説明

駆動電圧供給回路、表示装置

【課題】ソース線の間で電荷再分配を効率良く実行する。
【解決手段】駆動電圧生成部(101)は、第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値をn個の駆動電圧(VD1,VD2,…,VDn)に変換する。画素値格納部(102)は、第h−1番目の水平期間に対応するn個の現画素値をn個の前画素値として格納する。チャージシェア制御部(103)は、画素値格納部(102)に格納されたn個の前画素値から第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値へそれぞれ向かうn個の画素ベクトルの分布に基づいて、ソース線(SL1,SL2,…,SLn)の各々について、そのソース線を短絡線(STL1,STL2,…,STLk)のうちどの短絡線に割り当てるのか、または、そのソース線を短絡線のいずれにも割り当てないのかを決定する。接続切替部(104)は、短絡線(STL1,STL2,…,STLk)の各々に割り当てられたソース線をその短絡線に電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の駆動電圧を複数のソース線にそれぞれ供給する駆動電圧供給回路に関し、さらに詳しくは、複数のソース線の間で電荷を再分配するチャージシェア技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型の表示装置などにおいて、1水平期間毎に与えられるn個(nは、2以上の整数)の画素値に応じたn個の駆動電圧を表示パネルに設けられたn本のソース線にそれぞれ供給する駆動電圧供給回路(例えば、ソースドライバ)が利用されている。n本のソース線にそれぞれ供給されたn個の駆動電圧は、n本のソース線に寄生する寄生容量や表示パネルの画素部に設けられた表示素子(例えば、液晶素子)の充放電によって消費される。n本のソース線における消費電力を削減するために、ドット反転駆動方式を採用した表示装置では、チャージシェア技術が利用されている(例えば、特許文献1など)。ここで、ドット反転駆動方式とは、1本のソース線毎にn個の駆動電圧の極性(コモン電圧に対する極性)を反転させるとともに1水平期間毎にn個の駆動電圧の極性を反転させる駆動方式のことである。また、チャージシェア技術とは、第h番目の水平期間においてn個の駆動電圧の極性を反転させる場合に、第h番目の水平期間においてn個の駆動電圧がn本のソース線にそれぞれ供給される前に、n本のソース線を全て同時に短絡させてn本のソース線の間で電荷を再分配することにより、n本のソース線の電圧をコモン電圧付近に変化させる技術のことである。この技術により、第h番目の水平期間におけるn本のソース線の電圧変動量を削減でき、その結果、n本のソース線における消費電力を削減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−222072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のチャージシェア技術では、n個の駆動電圧の極性を反転させることを前提としているので、n個の駆動電圧の極性を反転させない場合にはn本のソース線の電圧変動量を削減できない可能性がある。例えば、第h番目の水平期間においてn個の駆動電圧の極性を反転させない場合、第h番目の水平期間においてn個の駆動電圧がn本のソース線にそれぞれ供給される前に、従来のチャージシェア処理(n本のソース線を全て同時に短絡させる処理)を実行したとしても、n本のソース線の電圧の変化方向や変化量に偏りがある場合には、第h番目の水平期間におけるn本のソース線の電圧変動量を削減できない場合がある。このように、従来のチャージシェア技術では、n個の駆動電圧の極性を反転させない場合にn本のソース線の間で電荷再分配を効率良く実行することが困難である。
【0005】
また、近年では、P本(Pは、1以上の整数)のソース線毎にn個の駆動電圧の極性を反転させるとともにQ個(Qは、2以上の整数)の水平期間毎にn個の駆動電圧の極性を反転させるドット反転駆動方式(以下、P×Qドット反転駆動方式)が主流になってきている。P×Qドット反転駆動方式の場合、1水平期間毎ではなくQ個の水平期間毎にチャージシェア処理(n本のソース線を全て同時に短絡させる処理)が実行されることになるため、チャージシェア処理を実行する回数が少なくなる傾向にある。したがって、n本のソース線における消費電力を削減するためには、n個の駆動電圧の極性を反転させない場合においてもn本のソース線の間で電荷再分配を効率良く実行することが重要となりつつある。
【0006】
そこで、この発明は、n個の駆動電圧の極性を反転させない場合であってもn本のソース線の間で電荷再分配を効率良く実行できる駆動電圧供給回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の1つの局面に従うと、駆動電圧供給回路は、1水平期間毎に、n本(nは、2以上の整数)のソース線にそれぞれ対応するn個の現画素値が与えられ、当該n個の現画素値に応じたn個の駆動電圧を上記n本のソース線にそれぞれ供給する回路であって、第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値を上記n個の駆動電圧に変換する駆動電圧生成部と、第h−1番目の水平期間に対応するn個の現画素値をn個の前画素値として格納する画素値格納部と、複数の短絡線と、画素値を示した数直線上において上記画素値格納部に格納されたn個の前画素値から上記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値へそれぞれ向かうn個の画素ベクトルの分布に基づいて、上記n本のソース線の各々について、当該ソース線を上記複数の短絡線のうちどの短絡線に割り当てるのか、または、当該ソース線を上記複数の短絡線のいずれにも割り当てないのかを決定するチャージシェア制御部と、上記チャージシェア制御部によって上記複数の短絡線の各々に割り当てられたソース線を当該短絡線に電気的に接続する接続切替部とを備える。
【0008】
上記駆動電圧供給回路では、n本のソース線を全て同時に短絡させる場合よりも、n本のソース線の電圧変動量の総和を削減できる可能性を高めることができる。このように、n個の駆動電圧の極性を反転させない場合であってもn本のソース線の間で電荷再分配を効率良く実行できる。
【0009】
また、上記複数の短絡線の各々には、上記数直線上において当該短絡線に対応する目標値からそれぞれの終点値までの距離がそれぞれの始点値から終点値までの距離よりも短い複数の第1候補ベクトルおよび複数の第2候補ベクトルが対応付けられており、上記複数の短絡線の各々に対応付けられた複数の第2候補ベクトルの始点値は、当該短絡線に対応する目標値を軸として当該短絡線に対応付けられた複数の第1候補ベクトルの始点値に対してそれぞれ対称的な位置に配置され、上記チャージシェア制御部は、上記n本のソース線の各々について、当該ソース線に対応する前画素値から現画素値へ向かう画素ベクトルが上記複数の短絡線のいずれか1つに対応付けられた複数の第1候補ベクトルおよび複数の第2候補ベクトルのいずれか1つに一致する場合に、当該ソース線を当該短絡線に割り当てても良い。
【0010】
上記駆動電圧供給回路では、短絡線に割り当てられたソース線に対応する前画素値の平均値が短絡線に対応する目標値に近くなる(または、一致する)可能性を高めることができる。これにより、短絡線に割り当てられたソース線に対応する短絡ベクトル(前画素値の平均値から現画素値へ向かうベクトル)の絶対値和が画素ベクトル(前画素値から現画素値へ向かうベクトル)の絶対値和よりも小さくなる可能性を高めることができる。すなわち、n本のソース線の電圧変動量の総和を削減できる可能性を高めることができる。
【0011】
なお、上記画素値格納部は、上記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の格納部を含み、上記チャージシェア制御部は、上記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の制御部を含み、上記n個の格納部の各々は、上記第h−1番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該格納部に対応する現画素値を前画素値として格納し、上記n個の制御部の各々は、上記数直線上において上記n個の格納部のうち当該制御部に対応する格納部に格納された前画素値から上記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該制御部に対応する現画素値に向かう画素ベクトルが上記複数の短絡線のいずれか1つに対応付けられた複数の第1の候補ベクトルおよび複数の第2の候補ベクトルのいずれか1つに一致する場合に、当該制御部に対応するソース線を当該短絡線に割り当てても良い。
【0012】
また、上記駆動電圧供給回路は、割当制御部と、制御切替部とをさらに備え、上記割当制御部は、上記複数の短絡線にそれぞれ対応する複数の短絡グループの各々において、当該短絡グループに割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値の平均値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の短絡ベクトルの絶対値和が、当該複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該ソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の画素ベクトルの絶対値和よりも小さくなるように、上記n本のソース線の各々について、当該ソース線を上記複数の短絡グループのうちどの短絡グループに割り当てるのか、または、当該ソース線を上記複数の短絡グループのいずれにも割り当てないのかを決定するグループ割当処理を実行し、上記制御切替部は、上記グループ割当処理が実行された場合には、上記割当制御部によって上記複数の短絡グループの各々に割り当てられたソース線が当該短絡グループに対応する短絡線に電気的に接続されるように上記接続切替部を制御し、上記グループ割当処理が実行されない場合には、上記n個の制御部によって上記複数の短絡線の各々に割り当てられたソース線が当該短絡線に電気的に接続されるように上記接続切替部を制御しても良い。
【0013】
なお、上記割当制御部は、上記複数の短絡グループのうち少なくとも1つにおいて当該短絡グループに割り当てられたソース線の本数が最大になるように、上記グループ割当処理を実行しても良い。
【0014】
または、上記割当制御部は、上記複数の短絡グループのうち少なくとも1つにおいて当該短絡グループに割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該短絡グループに対応する目標値へそれぞれ向かう複数の目標ベクトルの和が最小になるように、上記グループ割当処理を実行しても良い。
【0015】
なお、上記駆動電圧供給回路は、上記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の調整部をさらに備え、上記駆動電圧生成部は、上記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の駆動部を含み、上記n個の駆動部の各々は、上記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該駆動部に対応する現画素値を上記駆動電圧に変換し、上記n個の調整部の各々は、上記n個の制御部のうち当該調整部に対応する制御部が当該調整部に対応するソース線を上記複数の短絡線のいずれか1つに割り当てた場合に、上記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該調整部に対応する現画素値と当該短絡線に対応する目標値との差に応じて、上記n個の駆動部のうち当該調整部に対応する駆動部の出力電流量を調整しても良い。このように構成することにより、n本のソース線に発生するノイズを低減できる。
【0016】
また、上記チャージシェア制御部は、上記複数の短絡線の各々について、当該短絡線に割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値の平均値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値にそれぞれ向かう複数の短絡ベクトルの絶対値和が、当該複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値にそれぞれ向かう複数の画素ベクトルの絶対値和よりも小さい場合に、当該短絡線に割り当てられた複数のソース線が当該短絡線に電気的に接続されるように上記接続切替部を制御しても良い。このように構成することにより、n本のソース線の電圧変動量の総和を削減でき、n本のソース線の間における電荷再分配の効率を高めることができる。
【0017】
または、上記チャージシェア制御部は、上記複数の短絡線にそれぞれ対応する複数の短絡グループの各々において、当該短絡グループに割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値の平均値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の短絡ベクトルの絶対値和が、当該複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該ソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の画素ベクトルの絶対値和よりも小さくなるように、上記n本のソース線の各々について、当該ソース線を上記複数の短絡グループのうちどの短絡グループに割り当てるのか、または、当該ソース線を上記複数の短絡グループのいずれにも割り当てないのかを決定するグループ割当処理を実行しても良い。このように構成することにより、n本のソース線の電圧変動量の総和を削減でき、n本のソース線の間における電荷再分配の効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、n個の駆動電圧の極性を反転させない場合であってもn本のソース線の間で電荷再分配を効率良く実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1による駆動電圧供給回路を備えた表示装置の構成例を示す図。
【図2】図1に示した画素部の構成例を示す図。
【図3】候補ベクトルについて説明するための図。
【図4】図1に示した駆動電圧供給回路によるチャージシェア動作について説明するための図。
【図5】チャージシェア動作のタイミングについて説明するための図。
【図6】チャージシェア動作における割当処理について説明するための図。
【図7】チャージシェア動作によるソース線の電圧変動について説明するための図。
【図8】P×Qドット反転駆動方式について説明するための図。
【図9】図1に示した駆動電圧供給回路の変形例について説明するための図。
【図10】P×Qドット反転駆動方式の極性反転タイミングについて説明するための図。
【図11】P×Qドット反転駆動方式におけるソース線の電圧変動について説明するための図。
【図12】実施形態2による駆動電圧供給回路の構成例を示した図。
【図13】図12に示した駆動電圧供給回路によるチャージシェア動作について説明するための図。
【図14】図12に示した駆動電圧供給回路によるチャージシェア動作の変形例1について説明するための図。
【図15】図12に示した駆動電圧供給回路によるチャージシェア動作の変形例1について説明するための図。
【図16】図12に示した駆動電圧供給回路によるチャージシェア動作の変形例1について説明するための図。
【図17】チャージシェア動作の変形例1におけるグループ割当処理について説明するための図。
【図18】チャージシェア動作の変形例1によるソース線の電圧変動について説明するための図。
【図19】図12に示した駆動電圧供給回路によるチャージシェア動作の変形例2について説明するための図。
【図20】図12に示した駆動電圧供給回路によるチャージシェア動作の変形例2について説明するための図。
【図21】重み値(正極)の具体例について説明するための図。
