説明

駐機航空機用空調装置

【課題】装置構成を簡単かつ低コストにすると共に、気温が氷点下になる寒冷地でも稼動できる駐機航空機用空調装置を実現する。
【解決手段】ハウジング12の1階部分1Fに中空ケーシング16を設け、中空ケーシング16の一端に高静圧ブロア18を設け、中空ケーシング16内に予冷装置30の吸熱部304と、蒸気圧縮式冷凍装置40の蒸発器404a、404bを設けている。予冷装置30の放熱部306a、306bは2階部分2Fの側壁に設けられた熱交換管である。蒸気圧縮式冷凍装置40は、冷媒循環路402に介設された該蒸発器、圧縮機406、膨脹弁412a、412b、及び2階部分2Fの側壁で、該放熱部の外側に配置された熱交換管からなる凝縮器414a、414bからなる。高静圧ブロア18でケーシング12内に導入した外気eを吸熱部304で予冷し、さらに蒸発器404a、404bで冷却して、駐機航空機Pに送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寒冷地に適用されて好適であり、外気を冷熱源として利用するようにした駐機航空機用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機が駐機場など地上にいるとき、航空機のキャビンや航空機内部に搭載された機器を冷却する必要があり、この冷却手段として、外気を空調装置で冷却し、この冷却空気を航空機に供給している。
この種の空調装置は、特許文献1に開示されているように、中空のケーシング内に蒸気圧縮式冷凍装置の一部を構成する冷却器(蒸発器)を配設し、送風機でケーシング内に外気を導入し、導入した外気を該冷却器で冷却し、冷却した外気を駐機航空機に供給するようにしている。
【0003】
蒸気圧縮式冷凍装置は、冷媒ガスを圧縮機で圧縮し、高圧となった冷媒ガスを凝縮器で冷却して液化し、液化した冷媒液を膨脹弁を通して低圧の気液混合状態とし、この気液混合流体を冷却器(蒸発器)で、外気と熱交換させて、外気から蒸発潜熱を奪って外気を冷却するものである。
【0004】
外気を駐機航空機に効率良く供給するためには、加圧押込型送風機を使い、外気を1,000mmaq以上の高圧で該ケーシング内に導入し、駐機航空機に供給する必要がある。しかし、外気を高圧にすると、圧縮熱が発生し、外気は10℃以上昇温されて前記冷却器に達する。そのため、蒸気圧縮式冷凍装置の冷却能力では、外気の冷却が十分にできないという自体が生じる場合がある。
【0005】
特許文献2には、前述の蒸気圧縮式冷凍装置を備えた空調装置において、かかる問題点を解決するため、加圧押込型ブロアと蒸気圧縮式冷凍装置の冷却器との間にプレクーラを設けた空調装置が開示されている。該プレクーラ及び冷却器には、共通の冷媒循環路から分岐した分岐路及び該分岐路に介装された膨脹弁を経て冷媒が供給される。このように、外気をプレクーラと冷却器とで2回に亘って冷却することで、冷却効率を向上させている。
【0006】
また、特許文献3には、空港ビル等と共用の地域配管から冷水が供給される空気冷却器と、蒸発式冷却器で外気と熱交換した冷却水が供給されるプレクーラとを備えた空調装置が開示されている。この蒸発式冷却器は、取入れ外気の通気路に配置された充填物層と、この充填物に被冷却水を散水する散水装置と、充填物層を落下した冷却水を溜める水槽とからなる。外気が該充填物層を通過する際に、該散水装置から散水された被冷却水と気液接触し、被冷却水の一部蒸発を伴って外気に潜熱及び顕熱が放出され、被冷却水が冷却される。この被冷却水が前記水槽に一時貯留された後、前記プレクーラに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−39208号公報
【特許文献2】特開2004−232979号公報
【特許文献3】特開平03−63428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に開示された空調装置は、プレクーラ及び冷却器を設けたため、蒸気圧縮式冷凍装置からプレクーラ及び冷却器に冷媒を供給する冷媒循環系統が2系統必要になり、装置が複雑かつ高価になるという問題がある。
特許文献3に開示された空調装置は、空気冷却器に供給する冷水を必要とすると共に、外気と熱交換する被冷却水を必要とする。そのため、空調装置が寒冷地、特に、気温が氷点下となる寒冷地にある場合には、冷水や被冷却水が凍結して空調装置が稼動できなくなるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、装置構成を簡単かつ低コストにすると共に、気温が氷点下になる寒冷地でも稼動できる駐機航空機用空調装置を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため、本発明の航空機用空調装置は、
