、図2に示すように、香水部5、袋体部2、窓部3及び切欠部4を主な構成とする。以下、各構成について具体的に説明する。
【0018】
先ず、香水部5について説明する。香水部5は、香水が含浸されたシート状のものである。香水部5は、例えば、短冊状の紙であり、香りを試すための試香紙である。試香紙は、紙自体に匂いがなく無臭であり、揮発性の高い香りでも長時間保持する保香性があり、紙全体に平均した吸液性があり、液体を含んでも曲がらない強度を持つ紙である。尚、香水部5は、試香紙に限定されない。本発明の実施例1に係る香水収納袋1の香水部5は、図3に示すように、香水部5の端部8に香水が含浸されている。
【0019】
袋体部2は、香水部5を密閉する。袋体部2は、図2及び図4に示すように、香水部5全体を覆うように形成され、薄い形状である。また、袋体部2は、アルミ積層フィルムによって形成されており、香水部5の香りが外部に放出しないため、使用者が袋体部2を触っても香水の香りが手に付着することはない。
【0020】
窓部3は、図2及び図4に示すように、孔部32と蓋部31を有する。孔部32は、袋
体部2の上面7の端部に設けられた略長方形の孔である。孔部32から袋体部2に密閉されている香水部5の一部が外部に露出する。尚、孔部32は、香水が含浸されている香水部5の端部8に面して設けられ、孔部32から香水部5の最も香水の香りがする部分の香りを嗅ぐことが可能である。
【0021】
蓋部31は、図2に示すように、略長方形であり、孔部32の孔全体を覆うことが可能である。蓋部31が孔部32を覆うことにより、孔部32から外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。また、蓋部31は、孔部32周辺と対応する部分に粘着材が塗布される粘着部を有し、孔部32に対して開閉可能である。蓋部31は、再剥離可能なアルミ積層フィルムや、透明な樹脂シート等によって形成される。更に、蓋部31には袋体部2の中心方向に位置する短い一辺に舌片33が形成されている。その結果、蓋部31を開閉する際、使用者が舌片33を持つことによって開閉しやすくなる。尚、舌片33の位置は使用者が蓋部31を開閉し易ければ特に限定されない。
【0022】
切欠部4について説明する。切欠部4は、図2に示すように、窓部3が設けられる側と反対側であって、袋体部2の長手方向の辺の端部に設けられる。切欠部4は、袋体部2の一辺に三角形の切り口をつけたものであり、袋体部2の一部を切り取ることにより、図7に示すように、香水部5を袋体部2から取り出す開口部6を形成する。尚、切欠部4は、開口部6を形成し、香水部5を袋体部2から取り出すことができれば、形状、個数、位置等は限定されない。
【0023】
〔香水収納袋1の使用方法〕
本発明の実施例1に係る香水収納袋1の使用方法について説明する。使用者が香水の香りを試す際、図5及び図6に示すように、窓部3の蓋部31を開ける。蓋部31に覆われていた孔部32から、袋体部2に密閉されていた香水部5の一部が外部に露出する。使用者は、袋体部2を手で持ち、孔部32に鼻を近づけて香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。従って、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水部5の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能である。また、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、香水が手に付かないので、手洗い等をして手に付着した香水を取り除く必要が無い。更に、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水部5の香水の香りが少なくなった場合であっても、孔部32を介して香水部5に香水を補充することが可能であり、何度でも香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0024】
また、使用者が香水部5の香水の香りを嗅いだ後、図2及び図4に示すように、蓋部31を閉じることにより、外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、使用者が香水の香りを嗅ぎたい時だけ蓋部31を開き、それ以外の時は蓋部31を閉じることが可能であるため、香水部5の香水が蒸発することを防ぐことが可能である。従って、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、使用者が長期間何度も香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0025】
更に、使用者が香水部5の香水の香りが気に入った香りであった場合、図7に示すように、切欠部4によって袋体部2の一部を切り取り、香水部5を袋体部2から取り出す開口部6を形成する。開口部6から香水部5を取り出すことにより、使用者が香水部5を体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことが可能である。尚、本発明の実施例1に係る香水収納袋は、安価で簡易な構成であるため、香水やオーデコロン等の試供品に適している。
【0026】