【図22】重み値(負極)の具体例について説明するための図。
【図23】チャージシェア動作の変形例2における重み付け処理について説明するための図。
【図24】チャージシェア動作の変形例2によるソース線の電圧変動について説明するための図。
【図25】実施形態3による駆動電圧供給回路の構成例を示す図。
【図26】調整部について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0021】
(実施形態1)
図1は、実施形態1による駆動電圧供給回路1を備えた表示装置の構成例を示す。この表示装置は、駆動電圧供給回路1の他に、表示パネル10と、ゲートドライバ20とを備える。
【0022】
〔表示パネル,ゲートドライバ〕
表示パネル10は、n本(nは、2以上の整数)のソース線SL1,SL2,…,SLnと、m本(mは、2以上の整数)のゲート線GL1,GL2,…,GLmと、n×m個の画素部100,100,…,100とを含む。画素部100,100,…,100の各々は、ソース線SL1,SL2,…,SLnのいずれか1本およびゲート線GL1,GL2,…,GLmのいずれか1本に電気的に接続されている。ゲートドライバ20は、1水平期間毎にゲート線GL1,GL2,…,GLmを順次活性化させる。図2のように、画素部100,100,…,100の各々は、スイッチングトランジスタT100と、液晶素子C100とを含む。画素部100に対応するゲート線GLが活性化されると、スイッチングトランジスタT100がオン状態になり、画素部100に対応するソース線SLの電圧が液晶素子C100の画素電極に印加される。また、液晶素子C100の対向電極には、コモン電圧VCOMが印加される。
【0023】
〔駆動電圧供給回路〕
図1に戻って、駆動電圧供給回路1は、1水平期間毎に、n個の画素値D1,D2,…,Dnが与えられ、n個の画素値D1,D2,…,Dnに応じたn個の駆動電圧VD1,VD2,…,VDnをn本のソース線SL1,SL2,…,SLnにそれぞれ供給する。駆動電圧供給回路1は、駆動電圧生成部101(例えば、ソースドライバ)と、画素値格納部102と、チャージシェア制御部103と、k本(kは、2以上の整数)の短絡線STL1,STL2,…,STLkと、接続切替部104とを備える。
【0024】
《駆動電圧生成部》
駆動電圧生成部101は、1水平期間毎に、n個の画素値D1,D2,…,Dnをn個の駆動電圧VD1,VD2,…,VDnに変換する。すなわち、駆動電圧生成部101は、第h番目の水平期間に対応するn個の画素値D1,D2,…,Dn(以下、現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)と表記)をn個の駆動電圧VD1,VD2,…,VDnに変換する。ここでは、駆動電圧生成部101は、現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)が大きくなるほど、駆動電圧VD1,VD2,…,VDnを高くする。また、駆動電圧生成部101は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnにそれぞれ対応するn個の駆動部111,112,…,11nを含む。駆動部111,112,…,11nは、それぞれ、現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)をn個の駆動電圧VD1,VD2,…,VDnに変換する。例えば、n個の駆動部111,112,…,11nの各々は、水平同期信号に同期して画素値を取り込んで保持するラッチ回路と、ラッチ回路に保持された画素値を駆動電圧に変換するデジタル・アナログ変換器とを含む。
【0025】
《画素値格納部》
画素値格納部102は、1水平期間毎に供給されたn個の画素値D1,D2,…,Dnを格納する。すなわち、画素値格納部102は、第h−1番目の水平期間に対応するn個の画素値D1,D2,…,Dnをn個の前画素値(以下、前画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)と表記)として格納する。ここでは、画素値格納部102は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnにそれぞれ対応するn個の格納部121,122,…,12nを含む。n個の格納部121,122,…,12nは、それぞれ、n個の前画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)を格納する。
【0026】
《チャージシェア制御部》
チャージシェア制御部103は、画素値を示した数直線上において画素値格納部102に格納されたn個の前画素値D1(h−1),D2(h−2),…,Dn(h−1)からn個の現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)へそれぞれ向かうn個の画素ベクトルVP1,VP2,…,VPnの分布に基づいて、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnの各々について、そのソース線を短絡線STL1,STL2,…,STLkのうちどの短絡線に割り当てるのか、または、そのソース線を短絡線STL1,STL2,…,STLkのいずれにも割り当てないのかを決定する。ここでは、チャージシェア制御部103は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnにそれぞれ対応するn個の制御部131,132,…,13nを含む。
【0027】
《接続切替部》
接続切替部104は、チャージシェア制御部103による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SLnと駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,11n)との接続状態を切り替える。また、接続切替部104は、チャージシェア制御部103による制御(割当結果)に応答して、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnとk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkとの接続状態を切り替える。例えば、接続切替部104は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnとn個の駆動部111,112,…,11nとの接続/非接続を切り替えるn個の供給スイッチSW1,SW2,…,SWnと、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnとk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkとの接続/非接続を切り替えるn×k個の短絡スイッチSW11,SW12,…,SWnkとを含む。
【0028】
〔候補ベクトル〕
k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの各々には、複数の第1候補ベクトルおよび複数の第2候補ベクトルが対応付けられている。例えば、図3Aのように、画素値を示した数直線上において、短絡線に対応する目標値DT1(画素値レベルLV5)から第1候補ベクトルVa1の終点値(画素値レベルLV6)までの距離は、第1候補ベクトルVa1の始点値(画素値レベルLV9)から終点値(画素値レベルLV6)までの距離よりも短い。その他の第1候補ベクトルVa2,…,Vaxおよび第2候補ベクトルVb1,Vb2,…,Vbxについても同様である。また、画素値を示した数直線上において、第2候補ベクトルVb1の始点値(画素値レベルLV1)は、目標値DT1(画素値レベルLV5)を軸として第1候補ベクトルVa1の始点値(画素値レベルLV9)に対して対称的な位置に配置されている。その他の第2候補ベクトルVb2,…,Vbxについても同様である。すなわち、第1候補ベクトルVa1,Va2,…,Vaxおよび第2候補ベクトルVb1,Vb2,…,Vbxの始点値の平均値は、短絡線に対応する目標値DT1に一致する。
【0029】
ここでは、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの各々には、複数の第1候補ベクトルの始点値および終点値がそれぞれ属する第1の始点範囲および第1の終点範囲と、複数の第2候補ベクトルの始点値および終点値がそれぞれ属する第2の始点範囲および第2の終点範囲とが対応付けられている。例えば、図3Aのように、第1候補ベクトルVa1,Va2,…,Vaxの始点値および終点値は、それぞれ、短絡線に対応付けられた第1の始点範囲SR1a(画素値レベルLV7〜LV9の範囲)および第1の終点範囲ER1a(画素値レベルLV5〜LV6の範囲)に属し、第2候補ベクトルVb1,Vb2,…,Vbxの始点値および終点値は、それぞれ、短絡線に対応付けられた第2の始点範囲SR1b(画素値レベルLV1〜LV3の範囲)および第2の終点範囲ER1b(画素値レベルLV4〜LV5)に属する。
【0030】
また、ここでは、第2の始点範囲SR1bの中央値は、短絡線に対応する目標値DT1を軸として第1の始点範囲SR1aの中央値に対して対称的な位置に配置され、第2の終点範囲ER1bの中央値は、短絡線に対応する目標値DT1を軸として第1の終点範囲ER1aの中央値に対して対称的な位置に配置されている。
【0031】
〔動作〕
次に、図4を参照して、図1に示した駆動電圧供給回路1によるチャージシェア動作について説明する。ここでは、制御部131,132,…,13nのうち第i番目の制御部(以下、制御部13iと表記)による動作を例に挙げて説明する。
【0032】
《ST101》
制御部13iは、第h番目の水平期間において、n個の現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)のうち第i番目の現画素値(以下、現画素値Di(h)と表記)と、n個の格納部121,122,…,12nのうち第i番目の格納部に格納された前画素値(以下、前画素値Di(h−1)と表記)とを受け取る。
【0033】
《ST102》
次に、制御部13iは、変数jを“1”に設定する。すなわち、制御部13iは、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち第1番目の短絡線STL1を判定対象として選択する。
【0034】
《ST103》
次に、制御部13iは、画素ベクトルVPiが短絡線STLjに対応付けられた第1候補ベクトルVa1,Va2,…,Vaxおよび第2候補ベクトルVb1,Vb2,…,Vbxのいずれか1つに一致するか否かを判定する。なお、画素ベクトルVPiとは、前画素値Di(h−1)から現画素値Di(h)へ向かう画素ベクトルのことであり、短絡線STLjとは、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち判定対象として選択された第j番目の短絡線のことである。判定結果が“不一致”を示す場合には、ステップST104へ進み、判定結果が“一致”を示す場合には、ステップST106へ進む。
【0035】
《ST104》
判定結果が“不一致”を示す場合、制御部13iは、変数jが最大値jmax(ここでは、jmax=k)に到達している否かを判定する。すなわち、制御部13iは、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの中に判定対象として選択されていない短絡線が残っているか否かを判定する。変数jが最大値jmaxに到達していない場合には、ステップST105へ進み、変数jが最大値jmaxに到達している場合には、ステップST108へ進む。
【0036】
《ST105》
次に、制御部13iは、変数jに“1”を加算する。すなわち、制御部13iは、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち判定対象として選択されていない短絡線を次の判定対象として選択する。次に、ステップST103へ進む。
【0037】
《ST106》
一方、ステップST103における判定結果が“一致”を示す場合、制御部13iは、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnのうち第i番目のソース線(以下、ソース線SLiと表記)を短絡線STLjに割り当てる。
【0038】
《ST107》
次に、第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、接続切替部104は、制御部13iによる制御に応答して、n個の駆動部111,112,…,11nのうち第i番目の駆動部(以下、駆動部11i)からソース線SLiを切り離す。次に、接続切替部104は、ソース線SLi(短絡線STLiに割り当てられたソース線)を短絡線STLjに電気的に接続する。次に、ステップST109へ進む。
【0039】
《ST108》
一方、ステップST104において変数jが最大値jmaxに到達していると判定された場合(k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの中に判定対象として選択されていない短絡線が残っていない場合)、制御部13iは、ソース線SLiを短絡線STL1,STL2,…,STLkのいずれにも割り当てない。したがって、第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、接続切替部104は、ソース線SLiを短絡線STL1,STL2,…,STLkのいずれにも電気的に接続しない。次に、ステップST109へ進む。
【0040】
《ST109》
次に、制御部13iは、動作を終了するか否かを判定する。動作を継続する場合には、ステップST101へ進む。
【0041】
〔動作タイミング〕
次に、図5を参照して、図1に示した駆動電圧供給回路1によるチャージシェア動作のタイミングについて説明する。ここでは、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10を代表例として挙げている。
【0042】
《第h−1番目の水平期間》
第h−1番目の水平期間P(h−1)(水平同期信号の第h−1番目の立ち上がりエッジから第h番目の立ち上がりエッジまでの期間)では、m本のゲート線GL1,GL2,…,GLmのうち第h−1番目のゲート線GL(h−1)が活性化され、n×m個の画素部100,100,…,100のうち第h−1番目の画素行に対応するn個の画素部にn本のソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧が印加される。また、第h−1番目の水平期間P(h−1)に対応する画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)が駆動電圧供給回路1に供給される。画素値格納部102は、画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)を格納する。
【0043】
《第h番目の水平期間》
第h番目の水平期間P(h)(水平同期信号の第h番目の立ち上がりエッジから第h+1番目の立ち上がりエッジまでの期間)では、m本のゲート線GL1,GL2,…,GLmのうち第h番目のゲート線GL(h)が活性化され、n×m個の画素部100,100,…,100のうち第h番目の画素行に対応するn個の画素部にn本のソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧が印加される。駆動電圧生成部101は、水平同期信号の第h番目の立ち上がりエッジに同期して、画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)を取り込み、画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)を駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),…,VDn(h−1)に変換する。これにより、ソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧は、それぞれ、駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),…,VDn(h−1)に変化する。