ケーシング内に空気を導入する送風機と、冷凍サイクルを構成し該送風機から吐出された空気を冷却する蒸気圧縮式冷凍装置とを備え、該蒸気圧縮式冷凍装置で冷却された冷却空気を駐機航空機に供給するようにした駐機航空機用空調装置において、
前記ケーシング内に形成された空気流の上流側にブラインが循環する熱交換管の吸熱部からなる予冷器を配設すると共に、該予冷器の下流側に前記蒸気圧縮式冷凍装置の一部を構成する蒸発器を配設し、
前記ケーシングにハウジングを併設すると共に、該ハウジング内に外気を導入する第2の送風機と、該ハウジング内に形成された外気流に面して前記熱交換管の放熱部を配設し、該外気流で該放熱部を流れるブラインを冷却するように構成したものである。
【0011】
本発明の空調装置では、外気を冷熱源とする予冷器でケーシング内に導入した外気を予冷するようにしているので、外気の冷却能力を高めることができると共に、予冷器の構成を簡素化かつ低コストにできる。
駐機航空機は、整備を行なうため、冬季でも冷房を必要とする。冬季又は寒冷地では、低温の外気によるブラインの冷却効果を向上できるので、該予冷器の冷却効果を高めることができる。そのため、場合によっては、予冷器のみの冷却だけで、外気を駐機航空機に供給できるようになり、空調装置の所要動力を節減できる。
【0012】
また、ケーシングに併設されたハウジングの内部に予冷器を構成する熱交換管の放熱部を配設し、外気流との熱交換を行なわせるようにしたので、外気と該放熱部との熱交換領域を十分広く取ることができる。そのため、外気流と該放熱部との熱交換効率を向上できると共に、外気流の圧損を低減できるので、第2の送風機の所要動力を低減できる。
【0013】
本発明装置において、蒸気圧縮式冷凍装置の一部を構成する凝縮器をハウジング内に形成された外気流に面するように配設し、該外気流で該凝縮器を流れる冷媒を冷却するように構成するとよい。これによって、凝縮器の冷熱源として特別の冷熱源を必要とせず、また、凝縮器の冷熱源として冷却水を使用しない。そのため、蒸気圧縮式冷凍装置の構成を簡素化できると共に、気温が氷点下になる冬季又は寒冷地でも、空調装置を稼動できる。
【0014】
本発明装置において、ハウジングを1階部分及び該1階部分と仕切り壁を介して区画された2階部分とから構成し、送風機、ケーシング及び蒸気圧縮式冷凍装置を1階部分に配置し、2階部分の側壁の一部を、前記熱交換管の放熱部を内側に配置すると共に、凝縮器を構成する熱交換管を該放熱部の外側に配設し、これら熱交換管の間に通風空間を形成して構成し、2階部分の天井壁に外気を導入する第2の送風機を設けるようにするとよい。
【0015】
このように、送風機、ケーシング及び蒸気圧縮式冷凍装置を1階部分に配置するようにしたので、2階部分に外気の導入スペースを広く取ることができる。そのため、外気の圧力損失を低減して、第2の送風機の所要動力を節減できると共に、該放熱部及び凝縮器をと外気との熱交換効率を向上できる。
また、放熱部より外気による冷却効果が必要な凝縮器を放熱部の外側に配置したので、該凝縮器の冷却効果を十分に得ることができる。
【0016】
本発明装置において、ブラインが循環する熱交換管に三方弁を介設すると共に、該三方弁にバイパス管路を接続し、該バイパス路にブラインの一部を分岐させて前記吸熱部を流れるブラインの流量を調節するように構成するように構成するとよい。
これによって、簡単な構成で該放熱部を流れるブラインの流量を調節できる。そのため、該放熱部での冷却効果を調整して、駐機航空機に供給する冷却空気の温度を調節することができる。
【0017】
本発明装置において、ブラインとして不凍液を用いれば、寒冷地でもブラインが凍結するおそれがなくなる。そのため、寒冷地でも安定した稼動が可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明装置によれば、ケーシング内に空気を導入する送風機と、冷凍サイクルを構成し該送風機から吐出された空気を冷却する蒸気圧縮式冷凍装置とを備え、該蒸気圧縮式冷凍装置で冷却された冷却空気を駐機航空機に供給するようにした駐機航空機用空調装置において、ケーシング内に形成された空気流の上流側にブラインが循環する熱交換管の吸熱部からなる予冷器を配設すると共に、該予冷器の下流側に前記蒸気圧縮式冷凍装置の一部を構成する蒸発器を配設し、ケーシングにハウジングを併設すると共に、該ハウジング内に外気を導入する第2の送風機と、該ハウジング内に形成された外気流に面して前記熱交換管の放熱部を配設し、該外気流で該放熱部を流れるブラインを冷却するように構成したので、予冷器の冷熱源が不要になり、装置構成を簡素化かつ低コストにできる。