以上により、本発明の実施例1に係る香水収納袋1は、香水の香りを確認する際に香水が使用者に付かないように、香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【実施例2】
【0027】
〔香水収納袋10の構造〕
本発明の実施例2に係る香水収納袋10について説明する。本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、図8及び図9に示すように、香水部5、袋体部2及び窓部3を主な構成とする。以下、実施例1に係る香水収納袋10との構成の違いを中心に、各構成について具体的に説明する。
【0028】
先ず、香水部5について説明する。香水部5は、略長方形の柔らかい素材のコットン等の綿織物や、不織布等であり、シート状である。香水部5には、香水が全体に含浸されている。尚、本発明の実施例1に係る香水収納袋10において用いられる試香紙等でもよい。
【0029】
袋体部2は、図8及び図9に示すように、香水部5を密閉し、香水部5全体を覆うように形成されるピロー袋等であり、薄い形状である。また、袋体部2は、アルミ積層フィルムによって形成されており、香水部5の香りが外部に放出しないため、使用者が袋体部2を触っても香水の香りが手に付着することはない。
【0030】
窓部3は、孔部32と蓋部31を有する。孔部32は、図8に示すように、袋体部2の上面7の中心に設けられた略長方形の孔である。袋体部2に密閉されている香水部5の一部が孔部32から外部に露出する。
【0031】
蓋部31は、図8に示すように、略長方形の形状であり、孔部32の孔全体を覆う略長方形の形状である。蓋部31が孔部32を覆うことにより、孔部32から外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。また、蓋部31は、孔部32周辺と対応する部分に粘着材が塗布される粘着部を有し、孔部32に対して開閉可能である。蓋部31は、再剥離可能なアルミ積層フィルムや、透明な樹脂シート等によって形成される。更に、蓋部31には袋体部2の中心方向に位置する短い一辺に舌片33が形成されている。その結果、蓋部31を開閉する際、使用者が舌片33を持つことによって開閉しやすくなる。尚、舌片33の位置は使用者が蓋部31を開閉し易ければ特に限定されない。
【0032】
また、窓部3は、図10及び図11に示すように、第1の領域34と第2の領域35を有する。第1の領域34は、図10に示すように、蓋部31の一部が開くことにより形成され、使用者が香水部5の香水の香りを嗅ぐための領域である。尚、第1の領域34は、孔部32が一部露出するように蓋部31を開くことにより形成される。次に、第2の領域35は、図11に示すように、蓋部31が第1の領域34よりも更に開くことにより形成される。第1の領域34と第2の領域35とを合わせることにより、使用者が任意の場所に香水部5の香水を付けるための領域となる。
【0033】
〔香水収納袋10の使用方法〕
本発明の実施例2に係る香水収納袋10の使用方法について説明する。使用者が香水の香りを試す際、図10に示すように、蓋部31を第1の領域34まで開ける。蓋部31に覆われていた孔部32から、袋体部2に密閉されていた香水部5の一部が外部に露出する。使用者は、袋体部2を手で持ち、孔部32に鼻を近づけて香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。その結果、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、香水部5の香水の香りが手に付着することなく、香水の香りを嗅ぐことが可能である。従って、本発明の実施例1に係る香水収納袋10は、香水の香りが使用者の好みではない香りであった場合、香水が手に付かないので、手洗い等をして手に付着した香水を取り除く必要が無い。更に、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、香水部5の香水の香りが少なくなった場合であっても、孔部32を介して香水部5に香水を補充することが可能であり、何度で
も香水の香りを嗅ぐことが可能である。
【0034】
また、使用者が香水部5の香水の香りを嗅いだ後、図8に示すように、蓋部31を閉じることにより、外部に露出した香水部5が隠れ、袋体部2が密閉された状態となる。本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、使用者が香水の香りを嗅ぎたい時だけ蓋部31を開き、それ以外の時は蓋部31を閉じることが可能であるため、香水部5の香水が蒸発するのを防ぐ。従って、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、使用者が長期間何度も香水部5の香水の香りを嗅ぐことが可能である。尚、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、例えば、デパートの香水のディスプレイに適している。具体的に説明すると、デパートには大勢のお客様が来られ、お客様が気になる香水の香りを嗅ぐために、何度も香水の香りを確かめる可能性がある。香水収納袋10は、蓋部31を閉めることで香水部5の香水の香りが辺りに充満しにくくなり、香水部5の香水が蒸発してしまった場合であっても、孔部32を介して香水部5に香水を補充することが可能であるため、非常に便利である。
【0035】