【0044】
また、第h番目の水平期間P(h)のうち駆動期間(水平同期信号の第h番目の立ち上がりエッジからゲート線GL(h)の活性化期間の終了までの期間)において、第h番目の水平期間P(h)に対応する画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)が駆動電圧供給回路1に供給される。チャージシェア制御部103は、画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)および画素値格納部102に格納された画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)に基づいて、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnをk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkに割り当てる。ここでは、チャージシェア制御部103は、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10を短絡線STL1に割り当てる。また、画素値格納部102は、画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)を格納する。
【0045】
次に、第h番目の水平期間P(h)のうちチャージシェア期間(ゲート線GL(h)の活性化期間の終了から水平同期信号の第h+1番目の立ち上がりエッジまでの期間)において、接続切替部104は、チャージシェア制御部103による制御(割当結果)に応答して、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnとk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkとの接続状態を切り替える。ここでは、接続切替部104は、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10を短絡線STL1に電気的に接続する。これにより、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10の電圧は、それぞれ、駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),VD9(h−1),VD10(h−1)から平均電圧Vave(駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),VD9(h−1),VD10(h−1)の平均電圧)に変化する。
【0046】
《第h+1番目の水平期間》
第h+1番目の水平期間P(h+1)では、m本のゲート線GL1,GL2,…,GLmのうち第h+1番目のゲート線GL(h+1)が活性化され、n×m個の画素部100,100,…,100のうち第h+1番目の画素行に対応するn個の画素部にn本のソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧が印加される。駆動電圧生成部101は、水平同期信号の第h+1番目の立ち上がりエッジに同期して、画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)を取り込み、画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)を駆動電圧VD1(h),VD2(h),…,VDn(h)に変換する。その結果、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10の電圧は、それぞれ、平均電圧Vaveから駆動電圧VD1(h),VD2(h),…,VDn(h)へと変化する。
【0047】
〔割当処理〕
次に、図6を参照して、ソース線SL1,SL2,…,SLnの割当処理について具体例を挙げて説明する。ここでは、n=10,k=3であるものする。また、短絡線STL1,STL2,STL3には、それぞれ、図3A,図3B,図3Cに示した第1の始点範囲SR1a,SR2a,SR3a,第1の終点範囲ER1a,ER2a,ER3a,第2の始点範囲SR1b,SR2b,SR3b,および第2の終点範囲ER1b,ER2b,ER3bが対応付けられているものとする。
【0048】
まず、第h番目の水平期間のうち駆動期間において、図6のような現画素値D1(h),D2(h),…,D10(h)が駆動電圧供給回路1に供給される。また、画素値格納部102には、図6のような前画素値D1(h−1),D2(h−1),…,D10(h−1)が格納されている。ここで、前画素値D1(h−1),D2(h−1)および現画素値D1(h),D2(h)は、短絡線STL1に対応付けられた第1の始点範囲SR1aおよび第1の終点範囲ER1aにそれぞれ属する。すなわち、画素ベクトルVP1,VP2は、短絡線STL1に対応付けられた第1候補ベクトル(第1の始点範囲SR1aに始点値が属するとともに第1の終点範囲ER1aに終点値が属する候補ベクトル)のいずれか1つに一致していることになる。また、前画素値D9(h−1),D10(h−1)および現画素値D9(h),D10(h)は、短絡線STL1に対応付けられた第2の始点範囲SR1bおよび第2の終点範囲ER1bにそれぞれ属する。したがって、チャージシェア制御部103は、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10を短絡線STL1に割り当てる。
【0049】
また、画素ベクトルVP5,VP6は、それぞれ、短絡線STL2に対応付けられた第1候補ベクトル(始点値が第1の始点範囲SR2aに属するとともに終点値が第1の終点範囲ER2aに属する候補ベクトル)のいずれか1つおよび第2候補ベクトル(始点値が第1の始点範囲SR2bに属するとともに終点値が第1の終点範囲ER2bに属する候補ベクトル)のいずれか1つに一致している。さらに、画素ベクトルVP7,VP8は、それぞれ、短絡線STL3に対応付けられた第1候補ベクトル(始点値が第1の始点範囲SR3aに属するとともに終点値が第1の終点範囲ER3aに属する候補ベクトル)のいずれか1つおよび第2候補ベクトル(始点値が第1の始点範囲SR3bに属するとともに終点値が第1の終点範囲ER3bに属する候補ベクトル)のいずれか1つに一致している。したがって、チャージシェア制御部103は、ソース線SL5,SL6を短絡線STL2に割り当て、ソース線SL7,SL8を短絡線STL3に割り当てる。
【0050】
なお、前画素値D3(h−1)は、短絡線STL2に対応付けられた第1の始点範囲SR2bに属するが、現画素値D3(h)は、短絡線STL2に対応付けられた第1の終点範囲ER2bに属していない。また、現画素値D4(h)は、短絡線STL2に対応付けられた第2の終点範囲ER2aに属するが、前画素値D4(h−1)は、短絡線STL2に対応付けられた第2の始点範囲SR2aに属していない。ここでは、画素ベクトルVP3,VP4は、短絡線STL1,STL2,STL3の各々に対応付けられた候補ベクトルのいずれにも一致していない。したがって、チャージシェア制御部103は、ソース線SL3,SL4を短絡線STL1,STL2,STL3のいずれにも割り当てない。
【0051】
〔ソース線の電圧変動〕
次に、図7を参照して、チャージシェア動作によるソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧変動について説明する。ここでは、n=10,k=3であるものする。また、図7では、ソース線SL1,SL2,…,SL10の電圧変動は、画素値を用いて表現されている。
【0052】
次に、第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、接続切替部104は、チャージシェア制御部103による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SL10を駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,1110)からそれぞれ切り離す。次に、接続切替部104は、チャージシェア制御部103による割当結果(図6)に基づいて、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10を短絡線STL1に電気的に接続し、ソース線SL5,SL6を短絡線STL2に電気的に接続し、ソース線SL7,SL8を短絡線STL3に電気的に接続する。なお、接続切替部104は、ソース線SL3,SL4を短絡線STL1,STL2,STL3のいずれにも電気的に接続しない。これにより、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10の電圧は、それぞれ、前画素値D1(h−1),D2(h−1),D9(h−1),D10(h−1)に応じた駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),VD9(h−1),VD10(h−1)から平均値DA1(前画素値D1(h−1),D2(h−1),D9(h−1),D10(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。ソース線SL5,SL6の電圧は、それぞれ、前画素値D5(h−1),D6(h−1)に応じた駆動電圧VD5(h−1),VD6(h−1)から平均値DA2(前画素値D5(h−1),D6(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化し、ソース線SL7,SL8の電圧は、それぞれ、前画素値D7(h−1),D8(h−1)に応じた駆動電圧VD7(h−1),VD8(h−1)から平均値DA3(前画素値D7(h−1),D8(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。なお、ソース線SL3,SL4の電圧は、それぞれ、前画素値D3(h−1),D4(h−1)に応じた駆動電圧VD3(h−1),VD4(h−1)のまま維持される。
【0053】
次に、第h+1番目の水平期間のうち駆動期間において、接続切替部104は、チャージシェア制御部103による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SL10を短絡線STL1,STL2,STL3から切り離した後に、ソース線SL1,SL2,…,SL10を駆動部111,112,…,1110に接続する。また、駆動部111,112,…,1110は、水平同期信号の第h+1番目の立ち上がりエッジに同期して、現画素値D1(h),D2(h),…,D10(h)を駆動電圧VD1(h),VD2(h),…,VD10(h)にそれぞれ変換する。これにより、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10の電圧は、それぞれ、平均値DA1に応じた平均電圧から現画素値D1(h),D2(h),D9(h),D10(h)に応じた駆動電圧VD1(h),VD2(h),VD9(h),VD10(h)に変化する。ソース線SL5,SL6の電圧は、平均値DA2に応じた平均電圧から現画素値D5(h),D6(h)に応じた駆動電圧VD5(h),VD6(h)に変化する。ソース線SL7,SL8の電圧は、平均値DA3に応じた平均電圧から現画素値D7(h),D8(h)に応じた駆動電圧VD7(h),VD8(h)に変化する。なお、ソース線SL3,SL4の電圧は、それぞれ、駆動電圧VD3(h−1),VD4(h−1)から現画素値D3(h),D4(h)に応じた駆動電圧VD3(h),VD4(h)に変化する。
【0054】
〔電荷再分配の効率化〕
画素ベクトルVPiと短絡線STLjに対応付けられた候補ベクトル(複数の第1候補ベクトルおよび複数の第2候補ベクトル)との一致判定に基づいて、ソース線SLiを短絡線STLjに割り当てるか否かを決定することにより、短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する画素ベクトルの始点値の平均値(すなわち、現画素値の平均値)が短絡線STLjに対応する目標値に近くなる(または、一致する)可能性を高めることができる。また、短絡線STLjに対応する目標値から短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する現画素値までの距離は、短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する前画素値から現画素値までの距離よりも短い。したがって、短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する画素ベクトルの始点値の平均値(すなわち、前画素値の平均値)が短絡線STLjに対応する目標値に近くなる(または、一致する)可能性を高めることにより、短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する短絡ベクトルの絶対値和が短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する画素ベクトルの絶対値和よりも小さくなる可能性を高めることができる。
【0055】
例えば、図7において、短絡線STL1に対応付けられた候補ベクトルのいずれか1本に一致する画素ベクトルVP1,VP2,VP9,VP10に対応するソース線SL1,SL2,SL9,SL10を短絡線STL1に割り当てることにより、短絡線STL1に割り当てられたソース線SL1,SL2,SL9,SL10に対応する前画素値D1(h−1),D2(h−1),D9(h−1),D10(h−1)の平均値DA1は、短絡線STL1に対応する目標値DT1に近づく。また、短絡ベクトルVS1,VS2,VS9,VS10(図7)の絶対値和は、画素ベクトルVP1,VP2,VP9,VP10(図6)の絶対値和よりも小さくなる。これと同様に、ソース線SL5,SL6を短絡線STL2に割り当てることにより、短絡ベクトルVS5,VS6の絶対値和は、画素ベクトルVP5,VP6の絶対値和よりも小さくなり、ソース線SL7,SL8を短絡線STL3に割り当てることにより、短絡ベクトルVS7,VS8の絶対値和は、画素ベクトルVP7,VP8の絶対値和よりも小さくなる。
【0056】
ここで、短絡ベクトルVS1,VS2,VS9,VS10の絶対値和は、平均電圧(駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),VD9(h−1),VD10(h−1)の平均電圧)から駆動電圧VD1(h),VD2(h),VD9(h),VD10(h)への電圧変動量の総和に相当し、画素ベクトルVP1,VP2,VP9,VP10の絶対値和は、駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),VD9(h−1),VD10(h−1)から駆動電圧VD1(h),VD2(h),VD9(h),VD10(h)への電圧変動量の総和に相当する。すなわち、短絡線STL1に割り当てられたソース線SL1,SL2,SL9,SL10を短絡線STL1に電気的に接続してソース線SL1,SL2,SL9,SL10の間で電荷を再分配することにより、第h+1番目の水平期間におけるソース線SL1,SL2,SL9,SL10の電圧変動量の総和を削減できる。これと同様に、ソース線SL5,SL6を短絡線STL2に電気的に接続し、ソース線SL7,SL8を短絡線STL3に電気的に接続することにより、第h+1番目の水平期間におけるソース線SL5,SL6の電圧変動量の総和およびソース線SL7,SL8の電圧変動量の総和を削減できる。
【0057】
以上のように、画素ベクトルVP1,VP2,…,VPnの分布に基づいてn本のソース線SL1,SL2,…,SLnの各々をk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのいずれか1本に割り当てて短絡させることにより、従来のチャージシェア技術を適用する場合(ソース線SL1,SL2,…,SLnを全て同時に短絡させる場合)よりも、ソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧変動量の総和(すなわち、ソース線SL1,SL2,…,SLnにおける消費電力)を削減できる可能性を高めることができる。このように、駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性(コモン電圧VCOMに対する極性)を反転させない場合であってもソース線SL1,SL2,…,SLnの間で電荷再分配を効率良く実行できる。