【0019】
特に、寒冷地では、低温の外気により予冷器の冷却効果を向上できるので、蒸気圧縮式冷凍装置の冷却負荷を低減でき、冬季には、蒸気圧縮式冷凍装置の稼動も不要になり、所要動力を大幅に節減できる。また、ケーシングに併設されたハウジングの内部に、予冷器を構成する熱交換管の放熱部を設けたので、外気流との熱交換スペースを広く取れることができる。そのため、外気流の圧損を低減できると共に、外気流と該放熱部との熱交換効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明装置の一実施形態に係る平面図(図2中のA−A線に沿う断面図)である。
【図2】前記実施形態に係る斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0022】
本発明装置の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態の駐機航空機用空調装置10は、気温が氷点下となる寒冷地に設置されたものとする。図2に示すように駐機航空機用空調装置10は、直方体形状のハウジング12の内部に各機器類が収納されて構成されている。ハウジング12は、1階部分1Fと2階部分2Fとの間に仕切り床14を有する2階立て構造になっている。図1は1階部分1Fの平面図である。
【0023】
図1において、1階部分1Fの床面に中空のケーシング16が設けられ、該ケーシングの一端に、高静圧ブロア18が取り付けられている。高静圧ブロア18は、駆動モータ20によって駆動され、その空気吸入口19に対向するハウジング12の隔壁に開口22が設けられ、該開口22から外気aを吸入する。
【0024】
ケーシング16内には、外気aの流れ方向上流側から順に、予冷器30の吸熱部304と、蒸気圧縮式冷凍装置40の蒸発器404a及び404bとが配設されている。
吸熱部304及び後述する放熱器306a、306bは、不凍液からなるブラインbが循環する熱交換管で構成されている。図2に示すように、放熱部306a及び302bは、2階部分2Fの側壁に設けられた熱交換管で構成されている。
【0025】
吸熱部304と放熱部306a、306bとは、ブライン循環路302で接続されている。ブライン循環路302には、ブラインポンプ308、三方弁310、及びブラインbの一部を三方弁310にバイパスするバイパス路312が設けられている。バイパス管路312を通るブライン流量を調節することにより、吸熱部304を通るブライン流量を調節できる。これによって、吸熱部304による外気aの冷却効果を調節できる。
【0026】
ブライン循環路302は、ブラインポンプ308の下流側で2つの分岐路302a及び302bに分岐し、一方の分岐路302aは、放熱部306aに接続され、他方の分岐路302bは放熱部306bに接続されている。
【0027】
蒸気圧縮式冷凍装置40は、冷媒循環路402に、駆動モータ408によって駆動される圧縮機406と、ケーシング16内に外気aの流れ方向に沿って2段に設けられた蒸発器404aおよび404bと、高圧受液器410と、膨脹弁412a及び412bと、凝縮器414a及び414bとが介設されて構成されている。冷媒循環路402は、高圧受液器410で2つの分岐路402a及び402bに分岐され、一方の分岐路402aには膨脹弁412aが介装され、他方の分岐路402bには膨脹弁412bが介装されている。
【0028】
圧縮機406の下流側で、冷媒循環路402は2つの分岐路402c及び402dに分岐している。分岐路402cは一方の凝縮器414aに接続され、分岐路402dは他方の凝縮器414bに接続されている。
【0029】
ケーシング16で温度調整された後の空調外気bは、ダクト24及びダクト24に接続されたホース28に送られる。ダクト24にはダンパ26が設けられ、ダンパ26で空調外気bの流量を調整できる。ホース28は駐機航空機Pに接続されており、ホース28から空調外気bを駐機航空機Pに供給する。
【0030】