更に、使用者が香水部5の香水の香りが気に入った香りであり、使用してみたい場合、図11に示すように、蓋部31を第2の領域35まで開ける。蓋部31に覆われていた一部の孔部32が露出し、外部に露出する香水部5の面積が広くなる。使用者は、袋体部2を手で持ち、外部に露出した香水部5を使用者の体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことが可能である。また、本発明の実施例2に係る香水収納袋10は、孔部32から香水部5を取り出すことが可能であり、取り出した香水部5を直接手で持って、香水部5を使用者の体や衣類等の使用者の任意の部分に付けて、香りを楽しむことも可能である。
【実施例3】
【0036】
本発明の実施例3に係る香水収納袋20について説明する。本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、本発明の実施例2に係る香水収納袋20とほぼ同じ構成であるため、実施例2に係る香水収納袋10との違いを説明する。本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、窓部3の第1の領域34よりも第2の領域35の方が開き難い。具体的に説明すると、第1の領域34に対応する蓋部31に塗布される粘着部よりも、第2の領域35に対応する蓋部31に塗布される粘着部の粘度を強める。その結果、本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、香水部5の香水の香りを嗅ぐ際に、第1の領域34まで開き易くし、第2の領域35まで開くことを防ぐ。従って、本発明の実施例3に係る香水収納袋20は、使用者が香水部5の香水の香りを嗅ぐ際に、窓部3が小さい領域の状態で香りを嗅ぐことが可能であるため、香水部5の香水の香りが手に付着し難くなる。
【符号の説明】
【0037】
1、10、20・・・香水収納袋
2・・・袋体部
3・・・窓部
31・・・蓋部
32・・・孔部
33・・・舌片
34・・・第1の領域
35・・・第2の領域
4・・・切欠部
5・・・香水部
6・・・開口部
100・・・容器
200・・・切り込み
300・・・香りシート
400・・・先端部
500・・・香りシート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香水が含浸されたシート状の香水部を密閉する袋体部と、
前記袋体部に設けられ、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための窓部と、を備え、
前記窓部は、開くことにより前記袋体部に密閉された前記香水部の一部が外部に露出し、使用者が該香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能であり、閉じることにより外部に露出した該香水部が隠れ、該袋体部が密閉された状態となる、
香水収納袋。
【請求項2】
前記袋体部に設けられ、該袋体部の一部を切り取ることにより前記香水部を該袋体部から取り出す開口部を形成する切欠部を更に備える、
請求項1に記載の香水収納袋。
【請求項3】
前記窓部は、
前記窓部の一部分を開くことにより形成され、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための領域である第1の領域と、
前記第1の領域よりも更に前記窓部を開くことにより形成される第2の領域と、を有し、
前記第1の領域と前記第2の領域とを合わせることにより、使用者が任意の場所に前記香水部の香水を付けるための領域となり、該第1の領域よりも該第2の領域の方が開き難
い、
請求項1に記載の香水収納袋。
【請求項1】
香水が含浸されたシート状の香水部を密閉する袋体部と、
前記袋体部に設けられ、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための窓部と、を備え、
前記窓部は、開くことにより前記袋体部に密閉された前記香水部の一部が外部に露出し、使用者が該香水部の香水の香りを嗅ぐことが可能であり、閉じることにより外部に露出した該香水部が隠れ、該袋体部が密閉された状態となる、
香水収納袋。
【請求項2】
前記袋体部に設けられ、該袋体部の一部を切り取ることにより前記香水部を該袋体部から取り出す開口部を形成する切欠部を更に備える、
請求項1に記載の香水収納袋。
【請求項3】
前記窓部は、
前記窓部の一部分を開くことにより形成され、使用者が前記香水部の香水の香りを嗅ぐための領域である第1の領域と、
前記第1の領域よりも更に前記窓部を開くことにより形成される第2の領域と、を有し、
前記第1の領域と前記第2の領域とを合わせることにより、使用者が任意の場所に前記香水部の香水を付けるための領域となり、該第1の領域よりも該第2の領域の方が開き難
い、
請求項1に記載の香水収納袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−157499(P2012−157499A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18739(P2011−18739)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】
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