【0058】
(実施形態1の変形例)
なお、駆動電圧供給回路1の駆動方式は、図8のようなP×Qドット反転駆動方式であっても良い。P×Qドット反転駆動方式とは、P個(Pは、1以上の整数であり、図8では、P=2)の画素列毎にn個の駆動電圧の極性(コモン電圧VCOMに対する極性)を反転させ、Q個(Qは、2以上の整数であり、図8では、Q=2)の画素行毎にn個の駆動電圧の極性を反転させる駆動方式のことである。ここでは、駆動電圧がコモン電圧VCOMよりも高い場合を“正極性”と表現し、駆動電圧がコモン電圧VCOMよりも低い場合を“負極性”と表現する。また、駆動電圧が“正極性”である場合には、画素値が大きくなるほど駆動電圧が高くなり、駆動電圧が“負極性”である場合には、画素値が大きくなるほど駆動電圧が低くなる。
【0059】
P×Qドット反転駆動方式を適用する場合、図9のように、駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,11n)およびチャージシェア制御部103(制御部131,132,…,13n)には、Q個の水平期間毎に駆動電圧の極性を反転させるための極性反転信号SPRが与えられる。
【0060】
駆動電圧生成部101は、1水平期間においてP本のソース線毎にn個の駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性を反転させるとともに、Q個の水平期間毎にn個の駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性を反転させる。駆動部111,112,…,11nの各々は、与えられた画素値を正極性の駆動電圧に変換する正極駆動モードと、与えられた画素値を負極性の駆動電圧に変換する負極駆動モードとを有しており、駆動部111,112,…,11nの駆動モードは、P個の駆動部毎に駆動極性が反転するように設定されている。また、駆動部111,112,…,11nの各々は、極性反転信号SPRに応答して駆動モードを切り替える。
【0061】
チャージシェア制御部103は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnのうち第i番目のソース線SLiに供給される第i番目の駆動電圧VDi(h)の極性が“正極性”である場合には、第i番目のソース線SLiに対応する第i番目の画素値Di(h)を“正の数”として処理し、駆動電圧VDi(h)の極性が“負極性”である場合には、画素値Di(h)を“負の数”として処理する。例えば、制御部131,132,…,13nにおける画素値D1,D2,…,Dnの符号は、P個の制御部毎に画素値の符号が反転するように設定されており、制御部131,132,…,13nは、極性反転信号SPRに応答して画素値D1,D2,…,Dnの符号をそれぞれ反転させる。
【0062】
〔動作タイミング〕
次に、図10を参照して、図9に示した駆動電圧供給回路1の動作タイミングについて説明する。ここでは、P=1であるものとする。
【0063】
まず、第h−1番目の水平期間P(h−1)のうち駆動期間(水平同期信号の第h−1番目の立ち上がりエッジからゲート線GL(h−1)の活性化期間の終了までの期間)では、奇数番目の駆動部111,113,… は、負極駆動モードに設定され、偶数番目の駆動部112,114,… は、正極駆動モードに設定されている。すなわち、奇数番目の駆動電圧VD1,VD3,… の極性は、負極性であり、偶数番目の駆動電圧VD2,VD4,… の極性は、正極性である。
【0064】
次に、第h−1番目の水平期間P(h−1)のうちチャージシェア期間(ゲート線GL(h−1)の活性化期間の終了から水平同期信号の第h番目の立ち上がりエッジまでの期間)において、奇数番目の駆動部111,113,… の駆動モードは、負極駆動モードから正極駆動モードに切り替わり、偶数番目の駆動部112,114,… の駆動モードは、正極駆動モードから負極駆動モードに切り替わる。また、奇数番目の制御部131,133,… における画素値の符号は、負から正に切り替わり、偶数番目の制御部132,134,… における画素値の符号は、正から負に切り替わる。
【0065】
次に、第h番目の水平期間P(h)のうち駆動期間において、駆動電圧生成部101は、水平同期信号の第h番目の立ち上がりエッジに同期して、画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)を駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),…,VDn(h−1)に変換する。ここで、奇数番目の駆動電圧VD1(h−1),VD3(h−1),… の極性は、正極性であり、偶数番目の駆動電圧VD2(h−1),VD4(h−1),… の極性は、負極性である。また、第h番目の水平期間P(h)に対応する画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)が駆動電圧供給回路1に供給される。ここで、チャージシェア制御部103は、奇数番目の画素値D1(h),D3(h),… および画素値格納部102に格納された奇数番目の画素値D1(h−1),D3(h−1),… を“正の数”とし、偶数番目の画素値D2(h),D4(h),… および画素値格納部102に格納された偶数番目の画素値D2(h−1),D4(h−1),… を“負の数”として割当処理を実行する。
【0066】
〔具体例〕
次に、図11を参照して、図9に示した駆動電圧供給回路1による動作について具体例を挙げて説明する。ここでは、P=1,n=10,k=3であるものとする。また、短絡線STL1,STL2,STL3には、図11のような第1の始点範囲SR1a,SR2a,SR3a,第1の終点範囲ER1a,ER2a,ER3a,第2の始点範囲SR1b,SR2b,SR3b,および第2の終点範囲ER1b,ER2b,ER3bが対応付けられているものとする。さらに、奇数番目の制御部131,133,…,139における画素値の符号は“正”に設定され、偶数番目の制御部132,134,…,1310における画素値の符号は“負”に設定されているものとする。
【0067】
第h番目の水平期間のうち駆動期間において、チャージシェア制御部103は、奇数番目の現画素値D1(h),D3(h),… および奇数番目の前画素値D1(h−1),D3(h−1),… を“正の数”とし、偶数番目の現画素値D2(h),D4(h),… および偶数番目の前画素値D2(h−1),D4(h−1),… を“負の数”として割当処理を実行する。その結果、図11のような画素値の分布が得られる。そして、チャージシェア制御部103は、ソース線SL1,SL2,SL9,SL10を短絡線STL1に割り当て、ソース線SL5,SL9を短絡線STL2に割り当て、ソース線SL6,SL10を短絡線STL3に割り当てる。なお、チャージシェア制御部103は、ソース線SL7,SL8を短絡線STL1,STL2,STL3のいずれにも割り当てない。
【0068】
また、第h番目の水平期間において駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性を反転させる場合、ソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧の全ては、コモン電圧VCOMを経て駆動電圧VD1(h−1),VD2(h−1),…,VDn(h−1)に変化することになる。そこで、チャージシェア制御部103は、第h−1番目の水平期間中に極性反転信号SPRが供給された場合(すなわち、第h番目の水平期間において駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性を反転させる場合)、第h−1番目の水平期間のうち駆動期間において、画素ベクトルVP1,VP2,…,VPnに基づく割当処理を実行せずに、ソース線SL1,SL2,…,SLnの全てを短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち予め定められた1本の短絡線(例えば、短絡線STL1)に割り当てても良い。この場合、第h−1番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、接続切替部104は、ソース線SL1,SL2,…,SLnを予め定められた短絡線STL1に電気的に接続することになる。
【0069】
(実施形態2)
図12は、実施形態2による駆動電圧供給回路2の構成例を示す。駆動電圧供給回路2は、図1に示した画素値格納部102およびチャージシェア制御部103に代えて、画素値格納部202およびチャージシェア制御部203を備える。その他の構成は、図1と同様である。なお、駆動電圧供給回路2の駆動方式は、P×Qドット反転駆動方式であっても良いし、駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性を反転させない駆動方式であっても良い。
【0070】
画素値格納部202は、1水平期間毎に供給されたn個の画素値D1,D2,…,Dnを格納する。すなわち、画素値格納部202は、第h−1番目の水平期間に対応するn個の画素値D1,D2,…,Dnをn個の前画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)として格納する。
【0071】
チャージシェア制御部203は、画素値を示した数直線上において画素値格納部202に格納されたn個の前画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)からn個の現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)へそれぞれ向かうn個の画素ベクトルVP1,VP2,…,VPnの分布に基づいて、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnの各々について、そのソース線を短絡線STL1,STL2,…,STLkのうちどの短絡線に割り当てるのか、または、そのソース線を短絡線STL1,STL2,…,STLkのいずれにも割り当てないのかを決定する。ここでは、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの各々について、その短絡線に割り当てられたソース線に対応する前画素値の平均値からその短絡線に割り当てられたソース線に対応する現画素値に向かう短絡ベクトルの絶対値和が、その短絡線に割り当てられたソース線に対応する前画素値から現画素値に向かう画素ベクトルの絶対値和よりも小さい場合に、その短絡線に割り当てられたソース線がその短絡線に電気的に接続されるように接続切替部104を制御する。
【0072】
〔動作〕
次に、図13を参照して、図12に示した駆動電圧供給回路2によるチャージシェア動作について説明する。
【0073】
《ST201》
まず、チャージシェア制御部203は、変数iを“1”に設定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnのうち第1番目のソース線SL1を判定対象として選択する。
【0074】
《ST202》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jを“1”に設定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち第1番目の短絡線STL1を判定対象として選択する。
【0075】
《ST203》
次に、チャージシェア制御部203は、画素ベクトルVPiが短絡線STLjに対応付けられた候補ベクトルのいずれか1つに一致するか否かを判定する。なお、画素ベクトルVPiとは、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnのうち判定対象として選択された第i番目のソース線(以下、ソース線SLiと表記)に対応する前画素値Di(h−1)から現画素値Di(h)へ向かう画素ベクトルのことであり、短絡線STLjとは、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち判定対象として選択された第j番目の短絡線のことである。判定結果が“不一致”を示す場合には、ステップST204へ進み、判定結果が“一致”を示す場合には、ステップST206へ進む。
【0076】
《ST204》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jが最大値jmax(ここでは、jmax=k)に到達している否かを判定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの中に判定対象として選択されていない短絡線が残っているか否かを判定する。変数jが最大値jmaxに到達していない場合には、ステップST205へ進み、変数jが最大値jmaxに到達している場合には、ステップST207へ進む。
【0077】
《ST205》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jに“1”を加算する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち判定対象として選択されていない短絡線を次の判定対象として選択する。次に、ステップST203へ進む。
【0078】
《ST206》
一方、ステップST203における判定結果が“一致”を示す場合、チャージシェア制御部203は、ソース線SLiを短絡線STLjに割り当てる。
【0079】
《ST207》
次に、チャージシェア制御部203は、変数iが最大値imax(ここでは、imax
=n)に到達しているか否かを判定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnの中に判定対象として選択されていないソース線が残っているか否かを判定する。変数iが最大値imaxに到達していない場合には、ステップST208へ進み、変数iが最大値imaxに到達している場合には、ステップST209へ進む。
【0080】
《ST208》
次に、チャージシェア制御部203は、変数iに“1”を加算する。すなわち、チャージシェア制御部203は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnのうち判定対象として選択されていないソース線を次の判定対象として選択する。次に、ステップST202へ進む。
【0081】
《ST209》
一方、ステップST207において変数iが最大値imaxに到達していると判定された場合(n本のソース線SL1,SL2,…,SLnの中に判定対象として選択されていないソース線が残っていない場合)、チャージシェア制御部203は、変数jを“1”に設定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち第1番目の短絡線STL1を判定対象として選択する。
【0082】
《ST210》
次に、チャージシェア制御部203は、短絡線STLjにソース線が割り当てられているか否かを判定する。短絡線STLjにソース線が割り当てられている場合には、ステップST211ヘ進み、そうでない場合には、ステップST213へ進む。
【0083】
《ST211》
次に、チャージシェア制御部203は、短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する前画素値の平均値および短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する現画素値に基づいて短絡ベクトルを算出するとともに、短絡線STLjに割り当てられたソース線に対応する前画素値および現画素値に基づいて画素ベクトルを算出する。そして、チャージシェア制御部203は、短絡ベクトルの絶対値和が画素ベクトルの絶対値和よりも小さいか否かを判定する。例えば、短絡線STLjにソース線SL1,SL2が割り当てられている場合、チャージシェア制御部203は、前画素値D1(h−1),D2(h−1)の平均値から現画素値D1(h),D2(h)へそれぞれ向かう短絡ベクトルVS1,VS2を算出するとともに、前画素値D1(h−1),D2(h−1)から現画素値D1(h),D2(h)へそれぞれ向かう画素ベクトルVP1,VP2を算出し、短絡ベクトルVS1,VS2の絶対値和が画素ベクトルVP1,VP2の絶対値和よりも小さいか否かを判定する。短絡ベクトルの絶対値和が画素ベクトルの絶対値和よりも小さい場合には、ステップST212へ進み、そうでない場合には、ステップST213へ進む。