図2において、ハウジング12の2階部分2Fで互いに対面した側壁には、開口50a及び50bが設けられている。開口50a及び50bには、多数の平板状のフィン52が開口面に直交する方向に並設され、フィン52間には隙間dが形成されている。凝縮器414a及び414bは、フィン52を貫通して配置された1本の蛇行した熱交換管で構成されている。凝縮器414aを構成する熱交換管は、分岐路402cに接続され、凝縮器414bを構成する熱交換管は分岐路402dに接続されている。
【0031】
凝縮器414aの内側には放熱部306aが形成されている。放熱部306aは、フィン52を貫通して配置された1本の蛇行した熱交換管で構成されている。該熱交換管は、凝縮器414aを構成する熱交換管と平行に配置されている。凝縮器414bの内側には放熱部306bが、放熱部306aと同様の構成で形成されている。放熱部306aは分岐路302aに接続され、放熱部306bは分岐路302bに接続されている。
ハウジング12の2階部分2Fの天井面には、8個の円形の開口54が設けられ、各開口54には、排気ファン56が設けられている。2階部分2Fの内部には、通風空間Sが形成されている。
【0032】
かかる構成において、排気ファン56を稼動させ、隙間dから外気eを通風空間Sに導入し、導入した外気eを開口54から排出することで、通風空間Sに外気流を形成させる。これによって、蒸気圧縮式冷凍装置40の凝縮器414a、414bを流れる冷媒rが外気eで冷却されて凝縮すると共に、外気eで放熱部306a、306bを流れるブラインbが冷却される。放熱部306a、306bで冷却されたブラインbは、吸熱部304に送られ、高静圧ブロア18でケーシング16内に導入された外気aを冷却する。
なお、放熱部306a、306bと流れるブラインbと凝縮器414a、414bを流れる冷媒rとは、互いに対向流となるように構成されている。
【0033】
高静圧ブロア18を稼動させ、外気aをケーシング16に導入すると、導入された外気aは、圧縮されて高温になる。高温になった外気aを、まず吸熱部304で予冷する。次に、予冷された外気aを蒸気圧縮式冷凍装置40の蒸発器404a及び404bでさらに冷却する。こうして冷却された空調外気bをダクト24及びホース28を介して駐機航空機Pに供給する。
【0034】
夏季においては、高静圧ブロア18でケーシング16内に導入された外気aは、圧縮されかなり高温になる。本実施形態では、この高温になった外気aを、吸熱部304で予冷し、その後、蒸発器404a、404bでさらに冷却するので、冷却効果を向上でき、高温になった外気aでも、駐機航空機Pに搭載された機器類の冷却に必要な温度とすることができる。
【0035】
冬季でも、駐機航空機Pは整備を行なうため、空調が必要となる。冬季では、氷点下に至らない気温では、吸熱部304による予冷と、蒸発器404a、404bによる冷却を併用する。気温が氷点下になると、放熱部306a、306bでの外気eによるブラインbの冷却効果が大きいので、吸熱部304のみで外気aの冷却が可能になる。この時、三方弁310を操作し、吸熱部304に循環するブラインbの流量を調整することにより、冷却効果を調整できる。
【0036】
本実施形態によれば、外気aを冷却する冷却手段として、外気eを冷熱源とする予冷装置30と、蒸気圧縮式冷凍装置40とを設け、該予冷器30で外気aを予冷するようにしているので、冷却効果を十分得ることができる。また、予冷装置30は外気eを冷熱源とすることで、別途特別な冷却手段を必要としないので、空調装置10の所要動力を節減できる。
特に、冬季で、気温が氷点下になった場合には、予冷装置30のみの稼動で外気aを冷却できるので、空調装置10の所要動力を大幅に節減できる。
【0037】
また、ハウジング12の1階部分1Fに空調装置10の構成機器類を配置し、2階部分2Fに外気流を形成する通風空間Sを広く取っているので、外気eと予冷装置30の放熱部306a、306bとの熱交換効率を向上できると共に、外気eの圧力損失を低減して、排気ファン56の所要動力を低減できる。
【0038】
また、蒸気圧縮式冷凍装置40の凝縮器414a及び414bを流れる冷媒rの冷却も外気eで行なうようにしているので、該凝縮器の冷却手段を特別に設ける必要がなくなり、設備費を削減できる。このように、該凝縮器の冷却手段として、冷却水を使用しないので、気温が氷点下になる場合でも、蒸気圧縮式冷凍装置40を稼動できる。
【0039】
さらに、2階部分2Fの側壁で、凝縮器414a、414bを外側に配置し、放熱部306a、306bを該凝縮器414a、414bの内側に配置したので、該放熱部を流れるブラインbより低温に冷却する必要がある冷媒rの冷却効果を向上できる。