【0084】
《ST212》
次に、接続切替部104は、第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、チャージシェア制御部203による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SLnを駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,11n)から切り離した後に、短絡線STLjに割り当てられたソース線を短絡線STLjに電気的に接続する。次に、ステップST214へ進む。
【0085】
《ST213》
一方、ステップST210において短絡線STLjにソース線が割り当てられていないと判定された場合、または、ステップST211において短絡ベクトルの絶対値和が画素ベクトルの絶対値和よりも小さくないと判定された場合、接続切替部104は、第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、短絡線STLjにソース線SL1,SL2,…,SLnを電気的に接続しない。次に、ステップST214へ進む。
【0086】
《ST214》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jが最大値jmaxに到達しているか否かを判定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの中に判定対象として選択されていない短絡線が残っているか否かを判定する。変数jが最大値jmaxに到達していない場合には、ステップST215へ進み、変数jが最大値jmaxに到達している場合には、ステップST216へ進む。
【0087】
《ST215》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jに“1”を加算する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち判定対象として選択されていない短絡線を次の判定対象として選択する。次に、ステップST210へ進む。
【0088】
《ST216》
一方、ステップST214において変数jが最大値jmaxに到達していると判定された場合(k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkの中に判定対象として選択されていない短絡線が残っていない場合)、チャージシェア制御部203は、動作を終了するか否かを判定する。動作を継続する場合には、ステップST201へ進む。
【0089】
以上のように、短絡線STL1,STL2,…,STLkの各々について短絡ベクトルの絶対値和が画素ベクトルの絶対値和よりも小さいか否かを判定することによって、ソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧変動量の総和を削減できる。これにより、ソース線SL1,SL2,…,SLnの間における電荷再分配の効率を高めることができる。
【0090】
なお、チャージシェア制御部203は、ステップST211を省略しても良い。この場合でも、従来のチャージシェア技術を適用する場合(ソース線SL1,SL2,…,SLnを全て同時に短絡させる場合)よりも、ソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧変動量の総和(すなわち、ソース線SL1,SL2,…,SLnにおける消費電力)を削減できる可能性を高めることができる。
【0091】
(チャージシェア制御部の変形例)
なお、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkにそれぞれ対応するk個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkの各々において、その短絡グループに割り当てられたソース線に対応する前画素値の平均値からその短絡グループに割り当てられたソース線に対応する現画素値へそれぞれ向かう短絡ベクトルの絶対値和が、その短絡グループに割り当てられたソース線に対応する前画素値からその短絡グループに割り当てられたソース線に対応する現画素値へそれぞれ向かう画素ベクトルの絶対値和よりも小さくなるように、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnをk個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkに割り当てるグループ割当処理を実行しても良い。この場合、接続切替部104は、チャージシェア制御部203による制御(グループ割当処理の結果)に応答して、短絡グループSGRjに割り当てられたソース線を短絡グループSGRjに対応する短絡線STLjに電気的に接続しても良い。
【0092】
このように構成することにより、ソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧変動量の総和を削減できる。これにより、ソース線SL1,SL2,…,SLnの間における電荷再分配の効率を高めることができる。また、駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性を反転させない場合であってもソース線SL1,SL2,…,SLnの間で電荷再分配を効率良く実行できる。
【0093】
(チャージシェア動作の変形例1)
また、チャージシェア制御部203は、k個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkのうち少なくとも1つにおいて、その短絡グループに割り当てられたソース線の本数が最大となるように、グループ割当処理を実行しても良い。
【0094】
次に、図14,図15,図16を参照して、チャージシェア動作の変形例1について説明する。なお、平均計算グループ,候補グループ,および選択対象グループの初期状態は、ソース線SL1,SL2,…,SLnのいずれも割り当てられていない状態であるものとする。
【0095】
《ST301》
まず、チャージシェア制御部203は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnをk個の前処理グループPGR1,PGR2,…,PGRkに割り当てる。例えば、チャージシェア制御部203は、n個の現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)の各々が属する画素値レベルの範囲に基づいて、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnをk個の前処理グループPGR1,PGR2,…,PGRkに割り当てる。
【0096】
《ST302》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jを“1”に設定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkのうち第1番目の短絡線STL1を判定対象として選択する。
【0097】
《ST303》
次に、チャージシェア制御部203は、前処理グループPGRjに割り当てられたソース線を平均計算グループに割り当てる。なお、前処理グループPGRjとは、k個の前処理グループPGR1,PGR2,…,PGRkのうち判定対象として選択された第j番目の前処理グループのことである。
【0098】
《ST304》
次に、チャージシェア制御部203は、平均計算グループに割り当てられたソース線に対応する前画素値の平均値を算出する。
【0099】
《ST305》
次に、チャージシェア制御部203は、変数iを“1”に設定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、前処理グループPGRjに割り当てられたソース線のうち第1番目のソース線を判定対象として選択する。
【0100】
《ST306》
次に、チャージシェア制御部203は、ステップST304において算出された平均値と前処理グループPGRjに割り当てられたソース線SLiに対応する前画素値および現画素値とに基づいて、短絡ベクトルVSiおよび画素ベクトルVPiを算出する。なお、前処理グループPGRjに割り当てられたソース線SLiとは、前処理グループPGRjに割り当てられたソース線のうち判定対象として選択された第i番目のソース線のことであり、短絡ベクトルVSiとは、ステップST304において算出された平均値からソース線SLiに対応する現画素値Di(h)へ向かうベクトルのことであり、画素ベクトルVPiとは、ソース線SLiに対応する前画素値Di(h−1)から現画素値Di(h−1)へ向かうベクトルのことである。次に、チャージシェア制御部203は、短絡ベクトルVSiが画素ベクトルVPiよりも短いか否かを判定する。短絡ベクトルVSiが画素ベクトルVPiよりも短い場合には、ステップST307へ進み、そうでない場合には、ステップST308へ進む。
【0101】
《ST307》
次に、チャージシェア制御部203は、前処理グループPGRjに割り当てられたソース線SLiを選択対象グループに割り当てる。
【0102】
《ST308》
次に、チャージシェア制御部203は、変数iが最大値imax(ここでは、imaxは、前処理グループPGRjに含まれるソース線の本数)に到達しているか否かを判定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、前処理グループPGRjに含まれるソース線の中に判定対象として選択されていないソース線が残っているか否かを判定する。変数iが最大値imaxに到達していない場合には、ステップST309へ進み、変数iが最大値imaxに到達している場合には、ステップST310へ進む。
【0103】
《ST309》
次に、チャージシェア制御部203は、変数iに“1”を加算する。すなわち、チャージシェア制御部203は、前処理グループPGRjに含まれるソース線のうち判定対象として選択されていないソース線を次の判定対象として選択する。次に、ステップST306へ進む。
【0104】
《ST310》
一方、ステップST308において変数iが最大値imaxに到達していると判定された場合、チャージシェア制御部203は、選択対象グループに割り当てられたソース線の本数が候補グループに割り当てられたソース線の本数よりも多いか否かを判定する。選択対象グループに割り当てられたソース線の本数が候補グループに割り当てられたソース線の本数よりも多くない場合には、ステップST311へ進み、選択対象グループに割り当てられたソース線の本数が候補グループに割り当てられたソース線の本数よりも多い場合には、ステップST312へ進む。
【0105】
《ST311》
次に、チャージシェア制御部203は、候補グループに割り当てられたソース線に対応する前画素値および現画素値に基づいて、短絡ベクトルの絶対値和および画素ベクトルの絶対値和を算出する。そして、チャージシェア制御部203は、短絡ベクトルの絶対値和が画素ベクトルの絶対値和よりも小さいか否かを判定する。例えば、候補グループにソース線SL1,SL2が割り当てられている場合、チャージシェア制御部203は、前画素値D1(h−1),D2(h−1)の平均値から現画素値D1(h),D2(h)へそれぞれ向かう短絡ベクトルVS1,VS2と、前画素値D1(h−1),D2(h−1)から現画素値D1(h),D2(h)へそれぞれ向かう画素ベクトルVP1,VP2とを算出し、短絡ベクトルVP1,VP2の絶対値和が画素ベクトルVP1,VP2の絶対値和よりも小さいか否かを判定する。短絡ベクトルの絶対値和が画素ベクトルの絶対値和よりも小さい場合には、ステップST313へ進み、そうでない場合には、ステップST312へ進む。
【0106】
《ST312》
次に、チャージシェア制御部203は、平均計算グループおよび候補グループの各々に割り当てられたソース線を、選択対象グループに割り当てられたソース線に変更する。例えば、選択対象グループにソース線SL1,SL2,SL3が割り当てられている場合、チャージシェア制御部203は、平均計算グループおよび候補グループの各々に割り当てられたソース線を削除するとともに平均計算グループおよび候補グループの各々にソース線SL1,SL2,SL3を新たに割り当てる。次に、ステップST304へ進む。
【0107】
《ST313》
一方、ステップST311において候補グループに対応する短絡ベクトルの絶対値和が画素ベクトルの絶対値和よりも小さいと判定された場合、チャージシェア制御部203は、候補グループに割り当てられたソース線を短絡グループSGRjに割り当てる。なお、短絡グループSGRjとは、k個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkのうち前処理グループPGRjに対応する第j番目の短絡グループのことである。
【0108】
《ST314》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jが最大値jmax(ここでは、jmax=k)に到達しているか否かを判定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k個の前処理グループPGR1,PGR2,…,PGRkの中に判定対象として選択されていない前処理グループが残っているか否かを判定する。変数jが最大値jmaxに到達していない場合には、ステップST315へ進み、変数jが最大値jmaxに到達している場合には、ステップST316へ進む。
【0109】
《ST315》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jに“1”を加算する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k個の前処理グループPGR1,PGR2,…,PGRkのうち判定対象として選択されていない前処理グループを次の判定対象として選択する。また、チャージシェア制御部203は、平均計算グループ,候補グループ,および選択対象グループを初期状態(ソース線SL1,SL2,…,SLnのいずれも割り当てられていない状態)に設定する。次に、ステップST303へ進む。
【0110】
《ST316》
一方、ステップST316において変数jが最大値jmaxに到達していると判定された場合、チャージシェア制御部203は、変数jを“1”に設定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkのうち第1番目の短絡グループSGR1を判定対象として選択する。
【0111】
《ST317》
次に、チャージシェア制御部203は、短絡グループSGRjにソース線が割り当てられているか否かを判定する。短絡グループSGRjにソース線が割り当てられてる場合には、ステップST318へ進み、そうでない場合には、ステップST319へ進む。
【0112】
《ST318》
次に、第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、接続切替部104は、チャージシェア制御部203による制御(グループ割当処理の結果)に応答して、短絡グループSGRjに割り当てられたソース線を短絡線STLjに電気的に接続する。次に、ステップST320へ進む。
【0113】
《ST319》
一方、ステップST317において短絡グループSGRjにソース線が割り当てられていないと判定された場合、接続切替部104は、短絡グループSGRjに対応する短絡線STLjにソース線SL1,SL2,…,SLnを電気的に接続しない。次に、ステップST320へ進む。
【0114】
《ST320》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jが最大値jmax(ここでは、jmax=k)に到達しているか否かを判定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkの中に判定対象として選択されていない短絡グループが残っているか否かを判定する。変数jが最大値jmaxに到達していない場合には、ステップST321へ進み、変数jが最大値jmaxに到達している場合には、ステップST322へ進む。
【0115】
《ST321》
次に、チャージシェア制御部203は、変数jに“1”を加算する。すなわち、チャージシェア制御部203は、k個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkのうち判定対象として選択されていない短絡グループを次の判定対象として選択する。次に、ステップST317へ進む。
【0116】
《ST322》
一方、ステップST320において変数jが最大値jmaxに到達していると判定された場合(k個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkの中に判定対象として選択されていない短絡グループが残っていない場合)、チャージシェア制御部203は、動作を終了するか否かを判定する。動作を継続する場合には、ステップST301へ進む。
【0117】
〔グループ割当処理〕
次に、図17を参照して、グループ割当処理(ST301〜ST315)について具体例を挙げて説明する。ここでは、P=1,n=20,k=2であるものとする。なお、図中、黒丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する前画素値D1(h−1),D2(hー1),…,D20(h−1)を示し、白丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)を示している。
【0118】
第h番目の水平期間のうち駆動期間において、図17のような現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)が駆動電圧供給回路2に供給される。また、画素値格納部202は、図17のような前画素値D1(h−1),D2(hー1),…,D20(h−1)を格納している。
【0119】
まず、ステップST301が実行され、奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL19(正極性の駆動電圧が供給されるソース線)が、前処理グループPGR1に割り当てられ、偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL20(負極性の駆動電圧が供給されるソース線)が、前処理グループPGR2に割り当てられる。
【0120】
次に、ステップST302〜ST304が実行され、前処理グループPGR1に割り当てられたソース線SL1,SL3,…,SL19が平均計算グループに割り当てられ、ソース線SL1,SL3,…,SL19に対応する前画素値D1(h−1),D3(h−1),…,D19(h−1)の平均値AVEP1が算出される。次に、ステップST305〜ST309が実行され、ソース線SL11,SL17,SL19を除く奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL15が選択対象グループに割り当てられる。
【0121】
次に、ステップST310が実行される。ここでは、選択対象グループに割り当てられたソース線の本数“7”は、候補グループに割り当てられたソース線の本数“0”よりも多いので、ステップST312が実行される。これにより、平均計算グループおよび候補グループの各々に、ソース線SL11,SL17,SL19を除く奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL15(選択対象グループに割り当てられたソース線)が割り当てられる。
【0122】
次に、ステップST304が実行され、平均計算グループに割り当てられソース線に対応する前画素値D1(h−1),D3(h−1),D5(h−1),D7(h−1),D9(h−1),D13(h−1),D15(h−1)の平均値AVEP2が算出される。次に、ステップST305〜ST309が実行され、ソース線SL11,SL17を除く奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL19が選択対象グループに割り当てられる。
【0123】
次に、ステップST310が実行される。ここでは、選択対象グループに割り当てられたソース線の本数“8”は、候補グループに割り当てられたソース線の本数“7”よりも多いので、ステップST312が実行される。これにより、平均計算グループおよび候補グループの各々に、ソース線SL1,SL3,SL5,SL7,SL9,SL13,SL15,SL19(選択対象グループに割り当てられたソース線)が割り当てられる。
【0124】
次に、ステップST304が実行され、平均計算グループに割り当てられソース線に対応する前画素値D1(h−1),D3(h−1),D5(h−1),D7(h−1),D9(h−1),D13(h−1),D15(h−1),D19(h−1)の平均値AVEP3が算出される。次に、ステップST305〜ST309が実行され、ソース線SL11,SL17を除く奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL19が選択対象グループに割り当てられる。
【0125】
次に、ステップST310が実行される。ここでは、選択対象グループに割り当てられたソース線の本数“8”は、候補グループに割り当てられたソース線の本数“8”よりも多くないので、ステップST311が実行される。次に、ソース線SL11,SL17を除く奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL19(候補グループに割り当てられたソース線)にそれぞれ対応する短絡ベクトルの絶対値和は、画素ベクトルの絶対値和よりも小さいので、ステップST313が実行される。これにより、ソース線SL11,SL17を除く奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL19(候補グループに割り当てられたソース線)が短絡グループSGR1に割り当てられる。
【0126】
次に、ステップST314,ST315が実行され、前処理グループPGR2が判定対象として選択される。次に、前処理グループPGR2についても上述と同様の処理が実行される。すなわち、第1回目の判定処理(ST303〜ST312)では、偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL20が平均計算グループに割り当てられ、偶数番目の前画素値D2(h−1),D4(h−1),…,D20(h−1)の平均値AVEN1に基づいて、ソース線SL12,SL18,SL20を除く偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL16が選択対象グループに割り当てられる。次に、第2回目の判定処理(ST304〜ST312)では、ソース線SL12,SL18,SL20を除く偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL16が平均計算グループに割り当てられ、前画素値D12(h−1),D18(h−1),D20(h−1)を除く偶数番目の前画素値D2(h−1),D4(h−1),…,D16(h−1)の平均値AVEN2に基づいて、ソース線SL12,SL18を除く偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL20が選択対象グループに割り当てられる。次に、第3回目の判定処理(ST304〜ST311,ST313)では、ソース線SL12,SL18を除く偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL20が平均計算グループに割り当てられ、前画素値D12(h−1),D18(h−1)を除く偶数番目の前画素値D2(h−1),D4(h−1),…,D20(h−1)の平均値AVEN3に基づいて、ソース線SL12,SL18を除く偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL20が選択対象グループに割り当てられ、ステップST313において、ソース線SL12,SL18を除く偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL20(候補グループに割り当てられたソース線)が短絡グループSGR2に割り当てられる。
【0127】
〔ソース線の電圧変動〕
次に、図18を参照して、短絡処理(ST316〜ST321)によるソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧変動について説明する。ここでは、P=1,n=20,k=3であるものする。また、図18では、ソース線SL1,SL2,…,SL20の電圧変動は、画素値を用いて表現されている。なお、図中、黒丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する前画素値D1(h−1),D2(hー1),…,D20(h−1)を示し、白丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)を示している。
【0128】
第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、接続切替部104は、チャージシェア制御部203による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SL20を駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,1120)から切り離した後に、グループ割当処理の結果に基づいて、短絡グループSGR1に割り当てられたソース線SL1,SL3,SL5,SL7,SL9,SL13,SL15,SL19を短絡線STL1に電気的に接続し、短絡グループSGR2に割り当てられたソース線SL2,SL4,SL6,SL8,SL10,ST14,ST16,SL20を短絡線STL2に電気的に接続する。なお、接続切替部104は、ソース線SL11,SL12,SL17,SL18を短絡線STL1,STL2のいずれにも電気的に接続しない。これにより、ソース線SL1,SL3,SL5,SL7,SL9,SL13,SL15,SL19の電圧は、それぞれ、前画素値D1(h−1),D3(h−1),D5(h−1),D7(h−1),D9(h−1),D13(h−1),D15(h−1),D19(h−1)に応じた駆動電圧VD1(h−1),VD3(h−1),VD5(h−1),VD7(h−1),VD9(h−1),VD13(h−1),VD15(h−1),VD19(h−1)から平均値DAP(前画素値D1(h−1),D3(h−1),D5(h−1),D7(h−1),D9(h−1),D13(h−1),D15(h−1),D19(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。ソース線SL2,SL4,SL6,SL8,SL10,ST14,ST16,SL20の電圧は、それぞれ、前画素値D2(h−1),D4(h−1),D6(h−1),D8(h−1),D10(h−1),D14(h−1),D16(h−1),D20(h−1)に応じた駆動電圧VD2(h−1),VD4(h−1),VD6(h−1),VD8(h−1),VD10(h−1),VD14(h−1),VD16(h−1),VD20(h−1)から平均値DAN(前画素値D2(h−1),D4(h−1),D6(h−1),D8(h−1),D10(h−1),D14(h−1),D16(h−1),D20(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。なお、ソース線SL11,SL12,SL17,SL18の電圧は、それぞれ、前画素値D11(h−1),D12(h−1),D17(h−1),D18(h−1)に応じた駆動電圧VD11(h−1),VD12(h−1),VD17(h−1),VD18(h−1)のまま維持される。
【0129】
次に、第h+1番目の水平期間のうち駆動期間において、接続切替部104は、チャージシェア制御部203による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SL20を短絡線STL1,STL2から切り離した後に、ソース線SL1,SL2,…,SL20を駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,1120)に接続する。また、駆動部111,112,…,1120は、水平同期信号の第h+1番目の立ち上がりエッジに同期して、現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)を駆動電圧VD1(h),VD2(h),…,VD20(h)にそれぞれ変換する。これにより、ソース線SL1,SL3,SL5,SL7,SL9,SL13,SL15,SL19の電圧は、それぞれ、平均値DAPに応じた平均電圧から現画素値D1(h),D3(h),D5(h),D7(h),D9(h),D13(h),D15(h),D19(h)に応じた駆動電圧VD1(h),VD3(h),VD5(h),VD7(h),VD9(h),VD13(h),VD15(h),VD19(h)に変化する。ソース線SL2,SL4,SL6,SL8,SL10,ST14,ST16,SL20の電圧は、平均値DANに応じた平均電圧から現画素値D2(h),D4(h),D6(h),D8(h),D10(h),D14(h),D16(h),D20(h)に応じた駆動電圧VD2(h),VD4(h),VD6(h),VD8(h),VD10(h),VD14(h),VD16(h),VD20(h)に変化する。なお、ソース線SL11,SL12,SL17,SL18の電圧は、それぞれ、駆動電圧VD11(h−1),VD12(h−1),VD17(h−1),VD18(h−1))から現画素値D11(h),D12(h),D17(h),D18(h)に応じた駆動電圧VD11(h),VD12(h),VD17(h),VD18(h)に変化する。
【0130】
(チャージシェア動作の変形例2)
また、チャージシェア制御部203は、k個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkのうち少なくとも1つにおいて、その短絡グループに対応付けられたソース線に対応する前画素値からその短絡グループに対応する目標値へ向かう目標ベクトルの和が“0”に近づくように、グループ割当処理を実行しても良い。
【0131】
次に、図19,図20を参照して、チャージシェア動作の変形例2について説明する。ここでは、チャージシェア制御部203は、図14に示したステップST301に代えて、ステップST401〜ST415を実行する。なお、加減計算グループの初期状態は、ソース線SL1,SL2,…,SLnのいずれも割り当てられていない状態であるものとする。
【0132】
《ST401》
まず、チャージシェア制御部203は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnをy個(yは、2以上の整数であり、ここでは、y=k/2)の重み付けグループWGR1,WGR2,…,WGRyに割り当てる。例えば、チャージシェア制御部203は、n個の現画素値D1(h),D2(h),…,Dn(h)の各々が属する画素値レベルの範囲に基づいて、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnをy個の重み付けグループWGR1,WGR2,…,WGRyに割り当てる。
【0133】
《ST402》
次に、チャージシェア制御部203は、変数zを“1”に設定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、y個の重み付けグループWGR1,WGR2,…,WGRyのうち第1番目の重み付けグループを判定対象として選択する。
【0134】
《ST403》