また、該放熱部を流れるブラインbと、該凝縮器を流れる冷媒rとを対向流としたので、これらの上流側と下流側とで冷却効果を均一にできる。
【0040】
また、ブライン循環路302に三方弁310とバイパス路312とを設け、三方弁310を操作することで、吸熱部304を流れるブラインbの流量を調整できるので、駐機航空機Pに送る空調外気bの温度調整が可能となる。
また、ブラインbとして不凍液を用いているので、気温が氷点下となる寒冷地の冬季でも空調装置10を安定して稼動できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、駐機航空機に冷却された空調空気を供給する場合に、特に、寒冷地においてに冷却効率が良く、設備費が安く、かつ所要動力を低減できる空調装置を実現できる。
【符号の説明】
【0042】
10 駐機航空機用空調装置
12 ハウジング
14 仕切り床
16 ケーシング
18 高静圧ブロア
19 空気吸入口
20、408 駆動モータ
22,50a、50b、54 開口
24 ダクト
26 ダンパ
28 ホース
30 予冷装置
302 ブライン循環路
302a、302b 分岐路
304 吸熱部
306a、306b 放熱部
308 ブラインポンプ
310 三方弁
312 バイパス路
40 蒸気圧縮式冷凍装置
402 冷媒循環路
402a、402b、402c、402d 分岐路
404a、404b 蒸発器
406 圧縮機
410 高圧受液器
412a、412b 膨脹弁
414a、414b 凝縮器
52 フィン
56 排気ファン
a、e 外気
b ブライン
c 空調外気
d 隙間
S 通風空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内に空気を導入する送風機と、冷凍サイクルを構成し該送風機から吐出された空気を冷却する蒸気圧縮式冷凍装置とを備え、該蒸気圧縮式冷凍装置で冷却された冷却空気を駐機航空機に供給するようにした駐機航空機用空調装置において、
前記ケーシング内に形成された空気流の上流側にブラインが循環する熱交換管の吸熱部からなる予冷器を配設すると共に、該予冷器の下流側に前記蒸気圧縮式冷凍装置の一部を構成する蒸発器を配設し、
前記ケーシングにハウジングを併設すると共に、該ハウジング内に外気を導入する第2の送風機と、該ハウジング内に形成された外気流に面して前記熱交換管の放熱部を配設し、該外気流で該放熱部を流れるブラインを冷却するように構成したことを特徴とする駐機航空機用空調装置。
【請求項2】
前記蒸気圧縮式冷凍装置の一部を構成する凝縮器を前記ハウジング内に形成された外気流に面するように配設し、該外気流で該凝縮器を流れる冷媒を冷却するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の駐機航空機用空調装置。
【請求項3】
前記ハウジングを1階部分及び該1階部分と仕切り壁を介して区画された2階部分とから構成し、
前記送風機、前記ケーシング及び前記蒸気圧縮式冷凍装置を1階部分に配置し、2階部分の側壁の一部を、前記熱交換管の放熱部を内側に配置すると共に、前記凝縮器を構成する熱交換管を該放熱部の外側に配設し、これら熱交換管の間に通風空間を形成して構成し、
2階部分の天井壁に前記第2の送風機を設けたことを特徴とする請求項2に記載の駐機航空機用空調装置。
【請求項4】
前記ブラインが循環する熱交換管に三方弁を介設すると共に、該三方弁にバイパス管路を接続し、該バイパス路にブラインの一部を分岐させて前記吸熱部を流れるブラインの流量を調節するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の駐機航空機用空調装置。
【請求項5】
前記ブラインが不凍液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の駐機航空機用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−163584(P2011−163584A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23906(P2010−23906)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000148357)株式会社前川製作所 (267)
【Fターム(参考)】