次に、チャージシェア制御部203は、重み付けグループWGRzに割り当てられたソース線に重み値を付加する。なお、重み付けグループWGRzとは、y個の重み付けグループWGR1,WGR2,…,WGRyのうち判定対象として選択された第z番目の重み付けグループのことである。また、重み値は、重み付けグループWGRzに割り当てられたソース線に対応する前画素値の位置(画素値を示した数直線上における位置),現画素値の位置,および重み付けグループWGRzに対応する目標値などに基づいて決定しても良い。例えば、図21,図22のように、前画素値から目標値への移動量が多いほど、重み値の絶対値が大きくなり、重み値の符号は、前画素値が現画素値よりも小さい場合には“正”となり、前画素値が現画素値よりも大きい場合には“負”となる。なお、図21,図22では、目標値を跨がずに前画素値から現画素値へ移動する場合に対応する重み値は“0”であり、前画素値から目標値への移動量が互いに同一である2個の重み値のうち前画素値から現画素値への移動量が小さいほうには“(L)”が付加され、前画素値から現画素値への移動量が大きいほうには“(H)”が付加されている。
【0135】
《ST404》
次に、チャージシェア制御部203は、重み付けグループWGRzに割り当てられたソース線のうち重み値+2(H),+2(L),−2(H),−2(L)が付加されたソース線を加減計算グループに割り当てる。
【0136】
《ST405》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”であるか否かを判定する。重み値の総和が“0”ではない場合には、ステップST406へ進み、重み値の総和が“0”である場合には、ステップST413へ進む。
【0137】
《ST406》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”に近づくように、重み付けグループWGRzに割り当てられたソース線のうち重み値+1(L)または−1(L)が付加されたソース線を加減計算グループに割り当てる。
【0138】
《ST407》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”であるか否かを判定する。重み値の総和が“0”ではない場合には、ステップST408へ進み、重み値の総和が“0”である場合には、ステップST413へ進む。
【0139】
《ST408》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”に近づくように、重み付けグループWGRzに割り当てられたソース線のうち重み値+1(H)または−1(H)が付加されたソース線を加減計算グループに割り当てる。
【0140】
《ST409》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”であるか否かを判定する。重み値の総和が“0”ではない場合には、ステップST410へ進み、重み値の総和が“0”である場合には、ステップST413へ進む。
【0141】
《ST410》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”に近づくように、重み値+2(L)または−2(L)が付加されたソース線を加減計算グループから削除する。
【0142】
《ST411》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”であるか否かを判定する。重み値の総和が“0”ではない場合には、ステップST412へ進み、重み値の総和が“0”である場合には、ステップST413へ進む。
【0143】
《ST412》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”に近づくように、重み値+2(H)または−2(H)が付加されたソース線を加減計算グループから削除する。
【0144】
《ST413》
次に、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線を、k個の前処理グループPGR1,PGR2,…,PGRkのうちいずれか1つの前処理グループ(ソース線が割り当てられていない前処理グループ)に割り当てる。
【0145】
《ST414》
次に、チャージシェア制御部203は、重み付けグループWGRzに割り当てられたソース線のうち加減計算グループに割り当てられていないソース線を、k個の前処理グループPGR1,PGR2,…,PGRkのうち別の前処理グループ(ソース線が割り当てられていない前処理グループ)に割り当てる。
【0146】
《ST415》
次に、チャージシェア制御部203は、変数zが最大値zmax(ここでは、zmax=y)に到達しているか否かを判定する。すなわち、チャージシェア制御部203は、y個の重み付けグループWGR1,WGR2,…,WGRyの中に判定対象として選択されていない重み付けグループが残っているか否かを判定する。変数zが最大値zmaxに到達していない場合には、ステップST416へ進み、変数zがzmaxに到達している場合には、処理を終了する。
【0147】
《ST416》
次に、チャージシェア制御部203は、変数zに“1”を加算する。すなわち、チャージシェア制御部203は、y個の重み付けグループWGR1,WGR2,…,WGRyのうち判定対象として選択されていない重み付けグループを次の判定対象として選択する。また、チャージシェア制御部203は、加減計算グループを初期状態(ソース線SL1,SL2,…,SLnのいずれも割り当てられていない状態)に設定する。次に、ステップST403へ進む。
【0148】
なお、ステップST405,ST407,ST409,ST411において、チャージシェア制御部203は、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が“0”であるか否かを判定する代わりに、加減計算グループに割り当てられたソース線に付加された重み値の総和が所定の許容範囲(“0”を含む許容範囲)内であるか否かを判定しても良い。
【0149】
〔グループ割当処理〕
次に、図23を参照して、グループ割当処理(ST401〜ST416)について具体例を挙げて説明する。ここでは、P=1,n=20,k=4,y=2であるものとする。なお、図中、黒丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する前画素値D1(h−1),D2(hー1),…,D20(h−1)を示し、白丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)を示している。
【0150】
第h番目の水平期間のうち駆動期間において、図23のような現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)が駆動電圧供給回路2に供給される。また、画素値格納部202は、図23のような前画素値D1(h−1),D2(hー1),…,D20(h−1)を格納している。
【0151】
まず、ステップST401が実行され、奇数番目のソース線SL1,SL3,…,SL19(正極性の駆動電圧が供給されるソース線)が、重み付けグループWGR1に割り当てられ、偶数番目のソース線SL2,SL4,…,SL20(負極性の駆動電圧が供給されるソース線)が、重み付けグループWGR2に割り当てられる。
【0152】
次に、ステップST402,ST403が実行され、図21に示した前画素値および現画素値の位置と重み値との対応関係に基づいて、図23のように、重み付けグループWGR1に割り当てられたソース線SL1,SL3,…,SL19の各々に重み値が付加される。次に、ステップST404〜ST413が実行され、加減計算グループに割り当てられたソース線SL3,SL5,SL9,SL11,SL13,SL17,SL19が前処理グループPGR1に割り当てられ、ソース線SL1,SL7,SL15が前処理グループPGR2に割り当てられる。
【0153】
次に、ステップST415,ST416が実行され、重み付けグループWGR2が判定対象として選択される。次に、ステップST402,ST403が実行され、図22に示した前画素値および現画素値の位置と重み値との対応関係に基づいて、図23のように重み付けグループWGR2に割り当てられたソース線SL2,SL4,…,SL20の各々に重み値が付加される。次に、ステップST404〜ST413が実行され、加減計算グループに割り当てられたソース線SL8,SL10,SL14,SL18,SL20が前処理グループPGR3に割り当てられ、ソース線SL2,SL4,SL6,SL12,SL16が前処理グループPGR4に割り当てられる。
【0154】
次に、前処理グループPGR1,PGR2,PGR3,PGR4の各々に対してステップST302〜ST315が実行される。これにより、短絡グループSGR1に、ソース線SL3,SL5,SL9,SL11,SL13,SL17,SL19が割り当てられ、短絡グループSGR2に、ソース線SL1,SL7,SL15が割り当てられ、短絡グループSGR3に、ソース線SL8,SL10,SL14,SL18,SL20が割り当てられ、短絡グループSGR4に、ソース線SL4,SL6,SL16が割り当てられる。なお、ソース線SL2,SL12は、短絡グループSGR1,SGR2,SGR3,SGR4のいずれにも割り当てられない。
【0155】
〔ソース線の電圧変動〕
次に、図24を参照して、チャージシェア動作の変形例2によるソース線SL1,SL2,…,SLnの電圧変動について説明する。ここでは、P=1,n=20,k=4,y=2であるものする。また、図24では、ソース線SL1,SL2,…,SL20の電圧変動は、画素値を用いて表現されている。なお、図中、黒丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する前画素値D1(h−1),D2(hー1),…,D20(h−1)を示し、白丸印は、ソース線SL1,SL2,…,SL20にそれぞれ対応する現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)を示している。
【0156】
第h番目の水平期間のうちチャージシェア期間において、接続切替部104は、チャージシェア制御部203による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SL20を駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,1120)から切り離した後、短絡グループSGR1に割り当てられたソース線SL3,SL5,SL9,SL11,SL13,SL17,SL19を短絡線STL1に電気的に接続し、短絡グループSGR2に割り当てられたソース線SL1,SL7,SL15を短絡線STL2に電気的に接続し、短絡グループSGR3に割り当てられたソース線SL8,SL10,SL14,SL18,SL20を短絡線STL3に電気的に接続し、短絡グループSGR4に割り当てられたソース線SL4,SL6,SL16を短絡線STL4に電気的に接続する。なお、接続切替部104は、ソース線SL2,SL12を短絡線STL1,STL2,STL3,STL4のいずれにも電気的に接続しない。これにより、ソース線SL3,SL5,SL9,SL11,SL13,SL17,SL19の電圧は、それぞれ、前画素値D3(h−1),D5(h−1),D9(h−1),D11(h−1),D13(h−1),D17(h−1),D19(h−1)に応じた駆動電圧VD3(h−1),VD5(h−1),VD9(h−1),VD11(h−1),VD13(h−1),VD17(h−1),VD19(h−1)から平均値DAP1(前画素値D3(h−1),D5(h−1),D9(h−1),D11(h−1),D13(h−1),D17(h−1),D19(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。ソース線SL1,SL7,SL15の電圧は、それぞれ、前画素値D1(h−1),D7(h−1),D15(h−1)に応じた駆動電圧VD1(h−1),VD7(h−1),VD15(h−1)から平均値DAP2(前画素値D1(h−1),D7(h−1),D15(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。ソース線SL8,SL10,SL14,SL18,SL20の電圧は、それぞれ、前画素値D8(h−1),D10(h−1),D14(h−1),D18(h−1),D20(h−1)に応じた駆動電圧VD8(h−1),VD10(h−1),VD14(h−1),VD18(h−1),VD20(h−1)から平均値DAN1(前画素値D8(h−1),D10(h−1),D14(h−1),D18(h−1),D20(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。ソース線SL4,SL6,SL16の電圧は、それぞれ、前画素値D4(h−1),D6(h−1),D16(h−1)に応じた駆動電圧VD4(h−1),VD6(h−1),VD16(h−1)から平均値DAN2(前画素値D4(h−1),D6(h−1),D16(h−1)の平均値)に応じた平均電圧に変化する。なお、ソース線SL2,SL12の電圧は、それぞれ、前画素値D2(h−1),D12(h−1)に応じた駆動電圧VD2(h−1),VD12(h−1)のまま維持される。
【0157】
次に、第h+1番目の水平期間のうち駆動期間において、接続切替部104は、チャージシェア制御部203による制御に応答して、ソース線SL1,SL2,…,SL20を短絡線STL1,STL2,STL3,STL4から切り離した後に、ソース線SL1,SL2,…,SL20を駆動電圧生成部101(駆動部111,112,…,1120)に接続する。また、駆動部111,112,…,1120は、水平同期信号の第h+1番目の立ち上がりエッジに同期して、現画素値D1(h),D2(h),…,D20(h)を駆動電圧VD1(h),VD2(h),…,VD20(h)にそれぞれ変換する。これにより、ソース線SL3,SL5,SL9,SL11,SL13,SL17,SL19の電圧は、それぞれ、平均値DAP1に応じた平均電圧から現画素値D3(h),D5(h),D9(h),D11(h),D13(h),D17(h),D19(h)に応じた駆動電圧VD3(h),VD5(h),VD9(h),VD11(h),VD13(h),VD17(h),VD19(h)に変化する。ソース線SL1,SL7,SL15の電圧は、それぞれ、平均値DAP2に応じた平均電圧から現画素値D1(h),D7(h),D15(h)に応じた駆動電圧VD1(h),VD7(h),VD15(h)に変化する。ソース線SL8,SL10,SL14,SL18,SL20の電圧は、それぞれ、平均値DAN1に応じた平均電圧から現画素値D8(h),D10(h),D14(h),D18(h),D20(h)に応じた駆動電圧VD8(h),VD10(h),VD14(h),VD18(h),VD20(h)に変化する。ソース線SL4,SL6,SL16の電圧は、それぞれ、平均値DAN2に応じた平均電圧から現画素値D4(h),D6(h),D16(h)に応じた駆動電圧VD4(h),VD6(h),VD16(h)に変化する。なお、ソース線SL2,SL12の電圧は、それぞれ、駆動電圧VD2(h−1),VD12(h−1)から現画素値D2(h),D12(h)に応じた駆動電圧VD2(h),VD12(h)に変化する。
【0158】
(実施形態3)
図25は、実施形態3による駆動電圧供給回路3の構成例を示す。駆動電圧供給回路3は、図1に示した駆動電圧供給回路1の構成に加えて、画素値格納部302と、割当制御部303と、制御切替部304とを備える。なお、駆動電圧供給回路3の駆動方式は、駆動電圧VD1,VD2,…,VDnの極性を反転させない駆動方式であっても良いし、P×Qドット反転駆動方式であっても良い。
【0159】
〔画素値格納部〕
画素値格納部302は、1水平期間毎に供給されたn個の画素値D1,D2,…,Dnを格納する。すなわち、画素値格納部202は、第h−1番目の水平期間に対応するn個の画素値D1,D2,…,Dnをn個の前画素値D1(h−1),D2(h−1),…,Dn(h−1)として格納する。
【0160】
〔割当制御部〕
割当制御部303は、k本の短絡線STL1,STL2,…,STLkにそれぞれ対応するk個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkの各々において、その短絡グループに割り当てられたソース線に対応する前画素値の平均値からその短絡グループに割り当てられたソース線に対応する現画素値へそれぞれ向かう短絡ベクトルの絶対値和が、その短絡グループに割り当てられたソース線に対応する前画素値からその短絡グループに割り当てられたソース線に対応する現画素値へそれぞれ向かう画素ベクトルの絶対値和よりも小さくなるように、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnをk個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkに割り当てるグループ割当処理を実行する。なお、割当制御部303は、チャージシェア制御部203の動作(図13,図14〜図16,図19,図20など)と同様の動作を実行するものであっても良い。
【0161】
〔制御切替部〕
割当制御部303によってグループ割当処理が実行された場合、制御切替部304は、割当制御部303によってk個の短絡グループSGR1,SGR2,…,SGRkに割り当てられたソース線がk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkにそれぞれ電気的に接続されるように接続切替部104を制御する。一方、割当制御部303によってグループ割当処理が実行されない場合、制御切替部304は、n個の制御部131,132,…,13nによってk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkに割り当てられたソース線がk本の短絡線STL1,STL2,…,STLkにそれぞれ電気的に接続されるように接続切替部104を制御する。
【0162】
ここでは、制御切替部304は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnにそれぞれ対応するn個の切替部311,312,…,31nを含む。割当制御部303によってグループ割当処理が実行された場合、切替部311,312,…,31のうち第i番目の切替部(以下、切替部31iと表記)は、割当制御部303による制御に応答して、接続切替部104(供給スイッチSWiおよびk個の短絡スイッチSWi1,SWi2,…,SWik)を制御する。一方、割当制御部303によってグループ割当処理が実行されない場合、切替部31iは、制御部13iによる制御に応答して、接続切替部104(供給スイッチSWiおよびk個の短絡スイッチSWi1,SWi2,…,SWik)を制御する。なお、供給スイッチSWiとは、n個の供給スイッチSW1,SW2,…,SWnのうち第i番目のソース線SLiに対応する供給スイッチのことであり、短絡スイッチSWi1,SWi2,…,SWikとは、n×k個の短絡スイッチSW11,SW12,…,SWnkのうち第i番目のソース線SLiに対応するk個の短絡スイッチのことである。
【0163】
なお、駆動電圧生成部101,画素値格納部102,チャージシェア制御部103,接続切替部104,および制御切替部304を半導体チップに搭載し、画素値格納部302および割当制御部303を外部制御装置(例えば、画像エンジンなど)に搭載しても良い。このように、半導体チップの外部に設けられた外部制御装置に演算処理(グループ割当処理など)を実行させることにより、半導体チップの構成を簡略化でき、製造コストを低減できる。
【0164】
(調整部)
図26のように、駆動電圧供給回路1は、n本のソース線SL1,SL2,…,SLnにそれぞれ対応するn個の調整部411,412,…,41nをさらに備えていても良い。調整部411,412,…,41nのうち第i番目の調整部(以下、調整部41iと表記)は、制御部13iがソース線SLiを短絡線STL1,STL2,…,STLkのいずれか1つに割り当てた場合には、予め定められたセトリング期間中にソース線SLiの電圧が駆動電圧VDiになるように、ソース線SLiが割り当てられた短絡線に対応する目標値と現画素値Di(h)との差に応じて駆動部11iの出力電流量を調整する。例えば、調整部41iは、ソース線SLiが割り当てられた短絡線に対応する目標値と現画素値Di(h)との差が大きいほど、駆動部11iの出力電流量を多くする。
【0165】
以上のように、駆動電圧生成部101のピーク電流量を抑えることができるので、ソース線SL1,SL2,…,SLnに発生するノイズを低減できる。なお、調整部411,412,…,41nは、図9,図12,図25に示した駆動電圧供給回路にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0166】
以上説明したように、上述の駆動電圧供給回路は、n個の駆動電圧の極性を反転させない場合であってもn本のソース線の間で電荷再分配を効率良く実行できるので、表示装置などに有用である。
【符号の説明】
【0167】
1,2,3 駆動電圧供給回路
10 表示パネル
20 ゲートドライバ
101 ソースドライバ
102 画素値格納部
103 チャージシェア制御部
104 接続切替部
STL1,STL2,…,STLk 短絡線
SL1,SL2,…,SLn ソース線
GL1,GL2,…,GLm ゲート線
100 画素部
111,112,…,11n 駆動部
121,122,…,12n 格納部
131,132,…,13n 制御部
SW1,SW2,…,SWn 供給スイッチ
SW11,SW12,…,SWnk 短絡スイッチ
302 画素値格納部
303 割当制御部
304 制御切替部
311,312,…,31n 切替部
411,412,…,41n 調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1水平期間毎に、n本(nは、2以上の整数)のソース線にそれぞれ対応するn個の現画素値が与えられ、当該n個の現画素値に応じたn個の駆動電圧を前記n本のソース線にそれぞれ供給する回路であって、
第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値を前記n個の駆動電圧に変換する駆動電圧生成部と、
第h−1番目の水平期間に対応するn個の現画素値をn個の前画素値として格納する画素値格納部と、
複数の短絡線と、
画素値を示した数直線上において前記画素値格納部に格納されたn個の前画素値から前記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値へそれぞれ向かうn個の画素ベクトルの分布に基づいて、前記n本のソース線の各々について、当該ソース線を前記複数の短絡線のうちどの短絡線に割り当てるのか、または、当該ソース線を前記複数の短絡線のいずれにも割り当てないのかを決定するチャージシェア制御部と、
前記チャージシェア制御部によって前記複数の短絡線の各々に割り当てられたソース線を当該短絡線に電気的に接続する接続切替部とを備える
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の短絡線の各々には、前記数直線上において当該短絡線に対応する目標値からそれぞれの終点値までの距離がそれぞれの始点値から終点値までの距離よりも短い複数の第1候補ベクトルおよび複数の第2候補ベクトルが対応付けられており、
前記複数の短絡線の各々に対応付けられた複数の第2候補ベクトルの始点値は、当該短絡線に対応する目標値を軸として当該短絡線に対応付けられた複数の第1候補ベクトルの始点値に対してそれぞれ対称的な位置に配置され、
前記チャージシェア制御部は、前記n本のソース線の各々について、当該ソース線に対応する前画素値から現画素値へ向かう画素ベクトルが前記複数の短絡線のいずれか1つに対応付けられた複数の第1候補ベクトルおよび複数の第2候補ベクトルのいずれか1つに一致する場合に、当該ソース線を当該短絡線に割り当てる
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項3】
請求項2において、
前記画素値格納部は、前記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の格納部を含み、
前記チャージシェア制御部は、前記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の制御部を含み、
前記n個の格納部の各々は、前記第h−1番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該格納部に対応する現画素値を前画素値として格納し、
前記n個の制御部の各々は、前記数直線上において前記n個の格納部のうち当該制御部に対応する格納部に格納された前画素値から前記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該制御部に対応する現画素値に向かう画素ベクトルが前記複数の短絡線のいずれか1つに対応付けられた複数の第1の候補ベクトルおよび複数の第2の候補ベクトルのいずれか1つに一致する場合に、当該制御部に対応するソース線を当該短絡線に割り当てる
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項4】
請求項3において、
割当制御部と、
制御切替部とをさらに備え、
前記割当制御部は、前記複数の短絡線にそれぞれ対応する複数の短絡グループの各々において、当該短絡グループに割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値の平均値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の短絡ベクトルの絶対値和が、当該複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該ソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の画素ベクトルの絶対値和よりも小さくなるように、前記n本のソース線の各々について、当該ソース線を前記複数の短絡グループのうちどの短絡グループに割り当てるのか、または、当該ソース線を前記複数の短絡グループのいずれにも割り当てないのかを決定するグループ割当処理を実行し、
前記制御切替部は、前記グループ割当処理が実行された場合には、前記割当制御部によって前記複数の短絡グループの各々に割り当てられたソース線が当該短絡グループに対応する短絡線に電気的に接続されるように前記接続切替部を制御し、前記グループ割当処理が実行されない場合には、前記n個の制御部によって前記複数の短絡線の各々に割り当てられたソース線が当該短絡線に電気的に接続されるように前記接続切替部を制御する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項5】
請求項4において、
前記割当制御部は、前記複数の短絡グループのうち少なくとも1つにおいて当該短絡グループに割り当てられたソース線の本数が最大になるように、前記グループ割当処理を実行する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項6】
請求項4において、
前記割当制御部は、前記複数の短絡グループのうち少なくとも1つにおいて当該短絡グループに割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該短絡グループに対応する目標値へそれぞれ向かう複数の目標ベクトルの和が最小になるように、前記グループ割当処理を実行する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項7】
請求項3において、
前記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の調整部をさらに備え、
前記駆動電圧生成部は、前記n本のソース線にそれぞれ対応するn個の駆動部を含み、
前記n個の駆動部の各々は、前記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該駆動部に対応する現画素値を前記駆動電圧に変換し、
前記n個の調整部の各々は、前記n個の制御部のうち当該調整部に対応する制御部が当該調整部に対応するソース線を前記複数の短絡線のいずれか1つに割り当てた場合に、前記第h番目の水平期間に対応するn個の現画素値のうち当該調整部に対応する現画素値と当該短絡線に対応する目標値との差に応じて、前記n個の駆動部のうち当該調整部に対応する駆動部の出力電流量を調整する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項8】
請求項2において、
前記チャージシェア制御部は、前記複数の短絡線の各々について、当該短絡線に割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値の平均値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値にそれぞれ向かう複数の短絡ベクトルの絶対値和が、当該複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値にそれぞれ向かう複数の画素ベクトルの絶対値和よりも小さい場合に、当該短絡線に割り当てられた複数のソース線が当該短絡線に電気的に接続されるように前記接続切替部を制御する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項9】
請求項2において、
前記チャージシェア制御部は、前記複数の短絡線にそれぞれ対応する複数の短絡グループの各々において、当該短絡グループに割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値の平均値から当該複数のソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の短絡ベクトルの絶対値和が、当該複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該ソース線に対応する複数の現画素値へそれぞれ向かう複数の画素ベクトルの絶対値和よりも小さくなるように、前記n本のソース線の各々について、当該ソース線を前記複数の短絡グループのうちどの短絡グループに割り当てるのか、または、当該ソース線を前記複数の短絡グループのいずれにも割り当てないのかを決定するグループ割当処理を実行する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項10】
請求項9において、
前記チャージシェア制御部は、前記複数の短絡グループのうち少なくとも1つにおいて当該短絡グループに割り当てられたソース線の本数が最大になるように、前記グループ割当処理を実行する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項11】
請求項9において、
前記チャージシェア制御部は、前記複数の短絡グループのうち少なくとも1つにおいて当該短絡グループに割り当てられた複数のソース線に対応する複数の前画素値から当該短絡グループに対応する目標値へそれぞれ向かう複数の目標ベクトルの和が最小になるように、前記グループ割当処理を実行する
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項において、
前記駆動電圧生成部は、1水平期間においてP本(Pは、1以上の整数)のソース線毎に前記n個の駆動電圧の極性を反転させるとともに、Q個(Qは、2以上の整数)の水平期間毎に前記n個の駆動電圧の極性を反転させる
ことを特徴とする駆動電圧供給回路。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の駆動電圧供給回路と、
前記n本のソース線と、m本(mは、2以上の整数)のゲート線と、それぞれが前記
n本のソース線のいずれか1本に接続されるとともに前記m本のゲート線のいずれか1本に接続されたn×m個の画素部とを含む表示パネルと、
1水平期間毎に前記m個のゲート線のいずれか1本を活性化させるゲートドライバとを備える
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2013−101164(P2013−101164A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50684(P2010−50684)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】